JP3785383B2 - ハイブリッド動力システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド動力システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、エンジンとモータジェネレータとを併用した燃費性能の高いハイブリッド自動車の開発が進められているが、この種のハイブリッド自動車では、低負荷での運転時にエンジンを停止してモータジェネレータによる電力走行を行い、中負荷での運転時にエンジンを始動してエンジン走行に切り替え、高負荷での運転時には、エンジン出力にモータアシストを加えてエンジン電力併用走行を行うようにしたものがある。
【0003】
そして、このように走行中に負荷に応じてエンジンが始動・停止を繰り返すようなハイブリッド自動車においては、低負荷での電力走行時に所定速度を超えた段階でモータジェネレータによりエンジンを無噴射で連れ回し、アクセルを更に踏み込んで中負荷に移行した際におけるエンジンの始動のレスポンスを上げることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンを無噴射で連れ回す際のフリクション(シリンダ内のガス圧縮力と各部の摩擦抵抗)が大きいためにモータジェネレータの負荷が増大し、これによりバッテリに充電するためのエンジン駆動の頻度が増えて燃費が悪化するという問題があった。
【0005】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、エンジンの連れ回し時におけるフリクションを低減して燃費の向上を図り得るようにしたハイブリッド動力システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料により駆動するエンジンと、駆動と発電を兼ねた二つのモータジェネレータとを備え、一方のモータジェネレータを車両の駆動軸に連結し且つ他方のモータジェネレータをエンジンの出力軸に連結すると共に、各モータジェネレータの相互をクラッチ機構を介し適宜に動力伝達の断続ができるように接続し、低負荷で所定速度以下の場合にエンジンを停止して一方のモータジェネレータによる電力走行を行い、低負荷で所定速度を超えた場合に他方のモータジェネレータによりエンジンを無噴射で連れ回し、負荷が中負荷以上となった場合にエンジンを始動するようにしたハイブリッド動力システムにおいて、
エンジンのシリンダ内の圧力を適宜に開放するデコンプレッション装置を装備し、該デコンプレッション装置の使用時のクランキングトルクが非使用時のクランキングトルクを超えてしまうエンジン回転数以下での連れ回し時に前記デコンプレッション装置を作動させるように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
而して、デコンプレッション装置の使用時のクランキングトルクが非使用時のクランキングトルクを超えてしまうエンジン回転数以下での連れ回し時にデコンプレッション装置を作動させると、エンジンの圧縮行程でシリンダ内の圧力が開放されて圧力上昇が極めて小さくなり、これによりクランキングトルクが大幅に低減されてフリクションが少なくなるので、エンジンの所定回転数以下の連れ回し時における燃費が向上される。
【0008】
即ち、エンジンの所定回転数以下の連れ回し時に、無噴射のエンジンを連れ回す際におけるフリクションが少なくて済むことにより、エンジンの出力軸に連結されたモータジェネレータの負荷が大幅に軽減され、バッテリに充電するためのエンジン駆動の頻度が減少して燃費の向上が図られることになる。
【0009】
エンジンの連れ回し時における回転数が所定回転数を超えてしまった場合には、デコンプレッション装置を作動させることによりクランキングトルクが却って増えてしまう現象が起こることが発明者らにより確認されているので、所定回転数を超えたエンジンの連れ回し時には、デコンプレッション装置を解除させるようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1〜図7は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1に示す本形態例のハイブリッド動力システムにおいては、燃料により駆動するエンジン1と、駆動と発電を兼ねた二つのモータジェネレータ2,3とを備え、これら各モータジェネレータ2,3に対し充放電可能なバッテリ4がインバータ5を介して接続されている。
【0012】
更に、一方のモータジェネレータ2が車両の駆動軸6に連結されていると共に、他方のモータジェネレータ3はエンジン1の出力軸7に連結されるようになっており、各モータジェネレータ2,3の相互はクラッチ機構8を介し適宜に動力伝達の断続ができるように接続されている。
【0013】
