[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3785815B2 - 芳香族炭化水素の転化方法 - Google Patents

芳香族炭化水素の転化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3785815B2
JP3785815B2 JP19971798A JP19971798A JP3785815B2 JP 3785815 B2 JP3785815 B2 JP 3785815B2 JP 19971798 A JP19971798 A JP 19971798A JP 19971798 A JP19971798 A JP 19971798A JP 3785815 B2 JP3785815 B2 JP 3785815B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic hydrocarbon
catalyst
alumina
converting
mordenite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19971798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1170334A (ja
Inventor
元 加藤
一由 岩山
裕 今田
哲 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP19971798A priority Critical patent/JP3785815B2/ja
Publication of JPH1170334A publication Critical patent/JPH1170334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3785815B2 publication Critical patent/JP3785815B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族炭化水素の転化方法に関する。特に、C9アルキル芳香族炭化水素を含む芳香族炭化水素含有原料から、不均化、トランスアルキル化、脱アルキル化反応の少なくとも1つの反応により、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物を製造する芳香族化合物の転化反応用触媒組成物を用いた芳香族化合物の転化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルエンの不均化によるベンゼン及びキシレンの製造、トルエンとトリメチルベンゼンのトランスアルキル化によるキシレンの製造などの芳香族炭化水素の不均化及び/またはトランスアルキル化反応は工業的に重要な反応であり、従来数多くの触媒系が提案されている。その中で近年、フォージャサイト、モルデナイトのような結晶性アルミノシリケートゼオライトが有効な触媒であることが見いだされたが、特にモルデナイトが、高い芳香族炭化水素の不均化及び/またはトランスアルキル化活性を有する。
【0003】
しかしながら、モルデナイト単独では活性、触媒寿命共に十分ではなく、活性の向上及び触媒寿命を改善するためにモルデナイトにクロム、モリブデン及びタングステンのようなVIB族金属、鉄、コバルト、ニッケル及び白金族金属のようなVIII族金属などを組み合わせることが米国特許第3729521号に開示されている。さらに、特公昭62−45849号公報には実質的にモルデナイト成分とレニウム成分のみからなる触媒が開示されている。しかし、これらの触媒では芳香族炭化水素原料からキシレンを製造する不均化及び/またはトランスアルキル化反応では十分な触媒性能を示さない。
【0004】
また、J.Das等はCatalysis Letters 23巻(1994)161〜168ページの中でベータ型ゼオライトによるC9 アルキル芳香族炭化水素を含む原料のトランスアルキル化反応を報告しているが、生成するキシレンの収量が大きいとは言えず、特にエチルトルエンを含むC9 アルキル芳香族炭化水素から効率的にキシレンを製造する方法については効果的な方法がないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
芳香族炭化水素の転化触媒、具体的にはC9アルキル芳香族炭化水素を含む芳香族炭化水素含有原料から、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物を効率よく製造する芳香族化合物の転化反応用触媒組成物を用いた芳香族化合物の転化方法を提供するものである。
【0006】
