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JP2004200127A - 照明装置 - Google Patents

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JP2004200127A
JP2004200127A JP2002370768A JP2002370768A JP2004200127A JP 2004200127 A JP2004200127 A JP 2004200127A JP 2002370768 A JP2002370768 A JP 2002370768A JP 2002370768 A JP2002370768 A JP 2002370768A JP 2004200127 A JP2004200127 A JP 2004200127A
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JP2002370768A
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Yuji Takeda
雄士 武田
Masasane Takagi
将実 高木
Hiroteru Nakano
浩輝 中野
Takayoshi Kurita
貴好 栗田
Tomomasa Hirao
智将 平尾
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

【課題】水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)を最適な条件で点灯駆動する。
【解決手段】両端外周面に電流導体層が電極21,26として配設され、水銀および希ガスが充填剤として封入された管状ガラスランプ容器10で成る誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の両端の電極間に高周波電圧を高周波電源81,82にて印加してランプを放電点灯させるのに、高周波、正弦波電圧をフローティング方式(両高圧方式)で印加することにより、矩形波電圧を印加する場合よりも低周波数の正弦波電圧で効率良く放電ランプを点灯させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度液晶表示装置用のバックライト等に用いるのに適切な照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すようなガラスランプ容器11の胴部の対向位置に外部電極22,27を設け、内部に充填剤としてキセノン61を封入した構造の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ2の点灯方式としては、矩形波電圧をこれらの外部電極22,27間に印加する矩形波電圧出力の高周波電源83が採用されている。このキセノン封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ2は水銀を封入していないために温度特性に優れるという特徴があり、スキャナーやコピー機の読み取り用光源に用いられる。
【0003】
しかしながら、キセノン封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ2は、冷陰極蛍光ランプ等の水銀を封入した低圧放電ランプに比べて効率が低い。
【0004】
そのため、高輝度・高効率が要求されるPC用液晶モニター用あるいはLCDTV(液晶テレビ)用のバックライト光源としては、図8に示すような水銀封入の冷陰極低圧放電ランプ3が一般に用いられている。この冷陰極低圧放電ランプ3は、管壁に蛍光体層70を形成した管状ガラスランプ容器12に放電媒体として水銀および希ガス60を封入し、またランプ容器12内の両端に冷陰極23を対置した構造である。そしてこの冷陰極低圧放電ランプ3の点灯方式は、正弦波電圧出力の高周波電源84を用い、高周波の正弦波電圧を両冷陰極23間に印加するものである。
【0005】
特にLCDTV用のバックライト光源には450cd/m以上の高輝度が要求され、この要求に応えるために、バックライトユニットの構造は、導光板の直下に十数本のランプを備える直下型バックライトが用いられる。このバックライト装置のランプとして冷陰極低圧放電ランプ3を用いた場合、高周波電源84としてのインバータ1台で1本のランプ3しか点灯できないため、ランプ本数と同じ個数のインバータが必要になり、インバータのコストが高くなる。
【0006】
この問題を解決するために、図9に示すような水銀および希ガス60を封入した誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1を備えた低コストのLCDTV用バックライト光源が開発されている。
【0007】
この水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1は、管状ガラスランプ容器10の管壁に蛍光体層70を形成し、内部に水銀および希ガス60を封入し、ガラスランプ容器10の両端外周に電流導体層で成る外部電極21,26を設けた構造である。この水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1は、インバータ1台で複数本を同時点灯することができるため、バックライトのような照明装置を構成するのにインバータのコストを下げられる特長がある。
