JP3728604B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はカメラ、ビデオ等に用いられる焦点検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラにおける焦点検出方式として位相差検出方式があり、図9を用いてこの方式を説明する。撮影レンズ100の領域101を介して入射された光束は視野マスク200、フィールドレンズ300、絞り開口部401及び再結像レンズ501を通過し、複数の光電変換素子を一次元的に並べたイメージセンサーアレイA上に結像する。同様に、撮影レンズ100の領域102を介して入射した光束は視野マスク200、フィールドレンズ300、絞り開口部402及び再結像レンズ502を通りイメージセンサーアレイB上に結像する。そして、各イメージセンサーアレイA列、B列からは入射された光強度分布に応じた信号列が出力される。
【0003】
これらイメージセンサーアレイA列、B列に結像する一対の被写体像は、撮影レンズ100が予定焦点面よりも前に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに遠ざかり、逆に予定焦点面より後ろに被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる後ピン状態では互いに近づき、ちょうど予定焦点面に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる合焦時において、イメージセンサーアレイA列、B列上の被写体像は相対的に一致する。従ってこの一対の被写体像をイメージセンサーアレイA列、B列で光電変換して電気信号に変え、これら電気信号を演算処理して一対の被写体像の相対位置ずれ量を求めることにより撮影レンズ100の焦点調節状態、ここでは合焦状態から離れている量とその方向(以後、デフォーカス量と略す)を知ることができる。
【0004】
また、イメージセンサーアレイA列、B列の再結像レンズ501、502による投影像は予定焦点面近傍で重なるようにされており、この重なる領域は一般には図10に示すように撮影画面の中央部の枠領域としており、この領域が焦点検出領域になる。
【0005】
次に、デフォーカス量を求める演算処理方法について説明する。
イメージセンサーアレイA列、B列はそれぞれ複数の光電変換素子で構成されており、複数の出力信号列a[1],...,a[n]、b[1],...b[n]を出力する(図11(a),(b))。そして、この一対の信号列の中の所定範囲のデータを相対的に所定のデータ分Lずつシフトしながら相関演算を行って、相関量C[L]を求める。最大シフト数をlmaxとするとLの範囲は−lmaxからlmaxとなる。具体的には相関量C[L]は数式1で算出される。
【0006】
【数1】
(1)式のLは上述したデータ列のシフト量に相当する整数である。また、初項kと最終項rの各値は、例えば(2)〜(5)式に示すように、シフト量Lの値によって変化する。
【0007】
【数2】
L≧0の時
k=k0+INT{−L/2} ・・・(2)
r=r0+INT{−L/2} ・・・(3)
L<0の時
k=k0+INT{(−L+1)/2} ・・・(4)
r=r0+INT{(−L+1)/2} ・・・(5)
ここで、k0、r0はシフト量L=0の時の初項と最終項を示す。
【0008】
図12は、上記(2)〜(5)式によって初項kと最終項rを変化させた場合の、(1)式によって差分演算を行なうA列、B列の組み合わせを示す図である。このように、シフト量Lの変化に伴って、A列、B列の相関演算に使用する範囲が互いに逆方向にずれていく。
【0009】
なお、初項kと最終項rをシフト量Lにかかわらず一定とする方法もあり、この場合は一方の列の相関演算に使用する範囲は常に一定となり、他方の列のみがずれる。
【0010】
そして、相対位置ずれ量は一対のデータが一致したときのシフト量Lとなるので、(1)式によって求められる相関量C[L]の中で極小値となる相関量を与えるシフト量Lを検出し、これに図9に示す光学系及び、イメージセンサーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数を掛けたものがデフォーカス量となる。よって最大シフト数lmaxが大きいほど大きなデフォーカス量を検出できることになる。
【0011】
ところで、(1)式によって演算される相関量C[L]は図11(c)に示すように離散的な値であり、検出可能なデフォーカス量の最小単位はイメージセンサーアレイA列、B列の光電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。このため、離散的な相関量C[L]を用いて補間演算を行い、新たに真の極小値Cexを算出し、綿密な焦点検出を行う方法が特開昭60−37513で本出願人によって開示されている。これは、図13のように、極小値である相関量C[l]とその両側のシフト量での相関量C[l+1]、C[l−1]を用いて、真の極小値Cexとそのときのずれ量Lsを(6)〜(9)式により算出するものである。
【0012】
【数3】
【数4】
Ls=l+DL/E ・・・(9)
【0013】
上記(8)式において、MAX{Ca,Cb}はCaとCbのうち大きい方を選択することを意味する。そして、デフォーカス量DFは、上記(9)式のずれ量Lsを用いると、(10)式によって求められる。
【数5】
DF=Kf×Ls ・・・(10)
(10)式において、Kfは図9に示す光学系及びイメージセンサーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数である。
【0014】
次に、(10)式によって求めたデフォーカス量が真のデフォーカス量を示すのか、ノイズ等による相関量の揺らぎによるものなのかを判定する必要があるため、(11)式の条件を満たすときのみ、演算されたデフォーカス量は信頼性ありと判断する。
【数6】
E>E1 & Cex/E<G1 ・・・(11)
(11)式のE1、G1は所定のしきい値である。また、数値Eは相関量の変化の様子を示す値であり、上記(8)式によって求められる。この数値Eは、(6)〜(9)式の演算に寄与する情報量を示し、被写体のコントラストに依存するものであり、数値Eが大きいほどコントラストが高く信頼性が高いことを示す。以後、数値Eを情報量と呼ぶこととする。
