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JP3774351B2 - パケット変換装置およびパケット変換方法 - Google Patents

パケット変換装置およびパケット変換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークを用いた通信方式に係り、更に詳しくは送信側からメッセージを同時に複数の受信側に中継する同報通信、すなわちマルチキャスト通信において、ネットワークがマルチキャスト通信をサポートしていない場合に、マルチキャストデータ転送パケットをネットワーク内では1対1の通信に用いられるユニキャストデータパケットに変換して通信を行うための、パケット変換装置、およびパケット変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近例えばインターネット上でもライブの中継や、会議型のマルチキャスト通信サービスへの時期が高まっている。このようなマルチキャスト通信方式の第1の従来技術を図19を用いて説明する。この第1の従来技術では、例えばIP(インターネットプロトコル)パケットをインターネットに入力させる際に、インターネット上でマルチキャストデータパケットとして多くのクライアントに転送するために、パケットの先頭にIPヘッダを付加する方法がとられていた。
【0003】
例えばライブの中継のような場合には、それを配信するサーバ50から常にネットワークに対してマルチキャストデータパケットが送信され、そのライブの中継を要求する複数のクライアントは、それぞれサーバ50から常に送り出されているマルチキャストデータパケットの中継をネットワーク側に要求し、マルチキャストデータパケットの中継が行われることになる。このような場合、サーバ50から送り出されているマルチキャストデータパケットは、ゲートウェイ51を介してインターネット内でのパケット転送を制御するルータ52に入力される。この時サーバ50から送り出されるパケットにはIPヘッダAと、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)ヘッダBとが格納されているが、ゲートウェイ51からルータ52に入力される時点で、パケットの先頭に更に複数のクライアントにそのパケットを配信するためのIPヘッダXが付加されて、ネットワーク内に入力される。
【0004】
図20はマルチキャスト通信方式の第2従来技術の説明図である。この技術は次の文献に述べられている。
特開平10−242962:インターネット上のマルチキャストゲートウェイ通信方法およびシステム
図20においてはネットワークはすでにマルチキャスト通信に対応しているものとし、マルチキャスト通信をサポートしていないのは、マルチキャストデータの受信を要求するクライアント側の端末であるとする。そこでサーバ55から送り出され、IPマルチキャスト対応ネットワーク56上で転送された、例えばIPマルチキャストデータパケットは、クライアント側のゲートウェイ57によって必要な数だけのコピーが行われ、一般に複数台のクライアント58側の端末にIPユニキャストデータパケットとして中継される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図19で説明した第1の従来技術としてのIPヘッダ付加方式では、ネットワーク上で転送されるパケットにはIPヘッダを付加しなければならないために、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)としてのイーサネットに属するサーバ50から、マルチキャストデータとしてイーサネットの最大パケット長に相当するデータを送ろうとしても、ゲートウェイ57においてその一部を削除しなければならず、イーサネットの最大パケット長に対応するデータを送ることができないという問題点があった。またネットワーク上でトラブルが発生した場合に、パケットの形式が通常のものと異なるため、トラブルの解析が困難であるという問題点もあった。
【0006】
図20で説明した第2の従来技術では、マルチキャスト通信をサポートしていない部分は受信側の端末に限定されている。しかながら実際にはマルチキャスト通信をサポートするためのソフトウェアはすでに市場に流通しており、端末がサポートすることは容易である。問題になるのはルータなど、ネットワークが未対応の場合である。インターネットは基本的にはマルチキャスト通信をサポートしているとはいえるが、マルチキャスト通信用のIPアドレスの数は限定されており、例えば企業の本社と工場とのそれぞれのLANをインターネットで結ぶ仮想公衆網(VPN)において、マルチキャストデータ通信を大規模に実行するような状況には対応できないという問題点があった。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、インターネット上ではマルチキャストデータパケットをユニキャストデータパケットとして転送するために、ネットワークの入口/出口でパケットヘッダの変換を行うパケット変換装置、およびパケット変換方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理構成ブロック図である。同図はネットワークの入口/出口に備えられ、パケットの変換を行うパケット変換装置の原理構成ブロック図である。
【0009】
図1においてパケット変換装置1の内部に備えられるヘッダ変換手段2はマルチキャストデータ転送パケット、例えばIPマルチキャストデータパケットのヘッダを書き換えて、ユニキャストデータ転送パケット、例えばIPユニキャストデータパケットとして前記ネットワークに入力させる動作と、および/またはネットワークから受け取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてマルチキャストデータ転送パケットとして、例えばクライアントに出力するものである。
【0010】
本発明の実施の形態においては、前記のネットワークはワイドエリアネットワーク、例えばインターネットであり、パケット変換装置はそのワイドエリアネットワークとローカルエリアネットワークとを接続するゲートウェイ装置に備えられ、ヘッダ変換手段2がパケットのIPヘッダ内のパケット宛先IPアドレスと、送信元IPアドレスとの書き換えを行うこともできる。
