JP3790908B2 - 湿気硬化型ウレタンプライマー組成物及びその被覆方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合性樹脂被覆材を用い構築物の屋根、壁、床、地下防水或いは立体駐車場、工場・倉庫等の床、歩道・道路の舗装、セメントコンクリート、鉄骨の防食、木工塗料関係の下塗り等を行う際使用する接着性に優れ、可使時間の長いウレタンプライマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木・建築用樹脂被覆材を塗布する場合や木工塗装の分野においてのプライマーとして湿気硬化型ウレタンは、公知であり最も多く使用されている。例えばコンクリート、モルタル等の基盤上に塗布するポリウレタン系、エポキシ系、及び重合性樹脂系塗膜材の塗り床、屋根用防水材、競技場・テニスコート・道路等のプライマーとして、またウレタン弾性シーリング材用のプライマーとして広く使用されている。
【0003】
使用するプライマーは、下地基盤の強化と多孔質な面の目潰し、それに基盤と上層被覆材との層間接着力向上を目的として使用されている。公知の一般的なプライマーの組成は、既に特開昭57−21418号公報等で明らかにされており、述べられている類似の組成物が上記用途に使用されている。この様に多岐に亘って湿気硬化型ウレタンプライマーが使用されるが、ポリウレタン系、エポキシ系塗膜材を除いた不飽和ポリエステル樹脂組成物等の重合性樹脂被覆材の場合に限り、下塗りの湿気硬化型ウレタンプライマーとの接着性が乏しく基盤層からの剥離を生じて目的の機能を果たさないばかりか、塗膜の膨れにより美観もよろしくない結果を招く場合が多かった。
【0004】
特に、この接着しない剥離現象は、低温の冬期に施工したものより、高温多湿の夏期に施工したものに多く発生する。特に後者の夏期においては基盤上に湿気硬化型ウレタンプライマーを塗布してから、その上の重合性樹脂被覆材の塗布時間間隔が長いほど下地基材と重合性樹脂被覆材との接着性が悪くなるという現象がある。このように重合性樹脂被覆材の場合に限り、湿気硬化型ウレタンプライマーの効用の一つである接着性の効果が余り期待できず、またその効果が塗布後の放置時間に影響して接着可能な時間が非常に短くなるという大きな欠点を持っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合性樹脂被覆材との接着性、可使時間に優れる湿気硬化性ウレタンプライマー組成物、及びそれを用いる被覆方法にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、重合性樹脂被覆材が、ウレタン塗膜、エポキシ塗膜のようにイソシアネート基と反応する活性基を含んでいないこと、含んでいても反応が期待されない程度の量であるため接着力が乏しいのではないかと考え、下地基盤と重合性塗膜材の接着力を向上させるために湿気硬化型ウレタンプライマー組成中に二重結合を有する化合物を導入し、塗布される重合性樹脂塗膜材中の二重結合とのラジカル重合反応によりプライマー層とその上塗り層が一体となって接着力の向上効果を引き出し、剥離の欠点を解消できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、(a)ポリイソシアネート化合物と(b)水酸基含有アクリル化合物及び/又は水酸基含有アリルエーテル化合物、或いは前記 (b) と (c) ポリアルキレンエーテルポリオールとを併用したものである分子内に水酸基と不飽和二重結合基を有する化合物とを NCO 基/ OH 基比が1.5以上10以下でウレタン化反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とすること及びウレタンプレポリマーの二重結合力価が、400〜5000であることを特徴とする土木建築基材用湿気硬化型ウレタンプライマー組成物及び土木建築基材被覆方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明の湿気硬化型ウレタンプライマーの調製に用いるポリイソシアネート化合物(a)としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物で、例えば2,4/2,6=80/20異性体比のトリレンジイソシアネート(80/20TDI)、65/35TDI、2,4−100TDI、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(ピュアーまたはモノメリックMDI)とその異性体、ポリメリックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トランスーシクロヘキサ1,4−ジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート等の単体若しくは混合物が使用できる。
【0010】
本発明の水酸基と不飽和二重結合基を有する化合物(b)とは、好ましくは水酸基及び不飽和二重結合を1個づつ有する化合物で、好ましくは水酸基含有アクリル化合物及び/又は水酸基含有アリルエーテル化合物である。
【0011】
本発明の水酸基含有アクリル化合物(b)としては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の様な水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の様な3個以上の水酸基を有するアルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0012】
