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JP3719686B2 - 濾過剤用シリカゲル - Google Patents

濾過剤用シリカゲル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は濾過剤用シリカゲルに関する。さらに詳しくは、本発明は、濾過特性およびタンパク吸着特性ともに優れた、酒、みりん、ビール等の醸造物に対し有用な濾過剤用シリカゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】
酒、みりん、ビール等の醸造物はその製造の過程において原料である米や大麦に由来するある種のタンパク質や酵素等の会合によりコロイド状物質を生じることが知られている。このコロイド状物質は製品としての品質を著しく損ねる濁りの原因となる。またこのコロイド状物質を濾別しようとすると濾過抵抗が著しく上昇し、濾別が困難になるといった問題も生じる。
【0003】
このような問題を解決するための方法として、下記のような方法がこれまでに知られている。
▲1▼吸着剤を利用して濁りの原因物質を吸着しこれを遠心分離する方法。
▲2▼予め濾材に吸着剤あるいは濾過剤をプレコートして、酒、みりん、ビール等の醸造物をフィードする際、濾過により分離、除去する方法。
▲3▼酵素によりタンパク質を分解する方法。
上記吸着剤としては、例えばタンニン、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)等の有機系吸着剤およびシリカ等の無機系吸着剤が知られている。濾過剤としては、ケイソウ土、パーライト、セルローズ等が知られている。さらに、タンパク質分解酵素としては、パパイン等が挙げられる。これらの中では、シリカが被濾過物の品質に与える影響が小さく吸着性能も優れており、且つ濾過剤としての性能も優れている事から広く使用されている。
【0004】
一般にシリカはアルカリ金属珪酸塩水溶液と鉱酸の中和反応によって製造することができ、その製造方法は湿式法と呼ばれている。湿式法は中性、あるいはアルカリ性下で反応させ比較的濾過し易い沈澱珪酸を得る沈澱法と、酸性で反応させゲル状の珪酸を得るゲル法とに分類される。
【0005】
ゲル法の代表例は、例えば米国特許第2466842号等に開示されている。この方法によれば、酸性反応によって得られたゲル状の珪酸(シリカヒドロゲル)を水洗、乾燥後、粉砕してゲル法シリカが得られる。これらゲル法シリカは、沈澱法シリカに比べて一般に構造性が高く、高シェアー下においてもその構造性を保持できる。そのため、合成皮革、プラスチック等のコーティング剤、樹脂フィルムのアンチブロッキング剤、吸着剤、分離剤、触媒として使用されている。この様な特性から濾過剤分野では沈澱珪酸に比べゲル法シリカ(以下、シリカゲルと呼ぶ)が一般に広く使用されている。
【0006】
濾過剤用シリカゲルに関しては種々な物性を規定した特許が多く出されている。例えば、英国特許第938153号、英国特許第981715号には、シリカゲルとしてシリカキセロゲルを濾過剤に使用する方法が記載されている。特公昭63−38188号公報には焼成したシリカキセロゲルを濾過剤として使用する事が開示されている。また特公平3−27483号公報には含水シリカゲルとして、含水量を制御する事により得られる所定の物性のシリカゲルの濾過剤としての使用が開示されている。更に特開平5−177132号公報には特定の物性を有する薄片状、鱗片状、又は棒状の形状に特徴のあるシリカゲルの濾過剤としての使用についての記載もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
濾過剤としてのシリカゲルには、濾過性能および吸着性能の両者が優れていることが望まれる。濾過性能とは、主に濾過速度とフィルターとしたときの強度であり、吸着性能とは、主に不要タンパク質の吸着能力と必要なタンパク質は吸着しないという選択的な吸着性能である。
【0008】
これまでに、吸着性能に関しては、BET比表面積が100〜1100m2/g、細孔容積が0.2〜2.5ml/g、平均細孔径が30〜200Åの各範囲にあるシリカゲルが優れていることが知られている。特に、BET比表面積が550〜700m2/gの範囲にあり、平均細孔径が100Å前後であるシリカゲルが、実用的には優れた吸着性能を有するものであると言われている。
