JP3799777B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケース内の加熱用熱交換器よりも空気下流側に複数個のPTCヒータを設けることにより、車室内の暖房能力の不足を補うようにした車両用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばハイブリッド自動車のように、エンジンの排熱量(発熱量)が少なくてエンジンを冷却する冷却水を充分に加熱することができない車両の場合には、空調ケース内に設置される加熱用熱交換器(所謂ヒータコア)に供給される冷却水の温度を最適な温度に維持することができ難いので、車室内の暖房能力が不足するという不具合があった。
【0003】
上記のような不具合を解消する車両用空気調和装置として、特開平5−124426号公報に開示された技術がある。この従来の技術の構成を説明すると、空調ケースの空気上流側端に内気吸込口および外気吸込口が開口し、空調ケースの空気下流側端にフット吹出口、デフロスタ吹出口およびフェイス吹出口が開口している。そして、空調ケースの内部は、仕切り板によって、内気吸込口から吸い込んだ車室内空気をフット吹出口に導くための第1空気通路と外気吸込口から吸い込んだ車室外空気をデフロスタ吹出口またはフェイス吹出口に導くための第2空気通路とに区画形成されている。
【0004】
そして、空調ケースの内部には、送風機、冷却用熱交換器および加熱用熱交換器が空気の流れ方向に順番に設けられている。さらに、これらのうち加熱用熱交換器には、加熱用熱交換器を通過する空気量と加熱用熱交換器を迂回する空気量とを調節して車室内に吹き出す空気の吹出温度を調整するエアミックスドアが第1空気通路と第2空気通路とにそれぞれ設けられている。
【0005】
このような従来の技術は、吹出口モードとしてフットモードまたはフットデフモードが選択されると、第1空気通路内に車室内空気を導入し、第2空気通路内に車室外空気を導入する内外気2層モードに制御される。このようにすることによって、既に温められている高温の車室内空気を加熱用熱交換器で再加熱してフット吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出して車室内を暖房することにより車室内の暖房性能を向上させ、更に低湿度の車室外空気をデフロスタ吹出口からフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出すことによりフロントシールドガラスの防曇性能を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術においては、車室内の暖房性能を向上させるために空調ユニットとして内外気2層ユニットを採用しているが、更なる低外気温時にはそれでも暖房能力が不足するために、加熱用熱交換器よりも空気下流側の空調ケース内に補助電気ヒータを設けることにより、車室内の暖房能力の不足を補うようにすることが考えられる。
ここで、上記の補助電気ヒータを乗員の暖房要求度合に応じて自動コントロール(オート制御)したいという要求に対して、車載電源を充電する、発電機を含む充電装置に充分な電力余裕がない場合、車載電源を大きく消耗させてしまうという問題が生じる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、充電装置の電流容量に余裕のある時にのみPTCヒータを作動させることにより、車載電源を消耗させることなく、PTCヒータを自動的に作動および停止することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、暖房要求度合指令手段より指令された暖房要求度合が第1所定値以上で、暖房能力検出手段にて検出された加熱用熱交換器による暖房能力が第2所定値以下で、且つ電力余裕判定手段にて充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合にのみPTCヒータを作動させることにより、車載電源を消耗させることなく、PTCヒータを自動的に作動および停止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、電力余裕判定手段にて充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合に、複数個のPTCヒータのうち先ず1個のPTCヒータを作動させ、それでも電力余裕判定手段にて充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合に、複数個のPTCヒータのうちの次の1個のPTCヒータを作動させることにより、充電装置の電流容量に余裕がある状態から急激に充電装置の電流容量に余裕のない状態になるのを防止できる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、複数個のPTCヒータの少なくとも1個以上のPTCヒータの作動を開始してから所定時間が経過するまでは、PTCヒータをそのまま作動させ、PTCヒータの作動を開始してから所定時間が経過した場合には、さらにPTCヒータを作動させるか停止させることにより、一時的に他の電気負荷を使用した際に充電装置の電流容量に余裕がなくなってもPTCヒータが不要に停止しないようにすることで、PTCヒータの作動、停止を頻繁に繰り返さないようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔実施形態の構成〕
