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JP3700215B2 - Medical container stopper - Google Patents

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JP3700215B2
JP3700215B2 JP27984095A JP27984095A JP3700215B2 JP 3700215 B2 JP3700215 B2 JP 3700215B2 JP 27984095 A JP27984095 A JP 27984095A JP 27984095 A JP27984095 A JP 27984095A JP 3700215 B2 JP3700215 B2 JP 3700215B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特殊な熱可塑性エラストマーからなり、医療用容器の口部を密閉するための医療容器用止栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
注射剤や薬液剤などに用いる医療用容器は、その内部の減圧を維持する、あるいは外部の雰囲気から遮断し内容の薬物の変質を防ぐため、口部に止栓を用いている。従来は、このような医療用容器の止栓として、気体遮蔽性やゴム弾性に優れた加硫ブチルゴムが一般に用いられている。
しかしながら、加硫ブチルゴムからなる止栓は、イオウや多くの種類からなる加硫促進剤などを含むことから、日本薬局方に定める試験の規格内であっても、それらの添加物が経時的に溶出する問題や、使用する添加剤の量や種類の制限、衛生管理のための工程の複雑化などの問題を生じている。また、止栓へ注射針を差し込み、抜き取りした際に、針と材料との抵抗が大きい、あるいは材料の一部が欠損する、いわゆるコアリング現象が起こり、薬剤中へこのゴム片が異物として混入するという問題も生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、添加剤などの経時的な溶出がなく、注射針の差し込みが容易で、コアリング現象の発生がなく、気体遮蔽性、気密性に富んだ医療容器用止栓を提供することを目的とする。
【0004】
本発明は、(イ)オレフィン系樹脂5〜70重量%、
(ロ)水添ジエン系共重合体および/または官能基変性水添ジエン系共重合体1〜50重量%、
(ハ)イソブチレン−イソプレン共重合ゴムおよび/またはハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合ゴム20〜80重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成分とする組成物を、
(ニ)架橋剤の存在下で動的に熱処理された熱可塑性エラストマーからなる、医療容器用止栓を提供するものである。
なお、本発明の医療容器用止栓は、上記(イ)〜(ハ)を主成分とする組成物100重量部に対し、(ホ)鉱物油系の軟化剤を1〜50重量部の比率で含有していてもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、(イ)成分であるオレフィン系樹脂は、公知技術により重合されるエチレン系、プロピレン系および/またはブテン−1系の重合体である。
エチレン系樹脂としては、公知技術により、高圧法または低圧法で重合される低密度または高密度のポリエチレン単独重合体および/またはエチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が用いられる。
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体および/またはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体であり、公知技術によりチーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成されるポリプロピレン、またはランダムあるいはブロックのポリプロピレン共重合体が用いられる。
ブテン−1系樹脂としては、ブテン−1単独重合体および/またはブテン−1と炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体であり、公知技術によりチーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成されるポリブテン−1、またはポリブテン−1の共重合体が用いられる。
共重合体中のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ヘキセン−1、オクテン−1などが挙げられる。
上記のオレフィン系樹脂で好ましいのは、プロピレン系樹脂である。ホモ、ブロックあるいはランダムタイプのいずれのプロピレン系樹脂も使用できる。
【0006】
次に、(ロ)成分である水添ジエン系共重合体は、該重合体中の共役ジエン単位の二重結合の少なくとも80%が水素添加された重合体である。このような(イ)水添ジエン系共重合体としては、例えばスチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物や、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体の水素添加物などを挙げることができる。
特に、以下の(ロ−1)、(ロ−2)、あるいは(ロ−3)に示す水添ジエン系共重合体が好ましい。
【0007】
(ロ−1)
(A)−(B)ブロック共重合体、(A)−(B)−(C)ブロック共重合体または(A)−(B)−(A)ブロック共重合体〔ただし、(A)は芳香族ビニル化合物重合体ブロック、(B)は共役ジエン重合体ブロックもしくは芳香族ビニル化合物−共役ジエンランダム共重合体ブロック、(C)は芳香族ビニル化合物が漸増する芳香族ビニル化合物−共役ジエンテーパーブロックを示す重合体であって、
▲1▼芳香族ビニル化合物/共役ジエンの割合が重量比で5〜60/95〜40、▲2▼ブロック共重合体を構成する全モノマーに対して、(A)ブロック中の芳香族ビニル化合物の結合含量が3重量%以上、(A)ブロックおよび(C)ブロック中の合計芳香族ビニル化合物の結合含量が3〜50重量%、
▲3▼(B)ブロック中の共役ジエン部分のビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量が20%を超える、ブロック共重合体、または、該ブロック共重合体単位が、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和した、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、単に「数平均分子量」ともいう)が5万〜70万である水添ジエン系共重合体もしくは官能基変性水添ジエン系共重合体。
なお、(A)−(B)−(A)ブロック構造を有する場合には、それぞれの(A)ブロックの割合は、等しくなくてもよい。
【0008】
ここで、(ロ−1)成分を得るために用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
また、(ロ−1)成分を得るために用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系共重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましくは1,3−ブタジエンである。
(ロ−1)成分における(A)ブロックは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックであり、他に共重合可能なビニル系単量体を好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下共重合してもよい。
【0009】
水素添加されるブロック共重合体においては、これを構成する芳香族ビニル化合物/共役ジエンの好ましい重量比は、5〜60/95〜40であり、さらに好ましくは7〜50/93〜50である。芳香族ビニル化合物が5重量%未満(共役ジエンが95重量%を超える)では、強度、加工性、耐熱性が劣り、また得られる水添ジエン系共重合体をペレット化した場合、ブロッキングしやすくなる。一方、芳香族ビニル化合物が60重量%を超える(共役ジエンが40重量%未満)と、樹脂状となり、耐衝撃性、低温特性が劣る。
【0010】
(A)ブロック中の芳香族ビニル化合物の好ましい結合含量は、(ロ−1)成分を構成する全モノマーの少なくとも3重量%以上、さらに好ましくは5〜30重量%である。(A)ブロックの芳香族ビニル化合物の結合含量が全モノマーの3重量%未満では、他の成分とブレンドした場合、機械的強度、加工性、耐熱性が劣る。また、(A)ブロックおよび(C)ブロック中の芳香族ビニル化合物の好ましい結合量は、全モノマーの3〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。(A)ブロックおよび(C)ブロックの芳香族ビニル化合物の結合含量が全モノマーの3重量%未満では、耐熱性、機械的強度が劣り、また得られる水添ジエン系共重合体をペレット化した場合、ブロッキングしやすくなるほか、他の成分とブレンドした場合、加工性が劣る、一方、50重量%を超えると透明性、柔軟性、加工性、低温特性が劣る。
【0011】
さらに、水素添加されるブロック共重合体においては、(B)ブロック中の共役ジエン部分のビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量は、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは60%以上である。このビニル結合含量が20%未満の場合、樹脂成分とブレンドしても、柔軟性の改良効果が充分に発現されない。
【0012】
なお、上記(A)−(B)ブロック共重合体、(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、あるいは(A)−(B)−(A)ブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して下記式▲1▼〜▲3▼で表されるような、重合体分子鎖が延長、または分岐されたブロック共重合体であってもよい。
▲1▼[(A)−(B)]n−X
▲2▼[(A)−(B)−(C)]n−X
▲3▼[(A)−(B)−(A)]n−X
〔式中、(A)、(B)および(C)は上記に同じ。nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
【0013】
この際のカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソジアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0014】
なお、ブロック共重合体中の(A)ブロック、(B)ブロックおよび(C)ブロックの含量は、通常、(A)ブロック3〜50重量%、好ましくは4〜40重量%、(B)ブロック30〜97重量%、好ましくは35〜94重量%、(C)ブロック0〜50重量%、好ましくは2〜40重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕である。
また、(A)〜(C)ブロックの数平均分子量は、(A)ブロックが0.15万〜35万、より好ましくは0.4万〜24万、(B)ブロックが1.5万〜67.9万、より好ましくは3.5万〜56.4万、(C)ブロックが0.05万〜35万、より好ましくは0.2万〜24万の範囲である。
【0015】
以上のブロック共重合体が水素添加されることにより、該ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が飽和されることによって、水添ジエン系共重合体である(ロ−1)成分が得られる。ここで、共役ジエン部分の二重結合は、その80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%が飽和されていることが必要で、80%未満では熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性が劣るものとなる。
また、(ロ−1)成分の数平均分子量は、5万〜70万であり、好ましくは10万〜60万である。5万未満では耐熱性、強度、流動性、加工性が低下し、一方70万を超えると流動性、加工性、柔軟性が劣る。
本発明に使用される(ロ−1)成分は、例えば特開平3−72512号公報に開示されている方法によって得ることができる。
【0016】
(ロ−2);
重合体ブロック(D)、(E)および(F)をそれぞれ分子中に1個以上有するブロック共重合体〔ただし、(D)は芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック、(E)はビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量が25〜95%の共役ジエンを主体とする重合体ブロック、(F)はビニル結合(1,2−結合)含量が25%未満のポリブタジエン重合体ブロックを示し、これらのブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されていてもよい〕であって、ブロック共重合体中の重合体ブロック(D)の含量が5〜60重量%、重合体ブロック(E)の含量が30〜90重量%、重合体ブロック(F)の含量が5〜60重量%〔ただし、(D)+(E)+(F)=100重量%〕である、ブロック共重合体が水素添加されて、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和した、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系共重合体もしくは官能基変性水添ジエン系共重合体。
【0017】