しかるに、本発明者らが検討したところ、上記3つの条件を全て満足するシリカゲルの粒子は脆いという欠点があった。このシリカゲルを濾過剤とし使用して酒、みりん、ビール等と接触させると、経時的に粒子が崩壊して、濾過速度が低下した。また、粒子が崩壊することにより、細孔容積や平均細孔直径が減少し、その結果、吸着性能も低下するといった問題があった。
【0009】
本発明者らは、上記問題を解決すべく濾過性能(特にフィルターとしての強度)を重視して、シリカゲルの粒子硬度を高めたシリカゲルを試作した。ところが、従来のシリカゲルにおいて、単に粒子硬度を高めたものでは、細孔容積や平均細孔直径が小さくなり吸着性能が低下したり、あるいは吸着速度も低下することが判明した。
また、本発明者らは、濾過速度の改善を目的として、粒子径を大きくしたシリカゲルも試作してみた。しかし、粒子径を大きくしたシリカゲルでは、被濾過物との接触効率が低下し、吸着特性が著しく低下することが判明した。
【0010】
そこで、本発明の目的は、製品に不必要なタンパク質等のみ除去し、必要なタンパク質は除去しない、従来品と同等の優れた吸着性能を有するシリカゲルであって、さらに、濾過速度及びフィルターとしての強度といった濾過性能が、従来のシリカゲルよりさらに向上した濾過剤用シリカゲルを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、従来品と同等の吸着性能および従来品より優れた濾過性能を有し、かつ濾過速度が向上することによって吸着速度も向上した、優れた性能を有する濾過剤用シリカゲルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シリカゲル粒子に特異な構造を付与する事により、粒子の崩壊による濾過特性の低下がなく、かつ優れた吸着性能と吸着速度を有する濾過剤用シリカゲルを提供できることを見いだして本発明に至った。
【0012】
即ち本発明は、細孔径50〜500Åの範囲の細孔の容積が0.7〜2.5ml/gの範囲であり、かつ細孔径が500Åをこえる細孔の容積が0.2〜0.8ml/gの範囲であることを特徴とする濾過剤用シリカゲルに関する。
【0013】
従来から、細孔径は100Å前後であることが、吸着性能を考慮すると好ましいとされている。それに対して、本発明のシリカゲルは、主にタンパク質の吸着に寄与する細孔径50〜500Åの細孔と、主に被濾過物の流通に寄与する細孔径500Åをこえる細孔との2種類の細孔群を有するものである。
その結果、従来のシリカゲルと同様の優れた吸着性能を維持しつつ、濾過性能も改善でき、さらには、吸着速度も向上させることができた。
以下本発明を詳細に説明する。
【0014】
細孔径50〜500Åの範囲の細孔の容積は、0.7〜2.5ml/gの範囲である。この範囲の細孔は、上記のように、タンパク質の吸着に関与している。0.7ml/g未満ではタンパク質の吸着性能が不十分となり、2.5ml/gを超えると吸着性が高くなりすぎ、起泡タンパクや香味タンパク等の有用なタンパク質の吸着も起こるために好ましくない。好ましくは、細孔径50〜500Åの範囲の細孔容積は、1.0〜1.5ml/gの範囲である。また、吸着性能の観点からは、細孔径50〜300Åの範囲の細孔の容積が、0.7〜2.5ml/gの範囲であることが特に好ましい。
【0015】
また500Åをこえる細孔の容積は0.2〜0.8ml/gである。0.2ml/g未満では被濾過物との接触効率が悪化し吸着性、吸着速度が低下する。一方、0.8ml/gを超えるとシリカゲルの構造強度が低下し、接触時、経時による濾過性の低下を招くことがある。500Åをこえる細孔の容積の好ましい範囲は0.2〜0.5ml/gである。また、一定の強度を有するという観点からは、500Åをこえ、1000Å以下の細孔の容積が0.2〜0.8ml/gであることが好ましい。
【0016】
さらに本発明のシリカゲルは、濾過特性を表すDarcy係数が0.5〜2の範囲であるこのが好ましい。Darcy係数が0.5未満では濾過性が悪くなり、作業性が低下する傾向がある。Darcy係数が2をこえると濾過性が良くなりすぎ、例えばプレコートして使用する場合、被濾過物との接触時間が短くなり、吸着性に問題が生じることがある。
【0017】
さらに、本発明のシリカゲルは、タンパク吸着特性を表すタンパク吸着指数が26〜35の範囲であることが好ましい。ここでタンパクの吸着指数とはSASPL(飽和硫酸アンモニウム沈澱限界)法により測定したもので、飽和硫酸アンモニウムの滴下量で表す。試験方法については、実施例で詳述する。吸着指数が26未満ではタンパク吸着が不十分となり、35をこえると起泡タンパクや香味タンパク等の有用なタンパク質の吸着も起こり易くなる。
