JP3791360B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、特に、ワイパ部材に付着したインクがノズル面に再付着することのないようにワイパ部材からインクを簡単な構造にて確実に払拭することができると共に、そのインクの垂れ落ちや飛散を防止することができるインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、記録媒体である記録用紙やOHPシート等に画像を形成する画像形成装置の一種であり、インクジェットヘッドに設けられた複数個のノズルから記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。かかるインクジェット記録装置においては、インクを吐出する際やノズルから劣化したインクを吸引する際に、インクがノズル面に付着することがある。このノズル面に付着したインクを放置すれば、インクの吐出方向が付着インクに引きずられ本来の方向から外れてしまい、記録結果が乱れる等の印刷不良が生じる。また、このノズル面に付着したインクにより記録媒体は汚されやすく、印刷品質を低下させる大きな一因となっている。さらに、付着インクのみならず、紙粉などが付着することによってもインクの吐出方向は影響され、印刷品質は低下することとなる。
【0003】
このため、ノズル面に付着したインクや紙粉等を除去して正常な吐出状態に回復させたり、記録媒体を汚さないようにするために、ノズル面は定期的あるいはインク吸引動作後にワイプ処理される。このワイプ処理は、弾性を有するワイパ部材にインクジェットヘッドのノズル面を押し付けながらそのインクジェットヘッドが移動することにより行われ、ノズル面を清浄する処理である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ワイプ処理をしたワイパ部材には、当然ながら、インクジェットヘッドのノズル面を払拭して集められたインクが付着する。そのインクが付着したワイパ部材を使用してワイプ処理を行うと、インクジェットヘッドのノズル面にインクを拭き残したり、そのノズル面に粘度が増したインクの薄膜が形成されたりして、清浄が不十分となるだけでなく、ノズル内に粘度が増したインクやゴミ等を押し込んで吐出不良を生じる。このため、ワイパ部材を清浄するための機構を別に設けたり、インク吸収性を有する素材にて形成した吸収体を使用して、ワイパ部材に付着したインクを除去するものが提案されているが、構造が複雑になり製造コストがかさむという問題点があった。
【0005】
かかる問題を解決するべく、図7に示すように、特公平4−77670号公報にて、ワイパ部材101を清浄するための特別な機構や吸収体を必要としない簡単な構造をしたインクジェット記録装置が開示されている。そのインクジェット記録装置には、キャリッジ102の一部を利用して突出した突出部103が設けられる。その突出部103は、キャリッジ102が移動することにより、ワイパ部材101の側面104に押し付けられて、その側面104を払拭する。キャリッジ102が更に移動することにより、払拭された側面104は、インクジェットヘッド105のノズル面106に押し付けられて、そのノズル面106を払拭する。このように、突出部103に払拭された側面104がインクジェットヘッド105のノズル面106を払拭することにより、清浄されたワイパ部材101を使用してワイプ処理を行うことができる。
【0006】
ところが、ワイパ部材101に付着していたインクを払拭した突出部103には、払拭して集められたインクが残留する。この残留したインクは、何度もワイパ部材101を払拭することによって次第に突出部103に溜まる。この突出部103に溜まったインクは、ワイパ部材101を清浄する機能を低下させてしまい、ワイパ部材101に付着したインクが十分に払拭されなくなるという問題点があった。また、この突出部103に溜まったインクは、垂れ落ちたりキャリッジ102の移動により飛散するので、装置内部や記録媒体を汚してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ワイパ部材に付着したインクを簡単な構造にて確実に払拭することができると共に、ワイパ部材を払拭して集められたインクの垂れ落ちや飛散を防止することができるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、前記清浄壁側から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少している。
【0009】
この請求項1記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
【0010】
請求項2記載のインクジェット記録装置は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、前記ワイパ清浄部に設けられた溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。
【0011】