又、水酸基含有アリルエーテル化合物(b)としては、公知慣用のものが使用できるが、うちでも代表的なものにはエチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1・2ーブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価アルコール類のアリルエーテル化合物等が挙げられ、水酸基を1個有するアリルエーテル化合物が好ましい。
【0013】
これら上述のポリイソシアネート化合物(a)は、分子内に水酸基を2個以上有するポリオール(c)を水酸基と不飽和二重結合を有する化合物(b)と併用することができる。このポリオール(c)とは、例えば公知慣用のエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類、これら単鎖ポリオール類とアルキレンオキサイド類(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等)を単独または併用で重合させたポリアルキレンエーテルポリオール類あるいはフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸と前述の単鎖グリコール類とのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、ポリオール類に付加重合させたイプシロンカプロラクトンのポリオールやポリテトラメチレンエーテルグリコール、ひまし油、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の単体または混合物で数平均分子量300〜5000のポリオール類をNCO/OH基比が1.5以上で反応させた遊離イソシアネート基を含有するポリイソシアネート化合物が使用できる。
【0014】
本発明の湿気硬化型ウレタンプライマー(A)中に導入する分子内に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物(b)の導入量は、湿気硬化型ウレタンプライマーの固形分当たり、二重結合力価で400〜5000、好ましくは400〜1600である。ここで二重結合力価とは、ウレタンプライマー溶液中のウレタンプレポリマー固形分/固形分中の二重結合数で計算されるものである。
【0015】
湿気硬化型ウレタンプライマー中に導入する分子内に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物(b)の固形分当たりの二重結合力価が、200より小さい場合は溶液の粘度が高くなり、プライマーとしての適正な粘度を越えて下地材への含浸性、塗装性が劣るものとなる。また下地材に塗布したときプライマーの乾燥性が著しく遅くなると共に極端な場合は全く乾燥しないものとなりプライマーとしての機能を発揮しない。
【0016】
逆に湿気硬化型ウレタンプライマー中の固形分当たりの二重結合力価が5000より大きい場合は、前述の粘度、乾燥性には支障がないが、組成中の二重結合の数が少なすぎるため、上層に塗布する重合性不飽和単量体を含有する溶液をレドックス重合により硬化させる重合性塗膜材中の二重結合との結合が希薄になり接着の向上には至らない。
【0017】
本発明の湿気硬化型ウレタンプライマーは、分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物(a)と分子内に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物(b)とを必須成分として、NCO基/OH基比が、好ましくは1.5以上10以下で、ウレタン化反応させて遊離のイソシアネート基を有した溶剤を含有した溶液である。遊離のイソシアネート基は、固形分当たり5〜25重量%であることが好ましい。
【0018】
本発明の湿気硬化型ウレタンプライマー溶液の調製方法は、上述のポリイソシアネート化合物、もしくは上述ポリイソシアネート化合物とポリオールとの反応によるポリイソシアネート化合物に、不飽和二重結合を有する化合物(b)(好ましくは水酸基含有アクリル化合物及び/または水酸基含有アリルエーテル化合物)をNCO/OH基比=1.5以上で反応させ、塗装性に適した粘度と乾燥性を得るために溶剤類で適度に希釈して調製される。塗装性に適した粘度とは、20℃において1000CPS以下が望ましい。希釈する固形分は、10%以上60%以下が好ましい。
【0019】
希釈剤として用いる溶剤は、ウレタン樹脂の希釈に用いる一般的な例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、セロソルブアセテート、ノルマルヘキサン、またビニル基を有するスチレン、ビニルトルエン、エチルアクリレート、メチルメタクリレート類の単体又は併用して用いることができる。
【0020】
下地基材に塗布する湿気硬化型ウレタン溶液の塗布量は、下地の種類により異なるがコンクリート、モルタル、木材等の多孔質なものには、好ましくは0.2〜1.0kg/m2、表面が密な金属や高分子物には、好ましくは0.05〜0.3kg/m2用いられる。
【0021】
本発明でいうレドックス重合とは、ビニル重合において開始剤として用いる過酸化物の他に更に還元剤を存在させる重合法で酸化還元重合ともいう。還元剤には鉄やクロムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンなどの水溶性のものの他に−SH、−SO2H、−NHNH2、−COCH(OH)等の基を含む有機金属化合物が用いられる。
【0022】
