JP3727825B2 - 車載用ビーコン受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両外部から光ビーコン又は電波ビーコンに重畳して送られてくる情報を受信する車載用ビーコン受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ビーコン又は電波ビーコンを使用して、道路走行中の車両に、事故情報、渋滞情報及び駐車場空き情報等の交通情報を提供するシステムが実用化されている。このようなシステムを利用するには、例えば車両にビーコン受信機とナビゲーション装置とを搭載する。光ビーコン送信機及び電波ビーコン送信機は道路上に設置されており、車両がビーコン送信機の設置位置に近づくと、車両に搭載されたビーコン受信機に光ビーコン又は電波ビーコンが受信される。ビーコン受信機は、光ビーコン又は電波ビーコンから交通情報を抽出してナビゲーション装置に送る。ナビゲーション装置は、ビーコン受信機から送られてきた交通情報をディスプレイ装置に表示する。例えば、ナビゲーション装置は渋滞情報を受信すると、ディスプレイ装置に表示した地図上に、対応する道路に沿って渋滞を示す赤色の矢印を表示する。
【0003】
ところで、電波ビーコン送信機は主に高速道に設置され、光ビーコン送信機は主に一般道に設置されている。このため、例えば高速道路と一般道路とが並行しているようなところでは、電波ビーコンと光ビーコンが同時に受信されることがある。しかし、電波ビーコン送信機と光ビーコン送信機が同じ道路に同時に設置されることはないため、いずれか一方のビーコンのみのデータを選択すればよい。従来は、例えば電波ビーコンの受信レベルがある一定の値(しきい値)以上のときに、電波ビーコンのデータを採用するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車載用ビーコン受信機では、電波ビーコン受信部と光ビーコン受信部とが基本的に独立しており、電波ビーコンと光ビーコンを同時に受信した場合であっても、それぞれのビーコンから抽出したデータをバッファメモリに格納している。このため、バッファメモリの容量が大きいことが必要であり、かつ使うことがないデータまでバッファメモリに格納しているので、メモリの使用効率が悪いという欠点がある。これにより、製品コストの上昇を招いている。
【0005】
以上から本発明の目的は、バッファメモリの容量を削減できる車載用ビーコン受信機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、光ビーコン受信部と、前記光ビーコン受信部の出力から第1のビットデータを抽出する第1のビットデータ抽出部と、電波ビーコン受信部と、前記電波ビーコン受信部の出力から第2のビットデータを抽出する第2のビットデータ抽出部と、前記第1のビットデータのフレーム同期を検出する光フレーム同期検出部、前記第2のビットデータのフレーム同期を検出する電波フレーム同期検出部、及び信号選択部を備え、前記光フレーム同期検出部でフレーム同期を検出したときには前記第1のビットデータを出力し、前記光フレーム同期検出部でフレーム同期を検出せず、かつ前記電波フレーム同期検出部でフレーム同期を検出したときには前記第2のビットデータを出力する排他制御部と、前記排他制御部から出力されたビットデータをシリアル/パラレル変換するシリアル/パラレル変換部と、前記シリアル/パラレル変換部から出力されたデータを記憶する記憶部とを有する車載用ビーコン受信機であって、前記光フレーム同期検出部は、前記第1のビットデータの同期フレームを検出するとアクティブになる優先信号と第1の選択信号とを出力し、前記電波フレーム同期検出部は、前記第2のビットデータの同期フレームを検出し、かつ前記優先信号が非アクティブのときにのみアクティブとなる第2の選択信号を出力し、前記信号選択部は、前記第1の選択信号がアクティブのときには前記第1のビットデータを次段に伝達し、前記第2の選択信号がアクティブのときは前記第2のビットデータを次段に伝達する論理和ゲートにより構成されること特徴とする車載用ビーコン受信機により解決する。
【0007】
以下、本発明の作用について説明する。
