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JP3704233B2 - 直流アーク溶接電源 - Google Patents

直流アーク溶接電源 Download PDF

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JP3704233B2
JP3704233B2 JP28991897A JP28991897A JP3704233B2 JP 3704233 B2 JP3704233 B2 JP 3704233B2 JP 28991897 A JP28991897 A JP 28991897A JP 28991897 A JP28991897 A JP 28991897A JP 3704233 B2 JP3704233 B2 JP 3704233B2
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  • Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流アーク溶接電源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の消耗電極式の直流アーク溶接電源の外部接続図である。2は溶接電源1の電源部で、変圧器3により三相交流電源4の電圧を溶接に適した電圧に降圧し、ダイオード5およびコンデンサ6により整流・平滑して、端子A,B間に直流出力を供給する。7、8はスイッチング素子、9、10はダイオード、11、12はリアクタ、13、14は外部出力端子である。なお、リアクタ12のインダクタンス値はリアクタ11のインダクタンス値よりも大きい。15はプラス側の出力ケーブルで、外部出力端子13とワイヤ16を接続している。17はトーチ、18は溶接負荷、19は母材である。20はマイナス側の出力ケーブルで、外部出力端子14と母材19を接続している。なお、溶接電源1の外部出力特性は定電圧特性である。
【0003】
以下、動作を説明する。アーク期間Taにはスイッチング素子7がPWM制御によりオン・オフされる。そして、オンの時には、電源部2から供給される直流出力により、アーク電流Iaが端子A→スイッチング素子7→リアクタ11→リアクタ12→外部出力端子13→出力ケーブル15→ワイヤ16→溶接負荷18→母材19→出力ケーブル20→外部出力端子14→端子Bの順で回路に流れる。また、オフの時には、リアクタ11、12に蓄えられたエネルギにより、アーク電流Iaがリアクタ11→リアクタ12→外部出力端子13→出力ケーブル15→ワイヤ16→溶接負荷18→母材19→出力ケーブル20→外部出力端子14→ダイオード9の順で還流する。なお、以下、上記の回路における外部出力端子13から外部出力端子14までを負荷Kという。
【0004】
また、短絡期間Tsにはスイッチング素子8がPWM制御によりオン・オフされる。そして、オンの時には、電源部2から供給される直流出力により、短絡電流Isが端子A→スイッチング素子8→リアクタ12→外部出力端子13→負荷K→外部出力端子14→端子Bの順で回路に流れる。また、オフの時には、リアクタ12に蓄えられたエネルギにより、短絡電流Isがリアクタ12→外部出力端子13→負荷K→外部出力端子14→ダイオード10の順で還流する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、上記従来の直流アーク溶接電源により溶接をしたときの出力電流波形を示す図である。図から明らかなように、アーク期間Taから短絡期間Tsに移行後の期間Tuにおける電流の立上りおよび短絡期間Tsからアーク期間Taに移行後の期間Tdにおける電流の立下りは緩い傾斜になっている。
【0006】
短絡期間Tsが長くなると、ワイヤ16が爆発的に溶断して大粒のスパッタが発生するだけでなく、アークが不安定になって溶接品質が低下する。また、短絡電流の大きさを大きくするためには、半導体素子の容量も大きくする必要があった。
【0007】
本発明の目的は、上記した課題を解決し、アーク期間Taと短絡期間Tsとを一定にすることにより入熱制御を確実に行い、溶接品質を向上させることができる直流アーク溶接電源を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、外部出力特性が定電圧特性の直流アーク溶接電源において、リアクタPを構成する第1の線とリアクタBを構成する第2の線を同一の鉄芯に巻き、アーク電流期間は前記リアクタPを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタBを出力回路から切断するように、また短絡期間は前記リアクタBを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタPを出力回路から切断するように構成し、前記リアクタPとリアクタBに形成される磁束の方向が同一になるようにして前記出力回路に接続することにより解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る消耗電極式の直流アーク溶接電源の接続図である。なお、図5と同じものまたは同一機能のものは同一の符号を付して説明を省略する。
