JP3797474B2 - 半導体集積回路およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれが所定のデータ処理を行う複数の論理回路ブロックと、各論理回路ブロックに対して、所定のタイミングにてパワーダウン処理を行うシーケンス制御回路とを有する半導体集積回路およびそれを用いた半導体装置に関し、特に、論理回路におけるリーク電流を削減するとともに、論理回路ブロックとシーケンス制御回路とを積層して、ワンチップ化した半導体集積回路およびそれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な携帯機器は、通常、電池により駆動されており、携帯機器には、形状の小型化および電池に対する充電後の使用時間を延長するために、低電力で駆動される半導体集積回路が内蔵されている。特開平6−350435号公報には、このような半導体集積回路の一例が開示されており、その半導体集積回路のブロック図を図9に示す。尚、以下において、動作開始の閾値電圧が高い場合を高閾値、低い場合を低閾値とする。
【0003】
図9に示す半導体集積回路は、それぞれが所定のデータ処理等を行う3つの論理回路ブロック111〜113と、各論理回路ブロック111〜113に対して所定のタイミングでパワーダウン信号を発生するシーケンス制御回路ブロック(シーケンサ)101と、外部回路からのクロック信号を各論理回路ブロック111〜113の論理組合せ回路131〜133に伝送するクロック端子160とを有している。
【0004】
シーケンス制御回路ブロック(シーケンサ)101には、低閾値のトランジスタ設けられており、各論理回路ブロック111〜113のそれぞれの制御回路121〜123に対して、パワーダウン信号を所定のタイミングで供給する。
【0005】
各論理回路ブロック111〜113は、それぞれ同様の構成になっており、低閾値のCMOSトランジスタを有する論理組合せ回路131〜133と、各論理組合せ回路131〜133とVDD(電源)との間に設けられた高閾値のPMOSトランジスタ141〜143と、各論理組合せ回路131〜133とGND(接地:アース)との間にそれぞれ設けられた高閾値のNMOSトランジスタ151〜153と、高閾値のPMOSトランジスタ141〜143および高閾値のNMOSトランジスタ151〜153のON/OFF動作の制御を行う制御回路121〜123とをそれぞれ有している。
【0006】
高閾値の各PMOSトランジスタ141〜143は、ソース端子がVDDに接続され、ゲート端子およびドレイン端子は、制御回路121〜123および論理組合せ回路131〜133にそれぞれ接続されている。高閾値の各NMOSトランジスタ151〜153は、ドレイン端子が論理組合せ回路131〜133に接続され、ゲート端子およびソース端子は、制御回路121〜123およびGNDにそれぞれ接続されている。
【0007】
このような構成により、図9に示す半導体集積回路のシーケンス制御回路ブロック101は、所定のタイミングにて各制御回路121〜123にパワーダウン信号を出力する。シーケンス制御回路ブロック101から所定のタイミングで出力されたパワーダウン信号は、各論理回路ブロック111〜113の制御回路121〜123にそれぞれ入力されると、制御回路121〜123から高閾値のPMOSトランジスタ141〜143および高閾値のNMOSトランジスタ151〜153のそれぞれのゲート端子にそれぞれ所定の信号が入力される。所定の信号が入力された高閾値の各PMOSトランジスタ141〜143および高閾値の各NMOSトランジスタ151〜153は、それぞれOFF状態となり、論理組合せ回路131〜133がそれぞれパワーダウン状態になる。
【0008】
このように、図9に示す半導体集積回路では、低閾値のCMOSトランジスタを有する論理組合せ回路と電源との間に高閾値のPMOSトランジスタが設けられており、この論理組合せ回路とGNDとの間に高閾値のNMOSトランジスタが設けられて、これらの高閾値のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタをOFF状態にすることにより、論理組合せ回路のパワーダウンを行っている。
【0009】
図9に示す半導体集積回路では、論理組合せ回路を有する複数の論理回路をブロック化して、各論理回路ブロック111〜113に、それぞれのブロック毎にパワーダウン制御手段を設けるとともに、各論理回路ブロック111〜113内のそれぞれの論理組合せ回路131〜133のパワーダウンを選択的に制御するシーケンサであるシーケンス制御回路ブロック101が設けられている。
