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JP3791067B2 - 光触媒組成物およびガラス物品 - Google Patents

光触媒組成物およびガラス物品 Download PDF

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JP3791067B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光触媒組成物とその形成剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体微粒子が禁制帯ギャップを越えるエネルギの光を吸収すると、電子−正孔対が励起子を作る。この励起子がその構造緩和の過程で電荷移動や表面捕捉反応を起すと、それぞれ還元反応・酸化反応を進行させ、光エネルギと化学エネルギの変換が行われる。かかる半導体を用いた光触媒反応は、太陽エネルギから直接燃料を作る方法として注目されたが、最近は環境浄化への応用を目指す動き〔化学と工業 48,167(1995)〕を強めている。
【0003】
光触媒としては、酸化チタンが報告されている〔Nature 237,37(1972)〕。酸化チタンはそれ自体無害であるうえ、その光触媒反応においては光源に太陽光が利用でき、固体表面で強い酸化力を発現して多くの有機物をその最終状態にまで酸化させる。それゆえ、防汚、防臭、抗菌または有害物の無毒化といった、環境浄化の目的にも有効に機能すると考えられ、これまでにも種々の具体的提案がなされている。また、本来親水性である酸化チタンのクリーンな表面を防汚効果によって常に露出させる〔日化誌,8(1986)〕ことになるから、親水性が維持され、防曇性発現にも寄与することが知られている。
【0004】
例えば酸化チタン粒子を水中に分散させた系で、トリクロロエチレンが二酸化炭素や塩素イオン等に分解されることが報告されている〔J.Catal.82,404(1983)〕。しかしこのような系では分散された酸化チタンの分離、回収が困難なため、工業的利用には進展していない。
【0005】
酸化チタンを固定化させる手法も種々提案されている。例えば水中に解膠させた酸化チタンゾルを基板上に施し、乾燥後、500℃程度で熱処理して調製した酸化チタン被膜は、高い触媒活性を持つ粒子と同等の触媒効果を発現したことが報告されている〔Chem.Lett.,723(1994)、特開平6−278241号公報〕。しかしながらこのようにして形成された酸化チタン被膜は、一時的に膜状形態を持つが、脆く、容易に破壊されて触媒効果を失う欠点があった。
【0006】
またシリカゲルに酸化チタン粒子を担持させる試みもなされている〔Bull.Chem.Soc.Jpn.61,359(1988)、J.Ceram.Soc.Jpn.102,702(1994)〕が、実質的に触媒濃度を下げてしまい、実用的ではなかった。
【0007】
さらに、酸化チタン粒子を加える、または釉薬で酸化チタン粒子を固定する等の方法で製造された抗菌タイルも提案されている〔国際公開WO94/11092号〕。しかしながらこのような方法も、触媒粒子の表面を広く遮蔽してしまうことから触媒活性は低く、実用的ではなかった。
【0008】
この活性の低さを補うため、さらに銀イオン等を担持させて抗菌性を改良した衛生陶器の提案〔日経マテリアルズ&テクノロジー(144)57(1994)、工業材料43,96(1995)〕もなされたが、防汚性は乏しいものであった。
【0009】
一方、ゾル・ゲル法による金属酸化物膜の形成方法を用い、基板上に酸化チタンの被膜を設ける試みもなされている。例えば酸化チタンをコートした石英板や石英管を用い、水中のトリクロロエチレンを分解できることが報告されている〔特開平7−100378号公報、水環境学会誌17,324(1994)〕。しかしながらこれらの酸化チタンコート層は、製膜工程を数回〜20回程繰返して初めて光触媒活性を発現できるもので、工業的な利用はほとんど行われていない。
【0010】
さらに微細粒子を重ねた形状で被膜形成できるCVD膜〔J.Chem.Soc.,Faraday Trans.1,81,3117(1985)を用い、粒子同等の高い触媒活性を発現しようとした試み〔J.Photochem.Photobiol,A,50,283(1989)〕や、たばこのヤニを光分解したとする発表〔日刊工業新聞1995年1月5日〕もなされたが、ゾル・ゲル法膜と同様、厚膜にして初めて触媒活性が発現される〔光触媒反応の最近の展開、12(1994)〕もので、工業的利用は困難なものであった。