例えば、キシレンを製造する有効な方法にトルエンを含む原料を不均化反応及び/またはトランスアルキル化反応させる方法がある。この方法の場合、使用する触媒によりキシレン製造能力に差があり、より優れた性能を示す触媒が求められている。一方、C9 アルキル芳香族炭化水素は工業的な利用価値が少なく燃料として使用されていることが多い。C9 アルキル芳香族炭化水素に含まれるエチルトルエンを脱アルキル化反応によりトルエンにし、トルエン2分子による不均化反応あるいはトルエンとトリメチルベンゼンによるトランスアルキル化反応により工業的に有用なキシレンを製造できる。従来技術ではエチルトルエンをトルエンに有効に脱アルキル化出来ず、目的のキシレン収率が低い課題があった。本発明者らは、C9 アルキル芳香族炭化水素を含む原料から、その中に含まれるエチルトルエンをトルエンに有効に脱アルキル化し、不均化及び/またはトランスアルキル化反応により、またはトルエンを含む原料から不均化及び/またはトランスアルキル化反応により、キシレンなどの芳香族化合物を効率よく製造する芳香族化合物の転化反応用触媒を用いた芳香族化合物の転化方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、芳香族炭化水素を含む原料から、キシレンなどの芳香族化合物を効率よく製造する芳香族化合物の転化反応用触媒について鋭意検討した結果、触媒成型体中のゼオライトの二次粒子径が重要であることを見いだした。ゼオライトの二次粒子とは、ゼオライトの一次結晶子が凝集したものであるが、触媒成型体中のゼオライトの二次粒子径は走査電子顕微鏡(SEM)で容易に調べることができる。本発明の目的には、触媒成型体中のゼオライトの二次粒子径が10ミクロン以下好ましくは5ミクロン以下が有効である。二次粒子径が10ミクロン以下または5ミクロン以下であることを確認する方法としては、触媒組成物のある部分のSEM写真を撮影し、その写真に二次粒子径が10ミクロンまたは5ミクロンを超えるものが1つもないことを確認すればよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
原料ゼオライトが無機酸化物及び/または粘土類と均一に混合し成型される際、その二次粒子は一部崩れ分散されるが、触媒成型体中のゼオライトの二次粒子が十分小さく、高度に分散されているほど、触媒中の金属成分との相互作用が向上し、より高度なキシレン収率が達成される。触媒成型体中のゼオライトの二次粒子径は触媒成型条件及び原料ゼオライト粉末の二次粒子径等により制御される。触媒成型条件としてはゼオライトと無機酸化物及び/または粘土類の混練時の時間及び水分率等が重要であり、例えば混練時間が長いほど触媒成型体中のゼオライトの二次粒子径は小さくなり好ましい。また、原料ゼオライト粉末の二次粒子径はゼオライト合成時の反応混合物組成比、結晶化時間、攪拌条件及び乾燥方法等により制御でき、使用する原料により異なり一概には言えないので、適宜合成条件を選択する必要がある。これまでの知見によれば、ゼオライト合成時の反応混合物中のアルカリ度を低くしたり、結晶化時間を短くすると二次粒子径が小さくなる傾向がある。ゼオライトとしてはモルデナイトが好ましい。
【0009】
また、芳香族炭化水素を含む原料から、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物を効率よく製造するためには、なかでも特に高いキシレン収率を得るためには、水素型モルデナイトと無機酸化物及び/または粘土類、及びレニウムを有する触媒が有効である。トルエンを原料の少なくとも一つとして用いる場合、トルエン2分子が反応する不均化反応あるいはトルエンが他のアルキル芳香族炭化水素とトランスアルキル化反応するとき、触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径が小さくなると触媒有効度が向上するとともにレニウムの効果がより発現される。また、原料芳香族炭化水素がエチルトルエンを含有するC9 アルキル芳香族炭化水素を含む場合、エチルトルエンは水素型モルデナイトによりトルエンとエチレンに脱アルキルされる。しかし、脱アルキル化反応では熱力学的平衡の制約を受けるためエチルトルエンの転化率を十分高くすることは出来ない。レニウムを分散担持させた無機酸化物及び/または粘土類を触媒中に含有させることにより反応系に共存する水素がエチルトルエンの脱アルキル化反応で生成したエチレンをエタンに水素化し熱力学的平衡の制約によるエチルトルエン転化率の抑制がなくなり、高度な転化率を達成できる。同様にエチル基、プロピル基を有する芳香族炭化水素は、本触媒により高度に脱アルキル化され、生成した芳香族炭化水素はそのまま製品に、あるいは不均化及び/またはトランスアルキル化の原料になる。例えば、脱アルキル化反応により生成したトルエン及び/または原料中のトルエンの不均化、トルエンとトリメチルベンゼンとのトランスアルキル化によりキシレン収率が向上するが、トルエンを製品として抜き出してもよい。また、副反応で生成する高沸点化合物がレニウムを分散担持させた無機酸化物及び/または粘土類上で水素化分解を受け触媒上へのコーキングを抑制し触媒の失活を防ぎ触媒寿命を延長させる。