【0010】
これにより、図9に示す半導体集積回路では、シーケンス制御回路ブロック101により各論理回路ブロック111〜113のパワーダウンが選択的に制御され、各論理回路ブロック111〜113がそれぞれデータ処理等の動作を行う際に、データ処理を行う必要のない他の論理回路ブロックを選択的にパワーダウンさせることができる。この結果、このような半導体集積回路およびそれを用いた装置では、動作時に、回路動作に影響を与えることなく、消費電力を低減することができる。
【0011】
図10は、図9における各論理回路ブロック111〜113の制御回路121〜123が、それぞれ直列接続された2個のインバータから成る一例を示す半導体集積回路のブロック図である。論理回路ブロック111〜113の制御回路は、インバータ164および171、インバータ165および172、インバータ166および173の直列接続から成るそれぞれの回路で構成されている。各論理回路ブロック111〜113の制御回路の1段目のインバータ171〜173の入力端子には、シーケンス制御回路ブロック101からの制御線201〜203がそれぞれ接続されている。
【0012】
図10に示す半導体集積回路では、シーケンス制御回路ブロック101からHIGHレベルの出力信号が各制御線201〜203をそれぞれ介して、各論理回路ブロック111〜113のインバータ171〜173にそれぞれ入力されると、高閾値の各PMOSトランジスタ141〜143のゲート端子には、HIGHレベルの信号がそれぞれ入力され、高閾値の各NMOSトランジスタ151〜153のゲート端子には、LOWレベルの信号がそれぞれ入力される。この結果、高閾値のPMOSトランジスタ141〜143および高閾値のNMOSトランジスタ151〜153は、それぞれOFF状態となり、論理組合せ回路131〜133がそれぞれパワーダウンされる。
【0013】
また、図11に示すように、各論理回路ブロック111〜113にクロック信号を入力するクロック端子161〜163を論理回路ブロック111〜113毎に分離して、各クロック端子161〜163から、それぞれ対応する各論理回路ブロック111〜113に、周波数の異なるクロック信号をそれぞれ供給することもできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような構成の半導体集積回路装置では、次のような問題がある。
【0015】
第1の問題は、シーケンサであるシーケンス制御回路ブロック101が複数の低閾値のトランジスタを有しているために、この低閾値のトランジスタからのリーク電流が増加することである。ここで、リーク電流とは、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタの一方がOFF状態の場合に、電源端子からGNDに流れる電流であり、特に、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの動作開始電圧が低い低閾値電圧の場合、および、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いたLSIの場合に、リーク電流による消費電力の増加が顕著になる。
【0016】
第2に、クロック端子61〜63に供給される外部回路からのクロック信号の周波数が低い場合、各論理組合せ回路131〜133の電源電圧を低くしても、回路動作に支障はないが、各論理組合せ回路131〜133の電源電圧がそれぞれ一定値(VDD)であるために、論理組合せ回路131〜133の電源電圧を低くできる場合に比べて、消費電流が増加するという問題がある。
【0017】
第3に、論理組合せ回路131〜133をOFF状態であるパワーダウン状態からパワー復帰状態である動作状態に復帰する場合、各論理組合せ回路131〜133の電源電圧をそれぞれOFFにすると、各論理組合せ回路131〜133は、電圧電源電圧をOFFにする直前のON状態での動作状態を、それぞれ保持することができないという問題がある。
【0018】
本発明はこのような課題を解決するものであり、その目的は、シーケンス制御回路および論理組合せ回路におけるリーク電流を削減し、論理組合せ回路がパワー復帰状態の際に、パワーダウン状態になる前の動作状態に復帰できる半導体集積回路およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体集積回路は、それぞれが所定のデータ処理を行う複数の論理組合せ回路を有し、各論理組合せ回路が低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成された論理回路ブロックと、該論理回路ブロックの半導体素子よりも高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されており、各論理組合せ回路に対する電源電圧を所定のタイミングで制御するシーケンス制御回路とを具備し、該シーケンス制御回路は、該論理回路ブロックの各論理組合せ回路に供給されるクロック信号の周波数に基づいて、各論理組合せ回路に供給する電源電圧を制御するレギュレータが設けられていることを特徴とする。