【0011】
また発明の実施形態においては、ヘッダ変換装置はサーバ側ゲートウェイ装置とクライアント側ゲートウェイ装置とに、それぞれ備えられることもできる。こサーバ側ゲートウェイ装置はローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットを配信するサーバが接続されたものであり、クライアント側ゲートウェイ装置は異なるローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットの要求元としてのクライアントに接続されたものである。
【0012】
この場合、クライアント側ゲートウェイ装置に備えられるパケット変換装置は、クライアントからのマルチキャストデータ受信要求を受けた時、その受信要求に対応する識別子を生成する手段を備えることもできる。
【0013】
またクライアント側ゲートウェイ装置に備えられるパケット変換装置は、この識別子をマルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて、記憶する手段を更に備え、サーバ側ゲートウェイ装置に備えられるパケット変換装置は、クライアント側から通知されたその識別子を、マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶する手段を更に備えることもできる。
【0014】
更に本発明の実施の形態においては、パケット変換装置はネットワーク内でのパケットの転送制御を実行するルータに備えられることもできる。
本発明のパケット変換方法は、ネットワークの入口/出口においてパケットの変換を行う方法であり、マルチキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えて、ユニキャストデータ転送パケットとしてネットワークに入力させ、ネットワークから受け取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えて、マルチキャストデータ転送パケットとして出力するものである。
【0015】
この場合、ネットワークはワイドエリアネットワークであり、パケットの変換はワイドエリアネットワークとローカルエリアネットワークとを接続するゲートウェイ装置によって実行されることもできる。
【0016】
本発明のパケット変換装置において使用される記憶媒体は、ネットワークの入口/出口に備えられるパケット変換装置によって使用されるものであ、マルチキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えて、ユニキャストデータ転送パケットとしてネットワークに入力させるステップ、またはネットワークから受け取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えて、マルチキャストデータ転送パケットとして出力するステップのいずれかをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な可搬型記憶媒体である。
【0017】
以上のように本発明によれば、マルチキャストデータ転送パケットを、ヘッダ変換を行うことによって、ネットワーク内ではユニキャストデータ転送パケットとして転送することにより、マルチキャスト通信に未対応のネットワークにおいてもマルチキャストデータの転送が可能となる。
【0018】
例えばインターネットを介して2つのローカルエリアネットワークが接続された仮想公衆網において、片方のローカルエリアネットワークに属するサーバから配信されているマルチキャストデータを、インターネットを介してもう一つのローカルエリアネットワークに属し、そのマルチキャストデータを要求したクライアントに対して確実に転送することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図2は本発明のヘッダ変換方式が用いられるマルチキャストデータ通信システムの全体構成ブロック図である。同図において、サーバ10からクライアント14に対して、一般にクライアント14からの要求によってマルチキャストデータが送信されるものとする。中間のネットワーク12は例えばインターネットであり、マルチキャスト通信に未対応のネットワーク、または少なくともサーバ10、あるいはクライアント14から見てブラックボックスであり、IPマルチキャスト通信に対応しているか否かが不明であり、マルチキャスト通信に未対応のネットワークとして考えた方が適切と考えられるネットワークである。
【0020】
図2においてサーバ10からのマルチキャストデータは、例えばパケットの形式で、サーバ側ゲートウェイ11を介してIPマルチキャスト未対応ネットワーク12に与えられ、そのネットワーク内でのルーティングによって、クライアント14が接続されたクライアント側ゲートウェイ13を介して、クライアント14に転送される。
【0021】
図3は図2におけるデータの流れの説明図である。図3においてサーバ10から送出されたIPマルチキャストデータMは、サーバ側のゲートウェイ11に入力され、ここでIPデータが変換されることにより、IPユニキャストデータUとしてIPマルチキャスト未対応のIPネットワーク12に入力される。
【0022】
IPネットワーク12の内部には、複数のルータ15a〜15eがあり、入力されたIPユニキャストデータU、これらのルータのうち例えば15a,15bを介して、データ受信側のクライアント14側のゲートウェイ13に接続されているルータ15cに転送される。
【0023】
ルータ15cからゲートウェイ13に出力されるIPユニキャストデータUは、クライアント側のゲートウェイ13によってIPヘッダの変換が行われ、IPマルチキャストデータMとしてクライアント14に与えられる。
【0024】
図4はゲートウェイによるヘッダの書き換えの説明図である。同図においては、サーバ10側のゲートウェイ11によって行われるヘッダの変換について説明する。
【0025】