即ち、ここで例示しているハイブリッド動力システムでは、クラッチ機構8を切り離して一方のモータジェネレータ2により車両の駆動軸6に動力を出力している間に、他方のモータジェネレータ3によりエンジン1の始動や連れ回しを実行したり、エンジン1により他方のモータジェネレータ3を駆動して発電したりすることが可能であり、更には、クラッチ機構8を接続してエンジン1の出力を各モータジェネレータ2,3によりトルク変換して駆動軸6に伝達したり、エンジン1の出力に各モータジェネレータ2,3の出力を加えて駆動軸6に伝達したり、エンジン1の出力の余剰分や制動時のエンジン1の惰性回転により発電したりすることが可能な構造となっている。
【0014】
このようなハイブリッド動力システムの基本的な走行時における運転制御としては、低負荷での運転時にエンジン1を停止して一方のモータジェネレータ2による電力走行を行い、中負荷での運転時に他方のモータジェネレータ3によりエンジン1を始動してエンジン走行に切り替え、高負荷での運転時にエンジン1の出力に各モータジェネレータ2,3の出力(モータアシスト)を加えてエンジン電力併用走行を行うようにする一方、低負荷での電力走行時に所定速度を超えた場合には、再加速によるエンジン1の始動に備えて他方のモータジェネレータ3によるエンジン1の無噴射での連れ回しを行うようになっている。
【0015】
そして、本形態例においては、以下に詳述する如きエンジン1のシリンダ内の圧力を適宜に開放するデコンプレッション装置9がエンジン1に装備されており、このデコンプレッション装置9の作動は、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit;エンジン側とモータジェネレータ側とで別構成とすることも可能)を成す制御装置10からの指令信号10aにより実行されるようになっている。
【0016】
尚、デコンプレッション装置9とは、旧式のディーゼルエンジンに搭載されていた始動補助装置として良く知られているが、この種のハイブリッド動力システムのエンジン1に装備するのに適したデコンプレッション装置9としては、既に本発明の出願人が特願2001−305515号として出願しているようなエンジン高が高くならなくて済む搭載性の良いコンパクトなデコンプレッション装置9を採用することが好ましい。
【0017】
この既出願のデコンプレッション装置9の詳細に関し、図2〜図4を用いて簡単に説明すると、その基本的な構成は、バルブリフト時にロッカアーム20の基端側に駒11を挿入してロッカアーム20の復帰を規制することでバルブの着座を阻止し、これによりバルブを開放した状態のまま保持するようにしたものとなっている。
【0018】
より具体的に述べると、複数のロッカサポート21を貫通して延びるロッカシャフト22の複数箇所には、バルブの開閉作動を担うロッカアーム20が傾動自在に外嵌装着されており、該ロッカアーム20の基端側を図示しないプッシュロッドで突き上げることによりロッカシャフト22を中心にロッカアーム20を傾動させ、その先端側でバルブを押し下げさせることにより開弁させるようにしてあるが、ここに図示しているデコンプレッション装置9では、これら各ロッカアーム20の復帰時(閉弁時)に夫々の頂部に鶏冠状に形成した掛止片部が丁度当接するように、該各ロッカアーム20の基端側にロッカシャフト22と平行な方向へ延びる背板12を設置し、該背板12に沿いロッカシャフト22と平行な方向へスライド自在に滑り板13を配設し、該滑り板13の動きと連動しつつ前記背板12に沿いスライド自在となるよう前記滑り板13の複数箇所に対し駒11を装着している。
【0019】
即ち、特に図3に分解して示してある通り、前記駒11はロッカシャフト22と平行な方向へ延びる軸部17を有し、該軸部17を弾性部材14と張出部材18と弾性部材15とに順次通してから先端部に対し止め輪19を取り付けることで抜け止めが成されており、前記張出部材18を前記滑り板13に一体的に組み付けることで該滑り板13に対する駒11の装着が成されるようにしてある。
【0020】
そして、前記滑り板13の長手方向中央部には、油圧シリンダ等のアクチュエータ23が連結部材16を介して連結され、このアクチュエータ23によりデコンプレッション作動時に前記滑り板13が作動方向へスライドし、ロッカアーム20の揺動によるバルブリフト時に拡張されるロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙に前記駒11が差し挟まれ、デコンプレッション解除時には前記滑り板13が解除方向へスライドし、ロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙から駒11が引き抜かれるようになっている。
【0021】
この駒11の作動を図4により更に補足説明すると、通常運転状態(デコンプレッション解除状態)では、図4(A)に示すように、駒11はロッカアーム20頂部の掛止片部から離反しており、この状態からデコンプレッションを開始するために、アクチュエータ23を収縮動作させ、連結部材16を介して滑り板13を作動方向へ移動させると、図4(B)に示すように、滑り板13と一体の張出部材18も作動方向へ移動することになる。
