JP3777332B2 - 面発光型半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光型半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザや半導体発光ダイオード等の半導体発光素子は、光通信分野をはじめとして、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクシステム或いはバーコード・リーダ等に代表される民生分野及び商業分野などにおいて広く使用されている。
【0003】
このような半導体発光素子の中で、面発光型半導体レーザは、活性層の上下に設けられた反射鏡により共振器構造を構成するもので、基板と垂直方向にレーザ光が出射されるものである。
【0004】
この面発光型半導体レーザは、基板上に二次元的に多数のレーザ素子を集積化できるために、高速光LAN(Local Area Network)、光インターコネクト等における光エレクトロニクス分野のキーデバイスとして大きな注目を集めている。
【0005】
このような面発光型半導体レーザの特徴として以下のものが挙げられる。
【0006】
例えば、端面発光型半導体レーザに比べ、しきい値が低く、消費電力が低く、発光効率が高く、高速変調が可能で、ビーム広がりが小さく光ファイバとの結合が容易で、端面へき開が不要で量産性に優れる等々多数の利点を有している。
【0007】
これらの特徴のほかに面発光型半導体レーザは、高速の光リンク用光源として好適であり、プラスチック光ファイバと組み合わせることにより、高速光リンク用光源を低価格で実現できることが期待され研究開発が盛んに行われている。
【0008】
このような面発光型半導体レーザでは、発光領域に電流を狭窄するための電流狭窄部が必要である。この電流狭窄部を形成する方法として、プロトン注入方式及び選択酸化方式が一般的に用いられている。
【0009】
ここでは、より簡単なプロセス工程で形成可能な選択酸化方式について、説明する。
【0010】
先ず、半導体基板上に、半導体多層膜反射鏡、クラッド層、半導体活性層、クラッド層、半導体多層膜反射鏡、コンタクト層を順次成長し、レーザウェハを作製する。このとき半導体多層膜反射鏡は、例えばAl0.95Ga0.05As膜/Al0.5Ga0.5As膜の繰り返し積層構造、また被酸化層として半導体多層膜反射鏡を構成する膜よりAl組成比の大きいAlxGa1-xAs(x>0.9)膜を有している。
【0011】
次に、エッチングによりメサを形成し、水蒸気雰囲気中で基板温度を400℃以上に加熱する。こうすることで、半導体多層膜反射鏡を構成する半導体膜のうちAl組成比が高いAlGaAs膜が選択的に酸化されて、AlxGa1−xOy膜になる。その酸化速度はAl組成により著しく変化する。例えばAlxGa1−xAsとして、x=0.9〜1とすることで、クラッド層やGaAs層にはほとんど影響を与えずに、Al高濃度層のみを選択的に酸化することができる。
【0012】
この横方向の酸化工程によって、メサの側面から酸化が進むことによって電流狭窄部が形成され、メサの中心部に、酸化されない領域すなわち開口部が形成される。このとき、熱処理の温度と時間を適宜調整することで、Alを高濃度に含む被酸化層の一部である酸化されない開口部の形状及び大きさを制御することができる。
【0013】
このように選択酸化方式の面発光型半導体レーザは、メサ部を形成して、メサ部の側壁からAlを高濃度に含むAlAs層或いはAlGaAs層を選択的に酸化することによって電流狭窄構造を作製する。
【0014】
しかしながら、Alを高濃度に含むAlAs層或いはAlGaAs層は水蒸気酸化による選択酸化プロセスにおいて、基板温度、酸化層の膜厚、Al組成、水蒸気の流量、窒素ガスの流量により、酸化速度は決定されので、そのプロセスの条件変化に対して酸化速度は大きく影響を受けるため、非酸化領域の寸法や形状を再現性良く制御することが難しいという問題がある。
【0015】
この問題を解決するために、従来酸化プロセス時に被酸化領域の広がりをリアルタイムに計測し、制御性を高めようとする試みが図られている。これはAlAs層とAl2O3酸化層の屈折率差、反射率差を利用して、実際の素子部分の像をCCDカメラにより観察する方法(Wright State Univ.,IEEE Photon Technol. Lett. 10, 197(1998))或いはそれらの反射率の変化を計測しフィードバック制御する方法(特開2001−93897号公報)が報告されている。
【0016】
しかしながら、これらの手法を用いても、半導体基板の全域にわたって素子の計測や寸法、形状を制御することは難しく、特に電流狭窄部の寸法を10μm以下に形成する場合、酸化速度がプロセス条件に敏感に反応することに加え、以下に説明する異方性酸化が生じることから高精度な制御は極めて困難であることが分かった。
【0017】
Alを高濃度に含むAlAs層やAlGaAs層を選択酸化層として用いるとき、例えばAlxGa1−xAs(x>0.94)層では、<100>軸に沿った面の酸化は<110>軸に沿った面よりも酸化速度が速い。このように面方位に対して酸化速度が異なるため、選択酸化プロセスにおいて非酸化領域の形状が酸化時間に対して変化する問題がある。