【0018】
上記のように、細孔径が500Åをこえる細孔の容積が0.2〜0.8ml/gである本発明のシリカゲルは、従来のシリカゲルとは異なる構造のものである。通常、シリカゲルは、一次粒子と呼ばれる粒子径が5〜15nm程度の微細な粒子が凝集した粒子(二次粒子)からなるものである。一次粒子径の大小により細孔径や細孔容量等は決まる。
【0019】
それに対して、本発明のシリカゲルは、上記二次粒子がさらに凝集した粒子(三次粒子)からなるものである。そして、二次粒子内には、上記と同様にタンパク質の吸着に適した50〜500Åの範囲の細孔径の細孔が存在し、さらに、二次粒子が凝集することにより、被濾過物の流通に都合の良い500Åを越える細孔径の細孔が形成される。細孔径が500Åを越えるの細孔の細孔径や細孔容量等は、二次粒子径の大小により決まる。
【0020】
上記のような構造を有する本発明のシリカゲルは、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、均一なシリカヒドロゲルを得る。均一なシリカヒドロゲルは、常法により得られる。即ち、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等の珪酸アルカリ金属塩水溶液と硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸とを酸過剰下において反応することで、均一なシリカヒドロゲルを得ることができる。
一旦ゲル化させた後、解砕し水洗する。水洗工程では副生塩を除去すると共に必要であれば水酸化ナトリウムやアンモニア水溶液を添加、加熱し水熱処理を行う。その後シカヒドロゲルを湿式粉砕後、乾燥して本発明のシリガゲルを得ることができる。
【0021】
上記湿式粉砕は、例えばボールミル、振動ミル、攪拌ボールミル、ロッドミル、摩擦円盤ミル、石臼式コロイドミル等を使用する実施できる。但し、これらの方法に限定されるものではない。例えばボールミルタイプのウルトラビスコミル(粉砕部の中にガラスビーズを入れ、中でディスクが鑑定して粉砕する装置)の場合、湿式粉砕の条件は、粉砕部2リットルでガラスビーズ1500〜2500g、スラリー濃度10〜15%、スラリーフィード量は150〜300ml/分とすることができる。
【0022】
また、上記乾燥には、スプレードライヤー等の噴霧乾燥機を使用する。噴霧乾燥機の形式等には特に制限はないが、例えば、ノズルタイプ、ディスクタイプ、二流体方式等のものを使用できる。噴霧乾燥の条件は、例えば、ディスクタイプのスプレードライヤーを用いる場合、乾燥入口温度200〜300℃、ディスク回転数10000〜25000rpm、スラリーフィード量は20〜40リットル/時間、スラリー濃度10〜15%とすることができる。
【0023】
上記シリカゲルの製造の際、シリカゲルの一次粒子径は5〜15nmの範囲になるように製造条件をコントロールすることが好ましい。5nm未満になると十分な細孔容積が得られず吸着性が低下すると同時に濾過性が低下する傾向がある。また粒子の凝集力が高まるために湿式粉砕が困難になるという不都合もある。一方、一次粒子径が15nmを超えると細孔容積は大きくなるものの、その構造を維持できなくなる。そのために経時による濾過特性の低下を招く傾向がある。また細孔容積が大きくなる事により吸着性が高くなりすぎ起泡タンパク質や香味タンパク質等の有用なタンパク質の吸着も起こるため好ましくない。
【0024】
シリカゲルの一次粒子径は、反応時のSiO2 濃度を高くし、反応温度を低くすると小さくなる傾向があり、また、水熱熟成温度を短くすると同様に小さくなる傾向がある。一方、反応時のSiO2 濃度を低くし、反応温度を高くすると大きくなる傾向があり、また、水熱熟成温度を長くすると同様にと大きくなる傾向がある。
【0025】
さらに、二次粒子径は0.1〜10μmの範囲になるように製造条件をコントロールすることが好ましい。ここで二次粒子径は湿式粉砕後の粒径を意味する。二次粒子径が0.1μm未満になると三次粒子を形成した時の500Åをこえる細孔容積が小さくなり、被濾過物との接触効率が低下し、結果的に吸着性、吸着速度が悪くなる傾向がある。一方、二次粒子径が10μmをこえると三次粒子、即ち本発明のシリカゲルの形成が困難になり好ましくない。
【0026】
