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JP3791683B2 - ジェル状組成物 - Google Patents

ジェル状組成物 Download PDF

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JP3791683B2
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泰三 藤山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低粘度でありながら、静置時には弾力のあるジェル状をなし、振盪や細孔通過等の弱い外力によって簡単にジェルが崩れ、使用時、霧状に噴霧して皮膚や毛髪等に簡易に塗布し得るとともに、使用後、再びもとの弾力あるジェル復帰するチキソトロピー性を有する、全く新しいタイプのジェル状組成物、およびこれを含む化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェル状化粧料は、通常、使用時に容器から手のひらに取り出し、これを皮膚や毛髪等に塗布して用いている。そのため、化粧料成分が手のひらに残存するのを免れ得ず、使用後、手を洗ってこれら残存成分を洗い流す等の必要があり、使い勝手の点において必ずしも十分でなかった。従来、このようなジェル状組成物を、噴霧器等に収容して、噴霧して用いようとしても、水鉄砲のようになり霧状に噴霧できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジェル状組成物でありながら、手にとって塗布することなく、ディスペンサー等の通常の化粧料用噴霧器に収容して、容易に霧状に噴霧して塗布することができ、しかも、使用後、静置しておくと容易にジェル状に復帰する、これまでにない、全く新しいタイプのジェル状組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、(a)下記一般式( I
Figure 0003791683
〔式中、R 1 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;R 2 は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;R 3 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し;Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。Xはハロゲン原子、R’SO 4 (ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。また、t/u=2/8〜8/2である〕で表される構成単位を有するカチオン性高分子の1種または2種以上を0.02〜0.5質量%と、(b)増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子の1種または2種以上を0.1〜0.5質量%含み、該(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、近接した複合体間で凝集による弱い結合があり、かつ、粘度(初期値)が500〜2500mPa・s(30℃)のジェル状をなし、噴霧用化粧料用容器に収容して、使用時霧状に噴霧して用いるジェル状組成物を提供する。
【0008】
さらに上記において、(a)成分が、下記式(II)
【0009】
Figure 0003791683
【0010】
(式中、t/u=2/8〜8/2である)
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩であるものが好ましい。
【0011】
上記において、(b)成分がカルボキシビニルポリマーであるものが好ましい。
【0012】
上記において、pHが6.2〜6.9であるジェル状組成物が好ましい。また上記において、噴霧用化粧料用容器が、ディスペンサータイプまたはトリガータイプのいずれかであるジェル状組成物が好ましい。
【0013】
また本発明は、上記いずれかのジェル状組成物を含む化粧料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0015】
本発明に用いられる(a)成分としてのカチオン性高分子は、下記一般式(I)
【0016】
Figure 0003791683
【0017】
で表される構成単位を有するカチオン性高分子が用いられる。
【0018】
上記式(I)中、R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。本発明ではR1としてメチル基が、R6として水素原子が特に好ましい。
【0019】
2は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜5、のアルキレン基を表す。本発明ではメチレン基が特に好ましい。
【0020】
3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜24、好ましくは1〜4、のアルキル基を表す。本発明ではR3、R4がそれぞれメチル基で、R5がエチル基であるのが特に好ましい。
【0021】
Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。本発明ではAが酸素原子であるのが好ましい。
【0022】
Xはハロゲン原子、R’SO4(ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。ハロゲン原子としてはCl、Br、Iが好ましい。R’としては炭素原子数1〜4、特には1〜2、のアルキル基が好ましい。本発明ではXがC25SO4であるのが特に好ましい。