図1ないし図9は本発明の実施形態を示したもので、図1および図2は空調ユニットを示した図で、図3はハイブリッド自動車のインストルメントパネルを示した図で、図4はハイブリッド自動車用空気調和装置の制御系を示したブロック図である。
【0012】
本実施形態のハイブリッド自動車用空気調和装置は、例えば走行用ガソリンエンジン(以下走行用エンジンと言う)、電動発電機により構成された走行用モータ、この走行用モータ等の電気負荷に電力を供給するバッテリー(車載電源)、このバッテリーを充電するためのDC−DCコンバータ56を搭載するハイブリッド自動車の車室内を空調する空調ユニット1の各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)50によって制御することにより、車室内の温度を常に設定温度に保つよう自動コントロールするように構成されたオートエアコンである。
【0013】
空調ユニット1は、ハイブリッド自動車の車室内の前方側に搭載されており、車室内に空調空気を導く空気通路を成す空調ケース2を備える。この空調ケース2は、空気上流側から順に、内外気切替手段と遠心式送風機と吹出口切替手段とが結合されることで構成されている。
【0014】
内外気切替手段は、図1に示したように、空調ケース2内に少なくとも車室内空気(以下内気と言う)と車室外空気(以下外気と言う)の一方または両方を取り入れるためのものであり、空調ケース2の空気最上流部を構成する内外気切替箱3と、この内外気切替箱3内に回動自在に取り付けられた第1、第2内外気切替ドア4、5とから構成されている。
【0015】
そして、内外気切替箱3の一方側部には、内気を空調ケース2内に吸い込むための第1内気吸込口6が形成されている。また、内外気切替箱3の他方側部には、内気を空調ケース2内に吸い込むための第2内気吸込口7、および外気を空調ケース2内に吸い込むための外気吸込口8が形成されている。
【0016】
第1内外気切替ドア4は、第1内気吸込口6を開閉する板状ドアである。また、第2内外気切替ドア5は、第2内気吸込口7および外気吸込口8を開閉する板状ドアである。そして、第1内外気切替ドア4には、それぞれのアクチュエータとしてのサーボモータ4a、5a(図4参照)およびリンク機構(図示せず)が連結されており、これらのサーボモータ4a、5aによってそれぞれ回動させられる。
【0017】
また、内外気切替箱3には、空気中の塵や埃等の異物を捕捉して空気を浄化するためのエアフィルタ9が内蔵され、更に第2内気吸込口7または外気吸込口8と第1内気吸込口6とを連通する連通路10が形成されている。そして、第1内外気切替ドア4は、第1内気吸込口6を全開した時に連通路10を全閉し、第1内気吸込口6を全閉した時に連通路10を全開する。
【0018】
遠心式送風機は、内外気切替箱3内のほぼ中央に配設されている。そして、遠心式送風機は、第1、第2遠心式ファン11、12、およびブロワ駆動回路13a(図4参照)によって通電されて第1、第2遠心式ファン11、12を回転駆動するブロワモータ13からなる。ここで、第1、第2遠心式ファン11、12は一体的に形成されており、第1遠心式ファン11の径よりも第2遠心式ファン12の径の方が小さい。
【0019】
そして、第1、第2遠心式ファン11、12は、その空気吸込側に形成された第1、第2吸込口14、15がベルマウス形状を呈する第1、第2スクロールケーシング部16、17にそれぞれ収納されている。これらの第1、第2スクロールケーシング部16、17の各終端部(空気吹出側)は、それぞれ第1、第2空気通路18、19に連通している。また、第1、第2スクロールケーシング部16、17は仕切り板27を共用している。
【0020】
吹出口切替手段を構成する空調ケース2内には、ハイブリッド自動車に搭載された冷凍サイクルの一構成を成すエバポレータ(冷媒蒸発器)20が設けられている。冷凍サイクルは、ハイブリッド自動車の走行用エンジンの駆動力によって冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(冷媒圧縮機)と、圧縮された冷媒を凝縮液化させるコンデンサ(冷媒凝縮器)と、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ(気液分離器)と、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ(膨張弁、減圧手段)と、減圧膨張された冷媒を蒸発させる上記のエバポレータ20とから構成されている。
【0021】
エバポレータ20は、冷却用熱交換器に相当するもので、後記する仕切り板27を貫通して空調ケース2の内部を全面塞ぐようにして配設され、自身を通過する空気を冷却する空気冷却作用および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う。つまり、エバポレータ20は、第1空気通路18内を流れる空気を冷却する第1冷却部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を冷却する第2冷却部とから構成されている。
【0022】