【0018】
図1に、酸化時間と酸化領域の広がり、すなわち非酸化領域の形状の変化を模式的に示す。図1では円柱状に形成されたメサ20を横方向に酸化したときの酸化領域21の広がり、非酸化領域14の形状の変化を示したものである。図中符号12は凹部を示す。
【0019】
図1に示すように、酸化時間tに従って酸化領域21が広がっている。このときa及びbで示す方向は、酸化速度が遅いために被酸化領域がa及びbで示す方向を頂角とするひし形になっていく様子が分かる。またこのひし形は、酸化時間tが長くなると縦横の差が拡大していくことが分かる。
【0020】
このように酸化領域の寸法を大きくしようとすると、その結果できる酸化されていない発光領域となる形状を制御することが難しく、屈折率導波路、出射ビーム形状、横モードの制御が困難となり、特性のばらつきが生じ易いという問題がある。
【0021】
選択酸化方式の面発光型半導体レーザにおいて、酸化長を短くする方法としては、メサの径(寸法)を小さくし、メサ側面から被酸化層の酸化長を短くする方法が挙げられるが、それに伴い電極面積も小さくなり、コンタクト抵抗が大きくなること、またメサの構造が更にアスペクト比の高いポスト構造になるために段線切れの発生頻度は高まる。メサの径(寸法)を小さくした場合、配線幅、各種寸法を短くしなければならないため、リフトオフ工程等のプロセスにおいてもその困難度が増し、配線切れの発生する頻度は高まる。従って、メサ径を小さくすることで酸化長を短くすることは、新たに別の問題が生じるため、その適用は従来、困難であった。
【0022】
また、選択酸化方式の面発光型半導体レーザにおいて、AlAs層或いはAlGaAs層を水蒸気酸化すると、被酸化層の体積が収縮し、上下の層に歪が入るという問題がある。AlxOyは、もとのAlAs層に比べ体積が30%から40%へ収縮するために、酸化後には、活性層或いはメサ部の中心部へ圧縮応力が印加される。
【0023】
この歪が活性層の最も電流の集中する領域に影響を与え、素子の寿命を低下させる問題がある。特に選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しての耐性は弱くなるという問題がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の選択酸化方式の面発光型半導体レーザは、発光領域となる非酸化領域の形状を制御することが難しく、屈折率導波路、出射ビーム形状、横モードの制御が困難となり、特性のばらつきが生じ易いという問題がある。
【0025】
また、酸化に伴う体積収縮によって活性層やメサ部の中心部へ圧縮応力が印加され、素子の信頼性、寿命の低下、熱耐性の劣化が生じるという問題がある。
【0026】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、選択酸化における酸化長及び電流狭窄(非酸化)領域の寸法の制御性を向上し、基板面内の均一性及び再現性を向上し、発光領域となる非酸化領域や出射ビームパターンの形状の制御性を向上し、基板面内の均一性や再現性を向上し、酸化により生じる体積収縮による活性層、メサ部中心部への圧縮応力の印加を緩和し、界面での亀裂や破損を抑制し、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しての耐性を高めた面発光型半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、主面を有する基板と、
前記基板の主面上に設けられ、前記主面に対して垂直方向の共振器を形成する、第1の半導体多層膜反射鏡及び第2の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡及び前記第2の半導体多層膜反射鏡の間に形成された発光領域を有する半導体活性層と、
前記半導体活性層上に形成された前記第1の半導体多層膜反射鏡を含み、前記主面に対して側面が曲面を形成し逆テーパ状に形成されている逆テーパ部と、
前記逆テーパ部から前記主面に向かって側面が前記曲面に連続した曲面を形成して順テーパ状に形成されている順テーパ部と、
前記発光領域を実質的に囲むように前記逆テーパ部側面から酸化形成された電流狭窄部と、
前記逆テーパ部上に形成された電極とを具備し、
前記半導体活性層は前記逆テーパ部及び前記順テーパ部の境界近傍に形成されていることを特徴とする面発光型半導体発光素子を提供する。
【0028】
このとき、前記電流狭窄部は、第1の電流狭窄部及び第2の電流狭窄部から構成されており、前記第1の電流狭窄部は前記半導体活性層上方であって前記逆テーパ部に形成されており、前記第2の電流狭窄部は前記半導体活性層の下方であって前記順テーパ部に形成されていることが好ましい。
【0029】
また、前記基板上であって、前記逆テーパ部及び前記順テーパ部から凹部を介して隔てられ形成された周辺部と、
前記周辺部上に形成された周辺電極と、