請求項3記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した 清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、その溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。
この請求項3記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
【0012】
請求項4記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、前記清浄壁側から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少しており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備えている。
【0013】
この請求項4記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
また、インクジェットヘッドのノズル面に付着するインクは、フレームの移動により、ワイパ部材に払拭されてインク吸収部の突出部側へと集められる。その突出部側へ集められたインクは、突出部の端部に設けられた凹部の間へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれる。
【0014】
請求項5記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジ ェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、その溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設され、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備えている。
【0015】
この請求項5に記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
また、インクジェットヘッドのノズル面に付着するインクは、フレームの移動により、ワイパ部材に払拭されてインク吸収部の突出部側へと集められる。その突出部側へ集められたインクは、突出部の端部に設けられた凹部の間へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれる。
【0016】
請求項6記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設された突出部と、その突出部から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが減少しかつ前記ワイパ部材が前記移動にともない穏やかに伸ばされる角度の斜面とを備える。
この請求項6に記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
また、ワイパ部材は、フレームの移動にともない、屈曲状態から急激に解放されてインクを飛散することのないように、穏やかに伸ばされる。
請求項7記載のインクジェット記録装置は、ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支 持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えており、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記インク吸収部に設けられた溝は、前記突出部の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。
この請求項7に記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズル面をワイプ処理する場合には、フレームの移動により、ノズル面の払拭方向上流側に設けられたワイパ清浄部の清浄壁がワイパ部材に押し付けられ、そのワイパ部材は払拭される。払拭されたワイパ部材は、インクジェットヘッドのノズル面側へと移動し、そのノズル面へ押し付けられてノズル面を払拭する。ワイパ部材を払拭して清浄壁に集められたインクは、その清浄壁に連設して穿設された溝へ毛管現象により吸収される。その溝により吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着することがない。
また、インクジェットヘッドのノズル面に付着するインクは、フレームの移動により、ワイパ部材に払拭されてインク吸収部の突出部側へと集められる。その突出部側へ集められたインクは、突出部の端部に設けられた凹部の間へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置としての実施例の1つであるカラーインクジェットプリンタ100を示す斜視図である。図1において、このカラーインクジェットプリンタ100は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ61と、用紙62に印刷するためのインクジェットヘッド6を備えるヘッドユニット63と、インクカートリッジ61およびヘッドユニット63が搭載されるキャリッジ64と、このキャリッジ64を直線方向に往復移動させる駆動ユニット65と、キャリッジ64の往復移動方向に延び、インクジェットヘッド6と対向配設されるプラテンローラ66と、パージ装置67とを備えている。