【0015】
(11)式のCexは一対のイメージセンサーアレイ出力が最も一致したときの差分を示し本来は0である。しかしながらノイズの影響、更に領域101と領域102とで視差が生じているために一対の被写体像に微妙な差が生じるため、実際は0にならない。このようなノイズや被写体像の差の影響は被写体のコントラストが高いほど小さいため、(11)式では一対のイメージセンサーアレイ出力の一致度を表す数値としてはCex/Eを用いている。当然ながらCex/Eが0に近いほど一対のイメージセンサーアレイ出力の一致度が高く信頼性が高いことになる。
【0016】
なお、情報量Eの代わりに一対のイメージセンサーアレイ出力の一方についてコントラストを算出し、これを用いて信頼性判定を行うこともある。そして信頼性ありと判定されるとデフォーカス量DFに基づく撮影レンズ100の駆動、あるいは表示を行う。以上に説明した(1)〜(11)式の相関演算、補間演算、条件判定をまとめて焦点検出演算と呼ぶことにする。
【0017】
以上で説明した焦点検出装置においては、イメージセンサーアレイA,B列が一方向のみに配置されているので、例えばイメージセンサーアレイが撮影画面600の水平方向に配置されているとすると、撮影画面600に垂直な方向のみにコントラストを有する被写体に対しては焦点検出を行えない。
【0018】
そこで、このような被写体に対しても焦点検出を行えるように、撮影画面の水平および垂直の両方向にイメージセンサーアレイを配置した焦点検出装置が知られている。
【0019】
図14は、撮影画面の水平および垂直の両方向にイメージセンサーアレイを配置した焦点検出装置の概略図である。撮影レンズ100の光軸上には、視野マスク20、フィールドレンズ30、絞り40、再結像レンズ50およびイメージセンサーアレイA,B,C,D列が設けられ、イメージセンサーアレイA,B列は撮影画面の水平方向に配置され、イメージセンサーアレイC,D列は撮影画面の垂直方向に配置されている。視野マスク20は十字形の開口部を有しており、撮影レンズ100の予定焦点面近傍に配置されて撮影レンズ100によって結像した被写体の空中像を規制する。
【0020】
撮影レンズ100上の領域11〜14に入射された光束は、フィールドレンズ30を介して絞り40に設けられた4つの開口部41〜44を通過する。再結像レンズ50は、図14(b)に示すように絞り4の開口部41〜44に対応する4つのレンズ51〜54から成り、視野マスク20の像をイメージセンサー2に結像する。
【0021】
例えば、撮影レンズ100の領域11に入射された光束は、視野マスク20、フィールドレンズ30、絞り40の開口部41および再結像レンズ50のレンズ51を通過してイメージセンサーアレイA列上に結像する。同様に、撮影レンズ100の領域12〜14に入射された光束は、それぞれイメージセンサアレイB,C,D列上に結像する。このとき、前ピンのときにはイメージセンサーアレイA,B列に結像される被写体像は互いに遠ざかり、後ピンのときには互いに近づき、合焦時には被写体像は所定の間隔で並ぶ。したがって、イメージセンサーアレイA,B列の出力信号列a[i]、b[i]に基づいて前述した演算処理を行うことにより、撮影レンズ100の水平方向に関するデフォーカス量を算出できる。
【0022】
同様に、イメージセンサーアレイC,D列に結像される被写体像は前ピンのときには互いに遠ざかり、後ピンのときには互いに近づき、合焦時には被写体像は所定の間隔で並ぶ。したがって、イメージセンサーアレイC,D列の出力信号列c[i]、d[i]に基づいて前述した演算処理を行うことにより、撮影レンズ100の垂直方向に関するデフォーカス量を算出することができる。
【0023】
図14に示すように、視野マスク20の形状を十字形にし、かつイメージセンサーアレイA〜D列を十字形に配置することで、焦点検出領域を図15に示すように撮影画面上で交差させることができる。
【0024】
図14の焦点検出装置では、水平方向の焦点検出領域に基づいて算出したデフォーカス量、および垂直方向の焦点検出領域に基づいて算出したデフォーカス量の中から、所定の条件を満たすデフォーカス量を選択し、選択したデフォーカス量に基づいて撮影レンズ600を駆動して合焦させる。なお、所定の条件としては、より近距離にあること、または(8)式によって得られる値Eが大きく、コントラストの高い被写体を撮像していること等がある。
【0025】
また、図14に示す光学系およびイメージセンサーを複数配置することにより、撮影画面内の複数の領域について焦点検出を行うようにした焦点検出装置も知られている。例えば、図16の例では、撮影画面の3箇所に十字形状の焦点検出領域を設けたものである。
【0026】
図16のように、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設けた場合の焦点検出演算方法としては、例えば以下の▲1▼または▲2▼が考えられる。
▲1▼それぞれの焦点検出領域で焦点検出演算を行ってそれぞれデフォーカス量を算出し、算出したデフォーカス量の中から所定の条件を満たすデフォーカス量を選択する。
▲2▼撮影者に所定の焦点検出領域を選択させ、選択された焦点検出領域で焦点検出演算を行ってデフォーカス量を算出する。
【0027】
▲1▼および▲2▼のいずれの場合も、最終的に選択あるいは算出されたデフォーカス量に基づいて撮影レンズを駆動し、被写体に対して撮影レンズを合焦させる。なお、本明細書では、上記▲1▼を自動選択モードと呼び、上記▲2▼を手動選択モードと呼ぶ。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動選択モードを選択した場合、従来は撮影画面内に設けられる焦点検出領域のすべてについて焦点検出演算を行っており、手動選択モードを選択する場合に比べて演算時間が長くなるという問題がある。また、従来は焦点検出領域に対応して設けられるイメージセンサーアレイもすべて駆動しており、その制御も複雑になる。
【0029】