ここで、(ロ−2)成分を得るために用いられる芳香族ビニル化合物、共役ジエンは、上記(ロ−1)成分を得るために用いられるものと同様である。
(ロ−2)成分の水添ジエン系共重合体を構成する好ましい(D)ブロックは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックであり、詳細には芳香族ビニル化合物の単独重合体、あるいは芳香族ビニル化合物を(D)ブロック中に90重量%以上有する共役ジエンとの共重合体の共役ジエン部分の80重量%以上が水素化された重合体ブロックが好ましい。(D)ブロック中の芳香族ビニル化合物含量が90重量%未満では、強度、耐候性が低下する。(ロ−2)成分中の(D)ブロックの好ましい含量は、5〜60重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。5重量%未満では耐熱性、機械的強度が劣り、一方60重量%を超えると、加工性、柔軟性が劣る。また、(D)ブロックの好ましい数平均分子量は、0.2万〜42万である。
【0018】
(E)ブロックに含まれる水素添加前の共役ジエン部分のビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量は、好ましくは25〜95%、より好ましくは30〜90%である。(E)ブロックとなる水素添加前の共役ジエンブロックのうち、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、ビニル結合含量が25%未満では、水素化されるとポリエチレン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ、一方95%を超えると、水素化されるとガラス転移温度が高くなり、ゴム的性質が失われて好ましくない。
また、(ロ−2)水添ジエン系共重合体を構成する(E)ブロックの好ましい含量は、30〜90重量%、より好ましくは35〜80重量である。(E)ブロックの含量が30重量%未満では、柔軟性が低下し、一方90重量%を超えると加工性、機械的強度が低下する。
(E)ブロックの好ましい数平均分子量は、1.5万〜63万、より好ましくは3.5万〜42万であって、共役ジエン部分の二重結合の80%以上水素化された共役ジエン重合体ブロックである。
【0019】
さらに、(ロ−2)成分を得るためのブロック共重合体を構成する(F)ブロックは、ビニル結合(1,2−結合)含量が25%未満、好ましくは20%未満のポリブタジエン重合体ブロックである。ビニル結合含量が25%以上では、水素化されると樹脂的性質が失われ、またブロック共重合体としての熱可塑性エラストマーの性質が失われる。
上記ブロック共重合体中における(F)ブロックの含量は、5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%である。(F)ブロックの含量が5重量%未満では、(ロ−2)成分の力学的性質が劣り、一方60重量%を超えると、ゴム的性質が失われ好ましくない。
(F)ブロックの好ましい数平均分子量は、0.25万〜42万であってポリブタジエンブロックの該ブタジエン部分の二重結合を80%以上水素化された重合体ブロックである。
【0020】
また、(ロ−2)成分を構成するブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して重合体ブロック(D)、(E)または(F)のうち、少なくとも1つの重合体ブロックからなる重合体単位と結合し、例えば下記式▲4▼〜▲5▼で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック共重合体であってもよい。
▲4▼[(D)−(E)−(F)]n−X
▲5▼[(D)−(E)−(F)]X[(D)−(E)]
〔式中、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示し、使用されるカップリング剤も、(ロ−1)成分で使用されるものと同様である。〕
【0021】
以上のブロック共重合体が水素添加されることにより、該ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が飽和されることによって、水添ジエン系共重合体である(ロ−2)成分が得られる。
ここに、共役ジエンの二重結合は、その80%以上飽和されていることが必要であり、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%である。共役ジエン部分の二重結合の飽和率が80%未満では、熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性が劣る。
(ロ−2)成分の数平均分子量は、5万〜70万であり、好ましくは10万〜60万である。5万未満では耐熱性、強度、流動性、加工性が低下し、一方70万を超えると流動性、加工性、柔軟性が劣る。
(ロ−2)成分は、例えば特開平2−133406号公報に開示されている方法によって得ることができる。
【0022】
(ロ−3);
(G)−(H)−(G)または(G)−(H)で表わされるブロック共重合体〔ただし、(G)はビニル結合(1,2−結合)含量が25%未満であるポリブタンジエン重合体ブロック、(H)は共役ジエン重合体ブロックもしくは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロックであって、共役ジエン部分のビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量が25〜95%の重合体ブロックを示し、〔これらのブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されていてもよい〕が水素添加されて、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和した、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系共重合体もしくは官能基変性水添ジエン系共重合体。
【0023】
(ロ−3)成分を得るために用いられる芳香族ビニル化合物および共役ジエンとしては、上記(ロ−1)成分を得るために用いられるものとして例示した化合物を挙げることができる。
【0024】
(ロ−3)成分中の(G)ブロックは、水素添加により通常の低密度ポリエチレン(LDPE)に類似の構造を示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック(G)中のビニル結合(1,2−結合)含量は、通常、25%未満であるが、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であることが望ましい。(G)ブロック中のビニル結合含量が25%以上の場合には、水素添加後の結晶融点の降下が著しく、機械的強度が劣る。
【0025】
また、(H)ブロックは、共役ジエン重合体ブロックあるいは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロックであり、水素添加によりゴム状のエチレン−ブテン−1共重合体ブロックあるいは芳香族ビニル化合物−エチレン−ブテン−1共重合体と類似の構造を示す重合体ブロックとなる。
(H)ブロックの共役ジエン部分のビニル結合(1,2−および3,4−結合)含量は、25〜95%、好ましくは25〜90%、さらに好ましくは25〜85%であり、25%未満あるいは95%を超えると、水素添加により、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来する結晶構造を示し、樹脂状の性状となり、柔軟性が劣る。
なお、(H)ブロックに使用される芳香族ビニル化合物の使用量は、(H)ブロックを構成するモノマーの35重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下であり、35重量%を超えると(H)ブロックのガラス転移温度が上昇し、低温特性、柔軟性が劣る。
【0026】
また、(ロ−3)成分を得るためのブロック共重合体において、(G)ブロックと(H)ブロックの割合は、通常、(G)ブロック5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、(H)ブロック95〜10重量%、好ましくは90〜20重量%〔ただし、(G)+(H)=100重量%〕である。(G)ブロックが5重量%未満、(H)ブロックが95重量%を超える場合には、結晶性の重合体ブロックが不足し、(ロ−3)成分の力学的性質が劣るため好ましくない。また、(G)ブロックが90重量%を超え、(H)ブロックが10重量%未満の場合には、(ロ−3)成分の硬度が上昇し、好ましくない。
なお、(G)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.25万〜63万、より好ましくは1万〜48万である。また、(H)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.5万〜66.5万、より好ましくは2万〜54万である。
【0027】
なお、(ロ−3)成分を得るためのブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して(G)ブロックおよび(H)ブロックのうち、少なくとも1つの重合体ブロックからなる重合体単位と結合し、例えば下記式▲6▼〜▲7▼で表わされるように、重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック共重合体であってもよい。
▲6▼[(G)−(H)]n−X
▲7▼[(G)−(H)−(G)n−X
(式中、nおよびXは上記に同じ)
また、カップリング剤も、上記(ロ−1)成分に使用される化合物と同様なものが挙げられる。
【0028】
以上のブロック共重合体が水素添加されることにより、該ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が飽和されることによって、水添ジエン系共重合体である(ロ−3)成分が得られる。
ここに、共役ジエンの二重結合は、その80%以上飽和されていることが必要であり、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%である。共役ジエン部分の二重結合の飽和率が80%未満では、熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性が劣る。
(ロ−3)成分の数平均分子量は、5万〜70万であり、好ましくは10万〜60万である。5万未満では、耐熱性、強度、流動性、加工性が低下し、一方70万を超えると、流動性、加工性、柔軟性が劣る。
(ロ−3)成分は、例えば特開平3−1289567号公報に開示されている方法によって得ることができる。
【0029】
本発明で、(ロ)成分として用いる各水添ジエン系重合体は、官能基で変性した官能基変性水添ジエン系共重合体でもよい。
かかる官能基変性水添ジエン系共重合体は、上記水添ジエン系共重合体に、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、スルホニル基およびスルホネート基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有してなるものである。
【0030】
この官能基を含有させる方法としては、▲1▼官能基を含有する、共役ジエンあるいは芳香族ビニル化合物を用い、単量体の官能基を保護した状態で共重合してブロック共重合体を得、重合完結後、脱保護を行なう手法で重合中に付加させる方法、▲2▼官能基を有するラジカル重合性単量体を既知のグラフト化反応によって水添ブロック重合体に付加させる方法、▲3▼官能基を含有する単量体を用い、有機過酸化物またはアゾ化合物の存在下もしくは非存在下に、水添ジエン系共重合体をニーダー、ミキサー、押出機などを用いて混練りして、官能基を付加させる方法などが挙げられる。
【0031】
これらの他に公知の法を用いても、効率的に官能基を含有させることができるが、工業的には上記▲1▼〜▲3▼の方法が簡便であり、効率的である。
この官能基変性水添ジエン系共重合体中の官能基の量は、通常、該水添ジエン系共重合体を構成する分子に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜8モル%、さらに好ましくは0.15〜5モル%である。
【0032】
水添ジエン系共重合体に官能基を付加する単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。
【0033】
次に、本発明の(ハ)成分は、イソブチレン−イソプレン共重合ゴムおよび/またはハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合ゴムより構成される。
イソブチレン−イソプレン共重合ゴムは、0.5〜15モル%、好ましくは0.8〜5.0モル%のイソプレンを含有するイソブチレン/イソプレンのゴム状無晶形共重合体である。ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合ゴムのハロゲンとしては、塩素または臭素が挙げられる。ハロゲンの含有量は、通常、0.5〜4.0重量%である。これらは、単独であるいは2種類を用いてもよい。
【0034】
本発明を構成する組成物に使用量される上記(イ)〜(ハ)成分の配合量は、(イ)オレフィン系樹脂が5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%、(ロ)水添ジエン系共重合体および/または官能基変性水添ジエン系共重合体が1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、(ハ)イソブチレン−イソプレン共重合ゴムおよび/またはそのハロゲン化物が20〜80重量%、好ましくは30〜75重量%、さらに好ましくは35〜70重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕である。