【0011】
このように、無尽蔵な太陽光を利用して環境浄化の働きを発揮し得る酸化チタンではあるが、その工業利用はあまり進んでいない。
【0012】
酸化チタンは通常、大きく分けてアナターゼ型とルチル型の2つの結晶相を持ち、両相ともに光触媒活性を示すことが知られている。一般にはアナターゼ型の方が高い効果を持つものと考えられてはいるが、活性化の因子は結晶系以外にも多く、一概には決められない。
【0013】
酸化チタンのような半導体微粒子のエネルギバンド構造には量子サイズ効果が見られ、その光吸収波長域は粒子径にも依存する。光触媒向けとして市販されている酸化チタン粒子は、粒径、活性表面等を制御して高い触媒活性を発現できた。しかしながら上述のように有効な固定化方法が見出せない状況にあった。
【0014】
一方、ガラス等の基板上にゾル・ゲル法やスパッタリング等で酸化チタン膜を設けると、通常アナターゼ型相が得られる。これらのアナターゼ型の酸化チタン膜のUVスペクトルを観察すると、400nm近傍の光とはほとんど相互作用を持たないことが報告されている〔J.Mater.Sci.23,2259(1988)、Bull.Chem.Soc.Jpn.67,843(1994)〕。したがって太陽光からは励起に必要なエネルギは得られず、触媒活性はほとんど見られなかった。
【0015】
ゾル・ゲル法で得られたアナターゼ型を1000℃で焼成すると、ルチル型相に転位する〔J.Mater.Sci.28,2353(1993)〕。また、チタンアルコキシドとジエタノールアミンのアルコール溶液から調製されたゾルを用い、650℃で焼成してもルチル型相が得られる〔溶融塩31,158(1988)〕。
【0016】
これらのルチル型は白濁を呈するものの、400nm近傍の光と強い相互作用を持つことから太陽光下でも強い活性を発現するものと期待されたが、実際はこれらの膜もほとんど触媒効果を発現しなかった。これは、ルチル型膜が触媒活性の小さい(110)面に配向するためと考えられている〔化学工業、1988,482、Chem.Lett.,1994,855〕。
【0017】
このように、酸化チタンの固定化方法として有効であると期待されたゾル・ゲル法等による膜形成方法ではあったが、アナターゼ型では太陽光を吸収せず、ルチル型では活性を持たないといった課題を有していたため、従来はかかる酸化チタン膜を太陽光下で有効に利用することができなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、太陽光や室内照明光の下で、優れた触媒活性を発現する光触媒組成物の提供を目的とする。
【0019】
本発明は、また、酸化チタンの固定化が容易にでき、実用的な光触媒組成物を製造できる光触媒組成物形成剤の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水性酸化チタンゾルと、酸化チタン前駆体化合物の水溶液および/または水分散液とが混合されてなる光触媒組成物形成剤を用いて形成された光触媒組成物であって、前記酸化チタン前駆体化合物が、ペルオキソチタン酸および/またはペルオキソチタン酸の部分縮合体であり、かつ前記水性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子の少なくとも60%がアナターゼ型である光触媒組成物を提供する。
【0021】
一般に微細な粒子からなる粉体は複数粒子の強く凝結した集合体となるため、無駄にする表面特性も多く、取扱も困難であった。酸化チタン粒子も同様ではあるが、特定の助剤のもとで水に解膠、分散され、安定な水性酸化チタンゾルを形成することが知られていた。また、広く市販もされており、容易に入手可能であった。
【0022】
本発明においては、水の中にあっても安定に存在し、しかも加熱処理を施すことにより酸化チタンに変換可能な、水溶性の酸化チタン前駆体化合物を用いる。したがって、近年、普及化の傾向にある水性コート剤としての用途に好適である。
【0023】
本発明における水性酸化チタンゾルとしては、水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解膠されたゾルの全てが挙げられる。
【0024】