本発明の目的は、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設けた場合でも焦点検出演算を迅速に行うことができる焦点検出装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、撮影レンズ100の予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて予定焦点面に対する撮影レンズ100の結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置に適用され、各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段2と、複数の光電変換手段2の駆動を制御する駆動制御手段6と、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、複数の焦点検出ゾーンの中から所定の焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段4と、すべての焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動モード、およびゾーン選択手段4によって選択された焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動モードのいずれかを選択するモード選択手段3と、 (1) 自動モードが選択されると、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算し、 (2) 手動モードが選択されると、ゾーン選択手段4によって選択された焦点検出ゾーンの内部のすべての焦点検出領域に基づいてデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段7と、焦点検出演算手段7によって演算されたデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段8とを備えることにより、上記目的は達成される。
【0031】
請求項2に記載の発明は、撮影レンズ100の予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて予定焦点面に対する撮影レンズ100の結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置に適用され、各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段2と、複数の光電変換手段2の駆動を制御する駆動制御手段6と、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算する第1の焦点検出演算手段7と、第1の焦点検出演算手段7によって演算されたデフォーカス量に基づいて所定の焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段4と、ゾーン選択手段4によって選択された焦点検出ゾーンの内部に含まれ、第1の焦点検出演算手段7による演算に用いなかった焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算する第2の焦点検出演算手段7と、第1および第2の焦点検出演算手段7で演算されたデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段8とを備えることにより、上記目的は達成される。
【0032】
請求項3に記載の発明は、撮影レンズ100の予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて予定焦点面に対する撮影レンズ100の結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置に適用され、各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段2と、複数の光電変換手段2の駆動を制御する駆動制御手段6と、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、複数の焦点検出ゾーンの中から所定の焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段4と、すべての焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動モード、およびゾーン選択手段4によって選択された焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動モードのいずれかを選択するモード選択手段3と、 (1) 自動モードが選択されると、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択して演算したデフォーカス量に基づいて所定の焦点検出ゾーンを選択し、選択された所定の焦点検出ゾーンの内部に含まれ、デフォーカス量の演算に用いなかった焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算し、 (2) 手動モードが選択されると、ゾーン選択手段4によって選択された焦点検出ゾーンの内部にあるすべての焦点検出領域に基づいてデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段7と、焦点検出演算手段7によって演算されたデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段8とを備えることにより、上記目的は達成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1または3に記載の焦点検出装置において、自動選択モードが選択されると、焦点検出演算手段7によって選択された焦点検出領域に対応する光電変換手段2のみを駆動制御するように駆動制御手段6を構成するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1または3または4に記載の焦点検出装置において、焦点検出ゾーンを撮影画面の水平方向の左側、中央部および右側の計3箇所に並べて設け、各焦点検出ゾーンには水平方向および垂直方向に延在する2個の焦点検出領域を設け、自動モードが選択されると、撮影画面の左側および右側の焦点検出ゾーンについては垂直方向に延在する焦点検出領域を選択し、撮影画面の中央部の焦点検出ゾーンについては水平方向に延在する焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算するように焦点検出演算手段7を構成するものである。