【0035】
ここで、(イ)成分が5重量%未満では、止栓の成形性や耐熱性が悪化し、一方70重量%を超えると、コアリング現象が生じるとので好ましくない。また、(ロ)成分が1重量%未満では、止栓の柔軟性が悪化し、一方50重量%を超えると、止栓の気体遮蔽性が悪化する。さらに、(ハ)成分の配合量が、20重量%未満では得られる止栓の気体遮蔽性が悪化し、一方80重量%を超えると、止栓の成形性が悪化する。
【0036】
本発明に用いられる(ニ)架橋剤は、通常、イソブチレン−イソプレン共重合ゴムの加硫に用いられている架橋剤を用いることができる。例えば、イオウ、フェノール樹脂、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物、p−キノンジオキシムまたはビスマレイミド系の架橋剤を用いることができる。
その中で、好ましいのは、フェノール樹脂系の架橋剤、p−キノンジオキシム系の誘導体、(ハ)成分がハロゲン化イソブチレ−イソプレン共重合ゴムの場合にあっては、金属酸化物または金属水酸化物も好ましいものである。
以下に、各架橋剤について、詳細に説明する。
まず、本発明に使用するフェノール系架橋剤は、下記一般式で表わされる物質である。
【0037】
【化1】

Figure 0003700215
【0038】
ここで、mは0〜10の整数、Yは水酸基またはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜15の飽和炭化水素基である。
上記物質は、例えば、米国特許第3,287,440号明細書および同3,709,840号明細書に記載されているように、ゴム用架橋剤として一般的に使用されている。そして、この架橋剤は、アルカリ触媒中において、置換フェノールとアルデヒドの縮重合により得られる。
【0039】
上記フェノール系架橋剤の使用量は、(ハ)イソブチレン−イソプレン共重合ゴム100重合部に対して、通常、0.1〜3重量部、好ましくは0.4〜2重量部である。この架橋剤の使用量が、0.1重量部より少ない場合は、動的架橋における架橋度が低く、得られる止栓の耐熱性や形状保持性が充分でなく、一方3重量部より多い場合は、得られるエラストマーの柔軟性が損なわれ、気密性が悪化し、またコアリング現象や架橋剤成分の溶出などの問題を生じる。
上記フェノール系架橋剤は、単独でも使用できるが、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と併用することもできる。上記フェノール系架橋剤の架橋促進剤としては、塩化第一スズ、塩化第二鉄の金属ハロゲン化物、塩素化ポリプロピレン、臭化ブチルゴム、クロロプレンゴムなどの有機ハロゲン化物を用いることができる。また、酸化亜鉛のような金属酸化物やステアリン酸などの分散剤を用いればより好ましい。
【0040】
また、本発明に用いる架橋剤であるp−キノンジオキシムの誘導体としては、p−ベンゾキノンジオキシムあるいはp−ジベンゾイルキノンジアミドなどが用いられる。
上記p−キノンジオキシムの誘導体は、単独でも使用できるが、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と併用することもできる。このp−キノンジオキシムの誘導体の架橋促進剤としては、鉛丹、ジベンゾチアゾイルサルファイドなどの酸化剤を用いることができる。また、酸化亜鉛のような金属酸化物やステアリン酸などの分散剤を用いればより好ましい。
【0041】
上記のごとく、(ハ)成分がハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合ゴムの場合、金属酸化物、金属水酸化物などの金属系架橋剤として用いることができる。
ここで用いられる金属系架橋剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化鉛、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
また、架橋に用いる金属酸化物の金属の有機カルボン酸塩も好ましいものである。ここで用いられるカルボン酸は、例えば、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸、メタクリル酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ナフテン酸、安息香酸などがある。
【0042】
この金属系架橋剤は、通常、下記の架橋促進剤と共用される。金属系架橋剤の架橋促進剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N−ジエチルチオ臭素、ジ−o−トリルグアニジン、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド、エチレントリチオカーボネート、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド、N−フェニル−β−ナフチルアミン、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジエチルジチオカルバミド酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミド酸亜鉛、ならびにジメチルジチオカルバミド酸亜鉛などが挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛または酸化マグネシウムを含む架橋系である。
【0043】
次に、本発明に用いる(ホ)鉱物油系の軟化剤としては、ナフテン油、パラフィン系鉱物油を用いることができる。このような油展により、加工性、柔軟性がさらに向上する。この場合、油展量は、(イ)〜(ハ)成分を主成分とする組成物100重量部あたり、1〜50重量部の範囲で添加することができる。このように、油展することにより、得られる熱可塑性エラストマーの成形加工性と機械的強度のバランスが向上する。
【0044】
また、本発明の熱可塑性エラストマーを得るには、以上の(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分、(ニ)成分と(ホ)成分のほかに、用途に応じ、機械的強度、柔軟性、成形性を阻害しない程度の量の熱安定剤、紫外線吸収剤などの各種安定剤、およびカーボンブラック、クレー、炭酸カルシウム、ガラス、マイカ、ホワイトカーボンなどの充填剤を含んでもよい。この充填剤は、止栓の強度を増すばかりでなく、気体遮蔽性を向上させる効果も示す。また、市販の顔料などを用いて、任意の色に着色することも可能である。
【0045】
本発明の止栓に用いる熱可塑性エラストマーの硬度は特に規定されないが、凍結乾燥製剤や真空採血管のように、針差しの必要な用途の場合、JIS A硬度で30〜60であることが好ましい。硬度が30未満では耐熱性が不足し、一方硬度が60を超えると、針差しを必要とする場合、コアリング現象が発生するので好ましくない。なお、針差しを必要としない止栓の場合は、硬度が60を超えても差し支えない。
【0046】
本発明の止栓として用いる熱可塑性エラストマーの調製は、例えば単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリー型ミキサー、加圧ニーダーなどの密閉式の混練り機などで行われる。
ここで、上記組成物を動的に熱処理するには、混練り機の温度を160〜250℃、好ましくは160〜220℃の範囲で行うのが望ましい。
混練り機の温度が、160℃未満では(イ)オレフィン系樹脂の溶融が不充分となり好ましくなく、一方250℃を超えると架橋剤の反応速度が早く、分散が不充分となるので好ましくない。
また、止栓の成形は、射出成形が可能であり、170〜270℃で成形することが好ましい。
【0047】
本発明によれば、上記の組成からなる熱可塑性エラストマーを用いることにより、添加剤などの経時的な溶出がなく、注射針の差し込みが容易で、コアリング現象の発生がなく、気体遮蔽性、気密性に富んだ医療容器用止栓を提供することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら制約されるものではない。
なお、実施例中、部および%は特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、以下の方法によった。
【0049】
JIS A硬度
JIS K6301に準拠して測定した。
圧縮永久歪み
25℃×22時間、25%圧縮の条件で測定した。圧縮永久歪の小さいほど、弾性回復性がよい。単位は、%である。
破断強度および最大伸び
JIS K6301に準拠して測定した。単位は、判断強度がkg/cm2 、最大伸びが%である。
流動性
MFRを下記の条件にて流動性を測定した。なお、MFRの単位は、g/10分である。
温度;230℃
荷重;2.16kg
【0050】
医療衛生性
試験液の調製;
組成物を水洗したのち、室温で乾燥し、これを硬質ガラス製容器に入れ、試料重量の10倍量の水を正確に加え、適当な栓をしたのち、121℃に加熱したオートクレーブ中で1時間加熱したのち、硬質ガラス容器を取り出して室温になるまで放置し、速やかに試料を除き、この液を試験液とした。別に、水につき同様の方法で空試験液を調製した。
透過率;
空試験液を対照とし、層長10nmで波長430nmの透過率を測定した。透過率は、99.0%以上である。単位は、%である。
泡立ち;
試験液5mlを、内径15mm、長さ約200mmの共栓試験管に入れ、3分間激しく振り混ぜたとき、生じた泡がほとんど消失する時間(分)を測定した。生じた泡は、3分間以内にほとんど消失する。単位は、分である。
【0051】
KMnO4 消費;
試験液100mlを共栓三角フラスコに採り、0.01N過マンガン酸カリウム液10.0mlおよび希硫酸5mlを加え、3分間煮沸し、冷却後、これにヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜて10分間放置したのち、0.01Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した(指示薬;デンプン試液5滴)。別に、空試験液100mlを用い、同時に操作した。0.01N過マンガン酸カリウム液の消費量の差を、KMnO4 消費として測定した。0.01N過マンガン酸カリウム液の消費量の差は、2.0ml以下である。単位は、mlである。
紫外線吸収;
試験液につき、空試験液を対照とし、吸光度測定法により、試験を行った。波長220〜350nmにおける吸光度は、0.20以下である。
【0052】
コアリング
止栓への針(12〜21G)の差し込み時または抜き取り時のゴム層の発生を測定した。
耐熱性(熱変形
止栓を120℃×60分間、蒸気滅菌したときの変形の有無を測定した。
気体遮蔽性(酸素透過率
まず、2枚の平板と200μmのスペーサーを用い、プレス成形法で厚さ200μmのフィルムを成形した。このフィルムを、直径5cmの円形に切り抜き、気体透過測定装置〔理化精機工業(株)製、K−315N−03〕を用いて、23℃における酸素の気体透過率を測定した。単位は、ml・mm/24hr/m2 ・atmである。
【0053】
実施例および比較例で用いたポリマーは、以下のものである。
IIR−1
イゾブチレン−イソプレン共重合ゴム〔日本合成ゴム(株))製、Butyl268〕
IIR−2
イゾブチレン−イソプレン共重合ゴム〔日本合成ゴム(株)製、Butyl365〕
CIIR
塩素化イソブチレン−イソプレン共重合ゴム〔日本合成ゴム(株)製、Chloro Butyl 1068〕
BIIR
臭素化イソブチレン−イソプレン共重合ゴム〔日本合成ゴム(株)製、Buromo Butyl 2244〕
【0054】
PP−1
プロピレン−エチレンランダムポリマー〔三菱化学(株)製、SPX9430〕
PP−2
プロピレン−エチレンランダムポリマー〔三菱化学(株)製、SPX9400〕
PP−3
ポリプロピレン−エチレンブロックポリマー〔三菱化学(株)製、BC03GS〕
PP−4
プロピレン−エチレンランダムポリマー〔三菱化学(株)製、FL25R〕
PP−5
ポリプロピレン〔三菱化学(株)製、FL6CK〕
【0055】
水添ジエン系共重合体A
水添ジエン系共重合体Aは、日本合成ゴム(株)製のもので、A−B構造(Aはポリスチレンブロック、Bはスチレンとブタジエンの共重合体ブロックのブタジエン部の二重結合を水添したもの)を有し、全結合スチレンは10%、A部のスチレン量6%、水添前のブタジエン部のビニル結合(1,2結合)含量が80%で、全数平均分子量300,000の水添ブロック共重合体。
【0056】
水添ジエン系共重合体B
水添ジエン系共重合体Bは、日本合成ゴム(株)製のもので、D−E−F構造(Dはポリスチレンブロック、Eは1,2−ビニル結合含量の多いポリブタジエン、Fは1,2−ビニル結合含量の少ないポリブタジエンで、EおよびFはブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、E部のビニル結合含量が39%、F部のビニル結合含量が15%で、全数平均分子量が150,000の水添ブロック共重合体。
【0057】
水添ジエン系共重合体C
水添ジエン系共重合体Cは、日本合成ゴム(株)製のもので、G−H−G構造(Gは1,2−ビニル結合含量の少ないポリブタジエン、Hは1,2−ビニル結合含量の多いポリブタジエンで、それぞれのブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、G部のビニル結合含量が15%、H部のビニル結合含量が35%で、全数平均分子量が280,000の水添ブロック共重合体。
【0058】
水添ジエン系共重合体D
水添ジエン系共重合体Dは、日本合成ゴム(株)製のもので、G−H−G構造(Gは1,2−ビニル結合含量の少ないポリブタジエン、Hは1,2−ビニル結合含量の多いポリブタジエンで、それぞれのブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、G部のビニル結合含量が15%、H部のビニル結合含量が35%で、全数平均分子量が80,000の水添ブロック共重合体。