30はスイッチで、接点m、nを閉じると接点r、sが開き、接点r、sを閉じると接点m、nが開く。そして、接点mはスイッチング素子7の出力側に、接点rはスイッチング素子8の出力側にそれぞれ接続されている。31はリアクタで、巻数Npの巻線p、巻数Nbの巻線bおよび1個の鉄芯fとからなり、巻線pと巻線bを鉄芯fに巻くことにより磁気的に結合させてある。そして、巻線bと鉄芯fとでリアクタBを、また巻線pと鉄芯fとでリアクタPを構成する。また、巻線bと巻線pの一方の端部は、それぞれに流れる電流により形成される磁束の向きが同一になるようにして出力回路に接続されている。なお、リアクタBの自己インダクタンスの値はLb、リアクタPの自己インダクタンスの値はLpである。100は電圧検出装置である。
【0010】
以下、動作を説明する。アーク期間Taには、すなわち電圧検出装置100への入力が0Vあるいは予め定める電圧(例えば5V)以上であるときには、接点m、nを閉じる。すると、スイッチング素子7がチョッパ制御され、アーク電流IaがリアクタBを介して外部負荷に供給される(以下、接点m、nが閉じた時に形成される回路をアーク電流回路という。)。また、短絡期間Tsには、すなわち電圧検出装置100への入力が0Vあるいは予め定める電圧(例えば5V)以下になると、接点r、sが閉じる。すると、スイッチング素子8がチョッパ制御され、短絡電流IsがリアクタPを介して外部負荷に供給される(以下、接点r、sが閉じた時に形成される回路を短絡電流回路という。)。
【0011】
次に、本発明における電流波形を示す図2を参照しながら、過渡時の動作を説明する。短絡電流Isが流れるときにリアクタPに蓄えられるエネルギーEsは1/2×Lp×Is2であり、アーク電流Iaが流れるときにリアクタBに蓄えられるエネルギーEaは1/2×Lb×Ia2である。
【0012】
短絡期間Tsからアーク期間Taに移行すると、短絡電流回路はダイオード10よりもリアクタP側で遮断されるから還流回路は形成されず、リアクタPに蓄えられていたエネルギーEsは総てリアクタBに移行する。また、アーク期間Taから短絡期間Tsに移行するときも同様に、リアクタBにに蓄えられていたエネルギーEaは総てリアクタPに移行する。したがって、リアクタBとリアクタPの結合係数をα(ただし、α≦1)とすると、下記の式1、2が成立する。なお、式1は短絡期間Tsからアーク期間Taに移行する場合であり、式2はアーク期間Taから短絡期間Tsに移行する場合である。また、自己インダクタンスは略巻数の2乗に比例するから、下記の式3が成立する。そして、式1と式3とから下記の式4が、また、式2と式3とから下記の式5が得られる。
【0013】
α×1/2×Lp×(Is)2=1/2×Lb×(Ia)2……式1
α×1/2×Lb×(Ia)2=1/2×Lp×(Is)2……式2
Lp=Lb×(Np/Nb)2……式3
Ia=Np/Nb×Is×√α ……式4
Is=Nb/Np×Ia×√α ……式5
上記の式5から明らかなように、
アーク期間Taから短絡期間Tsに移行した時、アーク期間Taの最終的な電流がIa0であった場合、短絡期間Tsの短絡電流は直ちにIs0(=Nb/Np×Ia0×√α)に上昇する。また、上記の式4から、短絡期間Tsからアーク期間Taに移行する際、短絡期間Tsの電流がIs1になっていた場合、アーク電流は直ちに略短絡前の電流Ia0に等しい電流Ia1に下がる。
【0014】
図3は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、図1と同じものあるいは同一機能のものは同一の符号を付してある。32はダイオードである。この実施例は、スイッチング素子7、8とダイオード9、10、32を組み合わせることにより、上記第1の実施の形態におけるスイッチ30に代えたものである。すなわち、アーク期間Taはスイッチング素子8を開いた状態でスイッチング素子を7チョッパ制御する。また、短絡期間Tsはスイッチング素子8を閉じた状態でスイッチング素子7をチョッパ制御する。なお、短絡期間Tsにおいては、巻線pを流れる電流により巻線bには逆バイアスが加わる結果、ダイオード32のカソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高くなるため、ダイオード32は非導通になり、上記第1の実施の形態における短絡電流回路と同一になる。