【0018】
駆動ユニット65は、キャリッジ64の下端部に配設されプラテンローラ66と平行に延びるキャリッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配設されキャリッジ軸71に平行に延びるガイド板72と、そのキャリッジ軸71とガイド板72との間であって、キャリッジ軸71の両端部に配設される2つのプーリー73および74と、これらのプーリー73および74の間に掛け渡されるエンドレスベルト75とからなる。
【0019】
そして、一方のプーリ73が、モータの駆動により正逆回転されると、そのプーリ73の正逆回転に伴って、エンドレスベルト75に接合されているキャリッジ64が、キャリッジ軸71およびガイド板72に沿って、直線方向に往復移動される。
【0020】
用紙62は、カラーインクジェットプリンタ100の側方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙され、鉛直下方へ向いたインクジェットヘッド6のノズル面6aと、プラテンローラ66との間に導入される。インクジェットヘッド6のノズル面6aには、複数のノズルが設けられており、その複数のノズルからインクが吐出される。用紙62には、吐出されたインクにより印刷がなされ、その後、排紙される。なお、図1においては、用紙62の給紙機構および排紙機構の図示を省略している。
【0021】
キャリッジ64の移動方向に沿ったプラテンローラ66の側方には、インクジェットヘッド6の吐出不良を回復するためのパージ装置67が配設されている。インクジェットヘッド6は、インク中に気泡が発生したり、インクジェットヘッド6のノズル面6a上にインクや紙粉等が付着する等の原因により吐出不良を起こす。パージ装置67は、その吐出不良を起こしたインクジェットヘッド6を良好な吐出状態に回復させるために設けられる。
【0022】
このパージ装置67は、ヘッドユニット63がパージ位置にある時に、インクジェットヘッド6に対向するように配設されており、パージキャップ81と、ポンプ82およびカム83と、インク貯留部84とを備えている。パージキャップ81は、インクジェットヘッド6のノズル面6aに密着し、ポンプ82がインクジェットヘッド6の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを吸引する。ポンプ82の吸引は、カム83を回転させてポンプ82内のピストンを往復移動することにより行われる。このように、不良インクを吸引することによりインクジェットヘッド6の吐出不良を回復する。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部84に貯められる。
【0023】
パージ装置67に隣接して、プラテンローラ66側には、インクジェットヘッド6に対し相対移動可能なワイパ部材86が配設され、そのワイパ部材86の反対側には、キャップ85が配設されている。
【0024】
キャップ85は、印刷が終了してリセット位置に戻されたキャリッジ64に搭載されるインクジェットヘッド6のノズル面6aに当接して、そのノズル面6aを被覆する。ノズル面6aをキャップ85で被覆することにより、インクの蒸発を防止する。
【0025】
ワイパ部材86は、板状に形成され、その一端部がワイパホルダ90に挿入されて支持されている。このワイパ部材86は、インクジェットヘッド6側に突出して配設されており、キャリッジ64の移動に伴って、インクジェットヘッド6のノズル面6aに付着したインクや紙粉等を拭うものである。また、ワイパ部材86は、ノズル面6aを拭う場合には矢印A方向に突出し、ノズル面6aを拭わない場合には反矢印A方向に後退するようになっている。
【0026】
図2は、本実施例のヘッドユニット63の斜視図であり、図3は、図2の矢印III方向から見たヘッドユニット63の一部分を示した正面図である。図4及び図5(a)は、それぞれ図3の矢印IV及びVa方向から見たヘッドユニット63の一部分を示した側面図である。図5(b)は、そのヘッドユニット63の一部分を示した斜視図である。なお、図3では理解を容易とするためにフレーム1の一部分を断面視して図示している。
【0027】
図2に示すように、ヘッドユニット63は、その底面にインクを吐出する複数のノズル6bを備えたインクジェットヘッド6と、そのインクジェットヘッド6を支持するフレーム1とを備えている。
【0028】
フレーム1は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材の射出成形品であり、上面を開放した略箱状に形成されている。その開放した部分には、インクカートリッジ61が着脱自在に装着される。
【0029】
フレーム1の底面には、その底面の略中央にインクジェットヘッド6が矩形状に突出するように支持されている。また、そのインクジェットヘッド6を挟んだ両端側には、ワイパ清浄部11とインク吸収部16とがそれぞれ形成されている。