【0020】
前記シーケンス制御回路は、前記論理回路ブロックの各論理組合せ回路のデータを保持するとともに、前記レギュレータに電源制御信号を供給するレジスタが設けられている。
【0021】
前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がSOIプロセスによって形成されている。
【0022】
前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がバルクプロセスによって形成されている。
【0023】
前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がバイポーラプロセスによって形成されている。
【0024】
前記論理回路ブロックにおける各論理組合せ回路をそれぞれ構成する各半導体素子がSOIプロセスによって形成されている。
【0025】
本発明の半導体装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体集積回路を内蔵し、前記シーケンス制御回路および前記論理回路ブロックが1つのパッケージに実装されていることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態である半導体集積回路のブロック図である。
【0028】
図1に示す半導体集積回路は、それぞれが所定のデータ処理を行う3つの論理組合せ回路3〜5とクロック端子61〜63とを有する論理回路ブロック2と、レギュレータ11を内蔵し、各論理組合せ回路3〜5に対して所定のタイミングでパワーダウンを行うシーケンス制御回路(シーケンサ)1とを有している。
【0029】
シーケンス制御回路1は、SOI(Silicon On Insulator)プロセスにより形成された閾値電圧が高い高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子(例えば、トランジスタ)によって構成されており、レギュレータ11が内蔵されている。シーケンス制御回路1の電源端子および接地端子は、第1の電源電圧VDD1およびGND(接地)にそれぞれ接続されている。シーケンス制御回路1に内蔵されたレギュレータ11は、電源信号線12a〜14aを介して、各論理組合せ回路3〜5に第2の電源電圧12〜14をそれぞれ供給する。
【0030】
論理回路ブロック2は、SOIプロセスにより形成された閾値電圧が低い低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子(例えば、トランジスタ)によって、それぞれ構成された3つの論理組合せ回路3〜5を有している。論理回路ブロック2の各論理組合せ回路3〜5の電源端子には、電源信号線12a〜14aがそれそれ接続されており、レギュレータ11からの第2の電源電圧12〜14が電源信号線12a〜14aを介してそれぞれ供給される。各論理組合せ回路3〜5の接地端子は、GND(接地)にそれぞれ接続されている。各論理組合せ回路3〜5の入力端子には、対応するクロック端子61〜63を介して外部回路からのクロック信号がそれぞれ入力される。尚、各クロック端子61〜63には、それぞれ異なる周波数のクロック信号が供給されても良い。
【0031】
次に、図1に示す半導体集積回路の動作を説明する。図1に示す論理回路ブロック2の各論理組合せ回路3〜5の入力端子には、それぞれのクロック端子61〜63を介して、それぞれ異なる周波数のクロック信号が入力される。これらの異なる周波数のクロック信号に基づいて、シーケンス制御回路1のレギュレータ11から所定の電圧値を有する第2の電源電圧12〜14がそれぞれの論理組合せ回路3〜5に供給される。この結果、各論理組合せ回路3〜5は、無駄な電力を消費することなく、効率の良いデータ処理等の動作を行うことができる。
【0032】