サーバ10は1つのローカルエリアネットワーク(LAN)、例えばイーサネットに属するものとし、イーサネットのパケットをゲートウェイ11に送るものとする。イーサネットにおける最大パケット長は、最後に付加されるCRCデータを含めて1518バイトであり、マルチキャストデータとしての実データの前にヘッダが付加されており、そのヘッダ部には先頭にMAC(メディアアクセスコントロール)、次にインターネットプロトコル(IP)ヘッダA、その後にユーザデータグラムプロトコル(UDP)ヘッダBが格納されているものとする。なおCRC,MACは図示されていない。
【0026】
このマルチキャストデータパケットMはゲートウェイ11に入力され、ゲートウェイ11によってIPヘッダとUDPヘッダの書き換えが行われ、IPヘッダは例えばAからCに、UDPヘッダはBからDに書き換えられる。そしてこの結果のパケットは、IPユニキャストデータパケットとしてIPネットワーク内のルータ15aに入力される。
【0027】
ここでゲートウェイ11によるパケットの変換においては、一般にIPヘッダとUDPヘッダの書き換えが行われるだけであり、実データのデータ長も、またパケット全体のパケット長、およびそのフォーマットには何ら変更が行われない。このため、イーサネットにおけるパケットの最大長に対応する最大データ長のデータを、そのままIPマルチキャストデータパケットとしてクライアント側に送ることができ、また例えばIPネットワーク上でトラブルが発生しても、パケット内のヘッダやデータなどの格納領域のフォーマットはそのままであり、トラブルの内容を容易に解析することができる。
【0028】
図5はサーバからクライアントまでのマルチキャストデータ転送時におけるヘッダの変換、特にIPヘッダの変換の説明図である。同図においてIPアドレスはサーバ10に対して100、クライアント14に対して200、サーバ側の ゲートウェイ11に対して300、クライアント側のゲートウェイ13に対して400であり、IPマルチキャストデータそのものに対するIPアドレスは000であるとする。
【0029】
サーバ10から送り出されたマルチキャストデータパケットのIPヘッダには、宛先IPアドレスとしてマルチキャストデータそのもののアドレス000が、また送信元IPアドレスとしてはサーバ10のアドレスである100が格納されて、ゲートウェイ11に与えられる。なおここでは簡単のため、図4で説明したUDPヘッダなどは省略されている。
【0030】
ゲートウェイ11ではIPヘッダの書き換えが行われる。すなわちマルチキャストデータパケットをユニキャストデータパケットに変換するために、IPネットワーク上でそのパケットがユニキャストデータパケット、すなわち送信元と宛先とがそれぞれ単一であるような形式へのヘッダの変換が行われる。ここではゲートウェイ11からゲートウェイ13にデータパケットが転送されるように、宛歴IPアドレスとして例えばゲートウェイ13のアドレスである400が、また送信元IPアドレスとしてゲートウェイ11のアドレス300が格納されて、IPネットワーク上のルータ15aに与えられる。
【0031】
IPネットワーク12上では、図3で説明したように、クライアント側のゲートウェイ13が接続されたルータ15cから、ゲートウェイ13に対してマルチキャストデータを格納するデータパケットがユニキャストデータパケットとして入力される。
【0032】
このパケットはゲートウェイ13によって再びIPヘッダの変換が行われ、クライアント14に対してマルチキャストデータパケットとして送られる。すなわち宛先IPアドレスはマルチキャストデータそのもののアドレスとしての000に、送信元IPアドレスはこのマルチキャストデータを配信しているサーバ10のIPアドレス100に変換されて、クライアント14に与えられる。
【0033】
図6はクライアントによるマルチキャストデータの要求から、実際にそのデータがクライアントに与えられるまでの、ネットワークシステム内の動作の概要説明図である。同図においてクライアント14がマルチキャストデータを要求するフェーズをフェーズ1とし、実際にそのマルチキャストデータパケットが中継されてクライアント14に与えられるフェーズをフェーズ5として、フェーズ1からフェーズ5までの間のシステム内の動作の概要について説明する。
【0034】
まずフェーズ1において、クライアント14からクライアント側ゲートウェイ13に対して、マルチキャストデータの中継を要求するデータ要求パケットが送られる。ここでクライアント側ゲートウェイ13は、自装置内に保持されている管理テーブル17を参照し、後述するように要求されたマルチキャストデータに対応する識別子などが登録されているか否かを判定し、登録されていない場合には必要なデータの登録を行い、フェーズ2においてサーバ側ゲートウェイ11に対してマルチキャストデータの送信を要求するパケットを送る。このパケットには、管理テーブル17に格納されているマルチキャストデータに対応する識別子を含むマルチキャストデータ送信要求が実データとして格納されている。
【0035】
サーバ側ゲートウェイ11は、フェーズ3においてクライアント側ゲートウェイ13との間で必要な情報交換を行う。この情報交換は、クライアント側ゲートウェイ13が実際にマルチキャストデータを含むユニキャストデータパケットを受け取った時点で、このパケットを実際にマルチキャストデータ配信元としてのサーバ10から送り出されたIPマルチキャストデータパケットに復元するために必要な情報を交換するものである。この情報交換にあたって、両方のゲートウェイ11,13は、必要なデータをそれぞれ管理テーブル18,17に登録する。情報交換終了後に、クライアント側ゲートウェイ13はサーバ側ゲートウェイ11に対して、マルチキャストデータが実データとして格納されたIPユニキャストデータパケットの送信を要求するために受信準備完了を通知する。
【0036】
前述のようにサーバ10からサーバ側ゲートウェイ11に対しては、常にIPマルチキャストデータパケットが送り出されているため、サーバ側ゲートウェイ11はフェーズ4において前述のようにIPヘッダ、およびUDPヘッダの書き換えを行って、マルチキャストデータを含むパケットをIPユニキャストデータパケットとして、クライアント側ゲートウェイ13に対して中継するトンネリング処理を実行する。
【0037】
クライアント側ゲートウェイ13は管理テーブル17の内容を参照し、サーバ側ゲートウェイ11から受信したIPユニキャストデータパケットのIPヘッダ、UDPヘッダの書き換えを行い、IPマルチキャストデータパケットとしてクライアント14に中継するトンネリングを行って、処理を終了する。