前記凹部を横切って、前記逆テーパ部上に形成された電極と前記周辺電極とを繋ぐ配線とを具備することが好ましい。
【0030】
また、前記面発光型半導体発光素子が同一基板上に複数形成され、前記面発光型半導体発光素子の各凹部の開口部総面積が略同等であることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、種々工夫して用いることが可能である。
【0033】
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態1にかかる面発光型半導体発光素子の構造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)の断面A−A'における断面図である。ここでは面発光型半導体レーザについて説明する。
【0034】
この面発光型半導体レーザは、基板1の主面上に、発光領域13を有する半導体活性層3と、半導体活性層3を狭持し、基板1の主面に対して垂直方向の共振器を形成する第1の半導体多層膜反射鏡6及び第2の半導体多層膜反射鏡2が形成されている。半導体活性層3の上下両面には、半導体クラッド層4及び半導体クラッド層5が形成されている。
【0035】
第1の半導体多層膜反射鏡6上には、コンタクト層7が形成されている。コンタクト層7上にはコンタクト電極9が形成されている。コンタクト電極9は、発光領域13上を開口するように形成されている。
【0036】
基板1の裏面には、電極10が形成されている。
【0037】
第1の半導体多層膜反射鏡6、半導体活性層3、半導体クラッド層4及び半導体クラッド層5は凸部形状のメサ部100となっている。このメサ部は、基板1の主面上方向に突出している。
【0038】
第1の半導体多層膜反射鏡6及び半導体活性層3を含むメサ部100の周辺には凹部12が設けられている。メサ部100は基板1に対して逆テーパに形成されている。ここでメサ部100の上面は、基板1に接する面よりも大きい面を有している。
【0039】
第1の半導体多層膜反射鏡6の下には、メサ部100の側壁から発光領域13に向かって横方向に酸化されることによって形成された電流狭窄部14が形成されている。
【0040】
また、第2の半導体多層膜反射鏡2の上には、メサ部100の側壁から発光領域13に向かって横方向に酸化されることによって形成された電流狭窄部15が形成されている。これら電流狭窄部14及び15は、発光領域13へ電流を絞り込むためのものである。
【0041】
メサ部100が基板1に対して逆テーパ状に形成されているので、電流狭窄部14が位置するメサ部100側面から発光領域13までの距離が、メサ部100のコンタクト電極形成面の端縁から光取り出し部までの距離のうち最短のものよりも短くなっている。
【0042】
また、凹部12の表面には絶縁膜50が形成され、これを介して電極51が形成されている。電極51は、配線52によってコンタクト電極9と接続されている。
【0043】
この面発光型半導体レーザは、メサ部100の形状が、基板1に対して逆テーパ状に形成されている。このようにメサ部100の側壁が逆テーパ面を有するので、側壁から発光領域13までの距離が円柱状のメサ部よりも近くなる。これはメサ部100の上面の面積よりも電流狭窄部14が形成されている部分の基板1に対して平行な面の面積が小さくなっている。したがって逆テーパ状に整形されたメサ部100の側壁から被酸化層を酸化し電流狭窄部14及び15を形成する際、発光領域13の開口部を形成するために必要な酸化時間を短縮することが可能となり、プロセスによる制約を受けずに酸化長を短くすることが可能となる。
【0044】
このように電流狭窄部14及び15の酸化長が短くなることで、基板面内の素子間で電流狭窄部14及び15の寸法のバラツキを抑制することができ、また、異方性酸化による電流狭窄部の形状が歪化することを抑制することが可能となる。
【0045】
さらに酸化長が短くなることで被酸化層の酸化による体積収縮により発生する活性層、メサ部中心部への圧縮応力が大幅に緩和されることになる。
【0046】
これらのことから、この面発光型半導体レーザは、出射ビームパターンの寸法および形状の制御性、均一性、再現性が高まり、量産性の向上、モード制御が容易になるとともに、界面での亀裂や破損が抑制され、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しての耐性も高まり、素子の信頼性の向上、長寿命化が可能となる。
【0047】
従来の円柱形状のメサ部では、開口部の径を5μmにするとき、メサ径を45μmとすると側壁からの被酸化層の酸化長が20μm必要となる。このときの酸化長は目標値に対して約±10%以内の精度で再現しているとすると、酸化長は20±2μm(18μm〜22μm)となり、電流狭窄部の寸法(ビーム径)はメサ径45−2×(酸化長20±2)=5±4μmとなり、電流狭窄部の寸法精度は、目標値に対して±80%も変動することになる。従って、所望の電流狭窄部の寸法(ビーム径)が10μm以下の場合、目標値に対する寸法の変動率は大きくなることは明らかである。
【0048】