【0015】
なお、短絡期間Tsからアーク期間Taに移行する際の電流の立ち下がりおよびアーク期間Taから短絡期間Tsに移行する際の電流の立ち上がりは上記第1の実施の形態と全く同じであるから、説明を省略する。
【0016】
図4は本発明の上記第2の実施の形態の変形例を示す図であり、図1、3と同じものあるいは同一機能のものは同一の符号を付してある。図で、51はインバータ、52は変圧器、53はダイオードである。ここで、同図で点線で囲んだ部分の動作を説明すると、インバータ51により入力される直流電圧を交流電圧に変換し、変圧器52でこの交流電圧を溶接に適した電圧に変換してダイオード9、10、31、53からなる整流回路で整流する。この結果、出力端J,Bに出力される出力は上記第2の実施の形態におけるスイッチング素子7と実質的に同一になる。短絡期間Tsからアーク期間Taに移行する際の電流の立ち下がりおよびベース期間Tbからパルス期間Tpに移行する際の電流の立ち上がりは上記第1の実施の形態と全く同じであるから、説明を省略する。
【0017】
なお、この変形例の場合、短絡期間Tsとアーク期間Taにおける変圧器52の巻き数を変えるようにしてあるから、短絡電流Isおよびアーク電流Iaの電流波形をいずれもリップルが小さい平坦な波形にすることができる。また、変圧器52の端子のうち端子a、端子eを設けず、端子b、端子B、端子dだけとし、図中の接続点Jを接続点Kに接続してもよい、なお、このようにすると、上記第2の実施の形態とほぼ同一になる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部出力特性が定電圧特性の直流アーク溶接電源において、リアクタPを構成する第1の線とリアクタBを構成する第2の線を同一の鉄芯に巻き、アーク電流期間は前記リアクタPを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタBを出力回路から切断するように、また短絡期間は前記リアクタBを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタPを出力回路から切断するように構成し、前記リアクタPとリアクタBに形成される磁束の方向が同一になるようにして前記出力回路に接続したから、短絡期間Tsからアーク期間Taに移行する際およびアーク期間Taから短絡期間Tsに移行する際、溶接電流は直ちにアーク電流Iaあるいは短絡電流Isにすることができる。したがって、入熱制御を確実に行うことができ、適正な溶滴移行により溶接品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消耗電極式の直流アーク溶接電源の接続図である。
【図2】本発明における出力電流波形を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の上記第2の実施の形態の変形例を示す図である。
【図5】従来の消耗電極式の直流アーク溶接電源の接続図である。
【図6】従来の出力電流波形を示す図である。
【符号の説明】
31 リアクタ
B リアクタ
P リアクタ
b 第2の線
p 第1の線
f 鉄芯

Claims (2)

  1. 外部出力特性が定電圧特性の直流アーク溶接電源において、リアクタPを構成する第1の線とリアクタBを構成する第2の線を同一の鉄芯に巻き、アーク電流期間は前記リアクタPを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタBを出力回路から切断するように、また短絡期間は前記リアクタBを前記出力回路に接続すると共に前記リアクタPを出力回路から切断するように構成し、前記リアクタPとリアクタBに形成される磁束の方向が同一になるようにして前記出力回路に接続したことを特徴とする直流アーク溶接電源。
  2. 同一の鉄芯に巻きつけた第1の線と第2の線からなるリアクタPおよびリアクタBを、前記第1の線と前記第2の線の巻き数比を変えて複数組設け、溶接条件に応じて前記複数組のリアクタPとリアクタBの1つを接続するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の直流アーク溶接電源。
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