【0022】
ここで、バルブがリフトしていない箇所のロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙は狭いため、駒11はロッカアーム20の側面に接触し、弾性部材14が縮んだ状態となる。
【0023】
続いて、エンジン1が回転し、前記バルブがリフトして開弁する時に、ロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙が拡張され、前記縮んだ状態の弾性部材14の付勢力により、図4(C)に示すように、駒11がロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙に滑り込み、これにより前記バルブが微小量だけ開放された状態に保持されてデコンプレッション状態となる。
【0024】
一方、デコンプレッション解除時には、前記アクチュエータ23を伸張動作させ、連結部材16を介して滑り板13を解除方向へ移動させると、図4(D)に示すように、滑り板13と一体の張出部材18も解除方向へ移動するが、駒11は、ロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙に挟まれたまま保持されるために弾性部材15が縮んだ状態となる。ただし、エンジン1が回転してバルブがリフトする時に、ロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙が拡張され、前記縮んだ状態の弾性部材15の付勢力により、図4(A)に示すように、駒11がロッカアーム20頂部の掛止片部と背板12との間隙から引き抜かれ、通常運転状態(デコンプレッション解除状態)に戻ることになる。
【0025】
他方、以上のように構成されたデコンプレッション装置9を制御する制御装置10側においては、エンジン1の回転数を検出する回転センサ24からの回転数信号24aと、図示しない運転席のアクセルの開度をエンジン1の負荷として検出するアクセルセンサ25(負荷センサ)からのアクセル開度信号25aと、車両の速度を検出する車速センサ26からの車速信号26aと、デコンプレッション装置9の滑り板13のスライド位置を検出する位置検出センサ27からの位置検出信号27aが夫々入力されるようになっており、これらの各種の信号に基づいてエンジン1の始動時及び停止時と所定回転数以下の連れ回し時にデコンプレッション装置9へ向け指令信号10aして該デコンプレッション装置9を作動させるようにしてある。
【0026】
この制御装置10内におけるデコンプレッション装置9の作動とその解除に関する具体的な切り替え手順を図5のフローチャートにより詳述すると、先ずステップS1にて制御装置10に信号入力されている各種のデータが読み込まれ、次いで、ステップS2にてエンジン1に指示すべき運転状態が「停止」「連れ回り」「出力」のうちから決定されるようになっており、例えば、ステップS2で「停止」が決定された場合には、ステップS3へと進んでエンジン1の実際の運転状態が確認されるようになっている。
【0027】
ここで、エンジン1の現在の運転状態が既に「停止」の状態にあると確認された場合には、スタートへ戻されてステップS1からの手順が遣り直されることになるが、エンジン1の現在の運転状態が「連れ回り」及び「出力」の何れかであった場合には、次のステップS4へと進んで燃料が噴射中であるか否かが判定されるようになっており、ここで噴射中と判定された場合には、ステップS5に進んで燃料の噴射が停止された後にステップS6へと進むが、ステップS4で噴射中ではないと判定された場合には、ステップS6へと直接進むようになっている。
【0028】
そして、ステップS6においては、現在のエンジン1の回転数が1200回転以下か否かが判定されるようになっており、現在のエンジン1の回転数が1200回転以下であると判定された場合に限りステップS7へ進んでデコンプレッション装置9が作動され、先のステップS6で現在のエンジン1の回転数が1200回転を超えていると判定された場合には、スタートへ戻されてステップS1からの手順が遣り直される、即ち、現在のデコンプレッション装置9の状態がそのまま保持されるようになっている。
【0029】
また、先のステップS2で「連れ回り」が決定された場合には、ステップS8へと進んでエンジン1の実際の運転状態が確認され、ここで、エンジン1の現在の運転状態が既に「連れ回り」の状態にあると確認された場合には、スタートへ戻されてステップS1からの手順が遣り直されることになるが、エンジン1の現在の運転状態が「停止」及び「出力」の何れかであった場合には、次のステップS9へと進んで燃料が噴射中であるか否かが判定されるようになっており、ここで、噴射中と判定された場合には、ステップS10に進んで燃料の噴射が停止された後にステップS11へと進むが、ステップS9で噴射中ではないと判定された場合には、ステップS11へと直接進むようになっている。