【0023】
また、t/u=2/8〜8/2であり、好ましくはt/u=3/7〜7/3である。t/uが2/8未満では被膜形成性に劣り、例えば毛髪化粧料に用いた場合、セット力の点で問題があり、一方、t/uが8/2超ではアルコール、水に対する溶解性や、毛髪や皮膚に対する親和性などの点で問題があり、フレーキングしやすくなり、さらには吸湿性が増し、べたつきを感じ、好ましくない。
【0024】
本発明では、(a)成分としては、下記式(II)
【0025】
Figure 0003791683
【0026】
(式中、t/u=2/8〜8/2である)
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩が最も好ましく用いられる。
【0027】
なお、(a)成分の分子量は、ジェル状組成物が頭髪化粧料に用いられる場合は、1万〜1000万程度が好ましく、特には10万〜100万程度である。分子量が1万未満では頭髪化粧料としてのハリ感が得られ難く、一方、1000万超では溶解性が悪くなり基剤に配合し難くなる。
【0028】
上記一般式(I)で表されるポリマー、特には式(II)で表されるポリマーは、被膜の柔軟性に優れ、毛髪や皮膚への親和性、密着性に優れるため、毛髪や皮膚にしなやかで滑らかな風合いを与える特徴をもったポリマーである。また、本発明では透明性の点においても好ましい。これらポリマーは、GAF社(米国)の「ガフコート」シリーズや、大阪有機工業社の「HCポリマー」シリーズ等として市販されており、商業的に入手可能である。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0029】
本発明に用いられる(b)成分である、増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子としては、カルボキシビニルポリマーが好ましく用いられる。カルボキシビニルポリマーは、曳糸性がなく、アルカリ中和によって増粘性が増大する性質を有するが、曳糸性がないことから「キレ」がよく、霧状噴霧に好適である。カルボキシビニルポリマーは主としてアクリル酸の重合したものであり、カルボキシル基を有する合成高分子である。(b)成分が「非曳糸性」であることから、曳糸性増粘剤である水溶化セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、等)、ポリアクリル酸ナトリウムなどは、本発明の(b)成分には含まれない。
【0030】
(b)成分は、アルカリによってpHを調整して中和させて増粘させて用いるのが好ましい。pH調整剤としてのアルカリとしては、特に限定されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール等が好ましく用いられる。
【0031】
(b)成分は、「シンタレン」シリーズ(イタリア、V3 SIGMA社製)、「カーボポール」シリーズ(米国、B.F.グッドリッチ社製)、「ハイビスワコー」(和光純薬(株)製)等として市販されており、商業的に入手可能である。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0032】
本発明のジェル状組成物は、上記(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、さらに、近接する複合体どうしが凝集力により弱い結合をなしている。これにより、通常のジェル状組成物に比べて低い粘度でありながら、弾力感があり、しかも均一なジェルを形成することができるとともに、振盪や細孔通過(例えば、化粧料用噴霧器の噴霧孔通過、など)程度の外力によって、簡単に複合体間の凝集による弱い結合が壊されるので、使用時、簡易に霧状に噴霧して用いることができる。
【0033】
さらに、使用時に複合体間の凝集による弱い結合が崩れても、使用後、静置させておくことにより、複合体どうしが互いに凝集する性質を有することから、そのチキソトロピー性によって、再び近接する複合体間で凝集による弱い結合がなされ、弾力感のあるジェルを形成する。したがって、本発明により、静置時にジェル状をなし、使用時、噴霧器による噴霧等で簡便に霧状に噴霧塗布することができ、使用後、静置させておくと再びもとのジェルに復帰するという、全く新しいタイプのジェル状組成物が提供される。このジェル状組成物は、見た目のプリプリ感(ジェル感)にも優れ、また使用時の手触りにも優れる。また透明感も良好である。
【0034】
本発明のジェル状組成物は、粘度(初期値)が500〜2500mPa・s(30℃)である。該粘度(初期値)の下限値は、好ましくは800mPa・s(30℃)であり、より好ましくは900mPa・s(30℃)である。「粘度」は30℃におけるB型粘度計(回転数12rpm、「ビスメトロン粘度計VS−L型」 芝浦システム(株)製)での測定値による。
【0035】
なお、上記「初期値」粘度とは、製造直後〜製造後数日間の粘度をいう。この初期値粘度が上記範囲を示す限りにおいては、長期間経過後の静置時の粘度が上記範囲を超えるような場合、例えば3000〜5000mPa・s程度に増粘しても、振盪や細孔通過等によって複合体間の凝集による弱い結合が簡単に崩れ、霧状に噴霧することができる。本発明では、製造後長期期間経過した経時品の場合、静置時の粘度が上述のような本発明範囲を超える粘度を示すものであっても、これを軽く振盪することにより複合体間の凝集による弱い結合が崩れて粘度が本発明範囲に示す500〜2500mPa・s(30℃)の値に復帰するものは、本発明でいう「粘度(初期値)が500〜2500mPa・s(30℃)」の範囲に含まれる。
【0036】
本発明のジェル状組成物は、好ましくはpH6.2〜6.9程度である。
【0037】
なお、(a)成分の配合量は、組成物中に0.02〜0.5質量%程度であり、好ましくは0.05〜0.2質量%程度である。
【0038】