本発明の第1の実施形態の半導体集積回路は、論理回路ブロック2の各論理組合せ回路3〜5が、シーケンス制御回路1の半導体素子よりも閾値電圧の低いそれぞれ低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されており、低電圧での動作が可能になっている。この結果、シーケンス制御回路1に内蔵されたレギュレータ11から論理回路ブロック2の各論理組合せ回路3〜5に供給される第2の電源電圧が、レギュレータ11によって、低電圧に制御されることにより、各論理組合せ回路3〜5のリーク電流が削減される。
【0033】
また、レギュレータ11は、クロック端子61〜63より論理組合せ回路3〜5に供給されるクロック信号の周波数に応じて、各論理組合せ回路3〜5に対して、第2の電源電圧を選択的に供給する。例えば、レギュレータ11は、論理組合せ回路3〜5のいずれかに供給されるクロック信号の周波数が低く、論理組合せ回路3〜5のいずれかが低速動作の場合には、論理組合せ回路3〜5のいずれかに第2の電源電圧12〜14として低電圧を供給し、論理組合せ回路3〜5いずれかに供給されるクロック信号の周波数が高く、論理組合せ回路3〜5のいずれかが高速動作の場合には、論理組合せ回路3〜5のいずれかに第2の電源電圧12〜14として高電圧を供給する。さらに、論理組合せ回路3〜5のいずれかにクロック信号が供給されず、論理組合せ回路3〜5のいずれかがOFF状態の場合には、論理組合せ回路3〜5のいずれかに第2の電源電圧12〜14として0(V)を供給する。これにより、レギュレータ11は、出力信号である第2の電源電圧12〜14をそれぞれの論理組合せ回路3〜5に対して、それぞれ異なる電圧値を選択的に供給できるように構成されている。
【0034】
尚、各論理組合せ回路3〜5が動作する際に、レギュレータ11から各論理組合せ回路3〜5にそれぞれ供給される駆動電圧と、クロック信号の周波数との関係を図7に示す。図7の横軸は、周波数(f1<f2)を示し、縦軸は、駆動電圧(V1<V2)を示す。図7より、駆動電圧とクロック信号の周波数とは、比例関係を示し、クロック信号の周波数(f1)が低い場合は、駆動電圧(V1)を低く、クロック信号の周波数(f2)が高い場合は、駆動電圧(V2)を高く設定すれば良い。これにより、クロック端子61〜63に供給されるクロック信号の周波数に応じて、各論理組合せ回路3〜5に供給するそれぞれの駆動電圧は、一義的に設定される。
【0035】
さらに、従来の半導体集積回路では、シーケンス制御回路101が低閾値のトランジスタを有しているのに対し、本発明の第1の実施形態の半導体集積回路では、シーケンス制御回路1が高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されているために、シーケンス制御回路1のリーク電流を削減できるとともに、シーケンス制御回路1がレギュレータ11を用いて、論理回路ブロック2の駆動電圧である第2の電源電圧の供給を制御することにより、論理回路ブロック2のリーク電流も削減することができる。
【0036】
したがって、本実施形態の半導体集積回路では、シーケンス制御回路1および論理回路ブロック2の両方のリーク電流の削減を行うために、従来の半導体集積回路に対して、大幅なリーク電流の抑制が可能となる。
【0037】
図2に示す半導体集積回路は、シーケンス制御回路1が、バルクプロセスによって形成された高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されている。その他の構成については、図1に示す半導体集積回路の構成と同様になっている。これにより、図2に示す半導体集積回路は、図1に示す半導体集積回路と同様の効果が得られる。
【0038】
図3に示す半導体集積回路は、シーケンス制御回路1が、バイポーラプロセスによって形成された高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されている。その他の構成については、図1に示す半導体集積回路の構成と同様になっている。これにより、図3に示す半導体集積回路は、図1に示す半導体集積回路と同様の効果が得られる。
【0039】
図4は、本発明の第2の実施形態である半導体集積回路のブロック図である。
【0040】
図4に示す半導体集積回路は、それぞれが所定のデータ処理を行う3つの論理組合せ回路22〜24とクロック端子61〜63とを有する論理回路ブロック2と、レギュレータ11およびレジスタ21を内蔵し、各論理組合せ回路22〜24に対して所定のタイミングでバッテリーダウンを行うシーケンス制御回路(シーケンサ)1とを有している。
【0041】