また、コンプレッサには、走行用エンジンからコンプレッサへの回転動力の伝達を断続する電磁クラッチ(クラッチ手段)が連結されている。この電磁クラッチが通電された時に、走行用エンジンの回転動力がコンプレッサに伝達されて、エバポレータ20による空気冷却作用が行われ、電磁クラッチの通電が停止した時に、走行用エンジンとコンプレッサとが遮断され、エバポレータ20による空気冷却作用が停止される。
【0023】
エバポレータ20の空気下流側には、エバポレータ20を通過した冷風を再加熱するヒータコア21が設けられている。このヒータコア21は、図2に示したように、冷風がヒータコア21を迂回する第1、第2バイパス通路22、23を形成するように配設されており、内部に走行用エンジンを冷却した冷却水が流れ、この冷却水を暖房用熱源として冷風を再加熱する加熱用熱交換器である。
【0024】
また、ヒータコア21は、後記する仕切り板27を貫通して空調ケース2内において空調ケース2の幅方向または高さ方向を部分的に塞ぐように配設されており、後記する第1空気通路18内を流れる空気を加熱する第1加熱部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を加熱する第2加熱部とから構成されている。ヒータコア21の空気上流側には、板状の第1、第2エアミックスドア(以下A/Mドアと言う)24、25が一体的に結合されている。
【0025】
また、第1、第2A/Mドア24、25には、そのアクチュエータとしてのサーボモータ26(図4参照)およびリンク機構(図示せず)が連結されている。そして、サーボモータ26によって駆動されることにより、第1、第2A/Mドア24、25が回動する。つまり、第1、第2A/Mドア24、25は、その停止位置によって、ヒータコア21を通過する空気量と第1、第2バイパス通路22、23を通過する空気量との割合を調節して、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調整する第1、第2吹出温度調整手段として機能する。
【0026】
そして、吹出口切替手段の内部は、図2(a)に示したように、仕切り板27によって、主に内気が流れる第1空気通路18と主に外気が流れる第2空気通路19とが区画形成されている。そして、エバポレータ20およびヒータコア21は、第1空気通路18と第2空気通路19とに跨がって配設されている。
【0027】
第1空気通路18は、主に第1内気吸込口6から吸い込まれた内気を、フロントフット(FrFOOT)開口部31およびリヤフット(RrFOOT)開口部32を経てフロントフット吹出口40およびリヤフット吹出口(図示せず)より車室内に吹き出す内気通風路(内気層)である。
【0028】
第2空気通路19は、主に外気吸込口8から吸い込まれた外気を、デフロスタ(DEF)開口部33とフェイス(FACE)開口部34を経てデフロスタ吹出口35、センタフェイス吹出口36、サイドフェイス吹出口37(いずれも図3参照)より車室内に吹き出す外気通風路(外気層)である。
【0029】
そして、空調ケース2の最空気下流側には、第1空気通路18と第2空気通路19とを連通する第1、第2空気流入通路38、39が形成されている。なお、この第1、第2空気流入通路38、39は後記する第1、第2フットドアにて開閉される。
【0030】
そして、FrFOOT開口部31には、フロントフットダクト(図示せず)が接続されており、このフロントフットダクトの最空気下流側端であるフロントフット吹出口40から前部座席(以下前席と言う)側の乗員の足元部に向けて主に温風が吹き出される。また、RrFOOT開口部32には、リヤフットダクト(図示せず)が接続されており、このリヤフットダクトの最空気下流側端であるリヤフット吹出口から後部座席(以下後席と言う)側の乗員の足元部に向けて主に温風が吹き出される。そして、DEF開口部33には、デフロスタダクト(図示せず)が接続されており、このデフロスタダクトの最空気下流側端であるデフロスタ吹出口35からフロントシールドガラスの内面に向けて主に温風が吹き出される。
【0031】
さらに、FACE開口部34には、センタフェイスダクトとサイドフェイスダクト(いずれも図示せず)が接続されている。このうち、センタフェイスダクト内に導入された空調風は、センタフェイスダクトの最空気下流側端であるセンタフェイス吹出口36から前席側の乗員の頭胸部(上半身)に向けて吹き出される。さらに、サイドフェイスダクト内に導入された空調風は、サイドフェイスダクトの最空気下流側端であるサイドフェイス吹出口37から前席側の乗員の頭胸部(上半身)またはサイドシールドガラスの内面に向けて吹き出される。
【0032】
そして、各開口部31〜34および第1、第2空気流入通路38、39の空気上流側の部位には、第1、第2フット(FOOT)ドア41、42、デフロスタ(DEF)ドア43およびフェイス(FACE)ドア44が設けられている。第1、第2FOOTドア41、42はフロントフットダクトおよびリヤフットダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアである。また、DEFドア43はデフロスタダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアであり、FACEドア44はセンタフェイスダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアである。
【0033】
