JP3714013B2 - 定速走行制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両速度(走行車速)を目標速度に自動制御(オートクルーズ)する定速走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両においては、走行時の運転者の負担を軽減するために定速走行装置を搭載することが知られている。このような定速走行制御装置は、通常(自然吸気方式)のガソリンエンジンを搭載した車両のみならず、エンジンの排気ガスを利用して吸入空気を圧縮する過給機(ターボチャージャー)付きのガソリンエンジンを搭載した車両において用いられる。
【0003】
この定速走行制御装置では、運転者による目標車速設定スイッチ等の制御スイッチの操作に応じて定速走行モードが設定されるとともに、そのときの車両の走行車速が目標車速として記憶される。それ以降、走行車速がこの目標車速に一致するようにスロットル要求開度が算出され、このスロットル要求開度に基づいてスロットルバルブの開度が制御される。これにより、吸気通路を通じてエンジンの燃焼室へ導かれる空気の量が調整され、この空気量に応じた燃料が供給されて目標車速にて走行することができるエンジンの出力トルクが得られる。このため、運転者はアクセルペダルから足を離したままでも走行車速を目標車速に一致させ続けることができる。
【0004】
このような定速走行制御装置において、スロットルバルブのスロットル要求開度MCn は、目標車速と走行車速との偏差及び車速変化量に基づいて以下のようにして算出されている。
【0005】
【数1】
MCn =MCn-1 +G1*{Vm −(Vn +Tsk*ΔV)} …(1)
なお、MCn-1 :前回のスロットル要求開度
Vm :目標車速
Vn :走行車速
ΔV :車速変化量
G1 :フィードバックゲイン
Tsk :位相補償時間
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、ガソリンエンジンにおいては、スロットルバルブの開度の変化に基づいて吸入空気量が変化する。吸入空気量の変化に基づいて供給される燃料の量が変化し、この燃料の燃焼に伴ってエンジンの出力トルクが変化し、この出力トルクの変化に基づいて走行車速が変化する。すなわちスロットルバルブの変化に対してエンジンの出力トルクが遅れて変化する。従って、車両の定速走行モードにおいて、上記のように算出されたスロットル要求開度に基づいてスロットルバルブの開度を制御すると、遅れたトルク変化に基づく走行車速の変化により走行車速が安定しにくいという問題があった。
【0007】
特に、過給機付きのガソリンエンジンでは、排気行程において排出される排気ガスの量に応じて吸入空気の過給を行うようになっている。従って、定速走行モードにおいて車両が平坦路を走行中には、スロットルバルブがほぼ全閉状態となって排気ガス量が少ないため、過給機による過給圧は作用していない。
【0008】
これに対して、定速走行モードにおいて車両が登坂路の走行に移行すると、走行車速Vn が低下すると共に、車速変化量ΔVが負になる。そのため、上記式(1)にて算出されるスロットル要求開度MCn が大きくなり、スロットルバルブが開く方向に制御されて吸入空気量が増加する。これに伴って燃料量が増加し、排気ガス量が増加する。排気ガス量の増加に伴って過給機による過給圧が作用し始めて、エンジンの出力トルクがスロットルバルブの開度の変化に対してかなり遅れて増加する。そのため、過給機の過給圧の作用し始めには走行車速が大きく増加することとなり、走行車速が目標車速に対して安定しにくくなり、運転者に不快感を与えるという問題点があった。
【0009】
なお、定速走行の過渡特性を改善し、車速の落込みやオーバーシュートを大幅に少なくするために、特開平6−64460号公報には、エンジントルク及び加速度に基づいて車両の走行抵抗を検出し、制御スイッチの操作直後の過渡時に目標車速に追従するために必要な目標トルクを、走行抵抗及び変速比に基づいて算出する定速走行制御装置が提案されている。
【0010】
本発明は上記従来の定速走行制御装置に存する問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、走行車速を目標車速に対して速やかに安定させることができる定速走行制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載された内燃機関と、前記内燃機関の吸気通路に設けられ、その開度に応じて同内燃機関への吸入空気量を調整するスロットルバルブと、前記スロットルバルブの開度を調整する定速走行用アクチュエータと、車両の走行車速を検出する速度検出手段と、定速走行のための目標車速を設定する目標車速設定手段と、定速走行モードの設定にて、前記車速検出手段による走行車速が目標車速に一致するように、前記定速走行用アクチュエータを制御する制御手段とを備えた定速走行制御装置において、前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、前記走行車速について予め設定された基準スロットル開度と前記スロットル開度とを比較する比較手段とを備え、前記制御手段は、前記スロットル開度が前記基準スロットル開度以上のとき、前記目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御し、前記スロットル開度が前記基準スロットル開度未満のとき、前記目標車速と走行車速との偏差に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御するようにしたことを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、定速走行モードにおいて、スロットル開度が基準スロットル開度未満のとき、吸入空気量は少なく、スロットル要求開度は目標車速と走行車速との偏差に基づいて求められているので、スロットルバルブの動きが抑えられることはなく、走行車速が目標車速に対して速やかに安定するようになる。