【0030】
インクジェットヘッド6は、インクを吐出する複数のノズル6bを有するノズルプレート23と、そのノズルプレート23を被覆する薄金属板製のカバープレート44とを備えている。そのカバープレート44は、上面を開放した箱状に形成され、その底面には2つの孔が形成されている。その2つの孔からノズルプレート23は露出されており、そのノズルプレート23に設けられたノズル6bからインクは吐出される。インクジェットヘッド6のノズル面6aは、このノズルプレート23の複数のノズル6bが形成された面とカバープレート44の底面とにより略平板状に形成されている。なお、ノズル面6aには、インクの払拭を容易にするように撥インク処理が施されている。
【0031】
ワイパ清浄部11は、ワイプ処理前にワイパ部材86を清浄するものであり、フレーム1と一体に成形されている。かかるワイパ清浄部11は、インクジェットヘッド6に隣接し突出して設けられた清浄壁12と、その清浄壁12に連設してインクジェットヘッド6の反対側に形成された多数の溝13とを備えている。
【0032】
清浄壁12は、ワイパ部材86を払拭するものであり、インクジェットヘッド6のノズル面6aと略同一高さに突出した端面12aを有する板状に形成されている。その清浄壁12の突出した端面12aは、図4に示すように、ノズル面6aと平行な直線状に形成されており、この端面12aの一部分にワイパ部材86の端部が擦られることにより、ワイパ部材86は払拭される。
【0033】
多数の溝13は、清浄壁12がワイパ部材86を払拭することにより集められたインクを吸収し、その吸収したインクを保持するものである。かかる多数の溝13は、図2及び図3に示すように、清浄壁12の端面12aより低く落ち込んだ面14に穿設されている。かかる溝13は、清浄壁12からインクジェットヘッド6の反対側へ延び、それぞれの溝13が互いに平行かつ等間隔となるように配設されている。多数の溝13が穿設されている面14は、その清浄壁12に連設してインクジェットヘッド6の反対側に形成されている。この面14は、清浄壁12側にてその端面12aの近傍にまで突出し、清浄壁12から離れるに従い高さが連続的に減少する斜面14aと、その斜面14aの一端からフレーム1の端部へ向けて延設され、インクジェットヘッド6のノズル面6aに平行な平面14bとで形成されている。ワイプ処理時にインクジェットヘッド6の移動経路内に突出したワイパ部材86の先端は斜面14aの高く形成された側にのみ接触し、平面14bにはワイパ部材86は接触しないように構成されている。
【0034】
インク吸収部16は、ワイプ処理により集められたインクを吸収するものであり、フレーム1と一体に成形されている。かかるインク吸収部16は、インクジェットヘッド6側に形成された突出部17と、その突出部17に連設してインクジェットヘッド6の反対側に形成された多数の溝18とを備えている。
【0035】
突出部17は、インクジェットヘッド6に隣接して設けられ、そのインクジェットヘッド6のノズル面6aと略同一高さに突出し、その突出した端部にインクを吸収する凹部17aが等間隔に穿設されている。凹部17aを穿設された突出部17の端部には、図5(b)に示すように、断続的に突出した端面17bが形成されている。
【0036】
多数の溝18は、凹部17aにより吸収されたインクを保持するものである。かかる多数の溝18は、突出部17からインクジェットヘッド6の反対側へと延び、それぞれの溝18が互いに平行かつ等間隔となるように配設されている。多数の溝18が穿設されている面19は、突出部17に連設してインクジェットヘッド6の反対側に形成されている。この面19は、突出部17側にてその端面17bと同一高さに突出し、突出部17から離れるに従い高さが連続的に減少する斜面19aと、その斜面19aの一端からフレーム1の端部へ向けて延設され、インクジェットヘッド6のノズル面6aに平行な平面19bとで形成されている。ワイプ処理時にインクジェットヘッド6の移動経路内に突出したワイパ部材86は、斜面19aの高く形成された側にのみ接触し、平面19bにはワイパ部材86は接触しないように構成されている。
【0037】
ここで、図4及び図5(a)に示すように、凹部17a及び多数の溝13,18の開口幅Cは、それぞれの縁にて2mmとし、深く(図3,4,5において上方)なるに従いわずかに狭くなるように抜き勾配が設けられている。このため、凹部17a及び溝13,18に捕捉されたインクは、毛管現象がより強くはたらく溝13,18の奥すなわち平面14b,19bの上方部分に吸収しかつ保持することができる。なお、本実施例では幅Cを2mmとしたが、この幅Cは、インクの粘度が高い場合やインクジェットヘッド6の移動速度が遅い場合には広くし、逆に使用するインクの粘度が低い場合やインクジェットヘッド6の移動速度が速い場合には狭くすることができる。
【0038】
次に、図6を参照して、ワイプ処理について説明する。図6は、本実施例のヘッドユニット63を使用したワイプ処理を示した正面図である。ワイプ処理は、ノズル面6aに付着したインクWや紙粉等を除去するものであり、前記パージ装置67によるパージ動作の終了後に、インクジェットヘッド6のノズル面6aに残留したインクWを除去するために行われる。
