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JP3716500B2 - 放電装置の駆動方法 - Google Patents

放電装置の駆動方法 Download PDF

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JP3716500B2
JP3716500B2 JP19180596A JP19180596A JP3716500B2 JP 3716500 B2 JP3716500 B2 JP 3716500B2 JP 19180596 A JP19180596 A JP 19180596A JP 19180596 A JP19180596 A JP 19180596A JP 3716500 B2 JP3716500 B2 JP 3716500B2
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眞一 品田
賢治 川端
茂生 御子柴
智一 志賀
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日立ライティング株式会社
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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可視光、紫外光等を放射する放電装置に関し、より詳細には屋内・外照明用、表示用、あるいは液晶ディスプレイバックライト用光源等に用いられる放電装置の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放電を用いた光源、例えば照明用や表示用の蛍光ランプや平板型の放電装置等を駆動するには種々の方法がある。従来の液晶バックライトを点灯するインバ−タの駆動方法は、例えば特開昭63−110962号公報に示されているように数10kHzの正弦波を用いて蛍光ランプを点灯させる構成になっている。放電管は管径が3〜6mm程度の冷陰極や熱陰極蛍光ランプが用いられ、放電管の内部には、例えば水銀とアルゴンが封入されており、放電で発生する紫外線が蛍光体を励起、発光させ、液晶パネルを照明して文字や画像を表示する。
【0003】
また、一般の照明用ランプは商用周波数である50あるいは60Hzを用いて点灯するのが一般的であるが、数10kHzで点灯するランプもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記駆動方法を用いた放電装置は、特に放電管の管径が小さくなると発光効率が低下して消費電力が増える問題があった。例えば液晶表示装置用のバックライトとして使用されている直径2〜3mmの蛍光ランプにおける発光効率は、直径25mm程度の屋内照明用蛍光灯に比べて半分程度しかなく、液晶表示装置の消費電力を低減できない最大の原因となっていた。特に、例えばノ−トパソコン等のバッテリ−駆動型の液晶表示装置においてはバックライトの低電力化は非常に大きな課題であった。
【0005】
本発明の目的は、このような放電装置の発光効率を向上し、同時に消費電力を低減させる駆動方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による放電装置の駆動方法は従来と異なった駆動波形の電圧を用いる。即ち、放電装置を放電させるために、第1の周波数を有する第1の電圧を電極に印加する。さらに上記第1の周波数より高い第2の周波数、特に2.4MHzから20MHzの高周波を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳する。第2の高周波電圧発生回路としては通常インダクタンス、例えばコイルを利用すれば簡単な回路構成で出来る。また、第2の周波数を有する電圧波形は、第1の周波数と同期した減衰波形でも良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面と共に説明する。図1は本発明による外部電極型放電管の駆動方法の一実施例を示す概略図である。図中、20は放電管、21および22は放電管の外面に設けた電極、23および24は第1の周波数を有する駆動電圧発生回路、25および26は上記駆動電圧発生回路23および24のそれぞれに接続した第2の周波数を有する第2の駆動電圧発生回路で、本実施例ではコイル25、26を用いている。この第2の周波数を有する駆動電圧は、コイル25および26と、回路系浮遊容量との間のリンギングで発生する電圧を利用した。
【0008】
V1、V2は電極21、22に印加される電圧で、第1の周波数を有する第1の電圧に加えて、さらに上記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳して電界放電型のいわゆる無電極放電を行わせる。
【0009】
図2、図3はその駆動波形の一実施例を示した電圧波形の図で、第1の周波数を有する駆動電圧発生回路から、図2の、例えば11で示した矩形波電圧V1および11から半周期位相のずれた12の矩形波電圧V2を発生させ、さらに、図3に示したようにこれらの波形に第2の周波数を有する駆動電圧発生回路、この場合はインダクタンス(コイル)付加によるリンギングで発生した減衰正弦波電圧15、16を11、12に重畳する。13、14の電圧波形が放電電圧波形であり、この電圧を放電管に印加することで、高効率化が図れる。
【0010】
本発明による駆動波形を用いて放電管を駆動し、その放電発光特性を測定した結果を述べる。図1に示したように、実験に用いた放電管20は、例えば内径