【0059】
SEBS
スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体〔シェル社製、Krayton G1657〕
SEPS
スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体〔クラレ(株)製、SEPTON 2027〕
【0060】
鉱物油系軟化剤1
パラフィン系軟化剤〔出光興産(株)製、PW−380〕
鉱物油系軟化剤2
パラフィン系軟化剤〔出光興産(株)製、PW−90〕
【0061】
架橋剤1
臭素化アルキルフェノールフォルムアルデヒド〔田岡化学(株)製、タッキロール250−1〕
架橋剤2
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム〔大内新興化学工業(株)製、バルノックDGM〕
架橋剤3
酸化亜鉛〔堺化学(株)製、亜鉛華1号〕
【0062】
添加剤1
ジベンゾチアゾールジサルファイド〔大内新興化学工業(株)製、ノクラックDM〕
添加剤2
ジエチルチオカルバミン酸亜鉛〔大内新興化学工業(株)製、ノクセラーEZ〕
添加剤3
ステアリン酸〔花王(株)製、ルナックS30〕
添加剤4
酸化亜鉛〔堺化学(株)製〕
【0063】
実施例1〜25、比較例1〜14
表1〜5に示す配合処方で、以下の方法により、熱可塑性エラストマーを調製した。
すなわち、200℃に予熱した加圧型ニーダー〔(株)森山製作所製、容量10リットル〕に、ポリプロピレン系樹脂、水添ジエン系共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合ゴム、および必要に応じて鉱物油系軟化剤を入れて混練りし、樹脂成分が溶融してから、架橋系を投入し8分間混練りを続け、均一に混合および架橋させたのち、取り出した。さらに、ホッパー温度100℃、シリンダー温度180℃、ダイ温度200℃に加熱したフィーダールーダー〔(株)森山製作所製〕で押し出し、ペレットを得た。
さらに、硬度JIS A、永久伸びおよび引張強さ、医療衛生性、コアリング、耐熱性を評価するために、2mm厚のシートを射出成形機により成形した。
結果を表6〜10に示す。
【0064】
実施例1〜18の止栓は、硬度40〜60の範囲のエラストマーからなり、主として針差し用途として用いられ、凍結乾燥剤や真空採血管などに用いられるので、コアリングを評価項目に付け加えている。
実施例1〜18と比較例1〜7との比較から明らかなように、本発明の止栓は、機械的強度、弾性回復性と成形加工性のバランスに優れているので、薬剤のシール性が充分に保持され、生産性も問題も生じない。また、軟化剤の添加が少量で済むので、医療衛生性や気体遮蔽性についても問題を生じない。
【0065】
これに対し、比較例1〜3は、(ロ)成分が含まれておらず、多量の軟化剤を必要とする、あるいはゴム成分の含有率を極端に上げなければならないので、医療衛生性、気体遮蔽性が劣り、止栓として使用することが困難である。また、比較例3は、成形加工性が劣り、実際に止栓を成形することが困難であるので好ましくない。
また、比較例4は、(イ)成分の配合量が本発明の範囲外であり、耐熱性および成形加工性が劣り好ましくない。比較例5は、(イ)と(ハ)成分の配合量が本発明の範囲外であることから、多量の軟化剤の配合を必要とし、医療衛生性や気体遮蔽性が劣り好ましくない。比較例6は、(ロ)と(ハ)成分の配合量が本発明の範囲外であり、気体遮蔽性が劣り好ましくない。比較例7は、(ロ)成分が本発明の範囲外であり、成形加工性が劣り好ましくない。
実施例19〜25の止栓は、硬度60を超えるエラストマーからなり、針差しを必要としない用途の止栓である。
【0066】
実施例19〜25と比較例8〜14との比較から明らかなように、本発明の止栓は、機械的強度、弾性回復性と成形加工性のバランスに優れ、医療衛生性も問題がない。
これに対し、比較例8〜10は、(ロ)成分が含まれていないので、成形加工性に劣り、実際に止栓を成形することが困難であるので、好ましくない。比較例11は、(イ)成分の配合量が本発明の範囲外であり、耐熱性および成形加工性が劣り好ましくない。比較例12は、(イ)および(ハ)成分の範囲が、また比較例13は、(ロ)成分および(ハ)成分の配合量が、それぞれ本発明の範囲外であり、気体遮蔽性が劣るので好ましくない。比較例14は、(ロ)成分の配合量が本発明の範囲外であり、成形加工性が劣るので好ましくない。
【0067】
【表1】
Figure 0003700215
【0068】
【表2】
Figure 0003700215
【0069】
【表3】
Figure 0003700215
【0070】
【表4】
Figure 0003700215
【0071】
【表5】
Figure 0003700215
【0072】
【表6】
Figure 0003700215
【0073】
【表7】
Figure 0003700215
【0074】
【表8】
Figure 0003700215
【0075】
【表9】
Figure 0003700215
【0076】
【表10】
Figure 0003700215
【0077】
【発明の効果】
本発明の医療容器用止栓は、ゴム状弾性を示すので、容器のシール性を長期にわたり保存することが可能である。また、材料を製造するための添加剤も少量であり、さらに軟化剤の添加も少量である。従って、生体に対する安全性や、内容物の正確な分析という点で、従来の加硫ゴムの止栓よりも優れている。また、本発明の止栓は、気体遮蔽性に優れているので、内容物を変質させることなく、長期にわたり保存することが可能である。
また、本発明の止栓は、射出成形機で成形可能であり、従来の加硫ゴムと比較して生産性を飛躍的に向上させることができる。また、熱可塑性の材料であることから、スプルーやランナーなどの再生も可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical container stopper for sealing a mouth of a medical container, which is made of a special thermoplastic elastomer.
[0002]
[Prior art]
Medical containers used for injections, drug solutions, etc. use stoppers at the mouths in order to maintain the reduced pressure inside the container or to prevent the contents from being altered by blocking from the external atmosphere. Conventionally, vulcanized butyl rubber having excellent gas shielding properties and rubber elasticity is generally used as a stopper for such a medical container.
However, since stoppers made of vulcanized butyl rubber contain sulfur and many types of vulcanization accelerators, even if they are within the standards of the test set by the Japanese Pharmacopoeia, these additives may be lost over time. There are problems such as elution, restrictions on the amount and type of additives used, and complicated processes for hygiene management. In addition, when the injection needle is inserted into the stopper and pulled out, a so-called coring phenomenon occurs in which the resistance between the needle and the material is large or a part of the material is lost, and this rubber piece enters the drug as a foreign substance. There is also the problem of doing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made against the background of the above-mentioned prior art. There is no elution of additives and the like over time, the injection needle can be easily inserted, no coring phenomenon occurs, gas shielding properties, and airtightness. An object is to provide a medical container stopper.
[0004]
The present invention relates to (b) an olefin resin of 5 to 70% by weight,
(B) 1 to 50% by weight of hydrogenated diene copolymer and / or functional group-modified hydrogenated diene copolymer;
(C) Composition mainly composed of 20-80% by weight of isobutylene-isoprene copolymer rubber and / or halogenated isobutylene-isoprene copolymer rubber (where (b) + (b) + (c) = 100% by weight) Things,
(D) Provided is a medical container stopper made of a thermoplastic elastomer that is dynamically heat-treated in the presence of a crosslinking agent.
In addition, the stopper for medical containers of this invention is 1-50 weight part of (e) mineral oil type softening agent with respect to 100 weight part of compositions which have said (i)-(c) as a main component. It may contain.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the (a) component olefin-based resin is an ethylene-based, propylene-based and / or butene-1-based polymer that is polymerized by a known technique.
As the ethylene-based resin, a low-density or high-density polyethylene homopolymer polymerized by a high-pressure method or a low-pressure method and / or a copolymer of ethylene and an α-olefin having 4 to 8 carbon atoms is used according to a known technique. It is done.
The propylene-based resin is a propylene homopolymer and / or a copolymer of propylene and an α-olefin having 2 to 8 carbon atoms, and is synthesized using a Ziegler-Natta type catalyst by a known technique, or random Alternatively, a block polypropylene copolymer is used.
The butene-1 resin is a butene-1 homopolymer and / or a copolymer of butene-1 and an α-olefin having 2 to 8 carbon atoms, and is synthesized by a known technique using a Ziegler-Natta type catalyst. Polybutene-1 or a copolymer of polybutene-1 is used.
Examples of the α-olefin in the copolymer include ethylene, propylene, hexene-1, and octene-1.
Of the above olefin resins, propylene resins are preferred. Homo, block or random type propylene resins can be used.