スロットル開度が基準スロットル開度以上のとき、スロットル要求開度は目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求められているので、スロットルバルブの開度の変化に対して遅れて変化する内燃機関のトルクに基づく走行車速の変化分を考慮したものとなり、走行車速が目標車速から大きくずれることがなくなり、走行車速が目標車速に対して速やかに安定するようになる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、車両に搭載された内燃機関と、前記内燃機関の吸気通路に設けられ、その開度に応じて同内燃機関への吸入空気量を調整するスロットルバルブと、前記スロットルバルブの開度を調整する定速走行用アクチュエータと、車両の走行車速を検出する速度検出手段と、定速走行のための目標車速を設定する目標車速設定手段と、定速走行モードの設定にて、前記車速検出手段による走行車速が目標車速に一致するように、前記定速走行用アクチュエータを制御する制御手段とを備えた定速走行制御装置において、前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、前記走行車速について予め設定された第1の基準スロットル開度及び該第1の基準スロットル開度よりも大きな第2の基準スロットル開度と前記スロットル開度とを比較する比較手段と、前記走行車速と前記スロットル開度とに基づいてトルクコンバータのロックアップのON・OFFを制御するロックアップ制御手段とを備え、前記制御手段は、ロックアップOFFであり前記スロットル開度が第1の基準開度以上のとき、及び、ロックアップONであり前記スロットル開度が第2の基準開度以上のときには前記目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御し、ロックアップOFFであり前記スロットル開度が第1の基準開度未満のとき、及び、ロックアップONであり前記スロットル開度が第2の基準開度未満のときには前記目標車速と走行車速との偏差に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御するようにしたことを要旨とする。
【0016】
この構成によれば、定速走行モードにおいて、ロックアップOFFでありスロットル開度が第1の基準開度未満のとき、及び、ロックアップONでありスロットル開度が第2の基準開度未満のときにはスロットル要求開度は目標車速と走行車速との偏差に基づいて求められているので、スロットルバルブの動きが抑えられることはなく、走行車速が目標車速に対して速やかに安定するようになる。ロックアップOFFでありスロットル開度が第1の基準開度以上のとき、及び、ロックアップONでありスロットル開度が第2の基準開度以上のときには、スロットル要求開度は目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求められているので、スロットルバルブの開度の変化に対して遅れて変化する内燃機関のトルクに基づく走行車速の変化分を考慮したものとなり、走行車速が目標車速から大きくずれることがなくなり、走行車速が目標車速に対して速やかに安定するようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、車両には過給機付きの多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、シリンダブロック12内に形成されたシリンダ13と、そのシリンダ13内を上下方向に往復移動するピストン15と、シリンダ13及びシリンダヘッド14とピストン15の上面とによって区画形成される燃焼室16と、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト17と、ピストン15の往復運動をクランクシャフト17の回転運動に変換するコネクティングロッド18とを備えている。
【0019】
シリンダ13内においてクランクシャフト17の近傍には、そのクランク角CAを検出するクランク角センサ19が配設されている。
一方、シリンダヘッド14には、燃焼室16と連通する吸気ポート21及び排気ポート22が設けられている。シリンダヘッド14には、吸気バルブ23及び排気バルブ24がそれぞれ往復動可能に支持されている。これらのバルブ23,24は、タイミングベルト(図示略)を介して前記クランクシャフト17と連結されたカムシャフト25a,25bによって往復動される。吸気バルブ23及び排気バルブ24の往復動により吸気ポート21及び排気ポート22が開放及び閉鎖される。
【0020】
吸気ポート21には、エンジン11外部の空気を燃焼室16へ導くための吸気通路26が接続されている。この吸気通路26にはエンジン11の近傍においてサージタンク27が設けられ、サージタンク27には吸気圧Pmを検出する吸気圧力センサ28が配設されている。
【0021】