シリカゲルの二次粒子径は、湿式粉砕においてボールミルタイプのウルトラビスコミルを使用する場合、ガラスビーズ量を少なくし、スラリーフィド量を増すと、大きくなる傾向がある。反対に、シリカゲルの二次粒子径は、湿式粉砕においてボールミルタイプのウルトラビスコミルを使用する場合、ガラスビーズ量を多くし、スラリーフィド量を少なくすると、小さくなる傾向がある。
【0027】
三次粒子径、即ち、本発明のシリカゲルの粒子径は、1〜100μmの範囲であることが好ましい。1μm未満では濾過性に問題を生じ、100μmを超えると内部への被濾過物の浸透に時間を要すために濾過速度が低下し、吸着性が低下するために好ましくない。三次粒子径は、好ましくは、10〜50μmの範囲である。
【0028】
シリカゲルの三次粒子径は、噴霧乾燥においてディスク式のスプレードライヤーを使用する場合、スラリー濃度、スラリーフィード量のいずれか一方又は両方を増し、ディスクの回転数を下げることにより、大きくすることができる。また、スラリー濃度、スラリーフィード量のいずれか一方又は両方を下げ、ディスクの回転数を上げることにより、シリカゲルの三次粒子径を小さくすることができる。
【0029】
上記本発明の濾過剤用シリカゲルは濾過特性、吸着性能、吸着速度ともに優れた効果を有している。これはシカヒドロゲルを湿式粉砕後に噴霧乾燥することにより、特異な粒子構造を有したシリカゲルが得られるためと考えられる。即ち、非常に小さな一次粒子の凝集体である二次粒子、その二次粒子のさらなる凝集体である三次粒子といった三段階の粒子構成がなされている。二次粒子の有する細孔はタンパク質の吸着に関与しており、三次粒子としての細孔は濾過性に非常に大きく関与している。従来のシリカゲルは二次粒子の段階で構成されており、そのために濾過性を改良しようとするとその粒子径を大きくするか、粒子の形状を変化させる必要があった。またその結果、被濾過物との接触効率が低下し、吸着性能が低下するといった相反する問題を抱えていた。しかし、本発明のシリカゲルは特異な構造を有しているために濾過特性、吸着特性共に良好なシリカゲルを得ることが出来たとものと考えられる。
【0030】
湿式粉砕後に噴霧乾燥する事により小さな粒子を造粒して大きなシカゲルを得ているため、細孔径で50〜500Åの小さな細孔と細孔径で500Å以上の大きな細孔を併せ持ったシリカゲルが形成されると推察される。その結果、被濾過物とシリカゲルの接触効率が良くなり、吸着速度、吸着性能が向上する。また適度な構造性を有することから濾過特性の向上にもつながっていると考える。このような本発明のシリカゲルは、粒状である、実質的に球状であるものが多い。実質的に球状であることで、プレコートし、ボディーフィードの形で濾過剤を使用する時、プレコートのケーク層が丈夫で均一に形成できるという利点がある。球状のため、最密充填によってケーク層が形成されきるためと推察される。
【0031】
本発明のシリカゲルは、酒、みりん、ビール等の醸造アルコール飲料等の濾過剤として有用である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例により更に具体的に説明する。尚、実施例での各評価は以下の方法に従って行った。
【0033】
実施例1
25wt%の珪酸ソーダ水溶液と40wt%の硫酸水溶液を混合ノズルを用いて反応させSiO2 が17.0wt%、Na2 SO4 が1.6wt%、PH0.8のシリカヒドロゲルを得た。そのシリカヒドロゲルを解砕し副生塩を除去するに十分な水洗を行った。得られたシリカヒドロゲルは、密閉式の湿式粉砕機(ウルトラビスコミル:AIMEX株式会社製)を用い湿式粉砕をした。湿式粉砕の条件は、粉砕部2リットルでガラスビーズ1500g、スラリー濃度12%、スラリーフィード量は250ml/分とした。
【0034】
湿式粉砕したシリカヒドロゲルは、次いでディスク式のスプレードライヤー(アシザワ・ニロアトマイザー株式会社製)を用い噴霧乾燥した。噴霧乾燥条件は乾燥入口温度280℃、ディスク回転数250000rpm、スラリーフィード量は30リットル/時間とした。
上記製造条件を表1に示し、得られた本発明のシリカゲルの粉体物性を表2に示す。
【0035】
実施例2および3
湿式粉砕条件および噴霧乾燥条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして本発明のシリカゲルを得た。得られた本発明のシリカゲルの粉体物性を表2に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003719686
【0037】
比較例1および2
