JP3713719B2 - ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なオルガノポリシロキサンとその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
従来、シランの共加水分解では2種類あるいはそれ以上のシランを同時に仕込んで行われている。これまでのシランの加水分解物の利用方法は、溶剤中で低加水分解度に止め、アルコキシ基を残した程度でこれをプライマーとして利用したり、あるいは常温で安定なオリゴマーとして分離利用するのが通例であった。しかるに常温で安定なシラノール基と有機官能基を合わせ持つた三次元構造性のポリマーは知られていなかったし、これを単離した報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
常温で安定なシラノール基と有機官能基を合わせ持ち、ポリマー骨格構造がブロック状で三次元性とリニアー性を持つ新規オルガノポリシロキサンとその製造方法を提供する。なお、本ポリマーの末端基はシラノールである。本発明者は、上述の構造のポリシロキサンとその製造法を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、後述の二段の加水分解縮合反応によると効果的に該化合物とその製造法が可能となることを見出しこの知見に基づいて本発明を完成した。本発明による二段加水分解縮合反応による製造方法は、この反応により溶剤中に生成したオルガノポリシロキサンを溶剤より単離して、各種用途に常温にて安定に取扱出来るオイルあるいは樹脂状物として供する事を目的としている。それ故に後述の実施例で示した如く、加水分解速度が著しく異なるシラン同志を一括仕込で製造した場合、生成したポリマーは三次元構造性のシラン成分がブロック状となり難くリニアー成分とより短い単位で構成されたポリマーとなり粘度が低いポリマーしか得られない条件となる。従って本発明の製造方法によらないと目的のオルガノポリシロキサンは得られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)ないし(5)の各構成を有する。
(1)一般式Si(OR)4 で示されるテトラアルコキシシラン(A)と一般式R2 R3 Si(OR)2 で示されるシラン化合物(C)とを酸触媒の存在下で共加水分解縮合反応させるに際して、最初に(A)を酸触媒、シラン総モルの3〜4倍の水、親水性溶媒の存在下に加水分解縮合反応させ、つづいて反応混合物中に(C)と、三次元性ポリマーにリニアー性シラン化合物をブロック状に共重合させるために必要な縮合触媒を添加して共加水分解縮合反応させることを特徴とする式〔化4〕で示されるオルガノポリシロキサンの製造法。
【化4】
(ここで、R2 ,R3 は、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、炭素数2〜8のアルケニル基、3−グリシドキシプロピル基または3−クロロプロピル基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、m,nはそれぞれ3以下の正の整数、xは0を含まない1.0以下の数である)
(2)一般式R1 Si(OR)3 で示されるトリアルコキシシラン化合物(B)と一般式R2 R3 Si(OR)2 で示されるシラン化合物(C)とを酸触媒の存在下で共加水分解縮合反応させるに際して、最初に(B)を酸触媒、シラン総モルの3〜4倍の水、親水性溶媒の存在下に加水分解縮合反応させ、つづいて反応混合物中に(C)と、三次元性ポリマーにリニアー性シラン化合物をブロック状に共重合させるために必要な縮合触媒を添加して共加水分解縮合反応させることを特徴とする式〔化5〕で示されるオルガノポリシロキサンの製造法。
【化5】
(ここで、R1 ,R2 ,R3 は、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−クロロプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基またはフェニル基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、m,lはそれぞれ3以下の正の整数、yは0を含まない1.0以下の数である)
(3)テトラアルコキシシラン(A)が、テトラメトキシシランもしくはテトラエトキシシランまたはこれらの加水分解物であるメチルシリケート59(SiO2 含有率約59%のオリゴマー)もしくはエチルシリケート40(SiO2含有率約40%のオリゴマー)のいずれかである前記(1)に記載の製造法。
