JP3773167B2 - 商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム、商品販売システム、クーポン値引き方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム、商品販売システム、クーポン値引き方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストア等においては、販売促進のために、金券であるクーポン券を発行している。このクーポン券は、精算時に回収され、POS(Point of Sales:販売時点管理)端末等において当該クーポン券の対象商品から所定金額を値引くようにしている。
【0003】
このようなクーポン券は発行店舗や発行チェーンのみで使用できるものが多く、クーポン券の発行は店舗やチェーンとしてみれば非常に有効な販売促進手法となっている。
【0004】
また、近年においては、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistants)と称される個人用の携帯用情報端末や携帯電話が急速に普及してきている。これら携帯用情報端末や携帯電話においては、ブラウジング機能などのインターネットに対する操作のための特殊な機能が搭載されていることを条件に、無線または有線でのインターネットへの接続が可能になっており、さまざまなサービスの提供を受けることが可能となっている。
【0005】
例えば、携帯電話等に提供されるサービスの1つとして、前述したようなクーポン券を携帯電話等の画面に表示させて提示することにより、当該クーポン券の対象商品から所定金額を値引くようなクーポンサービスが考えられている。特に、クーポン券をバーコード化して画面に表示するようにしたものについては、POS端末等において読み取るだけで値引処理が可能になることから、非常に有用である。
【0006】
このような携帯電話等を利用したクーポンサービスによれば、各種のクーポン券を財布等に入れて持ち歩く必要がなくなるとともに、クーポン券をなくすこともないことから、今後広く普及していく見込みである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のクーポンサービスによれば、クーポン券は不特定多数に配布されて利用されることから、個人を対象とした販促効果の検証を十分に行うことができなかった。
【0008】
本発明の目的は、クーポンサービスにおける個人を対象とした販促効果の検証を行うことである。
【0009】
本発明の目的は、クーポンサービスにおける商圏分析や購入層分析等の高度な販促効果の検証を行うことである。
【0010】
本発明の目的は、クーポン値引きを利用した顧客を確実に特定することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、商品に係る各種データを処理する商品販売データ処理装置において、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、データ処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、を備える。
【0012】
したがって、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれており、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードがその顧客識別情報に対応付けて記憶される。これにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することが可能になるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことが可能になる。
【0013】
請求項2記載の発明は、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムにおいて、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、を備える。
【0014】
したがって、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれており、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードがその顧客識別情報に対応付けて記憶される。これにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することが可能になるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことが可能になる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の商品販売データ処理システムにおいて、顧客に関する各種情報を前記顧客識別情報に対応付けて記憶する顧客マスタファイルを有し、前記顧客識別情報に基づく顧客に関する各種情報抽出を、前記顧客マスタファイルを用いて行う。
【0016】
したがって、顧客マスタファイルに例えば年齢、性別、住所等の各種情報を記憶することで、商圏分析や購入層分析等の高度な販促効果の検証が可能になる。
【0019】
請求項4記載の発明の商品販売システムは、請求項2または3記載の商品販売データ処理システムと、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示部に表示可能な携帯型電子端末と、を備える。
【0020】
したがって、携帯型電子端末の表示部に表示されたクーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれており、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードがその顧客識別情報に対応付けて記憶される。これにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することが可能になるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことが可能になる。また、顧客に関する各種情報を顧客識別情報に対応付けて記憶する顧客マスタファイルを備えることにより、顧客マスタファイルに例えば年齢、性別、住所等の各種情報を記憶することで、商圏分析や購入層分析等の高度な販促効果の検証が可能になる。