シーケンス制御回路1は、SOI(Silicon On Insulator)プロセスにより形成された閾値電圧が高い高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子(例えば、トランジスタ)によって構成されており、レギュレータ11およびレジスタ21が内蔵されている。シーケンス制御回路1の電源端子および接地端子は、第1の電源電圧VDD1およびGND(接地)にそれぞれ接続されている。
【0042】
シーケンス制御回路1に内蔵されたレジスタ21は、データ線25〜27を介して、論理組合せ回路22〜24から送信される記憶データを受信し、記憶データを保持する。また、レジスタ21は、信号線51〜53を介して、論理組合せ回路22〜24にパワーダウン要求信号を送信し、論理組合せ回路22〜24からパワー復帰要求信号を受信する。さらに、レジスタ21は、電源信号線41aを介してレギュレータ11に電源制御信号41を出力する。
【0043】
レギュレータ11は、レジスタ21からの電源制御信号41に基づいて、各論理組合せ回路22〜24のON/OFF制御を行うとともに、電源信号線28a〜30aを介して、各論理組合せ回路22〜24に、各論理組合せ回路22〜24に供給されるクロック信号の周波数に基づいて第2の電源電圧28〜30をそれぞれ供給する。尚、第2の電源電圧28〜30である駆動電圧と論理組合せ回路22〜24に供給されるクロック信号の周波数との関係は、図7に示すように、図1の半導体集積回路と同様の関係がある。
【0044】
論理回路ブロック2は、SOIプロセスにより形成された閾値電圧が低い低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子(例えば、トランジスタ)によって、それぞれ構成された3つの論理組合せ回路22〜24を有している。論理回路ブロック2の各論理組合せ回路22〜24は、データ線25〜27を介して、レジスタ21とそれぞれの記憶データの送信および受信を行う。また、各論理組合せ回路22〜24は、レジスタ21との間に、信号線51〜53を介して、パワーダウン要求信号およびパワー復帰要求信号をそれぞれ受信および送信する。各論理組合せ回路22〜24の電源端子には、電源信号線28a〜30aがそれぞれ接続されており、レギュレータ11からの第2の電源電圧28〜30が電源信号線28a〜30aを介してそれぞれ供給される。各論理組合せ回路22〜24の接地端子は、GND(接地)にそれぞれ接続されている。各論理組合せ回路22〜24の入力端子には、対応するクロック端子61〜63を介して外部回路からのクロック信号がそれぞれ入力される。尚、各クロック端子61〜63には、それぞれ異なる周波数のクロック信号が供給されても良い。
【0045】
図4の半導体集積回路の論理組合せ回路22〜24が、パワーダウン状態になる場合、および、パワー復帰状態になる場合の回路動作を、例えば、論理組合せ回路23について説明する。
【0046】
まず、論理組合せ回路23がパワーダウン状態になる動作を説明する。
【0047】
▲1▼シーケンス制御回路1は、内蔵しているレジスタ21より信号線52を介して、パワーダウン要求信号を論理組合せ回路23に送信する。
【0048】
▲2▼論理組合せ回路23は、パワーダウン要求信号を受信すると、論理組合せ回路23内に記憶されている記憶データをデータ線26に出力する。
【0049】
▲3▼シーケンス制御回路1は、データ線26を介して、記憶データを受信し、記憶データをレジスタ21に記憶する。
【0050】
▲4▼レジスタ21は、論理組合せ回路23の記憶データを記憶すると、電源信号線41aを介してレギュレータ11に、論理組合せ回路23に駆動電圧の供給を停止する電源制御信号(OFF信号)を送信する。
【0051】
▲5▼レギュレータ11は、電源制御信号(OFF信号)を受信すると、電源信号線29aに第2の電源電圧29である駆動電圧(0V)を出力する。
【0052】
▲6▼論理組合せ回路23は、電源信号線29aを介して第2の電源電圧29である駆動電圧(0V)を受信すると、パワーダウン状態となり動作を停止する。
【0053】
次に論理組合せ回路23がパワー復帰状態になる動作を説明する。
【0054】
▲1▼レジスタ21は、電源信号線41aを介してレギュレータ11に、論理組合せ回路23に駆動電圧の供給する電源制御信号(ON信号)を送信する。
【0055】
▲2▼レギュレータ11は、電源制御信号(ON信号)を受信すると、クロック端子62に供給されるクロック信号の周波数に基づいて、電源信号線29aに第2の電源電圧29である所定の駆動電圧を出力する。
【0056】
▲3▼論理組合せ回路23は、電源信号線29aを介して所定の駆動電圧が供給されると、信号線52を介してパワー復帰要求信号をシーケンス制御回路1のレジスタ21に送信する。