25wt%の珪酸ソーダ水溶液と40wt%の硫酸水溶液を混合ノズルを用いて反応させSiO2 が17.0wt%、Na2 SO4 が1.6wt%、PH0.8の塊状のシリカヒドロゲルを得た。そのシリカヒドロゲルを解砕し副生塩を除去するに十分な水洗を行った。水洗したシリカヒドロゲルを、流動式乾燥機により乾燥し、過熱蒸気を用いたジェットミルにより粉砕して、シリカゲルを得た。粉体物性を表2に示した。
【0038】
【表2】
Figure 0003719686
参考例1:市販の濾過剤用シリカゲル
【0039】
各粉体物性試験は以下の方法に従って測定した。
(一次粒子径)
BET法により比表面積を測定し、次式にしたがって一次粒子の大きさを算出した。
3000/BET比表面積=一次粒子径(nm)
これはシリカゲルを真球状と考え、その比表面積と比重から換算した簡易的な一次粒子径の算出方法である。(Chemistory of silica:Iler著)
【0040】
(二次粒子径、三次粒子径)
レーザー回析式粒度分布測定装置で測定した。(SK−LMS PRO7000:セイシン企業社製)
(細孔径50〜500Åの細孔容積)
窒素吸着法により測定した。(ASAP2400:島津製作所製)
(細孔径500Å以上の細孔容積)
水銀圧入法により測定した。(水銀ポロシメーター:カルロ・エルバ社製)
次に上記物性を有するシリカゲル8点を使用し、濾過特性試験およびビール中のタンパク質の吸着試験を実施した。試験は以下の方法に従って行った。
【0041】
(濾過特性)
シリカゲル20gを純水500g中に分散させ、100メッシュの濾布を用い真空圧400mmHgで濾過する。この時、250mlを濾過するのに要する時間から、濾過性を示す指標となるDarcy係数を次式より算出し濾過特性とした。結果を表3に示した。
Figure 0003719686
Darcy係数で0.5以上であれば濾過性は良好であると判断できる。
【0042】
(吸着特性)
泡抜きした市販のビールに対して上記シリカゲルを100ppm添加し、ハイスピードミキサーにより500rpmで20分間接触させた後、45μmメンブレンフィルターを用いシリカとビールを濾別する。この濾液に飽和硫酸アンモニウムを滴下し急激に透明性が落ちる点を終点とする。この時の滴下量を吸着指数とした。ビールとの接触及び飽和硫酸アンモニウムの滴下は20〜25℃の温度領域で行い、処理ビール20gに対して飽和硫酸アンモニウムを滴下する。この時、容器としては100mlのビーカーを用い、スターラーで一定の攪拌を行いながら、上部よりビュレットにより一定速度で飽和硫酸アンモニウムを滴下する。
この時安定化処理によりタンパク質が除去されることにより飽和硫酸アンモニウムの析出が遅くなり結果として滴下量が多くなるので吸着指数が高くなる。
ここでブランクサンプルとして既にビール用濾過剤として使用されているシリカゲルを使用した。結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
Figure 0003719686
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、製品に不必要なタンパク質等のみ除去し、必要なタンパク質は除去しない、従来品と同等の優れた吸着性能を有するシリカゲルであって、さらに、濾過速度及びフィルターとしての強度といった濾過性能が、従来のシリカゲルよりさらに向上した濾過剤用シリカゲルを提供することができる。
さらに、本発明によれば、従来品と同等の吸着性能および従来品より優れた濾過性能を有し、かつ濾過速度が向上することによって吸着速度も向上した、優れた性能を有する濾過剤用シリカゲルを提供することができる。

Claims (4)

  1. 細孔径50〜500Åの範囲の細孔の容積が1.0〜2.5ml/gの範囲であり、かつ細孔径が500Åをこえる細孔の容積が0.2〜0.8ml/gの範囲であることを特徴とする醸造アルコール飲料用濾過剤用シリカゲル。
  2. 濾過特性を表すDarcy係数が0.5〜2の範囲である請求項1記載のシリカゲル。
  3. タンパク吸着特性を表すタンパク吸着指数が26〜35の範囲である請求項1または2記載のシリカゲル。
  4. 形状が球状であり、粒子径が1〜100μmの範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカゲル。
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