[0006]
Next, the (b) component hydrogenated diene copolymer is a polymer in which at least 80% of double bonds of conjugated diene units in the polymer are hydrogenated. Examples of such hydrogenated diene copolymers include hydrogenation of block copolymers of aromatic vinyl compounds such as styrene / butadiene block copolymers and styrene / isoprene block copolymers and conjugated dienes. And hydrogenated products of homopolymers of conjugated dienes such as polybutadiene and polyisoprene, and hydrogenated products of random copolymers of aromatic vinyl compounds and conjugated dienes.
In particular, hydrogenated diene copolymers shown in the following (b-1), (b-2), or (b-3) are preferable.
[0007]
(B-1);
(A)-(B) block copolymer, (A)-(B)-(C) block copolymer or (A)-(B)-(A) block copolymer [where (A) is An aromatic vinyl compound polymer block, (B) is a conjugated diene polymer block or an aromatic vinyl compound-conjugated diene random copolymer block, and (C) is an aromatic vinyl compound-conjugated diene taper in which the aromatic vinyl compound gradually increases. A polymer exhibiting blocks,
(1) The ratio of aromatic vinyl compound / conjugated diene is 5 to 60/95 to 40 by weight, and (2) (A) the aromatic vinyl compound in the block with respect to all monomers constituting the block copolymer. The bond content of the total aromatic vinyl compound in the (A) block and (C) block is 3 to 50% by weight,
(3) (B) A block copolymer in which the vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of the conjugated diene moiety in the block exceeds 20%, or the block copolymer unit is a cup A block copolymer in which a polymer molecular chain is extended or branched through a ring agent residue is hydrogenated, and at least 80% of double bonds in a conjugated diene moiety are saturated. A hydrogenated diene copolymer or a functional group-modified hydrogenated diene copolymer having a number average molecular weight of 50,000 to 700,000.
In addition, when it has a (A)-(B)-(A) block structure, the ratio of each (A) block does not need to be equal.
[0008]
Here, as the aromatic vinyl compound used for obtaining the component (b-1), styrene, t-butylstyrene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, divinylbenzene, N, N-dimethyl-p- Aminoethyl styrene, N, N-diethyl-p-aminoethyl styrene, vinyl pyridine and the like can be mentioned, and styrene and α-methyl styrene are particularly preferable.
The conjugated dienes used to obtain the component (ro-1) include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 1,3-pentadiene, 2-methyl-1 , 3-pentadiene, 1,3-hexadiene, 4,5-diethyl-1,3-octadiene, 3-butyl-1,3-octadiene, chloroprene and the like, but can be used industrially and has excellent physical properties. In order to obtain a hydrogenated diene copolymer, 1,3-butadiene, isoprene and 1,3-pentadiene are preferable, and 1,3-butadiene is more preferable.
The (A) block in the component (B-1) is a polymer block mainly composed of an aromatic vinyl compound, and the copolymerizable vinyl monomer is preferably 10% by weight or less, more preferably 5%. You may copolymerize below weight%.
[0009]
In the block copolymer to be hydrogenated, the preferable weight ratio of the aromatic vinyl compound / conjugated diene constituting the block copolymer is 5 to 60/95 to 40, and more preferably 7 to 50/93 to 50. . When the aromatic vinyl compound is less than 5% by weight (conjugated diene exceeds 95% by weight), the strength, workability and heat resistance are poor, and when the resulting hydrogenated diene copolymer is pelletized, it is easy to block. Become. On the other hand, when the aromatic vinyl compound exceeds 60% by weight (the conjugated diene is less than 40% by weight), it becomes resinous and the impact resistance and low-temperature characteristics are inferior.
[0010]
(A) The preferable bond content of the aromatic vinyl compound in the block is at least 3% by weight, more preferably 5 to 30% by weight, based on the total monomers constituting the component (B-1). When the bond content of the aromatic vinyl compound in the block (A) is less than 3% by weight of the total monomers, the mechanical strength, workability and heat resistance are poor when blended with other components. In addition, the preferable amount of the aromatic vinyl compound in the block (A) and the block (C) is 3 to 50% by weight, more preferably 5 to 40% by weight, particularly preferably 5 to 30% by weight of the total monomers. %. When the bond content of the aromatic vinyl compound in the block (A) and the block (C) is less than 3% by weight of the total monomers, the heat resistance and mechanical strength are inferior, and the resulting hydrogenated diene copolymer is pelletized. In this case, it becomes easy to block, and when blended with other components, the processability is inferior. On the other hand, when it exceeds 50% by weight, the transparency, flexibility, workability, and low temperature characteristics are inferior.
[0011]
Furthermore, in the block copolymer to be hydrogenated, the vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of the conjugated diene moiety in the (B) block is preferably 20% or more, more preferably 40%. % Or more, particularly preferably 60% or more. When this vinyl bond content is less than 20%, even if blended with a resin component, the effect of improving flexibility is not sufficiently exhibited.
[0012]
The (A)-(B) block copolymer, (A)-(B)-(C) block copolymer, or (A)-(B)-(A) block copolymer is a cup. It may be a block copolymer in which a polymer molecular chain is extended or branched as represented by the following formulas (1) to (3) through a ring agent residue.
(1) [(A)-(B)] n-X
(2) [(A)-(B)-(C)] n-X
(3) [(A)-(B)-(A)] n-X
[Wherein (A), (B) and (C) are the same as above. n represents an integer of 2 to 4, and X represents a coupling agent residue. ]
[0013]
As the coupling agent in this case, for example, diethyl adipate, divinylbenzene, tetrachlorosilicon, butyltrichlorosilicon, tetrachlorotin, butyltrichlorotin, dimethylchlorosilicon, tetrachlorogermanium, 1,2-dibromoethane, 1,4 -Chloromethylbenzene, bis (trichlorosilyl) ethane, epoxidized linseed oil, tolylene diisocyanate, 1,2,4-benzene triisocyanate and the like.
[0014]
The content of (A) block, (B) block and (C) block in the block copolymer is usually 3 to 50% by weight, preferably 4 to 40% by weight, and (B) block. 30 to 97% by weight, preferably 35 to 94% by weight, (C) 0 to 50% by weight, preferably 2 to 40% by weight (provided that (A) + (B) + (C) = 100% by weight) It is.
Further, the number average molecular weight of the blocks (A) to (C) is such that the (A) block is 0.15 to 350,000, more preferably 44,000 to 240,000, and the (B) block is 15,000 to It is 679,000, more preferably 35,000 to 5640, and (C) block is 50,000 to 350,000, more preferably 20,000 to 240,000.
[0015]
By hydrogenating the above block copolymer, the double bond of the conjugated diene portion of the block copolymer is saturated, so that the component (b-1) that is a hydrogenated diene copolymer is obtained. can get. Here, 80% or more, preferably 90% or more, more preferably 95 to 100% of the double bond of the conjugated diene moiety needs to be saturated, and if it is less than 80%, the thermal stability of the thermoplastic elastomer is required. Property and durability are inferior.
The number average molecular weight of the component (ro-1) is 50,000 to 700,000, preferably 100,000 to 600,000. If it is less than 50,000, the heat resistance, strength, fluidity, and workability are lowered, while if it exceeds 700,000, the fluidity, workability, and flexibility are inferior.
The component (b-1) used in the present invention can be obtained, for example, by the method disclosed in JP-A-3-72512.
[0016]
(B-2);
Block copolymer having at least one polymer block (D), (E) and (F) in the molecule [wherein (D) is a polymer block mainly composed of an aromatic vinyl compound, (E) is Polymer block mainly composed of conjugated diene having a vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of 25 to 95%, and (F) having a vinyl bond (1,2-bond) content of less than 25% Polybutadiene polymer blocks, wherein these block copolymers may have polymer molecular chains extended or branched via coupling agent residues), wherein the polymer blocks in the block copolymer The content of (D) is 5 to 60% by weight, the content of polymer block (E) is 30 to 90% by weight, and the content of polymer block (F) is 5 to 60% by weight [provided that (D) + (E ) + (F) = 100 wt%] The hydrogenated diene copolymer or the functional group-modified hydrogenated polymer having a number average molecular weight of 50,000 to 700,000, wherein the copolymer is hydrogenated and at least 80% of the double bond of the conjugated diene moiety is saturated. Diene copolymer.
[0017]
Here, the aromatic vinyl compound and conjugated diene used for obtaining the component (b-2) are the same as those used for obtaining the component (b-1).
(B-2) The preferred (D) block constituting the hydrogenated diene copolymer of the component is a polymer block mainly composed of an aromatic vinyl compound. Specifically, a homopolymer of an aromatic vinyl compound, Alternatively, a polymer block in which 80% by weight or more of a conjugated diene portion of a copolymer with a conjugated diene having 90% by weight or more of an aromatic vinyl compound in the (D) block is hydrogenated is preferable. (D) If the content of the aromatic vinyl compound in the block is less than 90% by weight, strength and weather resistance are lowered. The preferable content of the (D) block in the component (b-2) is 5 to 60% by weight, more preferably 10 to 55% by weight. If it is less than 5% by weight, heat resistance and mechanical strength are inferior. On the other hand, if it exceeds 60% by weight, workability and flexibility are inferior. Moreover, the preferable number average molecular weights of (D) block are 20,000-420,000.
[0018]
(E) The vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of the conjugated diene moiety before hydrogenation contained in the block is preferably 25 to 95%, more preferably 30 to 90%. (E) Among the conjugated diene blocks before hydrogenation to become a block, for example, when the conjugated diene is butadiene, if the vinyl bond content is less than 25%, a polyethylene chain is formed when hydrogenated and the rubbery properties are lost. On the other hand, if it exceeds 95%, when it is hydrogenated, the glass transition temperature becomes high and the rubbery properties are lost, which is not preferable.
Moreover, (b-2) The preferable content of the (E) block constituting the hydrogenated diene copolymer is 30 to 90% by weight, more preferably 35 to 80% by weight. (E) When the content of the block is less than 30% by weight, the flexibility is lowered, while when it exceeds 90% by weight, the workability and the mechanical strength are lowered.