【0030】
そして、このステップS11においては、現在のエンジン1の回転数が1200回転を超えているか否かが判定されるようになっており、現在のエンジン1の回転数が1200回転を超えていると判定された場合は、ステップS12へ進んでデコンプレッション装置9の作動が解除され、先のステップS11で現在のエンジン1の回転数が1200回転以下であると判定された場合には、ステップS13でデコンプレッション装置9が作動された後にスタートへと戻されてステップS1からの手順が遣り直される、即ち、現在のデコンプレッション装置9の状態がそのまま保持されるようになっている。
【0031】
更に、先のステップS2で「出力」が決定された場合には、ステップS14へと進んでエンジン1の実際の運転状態が確認され、ここで、エンジン1の現在の運転状態が既に「出力」の状態にあると確認された場合には、スタートへ戻されてステップS1からの手順が遣り直されることになるが、エンジン1の現在の運転状態が「停止」であった場合には、ステップS15でエンジン1がモータジェネレータ3により始動され、次のステップS16で現在のエンジン1の回転数が600回転を超えたことが確認された時にステップS14へと進んでデコンプレッション装置9の作動が解除されるようになっている。
【0032】
ここで、エンジン1を「停止」の状態から「出力」に移行させる際に、先のステップS16でデコンプレッション装置9の解除判定に用いた600回転という回転数は、エンジン1の始動時振動を抑え得る最低限の回転数として例示したものであり、より具体的には、エンジン1の固有の共振回転数より若干高めの値で設定した回転数のことを指している。
【0033】
即ち、これ以下の回転数でデコンプレッション装置9を解除してしまうと、その解除時にエンジン1の始動時振動が生じてしまう懸念があるが、いたずらに解除の回転数を大きくとってしまうと、エンジン1の始動に要する電力が増加してモータジェネレータ3の負荷が大きくなってしまうので、エンジン1の固有の共振回転数より高い回転数のうちで極力低い回転数を設定しているのである。
【0034】
また、ステップS14でのエンジン1の現在の運転状態が「連れ回り」であった場合には、次のステップS17へと進んでデコンプレッション装置9の作動が解除されるようになっており、次のステップS18にてデコンプレッション装置9の作動解除の動作が完了されたことが確認されるのを待って、ステップS19にて燃料の噴射が開始されるようになっている。
【0035】
尚、この図5のフローチャートにおいて、ステップS2でエンジン1に指示すべき運転状態を決定するにあたっては、回転センサ24からの回転数信号24aと、アクセルセンサ25からのアクセル開度信号25aと、車速センサ26からの車速信号26aとを斟酌して決定されるようになっており、また、ステップS3、ステップS8、ステップS14でエンジン1の実際の運転状態を確認するにあたっても、これらの信号が用いられることになる。
【0036】
また、燃料が噴射中であるか否かを判定するに際しては、制御装置10が当然にして図示しない燃料噴射装置の燃料噴射制御も担っているので、この燃料噴射装置の制御が現在どのようになっているかを確認すれば済むことである。
【0037】
更に、ステップS18におけるデコンプレッション装置9の作動解除の動作が完了したか否かについての判定は、デコンプレッション装置9の滑り板13のスライド位置を検出する位置検出センサ27からの位置検出信号27aに基づいて判定すれば良いが、デコンプレッション装置9の作動の解除が指令されてからの時間の経過で判定することも可能である。
【0038】
而して、このように構成された制御装置10によりデコンプレッション装置9を制御すれば、エンジン1の始動初期と停止終期におけるデコンプレッション装置9は必ず作動状態となり、しかも、エンジン1が連れ回りの状態で且つ1200回転以下の回転数となっている場合にも必ず作動状態となるので、これらのデコンプレッション装置9の作動時において、図6にグラフで示す如く、エンジン1の圧縮行程でシリンダ内の圧力が開放されて圧力上昇が極めて小さくなり、これによりクランキングトルクが大幅に低減されてフリクションが少なくなる結果、エンジン1の始動時及び停止時における振動発生がほぼ完全に抑制され、また、エンジン1の1200回転以下の連れ回し時における燃費が向上される。
【0039】
より具体的には、エンジン1の始動時にモータジェネレータ3をスタータとして少ないフリクションでエンジン1の回転数を上げてからデコンプレッション装置9の作動を解除して燃料噴射を開始させることが可能となるので、エンジン1の始動時における振動発生がほぼ完全に抑制されることになる。
【0040】
特に本形態例においては、エンジン1の始動時に作動させたデコンプレッション装置9をエンジン振動を抑え得る最低限の回転数で解除させるようにしているので、エンジン1の始動時に作動させたデコンプレッション装置9を解除するに際し、その解除時におけるエンジン振動が確実に抑えられ、しかも、エンジン1の始動に要する電力が最小限で済むことになる。
【0041】
また、エンジン1の停止時には、燃料噴射を停止した上でデコンプレッション装置9を作動させ、これにより少ないフリクションでエンジン1を無噴射で惰性回転させてから回転停止状態へ移行させることが可能となるので、エンジン1の停止時における振動発生がほぼ完全に抑制されることになる。
【0042】
更に、エンジン1の1200回転以下の連れ回し時には、無噴射のエンジン1を連れ回す際におけるフリクションが少なくて済むことによりモータジェネレータ3の負荷が大幅に軽減され、バッテリ4に充電するためのエンジン駆動の頻度が減少して燃費の向上が図られることになる。
【0043】
尚、図7にグラフで示す如く、モータジェネレータ3によるエンジン1の連れ回し時のクランキングトルク(フリクション)は、エンジン1の回転数が低い領域ほど少なくて済むが、エンジン1の回転数が上がってくるのに従い増加して所定回転数(図7のグラフでは1200回転)を超えてしまった段階でデコンプレッション装置9を使用しない場合よりも大きくなってしまうことが発明者らにより確認されているので、所定回転数(本形態例では1200回転)を超えたエンジン1の連れ回し時には、デコンプレッション装置9を解除させるようにしているのである。
【0044】
即ち、エンジン1の回転数が高まることによりピストン速度が速くなると、圧縮行程でのシリンダ内の圧力上昇が徐々に大きくなるが、その最高圧力がデコンプレッション装置9を作動させない場合の最高圧力より小さくても、デコンプレッション装置9の作動状態では、圧縮行程から膨張行程にかけて圧力が抜け続けるため、所定回転数を超えた時に圧縮行程と膨張行程の圧力差がデコンプレッション装置9を作動させない場合よりも大きくなってしまうことになり、負の仕事が大きくなってしまうのである。
【0045】
従って、上記形態例によれば、走行中に頻繁に行われるエンジン1の始動及び停止の際における振動発生をほぼ完全に抑制することができるので、ハイブリッド動力システムを採用した車両のドライバビリティを著しく改善することができ、しかも、エンジン1の連れ回し時におけるフリクションを低減してモータジェネレータ3の負荷を軽減することで燃費の大幅な向上を図ることもできる。
【0046】
尚、本発明のハイブリッド動力システムは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
上記した本発明のハイブリッド動力システムによれば、走行中に頻繁に行われるエンジンの始動及び停止の際における振動発生をほぼ完全に抑制することができるので、ハイブリッド動力システムを採用した車両のドライバビリティを著しく改善することができ、しかも、エンジンの連れ回し時におけるフリクションを低減することができ、エンジンの出力軸に連結されたモータジェネレータの負荷を軽減することで燃費の大幅な向上を図ることもできる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。
【図2】図1のデコンプレッション装置の詳細を示す斜視図である。
【図3】図2からデコンプレッション装置の構成要素を抽出して示す分解斜視図である。
【図4】図2及び図3の駒の作動を説明する拡大図である。
【図5】デコンプレッション装置の作動とその解除に関するフローチャートである。
【図6】デコンプレッション装置作動時のシリンダ内の圧力変化を示すグラフである。
【図7】エンジンの回転数と連れ回し時のクランキングトルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータジェネレータ
3 モータジェネレータ
9 デコンプレッション装置
10 制御装置
10a 指令信号
Claims (1)
- 燃料により駆動するエンジンと、駆動と発電を兼ねた二つのモータジェネレータとを備え、一方のモータジェネレータを車両の駆動軸に連結し且つ他方のモータジェネレータをエンジンの出力軸に連結すると共に、各モータジェネレータの相互をクラッチ機構を介し適宜に動力伝達の断続ができるように接続し、低負荷で所定速度以下の場合にエンジンを停止して一方のモータジェネレータによる電力走行を行い、低負荷で所定速度を超えた場合に他方のモータジェネレータによりエンジンを無噴射で連れ回し、負荷が中負荷以上となった場合にエンジンを始動するようにしたハイブリッド動力システムにおいて、
エンジンのシリンダ内の圧力を適宜に開放するデコンプレッション装置を装備し、該デコンプレッション装置の使用時のクランキングトルクが非使用時のクランキングトルクを超えてしまうエンジン回転数以下での連れ回し時に前記デコンプレッション装置を作動させるように構成したことを特徴とするハイブリッド動力システム。
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