3mmのソーダガラス製で、1対の電極21、22はいずれも長さ10mm、幅5mmであり、放電管の外表面上に設けてある。電極は放電管の外表面全周に巻き付けても良い。両電極の間隔は60mmで、放電管内壁には、三波長白色蛍光体が塗布されており、放電管内部には、例えば水銀と、ネオン7kPa、アルゴン748Paが封入されている。
【0011】
駆動電圧波形の基本形状は図3に示した波形と同じで、第2の駆形波電圧発生回路としてコイル25、26を利用し、この第2の周波数を有する駆動電圧は、コイル25および26と、回路系浮遊容量との間のリンギングで発生する電圧を用いた。本実施例では、第2の駆動電圧発生回路として、簡単な構成で済むコイルを用いたが、インダクタンス成分であれば何を用いても良い。
【0012】
図4に第2の駆動電圧としてコイル付加によるリンギング電圧を用いた場合のリンギング周期と輝度の関係を示す。基本の駆動電圧としては、周期8μs、パルス幅1.7μs、電圧300Vのパルスを印加した。リンギング周期が0の輝度は、図2に示した基本の矩形電圧パルスのみ印加して放電させた時の値である。図から明らかなように、重畳する高周波電圧の周期が50ns(20MHz)以上になると輝度は大幅に増加する。輝度は、例えば液晶バックライト用に利用するためには通常用いられている冷陰極蛍光ランプと同等以上必要であり、同形状で、類似の駆動条件での冷陰極蛍光ランプの輝度は約800cd/m2が得られており、これ以上の輝度を得るためにはリンギング周期を70ns(約14MHz)から350ns(約2.8MHz)の間に選べば良い。さらに、100nsから250nsの間で最高の輝度が得られる。この結果から、第2の周波数を有する駆動電圧として20MHz以下の高周波電圧を重畳することで高輝度化が達成できる。特に2.8MHzから14MHzの高周波電圧を重畳することが望ましい。
【0013】
図5はリンギング周期と最低放電維持電圧の関係を示す。リンギング周期が0は図4と同様に高周波を重畳していない場合の維持電圧である。放電電圧は駆動回路から、前記した冷陰極蛍光ランプの維持電圧の140V以下が望ましく、この電圧以下になる条件は、リンギング周期が50ns(20MHz)から420ns(約2.4MHz)の間であり、最低の維持電圧は高周波を重畳していない場合の半分以下になった。これは、高周波を重畳することで、負グロ−領域が減少して陰極降下電圧が低下することによると考えられる。
【0014】
図6はリンギング周期と相対発光効率の関係を示したもので、高周波を重畳していない場合の効率を1としたものである。発光効率は周期が約40nsまで殆ど変化しないが、50ns(20MHz)以上で高くなり、最高2倍以上になる。効率が高くなる範囲は図5と同様に50ns(20MHz)から420ns(約2.4MHz)の間で、周期が500ns以上では高周波を重畳しない場合と同じ程度に低下する。
【0015】
図7はリンギングを発生させるために挿入したコイルのインダクタンスと相対発光効率の関係を示したもので、図6と同様に高周波を重畳していない場合の効率を1として表したものである。実験結果から、リンギング周期T(ns)とインダクタンスL(μH)は、L=T2/1156 の関係が成立つ。リンギングを有する電圧で放電させた場合の効率測定は誤差があり、高周波を重畳していない場合と比較して効率の優位性が明らかになる値は、前記したなしの場合の1.2倍程度必要で、高効率が得られるインダクタンスの範囲は2μHから150μHの間であった。
【0016】
図8は高効率発光が得られる条件の一つで、10μHのインダクタンス(コイル)を挿入した場合の駆動電圧波形の例を示した。リンギングで発生した
約9.3MHzの高周波減衰電圧パルスが重畳されている。
【0017】
図9は330μHのインダクタンス(コイル)を挿入した場合の駆動電圧波形の例を示した。この場合の周波数は約1.9MHzであり、基本の電圧パルスに対して周期が長く、全体が高周波パルス状になっているため高周波重畳の効果は少なく、効率もあまり向上しない。
【0018】
本発明によれば、第1の周波数を有する第1の電圧を放電装置に印加し、この電圧により放電を形成する。次に上記第2の周波数を有する第2の電圧を重畳すると、この電圧重畳により、既に形成された放電内に存在する電子やイオン、あるいはプラズマが電界の変化に伴って振動する。第2の周波数を2.4MHzから20MHzの間に選択すれば、さらに電子やイオンやプラズマの共振現象等も発生する。このためこれらの粒子の温度が上昇する。これにより、電子温度が可視光あるいは紫外線を放射するために好ましい値に近づき、この結果発光効率が向上する。
【0019】
従来の放電管、例えば蛍光ランプ等では、放電維持に必要な空間電荷の大部分を負グロ−内で発生させる。この負グロ−を形成するためには比較的大きな電力が必要である。しかし本駆動方法によれば、放電空間内、特に陽光柱部における電子密度やイオン密度が増大するため、負グロ−は小さくてよい。したがって放電管に注入する電力は少なくてすみ、その結果発光効率が向上する。さらに、放電維持電圧も低下し、併せて大幅な低消費電力化が可能になる。
【0020】
図10は平板型の放電装置に対して本発明を適用した例を示したもので、ここで、23、24はは第1の周波数を有する駆動電圧発生回路、27および28は上記駆動電圧発生回路23および24のそれぞれに接続した第2の周波数を有する第2の駆動電圧発生回路である。31、32は放電電極で、例えばソ−ダガラスからなる基板36に形成され、その全面は誘電体33で覆われている。35はやはりソ−ダガラス製の面板で、内面には蛍光体34が塗布されている。内部にはキセノン、アルゴン、ネオン、クリプトン等の希ガスや水銀が単体または混合して封入されている。本平板型の放電装置の動作は前記した放電管の場合と全く同じであり、その効果も同様である。
【0021】
以上の結果をまとめると、第1の周波数を有する第1の電圧に重畳する第2の電圧の周波数は、2.4MHzから20MHzが望ましく、また、インダクタンスの値は、2μHから150μHの間を使用すればよい。