(E) The preferred number average molecular weight of the block is from 15,000 to 630,000, more preferably from 35,000 to 420,000, and a conjugated diene hydrogenated by 80% or more of the double bond of the conjugated diene moiety. It is a polymer block.
[0019]
Further, the block (F) constituting the block copolymer for obtaining the component (b-2) is a polybutadiene polymer block having a vinyl bond (1,2-bond) content of less than 25%, preferably less than 20%. It is. When the vinyl bond content is 25% or more, the resinous properties are lost when hydrogenated, and the properties of the thermoplastic elastomer as a block copolymer are lost.
The content of the (F) block in the block copolymer is 5 to 60% by weight, preferably 5 to 50% by weight. When the content of the (F) block is less than 5% by weight, the mechanical properties of the component (b-2) are inferior. On the other hand, when the content exceeds 60% by weight, the rubbery properties are lost.
(F) The block preferably has a number average molecular weight of 0.25 to 420,000 and is a polymer block in which the double bond of the butadiene portion of the polybutadiene block is hydrogenated by 80% or more.
[0020]
The block copolymer constituting the component (b-2) is composed of at least one polymer block among the polymer blocks (D), (E) or (F) via a coupling agent residue. It may be a block copolymer bonded to a polymer unit and having a polymer molecular chain extended or branched, for example, as represented by the following formulas (4) to (5).
(4) [(D)-(E)-(F)] n-X
(5) [(D)-(E)-(F)] X [(D)-(E)]
[Wherein, n represents an integer of 2 to 4, X represents a coupling agent residue, and the coupling agent used is the same as that used in the component (b-1). ]
[0021]
By hydrogenating the above block copolymer, the double bond of the conjugated diene portion of the block copolymer is saturated, so that the component (b-2) that is a hydrogenated diene copolymer is obtained. can get.
Here, the double bond of the conjugated diene needs to be saturated 80% or more, preferably 90% or more, more preferably 95 to 100%. When the saturation rate of the double bond in the conjugated diene moiety is less than 80%, the thermal stability and durability of the thermoplastic elastomer are poor.
(B-2) The number average molecular weight of the component is 50,000 to 700,000, preferably 100,000 to 600,000. If it is less than 50,000, the heat resistance, strength, fluidity, and workability are lowered, while if it exceeds 700,000, the fluidity, workability, and flexibility are inferior.
The component (b-2) can be obtained, for example, by the method disclosed in JP-A-2-133406.
[0022]
(B-3);
(G)-(H)-(G) or a block copolymer represented by (G)-(H) [wherein (G) is a poly (vinyl bond, 1,2-bond) content less than 25%. Butanediene polymer block, (H) is a conjugated diene polymer block or an aromatic vinyl compound-conjugated diene copolymer block, the vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of the conjugated diene moiety Represents a polymer block of 25-95%, [these block copolymers may be polymer chains extended or branched via a coupling agent residue] A hydrogenated diene copolymer or a functional group-modified hydrogenated diene copolymer having a number average molecular weight of 50,000 to 700,000 in which at least 80% of the double bonds in the diene moiety are saturated.
[0023]
Examples of the aromatic vinyl compound and conjugated diene used for obtaining the component (B-3) include the compounds exemplified as those used for obtaining the component (B-1).
[0024]
The (G) block in the component (B-3) becomes a crystalline polymer block having a structure similar to that of ordinary low density polyethylene (LDPE) by hydrogenation. The vinyl bond (1,2-bond) content in the block (G) is usually less than 25%, preferably 20% or less, more preferably 15% or less. (G) When the vinyl bond content in the block is 25% or more, the crystal melting point drops significantly after hydrogenation and the mechanical strength is inferior.
[0025]
The (H) block is a conjugated diene polymer block or an aromatic vinyl compound-conjugated diene copolymer block, which is hydrogenated to form a rubbery ethylene-butene-1 copolymer block or an aromatic vinyl compound-ethylene. -It becomes a polymer block which shows a structure similar to a butene-1 copolymer.
(H) The vinyl bond (1,2- and 3,4-bond) content of the conjugated diene part of the block is 25-95%, preferably 25-90%, more preferably 25-85%, 25% If it is less than or exceeds 95%, for example, when the conjugated diene is butadiene by hydrogenation, it shows a crystal structure derived from a polyethylene chain and a polybutene-1 chain, resulting in a resinous property and poor flexibility.
In addition, the usage-amount of the aromatic vinyl compound used for (H) block is 35 weight% or less of the monomer which comprises (H) block, Preferably it is 30 weight% or less, More preferably, it is 25 weight% or less, When it exceeds 35% by weight, the glass transition temperature of the (H) block increases, and the low temperature characteristics and flexibility are inferior.
[0026]
In the block copolymer for obtaining the component (b-3), the ratio of the (G) block to the (H) block is usually 5 to 90% by weight, preferably 10 to 80% by weight, of the (G) block. , (H) 95 to 10% by weight, preferably 90 to 20% by weight (provided that (G) + (H) = 100% by weight). When the (G) block is less than 5% by weight and the (H) block exceeds 95% by weight, the crystalline polymer block is insufficient and the mechanical properties of the component (b-3) are inferior. On the other hand, when the (G) block exceeds 90% by weight and the (H) block is less than 10% by weight, the hardness of the component (b-3) increases, which is not preferable.
In addition, the preferable weight average molecular weights of (G) block are 0.250,000-630,000, More preferably, it is 10,000-480,000. Moreover, the preferable weight average molecular weight of (H) block is 50,000-66,000, More preferably, it is 20,000-550,000.
[0027]
In addition, the block copolymer for obtaining the component (b-3) is a polymer unit composed of at least one polymer block among the (G) block and the (H) block via a coupling agent residue. For example, it may be a block copolymer in which polymer molecular chains are extended or branched as represented by the following formulas (6) to (7).
[6] [(G)-(H)] n-X
(7) [(G)-(H)-(G) n-X
(Wherein n and X are the same as above)
In addition, examples of the coupling agent include the same compounds as those used for the component (b-1).
[0028]
By hydrogenating the above block copolymer, the double bond of the conjugated diene portion of the block copolymer is saturated, so that the component (b-3) that is a hydrogenated diene copolymer is obtained. can get.
Here, the double bond of the conjugated diene needs to be saturated 80% or more, preferably 90% or more, more preferably 95 to 100%. When the saturation rate of the double bond in the conjugated diene moiety is less than 80%, the thermal stability and durability of the thermoplastic elastomer are poor.
(B-3) The number average molecular weight of the component is 50,000 to 700,000, preferably 100,000 to 600,000. If it is less than 50,000, heat resistance, strength, fluidity, and workability are lowered, whereas if it exceeds 700,000, fluidity, workability, and flexibility are inferior.
The component (b-3) can be obtained, for example, by the method disclosed in JP-A-3-1289567.
[0029]
In the present invention, each hydrogenated diene polymer used as the component (b) may be a functional group-modified hydrogenated diene copolymer modified with a functional group.
Such a functional group-modified hydrogenated diene copolymer is obtained by adding a carboxyl group, an acid anhydride group, a hydroxyl group, an epoxy group, a halogen atom, an amino group, an isocyanate group, a sulfonyl group, and a sulfonate to the hydrogenated diene copolymer. It contains at least one functional group selected from the group of groups.
[0030]
As a method for containing this functional group, (1) a block copolymer is obtained by using a conjugated diene or an aromatic vinyl compound containing a functional group and copolymerizing the functional group of the monomer in a protected state. (2) a method of adding during polymerization by deprotection after completion of polymerization, (2) a method of adding a radical polymerizable monomer having a functional group to a hydrogenated block polymer by a known grafting reaction, (3) ▼ Using a monomer containing a functional group, the hydrogenated diene copolymer is kneaded using a kneader, mixer, extruder, etc. in the presence or absence of an organic peroxide or azo compound. And a method of adding a functional group.
[0031]
In addition to these, a known method can be used to efficiently contain a functional group, but industrially, the methods (1) to (3) are simple and efficient.
The amount of the functional group in the functional group-modified hydrogenated diene copolymer is usually 0.01 to 10 mol%, preferably 0.1 to 0.1 mol with respect to the molecules constituting the hydrogenated diene copolymer. It is 8 mol%, More preferably, it is 0.15-5 mol%.
[0032]
Preferred examples of the monomer for adding a functional group to the hydrogenated diene copolymer include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, maleic anhydride, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, Examples thereof include hydroxymethyl methacrylate, hydroxypropyl methacrylate, hydroxyethyl acrylate, hydroxypropyl acrylate, dimethylaminoethyl methacrylate and the like.
[0033]
Next, the component (c) of the present invention comprises an isobutylene-isoprene copolymer rubber and / or a halogenated isobutylene-isoprene copolymer rubber.
The isobutylene-isoprene copolymer rubber is an isobutylene / isoprene rubbery amorphous copolymer containing 0.5 to 15 mol%, preferably 0.8 to 5.0 mol% of isoprene. Examples of the halogen of the halogenated isobutylene-isoprene copolymer rubber include chlorine and bromine. The halogen content is usually 0.5 to 4.0% by weight. These may be used alone or in combination.
[0034]
The compounding amount of the components (a) to (c) used in the composition constituting the present invention is (a) the olefin resin is 5 to 70% by weight, preferably 10 to 50% by weight, more preferably 15 to 40% by weight, (b) 1 to 50% by weight of hydrogenated diene copolymer and / or functional group-modified hydrogenated diene copolymer, preferably 5 to 40% by weight, more preferably 10 to 30% % By weight, (ha) isobutylene-isoprene copolymer rubber and / or its halide is 20 to 80% by weight, preferably 30 to 75% by weight, more preferably 35 to 70% by weight [where (A) + (RO ) + (C) = 100 wt%].