また、吸気通路26にはサージタンク27の上流においてスロットルバルブ29が回動可能に支持されている。スロットルバルブ29は、自身の回動角度(スロットル開度)に応じて吸気通路26の流路面積を変化させ、同通路26を流れる空気(吸入空気)の量を調節するためのものである。定速走行用アクチュエータを兼用するスロットル駆動モータ30は吸気通路26の外部に設けられて前記スロットルバルブ29に駆動連結されており、前記スロットルバルブ29の開度を調整される。スロットル駆動モータ30にはスロットルバルブ29の開度TAを検出するスロットル開度検出手段としてのスロットルポジションセンサ31が設けられている。
【0022】
さらに、吸気通路26にはスロットルバルブ29の上流において過給機32が設けられている。過給機32には後記する排気通路39を介して排気ガスが導入され、この排気ガスによって図示しないタービンが回転されることによって吸入空気を加圧するようになっている。
【0023】
車両にはアクセルペダル33が踏み込み操作可能に設けられている。アクセルペダル33の近傍には同ペダル33の操作量を検出するアクセルセンサ34が設けられている。運転者によってアクセルペダル33が踏み込まれると、その踏み込み量に応じてアクセルセンサ34から出力される検出信号ANに基づいて後記する電子制御装置(ECU)50によってスロットル駆動モータ30の回動量が制御され、スロットルバルブ29が開閉駆動される。
【0024】
吸気通路26におけるシリンダヘッド14側の端部には、吸気ポート21へ燃料を噴射供給するためのインジェクタ35が設けられている。そして、インジェクタ35から噴射される燃料と吸入空気とからなる混合気が燃焼室16内へ導入される。
【0025】
また、シリンダヘッド14には、燃焼室16内に吸入された混合気に点火するための点火プラグ36が設けられている。この点火プラグ36には、イグニッションコイル37及びイグナイタ38が電気的に接続されている。イグナイタ38はECU50から出力される点火信号に基づいてイグニッションコイル37の1次コイルに対する電流の通電及び遮断を行い、イグニッションコイル37はこの1次電流の遮断時に2次コイル側に誘起される高電圧によって点火プラグ36に火花放電を起こさせる。すなわち、点火プラグ36は、ECU50からイグナイタ38へ出力される点火信号に従って点火を行い、燃焼室16内の混合気を爆発・燃焼させる。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動させられ、クランクシャフト17が回転させられてエンジン11の動力が得られる。
【0026】
排気ポート22には排気通路39が接続され、燃焼室16で生じた燃焼ガスが同通路39を通り前記過給機32を経由して排出される。
前記エンジン11の動力は、トルクコンバータ41及び自動変速機42からなるオートマチックトランスミッション40を介して車両の駆動輪に伝達される。トルクコンバータ41はエンジン11の出力トルクをスリップ伝達する。トルクコンバータ41はロックアップクラッチを備えており、エンジン11の低負荷状態においてはロックアップクラッチがオンして入力側と出力側とが滑らないように連結されてトルクの伝達損失を生じさせないようにしている。また、エンジン11の中負荷〜高負荷状態においてはロックアップクラッチがオフして入力側と出力側とを滑らせてエンジン11の出力トルクの一部を伝達させるようにしている。
【0027】
トルクコンバータ41には入力軸(タービンを駆動するエンジン)の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ43が設けられている。トランスミッション42にはその出力軸即ちタイヤ回転軸に設けられて車両の走行車速Vn を検出する車速センサ44が設けられている。
【0028】
車両の運転席近傍には目標車速設定手段としてのクルーズ設定スイッチ45が操作可能に設けられている。同スイッチ45は定速走行モードを設定したり、目標車速Vm を設定したり、目標車速Vm を変更したりするためのスイッチである。
【0029】
本実施形態において、エンジン11及びトランスミッション40を制御するとともに、車両の定速走行制御を行うために電子制御装置(ECU)50が用いられている。
【0030】
図2に示すように、ECU50は、エンジンコントローラ51、トランスミッションコントローラ52、クルーズコントローラ53、スロットルコントローラ54等からなる。ECU50には、前記クランク角センサ19、吸気圧センサ28、スロットルポジションセンサ31、アクセルセンサ34、エンジン回転数センサ43、車速センサ44等の検出信号が入力されるとともに、クルーズ設定信号45の制御信号が入力されている。
【0031】
エンジンコントローラ51は、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)、演算結果や各センサの検出結果等を一時的に記憶する等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。エンジンコントローラ51には前記クランク角センサ19、吸気圧センサ28、スロットルポジションセンサ31、アクセルセンサ34、エンジン回転数センサ43等の検出信号が入力されている。
【0032】