本発明においては、排他制御部内の第1のフレーム同期検出部及び第2のフレーム同期検出部で光ビーコンから抽出した第1のビットデータ及び電波ビーコンから抽出した第2のビットデータのフレーム同期を検出する。そして、第1のビットデータのフレーム同期を検出したときは、第1のビットデータを次段のシリアル/パラレル変換部に伝達し、第1のビットデータのフレーム同期を検出せず、かつ、第2のビットデータのフレーム同期を検出したときは第2のビットデータをシリアル/パラレル変換部に伝達する。シリアル/パラレル変換部では、排他制御部から伝達されたビットデータ(第1のビットデータ又は第2のビットデータ)をパラレルデータに変換し、記憶部に記憶する。
【0008】
このように、本発明においては、光ビーコンと電波ビーコンを同時に受信したときには、光ビーコンから抽出したビットデータのみをシリアル/パラレル変換して記憶部に記憶するので、記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態の車載用ビーコン通信機の構成を示すブロック図、図2は排他制御部20の構成を示すブロック図である。
本実施の形態のビーコン通信機10は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)11、PD(Photodiode:ホトダイオード)12、光/アナログ変換部13、PLL部14,18、同期検出部15,19、電波アンテナ16、電波チューナ17、排他制御部20、シリアル/パラレル(S/P)変換部21、バッファメモリ22及びアップリンク制御部23により構成され、車載用ナビゲーション装置40に接続される。
【0010】
LED11及びPD12は、路上に設置された光ビーコン通信機との間で通信を行う光送信部及び光受信部である。光/アナログ変換部13は、PD12から入力した信号を復調し、その結果得られたビットデータをPLL部14に出力する。
PLL部14は、光/アナログ変換部13から出力されたビットデータからクロックを抽出する。同期検出部15は、PLL部14からビットデータ及びクロックを入力し、光ビーコンのフレーム構成に基づいて同期符号を検出し、同期符号の検出タイミングに合わせた同期信号を出力する。
【0011】
一方、電波アンテナ16で受信した電波ビーコンは電波チューナ17で復調され、電波チューナ17からビットデータが出力される。PLL部18は、電波チューナ17から出力されたビットデータからクロックを抽出する。同期検出部19は、PLL部18からビットデータ及びクロックを入力し、電波ビーコンのフレーム構成に基づいて同期符号を検出し、同期符号の検出タイミングに合わせて同期信号を出力する。
【0012】
排他制御部20は、図2に示すように、光フレーム同期検出シーケンサ31、電波フレーム同期検出シーケンサ32、セレクタ33,34及び論理和ゲート35により構成されている。光フレーム同期検出シーケンサ31は、同期検出部16から光ビーコンの同期信号、クロック及びビットデータを入力して、1フレーム毎にCRCチェック(Cyclic Redundancy Check )を行い、エラーの有無を検出する。そして、エラーが検出されないときは選択信号S1及び優先信号S2をアクティブにする。セレクタ33は選択信号S1がアクティブのときは光ビーコンのビットデータを次段の論理和ゲート35に伝達し、選択信号S1が非アクティブのときは光ビーコンのビットデータの次段への伝達を停止する。
【0013】
これと同様に、電波フレーム同期検出シーケンサ32は、同期検出部19から電波ビーコンの同期信号、クロック及びビットデータを入力して、1フレーム毎にCRCチェックを行い、エラーの有無を検出する。そして、エラーが検出されないときは選択信号S3をアクティブにし、エラーが検出されたときは選択信号S3を非アクティブにする。但し、電波フレーム同期検出シーケンサ32は、光フレーム同期検出シーケンサ31から出力される優先信号S2がアクティブのときは、選択信号S3を常に非アクティブにする。セレクタ34は、電波フレーム同期検出シーケンサ32から出力された選択信号S3がアクティブのときは、電波ビーコンのビットデータを次段の論理和ゲート35に伝達し、選択信号S3が非アクティブのときは、次段への伝達を停止する。
【0014】
論理和ゲート35は、セレクタ33,34を介して送られてくるビットデータをシリアル/パラレル変換部21に伝達する。