【0038】
続いてクライアント側ゲートウェイとサーバ側ゲートウェイによって行われる処理、およびネットワークシステムにおける動作シーケンスについて説明する。図7はクライアント側ゲートウェイによって行われる処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS1で受信したパケットが図6のフェーズ1でクライアント14から送られたマルチキャストデータの要求パケットか否かが判定され、そのパケットである場合にはステップS2で要求されたマルチキャストデータそのもののアドレスが管理テーブル17にすでに登録されているか否かが判定される。登録されていない場合には、ステップS3以降の処理に移行する。
【0039】
ステップS3では、要求されたIPマルチキャストデータそのもののアドレスに対応するサーバ側ゲートウェイのIPアドレス、図5では300が求められ、ステップS4で管理テーブル17に登録されていないユニークな識別子が、そのマルチキャストデータのアドレスに対応して生成され、ステップS5で管理テーブル17にマルチキャストデータアドレス、サーバ側ゲートウェイアドレス、および識別子が登録される。
【0040】
その後ステップS6で、フェーズ2における処理として、クライアント側ゲートウェイ13からサーバ側ゲートウェイ11に対してマルチキャストデータの送信要求が送られる。ステップS7で、サーバ側ゲートウェイからの応答が受信されたか否かが判定され、まだ受信されていない場合にはステップS6以降の処理が繰り返される。なおステップS6で、サーバ側ゲートウェイ11に送られる送信要求パケットの実データ内部には、要求されるマルチキャストデータのアドレスが000であることと、それに対応する識別子の値が含まれる。
【0041】
サーバからの応答が受信されたと判定されると、ステップS8でフェーズ3における情報交換の内容としての、管理テーブル17への情報登録が行われる。ここで追加登録される情報は、要求されたマルチキャストデータを発信しているサーバ、図5ではサーバ10のIPアドレス、および前述のUDPヘッダの一部であるサーバ側10のポート番号としての送信元ポート(ソケット)番号、およびマルチキャストデータの宛先のため基本的には特定する必要のない宛先ポート(ソケット)番号である。
【0042】
管理テーブル17への情報の追加登録が終了すると、ステップS9でサーバ側ゲートウェイ11に対して、フェーズ3の最終段階としてマルチキャストデータの受信準備完了通知が送られ、その後ステップS10でサーバ側ゲートウェイ11からフェーズ4におけるデータ中継が行われたか、すなわちマルチキャストデータを受信したか否かが判定される。マルチキャストデータを受信していない場合には、サーバ側ゲートウェイ11との間での処理に何らかのエラーが発生したものと考えれらるため、ステップS6以降の処理に戻り、例えば管理テーブルへの追加情報登録のやりなおしなどが実行される。
【0043】
ステップS10で、サーバ側ゲートウェイ11からマルチキャストデータの中継が行われ、データを受信したと判定されると、ステップS11でそのマルチキャストデータの中継が続けられているか否かが判定され、続けられている場合には処理を終了する。またステップS2でクライアント14からフェーズ1で送られたマルチキャストデータ要求に対応するマルチキャストデータのアドレスが管理テーブル17にすでに登録されていると判定された時には、ステップS3〜ステップS10の処理はすでに実行されていることになるため、ステップS11でマルチキャストデータの中継が行われているか否かが判定され、行われている場合には処理を終了する。行われていない場合にはマルチキャストデータの中継を待つために、ステップS2以降の処理が繰り返される。更にステップS1でクライアント14から受信したパケットがマルチキャストデータの要求パケットでない場合には、本発明で実行すべき処理に対応しないことになるため、ステップS12で受信したパケットが廃棄される。
【0044】
図8はサーバ側ゲートウェイによって行われる処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS21で受信したパケットが前述のようにサーバ側から常時送られているIPマルチキャストデータパケットか否かが判定される。マルチキャストデータパケットである場合には、ステップS22でそのマルチキャストデータのアドレスが図6の管理テーブル18にすでに登録されているか否かが判定さ、登録されている場合にはそのまま処理を終了し、登録されていない場合には受信したパケットからIPマルチキャストデータのアドレス、IPマルチキャストデータ送信サーバのIPアドレス、図5では100、および宛先ポート(ソケット)番号、および送信元ポート(ソケット)番号が登録されて処理を終了する。
【0045】
ステップS21で受信したパケットがIPマルチキャストデータパケットでないと判定された場合には、ステップS24で受信したパケットがクライアント側ゲートウェイからのマルチキャストデータの要求パケットか否かが判定され、そうでない場合には本発明の処理とは無関係であるため、そのまま処理を終了する。
【0046】
マルチキャストデータ要求パケットである場合には、ステップS25で要求されたIPマルチキャストデータのアドレスが管理テーブル18にすでに登録されているか否かが判定され、登録されていない場合には本来サーバ側から常に送られているべきIPマルチキャストデータパケットが受信されていないことになるため、マルチキャストデータパケットの中継を行うことはできないことになり、そのまま処理を終了する。
【0047】
ステップS25でIPマルチキャストデータアドレスが管理テーブルにすでに登録されている場合には、ステップS26でクライアント側ゲートウェイから要求されたIPマルチキャストデータのアドレスに対応して、データ要求パケットに含まれている送信元IPアドレス、すなわちクライアント側ゲートウェイ13のIPアドレス、図5では400と、クライアント側ゲートウェイによって生成された識別子の値が管理テーブル18に追加登録され、ステップS29でクライアント側ゲートウェイ13に対して、クライアント側ゲートウェイにおいてユニキャストデータパケットからマルチキャストデータパケットを復元するために必要な復元情報、例えば前述の宛先ポート(ソケット)番号、送信元ポート(ソケット)番号などがクライアント側ゲートウェイに送信され、ステップS28でクライアント側ゲートウェイ13から送られる準備完了通知を受信したか否かが判定され、まだ受信していない場合にはステップS27以降の処理が繰り返される。