(4)トリアルコキシシラン化合物(B)が、ビニルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン(ここでアルコキシはメトキシまたはエトキシである)のいずれかである前記(2)に記載の製造法。
(5)シラン化合物(C)が、3−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、3−クロロプロピルアルキルジアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、フェニルアルキルジアルコキシシラン(ここでアルキルはメチルまたはエチルであり、アルコキシはメトキシまたはエトキシである)のいずれかである前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の製造法。
【0005】
本発明の構成と効果につき以下に詳述する。本発明は、一般式Si(OR)4 で示されるテトラアルコキシシラン(A)と一般式R1 Si(OR)3 で示されるトリアルコキシシラン化合物(B)及び一般式R2 R3 Si(OR)2 で示されるシラン化合物(C)の内から(A)と(C)、(B)と(C)の異なる2種の組み合わせで触媒量の酸触媒下で共加水分解縮合反応させるに際して、(A)や(B)の三次元構造性のアルコキシシランを単独に加水分解してオリゴマーのブロックを形成せしめる。しかる後に(C)成分のリニアー形成ジアルコキシシランを加水分解共縮合させる二段加水分解縮合によるブロック状共重合体を製造する方法に関する。R 1 とR 2 が有機官能基を有するシリルプロピル基の場合、例えば3−メタクリロキシプロピル基を有するトリアルコキシシランや低級アルキルジアルコキシシランでは一般に加水分解速度はテトラアルコキシシランに比較して遅いので触媒を添加する必要がある。触媒種としては有機錫化合物等が好適に使用される。反応溶剤としては、親水性溶剤叉は親水性溶剤を含む混合溶剤が好適に使用される。加水分解に必要な水の量はシラン総モルの3〜4倍モルが好適である。ここでR 1 とR 2 は3−グリシドキシプロピル基やビニル基等の有機官能基を含むシランカップリング剤やC1 〜C8 の飽和炭化水素基、フェニル基あるいはアルケニル基が適応される。アルコキシ基ORはC1 〜C8 の飽和アルコールより製造したものであり、反応速度を考慮するとC1 〜C3 が好適に使用される。本発明により製造される共加水分解縮合化合物は〔化4〕、〔化5〕で示される常温でオイル状ないし樹脂状であり、かつ生成したシラノール基はそれぞれx=1.0以下、y=1.0以下もしくはx+y=2.0以下である常温で安定なオルガノポリシロキサンである。x及びx+yがこれ以上だと生成したポリマーはゲル化物を含んだりゲル体である。
【0006】
次に加水分解触媒としての酸であるが、触媒量の酸があればよく酸濃度は特に規定しない。例えば希釈した酸を規定量の水の分だけ添加する方法もある。酸の種類としては酢酸等の有機酸や塩酸、硫酸等の無機酸あるいは強酸性イオン交換樹脂のいずれも使用出来るが好ましくは加水分解速度の早い無機酸が推奨される。
【0007】
シラノール縮合触媒として作用する広範な種類の物質のいずれもが本発明に用いる事が出来る。かかる物質には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫の様な有機錫化合物、あるいはナフテン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸及びナフテン酸コバルトの如き金属カルボキシレート、チタニウムエステル及びキレートが挙げられる。好ましい化合物は有機錫化合物で特に錫カルボキシレート、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテートがある。
縮合触媒量は触媒量であれば特に規定しないが一般的にはシラン総量の0.05%以下で行われる。
【0008】
加水分解を充分行わせる為の水の量はシラン総モルに対して3〜4倍モル、好ましくは3.5倍モル以上の添加が必要である。反応溶媒としては親水性溶媒単独でもよいが、親水性溶媒の混合溶媒や親油性と親水溶媒の混合溶媒も適応出来る。例えば、メタノール、エタノール、アセトン、ターシャリブタノール、ジアセトンアルコール等の親水性溶媒、あるいはキシレン/アルコール、トルエン/アルコール等の混合溶媒も使用できる。
【0009】
本発明で得られたオルガノポリシロキサンオイルの溶解性の測定はガラスサンプル管に本発明の油状オルガノポリシロキサンのサンプル100mgを採り、これに1mlの各溶媒を加えて肉眼観察により溶け易さを判定する方法で行った。その結果は易溶、溶解、微溶(微白濁)、難溶(白濁)、不溶の5段階表示で行った。本発明のオルガノポリシロキサンは一般に次の(a)〜(d)の様な手段で上記一般式で示されるものである事を確認出来る。