[0035]
Here, if the component (A) is less than 5% by weight, the moldability and heat resistance of the stopper are deteriorated, whereas if it exceeds 70% by weight, a coring phenomenon occurs, which is not preferable. Moreover, if the component (b) is less than 1% by weight, the flexibility of the stopper is deteriorated, whereas if it exceeds 50% by weight, the gas shielding property of the stopper is deteriorated. Furthermore, if the blending amount of component (c) is less than 20% by weight, the gas barrier property of the obtained stopper is deteriorated, whereas if it exceeds 80% by weight, the moldability of the stopper is deteriorated.
[0036]
As the (d) crosslinking agent used in the present invention, a crosslinking agent usually used for vulcanization of isobutylene-isoprene copolymer rubber can be used. For example, sulfur, phenol resin, metal oxide, metal hydroxide, metal chloride, p-quinonedioxime, or bismaleimide-based crosslinking agent can be used.
Among them, a phenol resin-based crosslinking agent, a p-quinonedioxime-based derivative, and the component (c) are preferably halogenated isobutylene.NIn the case of isoprene copolymer rubber, metal oxides or metal hydroxides are also preferred.
Below, each crosslinking agent is demonstrated in detail.
First, the phenolic crosslinking agent used in the present invention is a substance represented by the following general formula.
[0037]
[Chemical 1]
Figure 0003700215
[0038]
Here, m is an integer of 0 to 10, Y is a hydroxyl group or a halogen atom, and R is a saturated hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms.
Such materials are commonly used as rubber crosslinkers, as described, for example, in U.S. Pat. Nos. 3,287,440 and 3,709,840. This crosslinking agent is obtained by condensation polymerization of a substituted phenol and an aldehyde in an alkali catalyst.
[0039]
The usage-amount of the said phenol type crosslinking agent is 0.1-3 weight part normally with respect to 100 polymerization parts of (c) isobutylene-isoprene copolymer rubber, Preferably it is 0.4-2 weight part. When the amount of the crosslinking agent used is less than 0.1 parts by weight, the degree of crosslinking in dynamic crosslinking is low, and the resulting stopper has insufficient heat resistance and shape retention, while more than 3 parts by weight. In this case, the flexibility of the resulting elastomer is impaired, airtightness is deteriorated, and problems such as a coring phenomenon and elution of a crosslinking agent component occur.
Although the said phenol type crosslinking agent can be used individually, in order to adjust a crosslinking rate, it can also use together with a crosslinking accelerator. As the crosslinking accelerator of the phenolic crosslinking agent, organic halides such as stannous chloride, ferric chloride metal halides, chlorinated polypropylene, butyl bromide rubber, and chloroprene rubber can be used. It is more preferable to use a metal oxide such as zinc oxide or a dispersant such as stearic acid.
[0040]
Moreover, p-benzoquinone dioxime or p-dibenzoylquinone diamide or the like is used as a derivative of p-quinone dioxime which is a crosslinking agent used in the present invention.
The p-quinonedioxime derivative can be used alone, but can also be used in combination with a crosslinking accelerator in order to adjust the crosslinking rate. As a crosslinking accelerator for the derivative of p-quinonedioxime, an oxidizing agent such as red lead or dibenzothiazoyl sulfide can be used. It is more preferable to use a metal oxide such as zinc oxide or a dispersant such as stearic acid.
[0041]
As described above, when the component (c) is a halogenated isobutylene-isoprene copolymer rubber, it can be used as a metal-based crosslinking agent such as a metal oxide or a metal hydroxide.
Examples of the metal-based crosslinking agent used here include zinc oxide, magnesium oxide, lead oxide, calcium oxide, zinc hydroxide, magnesium hydroxide, lead hydroxide, and calcium hydroxide.
Moreover, the metal organic carboxylate of the metal oxide used for bridge | crosslinking is also a preferable thing. Examples of the carboxylic acid used here include propionic acid, acrylic acid, butyric acid, methacrylic acid, valeric acid, hexanoic acid, octanoic acid, 2-ethylhexanoic acid, decanoic acid, palmitic acid, myristic acid, lauric acid, and stearic acid. , Oleic acid, naphthenic acid, benzoic acid and the like.
[0042]
This metal-based crosslinking agent is commonly used with the following crosslinking accelerator. As the crosslinking accelerator of the metal-based crosslinking agent, 2,6-di-t-butyl-p-cresol, N, N-diethylthiobromine, di-o-tolylguanidine, dipentamethylenethiuram tetrasulfide, ethylene trithiocarbonate , 2-mercapto-benzothiazole, benzothiazole disulfide, N-phenyl-β-naphthylamine, tetramethylthiuram disulfide, zinc diethyldithiocarbamate, zinc dibutyldithiocarbamate, and zinc dimethyldithiocarbamate.
A crosslinking system containing zinc oxide or magnesium oxide is preferred.
[0043]
Next, as the (e) mineral oil softener used in the present invention, naphthenic oil and paraffinic mineral oil can be used. By such an oil exhibition, processability and flexibility are further improved. In this case, the oil-extended amount can be added in the range of 1 to 50 parts by weight per 100 parts by weight of the composition mainly composed of the components (A) to (C). In this way, by spreading the oil, the balance between molding processability and mechanical strength of the obtained thermoplastic elastomer is improved.
[0044]
Further, in order to obtain the thermoplastic elastomer of the present invention, in addition to the above (a) component, (b) component, (c) component, (d) component, and Further, it may contain various stabilizers such as a heat stabilizer, an ultraviolet absorber and the like, and fillers such as carbon black, clay, calcium carbonate, glass, mica, and white carbon, in an amount that does not inhibit flexibility and moldability. This filler not only increases the strength of the stopper, but also exhibits an effect of improving gas shielding properties. Moreover, it is also possible to color in arbitrary colors using a commercially available pigment etc.
[0045]
The hardness of the thermoplastic elastomer used for the stopper according to the present invention is not particularly specified, but in the case of an application requiring a needle insertion such as a freeze-dried preparation or a vacuum blood collection tube, it is preferably 30 to 60 in JIS A hardness. . When the hardness is less than 30, the heat resistance is insufficient. On the other hand, when the hardness exceeds 60, a coring phenomenon occurs when a needle insertion is required, which is not preferable. In the case of a stopper that does not require needle insertion, the hardness may exceed 60.
[0046]
The thermoplastic elastomer used as the stopper plug of the present invention is prepared by a closed kneader such as a single screw extruder, a twin screw extruder, a Banbury mixer, and a pressure kneader.
Here, in order to dynamically heat-treat the composition, it is desirable that the temperature of the kneader is 160 to 250 ° C, preferably 160 to 220 ° C.
When the temperature of the kneader is less than 160 ° C., (a) the olefin resin is insufficiently melted, which is not preferable. On the other hand, when the temperature exceeds 250 ° C., the reaction rate of the crosslinking agent is high and dispersion is insufficient.
Further, the stopcock can be molded by injection molding, preferably at 170 to 270 ° C.
[0047]
According to the present invention, by using a thermoplastic elastomer having the above composition, there is no elution of additives and the like over time, the insertion of an injection needle is easy, no coring phenomenon occurs, gas shielding properties, It is possible to provide a stopper for a medical container that is rich in airtightness.
[0048]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated more concretely, this invention is not restrict | limited at all to the following Examples, unless the summary is exceeded.
In Examples, parts and% are based on weight unless otherwise specified.
In addition, various measurements in the examples were based on the following methods.
[0049]
JIS A hardness
The measurement was performed according to JIS K6301.
Compression set
It measured on 25 degreeC * 22 hours and 25% compression conditions. The smaller the compression set, the better the elastic recovery. The unit is%.
Breaking strength and maximum elongation
The measurement was performed according to JIS K6301. Unit is judgment strength kg / cm2The maximum elongation is%.
Liquidity
The flowability of MFR was measured under the following conditions. The unit of MFR is g / 10 minutes.
Temperature: 230 ° C
Load; 2.16kg
[0050]
Medical hygiene
Preparation of the test solution;
The composition is washed with water, dried at room temperature, put in a hard glass container, accurately added with 10 times the weight of the sample, properly stoppered, and then heated in an autoclave heated to 121 ° C. After heating for a period of time, the hard glass container was taken out and allowed to stand at room temperature, the sample was quickly removed, and this liquid was used as a test liquid. Separately, a blank test solution was prepared for water in the same manner.
Transmittance;
Using the blank test solution as a control, the transmittance at a wavelength of 430 nm was measured at a layer length of 10 nm. The transmittance is 99.0% or more. The unit is%.
Foaming;
5 ml of the test solution was put into a stoppered test tube having an inner diameter of 15 mm and a length of about 200 mm, and when shaken vigorously for 3 minutes, the time (minutes) at which the generated bubbles almost disappeared was measured. The resulting foam almost disappears within 3 minutes. The unit is minutes.
[0051]
KMnOFourconsumption;
Take 100 ml of the test solution in a stoppered Erlenmeyer flask, add 10.0 ml of 0.01 N potassium permanganate solution and 5 ml of dilute sulfuric acid, boil for 3 minutes, cool, and add 0.10 g of potassium iodide to this and seal tightly. The mixture was shaken and allowed to stand for 10 minutes, and then titrated with 0.01N sodium thiosulfate (indicator; 5 drops of starch test solution). Separately, 100 ml of blank test solution was used and operated simultaneously. The difference in consumption of 0.01 N potassium permanganate solution is expressed as KMnO.FourMeasured as consumption. The difference in consumption of 0.01 N potassium permanganate solution is 2.0 ml or less. The unit is ml.
UV absorption;
The test solution was tested by the absorbance measurement method using the blank test solution as a control. The absorbance at a wavelength of 220 to 350 nm is 0.20 or less.
[0052]
Coring
The occurrence of a rubber layer was measured when the needle (12 to 21G) was inserted into or removed from the stopper.
Heat resistance (thermal deformation)
The presence or absence of deformation was measured when the stopcock was steam sterilized at 120 ° C. for 60 minutes.
Gas shielding (oxygen permeability))
First, a 200 μm-thick film was formed by press molding using two flat plates and a 200 μm spacer. This film was cut into a circle with a diameter of 5 cm, and the gas permeability of oxygen at 23 ° C. was measured using a gas permeation measuring device [R-Keisei Kogyo Co., Ltd., K-315N-03]. The unit is ml · mm / 24hr / m.2・ Atm.