なお、これらの吹出口切替ドア41〜44は、アクチュエータとしてのサーボモータ45(図4参照)およびリンク機構(図示せず)にて連結されており、サーボモータ45によって駆動される。つまり、サーボモータ45がリンク機構を動かすことによって、各吹出口モードが得られるように各吹出口切替ドア41〜44が動く。また、サイドフェイスダクトへの空気流入通路は、各吹出口切替ドア41〜44によっては開閉されない。サイドフェイス吹出口37付近には、乗員が手動でサイドフェイス吹出口37を開閉する図示しない吹出グリルが設けられており、サイドフェイスダクトへの空気流入通路はその吹出グリルによって開閉される。
【0034】
そして、第1空気通路18のヒータコア21の空気下流側よりFrFOOT開口部31に向かう第1空気流入通路38の内部には、ヒータコア21の暖房能力が不足するのを補助するための複数個(2個)の第1、第2PTCヒータ46、47が取り付けられている。第1、第2PTCヒータ46、47は、温度上昇に伴って電気抵抗値も増加するPTC特性を有している。
【0035】
また、第1、第2PTCヒータ46、47は、ある温度(キュリー温度)から急激に電気抵抗値が増大する特徴を有する半導体で、例えばイットリウム、アンチモン、ランタン等の希土類元素を微量ドープして半導体化したチタン酸バリウム系セラミックよりなる。なお、第1、第2PTCヒータ46、47は、第1、第2PTC駆動回路48、49(図4参照)によって通電されて作動(発熱)する。また、第1PTCヒータ46は、図2(b)に示したように、運転席側の第1空気流入通路38に設けられ、第2PTCヒータ47は、助手席側の第1空気流入通路38に設けられている。
【0036】
次に、本実施形態の制御系の構成を図4に基づいて説明する。
空調ユニット1の各空調手段を制御するエアコンECU50は、本発明の暖房要求度合指令手段、電力余裕判定手段、ヒータ制御手段に相当するものである。このエアコンECU50には、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検出する内気温度センサ(内気温度検出手段)51、および車室外の空気温度(以下外気温度と言う)を検出する外気温度センサ(外気温度検出手段)52からの各センサ信号が入力される。
【0037】
また、車室内に進入する日射量を検出する日射センサ(日射量検出手段)53、エバポレータ20の直後の第1空気通路18側の空気冷却度合を検出するエバ後温度センサ(冷却度合検出手段)54、ヒータコア21に流入する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ55、およびDC−DCコンバータ56からの各センサ信号が入力される。このうちエバ後温度センサ54は、具体的にはエバポレータ20を通過した直後の第1空気通路18側の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するサーミスタ等のエバ後温度検出手段である。また、冷却水温度センサ55は、本発明の暖房能力検出手段に相当する部品であって、ヒータコア21による車室内の暖房能力を検出するサーミスタ等の冷却水温度検出手段である。
【0038】
DC−DCコンバータ56は、本発明の充電装置に相当する部品である。ハイブリッド自動車では、通常のオルタネータのような12V用の発電機はなく、高電圧(例えば300V)を発生する発電機を搭載している。そのため、12V用バッテリーを充電するのに、高電圧を12Vに変換してバッテリーを充電するDC−DCコンバータ56が搭載されている。このDC−DCコンバータ56は、トランス等を用いて低電圧を作り出す装置であるが、その充電電流には限界がある。そこで、本実施形態では、エアコンECU50でDC−DCコンバータ56の電流容量に余裕があるか否かを判定するようにしている。
【0039】
そして、その判定に使用するIDH信号とは、DC−DCコンバータ56で作り出す電流よりも、ハイブリッド自動車全体で使う電流が多くなった時、例えば80A以上になった時にON信号を発生する。つまり、IDH信号とは、DC−DCコンバータ56の充電能力以上の電流が使われているか否かを判定する信号である。本実施形態では、ON/OFFの1−0信号で示す。
【0040】
そして、エアコンECU50の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、上記各センサ51〜55からの信号は、エアコンECU50内の図示しない入力回路によってA/D変換された後、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、エアコンECU50は、ハイブリッド自動車の走行用エンジンの図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)されたときに、図示しないバッテリーから電源が供給される。
【0041】
また、エアコンECU50には、車室内のインストルメントパネルPの略中央部に設けられたコントロールパネル60上の各スイッチからのスイッチ信号が入力される。ここで、コントロールパネル60上の各スイッチとは、図5に示したように、コンプレッサの起動および停止を指令するためのエアコン(A/C)スイッチ61、吸込口モードを切り替えるための内外気切替スイッチ62、車室内の温度を所望の温度に設定するための温度設定レバー(温度設定手段)63、第1、第2遠心式ファン11、12の送風量を切り替えるための風量切替レバー64、および吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ65等である。