【0010】
本発明に用いられるゼオライトは水素型モルデナイトである。モルデナイトとしてはシリカ/アルミナモル比が15から30のモルデナイトが好ましく用いられる。シリカ/アルミナモル比が15から30のモルデナイトを得るには低シリカ/アルミナモル比のモルデナイトを酸抽出などにより脱アルミニウム処理する方法及び直接シリカ/アルミナモル比15から30のモルデナイトを合成する方法があるが、直接合成した合成モルデナイトが好ましく用いられる。モルデナイトの合成方法は例えば、AmericanMineralogist 57巻(1972)1146〜1151ページ、特公昭63−51969、特公平2−31006号公報などに開示されている。水素型モルデナイトにするには通常、金属陽イオンを含むモルデナイトを直接に酸でイオン交換するか、アンモニウムイオンを含む水溶液でイオン交換しアンモニウム型とし、乾燥、焼成する方法が行われる。アンモニウム型から水素型にするのがより好ましい。イオン交換はゼオライトを成型する前に行ってもよいが、工業的立場で言えば成型後に行うのが好ましい。また、モルデナイトを乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのカルボキシル基を含有する有機酸で処理すると触媒性能が向上するので必要に応じて行なわれる。
【0011】
無機酸化物及び/または粘土類はゼオライトの二次粒子を高度に分散し及びレニウムを分散担持させるのに必須である。無機酸化物としてはアルミナ、シリカ・アルミナ、シリカ、チタニア及びマグネシア等が知られている。いずれの無機酸化物でも使用できるが、好ましくはアルミナである。アルミナとしてはベーマイト、ベーマイトゲル、ジブサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ジアスポア、無定形アルミナゲル等が知られている。いずれのアルミナでも使用できるが、好ましくはベーマイトである。アルミナは焼成過程でγ、η、δ等のアルミナになることはよく知られており、これら構造形態のアルミナも使用できる。また、触媒を成型するためバインダーとしてアルミナゾル、アルミナゲル等が用いられるが、これらアルミナもレニウム担持アルミナとして有効である。また、粘土類としてはモンモリロナイト、カオリン、セピオライト及び酸性白土等の天然または、精製処理した粘土類であればよく特に制限はない。
【0012】
レニウムは金属形態で、もしくは酸化物、硫化物、セレン化物等の形態で存在し得るが、レニウム成分として特に好ましく使用できるものは過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム等を挙げることができる。レニウム成分を担持する実施形態として最も好ましいのは次の方法である。モルデナイトと無機酸化物及び/または粘土類を均一に混合して成型し、乾燥、焼成する。次いで、モルデナイトを水素型あるいはアンモニウム型にした後、レニウムを含む水溶液で含浸する方法が好ましい。レニウムを担持した触媒は引き続き、乾燥、焼成される。アンモニウム型モルデナイトは焼成過程で水素型モルデナイトになる。好ましい焼成条件は、酸素含有雰囲気中300から650℃である。
【0013】
本発明に基づいて調製された触媒は芳香族炭化水素の転化に供される。具体的には、芳香族炭化水素を本触媒に接触させて、不均化、トランスアルキル化、脱アルキル化の少なくとも1つの反応により他の芳香族炭化水素に転化するのに供される。例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンの不均化によるメチル基の分子間移動反応、トルエンとトリメチルベンゼンまたはテトラメチルベンゼン間のトランスアルキル化反応、ベンゼンとキシレン、トリメチルベンゼンまたはテトラメチルベンゼン間のトランスアルキル化反応、少なくとも1つのエチル基あるいはプロピル基を有する芳香族炭化水素のエチル基、プロピル基の脱アルキル化反応などが挙げられるが、好ましくはトルエンを含む原料の不均化反応、トランスアルキル化反応である。また、芳香族炭化水素中にC9 アルキル芳香族炭化水素を含む原料のトランスアルキル化反応にも供される。C9 アルキル芳香族炭化水素とはC9 を主成分とするアルキル芳香族炭化水素であり、具体的にはエチルトルエン、トリメチルベンゼン、プロピルベンゼンである。この中で特にエチルトルエンの含有量が芳香族炭化水素原料中少なくとも5重量%好ましくは少なくとも10重量%存在していることがキシレン収率にとって重要である。また、C9 アルキル芳香族炭化水素中にC10成分であるジエチルベンゼン、エチルキシレン、テトラメチルベンゼン等が含まれていてもよい。供給原料としてC9 アルキル芳香族炭化水素にトルエンを混合させて用いることも一つの実施形態である。