【0008】
しかしながら、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1を図9に示すように水銀封入の冷陰極蛍光ランプ用インバータ(点灯周波数50kHz、正弦波電圧出力、片側出力が接地)で点灯する場合、ランプ電圧が2000Vrmsを超え、インバータの高電圧出力と接続されているランプ1の外部電極21,26の部分からコロナ放電が発生し、オゾンが発生するという問題点があった。
【0009】
また、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1を、図7に示したようなキセノン封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ2と同様に高周波、矩形波電圧で点灯すれば、正弦波電圧点灯するときと比べて効率が悪くなる問題点があった。
【0010】
一方、従来、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の複数本を同時点灯させ、液晶パネルを背面から照明する照明装置は、図10に示す構成であり、多数本の並設された誘電バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)1、このランプ1の各端部を押える側板101、EEFL1各々の外部電極を並列に接続する中継基板102、高周波電源をなすインバータ85、インバータ85から両側の中継基板102に高周波電圧を給電するハーネス103、両側の側板101と中継基板102を所定位置に固定する下フレーム104、多数本のEEFL1の光を所定方向(図10において上方)に反射させる反射板105、多数本のEEFL1からの光を均一に拡散させる拡散板106及び拡散シート107,108、そして上フレーム109を図示のように配置し、一体に組立てる構成である。
【0011】
近年、このような構成のバックライト照明装置に対する狭額縁化の要求から、電極長を短くして額縁を狭くし、誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の有効長を長くする傾向にある。
【0012】
この要求に答えるべく、誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の外部電極を短くしても十分な管電流を得るために取り得る対策は2つある。その1つは、管電圧を上昇させることであり、もう1つは、インバータの発振周波数を高くすることである。この対策のうち後者は、トランスの制限により実現困難である。そのため、従来では管電圧を上昇させる前者の対策がとられている。
【0013】
しかしながら、従来のバックライトユニットでは、インバータの発振周波数が低いことから、電極長を10mmに短くした誘電体バリア放電型低圧放電ランプにて4mAの管電流を得るためには、電極長20mmの誘電体バリア放電型低圧放電ランプにて4mAの管電流を得るのに必要な電圧の1.7倍程度の電圧を印加する必要がある。その場合、管電圧が2000Vrmsを超えてしまうため、コロナ放電により電極部からオゾンが発生する問題点が発生する。
【0014】
また、さらなる高輝度化に対してもトランスの特性的な制限から発振周波数を高くすることができないため、管電圧を上昇させる必要があるが、これによってオゾン発生がさらに活発化することになってしまう。
【0015】
このため、従来は、バックライト照明装置を高輝度化するのに、誘電体バリア放電型低圧放電ランプの電極長を長くすることによって管電流を増加させる以外に対応することができず、その場合、有効発光長が短くなってしまい、狭額縁化に十分に対応できない問題点があった。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−8508号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプを最適な条件で点灯駆動できる照明装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の照明装置は、両端外周面に電流導体層が電極として配設され、水銀および希ガスが充填剤として封入された管状ガラスランプ容器で成る誘電体バリア放電型低圧放電ランプと、当該誘電体バリア放電型低圧放電ランプの両端の電極間に高周波電圧を印加する点灯装置とを備え、前記点灯装置は、前記誘電体バリア放電型低圧放電ランプの電極間に高周波、正弦波電圧を出力するフローティング出力型のものであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項1の発明の照明装置では、点灯装置により水銀入り誘電体バリア放電型低圧放電ランプの電極間に高周波、正弦波電圧をフローティング出力方式で印加することにより、矩形波電圧を印加する場合よりも低周波数の正弦波電圧で効率良く放電ランプを点灯させることができる。