【0057】
▲4▼レジスタ21は、パワー復帰要求信号を受信すると、論理組合せ回路23がパワーダウン状態になる前に、レジスタ21に記憶された記憶データをデータ線26を介して、論理組合せ回路23に供給する。
【0058】
▲5▼論理組合せ回路23は、記憶データを受信し、再度、記憶してパワーダウン状態になる前の動作状態に復帰する。
【0059】
したがって、図4の半導体記憶装置は、論理組合せ回路22〜24のいずれかがパワーダウン状態では、パワーダウン状態になる前のいずれかの論理組合せ回路22〜24の記憶データを、レジスタ21に保持させる。レジスタ21は、レジスタ21にて記憶データを保持する間に、レジスタ21からレギュレータ11に電源制御信号を供給し、レギュレータ11が、いずれかの論理組合せ回路22〜24に第2の電源電圧28〜30を供給しないように制御することにより、論理組合せ回路22〜24の消費電流およびリーク電流を削減できる。
【0060】
そして、図4の半導体記憶装置は、前述のいずれかの論理組合せ回路22〜24が、パワーダウン状態からパワー復帰状態である動作状態に復帰する場合には、レジスタ21が保持していた記憶データを、いずれかの論理組合せ回路22〜24に戻すことにより、いずれかの論理組合せ回路22〜24をパワーダウン状態になる前の動作状態に復帰させることが可能となる。
【0061】
図5に示す半導体集積回路は、シーケンス制御回路1が、バルクプロセスによって形成された高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されている。その他の構成については、図4に示す半導体集積回路の構成と同様になっている。これにより、図5に示す半導体集積回路は、図4に示す半導体集積回路と同様の効果が得られる。
【0062】
図6に示す半導体集積回路は、シーケンス制御回路1が、バイポーラプロセスによって形成された高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されている。その他の構成については、図4に示す半導体集積回路の構成と同様になっている。これにより、図6に示す半導体集積回路は、図4に示す半導体集積回路と同様の効果が得られる。
【0063】
図8は、本発明の半導体集積回路を用いた半導体装置の断面図である。
【0064】
図8に示す本発明の半導体装置は、リードフレーム33の上面にシーケンス制御回路1が形成され、リードフレーム33の下面に論理回路ブロック2が形成され、シーケンス制御回路1および論理回路ブロック2が、金ワイヤ32のワイヤボンディングによって、それぞれリードフレームの端子部分33aに電気的に接続されている。さらに、図8の半導体装置は、シーケンス制御回路1および論理回路ブロック2を保護するためにリードフレームの端子部分33aの一部までモールド樹脂31によって封止され、ワンチップ化されている。モールド樹脂31より外側のリードフレームの端子部分33aは、屈曲形状に成形されて延出されている。
【0065】
尚、図8の半導体装置では、一例としてQFPパッケージの構成例を説明したが、CSPパッケージの構成でも同様に実現できることは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
本発明の半導体集積回路は、所定のデータ処理を行う複数の論理組合せ回路が低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成された論理回路ブロックと、各論理組合せ回路に対する電源電圧を所定のタイミングで制御し、論理回路ブロックの半導体素子よりも高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されたシーケンス制御回路とが設けられており、シーケンス制御回路には、論理回路ブロックの各論理組合せ回路に供給されるクロック信号の周波数に基づいて、各論理組合せ回路に供給する電源電圧を制御するレギュレータが設けられていることによって、シーケンス制御回路および論理回路ブロックの各論理組合せ回路におけるリーク電流が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である半導体集積回路のブロック図である。
【図2】図1に示すシーケンス制御回路がバルクプロセスによって形成されている半導体集積回路のブロック図である。
【図3】図1に示すシーケンス制御回路がバイポーラプロセスによって形成されている半導体集積回路のブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態である半導体集積回路のブロック図である。