【0035】
【作用】
請求項1に記載の発明では、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、各焦点検出領域に対応して複数の光電変換手段2を配置する。また、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設ける。すべての焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動選択モードが選択されると、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算する。一方、撮影者が選択した焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動選択モードが選択されると、撮影者が選択した焦点検出ゾーン内部にあるすべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行う。
請求項2に記載の発明では、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、各焦点検出領域に対応して複数の光電変換手段2を配置する。また、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設ける。複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算し、演算したデフォーカス量に基づいて所定の焦点検出ゾーンを選択する。次に、選択された焦点検出ゾーンの内部に含まれ、デフォーカス量の演算の際に用いなかった焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算し、その結果に基づいて撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する。
請求項3に記載の発明では、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、各焦点検出領域に対応して複数の光電変換手段2を配置する。また、焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設ける。すべての焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動選択モードが選択されると、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算し、その演算結果に基づいて所定の焦点検出ゾーンを選択する。次に、選択された焦点検出ゾーンの内部に含まれ、デフォーカス量の演算の際に用いなかった焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算し、その結果に基づいて撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する。一方、撮影者が選択した焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動選択モードが選択されると、撮影者が選択した焦点検出ゾーン内部にあるすべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行う。
請求項4に記載の発明では、自動選択モードが選択されると、焦点検出演算手段7がデフォーカス量の演算のために選択した焦点検出領域に対応する光電変換手段2のみを駆動制御する。
請求項5に記載の発明では、撮影画面の水平方向の左側、中央部および右側の計3箇所に焦点検出ゾーンを設け、各焦点検出ゾーンの内部に水平方向および垂直方向に延在する2個の焦点検出領域を設ける。そして、自動選択モードが選択されると、撮影画面の左側および右側の焦点検出ゾーンについては垂直方向に延在する焦点検出領域を選択し、撮影画面の中央部については水平方向に延在する焦点検出領域を選択してデフォーカス量の演算を行う。
【0036】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明が実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
−第1の実施例−
以下、図1〜6に基づいて第1の実施例の焦点検出装置を説明する。
以下に説明する第1の実施例は、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設けており、これら焦点検出領域のうち実際に焦点検出を行う領域を選択するモードとして、自動選択モードと手動選択モードの2つのモードを備えている。そして、手動選択モードが選択された場合には、後述する焦点検出ゾーンの内部にあるすべての焦点検出領域で焦点検出演算を行って得たデフォーカス量に基づいて撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定し、一方、自動選択モードが選択された場合には、各焦点検出ゾーンごとに焦点検出領域を一つずつ指定して焦点検出演算を行って得たデフォーカス量に基づいて撮影レンズ100の最終的な焦点検出状態を決定する。
【0038】
図2は、第1の実施例の焦点検出装置の撮影画面内に設定される焦点検出領域の配置図である。図示のように、撮影画面600の左側には、水平方向に延びる焦点検出領域R1と垂直方向に延びる焦点検出領域R2とが配置されている。一方、撮影画面600の中央部には、水平方向に延びる焦点検出領域R3と垂直方向に延びる焦点検出領域R4とが配置され、撮影画面600の右側には、水平方向に延びる焦点検出領域R5と焦点検出領域R6とが配置されている。
【0039】
焦点検出領域R1,R2と、R3,R4と、R5,R6はそれぞれ十字状に重なりあっており、これら十字状に重なり合った焦点検出領域を含む範囲(図示の点線部)を、本明細書ではそれぞれ焦点検出ゾーンと呼ぶ。
【0040】
本実施例では、焦点検出領域R1,R2を含む範囲を焦点検出ゾーンZ1とし、焦点検出領域R3,R4を含む範囲を焦点検出ゾーンZ2とし、焦点検出領域R5,R6を含む範囲を焦点検出ゾーンZ3としている。なお、焦点検出領域が他の焦点検出領域と重なり合ったり近接したりせずに独立している場合には、その焦点検出領域は独立した焦点検出ゾーンとなる。すなわち、焦点検出ゾーンZ2の上部に配置される焦点検出領域R7のみについては、重なり合う焦点検出領域が他にないため、焦点検出領域R7を含む範囲を焦点検出ゾーンZ4としている。このように、第1の実施例の撮影画面内には、7つの焦点検出領域R1〜R7と4つの焦点検出ゾーンZ1〜Z4とが設けられている。