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の照明装置において、前記点灯装置は、周波数が40kHz〜100kHzの範囲の高周波、正弦波電圧を出力するものであることを特徴とするものであり、電極においてコロナ放電によるオゾン発生がない2000Vrms以下の印加電圧で効率良く放電ランプを点灯させることができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1の照明装置において、前記点灯装置は、並列接続された複数本の誘電体バリア放電型低圧放電ランプを点灯することを特徴とするものであり、1台の点灯装置で複数本の並列接続された誘電体バリア放電型低圧放電ランプを高周波、正弦波電圧電源によって点灯させることができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項3の照明装置において、前記点灯装置は、発振周波数40〜100kHz、フローティング出力型の正弦波出力インバータであり、かつ、前記誘電体バリア放電型低圧放電ランプを管電圧2000Vrms以下で駆動することを特徴とするものであり、複数本の並列接続された誘電体バリア放電型低圧放電ランプを、それらの電極においてコロナ放電によるオゾン発生がない2000Vrms以下の印加電圧で効率良く点灯させることができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項3又は4の照明装置において、前記点灯装置は、前記複数本の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの各端部を並列接続して当該点灯装置からの高周波電圧を印加するための給電電極として、導電性シリコンゴム製電極を備えたことを特徴とするものであり、複数本の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの点灯装置の給電電極に対する接続が容易であり、組立が容易であり、かつ、電極部分に発生する熱を分散させ、局所的に高熱になるのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の照明装置の構成を示している。図1において、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1は図9について説明したものと同様の構成である。
【0025】
この誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の外部電極21,26にはそれぞれ、互いに180度位相の異なる高周波、正弦波電圧を出力する高周波電源81,82が接続してある。高周波電源81,82はそれらの接続点を接地することによってフローティング出力型(両高圧方式)にしてある。
【0026】
この高周波電源81,82の回路構成を図2に示している。高周波電源81,82は1台の共振型ロイヤー型インバータ回路90によって構成される。このインバータ回路90は、入力側の1次巻線93と出力側の2次巻線94,95および3次巻線96を有するインバータトランス97と、このインバータトランス97のインダクタンス成分とLC共振回路を構成する共振用コンデンサ98と、インバータトランス97を駆動させるための夫々のエミッタが接地されているトランジスタ99,910を備えると共に、2次巻線94,95の一方を接地している。
【0027】
より具体的には、交流電源を整流して得られた直流電源92には、トランジスタ99に駆動電流を供給するため抵抗912を直列に介してインバータ回路90の入力側であるトランジスタ99のベースが接続されている。夫々のエミッタが接地されている1対のトランジスタ99,910のコレクタ間に、インバータトランス97の中間タップを設けた1次巻線93を並列に接続し、かつ共振用コンデンサ98を並列に接続してある。また、直流電源92は、インバータ回路90への入力電流を定電流化するためのチョークコイルより成るインダクタ913を直列に介して、インバータトランス97の1次巻線93の中間タップと接続している。インバータトランス97の2次巻線94,95は、1次巻線93よりも多く巻き、電圧が昇圧するようにしてある。
【0028】
インバータトランス97の2次巻線94,95は、巻き方が180度一方に対し他方が逆巻きになっており、位相が180度ずれて出力されるようになっており、誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の両端の外部電極21,26に印加して点灯駆動させる。
【0029】
インバータトランス97に設けた3次巻線96の一端は、トランジスタ99のベース側に、他端はトランジスタ910のベース側に接続して、3次側に発生した電圧をトランジスタ99,910のベースに帰還し印加させるようにしてある。
【0030】
この高周波電源81,82をなすインバータ回路90の動作について説明する。直流電源92が印加されると、インダクタ913を通してインバータトランス97の1次巻線93に電流が流れ、同時に直流電源92から出力された電圧が抵抗912を介してトランジスタ99のベースに印加される。インバータトランス97の1次巻線93と3次巻線96のリアクタンスと共振用コンデンサ98とインバータトランス97の2次側から返還されるリアクタンスとで共振し、インバータトランス97の3次巻線96の端子間に、インバータトランス97の1次巻線93と3次巻線96の巻数比だけ昇圧された電圧が誘起され、同時にインバータトランス97の3次巻線96には、1次巻線93に流れる電流の方向と同一方向に電流が流れて自励発振し、共振周波数でトランジスタ99,910を交互に導通させる。