酸化チタン粒子としては、アナターゼ、ルチル等の結晶質、または非晶質ともに使用できる。かかるゾルの調製は公知であり、容易に製造できる。例えば、硫酸チタンや塩化チタンの水溶液を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物を、硝酸、塩酸、またはアンモニア水等の作用の下に解膠させると、水性酸化チタンゾルが得られる。
【0025】
本発明においては、酸やアルカリを使用せず、凝集物を強力なずり応力の下で水中に分散させたゾルをも用い得る。さらに水性酸化チタンゾルは、チタニアゾルとして市販もされており、容易に入手できる。
【0026】
水性酸化チタンゾルはまた、市販の酸化チタン粒子を酸やアルカリの作用の下に解膠したり、強力なずり応力の下に水中に分散させることによっても調製でき、そのようにして調製されたゾルも用い得る。
【0027】
水性酸化チタンゾルは、平均粒径が1〜300nmの酸化チタン粒子が分散されてなる水性酸化チタンゾルであることが好ましい。該酸化チタン粒子は光触媒組成物を構成する。平均粒径が1nmより小さいと相互作用を持つ光の波長域が小さくなり、太陽光エネルギでは活性を持たなくなる。300nmより大きいと高い活性を得にくくなる。特に、1〜100nmであることが好ましい。
【0028】
なお、本発明における平均粒径とは、一次粒子と凝集粒子との混合物の平均粒径の意である。
【0029】
本発明における酸化チタン前駆体化合物は、水溶液および/または水分散液として用いる。
【0030】
本発明における酸化チタン前駆体化合物としては、水中にあっても安定に存在できる全ての酸化チタン前駆体化合物が使用可能である。例えば、ペルオキソチタン酸、ペルオキソチタン酸の部分縮合物、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどが挙げられる。取扱いが容易なことから、ペルオキソチタン酸および/またはペルオキソチタン酸の部分縮合物が好ましく用いられる。
【0031】
ペルオキソチタン酸、ペルオキソチタン酸の部分縮合物は、特開昭62−252319号公報等に記載されている方法で得られる。例えば、チタンのアルコキシドと過酸化水素水を冷却しながら混合撹拌した後、遊離したアルコールやその酸化物等を除去することにより、ペルオキソチタン酸の水溶液を調製することができる。かかる水溶液を90℃前後で加熱処理することにより、ペルオキソチタン酸が部分的に縮合した重合体を含有する溶液および/または分散液が得られる。
【0032】
また、塩化チタンやチタンアルコキシド等を加水分解して調製した酸化チタン水和物のスラリーに、過酸化水素水を加えて混合、撹拌、溶解させることによっても、ペルオキソチタン酸の水溶液が得られる。
【0033】
本発明の光触媒組成物成形剤は、上述の水性酸化チタンゾルと酸化チタン前駆体化合物の水溶液および/または分散液を混合して製造される。
【0034】
水が共通の溶媒となることから、特殊な操作を必要とせず、単純に混合するだけで混合液を製造できる。
【0035】
両者の混合は、pHを調製する等の処置を施すことにより、容易に行える。また、一方を撹拌しながら他方を徐々に加えることにより、pHや濃度の大きく異なる場合であっても、ゲル化等の不都合を起こすことなく、混合できる。また、組合せによっては両者を一度に混合した後、1〜2分間撹拌することでも、不都合なく混合液を製造できる。
【0036】
通常ペルオキソチタン酸等の水溶液および/または分散液のpHは、その重合度にも依存するが、5〜10の範囲にある。かかる水溶液および/または分散液と、pHが5以上の水性酸化チタンゾルとの混合は、何ら特別な操作を必要とせず、容易に行なえ、安定な混合液が製造できる。こうして得られた混合液は、本発明の光触媒組成物用成形剤として好適であり、強靱で高活性な光触媒組成物が製造できる。
【0037】
一方、pHが5より小さい水性酸化チタンゾルとペルオキソチタン酸等の水溶液および/または分散液の混合は、初期において急激に増粘する場合がある。しかしながらかかる場合においても、撹拌を続けたり強力なずり応力を加える等の処置を施すことによりチキソトロピックに低粘度化し、本発明の光触媒組成物用形成剤を製造できる。
【0038】
本発明の光触媒組成物形成剤には、他の成分を加えることができる。界面活性剤類、消泡剤類、粘度調整剤類等の添加は、一般に成形加工性を高める目的から行われており、本発明にも有効である。
【0039】
また、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、酸類、アルカリ類、ジアセトンアルコール、ジメチルスルホキシド、テトラメチルスルホン、ニトロベンゼン、ポリエチレングリコール等が必要に応じて添加できる。