【0021】
請求項5記載の発明は、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムと、各種のデータ処理を実行可能な携帯型電子端末と、を備える商品販売システムにおいて用いられ、プロセッサ演算処理により実現されるクーポン値引き方法であって、前記携帯型電子端末の表示部にクーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示させる2次元コード表示制御工程と、前記携帯型電子端末の表示部に表示されている前記2次元コードをコード読取装置を用いて読み取る2次元コード読取制御工程と、この2次元コード読取制御工程により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き制御工程と、このクーポン値引き制御工程による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶部に記憶するクーポン利用顧客情報記憶制御工程と、を含んでなる。
【0022】
したがって、携帯型電子端末の表示部に表示されたクーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれており、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードがその顧客識別情報に対応付けて記憶される。これにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することが可能になるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことが可能になる。特に、携帯型電子端末は通常個人で所有するものであるため、クーポン値引きを利用した顧客と携帯型電子端末の所有者とは一致する確率が非常に高いことから、携帯型電子端末の表示部にクーポン券として機能する2次元コードを表示させることで、クーポン値引きを利用した顧客を確実に特定することが可能になる。
【0023】
請求項6記載の発明は、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを制御するプログラムであって、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取機能と、この2次元コード読取機能により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き機能と、このクーポン値引き機能による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶機能と、を前記コンピュータに実行させる。
【0024】
したがって、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれており、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードがその顧客識別情報に対応付けて記憶される。これにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することが可能になるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施の形態の商品販売システムは、概略的には、クーポン券を発行して、そのクーポン券が売上登録の際に提示された場合には対象商品から所定金額を値引くようなクーポンサービスを実施しているスーパーマーケット等で用いられるシステムである。
【0026】
ここで、図1は商品販売システム1の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。図1に示すように、商品販売システム1は、スーパーマーケット等の小売店舗に設けられる商品販売データ処理システムであるPOS(Point of Sales:販売時点管理)システム5を主体に構成されている。POSシステム5は、商品販売データ処理装置であってスーパーマーケットのレジカウンターに設置される複数台のPOS端末2と、これらのPOS端末2をLAN(Local Area Network)3によって接続して集中管理するホストコンピュータ4とで構成されている。また、POSシステム5を構成するホストコンピュータ4は、電話回線を経由して通信ネットワークであるインターネット網100に接続可能とされており、インターネット上のWWW(World Wide Web)サーバ(サーバコンピュータ)としても機能する。
【0027】
また、インターネット網100には、携帯電話網101がゲートウェイ102を介して接続されている。このようにインターネット網100に接続される携帯電話網101で使用される携帯型電子端末である携帯電話103(103a,103b,・・・,103x)には、ブラウジング機能などのインターネットに対する操作のための特殊な機能が搭載されている。なお、携帯電話103には、PHS(Personal Handyphone System)端末も含まれるものとする。このような携帯電話103には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部104、入力部として機能する各種キーを備えたキーボード105が設けられている。
【0028】
続いて、POSシステム5を構成するPOS端末2について説明する。POS端末2は、店舗の精算場所に配設されてキャッシャが売上処理を行うためのものであり、図2に示すような構成とされている。POS端末2には、本体8の上面側にキーボード9が設けられており、本体8の下部側にはドロワ10が引出自在に設けられている。また、本体8の奥側には表示器11が設けられている。さらには、磁気カード製の会員カード(図示せず)の読み取りを行うための磁気カードリーダ12がキーボード9の脇に並設されている。
【0029】
さらに、POS端末2には、商品コード等を光学的に読み取るためのコード読取装置であるコードスキャナ13も接続されている。このコードスキャナ13は、一台で、商品コード等のバーコード(1次元コード)、及び後述する2次元コードC(図7参照)のスキャニングが可能なマルチコードスキャナである。
【0030】