【0039】
インクジェットヘッド6のノズル面6aには、図6(a)に示すように、インクジェットヘッド6のノズルから吸引されたインクWの一部が残留する。そのインクジェットヘッド6は、パージ処理が終了するとパージ装置67に隣接するワイパ部材86側へ移動する。このとき、ワイパ部材86は、カム83による制御にて、インクジェットヘッド6の移動経路よりも下方に後退した待機位置から、ノズル面6aを払拭するべくインクジェットヘッド6の移動経路内に突出する突出位置に移動する。突出位置に移動したワイパ部材86に対して、まず、ワイパ清浄部11の斜面14aが接触し、その後に、清浄壁12が接触する。その清浄壁12は、接触したワイパ部材86を弾性変形させながら、そのワイパ部材86の先端側へと接触位置を移動し、接触した部分を払拭するべく擦っていく。ワイパ部材86を払拭して清浄壁12に集められたインクWは、その清浄壁12に連設して穿設されている溝13へ毛管現象により吸収される。このため、ワイパ部材86に接触する清浄壁12にはインクWが残留しない。よって、ワイプ処理を行う場合に常に残留インクのない清浄壁12にてワイパ部材86を払拭することができ、ワイパ部材86に付着したインクWを毎回確実に取り除くことができる。更に、清浄壁12に集められたインクWは、溝13に保持されるので、インクWの垂れ落ちや飛散を防止することができる。
【0040】
また、溝13が穿設されている斜面14aの清浄壁12側は、端面12a近傍に形成されているので、清浄壁12に溜められたインクWが少量であっても、斜面14aにインクWは接触する。その斜面14に接触したインクWは、斜面14に穿設された溝13へと導かれる。つまり、斜面14aの清浄壁12側を端面12a近傍に形成することにより、清浄壁12に集められたインクWを溝13へ確実に吸収させることができる。一方、斜面14aは、清浄壁12から離れた側が低くなるように形成されているので、かかる部分が高く形成される場合に比べてワイパ部材86は伸びた状態で清浄壁12に接触する。ワイパ部材86は、真っ直ぐな状態に近いほど端面12aより上方に多く突出し、清浄壁12とワイパ部材86とが接触する範囲は広くなる。よって、清浄壁12に払拭されるワイパ部材86の範囲を広くすることができ、よりワイパ部材86を清浄に保つことができる。
【0041】
さらに、ワイパ部材86が接触しない平面14bにも溝13が連続して形成されている。よって、清浄壁12に集められたインクWを多量に保持することができるので、長期にわたりワイパ部材86を十分に清浄することができると共に、平面14bに設けられた溝13にて保持されたインクWにはワイパ部材86が接触せず、保持されたインクWが付着することによるワイパ部材86の汚れを防止することができる。
【0042】
図6(b)に示すように、図6(a)の位置からインクジェットヘッド6が更に移動すると、ワイパ部材86とインクジェットヘッド6とが接触してワイプ処理が行われる。このワイプ処理は、インクジェットヘッド6のノズル面6aをワイパ部材86の端部へ押し付けながら移動して行われる。ワイパ部材86に付着していたインクWは、ワイプ処理前に払拭されているので、インク汚れのないワイパ部材86にてワイプ処理を実行することができる。このため、インクジェットヘッド6が清浄に保たれ、インク吐出不良やノズル面6aへ付着したインクWによる記録媒体の汚れを確実に防止することができる。
【0043】
図6(c)に示すように、図6(b)の位置からインクジェットヘッド6が更に移動していくことにより、インクジェットヘッド6のノズル面6aに付着していたインクWがワイパ部材86によって集められる。集められたインクWは、インクジェットヘッド6のノズル面6aに隣接した突出部17側へと寄せられる。その突出部17の端部に設けられた凹部17aに集められたインクWは、毛管現象により吸収され、その凹部17aに連続した溝18へとインクWは導かれる。このように、集められたインクWは、凹部17aに吸収されるので、ワイパ部材86には、インクWはほぼ残留しない。このため、払拭動作を終えたワイパ部材86が、インクジェットヘッド6に押さえつけられて撓んだ状態から解放されて真っ直ぐな状態に戻る際に、ワイパ部材86からインクWが飛散することがない。
【0044】
また、凹部17aは、突出部17におけるインクジェットヘッド6側に面して形成されている。このため、インクジェットヘッド6と突出部17との間の隙間は、凹部17aを介して溝18へと連通する。よって、インクジェットヘッド6と突出部17との間の隙間に入り込んだインクWも吸収され、その隙間に入り込んだインクWの垂れ落ちや飛散を防止することができる。
【0045】
さらに、斜面19aの角度は、弾性変形により屈曲していたワイパ部材86が移動にともない、斜面19aに接触しながら穏やかに伸ばされるように、突出部17側から穏やかに高さが減少する角度に設定されており、これにより、屈曲していたワイパ部材86が突出部17から急激に解放されてそのワイパ部材86に付着していたインクWが飛散するのを防止することができる。
【0046】