トルエンとC9 アルキル芳香族炭化水素との混合比率については特に制限されるものではないが、キシレン収率の関係からトルエン/C9 アルキル芳香族炭化水素比で0から1重量比が好ましい。また、原料中にベンゼンを混合させてもよい。さらに供給原料に上記芳香族化合物以外に非芳香族炭化水素例えばパラフィン及びナフテンが含まれていてもよい。本発明では、反応で生成する芳香族炭化水素は、いずれを製品として抜き出してもよい。また、製品以外の芳香族炭化水素は必要であれば、原料としてリサイクルして使用してもよい。例えば、生成したトルエンは製品として抜き出してもよいし、あるいはキシレン製造の原料として用いてもよい。つまり、本発明では、需要に応じて最も価値のある芳香族化合物を製品とすることができる。また、そのような芳香族化合物が得られるように原料組成を適宜選択できる。製品としては、特にキシレン、トルエンが好ましく、なかでもキシレンが好ましい。本発明の触媒を用いる芳香族炭化水素の転化反応には反応系に水素の共存が必須である。供給する水素は水素/芳香族炭化水素のモル比で1から10が好ましく用いられる。反応圧力は1から6MPa−G、反応温度300から550℃、WHSV(重量空間速度)0.5から10h-1で原料芳香族化合物を触媒と接触させることが好ましい。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を持って説明するが、本発明は、これらによって規定されるものではない。
実施例1
(モルデナイト型ゼオライトの合成)
固形カセイソーダ(NaOH含量96.0wt%、H2 O含量4.0wt%、片山化学)21.3グラム、酒石酸粉末(酒石酸含量99.7wt%、H20含量0.3wt%,片山化学)21.3グラム、を水586.8グラムに溶解した。この溶液にアルミン酸ソーダ溶液(Al23含量18.5wt%、NaOH含量26.1wt%、H2 0含量55.4wt%、住友化学)29.2グラムを加えて均一な溶液とした。この混合液にケイ酸粉末(SiO2含量91.6wt%、Al23含量0.33wt%、NaOH含量0.27wt%、ニップシールVN−3、日本シリカ)111.5グラムを撹拌しながら徐々に加え、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。
【0015】
SiO2/Al23 30
2O/SiO2 20
OH- /SiO2 0.25
A/Al23 2.5 A:酒石酸塩
反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で72時間反応させた。
【0016】
反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。得られた生成物は図1に示すX線回折パターンを有するモルデナイト型ゼオライトであった。このゼオライトの組成分析をした結果、無水状態で組成比はモル比で表して
1.02Na20・Al23・18.6SiO2
であった。
(触媒調製)
上記の方法で調製したモルデナイト粉末(モルデナイト含量93.8wt%)106.6グラム、アルミナゾル(Al23含量10wt%、コロイダルアルミナ200、日産化学)80グラム、アルミナゲル粉末(Al23含量70wt%、Cataloid AP(C−10),触媒化成)10グラム、蒸留水10グラムを混合し、ペースト状の混合物とした。これを約1時間混練し、外径1.2mm、長さ1.0mmのヌードル状に成型した後、120℃で一晩乾燥した。乾燥後、絶乾重量換算で15グラムの成型品を400℃で2時間、空気雰囲気下で焼成し、デシケータ中で冷却した。これに10wt%の塩化アンモニウム水溶液30mlを用いて80〜85℃で1時間処理した後、液を濾別し、新たに塩化アンモニウム水溶液を30ml加えて同様に処理した。この操作を4回繰り返した後、液を濾別した。次いで、蒸留水で5回水洗を繰り返した。次に、酸化レニウム(VII) (Re27)0.0020グラムを溶解した水21グラムに4時間浸漬し、レニウムを含浸する。液を濾別した後120℃で一晩乾燥させた後、540℃で2時間空気雰囲気下で焼成し触媒Aを得た。
実施例2
触媒成型時における混練時間が約5時間である以外、実施例1と同様の方法により触媒を調製し触媒Bを得た。
比較例1
触媒成型時における混練時間が約20分である以外、実施例1と同様の方法により触媒を調製し触媒Cを得た。
実施例3
触媒成型時の混練時間の異なる触媒A〜CについてSEM観察を行い、触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径を調べた結果を表1に示す。また、観察したSEM像の例を図2〜4に示す。表1から触媒成型時の混練時間が長い方が触媒成型体中のモルデナイトの最大二次粒子径が小さいことがわかる。
【0017】
【表1】
Figure 0003785815