一方、本実施形態に示す面発光型半導体レーザでは、逆テーパ形状のメサ部100上面の端部と、酸化される層の側壁に露出した端部とのアンダーカット量を10μmとすると酸化長は従来の20μmから10μmと短くできる。このとき酸化長が約±10%の精度で同様に再現しているとすると、酸化長は10±1μm(9μm〜11μm)となり、電流狭窄部14に囲まれたビーム開口部の径はメサ径45μm−アンダーカット量10μm×2−2×(酸化長10±1μm)=5±2μmとなり、目標値に±40%に収まることになる。したがって従来に比べ寸法の制御性、均一性、再現性を大きく改善できる。よって、目標値に対する寸法の変動率が大きくなる10μm以下の場合、電流狭窄部14に囲まれたビーム開口部の径における寸法の制御性、再現性、均一性の向上を図る上で本発明は有効となる。
【0049】
図3に、Al(Ga)As層の酸化長のプロセス条件による酸化速度のばらつきを示す。ここでAl(Ga)AsはAlAs或いはAlGaAsを表す。
【0050】
図3に示すように、酸化長が20μmから10μmと半分になる、すなわち酸化時間が半分になることで、プロセスばらつきは±2μmから1μmへ半分になることが分かる。
【0051】
次に、図2に示す面発光型半導体レーザの製造方法について、具体的に説明する。
【0052】
先ず、洗浄された厚さ400μmの3インチ、面方位(100)のn型GaAs基板1上に、MOCVD装置を用いてn型の半導体多層膜反射鏡2、電流狭窄部15となる被酸化層、クラッド層4、半導体活性層3、クラッド層5、電流狭窄部14となる被酸化層、p型の半導体多層膜反射鏡6、コンタクト層7を順次成長する。
【0053】
ここで半導体活性層3とクラッド層4及び5よりなる共振器の上下に半導体多層膜反射鏡2及び6を配置したものを基本構造としていて、1.3μm帯のGaInNAs面発光型半導体レーザとして設計及び製作を行った。
【0054】
半導体多層膜反射鏡2は波長1.3μmの光学波長1/4の厚さでn型GaAs層とn型AlyGa1−yAs(0<y<1)層を交互に積層したものである。クラッド層4はn型GaInPである。半導体活性層3は発光ピーク波長が1.3μmとなるように調整したGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層と、バリヤ層としてGaAs層を交互に積層した量子井戸構造である。ここではGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層を中心とし、その上下にGaAs層を積層した3層構造とする。量子井戸層であるGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層のIn組成は30%〜35%、窒素組成は0.5%〜1.0%とし、厚さは7nmとする。このGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層の格子定数は、n型GaAs基板1よりも大きくなるようように組成を制御して、圧縮歪量約2.5%を内在させている。このため、微分利得係数は増大し、無歪の場合に比較して、しきい電流値が一層低減される。
【0055】
クラッド層5はp型GaInPである。半導体多層膜反射鏡6は、波長1.3μmの光学波長1/4の厚さでp型GaAs層とp型AlyGa1−yAs(0<y<1)層を交互に積層したものである。
【0056】
電流狭窄部15となる被酸化膜は、クラッド層4下に形成され半導体多層膜反射鏡2を構成するAlGaAsよりAl組成比の大きいAlxGa1−xAs(x>0.98)を用いる。電流狭窄部14となる被酸化膜は、クラッド層5上に形成され半導体多層膜反射鏡6を構成するAlGaAsよりAl組成比の大きいAlxGa1−xAs(x>0.98)を用いる。コンタクト層7はp型GaAsとする。
【0057】
次に、フォトリソグラフィとエッチング工程によりn型半導体多層膜反射鏡2の上部までエッチングを行い、GaAs基板1に対して逆テーパ形状になるようにメサ部を作製する。メサパターンは、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマドライエッチング装置により、三塩化ボロン・窒素混合ガスによるエッチング処理を行う。このとき、バイアス出力、基板温度を調整することで、等方性エッチングが生じる条件によりメサ部の作製を行い、図2(b)に示すようにn型半導体多層膜反射鏡2の上部までエッチングされ、逆テーパ面を有するメサ部100となる。
【0058】
また、メサ部100の上面において直径25μmとなるように、上面からのアンダーカット量を、電流狭窄部14となる被酸化層の部分で3.5μmになるようにする。
【0059】
ここで複数のチップを同一基板上に同時に形成する場合、メサ部100を形成するための凹部エッチングにおいて、メサ部100を逆テーパ形状に形成し、寸法を基板面内の均一性を高めるために、エッチングパターンの密度の違いに起因したマイクロローディング効果を抑制する必要がある。
【0060】
そのため図4に示すように、ビーム径が小さい領域では、エッチング領域12の面積を小さくし、ビーム径が大きい領域では、エッチング領域12の面積を大きくする。また、ビーム径が中くらいの領域では、エッチング領域12をそれらの中間にする。このように凹部形成用パターンの密度、すなわちエッチング領域12の密度を、ビーム径の大きさによって調整することによって、基板面内のチップ間でアンダーカット量を一定になるように設計することができる。
【0061】
次に、水蒸気雰囲気中で400℃〜500℃の熱処理を行い、被酸化層を横方向に選択酸化し電流狭窄部14及び15を形成する。このとき、メサ部100の側壁からの酸化長を6.5μmとし、5μm径の発光領域13を作製する。
【0062】
従来型の円柱形状のメサ部における酸化プロセスでは、10μmの酸化長が必要なところを35%も寸法および酸化時間を短くでき、非酸化領域の面内寸法のバラツキ(3インチウェハ面内)も3σ値で、約20%の改善が見られ、異方性酸化による形状の歪みも縦と横で0.7μmの寸法差が0.4μmに低減されることが示された。
【0063】
次に、ポリイミドを用いてメサエッチング部を埋め込んで絶縁層50を形成する。
【0064】
次に、ボンディングパッド51を形成する。次に、配線部52が形成されるべき部分と光取り出し口となるp型半導体多層膜反射鏡6上の絶縁膜49を除去し、p型GaAsコンタクト層7上にp側電極9を形成する。このときボンディングパッド51とp側電極9とをつなぐ配線52を同時に形成する。基板裏面にはn側電極10を形成する。
【0065】
このようにして作製された面発光型半導体レーザにおいて、波長1.3μmで活性層の圧縮歪導入の効果により低しきい電流密度(1kA/cm2)での室温連続発振が得られ、高温での特性も良好であった。また異方性酸化により生じる非酸化領域、出射ビームパターンの形状が改善され、所望のビームパターン形状が得られた。この結果、モード制御が容易になった。
【0066】
特に電流狭窄部14及び15が囲むビーム径の寸法が、目標値に対する寸法の変動率が大きくなる10μm以下の場合、寸法の制御性、再現性、均一性の向上を図る上で本発明は有効となる。
【0067】
更に、選択酸化プロセスにおいて被酸化層(Al高濃度層)の酸化長が短くなることにより、酸化に伴う体積収縮により印加される活性層、メサ部中心部への圧縮応力は緩和され、界面での亀裂や破損が抑えられ、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しても耐性が高まり、素子の信頼性の向上、長寿命化が可能である。
【0068】
特に歪の大きい量子井戸層GaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)を活性層に用いた面発光型レーザに対して、本発明の効果は大きい。
【0069】
さらに、活性層3は、GaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)に限らず、InGaAlP系、AlGaAs系やInGaAsP系など、様々な材料を用いることもできる。
【0070】
クラッド層4及び5、半導体多層膜反射鏡2及び6も、様々な材料を用いることもできる。例えば、半導体多層膜反射鏡2及び6としては、AlGaAs層とGaAs層の積層構造に限らず、Alを含まない屈折率の大きい材料と小さい材料の積層構造も可能である。また、GaInP/GaAs、GaInPAs/GaAs、GaInP/GaInAs、GaInP/GaPAs、GaInP/GaInAs、GaP/GaInNAs等の組合せやTiO2/SiO2等の誘電体多層膜を用いることができる。
【0071】
また、成長方法について、MBE法等を用いることもできる。また、上述の例では、積層構造として3重量子井戸構造の例を示したが、他の量子井戸を用いた構造等を用いることもできる。
【0072】
また、被酸化層が2層である場合を説明したが、単層である場合も同様な効果を得ることができる。
【0073】
また、各層の組成及び厚さ等は必要に応じて他の値を設定できる。またマイクロローディング効果を抑制するために凹部形成用パターンの密度が一定にするために基板内にダミーパターン等を形成しても良い。
【0074】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2にかかる面発光型半導体レーザの構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)の断面1における断面図、(c)は(a)の断面2における断面図である。ここでも面発光型半導体レーザについて説明する。
【0075】
この面発光型半導体レーザは、基板1の主面上に、発光領域13を有する半導体活性層3と、半導体活性層3を狭持し、基板1に対して垂直方向の共振器を形成する第1の半導体多層膜反射鏡6及び第2の半導体多層膜反射鏡2が形成されている。半導体活性層3の上下両面には、半導体クラッド層4及び5が形成されている。
【0076】
第1の半導体多層膜反射鏡6上には、コンタクト層7が形成されている。このコンタクト層7上には、コンタクト電極9が形成されている。コンタクト電極9は、発光領域13上を開口するように形成されている。
【0077】
基板1の裏面には、電極10が形成されている。
【0078】
第2の半導体多層膜反射鏡2、半導体活性層3、半導体クラッド層4は凸部形状のメサ部となっている。また、第1の半導体多層膜反射鏡6、半導体クラッド層5及び半導体活性層3は、基板1に対して逆テーパ形状をしたメサ部となっている。
【0079】
半導体多層膜反射鏡2上に形成された被酸化膜層は、メサ部の側壁から発光領域13に向かって横方向酸化されることによって電流狭窄部15を形成している。また、半導体多層膜反射鏡6下に形成された被酸化膜層は、メサ部の側壁からから発光領域13に向かって横方向酸化されることによって電流狭窄部14を形成している。これらの電流狭窄部14及び15は、発光領域13へ電流を絞り込むためのものである。
【0080】
メサ部100が基板1に対して逆テーパ状に形成されているので、電流狭窄部14が位置するメサ部100側面から発光領域13までの距離が、メサ部100のコンタクト電極形成面の端縁から光取り出し部までの距離のうち最短のものよりも短くなっている。
【0081】
第1の半導体多層膜反射鏡6及び半導体活性層3を含むメサ部の周辺には凹部12が設けられている。この凹部12によりメサ部と隔てて周辺部30が形成されている。
【0082】
また、この凹部12によりメサ部が、基板1に対して電流狭窄部14まで逆テーパ形状となっている。また、周辺部30もメサ部と同じ積層構造となっている。メサ部の表面とこの周辺部30の表面とは、ほぼ同じ高さに形成されている。
【0083】
周辺部30上には、周辺電極9bが形成されている。配線部9aは、凹部12を横切って、コンタクト電極9と周辺電極9bとを繋いでいる。また、配線部9a下は、凹部12によりメサ面が形成され空洞となっている。符号8は、表面に形成された引張応力を有する膜で、例えばシリコン窒化膜からなる膜で、パターン形成用のエッチングマスク膜として活用し、コンタクト電極9と周辺電極9bを繋ぐ配線部9aの下では、空洞のための橋ともなっている。
【0084】
このような面発光型半導体レーザは、矢印16に示すようにコンタクト電極9から第1の半導体多層膜反射鏡6を介して発光領域13に電流を注入することで、発光することができる。
【0085】
この面発光型半導体レーザは、コンタクト電極9と周辺電極9bとこれらを結ぶ配線9aがほぼ同一レベルで形成されていて、平坦化処理を必要としない構造となっている。このため、配線9aの段切れを防ぐという利点を有する。
【0086】
またコンタクト電極9と周辺電極9bを繋ぐ配線部9aの下層は空洞となっているため、矢印13で示すような電流パスは空洞や酸化層によって、流れることができない。したがってこの面発光型半導体レーザでは、矢印16で示すパスによってのみ電流を流すことができ、極めて効率よく電流狭窄することができ、低しきい値化、高速応答性、量産性の向上が可能となる。
【0087】
また、この面発光型半導体レーザは、メサ部に基板1に対して逆テーパ形状を有する側壁を具備している。このためメサ部100が基板1に対して逆テーパ状に形成されているので、電流狭窄部14が位置するメサ部100側面から発光領域13までの距離が、メサ部100のコンタクト電極形成面の端縁から光取り出し部までの距離のうち最短のものよりも短くなっている。したがって実施形態1と同様に、プロセスによる制約も受けずに酸化長を短くすることが可能となる。
【0088】
また、酸化長が短くなることで、基板面内の素子間で酸化長の寸法バラツキを抑制する。また、異方性酸化による電流狭窄部14及び15に囲まれた発光領域の形状を歪せることなく形成することができる。
【0089】
また、被酸化層(Al高濃度層)が酸化により体積収縮するのを低減するために、活性層、メサ部中心部への圧縮応力の印加が緩和され、出射ビームパターンの寸法および形状の制御性が高まり、量産性の向上、モード制御が容易になる。
【0090】
また、界面での亀裂や破損が抑制され、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しての耐性も高まり、素子の信頼性の向上、長寿命化が可能となる。
【0091】
次に、この面発光型半導体レーザの作製方法について具体的に説明する。
【0092】
先ず、洗浄された厚さ400μmの3インチ、面方位(100)のn型GaAs基板1上に、MOCVD装置を用いてn型の半導体多層膜反射鏡2、電流狭窄部15となる被酸化層2a、半導体クラッド層4、半導体活性層3、半導体クラッド層5、電流狭窄部14となる被酸化層6a、p型の半導体多層膜反射鏡6、コンタクト層7を順次成長する。
【0093】
ここで半導体活性層3と半導体クラッド層4及び半導体クラッド層5よりなる共振器の上下に半導体多層膜反射鏡2及び6を配置したものを基本構造とし、1.3μm帯のGaInNAs面発光型半導体レーザとして設計及び製作する。
【0094】
半導体多層膜反射鏡2、は波長1.3μmの光学波長1/4の厚さでn型GaAs層とn型AlyGa1−yAs(0<y<1)が交互に積層された積層構造とする。
【0095】
半導体クラッド層3はn型GaInPとする。半導体活性層4は発光ピーク波長が1.3μmとなるように調整されたGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層及びバリヤ層としてGaAs層が積層された量子井戸構造とする。ここでは中心にGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)層を形成し、この上下にバリヤ層としてGaAs層が形成された3層構造とする。GaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)量子井戸層3のIn組成は30〜35%、窒素組成は0.5〜1.0%とし、厚さは7nmとする。GaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)量子井戸層3の格子定数は、n型GaAs基板1よりも大きくなるように組成を制御して、圧縮歪量約2.5%を内在させている。このため、微分利得係数は増大し、無歪の場合に比較して、しきい電流値が一層低減される。半導体クラッド層5はp型GaInPとする。
【0096】
半導体多層膜反射鏡6は、波長1.3μmの光学波長1/4の厚さでp型GaAs層とp型AlyGa1−yAs(0<y<1)が交互に積層された積層構造とする。
【0097】
被酸化膜2aは、クラッド層4下に形成され半導体多層膜反射鏡2を構成するAlGaAsよりAl組成比の大きいAlxGa1−xAs(x>0.98)を用いる。被酸化膜6aは、クラッド層5上に形成され半導体多層膜反射鏡6を構成するAlGaAsよりAl組成比の大きいAlxGa1−xAs(x>0.98)を用いる。コンタクト層7はp型GaAsとする。
【0098】
次に、パターン形成用のエッチングマスク膜として、Si3N4膜8を形成する。原料ガスとしてSiH4、NH3を用い、キャリアガスのN2の圧力、流量を調整することで膜応力を制御し、150MPaの引張応力を有する膜として形成する。膜の引張応力の値は、水蒸気酸化プロセスにおいてエッチングマスク膜8とGaAs基板1間で発生する熱応力を考慮して決定する。
【0099】
次に、フォトリソグラフィ工程により、p側電極9、ボンディングパッド15、電極配線9aが形成されるべき部分と光取り出し口19となる上部p型半導体多層膜反射鏡6上のエッチングマスク膜8を除去し、p型GaAsコンタクト層上にp側電極9、またボンディングパッド51、電極配線9aを形成する。
【0100】
次に、エッチングマスク膜8上に形成したメサパターンをICP(Inductively Coupled Plasema)プラズマドライエッチング装置により、三塩化ボロン・窒素混合ガスによりn型半導体多層膜反射鏡2の上部までエッチングを行い、メサ部を作製する。
【0101】
このとき、バイアス出力、基板温度を調整することで、等方性エッチングが生じる条件により、図2に示すようにn型半導体多層膜反射鏡2の上部までエッチングされ、逆テーパ形状を作製することができる。
【0102】
また、メサ部の上面において直径25μmに対して、上面からのアンダーカット量を、被酸化層部2a及び6aで5.0μmになるように作製する。このとき、電極のパス配線下も、同様に逆テーパ形状になり、本実施形態ではパス線幅5μmと設定したため、アンダーカット量の2倍以下の値となるため、配線下がメサエッチングにより除去され、配線下に凹部12が形成され、リーク電流を阻止する構造が形成される。
【0103】
したがって、ここでは電極パス線幅として、等方性エッチングにより生じる最大アンダーカット量の2倍以下の値に設定すれば、凹部12は形成される。このメサ形成用凹部のエッチング条件によって、配線パス9a下の空洞の寸法、形状は異なる。配線パス9a下にGaAs(コンタクト)層7及び半導体多層膜反射鏡6が残り、メサ外部へのリーク電流を通す場合、これらをドライエッチングやウェットエッチングにより除去し、配線パス下のリーク電流を完全に阻止する。
【0104】
次に、水蒸気雰囲気中で400℃〜500℃の熱処理を行い、被酸化層6a及び2aを横方向に選択酸化し電流狭窄部14及び15を形成する。このとき、単一モード発振させるために側面からの酸化長を6.0μmとし、3μm径の非酸化(発光)領域を作製した。従来型の円柱状のメサ部における酸化プロセスでは、11μmの酸化長が必要なところを45%の寸法および酸化時間を短くでき、非酸化領域14の面内寸法バラツキ(3インチウェハ面内)も3σ値で、約25%の改善が見られ、異方性酸化による形状の歪みも縦と横で0.75μmの寸法差が0.4μmに低減されることが示された。
【0105】
次に、基板裏面にn側電極10を形成し素子作製を完成した。
【0106】
このようにして作製された面発光型半導体レーザにおいて、波長1.3μmで活性層3の圧縮歪導入の効果に加え、配線パス下の空洞化により素子外部へのリーク電流が阻止され、低しきい電流密度、単一モードの室温連続発振が得られ、高温での特性も良好であった
【0107】
また本実施形態における構造は、コンタクト電極9と周辺電極9bとこれらを結ぶ配線9aがほぼ同一レベルで形成されているので、段切れがなく、且つ量産性にも優れる面発光半導体レーザを提供できるという利点も有する。
【0108】
また、実施形態1と同様に異方性酸化により生じる非酸化領域14、出射ビームパターンの形状が改善され、所望のビームパターン形状が得られる。
【0109】
また、面内全域にわたり再現性良く、寸法および形状は均一化され、単一モード発振させることが容易になった。特にビーム径が、目標値に対する寸法の変動率が大きくなる10μm以下の場合、寸法の制御性、再現性、均一性の向上を図る上で有効である。
【0110】
更に、選択酸化プロセスにおいて電流狭窄部14及び15の酸化長が短くなることにより、酸化に伴う体積収縮により印加される活性層、メサ部中心部への圧縮応力は緩和され、界面での亀裂や破損が抑えられ、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しても耐性が高まり、素子の信頼性の向上、長寿命化が可能である。
【0111】
特に、歪の大きい量子井戸層としてGaxIn1−xAsyN1−y(0≦x≦1、0≦y<1)を活性層に用いた面発光型レーザに対して、本発明の効果は大きい。
【0112】
【発明の効果】
選択酸化における酸化長及び電流狭窄(非酸化)領域の寸法の制御性を向上し、基板面内の均一性及び再現性を向上し、発光領域となる非酸化領域や出射ビームパターンの形状の制御性を向上し、基板面内の均一性や再現性を向上し、酸化により生じる体積収縮による活性層、メサ部中心部への圧縮応力の印加を緩和し、界面での亀裂や破損を抑制し、選択酸化プロセス後の熱プロセスに対しての耐性性を高めた面発光型半導体発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メサ部部における酸化領域、非酸化領域の形状と異方性酸化の経時変化を示す図。
【図2】 本発明の実施形態1にかかる面発光型半導体素子の構成図であり、(a)は上面図、(b)はAA'における断面図。
【図3】 Al(Ga)As被酸化層の酸化長の酸化時間に対するバラツキを示す図。
【図4】 本発明の面発光型半導体素子の作製において、ビーム寸法の異なる素子を一つの基板上に作りこんだときの上面図。
【図5】 本発明の実施形態2にかかる面発光型半導体素子の構成図であり、(a)は上面図、(b)(c)は断面図。
【符号の説明】
1・・・n型GaAs基板
2・・・半導体多層膜反射鏡
2a・・・被酸化層
4・・・クラッド層
3・・・活性層
5・・・クラッド層
6・・・半導体多層膜反射鏡
6a・・・被酸化層
7・・・コンタクト層
8・・・パターン形成用エッチングマスク膜
9・・・p側電極
9a、52・・・配線部
9b・・・周辺部
10・・・n側電極
100・・・メサ部
13・・・発光領域
14、15・・・電流狭窄部
51・・・ボンディングパッド
50・・・絶縁膜
Claims (4)
- 主面を有する基板と、
前記基板の主面上に設けられ、前記主面に対して垂直方向の共振器を形成する、第1の半導体多層膜反射鏡及び第2の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡及び前記第2の半導体多層膜反射鏡の間に形成された発光領域を有する半導体活性層と、
前記半導体活性層上に形成された前記第1の半導体多層膜反射鏡を含み、前記主面に対して側面が曲面を形成し逆テーパ状に形成されている逆テーパ部と、
前記逆テーパ部から前記主面に向かって側面が前記曲面に連続した曲面を形成して順テーパ状に形成されている順テーパ部と、
前記発光領域を実質的に囲むように前記逆テーパ部側面から酸化形成された電流狭窄部と、
前記逆テーパ部上に形成された電極とを具備し、
前記半導体活性層は前記逆テーパ部及び前記順テーパ部の境界近傍に形成されていることを特徴とする面発光型半導体発光素子。 - 前記電流狭窄部は、第1の電流狭窄部及び第2の電流狭窄部から構成されており、前記第1の電流狭窄部は前記半導体活性層上方であって前記逆テーパ部に形成されており、前記第2の電流狭窄部は前記半導体活性層の下方であって前記順テーパ部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の面発光型半導体発光素子。
- 前記基板上であって、前記逆テーパ部及び前記順テーパ部から凹部を介して隔てられ形成された周辺部と、
前記周辺部上に形成された周辺電極と、
前記凹部を横切って、前記逆テーパ部上に形成された電極と前記周辺電極とを繋ぐ配線とを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の面発光型半導体発光素子。 - 前記面発光型半導体発光素子が同一基板上に複数形成され、前記面発光型半導体発光素子の各凹部の開口部総面積が略同等であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の面発光型半導体発光素子。
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