(a)赤外吸収スペクトル(IR)の解析
3450cm-1付近のSi−OHの特徴的吸収、3000cm -1 〜2900cm -1 付近のCH結合に基づく数本の吸収、1100cm -1 〜1000cm -1 付近のSi−O−Siのブロードな吸収が現れる。3450cm-1付近の吸収ピークと2940cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(logI0 /I)比はシラノール基含有率の相対値の指標となる。すなわち、この値が1.0以下であれば常温で安定なシラノール基を有したオイルである。この値が1.0以上では数十℃の加熱で樹脂状態の固体を呈するオルガノポリシロキサンポリマーである。一方メタクリロキシ基を有するポリマーでは2900cm-1付近のCH結合に基づく数本の吸収、1720cm-1の−C=CCOO−吸収,1640cm-1付近のC=C吸収、1100cm-1〜1000cm-1付近のSi−O−Siのブロードな吸収が現れる。3450cm-1付近の吸収ピークと1720cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(logI0 /I)比はシラノール基含有率の相対値の指標となる。すなわち、この値が1.0以下であれば常温で安定なシラノール基を有したオイルである。この値が1.0以上では数十℃の加熱で樹脂状態の固体を呈するオルガノポリシロキサンポリマーである。
(b)1 H−核磁気共鳴スペクトル(1 H−NMR)
本発明のオルガノポリシロキサン中の水素原子の個数や結合様式、更に重水素置換により(Si)−OHである確認、水素原子の比から(Si)−OHの個数を知る事が出来る。
(c)エポキシ酸素量の定量
オキシラン酸素の定量はHBr−酢酸の滴定法により求める。
(d)炭素、水素(CH)元素分析
ミクロ元素分析法により炭素、水素含有率を知る事が出来る。粘度データーの測定は東京計器(株)製回転粘度計‘VISCONIC’を用いて25℃恒温で行った。
【0010】
【発明の効果】
本発明の二段加水分解縮合による製造方法ではブロック状のコポリマーを製造出来るので生成したオルガノポリシロキサンは、後述した実施例において証明されている如く、ポリマー中に常温にて安定なシラノール基を有し、使用アルコキシ原料由来の有機官能基を1ないし2個有する事からマルチファンクショナルな反応性オルガノポリシロキサンと言える。また、本ポリマーの末端基はシラノールである。本発明の製造法によるオルガノポリシロキサンは大抵のメチル系ポリシロキサンが有機溶媒や有機樹脂に溶解ないし親和性を持つていないのに対して本発明によるオルガノポリシロキサンは多種類の有機溶媒に溶解する。また多種類の有機樹脂に親和性を示す。これら特徴より変性シリコーンオイルとしての用途は勿論、その他離型剤、剥離紙用シリコーン、パーソナルケア用シリコーン、塗料添加剤、シリコーン粘着剤、接着シール材、変性シリコーンシラント他広範囲の用途に展開出来る有用なものである。また、2種類以上のポリマーで構成されるポリマーアロイやブレンドに於いて、異種樹脂同志の界面に作用して混練を容易ならしめたり、ポリマー間のカップリングも期待される。本発明を更に具体的に説明する為に以下実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0011】
実施例1
シラノール基含有ポリシロキサン−3−グリシドキシプロピルメチルポリシロキサン共重合オイルの合成S520/正珪酸エチル=2/1(モル)
1Lの三口フラスコに多摩化学社製の正珪酸エチル(テトラエトキシシラン)70gを採り、反応溶剤としてトルエン/メタノール=60/40の混合溶媒500mlを加える。加水分解触媒として塩酸を触媒量と3.5倍モルの水64mlを加えて常温下に30分間攪拌反応せしめる。ガスクロマトグラフィー(GC)にて正珪酸エチルのピークの消失を確認する。チッソ社製S520(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)の148gと縮合触媒としてジブチル錫ジラウレートの0.05gを添加し、常温にて攪拌下に3〜5時間加水分解縮合反応させる。GCにてS520及びこれのオリゴマーピーク消失を確認して反応終了とする。ウォーターバスにて加温し強攪拌下でメタノール及び共沸溶剤を留去する。残留液を300mlフラスコに移し、オイルバスにて加温し強攪拌下で残留トルエン及び塩酸を含む水を留去せしめる。こうして得られた油状オルガノポリシロキサンは119gで理論収率の98%、無色微かに甘い香りのする透明粘性液体、オキシラン酸素含有8.0%、C43.7%、H7.9%であった。実験式C 14 H 29.4 O 6.7 Si 3 に対する計算値であるオキシラン酸素8.3%、C43.8%,H8.0%、O26.5%、Si21.9%によく一致した。