また、エンジンコントローラ51は、前記クランク角センサ19、吸気圧センサ28、スロットルポジションセンサ31、アクセルセンサ34、エンジン回転数センサ43、車速センサ44の検出信号に基づいてエンジン11の出力トルクTを演算して検出するトルク算出手段を構成する。エンジンコントローラ51は所定の制御周期毎に出力トルクTn を求めるとともに、最新の出力トルクTn と前回の出力トルクTn-1とに基づいてトルク変化量ΔTを求めるようになっている。そして、エンジンコントローラ51は求めたトルク変化量ΔTのデータをクルーズコントローラ53に供給するようになっている。なお、エンジンコントローラ51による出力トルクTn の具体的な演算構成は、以下に記述する(a)〜(d)の4通りのいずれかを採用すればよい。
【0033】
(a)スロットルポジションセンサ31によって検出されたスロットル開度TAとエンジン回転数センサ43によって検出されたエンジン回転数Neとに基づいてエンジン11の出力トルクTn を求める構成。
【0034】
(b)吸気圧センサ28によって検出された吸気通路26内の吸気圧Pmとエンジン回転数センサ43によって検出されたエンジン回転数Neとに基づいてエンジン11の出力トルクTn を求める構成。
【0035】
(c)吸気通路26に吸入空気量を検出するエアフローセンサを設け、このエアフローセンサによって検出された吸気量とエンジン回転数センサ43によって検出されたエンジン回転数Neとに基づいてエンジン11の出力トルクTn を求める構成。
【0036】
(d)燃焼室16内の圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサによって検出された気筒内圧力とクランク角センサ19からのクランク角信号CAに基づいて求める構成。
【0037】
また、エンジンコントローラ51は、クランク角センサ19、吸気圧センサ28、スロットルポジションセンサ31、エンジン回転数センサ43等の検出信号に基づいて燃料噴射量を算出し、インジェクタ35を制御して燃料噴射制御を行うとともに、イグナイタ38を制御して点火制御を行うようになっている。
【0038】
トランスミッションコントローラ52は、前記エンジンコントローラ51と同様に、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)、演算結果や各センサの検出結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。トランスミッションコントローラ52は前記スロットルポジションセンサ31により検出されたスロットル開度と車速センサ44により検出された走行車速Vn に基づいてトランスミッション42の変速比を制御する。
【0039】
また、トランスミッションコントローラ52はロックアップ制御手段を構成し、車速センサ44により検出された走行車速Vn とそのときのスロットル開度TAとに基づいて車両が減速状態であるかどうかを検出する。詳述すると、走行車速Vnがスロットル開度TAに基づいて決まる車速以上であるときにはトランスミッションコントローラ52は車両が減速状態であると判定し、走行車速Vnがスロットル開度TAに基づいて決まる車速未満であるときにはトランスミッションコントローラ52は車両が減速状態であると判定しない。そして、車両が減速状態である場合には、トランスミッションコントローラ52はロックアップクラッチをONさせてトルクコンバータ41の入力側と出力側とを連結させる。車両が減速状態でない場合には、トランスミッションコントローラ52はロックアップクラッチをOFFさせてトルクコンバータ41の入力側と出力側との連結を解除してエンジントルクをスリップ伝達させる。また、トランスミッションコントローラ52はロックアップクラッチのオン・オフ状態の情報をクルーズコントローラ53に供給するようになっている。
【0040】
クルーズコントローラ53は、前記エンジンコントローラ51と同様に、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)、演算結果や各センサの検出結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。
【0041】
クルーズコントローラ53は、車両の走行中に運転者によってクルーズ設定スイッチ45が操作されると、定速走行モードを設定するとともに、そのときの車速センサ44によって検出された走行車速Vn を目標車速Vm としてRAMに記憶する。その目標車速Vm の設定後において、クルーズコントローラ53は走行車速Vn が目標車速Vm に一致するように、スロットル要求開度MAn を算出する。そして、クルーズコントローラ53はこのスロットル要求開度MAn に応じた駆動制御信号をスロットルコントローラ54に出力する。
【0042】
本実施形態において、スロットル要求開度MAn は、まず、式(2)に示すように、目標車速と走行車速との偏差及び車速変化量に基づいて仮のスロットル要求開度MBn を算出し、次に、式(3)に示すように、仮のスロットル要求開度MBn をエンジン11のトルク変化量ΔTに基づいて補正することにより算出されている。
【0043】
【数2】
MBn =MAn-1 +G1*{Vm −(Vn +Tsk*ΔV)} …(2)
なお、MBn :仮のスロットル要求開度
MAn-1 :前回のスロットル要求開度
Vm :目標車速
Vn :走行車速
ΔV:車速変化量
G1:フィードバックゲイン
Tsk:位相補償時間
【0044】
【数3】
MAn =MBn −G2*ΔT …(3)
なお、ΔT:トルク変化量
G2:フィードバックゲイン