シリアル/パラレル変換部21は、排他制御部20から送られてくるシリアルのビットデータを、16ビットのパラレルデータに変換し、バッファメモリ22に伝達する。バッファメモリ22では、保存したデータを所定のタイミングでナビゲーション装置40に伝達する。
【0015】
なお、光ビーコンでは、車両から路上に設置された路上ビーコン通信機に情報を送信する(アップリンク)ことができる。この場合、ナビゲーション装置40から出力されたデータはアップリンク制御部24で符号化され、光/アナログ変換部13でLED駆動信号に変換されて、LED11に供給される。LED11は、光/アナログ変換部13から出力された信号により発光し、路上ビーコン通信機に光ビーコンが送信される。路上ビーコン通信機で受信したデータは、情報センタに送られる。
【0016】
図3は光ビーコンのダウンリンクのフレーム構成を示す図である。この図3に示すように、光ビーコンの1フレームは、1バイトの同期符号、5バイトのヘッダ部、123バイトのデータ部、1バイトのアイドル、2バイトのCRC符号及び1バイトの同期符号により構成される。同期符号は、フレームの始まり及び終わりを示す一定の符号である。ヘッダ部は、フレームの内容を表すデータである。実データ部には、交通情報等の実データが挿入される。アイドルはある特定の符号であり、CRCはヘッダ部からアイドルまでの誤り検定符号である。ダウンリンク通信は、1〜80フレームで構成される。ビーコン通信機では、受信したダウンリンクのヘッダ部を調べ、複数フレームにまたがる情報の場合には、それを連結して使用する。
【0017】
図4は電波ビーコンのフレーム構成を示す図である。この図4に示すように、電波ビーコンは、4バイトの同期符号、122バイトのデータ部及び2バイトのCRC符号により構成されている。同期符号は、フレームの始まりを示す一定の符号である。データ部には、フレーム制御情報、位置情報、道路交通情報などのデータが挿入される。CRCは誤り検出符合である。
【0018】
本実施の形態において、光ビーコンを受信すると、同期検出部15で光ビーコンの同期符号を検出して、排他制御部20の光フレーム同期検出シーケンサ31に同期信号が出力される。光フレーム同期検出シーケンサ31は、同期信号に応じて1フレーム分のビットデータを蓄積し、ヘッダ部からアイドルまでのCRCチェックを行う。CRCチェックの結果、エラーがないときはフレーム同期を検出したものとし、選択信号S1及び優先信号S2をアクティブにする。これにより、セレクタ33は光ビーコンのビットデータを、論理和ゲート35を介してシリアル/パラレル変換部21に伝達する。このとき、電波フレーム同期検出シーケンサ32は、優先信号S2により、選択信号S3を非アクティブにする。従って、電波ビーコンを受信したとしても、電波ビーコンのビットデータはセレクタ34で遮断され、シリアル/パラレル変換部21には伝達されない。
【0019】
シリアル/パラレル変換部21は、入力された光ビーコンのビットデータを16ビットのパラレルデータに変換し、バッファメモリ22に格納する。このバッファメモリ22に格納されたデータは、所定のタイミングでナビゲーション装置40に転送される。
一方、電波ビーコンのみを受信した場合は、同期検出部19で電波ビーコンの同期符号を検出して、排他制御部20の電波フレーム同期検出シーケンサ32に同期信号が出力される。電波フレーム同期検出シーケンサ32は、同期信号に応じて1フレーム分のビットデータを蓄積し、データ部のCRCチェックを行う。CRCチェックの結果、エラーがないときはフレーム同期を検出したものとし、選択信号S3をアクティブにする。これにより、セレクタ34は電波ビーコンのビットデータを、論理和ゲート35を介してシリアル/パラレル変換部21に伝達する。
【0020】
シリアル/パラレル変換部21は、入力された電波ビーコンのビットデータを16ビットのパラレルデータに変換し、バッファメモリ22に格納する。このバッファメモリ22に格納されたデータは、所定のタイミングでナビゲーション装置40に転送される。
本実施の形態においては、排他制御部20で光ビーコン及び電波ビーコンのフレーム同期を検出し、光ビーコン及び電波ビーコンのいずれか一方のみが正常に受信されたときは、正常に受信されたビーコンのデータをバッファメモリ22に格納する。また、光ビーコン及び電波ビーコンがいずれも正常に受信されたときは、光ビーコンのデータのみをバッファメモリ22に格納する。