本発明の重合性樹脂被覆層(B)は、公知のレドックス重合反応で得られる不飽和基を有する樹脂と重合性不飽和単量体からなる組成物で、この重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ビニルナフタレン、エチルビニルエーテル、メチルビニール、ケトンメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、グリシジルメタアクリレート等のビニル化合物及びジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルシアヌレート等のアリル化合物、或いはの不飽和オリゴマー等が挙げられ、これに溶解する不飽和樹脂が含まれる。
【0023】
不飽和樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、不飽和ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の1種以上が用いられる。
【0024】
硬化剤は、有機過酸化物として例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知の物が使用され、還元剤(硬化促進剤)にはナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルトなどの有機金属塩を単体或いは併用して硬化形成させることができる。
【0025】
また、本発明の重合性樹脂被覆層(B)には、補強材が含まれてもよく、例えばガラス繊維、炭素繊維、有機繊維、金属繊維等を好ましくは10〜70重量%含まれるよう積層して使用することができる。
【0026】
本発明の基材とは、コンクリート、モルタルなどこれらに類する建築、土木等に一般的に用いられている下地、または金属、木材等の下地も挙げられるが特に拘るものでない。またこれら基材には、既に一般プライマーを介して塗布されたウレタン塗膜材、エポキシ塗膜材、重合性塗膜材が形成されている場合を含むものであり、また合成高分子系の敷物、例えばPVC製のタイル、シートまたはゴム製のタイル、シート或いはこれらに類似するタイル、シート状のものが接着剤で基材に貼られている既存のものも下地基材に含まれる。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0028】
<湿気硬化型ウレタンプライマー組成物の調製>
【0029】
(実施例1)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに樹脂設計値の二重結合力価670、NCO/OH基比4.0になるようにミリオネートMRー200(日本ポリウレタン(株)製:クルードMDI)270部、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート65部、乾燥したトルエン311部、乾燥した酢酸エチル311部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−1)を得た。
溶液の性状は、外観:褐色液体、遊離NCO%:6.6(固形分あたり:18.86)、粘度:30CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0030】
(実施例2)
実施例1と同装置に樹脂設計値の二重結合力価1430、NCO/OH基比2.59になるようにミリオネートMRー200(日本ポリウレタン(株)製:クルードMDI)322部、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート39部、ハイプロックスRT−330(大日本インキ化学工業(株)製:ポリエーテルポリオール水酸基価510)68部、乾燥したトルエン397.5部、乾燥した酢酸エチル397.5部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−2)を得た。
溶液の性状は、外観:褐色液体、遊離NCO%:5.04(固形分当たり:14.4)、粘度:65CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0031】
(実施例3)
実施例1と同装置に樹脂設計値の二重結合力価1431、NCO/OH基比2.5になるように2,4/2,6=80/20のトリレンジイソシアネート217.5部、ハイプロックスRT−330(水酸基価510)220部、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート39部、乾燥したトルエン442部、乾燥した酢酸エチル442部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−3)を得た。
溶液の性状は、外観:淡黄色透明液体、遊離NCO%:4.63(固形分当たり:13.23)、粘度:50CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0032】
(実施例4)
実施例1と同装置に樹脂設計値の二重結合力価526、NCO/OH基比2.51になるようミリオネートMRー200(日本ポリウレタン(株)製)322部、ペンタエリスリトールトリアクリレート136.3部、ハイプロックスRT−330(大日本インキ化学工業(株)製:水酸基価510)68部、乾燥したトルエン489部、乾燥した酢酸エチル489部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−4)を得た。
溶液の性状は、外観:褐色液体、遊離NCO%:4.0(固形分当たり:11.43)、粘度:80CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0033】
(実施例5)
実施例1と同装置に樹脂設計値の二重結合力価1584、NCO/OH基比2.5になるよう2,4/2,6=80/20のトリレンジイソシアネート217.5部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル85.3部、ハイプロックスRT−330(大日本インキ化学工業(