また、(b)成分の配合量は、組成物中に0.1〜0.5質量%程度である。
【0039】
本発明ジェル状組成物は、例えばディスペンサータイプ、トリガータイプ等の通常の噴霧用化粧料用容器に収容して、使用時に噴霧して用いることにより、容易にミスト状となって、手を汚すことなく、皮膚、毛髪に簡易に塗布することができる。
【0040】
本発明ジェル状組成物は、本発明の効果を損わない範囲において、さらに粉末成分や乳化組成物を配合することができる。
【0041】
粉末成分としては、一般に化粧料に配合し得るものであれば特に限定されるものでないが、例えば真珠光沢顔料(パール剤)、ラメ剤、体質顔料、球状有機粉末等が好ましく配合される。
【0042】
パール剤は、粉末を金属酸化物粒子で被覆して干渉光を発するものが好ましく、化粧料中におけるその安全性や分散性を改善するために、表面疎水化処理したものを使用することができる。パール剤としては、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、ベンガラ・酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆ガラスフレーク、ベンガラ・酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆アルミナフレーク、酸化チタン被覆シリカフレーク、酸化鉄・シリカ被覆アルミニウム、酸化鉄・シリカ被覆酸化鉄等が挙げられる。真珠光沢顔料(パール剤)は、例えば「フラメンコスーパーパール100(粒子径5〜40μm)」、「フラメンコサティーナ100(粒子径5〜25μm)」、「フラメンコベルベット(粒子径5〜40μm)」、「デュオクロームGY(粒子径10〜35μm)」、「チミカNu−アンチークシルバー(粒子径5〜70μm)」(以上、いずれもMearl社製)、「チミロンスーパーブルー(粒子径10〜50μm)」(メルク社製)、「ロナパールMP−45(粒子径15〜50μm)」(ロナ社製)等が市販されており好ましく用いられる。中でも「フラメンコスーパーパール100(粒子径5〜40μm)」が好ましい。
【0043】
ラメ剤としては、例えばポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、エポキシ樹脂被覆アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、ウレタン樹脂被覆アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂被覆アルミニウム末等が挙げられる。
【0044】
体質顔料としては、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0045】
球状有機粉末としては、球状ポリエチレン、ポリアミド球状樹脂粉末(ナイロン球状粉末)、架橋型ポリ(メタ)クリル酸メチル球状樹脂粉末等が挙げられる。
【0046】
特にパール剤、ラメ剤を配合することにより光彩感のある新規なジェル状組成物を得ることができた。パール剤、ラメ剤の配合量は0.001〜1.0質量%程度が好ましい。
【0047】
また、体質顔料、球状有機粉末を配合することにより手触り感を向上させることができる。体質顔料、球状有機粉末の配合量は0.001〜1.0質量%程度が好ましい。
【0048】
粉末成分は、ジェルの安定性、ディスペンサーで使用の際に噴霧でつまりを生じない等の点から、は粒子径5〜70μm程度のものが好ましく用いられる。
【0049】
乳化組成物としては、水中油型乳化型組成物、油中水型乳化型組成物等、任意の型の乳化組成物が用いられる。乳化組成物に含まれる油分としては、例えば液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油など、任意に使用することができる。乳化剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ジメチコンポリオールなどが挙げられる。
【0050】
乳化組成物を配合することにより使用時の手触りも向上させる。乳化組成物の配合量は0.001〜1.0質量%程度が好ましい。
【0051】
本発明のジェル状組成物は、例えば次のようにして製造することができる。
【0052】
すなわち、(a)成分を、水、エタノール等の水および/またはアルコール系溶媒に添加、混合して(a)成分の水および/またはアルコール系系溶液を作製する。次いで、ここに(b)成分、アルカリ(pH調整剤)を添加する。なお、添加に際しては、必要に応じ、攪拌しながら行うのが好ましい。(a)成分の水系溶液に(b)成分を添加すると、(a)成分の陽電気を帯びた部分と(b)成分の陰電気を帯びた部分との間に結合が生じ、複合体をなす。さらに、近接した複合体間で凝集力による弱い結合が起こり、弾力感のあるジェルを形成する。このものの粘度は、時間の経過とともに多少増加するが、一定時間経過後は安定し、初期値(製造直後)の粘度〜それよりも多少高い粘度を有する。この粘度は、経時的に変動することがなく安定性に優れる。
【0053】
本発明ジェル状組成物は、化粧料として用いることができる。本発明でいう化粧料には、広く、皮膚用化粧料、毛髪等に使用する任意の化粧料を含み、具体的には、化粧水、コロン、ボディミスト等の皮膚化粧料、ヘアミスト、ヘアスプレー、ヘアローション等のいわゆるヘアスタイリング剤、帯電防止用スプレー等の生活雑貨用品等が例示される。
【0054】
本発明化粧料には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内で、必要に応じて、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、固着剤等の、一般に皮膚用化粧料、毛髪用化粧料等に用いられる成分を配合してもよい。