【0041】
図1は第1の実施例の焦点検出装置のブロック構成図である。図1において、1は撮影レンズ100を通過した被写体光束をイメージセンサー2に導く焦点検出光学系であり、焦点検出ゾーンZ1,Z2,Z3に対しては図15に示すような十字形状の視野マスク20が設けられ、焦点検出ゾーンZ4に対しては一方向に延びる視野マスク20が設けられている。
【0042】
2はイメージセンサーであり、焦点検出領域R1に対応する一対のイメージセンサーアレイA1,B1と、焦点検出領域R2に対応する一対のイメージセンサーアレイA2,B2と、焦点検出領域R3に対応する一対のイメージセンサーアレイA3,B3と、焦点検出領域R4に対応する一対のイメージセンサーアレイA4,B4と、焦点検出領域R5に対応する一対のイメージセンサーアレイA5,B5と、焦点検出領域R6に対応する一対のイメージセンサーアレイA6,B6と、焦点検出領域R7に対応する一対のイメージセンサーアレイA7,B7とから成る。
【0043】
3は選択方式切り替え部であり、4つの焦点検出ゾーンZ1,Z2,Z3,Z4のうち焦点検出演算に用いる焦点検出ゾーンを手動で選択する手動選択モードと、焦点検出ゾーンを自動的に選択する自動選択モードとのいずれか一方を撮影者の指示に基づいて選択する。4は使用ゾーン選択部であり、手動選択モードが選択されたときに、4つの焦点検出ゾーンのうちいずれかのゾーンを撮影者の指示に基づいて選択する。
【0044】
なお、手動選択モードおよび自動選択モードの切り替えと、任意の焦点検出ゾーンの選択とが可能であれば、選択方式切り替え部3と使用ゾーン選択部4とを一つの操作部材で構成してもよい。
【0045】
5は使用検出領域指定部であり、手動選択モードが選択された場合には使用ゾーン選択部4で選択された焦点検出ゾーンに含まれるすべての焦点検出領域を指定し、自動選択モードが選択された場合には焦点検出ゾーンZ1,Z2,Z3についてはそれぞれゾーン内部の焦点検出領域を一つずつ指定し、焦点検出ゾーンZ4については焦点検出領域R7を指定する。
【0046】
6はイメージセンサー駆動制御部であり、イメージセンサー2を構成するイメージセンサーアレイのうち、使用検出領域指定部5で指定した焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイを駆動する。
【0047】
7は焦点検出演算部であり、イメージセンサーアレイの出力信号列に基づいて前述した焦点検出演算を行い、各焦点検出領域ごとにデフォーカス量を算出する。8は演算結果決定部であり、焦点検出演算部7で算出したデフォーカス量の中から所定の条件を満たすものを選択する。すなわち、この演算結果決定部8により、撮影レンズ100の最終的な焦点調節状態を決定する。9はレンズ駆動制御部であり、演算結果決定部8で選択したデフォーカス量に基づいて撮影レンズ100を駆動する。
【0048】
上述した使用検出領域指定部5、イメージセンサー駆動制御部6、焦点検出演算部7、演算結果決定部8およびレンズ駆動制御部9はそれぞれハードウエアで構成してもよいが、図3〜5のフローチャートに示すように、CPU60によるソフトウエア処理で構成してもよい。
【0049】
以下、図3〜5に基づいて第1の実施例の動作を説明する。なお、CPU60は不図示のシャッタレリーズボタンが半押しされた場合等に図3の処理を開始する。
【0050】
図3のステップS101では、選択方式切り替え部3によって自動選択モードが選択されているか否かを判定する。自動選択モードが選択されている場合にはステップS102に進み、後述する図4の自動選択モード処理を行う。一方、ステップS101の判定が否定された場合、すなわち手動選択モードが選択されている場合にはステップS103に進み、後述する図5の手動選択モード処理を行う。
【0051】
ステップS102またはS103の処理が終了するとステップS104に進み、ステップS102またはS103で演算された複数のデフォーカス量の中から、所定の条件を満たすデフォーカス量を一つ選択する。すなわち、ステップS102またはS103で演算された複数のデフォーカス量を演算結果選択部8に入力し、所定の条件、例えば「最もデフォーカス量が小さい」、「最も至近にある」、「信頼性が高い(前述した(8)式の値Eが最も大きい)」等の条件を満たすデフォーカス量を選択する。
【0052】
演算結果選択部8によって選択されたデフォーカス量はレンズ駆動制御部9に入力され、次のステップS105において、レンズ駆動制御部9は選択されたデフォーカス量に基づいて撮影レンズ100を駆動する。
【0053】
図4は図3のステップS102における自動選択モード処理の詳細を示すフローチャートである。図4のステップS201において、使用検出領域指定部5は各焦点検出ゾーンごとに焦点検出領域を一つずつ指定する。具体的には、図6に示すように、焦点検出ゾーンZ1では焦点検出領域R2を、焦点検出ゾーンZ2では焦点検出領域R3を、焦点検出ゾーンZ3では焦点検出領域R6を、焦点検出領域Z4では焦点検出領域R7をそれぞれ指定する。
【0054】
ステップS202において、イメージセンサー駆動制御部6はステップS201で指定された焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイを駆動する。駆動されたイメージセンサーアレイの出力信号列は焦点検出演算部7に入力される。焦点検出演算部7は、次のステップS203において、入力された出力信号列に基づいて上述した(1)〜(6)式で示す焦点検出演算を行い、指定された焦点検出領域ごとにデフォーカス量を算出する。
【0055】
図5は図3のステップS103における手動選択モード処理の詳細を示すフローチャートである。図5のステップ301では、使用ゾーン選択部4によって焦点検出ゾーンZ1が選択されたか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップS302に、判定が否定された場合にはステップS303に進む。ステップS302において、使用検出領域指定部5は焦点検出ゾーンZ1に含まれるすべての焦点検出領域R1,R2を指定してステップS308に進む。