また、ワイパ部材86が接触しない平面19bにも溝18が連続して形成されている。よって、ワイプ処理により集められたインクWを多量に保持することができるので、長期にわたりインク吸収性を維持することができると共に、平面19bに設けられた溝13にて保持されたインクWにはワイパ部材86が接触せず、保持されたインクWが付着することによるワイパ部材86の汚れを防止することができる。
【0047】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0048】
例えば、本実施例においては、インクジェット記録装置としてカラーインクジェットプリンタ100を用いたが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式の複写機やファクシミリ装置などにも適用することができる。また、カラーインクジェットプリンタ100には4つのインクカートリッジ61が装着されたが、1以上の所定数のインクカートリッジ61を装着されるように構成しても良い。
【0049】
また、本実施例では、インクジェットヘッド6のノズル面6aは鉛直下方へ向けて形成されていたが、そのノズル面6aは、水平方向や鉛直上方へ向けて形成されていても良く、傾斜した方向へ向けて形成されていても良い。
【0050】
さらに、本実施例では、ワイパ清浄部11及びインク吸収部16は、フレーム1と一体に成形されていたが、フレーム1とは別の部品として成形したワイパ清浄部11及びインク吸収部16を配設することにより、ワイパ清浄部11及びインク吸収部16を形成しても良い。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、清浄壁側からインクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少している。よって、その溝が穿設されている面の清浄壁側が、その清浄壁の先端側に高く形成されることにより、清浄壁に集められたインクが少量であってもその高く形成された面にインクを接触させることができ、そのインクが接触した面に穿設された溝にインクを確実に吸収させることができる。また、清浄壁から離れた側が低く形成されるので、高く形成される場合に比べて清浄壁の移動経路内に突出したワイパ部材は伸びた状態で清浄壁に接触する。したがって、清浄壁の移動経路内にワイパ部材が多く突出するので、清浄壁に払拭されるワイパ部材の範囲を広くすることができ、よりワイパ部材を清浄に保つことができるという効果がある。
【0052】
請求項2記載のインクジェット記録装置によれば、請求項1に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、ワイパ清浄部に設けられた溝は、清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。よって、高い面にのみワイパ部材が接触するようワイパ部材の突出量を調整することにより、ワイパ部材に付着したインクを高い面に設けられた溝に吸収させ、その吸収したインクを低い面にまで連続して穿設された溝に保持させることができる。このため、ワイパ清浄部に設けられた溝に多量のインクを保持させることができ、長期にわたりワイパ部材を十分に清浄することができるという効果がある。
【0053】
請求項3記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭 し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、ワイパ清浄部に設けられた溝は、清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。よって、高い面にのみワイパ部材が接触するようワイパ部材の突出量を調整することにより、ワイパ部材に付着したインクを高い面に設けられた溝に吸収させ、その吸収したインクを低い面にまで連続して穿設された溝に保持させることができる。このため、ワイパ清浄部に設けられた溝に多量のインクを保持させることができ、長期にわたりワイパ部材を十分に清浄することができるという効果がある。
【0054】
請求項4記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、清浄壁側からインクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少している。よって、その溝が穿設されている面の清浄壁側が、その清浄壁の先端側に高く形成されることにより、清浄壁に集められたインクが少量であってもその高く形成された面にインクを接触させることができ、そのインクが接触した面に穿設された溝にインクを確実に吸収させることができる。また、清浄壁から離れた側が低く形成されるので、高く形成される場合に比べて清浄壁の移動経路内に突出したワイパ部材は伸びた状態で清浄壁に接触する。したがって、清浄壁の移動経路内にワイパ部材が多く突出するので、清浄壁に払拭されるワイパ部材の範囲を広くすることができ、よりワイパ部材を清浄に保つことができるという効果がある。