【0055】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0056】
本実施例で行った評価試験方法および評価基準は以下のとおりである。
【0057】
[粘度]
B型粘度計(回転数12rpm、「ビスメトロン粘度計VS−L型」 芝浦システム(株)製)を用いて、30℃にて測定した。
【0058】
[霧状噴霧]
各試料をディスペンサータイプの噴霧器(「Y−150」;吉野工業(株)製)に収容し、霧状に噴霧できるかどうか、目視で観察した。
(評価)
○: 均一な霧状に噴霧できた
△: 均一な霧状にならなかった
×: 霧状に噴霧できなかった
【0059】
[外観(透明性)]
各試料の外観(透明性)を目視により観察した。
(評価)
Figure 0003791683
【0060】
[外観(見た目のプリプリ感(ジェル感)]
各試料の外観(見た目のプリプリ感(ジェル感))を目視により観察した。
(評価)
Figure 0003791683
【0061】
(比較例1、2、実施例1〜4) 下記表1に示す組成の試料(頭髪用化粧料)を調製した。調製は、(a)成分を、水・アルコール系溶媒に添加、混合して(a)成分の水・アルコール系溶液を作製した後、ここに(b)成分、アルカリ(pH調整剤)を添加して行った。なお、表1中、「ジメチコンポリオール」(*)は「SILWET 10−E」(日本ユニカー(株)製)を、「ビニルピロリドン/VA」(**)は「PV/VA S−630」(ISP社製)を、「(a)成分(***)」は、上記式(II)に示すポリマー(分子量約100万)を、「(b)成分(****)」は「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)を、それぞれ用いた。
【0062】
これら試料を化粧料用噴霧器に収容した。噴霧器は、紫外線吸収剤を0.1質量%配合した透明PETボトルで、噴霧チップ孔径0.4mmのものを用いた。
【0063】
このように化粧料用噴霧器に収容した試料を用いて、上記試験方法に基づいて、粘度、霧状噴霧、外観(透明性)、外観(見た目のプリプリ感(ジェル感))について評価した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003791683
【0065】
以下にさらに処方例を示す。以下の処方例における調製は、(a)成分を、水・アルコール系溶媒に添加、混合して(a)成分の水・アルコール系系溶液を作製した後、ここにパール剤、粉末、乳化組成物を添加し、次いで、(b)成分、アルカリ(pH調整剤)を添加して行った。
【0066】
(実施例5: ヘアミスト)
Figure 0003791683
【0067】
(実施例6: ヘアミスト)
Figure 0003791683
【0068】
(実施例7: ヘアミスト)
Figure 0003791683
【0069】
(実施例8: ヘアミスト)
Figure 0003791683
【0070】
(実施例9: ヘアミスト)
Figure 0003791683
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ジェル状組成物でありながら、手にとって塗布することなく、ディスペンサー等の通常の化粧料用噴霧器に収容して、霧状に噴霧して簡易に塗布することができ、しかも、使用後、もとのジェルに復帰する、これまでにない、全く新しいタイプのジェル状組成物を提供することができた。

Claims (6)

  1. (a)下記一般式( I
    Figure 0003791683
    〔式中、R 1 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;R 2 は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;R 3 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し;Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。Xはハロゲン原子、R’SO 4 (ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。また、t/u=2/8〜8/2である〕で表される構成単位を有するカチオン性高分子の1種または2種以上を0.02〜0.5質量%と、(b)増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子の1種または2種以上を0.1〜0.5質量%含み、該(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、近接した複合体間で凝集による弱い結合があり、かつ、粘度(初期値)が500〜2500mPa・s(30℃)のジェル状をなし、噴霧用化粧料用容器に収容して、使用時霧状に噴霧して用いる、ジェル状組成物。
  2. (a)成分が、下記式(II)
    Figure 0003791683
    (式中、t/u=2/8〜8/2である)
    で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩である、請求項記載のジェル状組成物。
  3. (b)成分がカルボキシビニルポリマーである、請求項1または2記載のジェル状組成物。
  4. pHが6.2〜6.9である、請求項1〜のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
  5. 噴霧用化粧料用容器が、ディスペンサータイプまたはトリガータイプのいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のジェル状組成物を含む、化粧料。
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