【0048】
ステップS28でクライアント側ゲートウェイからの準備完了通知を受信したと判定されると、フェーズ3の情報交換は終了し、ステップS29で該当するマルチキャストデータパケットのIPヘッダ、UDPヘッダの変換を行い、ユニキャストデータパケットとして、クライアント側ゲートウェイにフェーズ4の処理として、パケットの中継を行う。
【0049】
次に図7、図8のフローチャートを用いてクライアント側ゲートウェイとサーバ側ゲートウェイとによって実行される動作のシーケンスについて、図9〜図12のシーケンスチャート、この動作において用いられるデータを示す図13〜図15、およびサーバ側ゲートウェイとクライアント側ゲートウェイに備えられる管理テーブルのフォーマットと格納データの例を示す図16、図17を用いて説明する。
【0050】
クライアント、すなわちユーザによって要求されたマルチキャストデータは、最終的にクライアント側ゲートウェイ13から前述のフェーズ5においてクライアント14に中継されるが、この時クライアントは基本的には受信するパケットの宛先IPアドレスが自ら要求したマルチキャストデータのそのもののアドレスに一致しているか否かだけをチェックしているため、フェーズ4からフェーズ5に移る時に、クライアント側ゲートウェイがサーバ側ゲートウェイから中継されてきたIPユニキャストデータパケットを、IPマルチキャストデータパケットに復元する際に、データの送信元IPアドレスをどのように設定しても、基本的には問題がないと考えられる。
【0051】
このため本発明の実施形態としては、クライアント側ゲートウェイがクライアントに対して送り出すIPマルチキャストデータパケットのIPヘッダに格納されるデータの送信元IPアドレスを設定する方法として、第1にIPマルチキャストデータ送信サーバのIPアドレスを用いる方法、第2にクライアント側ゲートウェイのIPアドレスを用いる方法、第3にマルチキャストデータそのもののIPアドレスを用いる方法の3つのいずれかを用いるものとし、それぞれの方法を以下[1],[2]、および[3]として説明する。
【0052】
図9はサーバ側ゲートウェイとクライアント側ゲートウェイとによって実行される動作シーケンスの前半部分を示すシーケンスチャートであり、前述の3つの方法すなわち[1],[2]、および[3]に共通のシーケンスである。この図9においては前出のフェーズ1とフェーズ2との動作が行われる。
【0053】
なお、図9においてサーバ側ゲートウェイ11には、図6におけるサーバ10に相当する第1のサーバ10に加えて、一般的には異なるマルチキャストデータを配信している第2のサーバ30も接続されているものとするが、ここでクライアント14に最終的に中継されるマルチキャストデータパケットは第1のサーバ10によって配信されているものとする。
【0054】
図9において(1) で、第1のサーバ10からマルチキャストデータの送信が開始される。ここでIPマルチキャストデータパケットには、そのIPヘッダに宛先IPアドレスとしてマルチキャストデータそのもののアドレスとしての000、送信元サーバのIPアドレスとしての100が格納され、またUDPヘッダの中に宛先ポート(ソケット)番号として101、送信元ポート(ソケット)番号として102が格納されているものとする。
【0055】
第2のサーバ30からは(2) で、異なるマルチキャストデータの送信が開始される。このデータパケットには、(1) におけると同様に宛先IPアドレスとしてマルチキャストデータそのもののアドレスを示す010、送信元IPアドレスとしてのサーバのアドレス110、宛先ポート(ソケット)番号として111、送信元ポート(ソケット)番号として112が格納されている。これらのIPアドレスおよびポート番号などは、図13のIPヘッダ内、UDPヘッダ内、およびデータ部のデータの上2行の(1) と(2) に示されている。(1) 、すなわち第1のサーバ10から送られるマルチキャストデータパケットには、クライアント側から要求されることになるマルチキャスト実データが含まれている。
【0056】
これらのマルチキャストデータパケットを受け取ったサーバ側ゲートウェイ11は(3) で管理テーブル18への情報登録を行う。ここで登録される内容は、図16のサーバ側ゲートウェイにおける管理テーブル内のマルチキャストアドレス、サーバIPアドレス、宛先ポート(ソケット)番号、および送信元ポート(ソケット)番号であり、これらのデータはそれぞれのマルチキャストアドレスに対応して、生成タイミング(3) でサーバ側ゲートウェイの管理テーブル18に格納される。
【0057】
クライアント14は(4) で、IPマルチキャストデータの送信開始を要求するデータ要求パケットをクライアント側ゲートウェイ13に対して送る。この送信開始要求においては、図13の(4) に示すようにIPヘッダ内の宛先IPアドレスはマルチキャストデータのアドレスとしての、000、送信元IPアドレスはクライアント14のIPアドレスとしての200に設定され、データ部にはマルチキャストデータの要求命令であることが示される。このパケットにおけるUPPヘッダ内の宛先ポート番号、送信元ポート番号については特定する必要がなく、例えば空白とされる。
【0058】
クライアント側ゲートウェイ13は(5) で、要求されたマルチキャストデータアドレスに対応するサーバ側ゲートウェイ11のIPアドレスが300であることを割り出し、(6) で要求されたマルチキャストデータのアドレスに対するユニークな識別子して401を生成し、(7) で図16のクライアント側ゲートウェイ内の管理テーブルに示すように、マルチキャストデータアドレス、サーバ側ゲートウェイIPアドレス、および識別子の内容を登録する。
【0059】
クライアント側ゲートウェイ13は、テーブルへのデータ登録が終了すると、(8) で該当するサーバ側ゲートウェイ11に対してIPマルチキャストデータパケットの送信を要求するパケットを送る。この要求パケットには、図13の(8) で示されるように、IPヘッダ内の宛先IPアドレスとしてサーバ側ゲートウェイ11のアドレス300、送信元IPアドレスとしてクライアント側ゲートウェイ13のIPアドレス400が設定され、UDPヘッダ内の送信元ポート(ソケット)番号としてはクライアント側ゲートウェイ13のポートの番号としての401が設定される。宛先ポート(ソケット)番号はマルチキャストデータパケットの中継要求が入力されるポート番号として、例えば固定されているものであり、301であるとする。またこの要求パケットのデータ部には、要求されているIPマルチキャストデータのアドレスが000であることが示される。
【0060】
図9においてフェーズ1、およびフェーズ2の動作は終了し、前述の第1の方法としての[1]では、後半のフェーズ3〜フェーズ5の動作は図10の動作シーケンスチャートによって示される。
【0061】
図10において、まずフェーズ3の処理として、サーバ側ゲートウェイ11によって(9) で図16に示されるように要求されたIPマルチキャストデータのアドレス000に対応して、クライアント側からのデータ送信要求に含まれる送信元IPアドレス、すなわち400と、クライアント側ゲートウェイ13 によって生成された識別子401がサーバ側ゲートウェイの管理テーブル18に格納される。
【0062】
その後サーバ側ゲートウェイ11は、(10)でクライアント側ゲートウェイ13に対して復元に必要な情報を送信する。この復元情報送信用パケットのIPヘッダ内のアドレス、およびUDPヘッダ内のポート番号は、(8) でクライアント側ゲートウェイ13から送られたマルチキャストデータ中継要求パケット内のアドレスを宛先と送信元で逆にしたものである。データ部には、復元に必要な情報としてのIPマルチキャストサーバのIPアドレスとしての100、宛先ポート(ソケット)番号としての101、送信元ポート(ソケット)番号としての102が格納されている。
【0063】
クライアント側ゲートウェイ13は、受け取った復元情報の管理テーブル17への登録を(11)で行う。ここでの登録内容は、図16のクライアント側ゲートウェイの管理テーブルの生成タイミング(11)で示されるように、サーバIPアドレス100、宛先と送信元のポート番号としての101および102である。
【0064】
クライアント側ゲートウェイ13は、管理テーブルへの復元情報の登録が終了すると、(12)でサーバ側ゲートウェイ11に対して受信準備完了を通知するパケットを送る。このパケットのIPアドレス内の宛先、および送信元アドレス、UDPヘッダ内の宛先、および送信元ポート番号は(8) におけるデータ中継要求パケットにおけると同じであり、パケットのデータ部には受信準備完了通知が格納されている。これでフェーズ3の動作は終了する。
【0065】
サーバ側ゲートウェイ11は、クライアント側ゲートウェイ13からの受信準備完了通知を受け取ると、マルチキャストデータの中継を開始する。第1のサーバ10からのIPマルチキャストデータパケットの送信は、(1) で説明したのと同様に常にサーバ側ゲートウェイ11に対して続けられているため、サーバ側ゲートウェイ11は(13)で、第1のサーバ10から受信したマルチキャストデータパケットのIPヘッダとUDPヘッダの変換を行う。
【0066】
そしてサーバ側ゲートウェイ11は、(14)でIPデータヘッダとUDPヘッダが変換されたデータパケットを、ネットワーク内でユニキャストデータパケットとして、クライアント側ゲートウェイ13に中継する。ここで中継されるデータパケットのIPヘッダ、UDPヘッダに含まれるIPアドレスや、ポート(ソケット)番号などのデータは、図13の(14)に示されるように、(10)における復元情報送信時のパケットヘッダの内容と同じである。
【0067】
クライアント側ゲートウェイ13はサーバ側から中継されたデータパケットを受け取ると、(15)で管理テーブル17の内容を参照してIPヘッダとUDPヘッダの変換を行って、マルチキャストデータパケットを復元し、(16)で復元されたマルチキャストデータパケットを中継、すなわち同報して、クライアント14に与える。この復元されたマルチキャストデータパケットのIPヘッダ内の宛先IPアドレスは、マルチキャストデータのアドレスとしての000、送信元IPアドレスはサーバ10のアドレスとしての100、宛先ポート(ソケット)番号はあまり意味はないが、ここでは101、送信元ポート(ソケット)番号は第1のサーバ10のポート番号としての102である。
【0068】
図11は前述の第2の方法、すなわち[2]における動作シーケンスの後半を示し、図14は[2]におけるパケットのIPヘッダ、UDPヘッダ、およびデータ部に格納されるデータの説明図であり、図17は[2]における管理テーブルのフォーマットと格納されるデータの例である。
【0069】
[2]においても、動作シーケンスの前半は図9におけると全く同じである。従って図14において(1) 〜(8) に対応するデータは図13におけると同じであり、また図17でサーバ側ゲートウェイとクライアント側ゲートウェイとのそれぞれに備えられる管理テーブルの内容も、生成タイミング(3) と(7) に対しては同じである。
【0070】
図11の後半の動作シーケンスは図10におけると同じ部分も多いので、図10と異なる部分についてのみ説明する。[2]においては前述のように、最終的にクライアント側ゲートウェイ13からクライアント14に対してIPマルチキャストデータパケットが中継される時、送信元IPアドレスとしてクライアント側ゲートウェイ12のIPアドレス400がIPヘッダに格納される点が[1]と異なっている。そこでクライアント側ゲートウェイ13において、サーバ側ゲートウェイ11から中継されてきたIPユニキャストデータパケットをマルチキャストデータパケットに変換する際の復元データとして、このマルチキャストデータの配信元である第1のサーバ10のIPアドレス100は不必要となる。
【0071】
このため(10)でサーバ側ゲートウェイ11からクライアント側ゲートウェイ13に送られる復元情報は、図10の(10)と異なってサーバのIPアドレス100を含む必要がなくなる。このことは図14において(10)におけるデータ部に、図13の(10)と異なって、サーバのIPアドレス=100が含まれていないことに示されている。
【0072】
従って図11の(11)で、クライアント側ゲートウェイ13の管理テーブル17に格納される復元情報には第1のサーバ10のIPアドレス100は含まれず、このことから図17のクライアント側ゲートウェイの管理テーブルには、図16と異なって、サーバIPアドレスの格納領域は存在せず、生成タイミング(11)では宛先ポート(ソケット)番号、および送信元ポート(ソケット)番号のみが格納されることが示されている。
【0073】
そして図11では、(16)でクライアント側ゲートウェイ13からクライアント14に対して中継されるIPマルチキャストデータパケットのIPヘッダに含まれる送信元IPアドレスが図10の(16)における100、すなわち第1のサーバ10のIPアドレスではなく、400、すなわちクライアント側ゲートウェイ13のIPアドレスである点が異なっており、このことは図14の(16)における送信元IPアドレスが400であり、図13の(16)における送信元IPアドレスが100であるのと異なる点に示されている。
【0074】
図12は前述の[3]における後半の動作シーケンスチャートであり、図15は[3]においてIPヘッダ、UDPヘッダ、およびデータ部に格納されるデータを示す。[3]においても、動作シーケンスの前半は図9と同じであり、従って図15においても(1) 〜(8) に対応するデータは、図13および図14と同じである。なお[3]におけるサーバ側ゲートウェイとクライアント側ゲートウェイに備えられる管理テーブルのフォーマットとその格納データは図16と全く同じであるため、その説明を省略する。
【0075】
図12において、(15)までの動作は[1]に対する図10におけると同じであり、従って図15における(14)までのデータは、図13におけると同じである。[1]におけると異なる動作は、(16)におけるクライアント側ゲートウェイ13からクライアント14に対して最終的にマルチキャストデータパケットを中継する時の動作である。[3]においては、この時IPヘッダ内の送信元IPアドレスとしてクライアント14が要求したマルチキャストデータそのもののアドレス000が使われる。これが図10において、送信元IPアドレスとして第1のサーバ10のIPアドレス100が使われる点と異なる点である。この相違に対応して、図15でも(16)における送信元IPアドレスは000となっている。
【0076】
最後に本発明におけるプログラムのコンピュータへのローディングについて図18を用いて説明する。本発明におけるヘッダの変換は、例えばサーバが所属するローカルエリアネットワークとインターネットとを接続するゲートウェイ装置、およびインターネットとクライアントの属するLANとを接続するゲートウェイ装置によって実行されるが、これらのゲートウェイ装置はコンピュータをその基本要素として構成することが可能である。
【0077】
そこで本発明の請求項10、図7、図8などのプログラムは、コンピュータ41のメモリ45に格納され、本体44によってそのプログラムが実行されることによって、ヘッダ変換が行われる。
【0078】
このプログラムは、例えば可搬型記憶媒体42に記録され、その記憶媒体42をコンピュータ41にロードすることによって、またはプログラム提供者側からネットワーク回線43を介して転送され、コンピュータ41にロードされることによって実行されることもできる。
【0079】
コンピュータ41のメモリ45としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、またはハードディスクなどを使用することができ、また可搬型記憶媒体42としてはメモリカード、フロッピーディスク、CD−ROM、光ディスク、光磁気ディスクなど、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を使用することができる。
【0080】
以上の説明においては、主として1つのサーバから1つのクライアントに対して、IPマルチキャストデータパケットをインターネットを介して配信する場合を対象として本発明の内容を説明したが、本発明の対象はこれに限定されるものでないことは当然である。例えばインターネットの両側に1つの企業の工場や営業所などに対応する2つのLANが存在し、営業所と工場の間で例えばテレビ会議を行う場合に相互にマルチキャストデータを送受信するような形式も当然可能である。この場合、本発明のヘッダ変換装置はゲートウェイ装置に備えられるだけとは限定されず、例えばIPネットワークのルータに備えられることも当然可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればマルチキャストデータパケットをヘッダ変換によってユニキャストデータパケットに変換し、マルチキャストデータ通信をサポートしていないネットワーク、あるいはマルチキャストデータ通信をサポートしているかいないかが不明のネットワークに対して入力させ、ネットワークの出口で再びマルチキャストデータパケットに変換することによって、例えば仮想公衆網(VPN)を構成する2つのローカルエリアネットワークの間でマルチキャストデータ通信を実行することが可能になり、マルチキャストデータ通信の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成ブロック図である。
【図2】本発明のヘッダ変換方式が用いられるマルチキャストデータ通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2のマルチキャストデータ通信システムにおけるデータの流れを説明する図である。
【図4】ゲートウェイによるヘッダの書き換えを説明する図である。
【図5】マルチキャストデータ転送時におけるIPヘッダの変換を説明する図である。
【図6】ネットワークシステム内の動作の概要を説明する図である。
【図7】クライアント側ゲートウェイによる処理のフローチャートである。
【図8】サーバ側ゲートウェイによる処理のフローチャートである。
【図9】第1、第2、第3の方法において2つのゲートウェイによって実行される動作の前半部分を示すシーケンスチャートである。
【図10】第1の方法における動作の後半部分を示すシーケンスチャートである。
【図11】第2の方法における動作の後半部分を示すシーケンスチャートである。
【図12】第3の方法における動作の後半部分を示すシーケンスチャートである。