【0021】
従って、本実施の形態のビーコン通信機は、従来のように同時に受信された電波ビーコン及び光ビーコンの両方のデータを同時にバッファメモリに格納することがないので、バッファメモリ22の容量を削減することができる。これにより、製品コストを削減することができる。また、従来は、光ビーコンから抽出したデータ及び電波ビーコンから抽出したデータをいずれもバッファメモリに格納していたので、CPU等を使用してバッファメモリ22内に格納されたデータのうちどのデータをナビゲーション装置に伝達するのかを判断する必要があった。しかし、本実施の形態においてはこのような処理が不要である。従って、例えばビーコン受信機とナビゲーション装置とを一体化した装置の場合に、CPUの負荷を軽減することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1のビットデータのフレーム同期を検出したときは、第1のビットデータをシリアル/パラレル変換部に伝達し、第1のビットデータのフレーム同期を検出せず、かつ、第2のビットデータのフレーム同期を検出したときは第2のビットデータをシリアル/パラレル変換部に伝達する排他制御部を有するので、光ビーコンと電波ビーコンを同時に受信したとしても、光ビーコンから抽出したビットデータのみをシリアル/パラレル変換して記憶部に記憶する。このため、ビーコン受信機の記憶部の記憶容量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態のビーコン通信機の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ビーコン通信機の排他制御部の構成を示すブロック部である。
【図3】図3は、光ビーコンのダウンリンクのフレーム構成を示す図である。
【図4】図4は、電波ビーコンのフレーム構成を示す図である。
【符号の説明】
10…ビーコン通信機、
11…LED(発光ダイオード)、
12…PD(ホトダイオード)、
13…光/アナログ変換部、
14,18…PLL部、
15,19…同期検出部、
16…電波アンテナ、
17…電波チューナ、
20…排他制御部、
21…シリアル/パラレル変換部、
22…バッファメモリ、
31…光フレーム同期検出シーケンサ、
32…電波フレーム同期検出シーケンサ、
33,34…セレクタ、
35…論理和ゲート、
40…ナビゲーション装置。
Claims (1)
- 光ビーコン受信部と、
前記光ビーコン受信部の出力から第1のビットデータを抽出する第1のビットデータ抽出部と、
電波ビーコン受信部と、
前記電波ビーコン受信部の出力から第2のビットデータを抽出する第2のビットデータ抽出部と、
前記第1のビットデータのフレーム同期を検出する光フレーム同期検出部、前記第2のビットデータのフレーム同期を検出する電波フレーム同期検出部、及び信号選択部を備え、前記光フレーム同期検出部でフレーム同期を検出したときには前記第1のビットデータを出力し、前記光フレーム同期検出部でフレーム同期を検出せず、かつ前記電波フレーム同期検出部でフレーム同期を検出したときには前記第2のビットデータを出力する排他制御部と、
前記排他制御部から出力されたビットデータをシリアル/パラレル変換するシリアル/パラレル変換部と、
前記シリアル/パラレル変換部から出力されたデータを記憶する記憶部とを有する車載用ビーコン受信機であって、
前記光フレーム同期検出部は、前記第1のビットデータの同期フレームを検出するとアクティブになる優先信号と第1の選択信号とを出力し、前記電波フレーム同期検出部は、前記第2のビットデータの同期フレームを検出し、かつ前記優先信号が非アクティブのときにのみアクティブとなる第2の選択信号を出力し、
前記信号選択部は、前記第1の選択信号がアクティブのときには前記第1のビットデータを次段に伝達し、前記第2の選択信号がアクティブのときは前記第2のビットデータを次段に伝達する論理和ゲートにより構成されること特徴とする車載用ビーコン受信機。
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