【0042】
上記のうち風量切替レバー64のレバー位置がOFFの場合には、ブロワモータ13への通電を停止する。また、レバー位置がAUTOの場合には、ブロワモータ13のブロワ電圧を自動コントロールする。さらに、レバー位置がLO、ME、HIの場合には、それぞれブロワモータ13のブロワ電圧を最小値(最小風量)、中間値(中間風量)、最大値(最大風量)に固定する。
【0043】
そして、吹出口切替スイッチ65は、FACEモードに固定するためのフェイス(FACE)ボタン65a、B/Lモードに固定するためのバイレベル(B/L)ボタン65b、FOOTモードに固定するためのフット(FOOT)ボタン65c、F/Dモードに固定するためのフットデフ(F/D)ボタン65d、およびDEFモードに固定するためのデフ(DEF)ボタン65eにより構成されている。
【0044】
次に、本実施形態のエアコンECU50による制御方法を図6ないし図9に基づいて説明する。ここで、図6はエアコンECU50による基本的な制御処理を示したフローチャートである。
【0045】
先ず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU50に電源が供給されると、図6のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS1)。
次に、温度設定レバー63等の各スイッチからのスイッチ信号を読み込む(ステップS2)。
【0046】
次に、内気温度センサ51、外気温度センサ52、日射センサ53、エバ後温度センサ54および冷却水温度センサ55等の各センサからの各センサ信号をA/D変換した信号を読み込む(暖房能力検出手段:ステップS3)。
次に、予めROMに記憶された下記の数1の式に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度(TAO)を算出(決定)する(ステップS4)。
【数1】
TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
【0047】
なお、TSETは温度設定レバー63にて設定した設定温度で、TRは内気温度センサ51にて検出した内気温度で、TAMは外気温度センサ52にて検出した外気温度で、TSは日射センサ53にて検出した日射量である。また、KSET、KR、KAMおよびKSはゲインで、Cは補正用の定数である。
次に、予めROMに記憶された特性図(マップ、図7参照)から、目標吹出温度(TAO)に対応するブロワ電圧(ブロワモータ13に印加する電圧)を算出(決定)する(ステップS5)。
【0048】
次に、予めROMに記憶された特性図(マップ、図8参照)から、目標吹出温度(TAO)に対応する吸込口モードを決定する(ステップS6)。ここで、吸込口モードの決定においては、目標吹出温度(TAO)が低い温度から高い温度にかけて、内気循環モード、内外気2層モード、外気導入モードとなるように決定される。なお、内気循環モードとは、第1内外気切替ドア4の開度および第2内外気切替ドア5の開度を共に0%にして、第1、第2内気吸込口6、7から内気を空調ケース2内に吸い込む吸込口モードである。
【0049】
また、内外気2層モードとは、第1内外気切替ドア4の開度を0%、第2内外気切替ドア5の開度を100%にして、第1内気吸込口6から内気を第1空気通路18内に吸い込み、外気吸込口8から外気を第2空気通路19内に吸い込む吸込口モードである。さらに、外気導入モードとは、第1内外気切替ドア4の開度および第2内外気切替ドア5の開度を共に100%にして、第1、第2内気吸込口6、7から外気を空調ケース2内に吸い込む吸込口モードである。
【0050】
ここで、吹出口モードは、コントロールパネル60上のFACEボタン65a、B/Lボタン65b、FOOTボタン65c、F/Dボタン65dまたはDEFボタン65eのいずれかの吹出口切替スイッチにより設定された吹出口モードに設定される。
【0051】
次に、ハイブリッド自動車の車室内の暖房要求度合を指令する。実際には、予めROMに記憶された下記の数2の式に基づいて第1、第2A/Mドア24、25の目標ドア開度(A/M開度:SW)を算出(決定)する(暖房要求度合指令手段:ステップS7)。
【数2】
SW={(TAO−TE)/(TW−TE)}×100(%)
なお、TEはエバ後温度センサ54にて検出したエバ後温度で、TWは冷却水温度センサ55で検出した冷却水温度である。
【0052】
そして、SW≦0(%)として算出された時は、第1、第2A/Mドア24、25は、エバポレータ20からの冷風の全てを第1、第2バイパス通路22、23へ通す位置(MAX・COOL位置)に制御するように指令する。
さらに、SW≧100(%)として算出された時は、第1、第2A/Mドア24、25は、エバポレータ20からの冷風の全てをヒータコア21へ通す位置(MAX・HOT位置)に制御するように指令する。
また、0(%)<SW<100(%)として算出された時は、第1、第2A/Mドア24、25は、エバポレータ20からの冷風をヒータコア21および第1、第2バイパス通路22、23の両方へ通す位置に制御するように指令する。
【0053】
次に、PTCヒータON判定制御を行う。具体的には、図9に示すサブルーチンがコールされ、第1PTCヒータ46を作動(ON)させるか否か、あるいは次の第2PTCヒータ47を作動(ON)させるか否かを判定する(ステップS8)。
【0054】