【0056】
ステップS303では、使用ゾーン選択部4によって焦点検出ゾーンZ2が選択されたか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップS304に進み、判定が否定された場合にはステップS305に進む。ステップS304において、使用検出領域指定部5は焦点検出ゾーンZ2に含まれるすべての焦点検出領域R3,R4を指定してステップS308に進む。
【0057】
ステップS305では、使用ゾーン選択部4によって焦点検出ゾーンZ3が選択されたか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップS306に進み、判定が否定された場合にはステップS307に進む。ステップS306において、使用検出領域指定部5は焦点検出ゾーンZ3に含まれるすべての焦点検出領域R5,R6を指定してステップS308に進む。
【0058】
ステップS307の処理を行う場合は、焦点検出ゾーンZ1〜Z3のいずれも選択されなかったことを示しており、この場合には焦点検出ゾーンZ4が自動的に選択され、また使用検出領域指定部5は焦点検出ゾーンZ4に含まれる焦点検出領域R7を指定してステップS308に進む。
【0059】
ステップS308において、イメージセンサー駆動制御部6は、ステップS302,S304,S306で指定した焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイを駆動する。駆動されたイメージセンサーアレイの出力信号列は焦点検出演算部7に入力される。焦点検出演算部7は、次のステップS309において、イメージセンサーアレイの出力信号列に基づいて焦点検出演算を行い、指定された焦点検出領域ごとにデフォーカス量を算出する。
【0060】
このように、第1の実施例によれば、自動選択モードが選択された場合に、各焦点検出ゾーンごとに一部の焦点検出領域を指定して焦点検出演算を行うようにしたため、すべての焦点検出領域を用いて焦点検出演算を行う場合に比べて演算時間を短縮できる。また、指定した焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイのみを駆動するため、イメージセンサーの駆動制御を単純化でき、処理速度の向上と消費電力の削減を図れる。
【0061】
−第2の実施例−
第2の実施例は、自動選択モードの処理を第1の実施例と異なる処理にしたものである。すなわち、自動選択モードが選択されると、一部の焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行って焦点検出ゾーンを選択し、選択した焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にあるすべての焦点検出領域に基づいて再度焦点検出演算を行って最終的な焦点検出状態を決定するものである。
【0062】
図7は第2の実施例の焦点検出装置のブロック構成図である。図示のように、検出ゾーン決定部10が新たに加わった他は図1に示す第1の実施例の構成と共通する。この検出ゾーン決定部10では、自動選択モード時に算出された複数のデフォーカス量のうち、所定の条件を満たすデフォーカス量に対応する焦点検出ゾーンを選択する。検出ゾーン決定部10はハードウエアで構成してもよいが、本実施例ではCPU60によるソフトウエア処理で構成する場合について説明する。
【0063】
第2の実施例のCPU60は自動選択モード処理を除いて第1の実施例と同様の処理を行うため、以下では自動選択モード処理を中心に説明する。
図8は第2の実施例のCPU60が行う自動選択モード処理のフローチャートである。図8のステップS401において、使用検出領域指定部5は各焦点検出ゾーンごとに焦点検出領域を一つずつ指定する。すなわち、第1の実施例と同様に図6のように指定する。
【0064】
ステップS402において、イメージセンサー駆動制御部6は、ステップS401で指定した焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイを駆動する。駆動されたイメージセンサーアレイの出力信号列は焦点検出演算部7に入力される。
【0065】
ステップS403において、焦点検出演算部7は、入力されたイメージセンサーアレイの出力信号列に基づいて(1)〜(6)式で示す焦点検出演算を行い、指定した焦点検出領域ごとにデフォーカス量を算出する。
【0066】
ステップS404において、検出ゾーン決定部10はステップS403で算出したデフォーカス量に基づいて一つの焦点検出ゾーンを選択する。選択方法としては、例えば「最もデフォーカス量が小さい」、「最も至近にある」等の所定の条件を満たすデフォーカス量に対応する焦点検出ゾーンを選択する。なお、ステップS404での選択条件は図3のステップS104のデフォーカス量の選択条件と同一にするのが望ましい。
【0067】
ステップS405では、検出ゾーン決定部10によって焦点検出ゾーンZ1が選択されたか否かを判定する。判定が肯定されるとステップS406に進み、焦点検出ゾーンZ1の内部にある焦点検出領域R1を指定する。一方、ステップS405の判定が否定されるとステップS407に進む。
【0068】
ステップS407では、検出ゾーン決定部10によって焦点検出ゾーンZ2が選択されたか否かを判定する。判定が肯定されるとステップS408に進み、焦点検出ゾーンZ2の内部にある焦点検出領域R4を指定する。一方、ステップS407の判定が否定されるとステップS409に進む。
【0069】
ステップS409では、検出ゾーン決定部10によって焦点検出ゾーンZ3が選択されたか否かを判定する。判定が肯定されるとステップS410に進み、焦点検出ゾーンZ3の内部にある焦点検出領域R5を指定する。
【0070】
一方、ステップS409の判定が否定された場合は焦点検出ゾーンZ4が選択されたことを示しており、焦点検出ゾーンZ4の内部には焦点検出領域R7以外は含まれておらず、また、焦点検出領域R7はすでにステップS401で指定しているため、ステップS409の判定が否定された場合には新たな焦点検出演算を行うことなくリターンする。
【0071】
ステップS410の処理が終了するとステップS411に進み、イメージセンサー駆動制御部6は、ステップS406,S408およびS410のいずれかで指定した焦点検出領域に対応するイメージセンサーアレイを駆動する。駆動されたイメージセンサーアレイから出力された出力信号列は焦点検出演算部7に入力される。