【0040】
本発明の光触媒組成物は、水性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子(第1成分)と、酸化チタンの前駆体化合物から形成される酸化チタン(第2成分)とから構成される。こうした構成とすることで、高い触媒活性と優れた形態保持性が得られる。
【0041】
本発明の光触媒組成物は、触媒活性の高い第1成分を、第2成分で固定したもので、相互に補完しあって、高い触媒活性と形態安定性、耐久性を発現する。
【0042】
本発明において「組成物」とは、第1成分と第2成分とから構成されるものであればその形態は特に限定されない。
【0043】
光触媒の作用部位は前述の如く表面であることから、粒子状形態が最も効果的であるが、反応の場のみならず反応後の取扱いも含め、粒子の取扱いは困難である。一方、バルクなブロック形態では表面の利用効率が低い。したがって成形加工性、取扱性、利用効率等の点から、膜の形態であるのが最も有効である。
【0044】
膜状の形態を取る場合、その膜厚は薄いほど利用効率は高いが、成形性の観点から、膜厚は5nm以上であることが好ましい。また厚くしても利用効率を上げることは少なくなることから、膜厚は100μm以下であることが好ましい。
【0045】
本発明の光触媒組成物形成剤を基板上に塗布し、乾燥させ、熱処理すること等により、本発明の光触媒組成物からなる膜を形成できる。
【0046】
塗布方法としては、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。
【0047】
本発明の光触媒組成物形成剤を用いると薄膜成形が容易となり、得られる薄膜の触媒活性も高い。また、透明膜または半透明膜も容易に成形できるため、光エネルギを有効に取込むことができる。
【0048】
第1成分の酸化チタン粒子の粒径と水性酸化チタンゾルのpH、製膜プロセス等を制御して、平均粒径を100nm以下に保持することにより透明膜を調製することができる。
【0049】
かかる透明膜は、透明材料からなる成形体にも適用でき、基材の持つ外観、表情を損なうことなく、新たな機能を付与できる。透明材料としては、ガラスであるのが特に好ましい。
【0050】
第1成分の酸化チタン粒子は、太陽光等からの光を吸収して励起され、光触媒活性発現に寄与する。本発明における酸化チタン粒子は、一次粒子に近い形状および/または軽く凝集した形状で存在し、高い触媒活性を実現している。
【0051】
成分の酸化チタン粒子は結晶性であることが好ましい。特に、酸化チタン粒子の少なくとも60%がアナターゼ型であることが好ましい。
【0052】
第1成分の酸化チタン粒子中には、40%を超えない範囲でルチル型結晶を含有し得る。ルチル型結晶は、アナターゼ型より低いエネルギの光でも励起されることから、ルチル相に形成された励起子がアナターゼ相に作用し、本発明の光触媒組成物をより高活性にできるものと期待される。
【0053】
第2成分の酸化チタンは、第1成分の酸化チタン粒子を固定して形態を保持するバインダーの働きを担うとともに、光触媒効果の発現にも寄与する。
【0054】
通常、第2成分における酸化チタンは、ゾル・ゲル法で形成された薄膜同様、ほとんど触媒作用を持たないものと考えられる。しかし本発明においては、ミクロの分散された第1成分の酸化チタン粒子に吸収された光エネルギの一部が第2成分の酸化チタンに伝達され、これが励起エネルギとなって触媒活性を発現させているものと判断される。
【0055】
本発明の光触媒組成物を構成する第1成分の酸化チタン粒子は、平均粒径が1〜300nmであることが好ましい。1nmより小さいと相互作用を持つ光の波長域が小さくなり、太陽エネルギでは活性を持たなくなる。一方、300nmよりも大きいと、強靱な光触媒組成物の成形体が得にくくなる。
【0056】
第1成分の酸化チタン粒子の含有量は、光触媒組成物に対し0.5〜98重量%であることが好ましい。0.5重量%以上で限られた光エネルギを有効に取り込むことができ、98重量%以下で粒子が強力に固定され、高い光活性と耐久性がともに実現される。
【0057】
第2成分の酸化チタンの含有量は、優れた形態保持性が得られることから、光触媒組成物に対し2重量%以上であることが好ましい。
【0058】