次に、各ステップS5〜ステップS8にて算出または決定した各制御状態が得られるように、サーボモータ4a、5a、ブロワ駆動回路13aおよびサーボモータ26、45に対して制御信号を出力する。さらに、第1、第2PTC駆動回路48、49に対して制御信号を出力する(ステップS9)。
そして、ステップS10で、制御サイクル時間であるt(例えば0.5秒間〜10秒間)の経過を待ってステップS2の制御処理に戻る。
【0055】
次に、PTCON判定制御の制御処理を図9に基づいて説明する。ここで、図9はPTCON判定制御の制御処理を示したフローチャートである。この図9のフローチャートは、PTCヒータが2個の場合を示す。
【0056】
図9のサブルーチンが起動すると、第1、第2PTCヒータ46、47をONする必要があるか否かを判定する。先ず、車室内の暖房要求度合が第1所定値以上であるか否かを判定する。実際には、第1、第2A/Mドア24、25のA/M開度(SW)がMAX・HOTであるか否かを判定する(暖房要求度合判定手段:ステップS11)。具体的には、図6のステップS7で決定したA/M開度(SW)が100%以上であるか否かを判定し、SW≧100%であればYESとなり、SW<100%であればNOとなる。
【0057】
このステップS11の判定結果がNOの場合には、すべてのPTCヒータをOFFする。つまり、第1、第2PTCヒータ46、47を両方ともOFFする(ヒータ制御手段:ステップS12)。その後に、この図9のサブルーチンを抜ける。
【0058】
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、ヒータコア21による車室内の暖房能力を判定する。具体的には、冷却水温度センサ55にて検出した冷却水温度(TW)が第2所定値(例えば65℃)以下であるか否かを判定する(暖房能力判定手段:ステップS13)。この判定結果がYESの場合には、すなわち、PTCヒータをONする必要があると判断した場合には、DC−DCコンバータ(IDH)56の電流容量に余裕があるか否かを判定する。具体的には、DC−DCコンバータ(IDH)56から出力されている信号が不許可信号(ON信号)であるか許可信号(OFF信号)であるかを判定する(電力余裕判定手段:ステップS14)。
【0059】
このステップS14の判定結果がOFFの場合には、すなわち、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕のある場合には、前回のPTCヒータのON個数を判定する(PTCヒータON個数判定手段:ステップS15)。そして、前回のPTCヒータのON個数が0個の場合には、1個のPTCヒータをONする。例えば第1PTCヒータ46をONする(ヒータ制御手段:ステップS16)。その後に、この図9のサブルーチンを抜ける。
【0060】
また、前回のPTCヒータのON個数が1個の場合には、2個のPTCヒータをONする。すなわち、第1、第2PTCヒータ46、47の両方をONする(ヒータ制御手段:ステップS17)。その後に、この図9のサブルーチンを抜ける。
さらに、前回のPTCヒータのON個数が2個の場合には、2個のPTCヒータのON状態を維持する。すなわち、第1、第2PTCヒータ46、47の両方をONする(ヒータ制御手段:ステップS18)。その後に、この図9のサブルーチンを抜ける。
【0061】
また、ステップS14の判定結果がONの場合には、すなわち、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕がない場合には、前回のPTCヒータをONまたはOFFしてから所定時間(例えば16秒間)が経過しているか否かを判定する(ステップS19)。この判定結果がNOの場合には、PTCヒータのON個数を現状個数のまま維持して(ヒータ制御手段:ステップS20)、この図9のサブルーチンを抜ける。
また、ステップS19の判定結果がYESの場合には、PTCヒータのON個数を1個減らす(ヒータ制御手段:ステップS21)。その後に、この図9のサブルーチンを抜ける。
【0062】
〔実施形態の作用〕
次に、本実施形態の空調ユニット1の各空調手段の作用を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
【0063】
吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードで、吸込口モードが内外気2層モードで、第1、第2A/Mドア24、25がMAX・HOT位置に設定されるような、車室内の暖房が必要な時に、冷却水温度(TW)が65℃以下で車室内の暖房能力が不足している場合には、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕があるかないかが判定される。
【0064】
このときに、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕がない場合には、第1、第2PTCヒータ46、47はOFFされるが、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕がある場合には、第1、第2PTCヒータ46、47の片方または両方がONされる。
【0065】