【0031】
このときの発振周波数は、インバータトランス97の1次巻線93と3次巻線96のリアクタンスと共振用コンデンサ98とインバータトランス97の2次側から返還されるリアクタンス分で決定される。また、このときのインバータ回路90の出力は、インバータトランス97の1次巻線93と2次巻線94,95との巻数比だけ昇圧された高周波、高電圧のものである。
【0032】
このような構成のインバータ回路90を用いて、誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の両側の外部電極21,26に対して高周波電源81,82から180度位相の異なる高周波、正弦波電圧を印加し、低圧放電ランプ1をフローティング状態で点灯させるのである。
【0033】
【実施例】
誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1が矩形波電圧で点灯される場合と正弦波電圧で点灯される場合のランプの効率を調査した。なお、ランプ効率は、ランプ効率[cd/(m・W)]=ランプの輝度[cd/m]÷ランプ消費電力[W]で求めた。ランプ効率の測定結果は、図3に示す表1の通りであった。
【0034】
誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の仕様は以下の通りである。
<管状ガラスランプ容器>
材質:ホウ珪酸ガラス。
寸法:外径2.6mm、内径2.0mm、全長397mm。
<外部電極>
材料:アルミニウム箔+導電性シリコーン粘着剤層。
外部電極長さ:17mm。
<蛍光体層>
材質:三波長蛍光体。厚み:20μm。
<充填剤>
封入ガス:ネオンとアルゴンの混合ガス(組成比:ネオン/アルゴン=90モル%/10モル%)。封入圧:8kPa。
水銀:封入量3mg。
【0035】
図3の表1に示した結果から、高周波、矩形波電圧で点灯する場合に比べて高周波、正弦波電圧で点灯する場合の方が、ランプ効率が高くなることが確認された。ただし、点灯周波数が200kHz、ランプ消費電力が4Wの場合は、矩形波電圧点灯時のランプ効率と正弦波電圧点灯時のランプ効率はほぼ等しくなった。
【0036】
誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1に矩形波電圧を印加すると周期的なインパルス電流が流れ、その後、電流が流れない放電休止期間が存在する。図7に示したようなキセノン封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ2の場合は、インパルス電流直後の放電休止期間中にもアフターグローの発光があるため、矩形波電圧点灯時に高効率となる。しかし、本発明の実施例の水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1では、放電休止期間中はほとんど発光しないために、矩形波電圧点灯時は正弦波電圧点灯時よりもランプ効率が悪くなる。
【0037】
矩形波電圧点灯時においても、電圧周波数を高くすると放電休止の絶対時間が短くなるためにランプ効率が正弦波電圧点灯時に近い値になる。しかしながら、矩形波電圧点灯でランプ効率を良くするために電圧周波数を高くし過ぎると、点灯装置の設計が困難になる。そこで、低周波数でも効率が高い正弦波電圧点灯の方が、点灯電圧波形として望ましい。
【0038】
次に、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の管電流を一定に保ちながらその外部電極21,26間に印加する正弦波電圧の周波数を変化させた場合のランプ電圧の変化を調査した。
【0039】
結果は、図4に示すようになった。この図4のグラフから、本実施例の水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1は、その点灯周波数を高くするに従ってランプ電圧が低下し、図8に示した構造の冷陰極低圧放電ランプ3のランプ電圧に近づいていくことが確認できた。
【0040】
本実施例の水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1は、点灯周波数を高くするとランプ電圧を低くしても所要の管電流が得られるので、発光量を維持しつつもコロナ放電の発生を抑制でき、オゾンの発生を防止できる。
【0041】
しかしながら、本実施例の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1に対する点灯周波数を100kHz以上にすると、当該ランプを図10に示したバックライト照明装置や後述する本発明のバックライト照明装置に組み込んだ時に、周りの部材に電流が漏れやすくなる。そのため、点灯周波数は100kHz以下にする必要がある。
【0042】