【0072】
このように、第2の実施例によれば、自動選択モードが選択されると、第1の実施例と同様に撮影画面内の一部の焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行うため、すべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行う場合に比べて演算時間を短縮できる。また、第2の実施例では、選択した焦点検出ゾーンについては、ゾーン内部にあるすべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行うため、手動選択モードを選択した場合と自動選択モードを選択した場合とで焦点検出能力に差が生じなくなり、より高精度に焦点検出演算を行える。
【0073】
上述した実施例では、自動選択モードが選択されると、焦点検出領域を図6のように選択しているが、各ゾーンごとに選択する焦点検出領域の種類は図6に限定されない。また、撮影画面内に設けられる焦点検出ゾーンの数および位置等は上記実施例に限定されない。同様に、焦点検出ゾーンの内部に設けられる焦点検出領域の数、位置および形状等も上記実施例に限定されない。
【0074】
このように構成した実施例にあっては、イメージセンサー2が光電変換手段に、イメージセンサー駆動制御部6が駆動制御手段に、使用検出領域指定部5が領域選択手段に、焦点検出演算部7が焦点検出演算手段に、演算結果決定部8が最終状態決定手段に、使用ゾーン選択部4がゾーン選択手段に、選択方式切り替え部3がモード選択手段に、図8のステップS403が第1の焦点検出演算手段に、図8のステップS412が第2の焦点検出演算手段に、それぞれ対応する。
【0075】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、自動選択モードと手動選択モードを設け、(1)自動選択モードが選択されると複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内の一部の焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行い、(2)手動選択モードが選択されると撮影者によって選択された焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行うようにしたため、いずれのモードを選択した場合でも、すべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行う場合に比べて、演算時間を短縮できる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の焦点検出領域に基づいて第1の焦点検出演算を行って焦点検出ゾーンを選択し、選択した焦点検出ゾーンについては、第1の焦点検出演算に用いなかった焦点検出領域に基づく第2の焦点検出演算によってデフォーカス量を演算するようにしたため、焦点検出演算の精度を上げることができる。また、一部の焦点検出領域だけを用いた第1の焦点検出演算によって焦点検出ゾーンの選択を行うため、演算時間を短縮できる。
請求項3に記載の発明によれば、自動選択モードが選択された場合にも、選択した焦点検出ゾーン内部のすべての焦点検出領域に基づいて焦点検出演算を行うようにしたため、自動選択モードと手動選択モードとで焦点検出能力に差が生じなくなる。
請求項4に記載の発明によれば、自動選択モードが選択された場合には、デフォーカス量の演算に最低限必要な焦点検出領域に対応する光電変換手段のみを駆動するため、光電変換手段の駆動制御が簡易化するとともに、消費電力も低減できる。
請求項5に記載の発明によれば、自動選択モードが選択された場合には、撮影画面の左側および右側については垂直方向に延在する焦点検出領域を選択し、撮影画面の中央部については水平方向に延在する焦点検出領域を選択するようにしたため、主要被写体が撮影画面の中央部にない場合でも、ピント調整を精度よく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の焦点検出装置のブロック構成図。
【図2】第1の実施例の撮影画面内に設定される焦点検出領域の配置図。
【図3】CPUのメイン処理を示すフローチャート。
【図4】第1の実施例のCPUの自動選択モード処理を示すフローチャート。
【図5】CPUの手動選択モード処理を示すフローチャート。
【図6】自動選択モード時に指定される焦点検出領域を示す図。
【図7】第2の実施例の焦点検出装置のブロック構成図。
【図8】第2の実施例のCPUの自動選択モード処理を示すフローチャート。
【図9】位相差検出方式の概要を説明する図。
【図10】撮影画面の中央部に焦点検出領域を設けた図。
【図11】イメージセンサーアレイの出力信号レベルを示す図。
【図12】イメージセンサーアレイの出力信号をシフトさせた状態を示す図。
【図13】シフト量Lと相関量C[L]との関係を示す図。
【図14】水平および垂直方向にイメージセンサーアレイを配置した焦点検出装置の概略図。
【図15】撮影画面内に十字形状の焦点検出領域を設けた図。
【図16】撮影画面内に十字形状の焦点検出領域を3つ設けた図。
【符号の説明】
1 焦点検出光学系
2 イメージセンサー
3 選択方式切り替え部
4 使用ゾーン選択部
5 使用検出領域指定部
6 イメージセンサー駆動制御部
7 焦点検出演算部
8 演算結果決定部
9 レンズ駆動制御部
10 検出ゾーン選択部
60 CPU
100 撮影レンズ
Claims (5)
- 撮影レンズの予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、前記複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて前記予定焦点面に対する前記撮影レンズの結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置において、
前記各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