実施例4
上記の方法で触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径を変化させた触媒A〜Cについて固定床流通反応器を用いてトルエンの不均化反応を行った結果を表1に示す。表1から触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径の最大値が小さいほど高いトルエンの不均化活性を有しキシレン収量の高い触媒であることが明らかである。触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径は最大10ミクロン以下であることが必要である。
比較例2
実施例1と同様に固形カセイソーダ、酒石酸粉末、アルミン酸ソーダ溶液、ケイ酸粉末及び水から均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。
【0018】
SiO2/Al23 18
2 O/SiO2 20
OH- /SiO2 0.25
A/Al23 2.5 A:酒石酸塩
反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で72時間反応させた。
【0019】
反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。得られた生成物は図1に示すX線回折パターンを有するモルデナイト型ゼオライトであった。このゼオライトの組成分析をした結果、無水状態で組成比はモル比で表して
1.04Na20・Al23・14.2SiO2
であった。その後、実施例1と同様の方法により触媒を調製し触媒Dを得た。SEM観察により、触媒成型体中のモルデナイトの最大二次粒子径は9ミクロンであった。また、触媒Dについて実施例4と同様の反応を行った結果を表1に示す。表1からモルデナイトのシリカ/アルミナモル比が15から30が優れていることがわかる。
実施例5
実施例1で調製したモルデナイト粉末(モルデナイト含量93.8wt%)74.6グラム、ベーマイト構造(α−アルミナ・1水和物)を有するアルミナ粉末(Al23含量76.1wt%、SCFタイプ、コンデア社)39.5グラム、アルミナゾル(Al23含量10wt%、コロイダルアルミナ200、日産化学)80グラム、アルミナゲル粉末(Al23含量70wt%、Cataloid AP(C−10),触媒化成)10グラム、蒸留水10グラムを混合し、ペースト状の混合物とした。これを約1時間混練し、外径1.2mm、長さ1.0mmのヌードル状に成型した後、120℃で一晩乾燥した。乾燥後、絶乾重量換算で15グラムの成型品を400℃で2時間、空気雰囲気下で焼成し、デシケータ中で冷却した。これに10wt%の塩化アンモニウム水溶液30mlを用いて80〜85℃で1時間処理した後、液を濾別し、新たに塩化アンモニウム水溶液を30ml加えて同様に処理した。この操作を4回繰り返した後、液を濾別した。次いで、蒸留水で5回水洗を繰り返した。次に、5wt%の酒石酸水溶液30mlを用いて80〜85℃で4時間処理した後、液を濾別した後蒸留水で5回水洗を繰り返した。さらに、酸化レニウム(VII) (Re27)0.039グラムを溶解した水21グラムに4時間浸漬し、レニウムを含浸する。液を濾別した後120℃で一晩乾燥させた後、540℃で2時間空気雰囲気下で焼成し触媒Eを得た。SEM観察により、触媒成型体中のモルデナイトの最大二次粒子径は7ミクロンであった。
実施例6
触媒成型時における混練時間が約5時間である以外、実施例5と同様の方法により触媒を調製し触媒Fを得た。SEM観察により、触媒成型体中のモルデナイトの最大二次粒子径は3ミクロンであった。
比較例3
触媒成型時における混練時間が約20分である以外、実施例5と同様の方法により触媒を調製し触媒Gを得た。SEM観察により、触媒成型体中のモルデナイトの最大二次粒子径は20ミクロンであった。
実施例7
上記の方法で触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径を変化させた触媒E〜Gについて固定床流通反応器を用いてエチルトルエンを含むアルキル芳香族炭化水素のトランスアルキル化反応の触媒性能を調べた結果を表2に示す。表2から触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径の最大値が小さいほど高い脱アルキル化活性及びトランスアルキル化活性を有しキシレン収量の高い触媒であることが明らかである。触媒成型体中のモルデナイトの二次粒子径は最大10ミクロン以下であることが必要である。
【0020】
【表2】
Figure 0003785815