したがって、第1遠心式ファン11の回転によって第1内気吸込口6から内外気切替箱3内に吸い込まれた内気は、図1に実線矢印で示したように、第1吸込口14を通り第1スクロールケーシング部16内に吸い込まれて第1空気通路18内に侵入する。そして、第1空気通路18内に侵入した内気は、図2(a)に実線矢印で示したように、エバポレータ20の第1冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、さらにヒータコア21の第1加熱部で再加熱されて第1空気流入通路38内に流入する。
【0066】
一方、第2遠心式ファン12の回転によって外気吸込口8から内外気切替箱3内に吸い込まれた外気は、図1に破線矢印で示したように、第2吸込口15を通り第2スクロールケーシング部17内に吸い込まれて第2空気通路19内に侵入する。そして、第2空気通路19内に侵入した外気は、図2(a)に破線矢印で示したように、エバポレータ20の第2冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、ヒータコア21の第2加熱部を通過して第2空気流入通路39内に流入する。
【0067】
そして、第1空気通路18から第1空気流入通路38内に流入した内気は、図2(a)に実線矢印で示したように、第1空気流入通路38内で第1、第2PTCヒータ46、47を通過する際に更に加熱されてFrFOOT開口部31を通って、フロントフット吹出口から車室内の前席側の乗員の足元部に向けて吹き出される。一方、第2空気通路19を通って来た外気は、図2(a)に破線矢印で示したように、一部が内気と一緒にフロントフット吹出口40から車室内の前席側の乗員の足元部に向けて吹き出され、残部がデフロスタ吹出口35からフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出される。
【0068】
以上のように、例えば0℃以下の低外気温(冬期)のため車室内を充分に暖房する必要のある、吸込口モードが内外気2層モードで、且つ吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードの場合には、既に温められている高温の内気を第1空気通路18内に吸い込んでヒータコア21で加熱し、更に第1、第2PTCヒータ46、47で再加熱してフロントフット吹出口40およびリヤフット吹出口から車室内に吹き出すことで、車室内を暖房することにより、低外気温時の車室内の暖房能力の不足を補うことができる。また、低湿度の外気をヒータコア21で加熱してデフロスタ吹出口35からフロントシールドガラスの内面に吹き出すことで、フロントシールドガラスの防曇性能を向上させることもできる。
【0069】
〔実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の空調ユニット1においては、上記のようにDC−DCコンバータ56の電流余裕量を低コストなON/OFF信号により検出し、暖房要求度合や暖房能力等のPTCヒータON条件を判断することにより、PTCヒータのON、OFF制御を行うことで、DC−DCコンバータ56の電流容量の許す限り、PTCヒータを自動的にONすることができる。したがって、バッテリーを消耗させることなく、PTCヒータのON、OFFを自動コントロールすることができる。
【0070】
また、PTCヒータが2個以上設置されている場合に、DC−DCコンバータ56から許可信号(OFF信号)が出ていれば先ず1個のPTCヒータが自動的にONし、次も許可信号(OFF信号)ならば、更に次のPTCヒータを自動的にONすることができるので、DC−DCコンバータ56の電流容量に余裕のある状態から急激に余裕のない状態に移行するのを防止することができる。
【0071】
そして、本実施形態の空調ユニット1においては、前回のPTCヒータをONまたはOFFしてから所定時間(例えば16秒間)が経過してから、別の状態に移行するようにすることで、PTCヒータが頻繁にON/OFFすることを防止している。この理由は、一時的にハイブリッド自動車に搭載された電気負荷(例えばパワーウインドウの駆動装置)を使うような場合に、継続的に使われない時に、車室内の暖房能力の不足を補うためのPTCヒータが不要にOFFしないようにするためである。なお、その所定時間は一時的に通電される電気負荷の作動が終了するのに必要な時間が設けられていれば良い。
【0072】
また、本実施形態では、PTCヒータをONする必要があるか否かの判定において、ヒータコア21内を流れる冷却水温度が第2所定値(例えば65℃)以下の場合にPTCヒータをONするように制御している。この理由は、空調ケース2のフロントフット吹出口から車室内に吹き出される空気の吹出温度が非常に高温になるのを防止するためである。
【0073】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、PTCヒータの個数を2個としたが、PTCヒータの個数を1個または3個以上にしても良い。また、IDH信号をON/OFFの1−0信号としたが、発電電流に比例した電圧等のリニアな信号を用いても良い。
【0074】
本実施形態では、冷却用熱交換器として冷凍サイクルのエバポレータ20を使用したが、冷却用熱交換器としてペルチェ素子等の空気冷却部品を組み込んだ熱交換器を使用しても良い。また、本実施形態では、加熱用熱交換器として走行用エンジンの冷却水を暖房用熱源とするヒータコア21を使用したが、加熱用熱交換器として走行用モータやインバータ等の電気負荷の排熱や燃焼式ヒータの燃焼熱を暖房用熱源とするヒータコアを使用しても良い。