本発明の光触媒組成物には、その他にも、Pd、Ptといった金属類、V(IV)、Mn(III) 、Fe(III) 、Ni(II)、Mo(V)、Ru(III) 、Rh(III) 、Re(V)、Os(III) といった金属イオン類、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化銀、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムといった金属酸化類等、目的に応じた種々の材料を添加することができる。
【0059】
本発明の光触媒組成物は、多くの有機物をその最終段階にまで酸化し、抗菌、防汚、防臭、防曇性等を発現する。膜状に成形された本発明の光触媒組成物は、種々の形状の基体に適用できることから、さまざまな製品に抗菌、防汚、防臭、防曇性等を付与できる。
【0060】
本発明の光触媒組成物を表面に施したガラス、セラミックス、タイル、セメント、コンクリート等は、窓、鏡、壁、屋根、床、天井、内装材等に用いられる。汚れの付着や藻の発生を防止できることから、ソーラー電池、ソーラー温水器の受光面に用いるのも効果的である。さらにガラスビーズ、バルーン等の表面に施し、水中、水面に設置して、水の浄化等に用いるのも有効である。
【0061】
【作用】
本発明の光触媒組成物は、太陽光等の一般住環境下で得られる光エネルギでもって励起され、高い触媒活性を示す。光エネルギ源としては、一般の室内照明灯である蛍光灯の発する光においても有効である。さらにブラックライト、フィラメントランプ、キセノンランプ、水銀灯からの光等に対しても有効である。
【0062】
本発明の光触媒組成物は、光エネルギの取込みと触媒活性作用を機能的に結び付け、高効率の光触媒作用を発現している。
【0063】
触媒がその機能を発現するためには、a)光エネルギを吸収する、b)吸収したエネルギで励起子を形成する、c)励起子は反応の場に移動してその触媒機能を発現する、といった経路を経る。酸化チタンは現在最も実用的で優れた光触媒であると考えられている。
【0064】
しかもバンドギャップに相当するエネルギを持つ光の波長が400nm前後であることから、酸化チタン微粒子は、太陽光からも充分な励起エネルギを吸収し、形成された励起子が表面に移動して触媒作用を発現する。
【0065】
本発明の光触媒組成物を構成する第1成分である酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子の持つ光活性を損なうことなく固定化されたもので、かかる作用を担い、きわめて高い触媒効果を発揮する。
【0066】
一方、本発明の光触媒組成物を構成する第2成分である酸化チタンは、第1成分である酸化チタン粒子を利用しようとする位置、形態に固定する作用を担っている。しかも第2成分の酸化チタンは、従来有効にその触媒活性を引出せなかった薄膜形状にあっても、高活性を発現する。
【0067】
これは、第1成分の酸化チタン粒子が薄膜中の第2成分の酸化チタンと相互作用し、活性化させたためと判断される。すなわち前記の経路c)における励起子は、粒子/膜界面に移動して膜中の第2成分の酸化チタンに作用し、新たな励起子を形成する。かかる励起子が膜表面に移動し、高い触媒活性を発現する。
【0068】
【実施例】
(実施例1)
1リットルの冷水を撹拌しながら、これに、予め冷却しておいた20gの四塩化チタンを少量ずつ加えた。次に所定量の29%アンモニア水を加えて中和した後、室温下に静置したら、酸化チタン水和物の沈殿を生じた。この沈殿物を濾過して取出し、よく水洗した後、純水中に超音波を照射しながら分散させて、酸化チタン濃度2重量%の分散液200gを得た。これに30%の過酸化水素水28.1gを加え、70℃にて3時間撹拌後耐圧容器に移し、95℃にて2日間処理して、酸化チタン濃度1.72重量%のペルオキソポリチタン酸の水溶液(A)を得た。
【0069】
(A)の12gに、pH10、平均粒径10nm、酸化チタン濃度15.1重量%(いずれもカタログ記載値)であるチタニアゾル(a)〔多木化学(株)製〕の3.19gを加えて混合、撹拌し、酸化チタン膜形成剤(1)を得た。
【0070】
この(1)を市販のフロートガラスにスピンコートして100℃で乾燥後、500℃で10分間焼成すると、(A)から形成された酸化チタンマトリクス中に(a)から形成された酸化チタン粒子(平均粒径25〜35nm)が均質に配置され、膜厚が110nmである、透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0071】