また図4の実験結果により、ランプ電流が3mAの場合は点灯周波数を40kHz以上にすると、ランプ電圧が2000Vrms以下になることが分かった。ランプ電圧が2000Vrms以下になると、フローティング出力型のインバータの場合、外部電極21,26と接地電位との電位差を1000Vrms以下にできるので、コロナ放電の発生を抑制でき、オゾンの発生を防止できる。
【0043】
一方、点灯周波数を30kHz以下にすると、図8に示した水銀封入の冷陰極低圧放電ランプ3の場合と同様に水銀枯渇現象が発生する場合があり、点灯周波数は40kHz以上が望ましい。
【0044】
以上の3点を加味して、高周波の悪影響を周囲に与えず、オゾン発生を防ぎ、ランプの長寿命化が図れる照明装置としては、点灯装置である高周波電源81,82の点灯周波数を40kHz〜l00kHzに設定することが望ましい。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態の照明装置について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態のバックライト照明装置の構成を示している。この実施の形態の照明装置は、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ1の多数本を同時点灯させ、液晶パネルを背面から照明するものであり、多数本の並設された誘電バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)1、このEEFL1の各端部を押える側板101、EEFL1各々の外部電極を並列に接続する中継基板102、高周波電源をなすインバータ86、インバータ86から両側の中継基板102に高周波電圧を給電するハーネス103、両側の側板101と中継基板102を所定位置に固定する下フレーム104、多数本のEEFL1の光を所定方向に反射させる反射板105、多数本のEEFL1からの光を均一に拡散させる拡散板106及び拡散シート107,108、そして上フレーム109を図示のように配置し、一体に組立てる構成である。
【0046】
この実施の形態では、EEFL1を12灯、1対の中継基板102にて並列接続している。各EEFL1の両端の外部電極21,26には導体スプリング110を被着し、側板101によりそのスプリング110が中継基板102に圧接するように押え付けている。これにより、各EEFL1の電極部分の静電容量がほぼ同一にできる。
【0047】
インバータ86は、図2に示した回路構成のものであり、両側の中継基板102に両高圧方式(フローティング方式)にて高周波、正弦波電圧を印加する。この印加電圧は、各EEFL1の管電圧が2000Vrms以下であり、かつ必要十分な管電流を流し、必要十分な輝度特性が得られる値である。例示すれば、18inchバックライト照明装置の場合、EEFL1の電極長10mm(両端共)で、管電流5mAの設計である。
【0048】
この設計値を達成するためは、正弦波出力インバータ86をバックライト構造及びEEFL1の電極長によって生じるリアクタンス分によって、正弦波出力インバータ86の発振周波数を85kHz、管電圧2000Vrmsにてランプを点灯駆動させることにより、管電流5mAを実現する。
【0049】
本実施の形態のバックライト照明装置の設計では、目標盤面輝度に対し、必要十分な管電流値を設定し、その設定値に合わせてバックライト構造・正弦波出力インバータ・誘電体バリア放電ランプ電極長を駆動周波数が40〜100kHz、好ましくは70〜100kHzの範囲内、管電圧が2000Vrmsを超えない範囲で選択、決定する。また管電流の増減は、駆動周波数の調整によって行う。
【0050】
なお、本実施の形態の照明装置に採用する正弦波出力インバータ86は、トランスの漏れインダクタンスにより、1次側に帰還されるバックライトユニットのリアクタンス分を減少させることで、通常のトランスよりも高周波にて動作させることができる。
【0051】
これにより、本実施の形態の照明装置では、正弦波出力インバータ86を用いて、両高圧方式(フローティング方式)にて管電圧2000Vrms以下で多数本のEEFL1各々を点灯駆動することができ、オゾンの発生を抑制し、目標の管電流、したがって所要の輝度を得ることができる。
【0052】
なお、正弦波インバータ86の発振周波数が70〜100kHzの範囲が特に好ましいのは、EEFL1を駆動させるのに高周波化することによりその効率アップが図れ、しかもその効率アップの効果が大きい範囲が特に70〜100kHzの駆動範囲内であるからである。
【0053】
次に、本発明の第3の実施の形態のバックライト照明装置について、図6を用いて説明する。
【0054】
第3の実施の形態は、図5に示した第2の実施の形態の照明装置に対して、電源供給用の電極部を図6の構造に変更してあり、図5のバックライトユニットの側板101、中継基板102に代えて、導電性シリコンゴム製電極111とこれを保持する側板112を用いたことを特徴とする。
【0055】
すなわち、本実施の形態のバックライト照明装置は、多数本の並設された誘電バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)1、導電性シリコンゴム製電極111、これを保持し補強する側板112、高周波、正弦波電圧を出力するインバータ86、このインバータ86から両側の導電性シリコンゴム製電極111に高周波、正弦波電圧を給電するハーネス103、両側の側板112を所定位置に固定する下フレーム104、多数本のEEFL1の光を所定方向(図6において上方)に反射させる反射板105、多数本のEEFL1からの光を均一に拡散させる拡散板106及び拡散シート107,108、そして上フレーム109を図示のように配置し、一体に組立てたものである。