スロットルコントローラ54は、前記アクセルセンサ34によって検出されたアクセル開度ANに応じた制御信号とクルーズコントローラ53から供給される駆動制御信号とが入力され、クルーズ設定スイッチ45の操作によって定速走行モードが設定されたときは、クルーズコントローラ53から供給される駆動制御信号とアクセルセンサ34によって検出されたアクセル開度ANに応じた制御信号との大きい方に基づいて、又、定速走行モードが設定されていない場合はアクセル開度ANに応じた制御信号に基づいて前記スロットル駆動モータ30を回動制御することによりスロットルバルブ29の開度を調整するようになっている。本実施形態では、前記クルーズコントローラ53及びスロットルコントローラ54によって制御手段が構成されている。
【0045】
次に、上述した実施形態におけるクルーズコントローラ53が実行するスロットル要求開度の算出処理手順を、図3に示すフローチャートに従って説明する。なお、このルーチンは車両の走行中においてクルーズ設定スイッチ45の操作によって定速走行モードが設定されたとき、クルーズコントローラ53のROM内に記録された制御プログラムに基づき、例えば所定時間毎に繰り返し実行される。
【0046】
まず、ステップ61において、RAMから目標車速Vm 、走行車速Vn 、前回のスロットル要求開度MAn-1 、及びトルク変化量ΔTのデータが読み込まれるとともに、ROMからフィードバックゲインG1,G2、及び位相補償時間Tskのデータが読み込まれる。
【0047】
ステップ62において、走行車速Vn から前回の車速Vn-1 を減ずることにより、車速変化量ΔVが算出される。
次のステップ63において、MBn =MAn-1 +G1*{Vm −(Vn +Tsk*ΔV)}に従って、仮のスロットル要求開度MBn が算出される。
【0048】
そして、ステップ64において、MAn =MBn −G2*ΔTに従って、仮のスロットル要求開度MBn をトルク変化量ΔTに基づいて補正することにより、スロットル要求開度MAn が算出され、この算出処理が終了される。
【0049】
こうした構造を有するエンジン11にあっては、その動力を得るために、上記燃焼室16内において、吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の4行程が行われる。すなわち、まず吸気行程において、上記燃料噴射弁35から噴射された燃料と吸気通路26から吸入された空気との混合ガスが、上記吸気弁24の開弁及び上記ピストン15の下動によって上記吸気ポート21を通って燃焼室16内に吸入される。次に、圧縮行程において、吸気バルブ23の閉弁とともに下死点に達したピストン15が上動する。これにより燃焼室16の容積は小さくなり、同燃焼室16内に充満した混合ガスが圧縮される。続く燃焼・膨張行程において、上記点火プラグ36から所定の点火時期にて火花が発火され、圧縮された混合ガスに点火される。これにより燃焼室16内の混合ガスは爆発し、同混合ガスの燃焼膨張によってピストン15が下死点方向に押し下げられ、エンジン11に動力が付与される。そして、燃焼後の混合ガスは、排気行程において、排気バルブ24の所定のタイミングでの開弁及びピストン15の上動に伴い、排気ガスとして排気ポート22から排気通路39に送り出される。
【0050】
排気ガスは排気通路39を介して過給機32に導入された後、外部に排出される。スロットルバルブ29の開度が小さいときには吸入空気量も少なく、燃料噴射量も少ない。そのため、燃焼膨張行程に続く排気行程において排出される排気ガス量が少なく、過給機32による過給圧はほとんど作用しておらず、次の吸気行程での吸入空気量はスロットルバルブ29の開度に追従して変化する。
【0051】
スロットルバルブ29の開度が所定開度以上に大きくなって吸入空気量が増加すると、これに伴って燃料噴射量が増加し、排気行程において排出される排気ガス量が増加する。排気ガス量の増加に伴って過給機による過給圧が作用し始め、次の吸気行程において吸入空気が加圧されて吸入空気量がスロットル開度に応じた量以上に増大する。従って、これに続く燃焼膨張行程においてエンジン11の出力トルクが増大する。排気行程にて排出される排気ガス量が増大するため、過給機32の過給圧が増加し、吸入空気が過給される。上記のように、スロットルバルブ29の開度の変化に対して過給機32の過給圧が作用し始めてエンジン11の出力トルクが増加するまでが、いわゆるターボラグである。
【0052】
次に、本実施形態の定速走行制御装置の作用及び効果を図4に従って説明する。
過給機32を備えるエンジン11を搭載した車両が定速走行モードにおいて登坂路の走行に移行したとき、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項がないスロットル要求開度MBn に基づいて行うと、スロットル開度TAは破線で示すように大きく変化してハンチングが大きくなる。このスロットル開度TAの変化に対してエンジン11の出力トルクTが破線で示すように遅れて変化するとともに、過給機32の過給圧が作用し始めるため、エンジントルクTのハンチングが大きくなる。そのため、走行車速Vn は破線で示すように目標車速Vm からのずれが大きくなり、走行車速Vn が安定しにくくなる。
【0053】
これに対し、本実施形態では、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項を備えたスロットル要求開度MAn に基づいて行っている。従って、車両が定速走行モードにおいて登坂路の走行に移行して過給機32の過給圧が作用し始めると、スロットル開度TAは実線で示すようにエンジントルクTの変化量に基づいて押え込まれ、ハンチングが小さくなる。このスロットル開度TAの変化に対してエンジン11の出力トルクTも実線で示すように遅れて変化するが、エンジントルクTのハンチングは小さくなる。そのため、走行車速Vn は実線で示すように目標車速Vm からのずれが小さくなり、走行車速Vn を目標車速Vm に対して速やかに安定させることができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5〜図7に基づいて説明する。なお、本実施形態において、エンジン及び定速走行制御装置の構成は第1実施形態と同様である。