【0022】
本発明による駆動方法を、例えばノ−トパソコン等の液晶表示装置に用いればバックライトの低電力化が可能になり、高輝度で低消費電力の表示装置が実現できる。
【0023】
前記した実施例では、第1の電圧として周期8μs、パルス幅1.7μsの例を述べたが、第1の電圧の周波数は30kHz以上、矩形波パルスの幅10μs以下の条件に設定すれば前述したと同様の効果が得られる。また第2の周波数を有する電圧のピーク・ツーピーク値は、第1の周波数を有する電圧のピーク・ツーピーク値より小さいときに、発光効率向上の効果が大きい。
【0024】
また、前記実施例では外部電極型放電管について説明したが、蛍光ランプのように電極は放電管内部に設けられていてもよいのは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における駆動方法によれば、電極に印加する電圧として、第1の周波数を有する第1の電圧に加えて、さらに上記第1の周波数より高い第2の周波数、特に2.4MHzから20MHzの従来用いられていなかった高い周波数を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳するという簡単な駆動方法で、放電装置の輝度および発光効率を高くすることができ、さらに、放電維持電圧も低くすることが可能となる。この結果、放電装置の消費電力を大幅に低減できるので、バッテリ−駆動等に適した低消費電力の液晶表示装置等が得られる効果がある。また、第2の高周波電圧発生回路としては通常インダクタンス、例えばコイルを利用すれば簡単で安価な回路構成で出来る利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電装置の駆動方法の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の駆動方法による一実施例の電圧波形図である。
【図3】本発明の駆動方法による一実施例の電圧波形図である。
【図4】リンギング周期と輝度の関係を示す特性図である。
【図5】リンギング周期と最低放電維持電圧の関係を示す特性図である。
【図6】リンギング周期と相対発光効率の関係を示した特性図である。
【図7】インダクタンスと相対発光効率の関係を示した特性図である。
【図8】駆動電圧波形図である。
【図9】駆動電圧波形図である。
【図10】平板型の放電装置に対して本発明を適用した例を示す概略図である。
【符号の説明】
11、12、………第1の周波数を有する駆動電圧波形
13、14、………本発明による放電管駆動波形
15、16、………第2の周波数を有する駆動電圧波形
20…………………放電管
21、22…………電極
23、24…………第1の周波数を有する駆動電圧発生回路
25、26…………コイル
27、28…………第2の周波数を有する駆動電圧発生回路
31、32…………電極
33…………………誘電体
34…………………蛍光体
35…………………面板
36…………………基板。

Claims (9)

  1. 少なくとも1対の電極を有し、該電極の少なくとも一方に第1の周波数を有する第1の電圧を印加し、上記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳する放電装置の駆動方法であって、重畳する第2の電圧の周波数を2.4MHzから20MHzの間に選んだことを特徴とする放電装置の駆動方法。
  2. 少なくとも1対の電極が放電空間の外部に設けられている無電極型の放電装置の、該電極の少なくとも一方に第1の周波数を有する第1の電圧を印加し、上記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳する放電装置の駆動方法であって、重畳する第2の電圧の周波数を2.4MHzから20MHzの間に選んだことを特徴とする放電装置の駆動方法。
  3. 請求項1又は2記載の駆動方法において、第2の周波数を有する電圧として、振幅が周期的に減衰あるいは増加する電圧を用い、さらに該減衰あるいは増加の周期が第1の周波数の周期と同期していることを特徴とする放電装置の駆動方法
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動方法において、第2の周波数を有する電圧の振幅を第1の周波数を有する電圧の振幅より小さくすることを特徴とする放電装置の駆動方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の駆動方法において、第一の電圧に直列に挿入したインダクタンス成分によって第2の周波数を有する電圧を発生させ、かつインダクタンス成分を、2μHから150μHの間に選んだことを特徴とする放電装置の駆動方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の駆動方法において、インダクタンス成分をコイルによって発生させたことを特徴とする放電装置の駆動方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の駆動方法において、すべての放電電極に第1の周波数を有する第1の電圧を印加し、上記第1の周波数より高い第2の周波数を有する第2の電圧を上記第1の電圧に重畳したことを特徴とする放電装置の駆動方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動方法により点灯させた放電装置を用いて、被照明体を照明するよう構成したことを特徴とするバックライト。
  9. 請求項8に記載のバックライトを液晶パネルに隣接して配置したことを特徴とする液晶表示装置。
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