また、インクジェットヘッドのノズル面を払拭したワイパ部材に集められたインクは、インク吸収部の突出部に設けられた凹部へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれるので、払拭して集められたインクがインクジェットヘッドの払拭方向下流側へ付着したり、ワイパ部材が撓んだ状態から真っ直ぐな状態に戻る際に、集められたインクが飛散することを防止することができるという効果がある。また、インクが凹部及びその凹部に連続した溝に保持されるので、インク吸収性を有する吸収体をわざわざ設けてインクを吸収させる必要がなく、インクの吸収機能を低コストで具備することができるという効果がある。
【0055】
請求項5記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、ワイパ清浄部に設けられた溝は、清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。よって、高い面にのみワイパ部材が接触するようワイパ部材の突出量を調整することにより、ワイパ部材に付着したインクを高い面に設けられた溝に吸収させ、その吸収したインクを低い面にまで連続して穿設された溝に保持させることができる。このため、ワイパ清浄部に設けられた溝に多量のインクを保持させることができ、長期にわたりワイパ部材を十分に清浄することができるという効果がある。
また、インクジェットヘッドのノズル面を払拭したワイパ部材に集められたインクは、インク吸収部の突出部に設けられた凹部へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれるので、払拭して集められたインクがインクジェットヘッドの払拭方向下流側へ付着したり、ワイパ部材が撓んだ状態から真っ直ぐな状態に戻る際に、集められたインクが飛散することを防止することができるという効果がある。また、インクが凹部及びその凹部に連続した溝に保持されるので、インク吸収性を有する吸収体をわざわざ設けてインクを吸収させる必要がなく、インクの吸収機能を低コストで具備することができるという効果がある。
【0056】
請求項6記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、フレームは、インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設された突出部と、その突出部からインクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが減少しかつワイパ部材が移動にともない穏やかに伸ばされる角度の斜面とを備える。よって、弾性を利用してノズル面を払拭するワイパ部材は、連続的に高さが減少している部分に沿って穏やかに伸ばされるので、ワイパ部材に付着したインクの飛散を確実に防止することができるという効果がある。
請求項7記載のインクジェット記録装置によれば、ワイプ処理の前に、ワイパ部材に付着していたインクは、ワイパ清浄部の清浄壁に払拭され、その清浄壁に連設された溝へ毛 管現象を利用して吸収される。よって、常に残留インクのない清浄壁でワイパ部材を払拭し、ワイパ部材を清浄に保つことができ、また、この払拭された清浄なワイパ部材でノズル面を払拭することができる。このため、ノズル面を清浄に保つことができ、インクの吐出不良やノズル面へ付着したインクによる記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。また、払拭して集められたインクの清浄壁上への残留を防止することができるので、残留したインクの垂れ落ちや飛散による装置内部や記録媒体の汚れを防止することができるという効果がある。さらに、ワイパ部材を清浄するための特別な機構やインク吸収性を有する素材からなる吸収体を必要としないので、ワイパ部材を清浄する機能を低コストで具備することができるという効果がある。また、溝に吸収されたインクは、ワイパ部材に接触しない高さにあるので、ワイパ部材に再び付着してノズル面を汚すことがない。
また、インクジェットヘッドのノズル面を払拭したワイパ部材に集められたインクは、インク吸収部の突出部に設けられた凹部へ毛管現象により吸収され、その凹部に連続した溝へと導かれるので、払拭して集められたインクがインクジェットヘッドの払拭方向下流側へ付着したり、ワイパ部材が撓んだ状態から真っ直ぐな状態に戻る際に、集められたインクが飛散することを防止することができるという効果がある。また、インクが凹部及びその凹部に連続した溝に保持されるので、インク吸収性を有する吸収体をわざわざ設けてインクを吸収させる必要がなく、インクの吸収機能を低コストで具備することができるという効果がある。
また、インク吸収部に設けられた溝は、突出部の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されている。よって、高い面にのみワイパ部材が接触するようワイパ部材の突出量を設定することにより、ノズル面を払拭して集められたインクを高い面に設けられた溝に吸収させ、その吸収したインクを低い面にまで連続して穿設された溝に保持させることができる。このため、インク吸収部に設けられた溝に多量のインクを保持させることができ、長期にわたりインク吸収性を維持することができるという効果がある。また、高い面にのみ接触するよう突出量を調整されたワイパ部材は低い面に接触しないので、その低い面に設けられた溝にて保持されたインクにはワイパ部材が接触せず、保持されたインクが付着することによるワイパ部材の汚れを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるカラーインクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】 ヘッドユニットの斜視図である。