【0056】
導電性シリコンゴム製電極111は、シリコンゴムに適当な割合でカーボン粒子を混合し、成形することによって得られた柔軟なゴム弾性を持つ。この導電性シリコンゴム製電極111には、長手方向に一定の間隔を置いて多数のランプ挿入穴が穿ってあり、そのランプ挿入穴各々にEEFL1各々の端部の外部電極21,26を圧入することによってその外部電極21,26を導電性シリコンゴム製電極111に電気的に接触させると共に機械的に保持させる。
【0057】
この構造により、導電性シリコンゴム製電極111によって多数本のEEFL1を並列に接続し、図5の照明装置と同様の原理にて点灯駆動させる。インバータ86は、図2に示したような両高圧方式(フローティング方式)の構成である。
【0058】
本実施の形態では、給電電極として導電性シリコンゴム製電極111を用いることで、位置決め、組立てを容易にし、電極部に発生する熱を均一化することができる。この電極部の局部的な電流集中による熱の発生を均一化することで、電極部の電流集中によってEEFL1の外部電極21,26の内側のガラスに穴があく現象を抑えることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、水銀封入の誘電体バリア放電型低圧放電ランプを最適な条件で点灯駆動することができる。
【0060】
また本発明によれば、1台の点灯装置で複数本の並列接続された誘電体バリア放電型低圧放電ランプを高周波、正弦波電圧電源によって効率良く点灯駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の照明装置の構成を示すブロック図。
【図2】上記実施の形態で使用する高周波電源をなすインバータ回路の回路図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、誘電体バリア放電型低圧放電ランプの点灯電圧波形とランプ効率との関係を調べた実験結果の図表。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、誘電体バリア放電型低圧放電ランプに対する正弦波電圧の周波数とランプ電圧との関係を調べた実験結果のグラフ。
【図5】本発明の第2の実施の形態の照明装置の分解斜視図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の照明装置の分解斜視図。
【図7】1つの従来例の構成を示すブロック図。
【図8】他の従来例の構成を示すブロック図。
【図9】従来提案されている誘電体バリア放電型低圧放電ランプに対する照明装置の構成を示すブロック図。
【図10】さらに別の従来例の分解斜視図。
【符号の説明】
1 誘電体バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)
10 ガラスランプ容器
21 外部電極
26 外部電極
81 高周波電源
82 高周波電源
86 インバータ
90 インバータ回路
101 側板
102 中継基板
103 ハーネス
111 導電性シリコンゴム製電極
112 側板

Claims (5)

  1. 両端外周面に電流導体層が電極として配設され、水銀および希ガスが充填剤として封入された管状ガラスランプ容器で成る誘電体バリア放電型低圧放電ランプと、
    当該誘電体バリア放電型低圧放電ランプの両端の電極間に高周波電圧を印加する点灯装置とを備え、
    前記点灯装置は、前記誘電体バリア放電型低圧放電ランプの電極間に高周波、正弦波電圧を出力するフローティング出力型のものであることを特徴とする照明装置。
  2. 前記点灯装置は、周波数が40kHzから100kHzの範囲の高周波、正弦波電圧を出力するものであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記点灯装置は、並列接続された複数本の誘電体バリア放電型低圧放電ランプを点灯することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  4. 前記点灯装置は、発振周波数40〜100kHzかつフローティング出力型の正弦波出力インバータであり、かつ、前記誘電体バリア放電型低圧放電ランプを管電圧2000Vrms以下で駆動することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記点灯装置は、前記複数本の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの各端部を並列接続して当該点灯装置からの高周波電圧を印加するための給電電極として、導電性シリコンゴム製電極を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の照明装置。
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