【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、芳香族炭化水素含有原料中の芳香族炭化水素を効率よく転化できる触媒を用いた芳香族炭化水素の転化方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で合成したモルデナイト型ゼオライトのX線回折パターンを表す図である。
【図2】実施例で調製した触媒Aの粒子構造のSEM像を表す図である。
【図3】実施例で調製した触媒Bの粒子構造のSEM像を表す図である。
【図4】実施例で調製した触媒Cの粒子構造のSEM像を表す図である。

Claims (11)

  1. エチルトルエンを少なくとも5重量%含有する芳香族炭化水素を、触媒成型体中二次粒子径が10ミクロン以下、シリカ/アルミナモル比が15から30である水素型モルデナイト、無機酸化物及び/または粘土類、及びレニウムを含む触媒組成物と接触させることを特徴とする芳香族炭化水素の転化方法
  2. 化が不均化、トランスアルキル化、脱アルキル化反応の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の芳香族炭化水素の転化方法
  3. 触媒成型体中の水素型モルデナイトの二次粒子径が5ミクロン以下であることを特徴とする請求項1または2記載の芳香族炭化水素の転化方法
  4. 無機酸化物がアルミナ、シリカ・アルミナ、シリカ、チタニア及びマグネシアよりなる群から選ばれた請求項からのいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法
  5. 無機酸化物がアルミナである請求項記載の芳香族炭化水素の転化方法
  6. アルミナがベーマイト構造を有するアルミナから調製されたものであることを特徴とする請求項記載の芳香族炭化水素の転化方法
  7. 粘土類がモンモリロナイト、カオリン、セピオライト及び酸性白土よりなる群から選ばれた請求項1から6のいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法
  8. 原料芳香族炭化水素がさらにトリメチルベンゼンを含有することを特徴とする請求項1 から7のいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法。
  9. 原料芳香族炭化水素がさらにトルエンを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法。
  10. 原料芳香族炭化水素がさらにベンゼンを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法。
  11. キシレンを製造することを特徴とする請求項から10のいずれか1項記載の芳香族炭化水素の転化方法。
JP19971798A 1997-06-27 1998-06-29 芳香族炭化水素の転化方法 Expired - Fee Related JP3785815B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19971798A JP3785815B2 (ja) 1997-06-27 1998-06-29 芳香族炭化水素の転化方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17134697 1997-06-27
JP9-171346 1997-06-27
JP19971798A JP3785815B2 (ja) 1997-06-27 1998-06-29 芳香族炭化水素の転化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1170334A JPH1170334A (ja) 1999-03-16
JP3785815B2 true JP3785815B2 (ja) 2006-06-14

Family

ID=26494103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19971798A Expired - Fee Related JP3785815B2 (ja) 1997-06-27 1998-06-29 芳香族炭化水素の転化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3785815B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004238317A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Toray Ind Inc 重質油からのキシレン類の製造方法
KR101920959B1 (ko) * 2012-12-10 2018-11-21 달리안 인스티튜트 오브 케미컬 피직스, 차이니즈 아카데미 오브 사이언시즈 디글리콜아민을 주형제로 하는 sapo-34 분자체 및 그 합성 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1170334A (ja) 1999-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0816311B1 (en) Catalyst composition for transalkylation of alkylaromatic hydrocarbons and process for production of xylene
JP4135121B2 (ja) ゼオライトnu−88、その調製方法およびその触媒としての使用
KR20000052636A (ko) Im-5 제올라이트, 이의 제조 방법 및 촉매로서의 용도
JP6005878B2 (ja) Uzm−39アルミノケイ酸塩ゼオライトを用いた芳香族トランスアルキル化反応
US4390457A (en) Synthesis of molecular sieves using 2-aminopyridine as a template
JP2016503430A (ja) Uzm−44アルミノケイ酸塩ゼオライトを用いる芳香族アルキル交換
US4954326A (en) Preparation of crystalline aluminosilicate zeolite, and its product
US6040490A (en) Process for producing aromatic compounds by dealkylation, transalkylation, or disproportionation
CA1321385C (en) Two stage synthesis of zeolites
US4323481A (en) Synthesis of molecular sieves using beta-diketones as organic templates
JP3785815B2 (ja) 芳香族炭化水素の転化方法
JP3820685B2 (ja) アルキル芳香族炭化水素のトランスアルキル化反応用触媒組成物及びキシレンの製造方法
JP3817783B2 (ja) アルキル芳香族炭化水素のトランスアルキル化反応用触媒組成物及びトランスアルキル化方法
US7199070B2 (en) Conversion catalyst for ethylbenzene containing xylenes and process for converting ethylbenzene containing xylenes by using catalyst
JP3605952B2 (ja) アルキル芳香族炭化水素のトランスアルキル化方法
JP3849169B2 (ja) キシレンの製造方法
JPH10167995A (ja) トルエンのメチル化によるキシレン類の製造方法
JPH08208535A (ja) アルキルベンゼンの製造方法
JPS62228031A (ja) 芳香族炭化水素の変換方法
JPH0321529B2 (ja)
JP3241424B2 (ja) キシレン異性化触媒及びキシレン類の異性化反応方法
JP2004238317A (ja) 重質油からのキシレン類の製造方法
JPS61176539A (ja) 脱アルキル化方法
JPH054330B2 (ja)
JPH10167996A (ja) トルエンの不均化によるキシレン類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060313

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120331

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120331

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130331

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130331

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140331

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees