JP3780811B2 - ワイヤレステレビ電話を用いた電子ショッピングシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子的なショッピングシステムに関する。特に、プログラムのダウンロードが可能な無線テレビ電話(wireless video phone)を用いた電子的ショッピングシステムに関する。無線テレビ電話は、客が画像を入力し、入力された画像をデコードすることを可能とする、用途特定の端末として機能する。
【0002】
【従来の技術】
客が店を訪れることなく商品を購入することができる電子的なショッピングシステム(electronic shopping system, 以下ショッピングシステムと称する)が知られている。このようなショッピングシステムの一例として、ケーブルテレビのショッピングチャンネルが知られている。このショッピングチャンネルでは、商品の広告・宣伝がテレビで行われる。利用者は単にテレビを見ているだけでよく、希望の商品がテレビで紹介されたら、客は販売業者に電話をかけて所望の商品を注文する。通常は、商品の支払のためにクレジットカードの番号が業者に伝えられる。この後、商品は業者から客に直接配送される。
【0003】
ケーブルテレビのショッピングシステムの他の例として、インタラクティブ/双方向のケーブルシステムを利用することにより、客がテレビの画面から直接品物を選択することができるものがある。このシステムでは、テレビのリモコンにより制御されるメニューシステムが利用されている。この方法では、客は業者に電話をかける必要がなくなる。また、このようなショッピングシステムでは、テレビ上の宣伝に対する客の反応を増すことが期待される。
【0004】
ケーブルテレビショッピングと同様に、インターネットを利用して自宅にいながら商品を購入することも行われている。多くの企業が自分たちの製品をインターネット上で販売しており、その数はすごい勢いで増大している。インターネットショッピングでは、所望の商品を販売している企業のウェブページを参照して購入しようとする商品を選択し、商品が配達されるべき住所を入力するとともに支払のためにクレジットカード番号を入力することで、ピザや書籍、自動車といった数々の商品を自宅にいながら購入できる。
【0005】
しかし、このようなショッピングシステムでは、ケーブルテレビやインターネットサービスに加入しなければならず、これらのサービスを受けるためには加入料を支払うというデメリットがある。更に、従来のショッピングシステムでは利用者のテレビあるいはコンピュータを利用して商品の注文を行うが、これらの装置は通常自宅にあり、簡単には動かすことができない。従って、利用者は自宅で買物をすることを強要される。
【0006】
近年のモバイルの要望が高いこともあり、電子ショッピングを自宅から離れた場所でも行えることが望まれている。例えば、利用者は職場で、レストランで食事をしながら、旅行中に、あるいはその他の自宅のテレビやコンピュータを利用できない状況下でも、商品を注文できるようにしたいと考えている。
【0007】
また、利用者が店内に設置された、バーコードスキャナが備えられた携帯端末を利用するパーソナルショッピングシステム(PPS)も知られている。商品に付されたバーコードは、ハンドヘルドスキャナにより走査される。スキャナ付き携帯端末のディスプレイには、商品の単価と走査済商品の合計金額とが表示される。読取が行われた商品の支払は、精算カウンタで従来通りの方法でおこなわれる。
【0008】
しかし、従来のパーソナルショッピングシステムは、小型ディスプレイ、数値キー、作り付けのバーコードスキャナを備えた専用のパーソナルショッピングシステム端末を必要とする。このような専用の携帯端末を揃えるために、小売業者は多額の投資を必要とする。
【0009】
セルラー電話などの無線電話は広く利用されている。無線電話機の価格と通話料とが下がり続けていることもあり、多くの人々が無線電話を購入し、利用している。
【0010】
ここで、「無線電話(wireless telephone)」という語句は自動車電話(mobile telephone)、セルラー電話(cellular telephone)、衛星電話(satellite telephone) その他の結線を必要としない電話を含むものであり、通話範囲が狭く自宅周辺で使用しなければならないコードレス電話も含むものとする。
【0011】
無線電話が低価格化しており、また多くの無線電話が利用されているため、利用者が品物を選択するために、あるいは商品の支払をするために、利用者が所有する無線電話を利用した電子ショッピングシステムを構築することが望ましい。電子ショッピングに利用者が所有する無線電話を利用することにより、専用の端末装置を利用するよりも、特に小売店による投資の額を減らすことが可能となる。
【0012】
小型のカラーあるいは白黒LCDのようなグラフィックディスプレイや、CCDデジタルカメラなどの画像入力装置を携帯電話に設けて、無線テレビ電話(wireless videophone) を構成することで、装置の能力を更に向上させることができる。無線テレビ電話を利用することにより、コードを読み取るための専用端末を不要とすることができ、このような専用端末のための業者による投資額を減らすことも可能となる。利用者は、電子ショッピングを始めとする多くの機能を実行する、ただ一つの自身の装置を所持すればよいため、無線テレビ電話をショッピングシステムで利用することは利用者の負担を最小限に抑えることができるなど、最も経済的な方法であると言える。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した従来技術による問題点に着目し、これを解決するものである。更に本発明は、プログラムのダウンロード機能、ダウンロードされたプログラムを実行する機能、一体化されたデジタルカメラやディスプレイ画面を備えたワイヤレステレビ電話を介して、商品の取引処理を実行する電子ショッピングシステムを構成するものである。ワイヤレステレビ電話に追加されるべき機能は少ないため、安価な製品として製造することが可能である。
【0014】
電子ショッピングシステムは、サーバと、サーバと通信するための少なくとも一つのワイヤレステレビ電話を有する。本発明の好ましい実施形態では、店を訪れた際に、客が店のパーソナルショッピングシステムサービスの番号をダイヤルするだけでよい。これに対応して、パーソナルショッピングシステムアプリケーションプログラムが、自動的に顧客のテレビ電話にダウンロードされる。ダウンロードされたプログラムは自動的に実行され、パーソナルショッピングシステムに必要な機能が提供される。一体型のデジタルカメラは購入しようとする商品のバーコードの走査に利用され、テレビ電話あるいはサーバ内に存在するパターン認識ソフトウェアがバーコードの画像データを文字あるいは数値の商品識別情報に変換する。本発明では従って、販売業者が必要とする投資額を最低限に抑えた上で、パーソナルショッピングシステムを実現することができる。
【0015】
本発明ではさらに、店にダウンロード可能な取引処理プログラム(purchase transaction program)を格納したサーバを設置し、顧客が自分のワイヤレステレビ電話を用いて店のサーバを呼び出した場合に、取引処理プログラムが顧客のワイヤレステレビ電話にダウンロードされる。サーバからワイヤレステレビ電話に取引処理プログラムがダウンロードされた後、サーバはワイヤレステレビ電話と通信し、購入しようとする商品の選択と支払いを行うためにダウンロードされた取引処理プログラムが使用される。
【0016】
ワイヤレステレビ電話に固定的に取引処理プログラムを記憶させるよりは、必要に応じてワイヤレステレビ電話に取引処理プログラムをダウンロードするようにした方が好ましい。プログラムをダウンロードさせることで、個々の販売業者が、単一の全ての業者に共通なプログラムではなく、自分たち専用のプログラムを利用できるようになるからである。個別の販売業者は、自分用の取引処理プログラムに、他店とは異なるメッセージや広告、メニュー画面などを加えるとともに、販売されている特定の商品向けに取引処理プログラムを修正することを望むことが予想される。
【0017】
異なる種類のワイヤレステレビ電話には、異なるディスプレイ、キーパッド、カメラなどが備えられているため、それぞれのワイヤレステレビ電話のタイプに適した取引処理プログラムをダウンロードすることが望ましく、個々のワイヤレステレビ電話の機能を有効に利用することができるようになる。
【0018】
サーバからワイヤレステレビ電話に送信された取引処理プログラムは、ワイヤレステレビ電話のプログラムローダを介してプログラムメモリにロードされる。プログラムローダは、取引処理プログラムがサーバからワイヤレステレビ電話に送信されると、取引処理プログラムのプログラムメモリへのローディングを行う。ダウンロードされた取引処理プログラムには、ワイヤレステレビ電話からの商品の選択と支払いを行うための指示情報が備えられる。従って、取引処理プログラムは、ワイヤレステレビ電話を購入時点(point of Purchase) 電子ショッピング端末に変換する。
【0019】
本発明による電子ショッピングシステムは商品の購入に使用されるものとして説明されるが、技術に精通する者であれば電子ショッピングシステムをサービスの購入あるいはその他の望ましい分野に適用できることを認識するであろう。従って「商品(product) 」という語句は単に実例を示すだけであり、その意味を限定するために用いられているのではない。また「店舗・店(store) 」という語句は商品やサービスを提供する業者、たとえば小売店、卸売店、その他のあらゆる業者を含むものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
下記の詳細な説明は、添付した図面とともに本発明の好ましい実施形態を説明するものを意図しており、本発明を構成あるいは実現するための唯一の形態を説明することを意図するものではない。下記の詳細な説明は本発明の一実施形態の構成と機能を説明するとともに、図面とともに発明の実施形態による処理のステップのシーケンスを説明するものでもある。同一あるいは均等の機能は、発明の思想に包含されうるこの他の実施形態によっても実現可能であることは、理解できるであろう。
【0021】
図1には、本発明の一実施形態によるストアサーバ10が図示されており、商用の電話回線網14(commercial telephone network, 以下公衆回線網などと称する)と、特にケーブル12により通信を行う。ストアサーバ10は、公衆回線網14とこの他の好ましい手段、たとえば光ファイバや無線信号などにより通信するようにしてもよい。このような公衆回線網14は、短距離あるいは長距離で音声やデータを伝送するために一般的に利用されているものである。このような公衆回線網14の例としてはPacific Bell, General Telephone, AT&T,MCI あるいはSprintなどがあげられる。
【0022】
公衆回線網は14、ストアサーバ10と無線電話18とを、従来との公衆回線網14と通信を行うセルラー回線網17(cellular telephone network)により、ケーブル16を介して接続するものである。このようなセルラー回線網17にはL.A.CellularやPacific Bellが含まれる。前記と同様に、ケーブル16は光ファイバーや無線その他の手段により置き換えることができる。
【0023】
セルラー回線網17は、広く知られている無線通信の手段により、無線電話18との間の通信を行うものである。
【0024】
また、ストアサーバ10の代わりにリモートサーバ26が、好ましくはケーブル28を介して、有線の電話回線網14と通信するようにしてもよい。ケーブル28は、光ファイバーや無線その他の手段により置き換えることができる。
【0025】
さらに、ストアサーバ10は内線PBX24(extension PBX) とケーブル11を介して通信を行うことができる。内線PBX24は、ワイヤレス電話18と無線を通じて通信を行う。
【0026】
外付けバーコードスキャナ20は、ケーブル19を介してワイヤレス電話18との間で通信を行う。また、バーコードスキャナ20は赤外線、レーザ、無線あるいはその他の好ましい手段によりワイヤレス電話18との間で通信を行うこともできる。
【0027】
さらにまた、作り付けのバーコードスキャナ25あるいはICカードリーダライタ27をワイヤレス電話18と一体的に取り付けてもよい。店内では、購入しようとする商品33に付されたバーコードが、ワイヤレス電話18に取り付けられたバーコードスキャナ20を用いて読み取られる。
【0028】
カタログ21には、購入することができる商品の説明13や写真15とともに、商品毎のバーコード22が付されている。このようなカタログ21などを利用することで、購入者が商品の販売されている店にいない場合であっても、本発明のによる電子ショッピングシステムを介して商品を購入することができる。また、これらの商品33にもバーコード21が付されている。
【0029】
ストアサーバ10あるいはリモートサーバ26には、ワイヤレス電話18にダウンロードされる取引処理プログラム(purchase transaction program)が格納されており、ワイヤレス電話18からストアサーバ10あるいはリモートサーバ26に電話がかけられることによってプログラムがダウンロードされる。ストアサーバ10やリモートサーバ26はさらに、ワイヤレス電話18にダウンロードされた取引処理プログラムとともに取引処理を実行するサーバパーソナルショッピングアプリケーション(図2参照)が格納されている。実行される取引処理の例としては、購入しようとする商品の選択・登録や支払いなどをあげることができ、詳細は以下に説明する。
【0030】
ワイヤレス電話18が、ストアサーバ10が設置された店内あるいは店の近くで利用された場合、オプションの内線PBX24によりストアサーバ10とワイヤレス電話18との間の通信が行われる。これによって、セルラー電話回線網17を利用する必要がなくなる。内線PBX24を利用することによって、ストアサーバ10とワイヤレス電話18との間の通信の信頼性を向上させることができ、セルラー電話回線網17を利用することによるコストを抑えることも可能である。この技術に属する者であれば、この他の室内無線通信手段を、ストアサーバ10 ワイヤレス電話18間の通信に利用できることを認識できるであろう。
【0031】
客は、ワイヤレス電話18を用いて単にストアサーバ10あるいはリモートサーバ26の電話番号をダイヤルするだけでよい。ワイヤレス電話18がストアサーバ10あるいはリモートサーバ26に接続されると、取引処理プログラムがストアサーバ10/リモートサーバ26からワイヤレス電話18に、図2に図示されるプログラムローダ32の指示に基づいてダウンロードされる。
【0032】
さらに、ストアサーバ10/リモートサーバ26の電話インタフェースは、顧客からの電話の呼び出しを受け付け、最適な取引処理プログラムのワイヤレス電話18へのダウンロードを実行する。サーバパーソナルショッピングアプリケーションは、顧客のワイヤレス電話18とストアサーバ10/リモートサーバ26との間の情報の送受信に介在する。顧客のワイヤレス電話18からストアサーバ10/リモートサーバ26が呼び出された場合、電話インタフェースは顧客の電話番号を取得し、顧客電話番号、ダウンロードプログラムID、顧客IDや顧客名といった情報を取得するために、ストアサーバ10/リモートサーバ26に設けられた顧客情報データベースを検索する。これらの情報は、好ましくは顧客がパーソナルショッピングアプリケーションに登録された際に、ストアサーバ10やリモートサーバ26に登録される。このような方法により、顧客の電話番号を顧客の認証に利用され、サーバがその顧客が取引を許可された者であることを判別する。
【0033】
ダウンロードプログラムIDに基づいて、ストアサーバ10/リモートサーバ26からワイヤレス電話18に専用のプログラムがダウンロードされる。ストアサーバ10/リモートサーバ26からワイヤレス電話18にダウンロードされる、ユニークなID情報を持つ取引処理プログラムは、電話の形式や、言語・顧客の興味などの個人的な好みなどに基づいて選択される。
【0034】
ストアサーバ10あるいはリモートサーバ26のパーソナルショッピングアプリサーションは、取引の処理を実行する。ワイヤレス電話18からのメッセージは、顧客の電話番号や顧客ID、その他のユニークな識別情報とともに転送される。ストアサーバ10あるいはリモートサーバ26が顧客のワイヤレス電話18からバーコードデータを受信した場合には、ストアサーバ10/リモートサーバ26はデータベースを参照し、読取された商品の情報や価格を取得する。商品情報や価格情報は顧客のワイヤレス電話18に転送され、電話に設けられたディスプレイ42上に表示される。顧客が購入しないと決めた返品商品に関する情報を含む、顧客ワイヤレス電話18から受信した情報は、支払いの処理を実行するために全てストアサーバ10/リモートサーバ26に保存される。
【0035】
また、ストアサーバ10/リモートサーバ26は顧客のワイヤレス電話18にこの他の情報を送信する。送信される情報の例としては、宣伝・広告の情報、値引き情報や個人情報などがあげられる。
【0036】
ワイヤレス電話18にダウンロードされた後、取引処理プログラムは利用者にパスワードの入力を求める。このようなパスワードを利用することによって、顧客の更なる認証を行うことができる。そして、このようなパスワード入力は、盗まれたワイヤレス電話を用いた不正な取引処理を防止するのに特に効果的である。取引処理プログラムは、キーパッドからのパスワード入力のために、顧客に対する文字による案内および/または音声による案内を行う。パスワードの入力には、音声認識を用いることができる。好ましくは、ダウンロードされたプログラム、サーバあるいは店員が、以下に説明するようにパスワード入力の案内をする。取引処理プログラムは、自信でパスワードを認証するか、あるいは認証のためにサーバにパスワードを送信する。もしパスワードが有効であると判断された場合には、顧客は購入しようとする商品のバーコード読み取りを行うことができる。パスワードが有効ではないと判断された場合には、利用者にパスワードの再入力が求められる。
【0037】
パスワードが認証された後、取引処理プログラムは商品の選択登録と支払いとにワイヤレス電話18を利用可能とする。商品は、ワイヤレス電話18に接続されたバーコードスキャナ18あるいは作り付けバーコードスキャナ25を用いて、商品に付されたバーコード31、32を読み取ることによって、選択される。また、購入される商品は、UPCコード(Universal Product Code)などのストックナンバーを、電話のキーパッドを用いて入力することでも選択できる。
【0038】
所望の商品が選択された後、支払いの処理が、好ましくは作り付けのICカードリーダライタ27を用いて実行される。
【0039】
ワイヤレス電話18が、商品購入のために店内で利用された場合、所望の購入商品を選択するために、商品あるいは商品が置かれている商品棚に付されたバーコードや、カタログ内のバーコードが読み取られる。ワイヤレス電話18が、店から離れた場所で利用されている場合には、カタログ21やその他のバーコードが付された媒体を利用することができる。
【0040】
それぞれのバーコードが読み取られるごとに、取引処理プログラムはSKUコード(Stock Keeping Unit)やUPCコードなどを示すバーコードデータをサーバに転送し、サーバはこれに対応して商品情報や価格をワイヤレス電話18に返送する。これらの情報は、好ましくは電話のディスプレイ42上に表示される。また、選択された購入商品の合計金額も、ディスプレイ上に表示される。
【0041】
図2には、ワイヤレス電話18とストア/リモートサーバ10、26との構成が詳細に図示されている。基本的には、ストアサーバ10とリモートサーバ26とは同一の構成である。リモートサーバ26は、店から離れた場所に設置される。
【0042】
ワイヤレス電話18は、ワイヤレス電話機能回路部40(wireless telephone function electronics) 、ディスプレイ42、キーパッド44、入出力(I/O)ポート36、ICカードリーダライタ27と通信を行うマイクロプロセッサ38を備える。マイクロプロセッサ38、無線電話の回路部40、ディスプレイ42、キーパッド44、I/Oポート36、ICカードリーダライタ27は、全て従来のワイヤレス電話18に備えられた一般的な構成である。
【0043】
このような従来のワイヤレス電話18に、本発明の処理を実行する電子ショッピング部29(electroni shopping section)が付加される。電子ショッピング部29には、プログラムローダ32とプログラムメモリ34が備えられ、いずれもマイクロプロセッサ38に接続されている。
【0044】
I/Oポート36は、マイクロプロセッサ38とバーコードスキャナ20との間の電子的な通信を、RS232C、USB、IEEE1394、IrDAあるいはこの他の好ましいインタフェースを介して行う。
【0045】
マイクロプロセッサ38は、これまでのワイヤレス電話に利用される従来から存在するマイクロプロセッサあるいはデジタルシグナルプロセッサでよい。ワイヤレス電話回路部40は、電話番号記憶、ダイアリング、接続・切断の回路、デジタルエンコード、無線変調・復調、信号増幅など、従来のワイヤレス電話の機能を実行する回路を備えている。ディスプレイ42は好ましくはLCDであり、ダイヤルされた電話番号とともに、電池の充電レベル、信号強度、個別ならびに累積の通話時間などのその他の情報が表示される。キーパッド44は、数値、付加的にはアルファベットの文字情報入力に利用される。ICカードリーダライタ27は、利用者のアカウント情報を格納したICカードの読み取り/書き込みを行うものであり、所望の利用者に対する料金の請求をするために異なる形式のワイヤレス電話で利用可能となっている。そのため、他人のワイヤレス電話で自分のICカードを利用すれば、通話料金が自身に請求されることになる。
【0046】
電子ショッピング部29は、本発明が従来のワイヤレス電話に付加した要素を備えており、本発明による電子ショッピングを実行するものである。さらに、プログラムローダ32は、サーバ10、26からの取引処理プログラムのダウンロードのための指示を格納するファームウェアメモリを備える。プログラムローダ32のファームウェアメモリに格納された指示情報は、詳細を下記に述べるようにワイヤレス電話18からサーバ10、26への通話が開始された後に、マイクロプロセッサ38により実行される。
【0047】
プログラムローダ32は、好ましくはさらに取引処理プログラムのダウンロードを実行あるいは向上させる好ましい回路を備えることができる。プログラムローダは、メモリの代わりに単一の能動回路により構成されていてもよい。このような能動回路は、ワイヤレス電話18からサーバ10、26への接続に応じて、メモリから読み出される指示情報を要することなく、自動的にダウンロードを実行する。
【0048】
また、プログラムローダ32は、商品選択や支払い処理の機能の実行や向上を実現する指示情報、ドライバや回路部を備える。例えば、プログラムローダはスキャナ20やICカードリーダライタ27用のドライバを有する。
【0049】
プログラムメモリ34には、ダウンロードされた後の取引処理プログラムが格納される。この取引処理プログラムは、客が商品の選択と、購入した商品に対する支払いを行う際に利用される。
【0050】
その内部に記憶された指示情報はあまり変更されないため、プログラムローダ32のファームウェアメモリは不揮発性メモリにより構成される。これに対し、取引処理プログラムは利用の度にダウンロードされるものであるため、プログラムメモリ34は揮発性メモリにより構成されることが好ましい。
【0051】
オプションのI/Oポート36は、オプションのバーコードスキャナ20との間で通信を行うものであり、図1に図示されるUPCコード22、31等を走査することによって、顧客による商品選択が行われる。バーコードはカタログや店内の商品棚から、商品自体から、あるいはその他の場所から読み取られる。
【0052】
オプションのICカードリーダライタ27は、ICカードその他を介した購入商品の支払いに利用される。
【0053】
サーバ10、26は、顧客情報データベース50、少なくとも一つのダウンロードプログラムメモリ52、サーバパーソナルショッピングアプリケーション54のそれぞれとの通信を行う電話インタフェース(telephone interface) 48を備える。
【0054】
サーバ10、26の電話インタフェース48は、サーバと電話回線網との間の通信を行うものであり、好ましくは一般的なモデムにより構成される。また、電話インタフェース48はケーブルモデム、ネットワークカード、その他の公衆回線網との間で通信を行う手段としてもよい。
【0055】
顧客情報データベース50は、電子ショッピングを行うための、それぞれの顧客を認証する情報を格納する。
【0056】
顧客情報データベースは、図9に図示されるように、電話番号、電話の形式、パスワード、顧客ID、あるいはこの他の所望の顧客プロフィール情報を格納するものである。顧客プロフィール情報はさらに、クレジット情報、送り先住所、顧客が興味を持つ商品および/または過去の購入履歴情報を含むようにしてもよい。
【0057】
サーバ10、26は、顧客情報データベース50から顧客の電話番号を検索して、顧客の電話に対応したダウンロードプログラムメモリ52のダウンロードプログラムIDを判別する。
【0058】
サーバ10、26のダウンロードプログラムメモリ52から購入者のワイヤレス電話18にダウンロードされた取引処理プログラムは、購入商品の選択と支払いとを行うための指示情報を有する。取引処理プログラムは、全ての顧客に対して同一でもよいが、必要であれば、顧客個人毎にあるいは顧客の資格に応じてプログラムを異なるものとしてもよい。
【0059】
異なる顧客に対して異なる取引処理プログラムが利用される場合には、ダウンロードプログラムIDは個々の顧客に対応して、図9に図示される顧客情報データベースに設定され、顧客毎に所望のプログラムを対応づけることができる。
【0060】
異なる顧客毎に、異なる取引処理プログラムを準備することは望ましいことである。たとえば、それぞれ異なる取引処理プログラムは、異なる言語、メニュー、オプション情報、商品を選択するための方法、支払いの方法などが設定される。さらに、異なる取引処理プログラムに、特定の顧客が興味を持つようなメッセージや宣伝を付加してもよい。たとえば、スポーツに興味を持っている顧客は、スポーツに関連するニュースや宣伝を受け取ることができるようになる。
【0061】
取引処理プログラムは、JavaやHTML、C++などの望ましいプログラム言語により記述される。
【0062】
全ての顧客が、バーコートリーダ20およびICカードリーダライタ27を所有している必要はないため、それぞれの顧客が所持する特定のワイヤレス電話18や、バーコードスキャナ20、ICカードリーダライタ27などのその他の電子ショッピング用装置に対応した特別な取引処理プログラムを、それぞれの顧客毎に提供してもよい。特定の顧客がICカードリーダライタ27を所持していないのであれば、取引処理プログラムのうちICカードリーダライタ27の動作に関連する部分を削除することができる。また、顧客がICカードリーダライタ27を所持しておらず、キーパッド44からクレジット番号や有効期限などのクレジットカード情報を入力する必要がある場合には、取引処理プログラムに、支払いにキーパッド44を利用するための機能を追加してもよい。このように、取引処理プログラムは個別にの顧客に応じて手直しされ、特定の顧客が利用しないプログラムの部分を取り除くことにより、取引処理プログラムのサイズを最小化することができる。
【0063】
一方、取引処理プログラムが、ワイヤレス電話18、あるいはバーコードスキャナ20・ICカードリーダライタ27などの補助的な装置の全ての動作モードに対応した指示情報を備えるようにしてもよい。これによれば、単一、且つ同一の取引処理プログラムが、全ての客に対して常にダウンロードされることとなり、サーバ10、26のダウンロードにの処理を単純化することができる。当然、このような方法では、より大きな取引処理プログラムをワイヤレス電話18にダウンロードしなければならず、ワイヤレス電話18のメモリ容量も大きなものが必要となるというデメリットもある。また、このような包括的な取引処理プログラムのダウンロードにも、より長い時間を必要とする。
【0064】
サーバパーソナルショッピングアプリケーション54はサーバ10、26に格納されるプログラムであり、サーバ10、26による電子ショッピングの処理を実行する。サーバパーソナルショッピングアプリケーション54は、これまでに述べた通り、ワイヤレス電話18からサーバ10、26にダイヤルされ、これらが接続された際の、取引処理プログラムのワイヤレス電話18へのダウンロードを実行する。サーバパーソナルショッピングアプリケーション54はさらに、クレジットカード番号や有効期限などの支払い情報を受信し、保存する。サーバパーソナルショッピングアプリケーション54はさらにまた、ICカードリーダライタ27を介しての顧客のICカードに記録された情報の読み取りと更新を実行する。
【0065】
また、サーバパーソナルショッピングアプリケーション54は、クレジットカード会社による顧客への支払い請求を行うために、クレジットカード会社との間で必要となる通信ならびに処理などの、支払いの処理を実行する。
【0066】
図3を参照する。ワイヤレス電話18のレシーバー110は、アンテナ114とデュプレクサ112とを介して取引処理プログラムを受信し、プログラムローダ32(図2参照)のプログラムロード機能108に基づいて取引処理プログラムをプログラムメモリ34に供給する。プログラムメモリ34には、マイクロプロセッサで実行させるために、ローディングされた取引処理プログラム106が格納される(図2および図4参照)。ダウンロードが完了すると、プログラムローディング機能部108はローディングされた取引処理プログラム106に制御を手渡す。ローディングされた取引処理プログラム106が実行される間、レシーバ110はサーバ10、26(図1、2参照)から商品情報や価格などのデータを受信し、トランスミッタ104がサーバ10、26に対しUPCコードやそれぞれの注文された商品個数といった情報を送信する。
【0067】
さらに、ワイヤレス電話18のマイクロフォン100やスピーカ102を、人物あるいはサーバ10、26(音声認識合成により)との間の通信を行うために利用することができ、利用者が取引処理を行いながら口頭での照会を行うことができる。したがって、ワイヤレス電話処理機能回路部40は、ワイヤレス電話18がサーバ10、26との間で通信を行っている際に、取引処理中に音声とデータとを混合できるように構成されることが好ましい。このような方法により、サーバ10、26からワイヤレス電話18へ、店の宣伝・広告やメッセージを音声でも伝送することができる。
【0068】
図4を参照する。ワイヤレス電話18は、従来のワイヤレス電話と同様に動作する、呼処理プログラム126(call processing software)、RFシンセサイザ132、ミキサ134、固定発振器136(fixed oscillator)、デュプレクサ112およびアンテナ114を備える。トランスミッタ104は、よく知られた手段により動作する、アナログ デジタル変換部120、スピーチコーダ122、チャネルコーダ124、変調部128および無線帯域増幅器130(radio frequency amplifier) を備える。さらに、レシーバ110は、同様によく知られた手段により動作する、デジタル アナログ変換部140、スピーチデコーダ142、チャネルデコーダ144、等化器146、復調部148および無線帯域レシーバ/増幅器150を備える。
【0069】
従来のワイヤレス電話に付加される電子ショッピング部(図2の29)は、プログラムローダ32、ローディングされたプログラム106(図2のプログラムメモリ34に内に格納される)、および最適には外部I/Oポート36を介してワイヤレス電話18に接続されるバーコードスキャナ20を備える。付加された構成およびデータパスは、図4にて太線で図示される。
【0070】
チャネルデコーダ144からマイクロプロセッサ38へのデータパスは、取引処理プログラムのダウンロードや取引処理プログラムが実行される間の、サーバ10、26からワイヤレス電話18のマイクロプロセッサ38へのデータ通信に利用される。マイクロプロセッサ38からチャネルコーダ124へのデータパスは、取引処理プログラム106が実行される間のマイクロプロセッサ38からサーバ10、26へのデータ通信に利用される。
【0071】
アナログ デジタル変換部120からマイクロプロセッサ38までのデータパスは、音声コマンド、音声にるメニュー選択あるいは音声による購入商品選択などのために、ワイヤレス電話18のマイクロフォン100からローディングされたプログラムへの音声データの通信に利用される。ダウンロードされた取引処理プログラムには音声認識機能が付加されており、キーボード44あるいはバーコードスキャナ20からのデータ入力と並行して、取引処理プログラムにより音声データが認識される。マイクロプロセッサ38からデジタル アナログ変換部140へのデータチャネルは、ローディングされたプログラム106からスピーカ102への音声ガイダンスや音声によるエラーメッセージなどの音声データの通信に用いられる。ダウンロードされた取引処理プログラムは、ワイヤレス電話18のディスプレイへのメッセージ表示と並行して、顧客への音声メッセージをワイヤレス電話のスピーカから発する。また、非音声データの転送・ダウンロードされた取引処理プログラムの実行に並行して、ワイヤレス電話とサーバとの間の音声データの送受信がマイクロフォン/トランスミッタとレシーバ/スピーカにより行われる。
【0072】
従来のデジタルワイヤレス電話を利用した通信では、それぞれのメッセージスロットが制御信号とデータとからなる。制御信号は、送信・受信の制御に用いられる。従来の技術によれば、上記のデータとは人物がワイヤレス電話で話をしたデジタル化された音声メッセージである。本発明の技術によれば、このようなデータには音声データだけではなく、商品の選択を示すデータ、価格、選択された個数などのデジタルデータが含まれる。
【0073】
本発明の実施形態によれば、取引処理プログラムが含まれる無線帯域信号をアンテナ114が受信する。無線帯域レシーバ/増幅器150は無線帯域信号を受信するためにアンテナ114に接続されており、信号を増幅する。復調部148は、増幅された無線帯域信号を受信するために無線帯域レシーバ/増幅器150に接続され、この信号を復調する。等化器146は復調部148に接続され、復調信号を受信して、これを周知の方法により等化してひずみを低減する。チャネルデコーダ144は、等化器146からの等化された信号を受信し、等化信号から非音声データを分離する。これにより、チャネルデコーダ144は等化信号から取引処理プログラムを分離し、この取引処理信号をプログラムローダ32の指示に基づいてプログラムメモリ34に転送する。
【0074】
図5 8を参照して、本発明の一実施形態による電子ショッピングシステムの動作の詳細を説明する。
【0075】
図5に示されるように、本実施形態による電子ショッピングシステムでは、ワイヤレス電話18によるサーバの呼び出しが行われ、ワイヤレス電話18とサーバ10、26との間の通信が開始される。
【0076】
このような呼を行うにあたり、客は商品を購入しようとしている企業のサーバ10、26の電話番号をダイヤルするだけでよい。客は、呼び出しをしているのがストアサーバ10か、あるいはリモートサーバ26であるのか、といったことを特に意識する必要はない。ストアサーバ10/リモートサーバ26のいずれを呼び出しても、客による操作は同一である。
【0077】
ワイヤレス電話とサーバとが接続された後、サーバからワイヤレス電話18へ取引処理プログラムがダウンロード53される。好ましくは、パスワードはダウンロードされた取引処理プログラムにより認証される。その後、取引処理プログラムは所望の取引処理を実行するために使用される55。
【0078】
図6に図示されるように、ワイヤレス電話18からサーバを呼び出す処理ステップ51は、ワイヤレス電話18からサーバ10、26をダイヤルするステップ51aと、サーバ10、26が応答して電話インタフェースを用いてワイヤレス電話18と通信するステップ51bと、電話インタフェースがワイヤレス電話18番号を取得するステップ51cと、顧客の電話の形式、顧客ID、顧客名などを取得するために顧客情報データベースを検索するステップ51dとを有する。顧客ID、顧客名は、電話インタフェースからサーバパーソナルショッピングアプリケーションに供給される51e。
【0079】
電話のディスプレイ42上に、あるいは音声により、キーパッド44から認証番号やパスワードなどを入力するための客へのガイダンスを行ってもよい。このガイダンスは、ローディングされた取引処理プログラム106により行われる。また、このようなガイダンスはサーバ10、26、あるいは音声照会・キーボードからの入力に対応する店員により行われてもよい。パスワードの長さは、どのような長さでもよい。
【0080】
本発明の実施形態によれば、客が許可された客であるかどうかを判別するために、サーバ10、26によって二種類のチェックが行われる。第一に、ワイヤレス電話18の電話番号がチェックされ、その電話番号が顧客情報データベースに記憶されているかどうか、またワイヤレス電話18の所有者が取引を行う許可を受けた者であるかどうかが確認される。好ましくは、顧客の電話番号はあらかじめ登録されており、もし客が許可された者であれば、電話番号が顧客データベースに存在しているはずである。このような客の電話番号の確認により、自分の物とは違うワイヤレス電話を使っている者など、許可されていない者による不正な取引が行われることを防止することができる。
【0081】
付加的に、ワイヤレス電話18に取引処理プログラムがダウンロードされた後、前記したように認証番号やパスワードの入力が客に求められる。取引処理が許可される前に、客により入力された電話番号とパスワードとの両方が有効であると判別されなければならない。このような認証番号やパスワードの入力を要求することにより、盗まれたワイヤレス電話を利用した許可されていない者による不正な取引が行われることを、効果的に防止することができる。
【0082】
本発明の好ましい実施形態によれば、パスワードの認証はダウンロードされた取引処理プログラムにより実行される。また、パスワードの認証は、ICカードあるいはサーバ10、26により行われてもよい。パスワードの認証にダウンロードされた取引処理プログラムを利用することによって、サーバ10、26により、あるいはダウンロードされたプログラムを利用しないワイヤレス電話18により認証が行われた場合と比較して、より好ましい柔軟性と効率性を実現することができる。たとえば、ダウンロードされた取引処理プログラムに、パスワード入力のための指示などの手助けをするための機能を加えることができる。
【0083】
呼び出しは、通常の電話の場合と同様に、サーバの電話番号をダイヤルする(51a)ことによって行われる。サーバの電話番号をダイヤルするのに先立って、ワイヤレス電話18の特定のボタンを押したり、キーパッド44からあらかじめ決められたコードを入力することによって、ワイヤレス電話18をプログラムダウンロードモードに切り換えておいてもよい。また、ワイヤレス電話18がサーバ10、26に接続されることによって自動的に取引処理プログラムのローディングを行うようにしてもよい。このような自動ダウンロードは、ワイヤレス電話18のチャネルデコーダ144やマイクロプロセッサ38により認識される、サーバから供給された制御信号、コードおよび/またはヘッダに基づいて実行され、これによりプログラムローダ32のファームウェアメモリに格納された指示情報に基づいて、ワイヤレス電話18がダウンロードされた取引処理プログラムを受信し格納する。
【0084】
プログラムのローディングが開始されると、プログラムメモリに格納されている以前の取引処理プログラムが、新たに受信したプログラムメモリ34により上書きされる。
【0085】
プログラムのローディングが完了すると、プログラムローダはローディングされた取引処理プログラム(図3の106)に制御を手渡す。ロードされた取引処理プログラム106の処理が開始されると、I/Oポート36、キーボード44、マイクロフォン100および/またはバーコードスキャナ20やICカードリーダライタ27などの外部に装着された装置の制御を引き受ける。取引処理プログラム106はまた、ワイヤレス電話18の全ての送受信の機能の制御も行う。好ましい発明の実施形態によれば、プログラムデータと音声データとは重畳されており、取引処理プログラムを実行しながら音声による照会を行うことが可能となる。
【0086】
図7を参照する。サーバからワイヤレス電話18へのプログラムのダウンロードの処理53は、利用者の電話番号に基づいて選択された所望の取引処理プログラムを、サーバ10、26からワイヤレス電話18に送信するステップ53aを有する。ワイヤレス電話18のマイクロプロセッサは、プログラムローダのファームウェアメモリに格納された指示に基づいて、取引処理プログラムのダウンロードを実行する(53b)。ダウンロードされた取引処理プログラムは、プログラムメモリに格納される(53c)。そして、ダウンロードされた取引処理プログラムは、ワイヤレス電話18からのパスワード入力を要求する(53d)。ダウンロードされた取引処理プログラムは、好ましくはパスワード入力のガイダンスを行うとともに、認証を行う。また、ワイヤレス電話18がパスワードをサーバ10、26に転送し(53e)、サーバ10、26がパスワードを認証するようにしてもよい(53f)。
【0087】
図8を参照する。取引処理プログラムがワイヤレス電話18のプログラムメモリ34にダウンロードされ格納されると、客は購入しようとする商品を選択・登録できるようになる(68)。好ましい発明の実施形態によれば、このような商品の選択(68)は、バーコードスキャナ20によりUPCバーコードなどを走査することで実行される。この技術に精通しているものであれば、商品を選択するために、この他のコードや記号、テキストなどをさまざまな走査装置により走査することができることを認識するであろう。さらに、技術に精通したものであれば、商品の選択のために、電子的、磁気的あるいは光学的技術など、UPCバーコードの走査とは異なる他のさまざまな走査の技術を適用できることを認識するであろう。一例として、磁気タグや電子的なトランスポンダを商品や商品棚、あるいはカタログなどに付し、商品を選択するために同様に走査すればよい。
【0088】
また、商品の選択のためにUPCコード、ストックコードあるいはその他の情報を、ワイヤレス電話18に設けられたキーパッド44から手動で入力するようにしてもよい。
【0089】
好ましい発明の実施形態によれば、それぞれの商品が選択された後、商品の説明や単価などがワイヤレス電話18のディスプレイ42上に表示される。このような情報は取引処理プログラムの一部に含まれていてもよく、またサーバ10、26から受信するようにしてもよい。
【0090】
発明の実施形態によれば、客は商品を選択した後に、商品購入の確認と、購入品リストからの商品の削除とを行うことができる。客はさらに、支払いを行う前に、全ての商品が選択された後、それぞれの商品ごとに確認あるいは取り消しを行うことができる。
【0091】
また、発明の実施形態によれば、客はキーパッド44のあらかじめ決められたキーを押すことにより、全ての必要な品物の購入ができたかどうかを確認することができる。ワイヤレス電話18はこれに応じて、全ての購入商品の合計金額を表示するとともに、好ましくは上記で述べた通りリストから商品を削除する機会も与えられる。
【0092】
全ての購入しようとする商品が選択された後(68)、顧客はICカード、クレジットカード、チェックカードあるいはこれらに類する手段により、商品の支払いを行う(70)。また、客はワイヤレス電話18のキーパッド44から、手動でクレジットカード番号や有効期限を入力することもできる。
【0093】
さらに、客はあらかじめ販売業者に自身のクレジットカードを登録しておくこともでき、これによって取引は自動的にクレジットカードの口座から行われ、購入した商品の支払いを行う際のクレジットカード情報の入力やICカードの利用を省くことができる。
【0094】
店内での買い物が終了したら、上記したようにワイヤレス電話18を用いて、あるいは店の清算カウンタにて、支払いが行われる。店の清算カウンタで支払いが行われる場合には、ワイヤレス電話18あるいはサーバ10、26に格納された取引に関する情報が利用され、これによって支払い時の店員によるそれぞれの購入商品の情報入力を省略することもできる。
【0095】
一方、ワイヤレス電話が店内で利用される際には、客が清算カウンタでバーコードを走査するようにしてもよい。走査されたバーコードにより、サーバ10、26に対して客がいる清算カウンタを知らせることができる。この後、購入商品とその価格のリストがサーバから客がいる清算カウンタに送信され、客は現金、小切手、クレジットカード、ICカードなどを用いて、店員に代金を支払う。
【0096】
リモートサーバ26を用いて店内での買い物が行われている場合には、客は買い物をしている店を示すバーコードを走査して、これをリモートサーバ26に知らせることができる。このようなバーコードは、たとえばショッピングカート上に表示されている。店の所在地を示す情報は、商品が購入された店での、購入商品の在庫管理に利用される。
【0097】
ICカードリーダライタ27が利用されている場合には、必要に応じて購入された商品が記録された電子レシートをICカードに記憶させてもよい。ICカードに格納された電子レシートは、後日必要な記録を保存するために、客の自宅のコンピュータに個人の買い物情報を送信するために利用される。必要であれば、客の購入履歴情報をICカードに保存してもよい。技術に精通している者であれば、このようなICカードを、客の認証とサーバの認証とを行うような、双方向の認証に利用できることを認識するであろう。
【0098】
必要に応じて、ICカードに、サーバ10、26によりアクセス可能となるように、客の個人情報を記憶させてもよい。
【0099】
本発明の実施形態による電子ショッピングシステムは、さまざまな商品やサービスを提供するために利用される。このシステムは、卸売にも小売りにも適用できる。本発明の実施形態はさらに、商品の購入取引以外の、さまざまな種類の処理に利用することができる。
【0100】
図9には、顧客情報テーブルが図示されている。顧客情報テーブルは、データベースとしてサーバに格納されており、電話インタフェース部48およびサーバパーソナルショッピングアプリケーション54によりアクセスされる。本発明の好ましい実施形態では、顧客情報テーブルには電話番号、電話のタイプ、ダウンロードプログラム識別情報、パスワード、顧客識別情報、顧客名あるいはこの他の必要な顧客のプロフィール情報が格納される。
【0101】
第二の実施形態では、第一の実施形態でのワイヤレス電話18とバーコードスキャナとの組み合わせに代わって、ワイヤレステレビ電話が利用された電子ショッピングシステムが実現される。ワイヤレステレビ電話は、ワイヤレス電話18に関連して説明された機能の全てをサポートするものであり、前述したシステムでは認識され得ない付加的な機能も実現することができる。端的には、ワイヤレステレビ電話は特定用途向けの装置を利用することなく、通信用の装置として、また一体型の電子ショッピング端末として利用するのに最適な製品であるといえる。
【0102】
図10には、図2に図示された第一の実施形態と同様に、ワイヤレステレビ電話218(wireless videophone)とストア/リモートサーバ210とが組み合わされたショッピングシステムが図示されている。第一の実施形態の場合と同様に図10には、図2に図示された第一の実施形態と同様に、ワイヤレステレビ電話218(wirelessvideophone) とストア/リモートサーバ210とが組み合わされたショッピングシステムが図示されている。第一の実施形態の場合と同様に、サーバ210は基本的にはストアサーバ10に対応しているが、これをリモートサーバ、プラットフォームコンピュータその他と読み替えてもよく、店内あるいは店の外に設置することができる。
【0103】
ワイヤレステレビ電話218は、ワイヤレステレビ電話機能回路部240(wireless videophone function electronics)、グラフィックディスプレイ242、キーパッド244、ICカードリーダライタ227や、CCDカメラシステムのようなデジタル画像入力装置236との間で通信を行うマイクロプロセッサ238を備えている。マイクロプロセッサ238、ディスプレイ242、キーパッド244およびICカードリーダライタ227は、これまで考えられているワイヤレステレビ電話に備えられる構成である。さらに、ワイヤレステレビ電話を通信機器として作動させるために、ワイヤレステレビ電話機能回路部240はワイヤレス電話機能回路部(図2の40)を備える。また、デジタルカメラ236はカメラのレンズによりとらえられた画像イメージを、機能回路部240により送信され、JPEG符号化やgif符号化されたマイクロプロセッサ238で処理するのに適したデジタル信号に変換する回路を備えている。
【0104】
図2などを用いて上記で説明したのと同様に、本発明の原理を実行するために電子ショッピング部229がこれまでに考えられていたワイヤレステレビ電話に付加される。電子ショッピング部229は、好ましくはプログラムローダ232とプログラムメモリ234を備えており、これらはそれぞれマイクロプロセッサ238との間で通信を行う。マイクロプロセッサ238は、ワイヤレス電話やワイヤレステレビ電話での利用に適した、これまでに存在する数々のマイクロプロセッサあるいはデジタルシグナルプロセッサのいずれを用いてもよい。ワイヤレステレビ電話機能回路部240は、一般的なワイヤレス電話の機能、たとえば電話番号メモリ、ダイアリング、接続・切断回路、デジタルエンコード、信号増幅などの機能を実行する電子回路を備えている。さらに、ワイヤレステレビ電話機能回路部は、ビデオ映像データとともに音声データの送受信に適した、デジタルル広帯域RF変調/復調回路を備えている。
【0105】
図14を参照すればわかる通り、ワイヤレステレビ電話218は一般的なワイヤレス電話と同様な外観をしている。テレビ電話218は、好ましくはマイクロフォン200、スピーカ202、キーパッド244(キーボードと置き換え可能な用語である)、グラフィックディスプレイ242、アンテナ214およびテレビ電話の前面端部に回転自在に取り付けられたデジタルカメラ236を備えている。
【0106】
グラフィックディスプレイ242としては、たとえば320×240pelの解像度を有する、カラーあるいは白黒LCDディスプレイを利用することができる。グラフィックディスプレイ242には、ダイヤルされた電話番号などの従来のワイヤレス電話で表示されていた情報とともに、一体的型のデジタルカメラ236から入力された画像が表示される。
【0107】
これまでのところ、最も実用的なデジタルカメラとしては、白黒あるいはカラーのデジタルスティルカメラがあげられる。ここで、帯域の幅により、システムにより送受信される画像データのデータ量が決まる。簡単で且つ安価なシステムの一つとして、従来のデジタルカメラと同様の方法により、ユーザの指示に基づいて、フレーム毎に画像を入力するシステムを利用できる。もし必要であれば、カメラおよび関連する回路部を、フレームレートを減らした、動画入力可能なビデオカメラとしてもよく、JPEGやgifの代わりにMPEGやNPEG2などの符号・復号システムを適合させてもよいことは理解されよう。
【0108】
どのように構成されたとしても、カメラ236はテレビ電話の携帯ユニットの前面端部に、回動可能に取付られ、これにより画像を入力できる範囲をほぼ180度の範囲とすることができる。このような構成によって、ハンドユニットを持つのに不自由することなく、カメラのレンズを画像が入力しやすい位置に置くことができる。
【0109】
図10に戻り、ICカードリーダライタ227は、ユーザの口座情報などを格納するとともに代金の請求にも利用可能なICカードからの情報読み取りと、ICカードへの情報の書き込みを行う。キーパッド244は数値、さらには文字情報をマイクロプロセッサ238に入力するために用いられる。
【0110】
電子ショッピングシステム229は、電子ショッピングを行うための更なる構成を備えている。プログラムローダ部232は、取引処理プログラムのシステムサーバ210などからのダウンロードを指示する情報を記憶するファームウェアメモリを有する。プログラムローダ232のファームウェアメモリに格納される指示情報は、詳細を後述するように、ワイヤレステレビ電話218からサーバ210へ通話が行われた際に、マイクロプロセッサ238により実行される。
【0111】
プログラムローダ232には更に、取引処理プログラムのダウンロードの機能を改良あるいは向上させるための付加的な回路を追加するようにしてもよい。第一の実施形態の場合と同様に、プログラムローダは、必要であればメモリではなく単一の能動回路により構成されてもよい。このような能動回路は、ワイヤレス電話18がサーバ210に接続されたことに対応して、メモリから読み出された指示を要することなく、取引処理プログラムの自動ダウンロードを実行する。
【0112】
サーバ210は、顧客情報データベース250、少なくとも一つのダウンロードプログラムメモリ252およびサーバパーソナルショッピングアプリケーション254それぞれとの間でやりとりをする電話インタフェース248を備える。サーバ1210の電話インタフェース248は、サーバと電話回線網との通信に介在し、デジタルの広帯域モデム、ケーブルモデム、ネットワークインタフェースカード(NIC)あるいはこの他の商用広帯域電話システムとの通信を行う装置を利用することができる。
【0113】
前述の実施形態の場合と同様に、顧客情報データベース250には、顧客が特定の電子ショッピングシステムを利用する際のそれぞれの顧客を認証するための情報が格納されており、図9に図示されるように、顧客の電話番号、電話やテレビ電話といった通信機器の種類、ダウンロードプログラムID、パスワード、顧客ID、顧客名あるいはこの他の望ましい顧客のプロフィール情報が格納される。顧客のプロフィール情報には更に、クレジット情報、商品の発送先住所、顧客が興味を持っている商品や、過去の取引履歴情報が含まれる。
【0114】
動作時に、顧客からのアクセス要求を受信すると、サーバシステム210は顧客情報データベース250から呼び出しをした顧客のプロフィール情報を検索し、電話やテレビ電話などの顧客の通信機器に対応するように作成された、ダウンロードプログラムメモリ252に格納されているプログラムに対応するダウンロードプログラムを判別する。サーバのダウンロードプログラムメモリ252から顧客のテレビ電話218にダウンロードされた取引処理プログラムには、購入される商品の選択と支払いの方法を示す特定の指示情報が設定されている。取引処理プログラムはそれぞれの顧客に対して同一なものであってもよいが、必要に応じて個々の顧客あるいは顧客のグループ毎に異ならせるようにしてもよい。異なる顧客に対して異なる取引処理プログラムが適用される場合には、顧客情報データベースに記憶されているダウンロードプログラムIDを個々の顧客毎に対応づけることができ、これによって個々の顧客に必要な取引処理プログラムを対応づけることができる。たとえば、それぞれの異なるダウンロードプログラムは、情報を異なる言語で表示し、顧客毎に対応した商品を選択するためのメニューオプションあるいは方法が設定され、あるいは異なる支払い方法が設定される。更に、個々の取引処理プログラムに、特定の顧客への特定商品に対応したメッセージや広告を設定してもよく、このような特定商品に対するメッセージや広告は顧客のテレビ電話に送信され、一体型のデジタルディスプレイに表示される。
【0115】
本実施形態によるワイヤレステレビ電話を所持する顧客に対して、機器の機能を向上させる、顧客に対応した取引処理プログラムが供給される。特に、ワイヤレステレビ電話にはバーコードスキャナの代わりにデジタルカメラ236が取り付けられているため、この取引処理プログラムに文字認識あるいはパターン認識の機能を追加することができ、またこれまで説明したワイヤレス電話18とバーコードスキャナとを組み合わせた実施形態の例と同様に、ワイヤレステレビ電話がバーコードを復調できるように機能するソフトウェアを追加してもよい。
【0116】
システムにこのような機能をもたせるために、文字認識、パターン認識あるいはバーコードの復調の機能を実行するルーチンは、ワイヤレステレビ電話に設けられたプログラムローダのファームウェアメモリから直接ダウンロードされる必要がないことは理解できるであろう。
【0117】
ワイヤレステレビ電話はバーコードパターンやグラフィックイメージパターンのようなデジタル画像情報を入力し、回路部を介してこれらの情報をストアサーバ10に直接送信する機能を備えている。このような情報がサーバにより受信されると、文字認識あるいはパターン認識のアプリケーションルーチンがサーバ内で実行され、デジタルビデオカメラにより入力されたバーコードの画像情報の復調あるいはアイコンのようなパターンのパターン認識が行われる。
【0118】
サーバパーソナルショッピングアプリケーション254は、サーバシステム210にも存在し、電子ショッピングを実行するためにサーバを動作させるプログラムとして特徴づけられる。サーバパーソナルショッピングアプリケーション254は、上記したように、ワイヤレステレビ電話218がサーバに接続された後に、取引処理プログラムや専用の文字/パターン認識ルーチンをワイヤレステレビ電話にダウンロードする機能を有する。サーバパーソナルショッピングアプリケーションは更に、オプションの文字/パターン認識ソフトウェアルーチンによる、バーコードや文字/パターン情報の受信と復調を行う。サーバパーソナルショッピングアプリケーション254はまた、クレジットカード番号、有効期限などの支払い情報の受信と記憶を行うとともに、ICカードリーダライタが使用されている場合にはICカードリーダライタ227を介して、顧客のICカードに記憶された情報の読み出しと更新も行う。
【0119】
図11を参照する。ワイヤレステレビ電話218のレシーバ310は取引処理プログラムとともに、オプションとしてパターンあるいは文字認識ルーチンを、アンテナアセンブリ214を介して受信し、受信したダウンロードプログラムを無線テレビ電話処理部240とプログラムローディング処理部308とを介してプログラムローダのプログラムに供給する。プログラムメモリに供給されると、ローディングされた取引処理プログラムが、マイクロプロセッサ238により取引処理プログラムが実行可能となる。プログラムローディング処理部308は、ダウンロードが完了するとその制御をローディングされた取引処理プログラム306に引き渡す。次に、レシーバ回路310が商品情報、価格その他の情報を受信し、またトランスミッタ回路部304からサーバへ情報が供給される際に、ローディングされた取引処理プログラム306の処理が行われる。トランスミッタからサーバに供給された情報には、キーパッド244により入力された情報とともに、バーコードデータやアイコン様の商品を特定するパターン、その他の情報のようなシステムのデジタルカメラ236から入力された画像情報が含まれている。
【0120】
また、取引処理の実行と同時に、音声による照会などの店員あるいはサーバ(音声認識/合成により)との通信を、ワイヤレステレビ電話のマイクロフォン200ととスピーカ202を用いた従来の通話と同様な方法で行ってもよい。音声および/または文字などの双方向情報通信に加えて、ワイヤレステレビ電話は顧客と店外あるいは店舗との間の双方向画像通信にも適している。ワイヤレステレビ電話の処理機能部240は、ワイヤレステレビ電話とサーバとの間の通信中に、音声情報、画像情報やデータを取引処理の最中に重畳する機能を実行するように構成される。この方法により、音声・画像のいずれの手段によっても、店の広告やアナウンスをサーバからワイヤレス電話18に送信することができる。
【0121】
図12を参照する。ワイヤレステレビ電話は、呼制御ソフトウェア326、RFシンセサイザ332、ミキサ334、固定発振器336、デュプレクサ312とアンテナシステム314を含むアンテナアセンブリといった、これまでのワイヤレス電話システムの機能を実行する構成を有する。トランスミッタ304は、アナログ デジタル変換部回路320、スピーチコーダ322、チャネルエンコーダ324、広帯域デジタル変調器328やRF増幅器330といった、これまで広く知られている手法で動作する構成を備えている。また、レシーバ回路310は、デジタル アナログ変換回路340、スピーチデコーダ342、チャネルデコーダ344、デジタル等化器346、デジタル復調器348やRFレシーバ/増幅器350といった、これも広く知られている広帯域放送受信器の特徴を備えた構成を備える。
【0122】
ビデオイメージデータはシステムに設けられたデジタルカメラ236から入力され、入力された画像データはマイクロプロセッサ238に供給される。マイクロプロセッサ238は、ワイヤレステレビ電話に前もってダウンロードされ、格納されているアプリケーションプログラム306により、入力された画像データを処理する。マイクロプロセッサでの処理に続いて、画像データは復調のためにチャネルエンコーダ324によりエンコードされ、ストアサーバに転送される。システムに文字/パターン認識ソフトウェアがダウンロードされていない場合には、画像データはマイクロプロセッサ238に入力した後、システムにより復調・送信されるためにチャネルエンコーダ回路324に直接手渡される。
【0123】
イメージデータを受信する際に、デジタルビデオデータが復調部348と等化器346とによって復調・等化された後、ビデオ画像情報はチャネルデコーダ回路344によってデコードされ、グラフィックディスプレイスクリーン242上に表示するためにマイクロプロセッサ238に供給される。また、トランスミッタ回路304のアナログ デジタル変換部320を、レシーバ部310のデジタル アナログ変換部340とともに直接マイクロプロセッサ238に接続し、ストアサーバ10からダウンロードされた音声認識/合成の機能を実行させるようにしてもよい。マイクロプロセッサ238からデジタル アナログ変換部340へのデータチャネルは、スピーカ302へ音声データあるいは合成された音声データを伝える。同様に、マイクロプロセッサ238からアナログ デジタル変換部320へのデータチャネルは、マイクロフォン300から入力された音声信号の認識に利用される。更に,ワイヤレステレビ電話とストアサーバとの間で通信される音声データは、文字/画像情報の双方向通信あるいはダウンロードされたプログラムの実行と並行して、マイクロフォン/トランスミッタとレシーバ/スピーカとにより転送されるようにしてもよい。
【0124】
図13は、ダウンロードされたバーコードイメージ入力プログラムに対応して、一体型のデジタルカメラからイメージデータを入力する機器として利用されるワイヤレス電話18の動作を説明した、フローチャートである。顧客は、システムを構成するワイヤレス電話18部を用いてストアサーバ10とやり取りし、サーバに自身を認識させて、顧客のワイヤレステレビ電話の画像入力機能に対応した取引処理プログラムをダウンロードする。
【0125】
プログラムのロードが完了した後、新たに受信した取引処理プログラムによりシステムのプログラムメモリに記憶されていた以前受信したプログラムが上書きされる。プログラムローダはローディングされた取引処理プログラムに制御を手渡し、キーボード244やマイクロフォン300、ICカードリーダライタ227、ビデオグラフィックディスプレイ242、デジタルビデオカメラ236などの、システムの周辺入出力機器の制御が行われる。取引処理プログラムは更に、ワイヤレステレビ電話の全ての送受信機能を制御する。
【0126】
図13を参照する。取引処理プログラムがダウンロードされると、顧客はワイヤレステレビ電話、特にデジタルカメラを用いて、顧客が購入しようとしている商品の選択・登録を行う。このような商品の選択は、デジタルカメラの画像入力範囲内に存在する商品のUPCバーコードデータ、その他の画像を入力することで行われる。消費者がでデジタルカメラを用いて特定のバーコードを走査すると、カメラによってとらえられた画像がシステムのグラフィックディスプレイ上に表示され、顧客が画像全体が入力されたかどうかを視認することができる。プログラムの一部として文字/パターン認識ソフトウェアがダウンロードされた場合には、顧客は単にシステムのキーボード上にある、あらかじめ決められたキーを押すことで、システムに対して画像を処理できる状態になったことを知らせることができる。技術に精通したものであれば、この他のコード、マーク、テキスト、アイコンあるいは同様なものも走査し、これらを文字/パターン認識ルーチンにより認識させられることを認識できるであろう。このように、商品の選択には必ずしもUPCコードを用いる必要はなく、特定の商品や提供されるサービスを示す特定のアイコンなどを用いて商品を選択することもできる。たとえば、食料品を購入する際に、パンやミルクのパック、ブロッコリの外観を示した商品を特定するためのアイコンを利用することができ、顧客がバーコードを読み取ることができたかどうかの確認に煩わされることなく、素早く、効率的に購入商品を選択することができるようになる。
【0127】
デジタルビデオカメラにより入力されたマークの形態を問わず、システムは個々のマークに対して同一の方法で、アプリケーションに対応した文字やパターンの認識を行うようにコード化されたダウンロードプログラムの動作のみに基づいて、処理を行う。以下では、ビデオカメラにより入力された画像データはその種類を問わず、一般用語である「バーコード」画像データに包含される。
【0128】
図13を参照する。プログラムは通常の状態では、顧客がシステムのキーボードに設けられたバーコード読取キーなどの、特定のファンクションキーの操作を待つアイドルモードとなっている。特定のファンクションキーが押されると、ダウンロードされたプログラムが動作を開始する。図13の例では、バーコード読取キーが操作されると、プログラムはデジタルカメラによって捉えられたバーコード画像を入力する。バーコード画像が入力されると、プログラムはパターン認識ソフトウェアを用いて、バーコード画像データを数値バーコードデータに復調する。バーコードが数値データに復調されると、バーコードデータがシステムのワイヤレス通信部によって店舗のサーバに転送される。
【0129】
サーバでは、数値バーコードデータが、PLU (Price Look Up)テーブルあるいはファイルから検索できる個々の商品と対応づけられている。そして、「商品選択完了」の応答がサーバから発行され、顧客のワイヤレステレビ電話によりその通信機能を用いて受信される。受信されたレスポンスは、システムに設けられた一体型グラフィックディスプレイ画面上に、顧客向けに表示される。このレスポンスには、選択された商品の数値バーコードデータや、商品名、商品単価などの情報が含まれ、この情報により顧客がその商品が自分の選択した商品かどうかを確認することができる。
【0130】
本発明の実施形態では、商品が選択された後に、客は選択した商品の確認と、商品リストからの特定商品の削除とを行うことができる。顧客は更に、全ての購しようとする商品が選択されて支払いを行う前に、各々の商品の確認と削除とを行うことができる。客は、全ての商品が登録されたことを示すために、キーパッドに設けられたあらかじめ決められたキーを操作する。ワイヤレステレビ電話はこれに応答して、登録された商品の合計金額を表示し、上記したように商品の一部部あるいは全部をリストから削除するための機会を客に与える。全ての購入しようとする商品が選択された後、客はシステムのICカードリーダライタユニットを用いて、ICカード、クレジットカード、チェックカードその他により支払いを行うことができる。また、客はクレジットカード番号や有効期限その他の情報を、キーパッドを用いてワイヤレステレビ電話に入力することもできる。
【0131】
シンプルで効果的な電子ショッピングシステムへの適用だけではなく、本発明のワイヤレステレビ電話は、小売り取引処理のみに限定されるものではない。そのプログラムをダウンロードする機能は適用されるアプリケーション特有のものではなく、本発明のワイヤレス電話18により、適当なサイズのいかなるアプリケーションプログラムのダウンロードおよび実行が可能であることは、理解されることであろう。プログラムローダの機能と、システムのデジタルカメラ、グラフィックディスプレイとの組み合わせにより、システムをカタログショッピングに適したものとすることができ、購入のために商品を選択する際には、単にカタログのページに掲載された商品の近くに印刷されたバーコードを走査するだけでよい。
【0132】
また、本発明によるシステムを、バーコードの電話帳を利用した自動電話ダイヤリングに適用することも可能である。更に、本発明によるシステムは、バーコード情報がLCDやコンピュータのCRTなどのディスプレイ画面上に表示されるような電子的選択システムに特に有用である。このようなバーコード情報が表示されている場合、従来のバーコードスキャナシステムでは画面上からバーコード情報を読み取ることが困難である。これまでのスキャナシステムではレーザ光をバーコード画像に照射するが、この種のディスプレイの表面で発生する光線の散乱が、上記のバーコード読取に干渉してしまうためである。
【0133】
本発明では、システムのデジタルカメラの撮像範囲内にバーコードデータをおさめればよいため、このようなバーコード画像の入力はより容易となる。本発明のシステムによれば、画像を入力するために、バーコードをいかなる種類の電磁波を用いて照射・走査する必要がない。このような特徴により、特に商品が量り売りで販売されているような場合に、コンピュータのディスプレイ上に表示されるバーコード画像を容易に読み取らせることができる
特に、多くの食料品店で、小型のLCDパネルを備え、顧客がその上に商品を乗せた際にバーコードの形式で商品の重量をLCDパネル上に表示する秤が使用されるようになるであろう。本発明の装置を利用することによって、顧客は棚のラベルなどから、商品そのものに関するバーコードを読み取ることができ、また購入しようとする商品の重量を示す画面上に表示されたバーコードデータを入力することができるのである。
【0134】
このような情報入力の手法は、キーパッドや商品選択の項目を区分する圧力検知領域(タッチパネル)を備えたディスプレイ画面などの商品選択の機能を備えた秤に対しても、適用可能である。客が商品を秤の上に乗せると、商品選択装置により商品の種類が特定される。秤のディスプレイ画面は、UPCコードなどの商品コードとともに、その商品の重量を、バーコードの形式で表示する。商品コードと重量とは、それぞれ別個のバーコードとして表示されてもよく、また双方の情報が組み合わされた単一のバーコードとして表示されてもよい。
【0135】
また、発明の機能を果たすためであれば、商品の情報はバーコードの形式で表示される必要はないことも理解されるであろう。商品情報は、商品名などの文字情報や数値コードなどの形式で表示されてもよい。いずれの場合にも、文字認識ソフトウェアがワイヤレステレビ電話に商品を認識する機能を実現させる。文字認識ソフトウェアは、数値あるいは文字コードに基づいて商品を認識するのに対し、パターン認識ソフトウェアはバーコードデータに基づいて商品の特徴を判別する。
【0136】
上記した通り、パターン/文字認識はワイヤレステレビ電話にダウンロードされたソフトウェアにより実現することができるが、また数値/文字あるいはバーコードの画像情報をサーバに送信し、認識処理を実行させるようにしてもよい。その後、認識結果はワイヤレステレビ電話に返信され客に向けて表示される。
【0137】
本発明のシステムは、システムのデジタルカメラの撮像範囲内に画像を位置させることによって、あらゆる種類のディスプレイ装置上に表示されたバーコードや数値情報を入力できることが理解されるであろう。システムにダウンロードされたプログラムがパターン/文字認識ルーチンを備えている場合には、認識データ処理はテレビ電話内部で実行される。ダウンロードされたプログラムが認識ソフトウエアを含んでいないのであれば、プログラムは画像情報をサーバに転送し、サーバ内の認識処理ソフトウエアがデータを処理し、認識された商品情報が返送されてテレビ電話のグラフィックディスプレイ上に表示される。最も簡単な例では、ダウンロードされたプログラムがストアサーバ10に画像情報データを送信することができ、これに基づいて店員に対して情報が表示される。店員はバーコードあるいは数値データなどの送信されたデータに対応する商品を自身で判断して、判別された商品情報を顧客のテレビ電話上のグラフィックディスプレイに返送する。
【0138】
より高度なパターン認識ソフトウェアを用いることで、バーコードあるいは数値情報が付されたレベルによって認識されない商品の情報を入力する機能を提供することができ、本発明のワイヤレステレビ電話の機能をより向上させることができる。より高度なパターン認識ソフトウェアでは、顧客により入力されたリンゴなどの品物の画像から、この商品がリンゴであると認識する。このような機能は、区別/識別可能な形状や、この他の視覚的に認識可能な特徴を備えた商品に対して特に有用である。このようなパターン認識はワイヤレステレビ電話の内部で、ダウンロードされたソフトウェアにより実行される。また、商品の画像情報が、必要な商品を認識するパターン認識プログラムが格納されたサーバに転送される。更に、システムによって商品の画像情報をサーバに転送し、ディスプレイに画像を表示して店員がこれを認識するようにしてもよい。
【0139】
ここで説明され、関連する図面に図示された電子ショッピングシステムは、単に本発明の一実施形態を示すものにすぎない。本発明の思想と範囲からはずれることなく、この他の改良や追加をこれらの実施形態に適用できる。たとえば、技術に精通するものであれば、従来のセルラー電話とは異なるタイプのさまざまなワイヤレス電話18が本発明の実現に適しており、また上記したワイヤレステレビ電話の通信に利用可能であることを認識するであろう。また、顧客装置とサーバとの間の通信に、セルラー電話システム以外のさまざまな無線通信手段を適用することができる。特に、システムは広帯域RFマイクロ波通信技術、あるいはこの他の技術を用いて通信を行うことができるであろう。
【0140】
更にまた、ダウンロードされるプログラムは取引処理プログラムには限定されない。この他のいかなるアプリケーションプログラムを、プログラムローダにより無線テレビ電話にダウンロードすることができる。したがって,いかなるアプリケーションプログラムも、無線システムで利用することができる。たとえば、本発明によるワイヤレステレビ電話は、チケットの予約、座席の予約、食品の注文、テキスト/音声/ビデオガイダンスプログラム、情報照会その他に利用することができる。
【0141】
上記した、あるいはこのほかの改良と追加は技術に精通したものには自明な事項であり、さまざまな異なる用途に本発明を適用することを思いつくであろう。このように、本発明は上記に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲とその思想とによってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電子ショッピングシステムの概要を説明する図面。
【図2】ワイヤレス電話18とサーバの詳細を説明したブロックダイアグラム。
【図3】本発明の一実施形態によるワイヤレス電話18の機能ブロックダイアグラム。
【図4】従来のワイヤレス電話18の構成と、本発明の一実施形態による構成(太字/太線で図示)との関係を図示した、一実施形態によるワイヤレス電話18のブロックダイアグラム。
【図5】本発明の一実施形態による電子ショッピングシステムによる処理を示したフローチャート。
【図6】図5に図示されたワイヤレス電話18からのサーバの呼び出しステップを更に詳細に説明したフローチャート。
【図7】図5に図示されたサーバからワイヤレス電話18へのプログラムのダウンロードステップを詳細に説明したフローチャート。
【図8】図5に図示された取引処理プログラムの実行を詳細に説明したフローチャート。
【図9】顧客情報テーブルを示す図。
【図10】本発明の一実施形態によるワイヤレステレビ電話のブロックダイアグラム。
【図11】一実施形態によるワイヤレステレビ電話の機能ブロックダイアグラム。
【図12】従来のワイヤレステレビ電話の構成と、本発明による構成(太字/太線により図示)との内部的な関係を示したワイヤレステレビ電話のブロックダイアグラム。
【図13】バーコード情報の入力とデコードを行うダウンロードされたプログラムの処理ステップを説明するフローチャート。
【図14】本発明の適用されるワイヤレステレビ電話の外観を示す図。
Claims (6)
- ワイヤレステレビ電話を用いた商品購入処理を行う電子ショッピングシステムであって、
電子的な購入処理に利用される取引処理プログラムを格納するサーバと、
サーバとの間で通信を行うワイヤレステレビ電話と、を備え、
前記ワイヤレステレビ電話が、前記取引処理プログラムが含まれる無線信号を受信するアンテナと、
前記アンテナから受信した前記無線信号を増幅する無線帯域レシーバ/増幅器と、
前記無線帯域レシーバ/増幅器によって増幅された無線信号を受信して復調を行う復調部と、
前記復調部によって復調された信号から、前記取引処理プログラムが含まれる非音声/非画像データを分離しするチャネルデコーダと、
サーバからダウンロードされた前記取引処理プログラムをプログラムメモリにダウンロードするプログラムローダと、
マイクロプロセッサに接続されたデジタルカメラと、
グラフィックディスプレイと、を備え
前記サーバにはパターン認識プログラムが備えられ、
前記パターン認識プログラムは、前記デジタルカメラから入力され、前記ワイヤレステレビ電話から送信された画像情報を認識して、この情報を商品を識別する情報に変換し、
当該情報を受信した前記ワイヤレステレビ電話は前記グラフィックディスプレイに当該情報を表示することを特徴とする電子ショッピングシステム。 - 前記電子ショッピングシステムにおいて、前記プログラムローダはファームウェアメモリを有し、
前記ファームウェアメモリには、前記ワイヤレステレビ電話により受信された取引処理プログラムのプログラムメモリへの格納時に実行される指示情報が格納されていることを特徴とする、請求項1記載の電子ショッピングシステム。 - 前記電子ショッピングシステムにおいて、
前記ワイヤレステレビ電話は更に、プログラムローダと前記プログラムメモリとに接続されるマイクロプロセッサを有し、前記マイクロプロセッサは前記プログラムローダのファームウェアメモリに格納されている指示情報および前記プログラムメモリに格納されている取引処理プログラムを実行するものであることを特徴とする、請求項2記載の電子ショッピングシステム。 - 前記電子ショッピングシステムにおいて、
前記ワイヤレステレビ電話にはパターン認識プログラムが備えられ、前記パターン認識プログラムは前記デジタルカメラから入力された画像情報のパターン認識を行い、前記画像情報を対応する商品情報に変換することを特徴とする、請求項1記載の電子ショッピングシステム。 - 前記電子ショッピングシステムにおいて、
前記画像情報はバーコードであり、前記パターン認識プログラムはバーコードデータを商品を識別する情報に変換することを特徴とする、請求項4記載の電子ショッピングシステム。 - 前記電子ショッピングシステムにおいて、
前記画像情報は商品に特有なパターンの形状であり、パターン認識プログラムは前記パターン形状を商品を識別する数値/文字情報に変換することを特徴とする、請求項4記載の電子ショッピングシステム。
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