【図13】第1の方法において用いられるデータの例を示す図である。
【図14】第2の方法において用いられるデータの例を示す図である。
【図15】第3の方法において用いられるデータの例を示す図である。
【図16】第1の方法における2つのゲートウェイの管理テーブルの例を示す図である。
【図17】第2の方法における2つのゲートウェイの管理テーブルの例を示す図である。
【図18】本発明におけるプログラムのコンピュータへのローディングを説明する図である。
【図19】マルチキャストデータ通信の従来技術の第1の例を示す図である。
【図20】マルチキャストデータ通信の従来技術の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
1 パケット変換装置
2 ヘッダ変換手段
10 サーバ
11 サーバ側ゲートウェイ
12 IPネットワーク
13 クライアント側ゲートウェイ
14 クライアント
15a〜15e ルータ
17,18 管理テーブル

Claims (4)

  1. ネットワークの入口/出口に備えられ、パケットの変換を行うパケット変換システムにおいて、
    ローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットの要求元であるクライアントに接続されたクライアント側ゲートウェイ装置に備えられるクライアント側パケット変換装置は、
    ネットワークから受取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてマルチキャストデータ転送パケットとして出力する動作を実行するクライアント側ヘッダ変換手段と、
    クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶するクライアント側識別子記憶手段とを備え、
    前記クライアントが接続されたローカルエリアネットワークと異なるローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットを配信するサーバに接続されたサーバ側ゲートウェイ装置に設けられるサーバ側パケット変換装置は、
    マルチキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてユニキャストデータ転送パケットとして前記ネットワークに入力させる動作を実行するサーバ側ヘッダ変換手段と、
    クライアント側パケット変換装置から通知された、クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶するサーバ側識別子記憶手段とを備え、
    ることを特徴とするパケット変換システム。
  2. 前記サーバ側パケット変換装置とクライアント側パケット変換装置が、前記クライアント側ゲートウェイ装置及び前記サーバ側ゲートウェイ装置ではなく、前記ネットワーク内での、パケットの転送制御を実行するルータに備えられることを特徴とする請求項1記載のパケット変換システム。
  3. ネットワークの入口/出口に備えられ、パケットの変換を行うパケット変換システムのパケット変換方法において、
    ローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットの要求元であるクライアントに接続されたクライアント側ゲートウェイ装置に備えられるクライアント側パケット変換装置は、
    ネットワークから受取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてマルチキャストデータ転送パケットとして出力する動作を実行し、
    クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶し、
    前記クライアントが接続されたローカルエリアネットワークと異なるローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットを配信するサーバに接続されたサーバ側ゲートウェイ装置に設けられるサーバ側パケット変換装置は、
    マルチキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてユニキャストデータ転送パケットとして前記ネットワークに入力させる動作を実行し、
    クライアント側パケット変換装置から通知された、クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶する、
    ことを特徴とするパケット変換方法。
  4. ネットワークの入口/出口に備えられ、パケットの変換を行うパケット変換システムにおいて使用される記憶媒体であって、
    ローカルエリアネットワークに属し、マルチキャストデータ転送パケットの要求元であるクライアントに接続されたクライアント側ゲートウェイ装置に備えられるクライアント側パケット変換装置は、
    ネットワークから受取ったユニキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてマルチキャストデータ転送パケットとして出力する動作を実行し、
    クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶し、
    前記クライアントが接続されたローカルエリアネットワークと異なるローカルエリアネットワークに属し、マルチキャリアデータ転送パケットを配信するサーバに接続されたサーバ側ゲートウェイ装置に設けられるサーバ側パケット変換装置は、
    マルチキャストデータ転送パケットのヘッダを書き換えてユニキャストデータ転送パケットとして前記ネットワークに入力させる動作を実行し、
    クライアント側パケット変換装置から通知された、クライアントからのマルチキャストデータ転送パケットの受信要求に対応する識別子を前記マルチキャストデータそのもののIPアドレスに対応させて記憶する、
    ことをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な可搬型記憶媒体。
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