【0075】
本実施形態では、暖房要求度合指令手段として、エアコンECU50にて算出されるA/M開度(SW)が第1所定値(100%)以上の時にPTCヒータをONする要求を出すように制御しているが、暖房要求度合指令手段として乗員に手動操作されるスイッチやレバー等の手動操作手段を設けて、その手動操作手段の設定位置が第1所定位置以上の時にPTCヒータをONする要求を出すように制御しても良い。また、PTCヒータをONする要求を出すのは、第1、第2A/Mドア24、25がMAX・HOT位置の時、SWが100%以上の時だけでなく、MAX・HOT位置近辺の時や、目標吹出温度(TAO)の値が70℃以上の時でも良い。
【0076】
また、ブロワモータ13がOFFの時、つまり車室内の暖房の必要性がない時には、PTCヒータをONしないようにしても良い。この場合には、ステップS11の前にブロワモータ13がONされているか否かを判定する(ステップS22)を設ければ良く、ブロワモータ13がOFFの時にはステップS12へ進み、ブロワモータ13がONの時にはステップS11へ進むようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調ユニットの内外気切替手段および遠心式送風機の内外気2層モードを示した断面図である(実施形態)。
【図2】(a)は空調ユニットの吹出口切替手段の内外気2層モードを示した断面図で,(b)は第1、第2PTCヒータの設置位置を示した断面図である(実施形態)。
【図3】ハイブリッド自動車のインストルメントパネルを示した正面図である(実施形態)。
【図4】ハイブリッド自動車用空気調和装置の制御系を示したブロック図である(実施形態)。
【図5】コントロールパネルを示した平面図である(実施形態)。
【図6】エアコンECUによる基本的な制御処理を示したフローチャートである(実施形態)。
【図7】目標吹出温度とブロワ電圧との関係を示した特性図である(実施形態)。
【図8】目標吹出温度と吸込口モードとの関係を示した特性図である(実施形態)。
【図9】PTCON判定制御の制御処理を示したフローチャートである(実施形態)。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ケース
21 ヒータコア(加熱用熱交換器)
46 第1PTCヒータ
47 第2PTCヒータ
50 エアコンECU(暖房要求度合指令手段、電力余裕判定手段、ヒータ制御手段)
55 冷却水温度センサ(暖房能力検出手段)
56 DC−DCコンバータ(充電装置)
Claims (3)
- 走行用エンジンと走行用モータを有し、前記走行用モータを含む電気負荷に電力を供給する車載電源と、発電機で発生した電圧を低電圧に変換して前記車載電源を充電するための充電装置とを搭載した車両の車室内を暖房する車両用空気調和装置において、
(a)車室内に空気を送るための空調ケースと、
(b)この空調ケース内において車室内に向かう空気流を発生させる送風機と、
(c)前記空調ケース内に設けられて通過する空気を加熱する加熱用熱交換器と、
(d)この加熱用熱交換器よりも空気下流側の前記空調ケース内に設けられて通過する空気を加熱し、その温度上昇に伴って電気抵抗値が増大するPTCヒータと、
(e)車室内の暖房要求度合を指令する暖房要求度合指令手段と、
(f)前記加熱用熱交換器による暖房能力を検出する暖房能力検出手段と、
(g)車両全体の前記電気負荷で使われている電流に基づいて前記充電装置から出力される信号により、前記充電装置の充電能力以上の電流が前記電気負荷で使われているか否かを判定する電力余裕判定手段と、
(h)前記暖房要求度合指令手段より指令された暖房要求度合が第1所定値以上で、前記暖房能力検出手段にて検出された前記加熱用熱交換器による暖房能力が第2所定値以下で、且つ前記電力余裕判定手段にて前記充電装置の充電能力以上の電流が前記電気負荷で使われておらず、前記充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合にのみ、前記PTCヒータを作動させるヒータ制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
前記PTCヒータは、複数個のPTCヒータよりなり、
前記ヒータ制御手段は、前記電力余裕判定手段にて前記充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合に、前記複数個のPTCヒータのうち先ず1個のPTCヒータを作動させ、
それでも前記電力余裕判定手段にて前記充電装置の電流容量に余裕があると判定された場合に、前記複数個のPTCヒータのうちの次の1個のPTCヒータを作動させることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
前記PTCヒータは、複数個のPTCヒータよりなり、
前記ヒータ制御手段は、前記複数個のPTCヒータのうち少なくとも1個のPTCヒータの作動を開始してから所定時間が経過するまでは、前記1個のPTCヒータをそのまま作動させ、
前記1個のPTCヒータの作動を開始してから所定時間が経過した場合は、前記電力余裕判定手段により前記充電装置の電流容量に余裕がないと判定された場合に、前記1個のPTCヒータの作動を停止することを特徴とする車両用空気調和装置。
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