株)製:水酸基価510)220部、乾燥したトルエン486部、乾燥した酢酸エチル486部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−5)を得た。
溶液の性状は、外観:淡黄色透明液体、遊離NCO%:4.22(固形分当たり:12.06)、粘度:110CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0034】
(実施例6)
実施例1と同装置に樹脂設計値の二重結合力価475、NCO/OH基比2.51になるようミリオネートMRー200(日本ポリウレタン(株)製)322部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル85.3部、ハイプロックスRT−330(大日本インキ化学工業(株)製:水酸基価510)68部、乾燥したトルエン441部、乾燥した酢酸エチル441部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−6)を得た。
溶液の性状は、外観:褐色液体、遊離NCO%:4.44(固形分当たり:12.69)、(、粘度:70CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同装置にNCO/OH基比3.86になるようにミリオネートMRー200(日本ポリウレタン(株)製)322部、ハイプロックスRT−330(大日本インキ化学工業(株)製:水酸基価510)68部、乾燥したトルエン362部、乾燥した酢酸エチル362部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−7)を得た。
溶液の性状は、外観:褐色液体、遊離NCO%:6.66、粘度:40CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0036】
(比較例2)
実施例1と同装置にNCO/OH基比2.5になるように2,4/2,6=80/20のトリレンジイソシアネート217.5部、ハイプロックスRT−330(水酸基価510)330部、乾燥したトルエン508部、乾燥した酢酸エチル508部を仕込み80℃で5時間反応を行い湿気硬化型ウレタンプライマー溶液(A−8)を得た。
溶液の性状は、外観:淡黄色透明液体、遊離NCO%:4.03、粘度:50CPS(20℃)、固形分:35%であった。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
<接着性試験方法>
接着性試験方法は下地基材に湿気硬化型ウレタンプライマー溶液を塗布した後一定時間放置し、その上に重合性被覆材を塗布して硬化形成させ接着用試験体とした。接着試験は、巾25mmの短冊状に切り出してn=3の平均値による剥離接着力(単位:kg/25mm)で接着性を評価した。
【0043】
試験結果は、表1〜3に記載した。
【0044】
表1〜3の接着性試験結果から解るように、実施例ではプライマー塗布3日後に重合性樹脂被覆材を施工しても、重合性樹脂被覆層とプライマー層との接着性が5時間後と比べ変わらないことから、本発明のプライマーが接着性に優れ、可使時間の長いものであることが解る。又、比較例の不飽和基をもたない従来のウレタンプライマーでは、接着性が3日後には5時間後の1/4以下になってしまうことから、接着性に劣り、可使時間の短いものであることがわかる。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
* プライマー養生時間:
下地基材に塗布後直ちに20℃、湿度65%の環境下に1日、3日間放置した後、その上に重合性塗膜材を塗布した。35℃の場合は湿度70%の環境下に5時間、1日、3日間放置した後、その上に重合性塗膜材を塗布した。
【0049】
** 接着力6以上:
接着力が強すぎて、下地であるモルタルとウレタン塗膜の間で剥離したため、6kg/25mm以上を示さなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、ポリイソシアネート化合物に水酸基と不飽和二重結合基を有する化合物(水酸基含有アクリル化合物及び/または水酸基含有アリルエーテル化合物)を導入することで、遊離のイソシアネート基を有する湿気硬化型ウレタンプライマー溶液を下地基盤に塗布した後、塗布後の時間経過に左右されることなく、上層に重合性樹脂被覆材を塗布することができ、下地基盤と重合性樹脂被覆材との接着性に優れる湿気硬化型ウレタンプライマー溶液であり、その使用用途が拡大した。これは、ウレタンプライマーに不飽和基と重合性樹脂被覆剤の不飽和基とが反応しているので、接着性に優れるものと考えられる。
Claims (2)
- (a)ポリイソシアネート化合物と(b)水酸基含有アクリル化合物及び/又は水酸基含有アリルエーテル化合物、或いは前記 (b) と (c) ポリアルキレンエーテルポリオールとを併用したものである分子内に水酸基と不飽和二重結合基を有する化合物とを NCO 基/ OH 基比が1.5以上10以下でウレタン化反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とすること及びウレタンプレポリマーの二重結合力価が、400〜5000であることを特徴とする土木建築基材用湿気硬化型ウレタンプライマー組成物。
- 請求項1記載の湿気硬化型ウレタンプライマー組成物層(A)を基材の上に形成させた後、その層上に重合性不飽和単量体を含有する樹脂組成物を硬化させ重合性樹脂被覆層(B)を形成させることを特徴とする土木建築基材被覆方法。
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