【0055】
本実施形態において、クルーズコントローラ53のROMには、前記したように各種制御プログラムとともに、図6に示す基準スロットル開度としての切り換え開度のマップが記録されている。切り換え開度とは、定速走行モードにおいてスロットル要求開度MAn の算出のために、トルク変化量ΔTに基づく補正を行うかどうか、すなわち登坂路の走行中であるかどうかを判定するためのスロットル開度である。
【0056】
本実施形態において、クルーズコントローラ53は比較手段をも兼用しており、前記スロットルポジションセンサ31によって検出されたスロットル開度TAとそのときの走行車速Vn における切り換え開度との大きさを比較することにより、登坂路かどうかを判定するようになっている。
【0057】
次に、本実施形態におけるクルーズコントローラ53が実行するスロットル要求開度の算出処理手順を、図5に示すフローチャートに従って説明する。なお、このルーチンも車両の走行中において前記クルーズ設定スイッチ45の操作によって定速走行モードが設定されたとき、クルーズコントローラ53のROM内に記録された制御プログラムに基づき、例えば所定時間毎に繰り返し実行される。
【0058】
まず、ステップ61〜63において、第1実施形態と同様の処理が行われ、仮のスロットル要求開度MBn が算出される。
次に、ステップ70において、スロットル開度TAがそのときの走行車速Vn における切り換え開度以上かどうか、すなわち登坂路の走行中であるかどうかが判定される。
【0059】
そして、ステップ70において、スロットル開度TAが切り換え開度以上、すなわち登坂路の走行中であると判定されると、ステップ71に移行する。ステップ71において、MAn =MBn −G2*ΔTに従って、仮のスロットル要求開度MBn をトルク変化量ΔTに基づいて補正することにより、スロットル要求開度MAn が算出され、この算出処理が終了される。
【0060】
また、ステップ70の処理において、スロットル開度TAが切り換え開度未満、すなわち登坂路以外(平坦路又は降阪路)の走行中であると判定されると、ステップ72に移行する。ステップ72において、仮のスロットル要求開度MBn に対してトルク変化量ΔTに基づく補正は行われず、仮のスロットル要求開度MBn がスロットル要求開度MAn として算出され、この算出処理が終了される。
【0061】
次に、本実施形態の定速走行制御装置の作用及び効果を図7に従って説明する。
過給機32を備えるエンジン11を搭載した車両が定速走行モードにおいて平坦路の走行では、図6に示すように、スロットル開度TAは切り換え開度よりもが十分小さく、このときには排気ガス量が少ない。そのため、吸入空気に対して過給機32による過給圧はほとんど作用しない。従って、吸入空気量はスロットル開度TAに追従して変化する。
【0062】
従って、平坦路の走行のようにスロットル開度TAが小さい領域において、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項を備えたスロットル要求開度MAn に基づいて行うと、スロットルバルブ29の動きを抑制するようにスロットル要求開度MAn は補正されてしまう。その結果、走行車速Vn は図7に破線で示すように目標車速Vm に対して安定しにくくなる。
【0063】
これに対し、本実施形態では、平坦路の走行のようにスロットル開度TAが小さい領域において、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項がないスロットル要求開度MAn (=MBn )に基づいて行っている。従って、スロットルバルブ29の動きが抑制されるようなことはなく、走行車速Vn を図7に実線で示すように目標車速Vm に対して速やかに安定させることができる。
【0064】
なお、車両が定速走行モードにおいて登坂路の走行に移行して、スロットル開度TAが図6に示す切り換え開度よりも大きくなると、吸入空気量が増加するのに伴って排気ガス量が増加し、過給機32の過給圧が作用し始める。このときには、スロットルバルブ29の制御はトルク変化量ΔTに基づく補正項を備えたスロットル要求開度MAn に基づいて行われ、第1実施形態と同様に走行車速Vn は目標車速Vm に対して速やかに安定させることができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。なお、本実施形態において、エンジン及び定速走行制御装置の構成は第1実施形態と同様である。
【0066】
本実施形態において、クルーズコントローラ53のROMには、前記したように各種制御プログラムとともに、図9に示すように第1の基準スロットル開度としてのロックアップOFF時の切り換え開度及び第2の基準スロットル開度としてのロックアップON時の切り換え開度のマップが記録されている。ロックアップOFF時の切り換え開度は第2実施形態における切り換え開度と同一の値であり、ロックアップON時の切り換え開度はロックアップOFF時の切り換え開度よりも大きく設定されている。
【0067】