【図5】図4に示すシーケンス制御回路がバルクプロセスによって形成されている半導体集積回路のブロック図である。
【図6】図4に示すシーケンス制御回路がバイポーラプロセスによって形成されている半導体集積回路のブロック図である。
【図7】論理組合せ回路に供給されるクロック信号の周波数と駆動電圧との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の半導体集積回路を用いた半導体装置の断面図である。
【図9】従来の半導体集積回路のブロック図である。
【図10】従来の半導体集積回路装置の制御回路をインバータで構成したブロック図である。
【図11】従来の半導体集積回路装置のクロック端子を、論理組合せ回路毎に独立させたブロック図である。
【符号の説明】
1 シーケンス制御回路(シーケンサ)
2 論理回路ブロック
3 論理組合せ回路
4 論理組合せ回路
5 論理組合せ回路
11 レギュレータ
12 第2の電源電圧
12a 電源信号線
13 第2の電源電圧
13a 電源信号線
14 第2の電源電圧
14a 電源信号線
21 レジスタ
22 論理組合せ回路
23 論理組合せ回路
24 論理組合せ回路
25 データ線
26 データ線
27 データ線
28 第2の電源電圧
28a 電源信号線
29 第2の電源電圧
29a 電源信号線
30 第2の電源電圧
30a 電源信号線
31 モールド樹脂
32 金ワイヤ
33 リードフレーム
33a リードフレームの端子部分
41 電源制御信号
41a 電源信号線
51 信号線
52 信号線
53 信号線
61 クロック端子
62 クロック端子
63 クロック端子
101 シーケンス制御回路ブロック(シーケンサ)
111 論理回路ブロック
112 論理回路ブロック
113 論理回路ブロック
121 制御回路
122 制御回路
123 制御回路
131 論理組合せ回路
132 論理組合せ回路
133 論理組合せ回路
141 高閾値のPMOSトランジスタ
142 高閾値のPMOSトランジスタ
143 高閾値のPMOSトランジスタ
151 高閾値のNMOSトランジスタ
152 高閾値のNMOSトランジスタ
153 高閾値のNMOSトランジスタ
160 クロック端子
161 クロック端子
162 クロック端子
163 クロック端子
164 インバータ
165 インバータ
166 インバータ
171 インバータ
172 インバータ
173 インバータ
201 制御線
202 制御線
203 制御線
Claims (6)
- それぞれが所定のデータ処理を行う複数の論理組合せ回路を有し、前記各論理組合せ回路が低閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成された論理回路ブロックと、
該論理回路ブロックの半導体素子よりも高閾値のスイッチング機能を有する半導体素子によって構成されており、前記各論理組合せ回路に対する電源電圧を所定のタイミングで制御するシーケンス制御回路とを具備し、
該シーケンス制御回路には、該論理回路ブロックの前記各論理組合せ回路に供給されるクロック信号の周波数に基づいて、前記各論理組合せ回路に供給する電源電圧を制御するレギュレータが設けられており、
前記シーケンス制御回路には、前記論理回路ブロックの前記各論理組合せ回路のデータを保持するとともに、前記レギュレータに電源制御信号を供給するレジスタが設けられていることを特徴とする半導体集積回路。 - 前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がSOIプロセスによって形成されている請求項1に記載の半導体集積回路。
- 前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がバルクプロセスによって形成されている請求項1に記載の半導体集積回路。
- 前記シーケンス制御回路を構成する半導体素子がバイポーラプロセスによって形成されている請求項1に記載の半導体集積回路。
- 前記論理回路ブロックにおける前記各論理組合せ回路をそれぞれ構成する各半導体素子がSOIプロセスによって形成されている請求項1に記載の半導体集積回路。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体集積回路を内蔵し、前記シーケンス制御回路および前記論理回路ブロックが1つのパッケージに実装されていることを特徴とする半導体装置。
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