【図3】 図2の矢印III方向から見たヘッドユニットの正面図である。
【図4】 図3の矢印IV方向から見たヘッドユニットの右側面図である。
【図5】 図5(a)は図3の矢印Va方向から見たヘッドユニットの左側面図であり、図5(b)は図5(a)の矢印b方向から見たヘッドユニットの斜視図である。
【図6】 ワイプ処理時のヘッドユニットの動作を示す正面図である。
【図7】 従来のワイパ部材を払拭している状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
6 インクジェットヘッド
6a ノズル面
11 ワイパ清浄部
12 清浄壁
13,18 溝
16 インク吸収部
17 突出部
17a 凹部
86 ワイパ部材
100 カラーインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
Claims (7)
- ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、前記清浄壁側から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少していることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記ワイパ清浄部に設けられた溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、その溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、前記ワイパ清浄部の溝が穿設された面の少なくとも一部分は、前記清浄壁側から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが連続的に減少しており、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、
そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、その溝は、前記清浄壁の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設され、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、
そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設された突出部と、その突出部から前記インクジェットヘッドの反対方向へ向けて離れるに従い高さが減少しかつ前記ワイパ部材が前記移動にともない穏やかに伸ばされる角度の斜面とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - ノズル面に開口したノズルからインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドと、そのインクジェットヘッドを支持し記録媒体に沿って往復移動するフレームと、そのフレームに支持された前記インクジェットヘッドのノズル面の移動経路内に突出してそのノズル面を払拭するワイパ部材とを備えたインクジェット記録装置において、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向上流側に配設されたワイパ清浄部を備え、
そのワイパ清浄部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッドのノズル面と略同一高さに突出した清浄壁と、その清浄壁に連設して前記ワイパ部材が当接しない高さで前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、
前記フレームは、前記インクジェットヘッドのノズル面に対しそのノズル面の払拭方向下流側に隣接して配設されたインク吸収部を備え、
そのインク吸収部は、前記インクジェットヘッド側に形成されそのインクジェットヘッ ドのノズル面と略同一高さに突出しその突出した端部間に所定の隙間を空けて穿設された凹部を有する複数の突出部と、その突出部に設けられた凹部に連続して前記インクジェットヘッドの反対側に相互に所定の隙間を空けて穿設された毛管現象を生じる多数の溝とを備え、
前記インク吸収部に設けられた溝は、前記突出部の端部側に高く突出した高い面から、その高い面よりも低く落ち込んだ低い面にまで連続して穿設されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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