本実施形態において、クルーズコントローラ53は比較手段をも兼用しており、前記スロットルポジションセンサ31によって検出されたスロットル開度TAとそのときの走行車速Vn におけるロックアップOFF時の切り換え開度及びロックアップON時の切り換え開度との大きさを比較するようになっている。
【0068】
次に、本実施形態におけるクルーズコントローラ53が実行するスロットル要求開度の算出処理手順を、図8に示すフローチャートに従って説明する。なお、このルーチンも車両の走行中において前記クルーズ設定スイッチ45の操作によって定速走行モードが設定されたとき、クルーズコントローラ53のROM内に記録された制御プログラムに基づき、例えば所定時間毎に繰り返し実行される。
【0069】
まず、ステップ61〜63において、第1実施形態と同様の処理が行われ、仮のスロットル要求開度MBn が算出される。
次に、ステップ75において、トルクコンバータ41がロックアップONかどうかが判定される。ステップ75において、トルクコンバータ41がロックアップOFFであると判定されるとステップ76に進み、トルクコンバータ41がロックアップONであると判定されるとステップ78に進む。
【0070】
ステップ76において、スロットル開度TAがそのときの走行車速Vn におけるロックアップOFF時の切り換え開度以上かどうかが判定される。ステップ76において、スロットル開度TAがロックアップOFF時の切り換え開度以上であると判定されると、ステップ77に移行する。また、ステップ76の処理において、スロットル開度TAがロックアップOFF時の切り換え開度未満であると判定されると、ステップ79に移行する。
【0071】
ステップ78において、スロットル開度TAがそのときの走行車速Vn におけるロックアップON時の切り換え開度以上かどうかが判定される。ステップ78において、スロットル開度TAがロックアップON時の切り換え開度以上であると判定されると、ステップ77に移行する。また、ステップ78の処理において、スロットル開度TAがロックアップON時の切り換え開度未満であると判定されると、ステップ79に移行する。
【0072】
そして、ステップ77では、MAn =MBn −G2*ΔTに従って、仮のスロットル要求開度MBn をトルク変化量ΔTに基づいて補正することにより、スロットル要求開度MAn が算出され、この算出処理が終了される。
【0073】
ステップ79において、仮のスロットル要求開度MBn に対してトルク変化量ΔTに基づく補正は行われず、仮のスロットル要求開度MBn がスロットル要求開度MAn として算出され、この算出処理が終了される。
。
【0074】
次に、本実施形態の定速走行制御装置の作用及び効果を図10に従って説明する。
車両の定速走行モードにおいて、アクセルペダル33を足踏み操作すると、アクセル開度ANがスロットルコントローラ54に供給され、スロットルバルブ29はほぼ全開状態となり、これに伴って走行車速Vnが目標車速Vmより上昇する。この後、アクセルペダル33の操作を解除すると、アクセル開度ANは0となり、スロットル開度TAは全閉となって、車両は減速状態となる。車両の減速状態において、ロックアップクラッチはONされる。
【0075】
この車両の減速状態において、クルーズコントローラ53によってスロットル要求開度MAnが算出される。スロットル開度TAがロックアップOFF時の切り換え開度未満の場合には、トルク変化量ΔTに基づく補正項がないスロットル要求開度MAn が算出される。
【0076】
スロットル開度TAがロックアップOFF時の切り換え開度以上になったとき、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項を備えたスロットル要求開度MAn に基づいて行うと、スロットル開度TAは破線で示すように緩やかに上昇するため、走行車速Vnは破線で示すように目標車速Vmからの落ち込みが大きくなる。
【0077】
これに対し、本実施形態では、車両の減速状態において、スロットル開度TAがロックアップON時の切り換え開度未満の場合には、スロットルバルブ29の制御を、トルク変化量ΔTに基づく補正項がないスロットル要求開度MAn (=MBn )に基づいて行っている。従って、スロットル開度TAは実線で示すように急に上昇するため、走行車速Vnも実線で示すように目標車速Vmからの落ち込みを少なくすることができる。
【0078】
そして、車両の減速状態が終了する、すなわち走行車速Vnがスロットル開度TAによって決まる車速よりも大きくなると、ロックアップクラッチはOFFされる。ロックアップクラッチがOFFされた後、スロットル開度TAがロックアップOFF時の切り換え開度以上であると、スロットルバルブ29の制御は、トルク変化量ΔTに基づく補正項を備えたスロットル要求開度MAn に基づいて行われる。そのため、走行車速Vn は目標車速Vm に対して速やかに安定させることができる。
【0079】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
(1)前記各実施の形態では、車両の通常の走行状態においてアクセルセンサ34によってアクセルペダル33のアクセル開度を検出し、スロットルコントローラ54に入力してスロットル駆動モータ30を制御し、スロットルバルブ29を回動させるようにしたが、アクセルペダル33をケーブルによってスロットルバルブ29に連結して、運転者による同ペダル33の踏み込み動作が直接スロットルバルブ29に伝達されるようにしてもよい。
【0080】
(2)前記各実施の形態における定速走行用アクチュエータとしてのスロットル駆動モータ30としてステップモータを用いてもよい。また、モータ式のアクチュエータに代えて、バキューム式のアクチュエータを用いてもよい。