前記焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように前記撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、前記複数の焦点検出ゾーンの中から所定の焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段と、
すべての前記焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動モード、および前記ゾーン選択手段によって選択された焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動モードのいずれかを選択するモード選択手段と、
(1)前記自動モードが選択されると、前記複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の前記焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算し、(2)前記手動モードが選択されると、前記ゾーン選択手段によって選択された焦点検出ゾーンの内部のすべての前記焦点検出領域に基づいてデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、
前記焦点検出演算手段によって演算されたデフォーカス量に基づいて、前記撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。 - 撮影レンズの予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、前記複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて前記予定焦点面に対する前記撮影レンズの結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置において、
前記各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
前記焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように前記撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、前記複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の前記焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算する第1の焦点検出演算手段と、
前記第1の焦点検出演算手段によって演算されたデフォーカス量に基づいて所定の前記焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段と、
前記ゾーン選択手段によって選択された焦点検出ゾーンの内部に含まれ、前記第1の焦点検出演算手段による演算に用いなかった前記焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算する第2の焦点検出演算手段と、
前記第1および第2の焦点検出演算手段で演算されたデフォーカス量に基づいて、前記撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。 - 撮影レンズの予定焦点面に設定された撮影画面内に複数の焦点検出領域を設け、前記複数の焦点検出領域の一部または全部に基づいて前記予定焦点面に対する前記撮影レンズの結像面のデフォーカス量を演算する焦点検出装置において、
前記各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
前記焦点検出領域を一つ以上有する焦点検出ゾーンであって、少なくとも1つの焦点検出ゾーンが複数の焦点検出領域を有するように前記撮影画面内に複数の焦点検出ゾーンを設け、前記複数の焦点検出ゾーンの中から所定の焦点検出ゾーンを選択するゾーン選択手段と、
すべての前記焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う自動モード、および前記ゾーン選択手段によって選択された焦点検出ゾーンに基づいて焦点検出演算を行う手動モードのいずれかを選択するモード選択手段と、
(1)前記自動モードが選択されると、前記複数の焦点検出領域を有する焦点検出ゾーンについてはゾーン内部にある一部の前記焦点検出領域を選択して演算したデフォーカス量に基づいて所定の前記焦点検出ゾーンを選択し、前記選択された所定の焦点検出ゾーンの内部に含まれ、デフォーカス量の演算に用いなかった前記焦点検出領域に基づいて再度デフォーカス量を演算し、(2)前記手動モードが選択されると、前記ゾーン選択手段によって選択された焦点検出ゾーンの内部にあるすべての前記焦点検出領域に基づいてデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、
前記焦点検出演算手段によって演算されたデフォーカス量に基づいて、前記撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決定する最終状態決定手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1または3に記載の焦点検出装置において、
前記駆動制御手段は、前記自動選択モードが選択されると、前記焦点検出演算手段によって選択された焦点検出領域に対応する前記光電変換手段のみを駆動制御することを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1または3または4に記載の焦点検出装置において、
前記焦点検出ゾーンは、前記撮影画面の水平方向の左側、中央部および右側の計3箇所に並べて設けられ、各焦点検出ゾーンには水平方向および垂直方向に延在する2個の前記焦点検出領域が設けられ、
前記焦点検出演算手段は、前記自動モードが選択されると、前記撮影画面の左側および右側の前記焦点検出ゾーンについては垂直方向に延在する前記焦点検出領域を選択し、前記撮影画面の中央部の前記焦点検出ゾーンについては水平方向に延在する前記焦点検出領域を選択してデフォーカス量を演算することを特徴とする焦点検出装置。
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