[0053]
The polymers used in Examples and Comparative Examples are as follows.
IIR-1
Izobutylene-isoprene copolymer rubber (Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., Butyl 268)
IIR-2
Izobutylene-isoprene copolymer rubber [Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., Butyl 365]
CIIR
Chlorinated isobutylene-isoprene copolymer rubber [Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., Chloro Butyl 1068]
BIIR
Brominated isobutylene-isoprene copolymer rubber (manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., Buromo Butyl 2244)
[0054]
PP-1
Propylene-ethylene random polymer [Mitsubishi Chemical Corporation, SPX9430]
PP-2
Propylene-ethylene random polymer [Mitsubishi Chemical Corporation, SPX9400]
PP-3
Polypropylene-ethylene block polymer [Mitsubishi Chemical Corporation BC03GS]
PP-4
Propylene-ethylene random polymer [Mitsubishi Chemical Corporation, FL25R]
PP-5
Polypropylene [Mitsubishi Chemical Corporation, FL6CK]
[0055]
Hydrogenated diene copolymer A
Hydrogenated diene copolymer A is manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., and has an AB structure (A is a polystyrene block, B is a water-bonding double bond in the butadiene portion of a copolymer block of styrene and butadiene. 10% of total bonded styrene, 6% of styrene in part A, 80% of vinyl bonds (1,2 bonds) in the butadiene part before hydrogenation, and a total number average molecular weight of 300,000. Hydrogenated block copolymer.
[0056]
Hydrogenated diene copolymer B
The hydrogenated diene copolymer B is manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., and has a D-E-F structure (D is a polystyrene block, E is a polybutadiene having a high 1,2-vinyl bond content, F is 1, 2-Polybutadiene having a low vinyl bond content, E and F are hydrogenated in the double bond of the butadiene part), the vinyl bond content of E part is 39%, and the vinyl bond content of F part is 15% A hydrogenated block copolymer having a total number average molecular weight of 150,000.
[0057]
Hydrogenated diene copolymer C
Hydrogenated diene copolymer C is manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., and has a G-H-G structure (G is polybutadiene having a low 1,2-vinyl bond content, and H is a 1,2-vinyl bond content. Polybutadiene having a double bond in each butadiene part hydrogenated), the vinyl bond content in G part is 15%, the vinyl bond content in H part is 35%, and the total number average molecular weight is 280. 1,000 hydrogenated block copolymers.
[0058]
Hydrogenated diene copolymer D
Hydrogenated diene copolymer D is manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., and has a G-H-G structure (G is polybutadiene having a low 1,2-vinyl bond content, and H is a 1,2-vinyl bond content. Polybutadiene having a double bond in each butadiene part hydrogenated), the vinyl bond content in the G part is 15%, the vinyl bond content in the H part is 35%, and the total number average molecular weight is 80%. 1,000 hydrogenated block copolymers.
[0059]
SEBS
Styrene-ethylene-butene-styrene block copolymer [manufactured by Shell, Krayton G1657]
SEPS
Styrene-ethylene-propylene-styrene block copolymer [Kuraray Co., Ltd., SEPTON 2027]
[0060]
Mineral oil softener 1
Paraffin softener [PW-380, manufactured by Idemitsu Kosan Co., Ltd.]
Mineral oil softener 2
Paraffin softener [PW-90, manufactured by Idemitsu Kosan Co., Ltd.]
[0061]
Crosslinker 1
Brominated alkylphenol formaldehyde [Taoka Chemical Co., Ltd., Tactrol 250-1]
Crosslinker 2
p, p'-Dibenzoylquinonedioxime [Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd., Balnock DGM]
Crosslinker 3
Zinc oxide [Zinc Hana 1 manufactured by Sakai Chemical Co., Ltd.]
[0062]
Additive 1
Dibenzothiazole disulfide [Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd., Nocrack DM]
Additive 2
Zinc diethylthiocarbamate [Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd., Noxeller EZ]
Additive 3
Stearic acid [manufactured by Kao Corporation, LUNAC S30]
Additive 4
Zinc oxide (manufactured by Sakai Chemical Co., Ltd.)
[0063]
Examples 1-25, Comparative Examples 1-14
Thermoplastic elastomers were prepared by the following method with the formulation shown in Tables 1-5.
That is, a pressure kneader preheated to 200 ° C. (manufactured by Moriyama Seisakusho Co., Ltd., capacity 10 liters), polypropylene resin, hydrogenated diene copolymer, isobutylene-isoprene copolymer rubber, and optionally mineral oil A softening agent was added and kneaded. After the resin component was melted, a crosslinking system was added and kneading was continued for 8 minutes. After uniform mixing and crosslinking, the resin component was taken out. Further, the mixture was extruded with a feeder ruder (manufactured by Moriyama Seisakusho Co., Ltd.) heated to a hopper temperature of 100 ° C., a cylinder temperature of 180 ° C., and a die temperature of 200 ° C. to obtain pellets.
Furthermore, in order to evaluate the hardness JIS A, permanent elongation and tensile strength, medical hygiene, coring, and heat resistance, a 2 mm thick sheet was molded by an injection molding machine.
The results are shown in Tables 6-10.
[0064]
The stoppers of Examples 1 to 18 are made of an elastomer having a hardness in the range of 40 to 60,mainlyCoring is added to the evaluation items because it is used for needle insertion and used for freeze-drying agents and vacuum blood collection tubes.
As is clear from the comparison between Examples 1 to 18 and Comparative Examples 1 to 7, the stopper of the present invention is excellent in the balance between mechanical strength, elastic recovery and molding processability. Is maintained sufficiently, and neither productivity nor problems occur. Further, since the addition of the softening agent is only a small amount, there is no problem with respect to medical hygiene and gas shielding properties.
[0065]
On the other hand, Comparative Examples 1 to 3 do not contain the component (b) and require a large amount of a softening agent or extremely increase the content of the rubber component. The gas shielding property is poor and it is difficult to use as a stopper. Further, Comparative Example 3 is not preferable because molding processability is inferior and it is difficult to actually form a stopper plug.
In Comparative Example 4, the blending amount of component (A) is outside the range of the present invention, and heat resistance and molding processability are inferior. In Comparative Example 5, since the blending amounts of the components (A) and (C) are outside the scope of the present invention, a large amount of a softening agent is required, and medical hygiene and gas shielding properties are inferior. In Comparative Example 6, the blending amounts of the components (B) and (C) are outside the range of the present invention, and the gas shielding properties are inferior, which is not preferable. In Comparative Example 7, the component (b) is outside the range of the present invention, and the molding processability is inferior, which is not preferable.
The stoppers of Examples 19 to 25 are stoppers for applications that are made of an elastomer having a hardness of more than 60 and do not require needle insertion.
[0066]
As is clear from the comparison between Examples 19 to 25 and Comparative Examples 8 to 14, the stopper plug of the present invention has an excellent balance of mechanical strength, elastic recovery and molding processability, and there is no problem with medical hygiene. .
On the other hand, Comparative Examples 8 to 10 are not preferable because the component (b) is not included, and thus is inferior in molding processability and difficult to actually form a stopper. In Comparative Example 11, the blending amount of component (A) is outside the range of the present invention, and heat resistance and molding processability are inferior. In Comparative Example 12, the range of the components (A) and (C), and in Comparative Example 13, the blending amounts of the component (B) and (C) are outside the range of the present invention, and the gas shielding property is Since it is inferior, it is not preferable. Comparative Example 14 is not preferable because the blending amount of the component (b) is outside the range of the present invention and molding processability is poor.
[0067]
[Table 1]
Figure 0003700215
[0068]
[Table 2]
Figure 0003700215
[0069]
[Table 3]
Figure 0003700215
[0070]
[Table 4]
Figure 0003700215
[0071]
[Table 5]
Figure 0003700215
[0072]
[Table 6]
Figure 0003700215
[0073]
[Table 7]
Figure 0003700215
[0074]
[Table 8]
Figure 0003700215
[0075]
[Table 9]
Figure 0003700215
[0076]
[Table 10]
Figure 0003700215
[0077]
【The invention's effect】
Since the medical container stopper according to the present invention exhibits rubber-like elasticity, the sealing property of the container can be preserved for a long period of time. Moreover, the additive for producing the material is also a small amount, and the addition of the softening agent is also a small amount. Therefore, it is superior to conventional vulcanized rubber stoppers in terms of safety to living bodies and accurate analysis of contents. In addition, the stopper of the present invention is excellent in gas shielding properties, so that it can be used for a long time without altering the contents.ferryIt is possible to save.
Moreover, the stopper plug of the present invention can be molded by an injection molding machine, and can dramatically improve productivity as compared with a conventional vulcanized rubber. In addition, since it is a thermoplastic material, it is possible to regenerate sprues and runners.

Claims (2)

(イ)オレフィン系樹脂5〜70重量%、
(ロ)水添ジエン系共重合体および/または官能基変性水添ジエン系共重合体1〜50重量%、
(ハ)イソブチレン−イソプレン共重合ゴムおよび/またはハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合ゴム20〜80重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成分とする組成物を、
(ニ)架橋剤の存在下で動的に熱処理された熱可塑性エラストマーからなる、医療容器用止栓。
(A) 5 to 70% by weight of an olefin resin,
(B) 1-50% by weight of a hydrogenated diene copolymer and / or a functional group-modified hydrogenated diene copolymer;
(C) A composition mainly composed of 20 to 80% by weight of isobutylene-isoprene copolymer rubber and / or halogenated isobutylene-isoprene copolymer rubber (where (b) + (b) + (c) = 100% by weight). Things,
(D) A medical container stopper comprising a thermoplastic elastomer that is dynamically heat-treated in the presence of a crosslinking agent.
請求項1記載の組成物100重量部に対し、(ホ)鉱物油系の軟化剤1〜50重量部を含有する請求項1記載の医療容器用止栓。The stopper for a medical container according to claim 1, comprising 1 to 50 parts by weight of (e) a mineral oil-based softening agent with respect to 100 parts by weight of the composition according to claim 1.
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