【0081】
(3)前記各実施の形態では、エンジンコントローラ51によってエンジン11のトルク変化量ΔTを算出するようにしたが、クルーズコントローラ53によってエンジン11のトルク変化量ΔTを算出するようにしてもよい。
【0082】
(4)前記各実施の形態では、過給機32を備えたガソリンエンジン11を搭載した車両に実施したが、過給機32を備えない通常のガソリンエンジン11を搭載した車両に実施してもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の発明によれば、定速走行モードにおいて、走行車速を目標車速に対して速やかに安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のエンジンを示す断面略図及びブロック図。
【図2】第1実施形態のECUの電気的構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態におけるスロットル要求開度算出処理を示すフローチャート。
【図4】第1実施形態における定速走行制御装置の作用を示す説明図。
【図5】第2実施形態におけるスロットル要求開度算出処理を示すフローチャート。
【図6】スロットルバルブの切り換え開度のマップを示す説明図。
【図7】第2実施形態における定速走行制御装置の作用を示す説明図。
【図8】第3実施形態におけるスロットル要求開度算出処理を示すフローチャート。
【図9】スロットルバルブの切り換え開度のマップを示す説明図。
【図10】第3実施形態における定速走行制御装置の作用を示す説明図。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのガソリンエンジン、26…吸気通路、29…スロットルバルブ、30…定速走行用アクチュエータとしてのスロットル駆動モータ、31…スロットル開度検出手段としてのスロットルポジションセンサ、44…速度検出手段としての車速センサ、45…目標車速設定手段としてのクルーズ設定スイッチ、52…ロックアップ検出手段としてのトランスミッションコントローラ、53…制御手段及び比較手段を構成するクルーズコントローラ、54…制御手段を構成するスロットルコントローラ。
Claims (2)
- 車両に搭載された内燃機関と、
前記内燃機関の吸気通路に設けられ、その開度に応じて同内燃機関への吸入空気量を調整するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブの開度を調整する定速走行用アクチュエータと、
車両の走行車速を検出する速度検出手段と、
定速走行のための目標車速を設定する目標車速設定手段と、
定速走行モードの設定にて、前記車速検出手段による走行車速が目標車速に一致するように、前記定速走行用アクチュエータを制御する制御手段と
を備えた定速走行制御装置において、
前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
前記走行車速について予め設定された基準スロットル開度と前記スロットル開度とを比較する比較手段とを備え、
前記制御手段は、
前記スロットル開度が前記基準スロットル開度以上のとき、前記目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御し、
前記スロットル開度が前記基準スロットル開度未満のとき、前記目標車速と走行車速との偏差に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御する
ようにした定速走行制御装置。 - 車両に搭載された内燃機関と、
前記内燃機関の吸気通路に設けられ、その開度に応じて同内燃機関への吸入空気量を調整するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブの開度を調整する定速走行用アクチュエータと、
車両の走行車速を検出する速度検出手段と、
定速走行のための目標車速を設定する目標車速設定手段と、
定速走行モードの設定にて、前記車速検出手段による走行車速が目標車速に一致するように、前記定速走行用アクチュエータを制御する制御手段と
を備えた定速走行制御装置において、
前記スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
前記走行車速について予め設定された第1の基準スロットル開度及び該第1の基準スロットル開度よりも大きな第2の基準スロットル開度と前記スロットル開度とを比較する比較手段と、
前記走行車速と前記スロットル開度とに基づいてトルクコンバータのロックアップのON・OFFを制御するロックアップ制御手段とを備え、
前記制御手段は、
ロックアップOFFであり前記スロットル開度が第1の基準開度以上のとき、及び、ロックアップONであり前記スロットル開度が第2の基準開度以上のときには前記目標車速と走行車速との偏差及び内燃機関のトルク変化量に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御し、
ロックアップOFFであり前記スロットル開度が第1の基準開度未満のとき、及び、ロックアップONであり前記スロットル開度が第2の基準開度未満のときには前記目標車速と走行車速との偏差に基づいて求めたスロットル要求開度に応じて前記定速走行用アクチュエータを制御する
ようにした定速走行制御装置。
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