粘度は7,800センチポイズ(25℃)であった。IRチャート及びNMRチャートを図1、図2に示した。なおNMRで1.96ppmのシグナルがOHに基づく事の証明は図3に示した重水素置換により確認した。肉眼観察による溶け易さの判定結果は、トルエン、ヘキサン、アセトンに易溶、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、クロロホルムに溶解、エタノールに微溶(微白濁)、イソプロパノールに難溶(白濁)、水に不溶であった。前記、3450cm-1付近の吸収ピークと2940cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(logI0 /I)比は繰り返し実験でそれぞれ0.70、0.82であった。構造式下記〔化7〕とシグナルの関係は表1の如くである。
【0012】
【化7】
【0013】
【表1】
【0014】
実施例1と同様な製造方法でS520/正珪酸エチルのモル比を変えて得た上記化7の構造式を有するポリマーの仕込モル比と粘度の関係を図4に示した。図4より明かな様に三次元構造性モノマー成分が多いポリマー程粘度が急速に高まる結果である。極めて理論に従った結果である。
【0015】
実施例2
実施例1と同じS520/正珪酸エチルのモル比で一括仕込(一段法)と本発明(二段法)比較の為の加水分解縮合反応をさせた。各シラン成分の測定はガスクロマトグラフィー(カラム:シリコンSE30)で反応追試の形で実施した。比較法(一段法)S520/正珪酸エチルのモル比=2/1で一括仕込でシラン総モルの3.5倍量の0.1規定塩酸水(加水触媒)及び触媒量の有機錫化合物を添加して常温にて加水分解縮合反応させた。反応スタート後の経過時間と各成分のパーセント測定結果を表2にまとめた。なおS520−1MはS520のモノメトキシモノシラノール体であり、S520−0MはS520のジシラノール体である。
【0016】
【表2】
【0017】
本法(二段法)S520/正珪酸エチルのモル比=2/1でまづ正珪酸エチルのみをシラン総モルの3.5倍量の0.1規定塩酸水(加水触媒)で常温にて15分間加水分解反応させる。その後所定量のS520と触媒量の有機錫縮合触媒を添加して加水分解縮合反応させた。表3にS520添加後の経過時間と各成分のパーセント測定結果をまとめた。
【0018】
【表3】
【0019】
表2と表3の結果から明かの如く、従来法である一段法では正珪酸エチルがほとんど加水分解しなくなる現象が生じる。この原因はS520の加水縮合を促進する為の有機錫触媒添加と関連しているが、無縮合触媒下での一段反応では正珪酸エチルの加水に5日、S520は20日でも完全に加水縮合しない大きな遅延を生じて実用上問題がある。
【0020】
実施例3
3−グリシドキシプロピルメチルポリシロキサン、シラノール基含有3−メタクリロキシプロピルポリシロキサン共重合オイルの合成S520/S710=2/1(モル)
1Lの三口フラスコにチッソ(株)社製のS710(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)の62gを採り、反応溶剤としてトルエン/メタノール=60/40の混合溶媒500mlを加える。加水分解触媒として塩酸を触媒量と3.5倍モルの水48mlを加えて常温下に30分間攪拌反応せしめる。ガスクロマトグラフィー(GC)にてS710のピークの消失を確認する。チッソ社製S520の110gと縮合触媒としてジブチル錫ジラウレートの0.05gを添加し、常温にて攪拌下に3〜5時間加水分解縮合反応させる。GCにてS520及びこれのオリゴマーピーク消失を確認して反応終了とする。ウォオーターバスにて加温し強攪拌下でメタノール及び共沸溶剤を留去する。残留液を300mlフラスコに移し、オイルバスにて加温し強攪拌下で残留トルエン及び塩酸を含む水を留去せしめる。こうして得られた油状オルガノポリシロキサンは123gで理論収率の98%、無色無色透明粘性液体である。粘度は250センチポイズ(25℃)であった。IRチャート及びNMRチャートを図5、図6に示した。なおNMRで1.93ppmのシグナルがOHに基づく成分を含む事の証明は図7に示した重水素置換により確認した。IR及びNMRの結果解析より得られた油状オルガノポリシロキサンの示性式は(C 7 H 14 O 3 Si) 2 ・(C 7 H 11.8 O 3.9 Si) 1 である。肉眼観察による溶け易さの判定結果は、トルエンに易溶、アセトン、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノールに溶解、但しアルコールには溶解が若干遅い、n−ヘキサンに難溶、水に不溶であった。前記、3450cm-1付近の吸収ピークと1720cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(logI0 /I)比は0.25であった。構造式は下記〔化8〕の如くでシグナルの関係は表4に示した。