(実施例2)
実施例1の(a)の代りにpH1.5、平均粒径7nm、酸化チタン濃度30重量%(いずれもカタログ記載値)であるチタニアゾル(b)の1.6gを用いたことを除き、実施例1と同様にして酸化チタン膜形成剤(2)を得た。
【0072】
この(2)を実施例1と同様にして市販のフロートガラスにスピンコートし、膜厚が150nmである、曇りガラス調の酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0073】
(実施例3)
チタンイソプロポキシドを28g含有するイソプロパノール溶液80gに、7gの水を含有するイソプロパノール溶液40gを加えて混合、撹拌した後、室温下に静置したら、酸化チタン水和物の沈殿を生じた。この沈殿物をよく洗浄した後、超音波照射しながら水に分散させて、酸化チタン濃度1.9重量%の分散液200gを得た。これに30%の過酸化水素水26.5gを加え、70℃にて3時間撹拌後耐圧容器に移し、95℃にて2日間処理して、酸化チタン濃度1.66重量%のペルオキソポリチタン酸の溶液(B)を得た。
【0074】
実施例1の(A)の代りにこの(B)の12.4gを用いたことを除き、実施例1と同様にして、酸化チタン膜形成剤(3)を得た。そして、実施例1と同様にして、(B)から形成された酸化チタンマトリクス中に(a)から形成された酸化チタン粒子(平均粒径25〜35nm)が均質に配置され、膜厚100nmの透明酸化チタン膜付きガラスを得た。
【0075】
(実施例4)
25.6gのチタンイソプロポキシド、3.3gのジルコニウムノルマルプロポキシド、および少量の1プロパノールを含有するイソプロパノールの溶液100gに、7.2gの水を含有するイソプロパノール溶液40gを加えて混合、撹拌した後、室温下に静置したら、白色の沈殿を生じた。この沈殿物をよく洗浄した後、超音波を照射しながら水に分散させ、固形分濃度2.1重量%の分散液200gを得た。これに30%の過酸化水素水28.3gを加え、70℃にて3時間撹拌後耐圧容器に移し、95℃にて2日間処理して、固形分濃度1.85重量%の、ジルコニウムを含有したペルオキソチタン酸の水溶液(C)を得た。
【0076】
この(C)の15gに、pH11.5、平均粒径20nm、酸化チタン濃度35重量%(いずれもカタログ記載値)であるチタニアゾル(c)〔石原産業(株)製〕の0.8gを加えて混合、撹拌し、酸化チタン膜形成剤(4)を得た。
【0077】
実施例1の(1)の代りに(4)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、(C)から形成された酸化チタンマトリクス中に(c)から形成された酸化チタン粒子(平均粒径50〜60nm)が均質に配置され、膜厚130nmの、ジルコニウムを含有した透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0078】
(実施例5)
22.7gのチタンイソプロポキシド、5.3gのテトラプロポキシシランを含有するイソプロパノールの溶液150gに、9gの水を含有するイソプロパノール溶液50gを加えて混合、撹拌した後、室温下に静置したら、白色の沈殿を生じた。この沈殿物をよく洗浄した後、超音波を照射しながら水に分散させ、固形分濃度2.3重量%の分散液200gを得た。これに30%の過酸化水素水35gを加え、70℃にて3時間撹拌後耐圧容器に移し、95℃にて2日間処理して、固形分濃度1.98重量%の、シリコンを含有したペルオキソチタン酸の水溶液(D)を得た。
【0079】
この(D)の12.9gに(a)の0.45gを加えて混合、撹拌し、酸化チタン膜形成剤(5)を得た。
【0080】
この(5)を市販のフロートガラスにスピンコートして100℃で乾燥後、650℃で焼成して、膜厚25nmの透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0081】
(実施例6)
(A)の15gに(a)の0.3gを加えて混合、撹拌し、酸化チタン膜形成剤(6)を得た。
【0082】
実施例5の(5)の代りに(6)を用いたことを除き、実施例5と同様にして、膜厚30nmの透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0083】
(実施例7)
(B)の15gに(a)の0.58gを加えて混合、撹拌し、酸化チタン膜形成剤(7)を得た。
【0084】