【0021】
【化8】
【0022】
【表4】
【0023】
実施例3と同様な製造方法でS520/S710のモル比を変えて得た上図の構造式を有するポリマーの仕込モル比と粘度の関係を図8に示した。図8より明かな様に三次元構造性モノマー成分が多いポリマー程粘度が急速に高まる結果である。極めて理論に従った結果である。
【0024】
比較例1
一段法による3−グリシドキシプロピルメチルポリシロキサン、シラノール基含有3−メタクリロキシプロピルポリシロキサン共重合オイルの合成実施例3ではS520/S710モル比=8/1〜1/8の範囲で2段法での製造であるが、本比較例ではS520とS710を一括仕込して触媒量の塩酸とジブチル錫ジラウレートを添加してメタノール/トルエン混合溶剤中にて、シラン総モルの3.5倍量の水を加えて加水分解縮合反応せしめた。単離したオルガノポリシロキサンオイルの粘度と仕込シランモル比率の関係を図9に示した。図9で明かの如くS520/S710=8/1〜1/8の範囲で粘度変化は200〜1700センチポイズ(25℃)と僅かであり、本発明による2段法(図8)と製造法の違いがポリマー構造に大きく影響している事を表している。すなわち3次元構造成分であるS710とリニアー成分であるS520の共加水縮合ではS710成分比が高まるにつれて増粘(架橋成分の増大)している事が理解される。一段法では加水分解速度の違い等からブロック状ポリマー同志の結合生成が少ない結果を意味しているものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
図1〜9は、本発明の実施例の説明図である。
【図1】IRチャートを示す。
【図2】NMRチャートを示す。
【図3】NMRチャートを示す。
【図4】ポリマーの仕込モル比と粘度の関係を示す。
【図5】IRチャートを示す。
【図6】NMRチャートを示す。
【図7】NMRチャートを示す。
【図8】ポリマーの仕込モル比と粘度の関係を示す。
【図9】製品粘度と仕込シランモル比の関係を示す。
Claims (5)
- 一般式Si(OR)4 で示されるテトラアルコキシシラン(A)と一般式R2 R3 Si(OR)2 で示されるシラン化合物(C)とを酸触媒の存在下で共加水分解縮合反応させるに際して、最初に(A)を酸触媒、シラン総モルの3〜4倍の水、親水性溶媒の存在下に加水分解縮合反応させ、つづいて反応混合物中に(C)と、三次元性ポリマーにリニアー性シラン化合物をブロック状に共重合させるために必要な縮合触媒を添加して共加水分解縮合反応させることを特徴とする式〔化1〕で示されるオルガノポリシロキサンの製造法。
- 一般式R1 Si(OR)3 で示されるトリアルコキシシラン化合物(B)と一般式R2 R3 Si(OR)2 で示されるシラン化合物(C)とを酸触媒の存在下で共加水分解縮合反応させるに際して、最初に(B)を酸触媒、シラン総モルの3〜4倍の水、親水性溶媒の存在下に加水分解縮合反応させ、つづいて反応混合物中に(C)と、三次元性ポリマーにリニアー性シラン化合物をブロック状に共重合させるために必要な縮合触媒を添加して共加水分解縮合反応させることを特徴とする式〔化2〕で示されるオルガノポリシロキサンの製造法。
- テトラアルコキシシラン(A)が、テトラメトキシシランもしくはテトラエトキシシランまたはこれらの加水分解物であるメチルシリケート59(SiO2 含有率約59%のオリゴマー)もしくはエチルシリケート40(SiO2含有率約40%のオリゴマー)のいずれかである請求項1に記載の製造法。
- トリアルコキシシラン化合物(B)が、ビニルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン(ここでアルコキシはメトキシまたはエトキシである)のいずれかである請求項2に記載の製造法。
- シラン化合物(C)が、3−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、3−クロロプロピルアルキルジアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、フェニルアルキルジアルコキシシラン(ここでアルキルはメチルまたはエチルであり、アルコキシはメトキシまたはエトキシである)のいずれかである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造法。
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