実施例5の(5)の代りに(7)を用いたことを除き、実施例5と同様にして、膜厚30nmの透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0085】
(比較例1)
実施例1の(1)の代りに(A)をそのまま用いたことを除き、実施例1と同様にして、膜厚100nmの透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0086】
(比較例2)
比較例1の(A)の代りに実施例3の(B)をそのまま用いたことを除き、比較例1と同様にして、膜厚110nmの透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0087】
(比較例3)
比較例1の(A)の代りに実施例4の(C)をそのまま用いたことを除き、比較例1と同様にして、膜厚100nmの、ジルコニウムを含有した透明酸化チタン膜が付いたガラスを得た。
【0088】
(比較例4)
酸化チタン膜を付けない市販のフロートガラスを用意した。
【0089】
以上の実施例1〜4および比較例1〜4のガラスについて、防汚特性と光触媒活性を調べ、表1に示した。
【0090】
防汚特性は、市販水溶性染料の5%エタノール溶液でマークした後、10時〜16時の6時間太陽光下に暴露し、次式で求めた汚染物除去率で評価した。
【0091】
汚染物除去率(%)=(△E1 −△E2 )/△E1 ×100、ここで△E1 は汚染物マークガラスの膜付きガラスに対する色差、△E2 は汚染物マークガラスを6時間太陽光下に暴露した後の膜付きガラスに対する色差を示す。
【0092】
光触媒活性は、アセトアルデヒドの分解速度から評価した。測定は、密閉容器に所定量のアセトアルデヒドを充填し、ブラックライトを30分間照射した後の濃度を測定して求めた。
【0093】
また、実施例1、3〜7および比較例1〜4のガラスについて水の接触角を測定し、表2に示した。測定は、1ヶ月間室温に放置した試験片にブラックライトを1時間照射後、協和界面化学(株)製の接触角メーターで測定した。
【0094】
表1より明らかなように、本発明の光触媒組成物からなる膜が付いたガラスは高い汚染物除去率と光触媒活性を持ち、優れた防汚、防臭性能、大気浄化性能を有していた。さらに表2より、本発明の光触媒組成物からなる膜が付いたガラスは高い親水性表面を呈し、優れた防曇性も有していた。
【0095】
また、以上の評価とは別に、抗菌性、基材への密着性、強度、耐久性についても評価した結果、実施例1〜7のガラスは、いずれの性能も実用上問題ない十分な性能を有することが確認された。
【0096】
【表1】
Figure 0003791067
【0097】
【表2】
Figure 0003791067
【0098】
【発明の効果】
本発明の光触媒組成物形成剤を用いると、酸化チタン粒子の固定化が容易にでき、活性が高く、実用的な光触媒組成物を製造できる。また、透明膜の製造が容易であり、種々の形状への加工も可能である。さらに得られる組成物の基材への密着性も高く、強度、耐久性等にも優れている。
【0099】
また、本発明の光触媒組成物は、太陽光や室内照明光の下で、優れた防汚、防臭、防曇、抗菌性および耐久性を有する。

Claims (5)

  1. 水性酸化チタンゾルと、酸化チタン前駆体化合物の水溶液および/または水分散液とが混合されてなる光触媒組成物形成剤を用いて形成された光触媒組成物であって、前記酸化チタン前駆体化合物が、ペルオキソチタン酸および/またはペルオキソチタン酸の部分縮合体であり、かつ前記水性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子の少なくとも60%がアナターゼ型である光触媒組成物
  2. 前記水性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子の含有量が、光触媒組成物に対し0.5〜98重量%である請求項1の光触媒組成物。
  3. 前記水性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子中にルチル型結晶を含有する請求項1または2の光触媒組成物。
  4. 前記光触媒組成物の形態が膜状の形態である請求項1、2または3の光触媒組成物。
  5. ガラス基体上に、請求項1〜4いずれかの光触媒組成物が付いたガラス物品。
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