このようなPOS端末2の電装系は図3に示すように構成されている。POS端末2は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるPOS制御部14と、不揮発性ROM等で構成されて記憶部として機能するメモリ部15とを保有し、バス16を介して接続された通信インタフェース17から、LAN3を介してホストコンピュータ4との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。そして、POS制御部14は、CPUがROMの制御プログラムに従って動作することにより、後述する2次元コード読取手段、クーポン値引き手段及びクーポン利用顧客情報記憶手段を実現する。
【0031】
また、POS制御部14には、バス16及びI/O機器制御部18を介して、前述したキーボード9、表示器11、磁気カードリーダ12、コードスキャナ13とともにプリンタ19が接続されている。このプリンタ19は、POS端末2の本体8内に内蔵されたレシート/ジャーナルプリンタであり、売上処理に伴い、取引単位でレシートを発行するとともに、並行してジャーナル用紙への印字を行うものである。
【0032】
次に、ホストコンピュータ4について説明する。ホストコンピュータ4は、POSシステム5全体の制御を受持ち、その電装系は、例えば、図4に示すような構成とされている。ホストコンピュータ4は、CPU、ROM、RAM等で構成される制御部20と、不揮発性ROM等で構成されるメモリ部21とを保有し、バス22を介して接続された通信インタフェース23aから、LAN3を介して複数台のPOS端末2との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。また、制御部20には、インターネット網100に接続するための通信インタフェース23bもバス22を介して接続されている。そして、制御部20は、CPUがROMの制御プログラムに従って動作することにより、後述する端末選択手段、クーポン情報作成手段及びクーポン情報配信手段を実現する。
【0033】
さらに、制御部20にはバス22及びI/O機器制御部24を介して、キーボード25、表示器26、プリンタ27及びHDD(Hard Disk Drive)28が接続されている。HDD28には、制御部20のCPUを動作させる制御プログラムの他、商品マスタファイルF1、売上ファイルF2、顧客マスタファイルである会員マスタファイルF3等が格納されている。なお、商品マスタファイルF1は商品コードに対応付けて商品名や単価を記憶するもの、売上ファイルF2は各POS端末2から送信される売上登録データを記憶するもの、会員マスタファイルF3は会員顧客毎の累計ポイントや会員の氏名・年齢・性別・住所・電話番号等の会員情報を会員コード(顧客識別情報)に対応付けて記憶するものである。また、会員マスタファイルF3には、後述するクーポン券として機能する2次元コードCを所定の顧客が所持する携帯電話103に向けて配信するための端末識別情報(携帯電話番号情報やメールアドレス)も会員コードに対応付けて記憶されている。
【0034】
以上のようなPOS端末2とホストコンピュータ4とで構成されるPOSシステム5の売上処理の際の動作について簡単に説明する。例えば商品に付された商品コードがPOS端末2のコードスキャナ13によって読み取られると、POS端末2は読み取った商品コードをホストコンピュータ4に問い合わせる。そして、商品コードを問い合わせられたホストコンピュータ4側においては、POS端末2からの問い合わせにより商品マスタファイルF1を検索し、該当する商品コードに対応した商品名や単価等を読み出してPOS端末2へ送信する。また、POS端末2は、ホストコンピュータ4からの商品名や単価等を受信し、問い合わせした商品コード及び受信した商品名や単価等に基づいて売上登録するとともに、部門別登録や表示器11への表示、またプリンタ19により印字出力を行い、さらに売上登録した売上登録データをホストコンピュータ4へ送信する。さらに、POS端末2から売上登録した売上登録データを送信されたホストコンピュータ4側では、POS端末2からの売上登録データを売上ファイルF2に累計する。
【0035】
続いて、本実施の形態の商品販売システム1が備える特長的な機能について以下において詳細に説明する。なお、従来から行なわれている処理と同様の処理についてはその説明を省略する。まず、本実施の形態の商品販売システム1が備える特長的な機能を実現するクーポン券配布処理について、ホストコンピュータ4の制御部20側の制御処理を示す図5のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
図5に示すように、クーポン券配布処理は、ホストコンピュータ4側において、クーポン値引き対象商品を設定し(ステップS1)、有効期限を設定し(ステップS2)、値引き額を設定し(ステップS3)、クーポン配布先の会員顧客を抽出した後(ステップS4)、ステップS1〜S4による設定・抽出項目に基づいてクーポン券として機能する2次元コードC(クーポン情報)をステップS4で抽出された会員顧客毎に作成する(ステップS5)。ここに、クーポン情報作成手段の機能が実行される。なお、ステップS1のクーポン値引き対象商品の設定は、HDD28の商品マスタファイルF1から所望の商品を選択し、当該商品の商品コードや商品名を取得するものである。また、ステップS4のクーポン配布先の会員顧客の抽出は、HDD28の会員マスタファイルF3から所望の会員顧客を選択し、その会員コードを取得するものである。ここに、端末選択手段の機能が実行される。
【0037】
そして、ステップS6において、このようにして作成された2次元コードCを、会員マスタファイルF3の端末識別情報に基づき、ステップS4で抽出された会員顧客の携帯電話103に対してそれぞれ配信し、処理を終了する。ここに、クーポン情報配信手段の機能が実行される。
【0038】
このように、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードCを作成し、所望の携帯電話103に対して配信することにより、携帯電話103は通常個人で所有するものであるため、クーポン値引きを利用した顧客と携帯電話103の所有者とは一致する確率が非常に高いことから、クーポン値引きを利用した顧客を確実に特定することができる。
【0039】
続いて、2次元コードCを配信された会員顧客の携帯電話103について図6を参照しつつ説明する。本実施の形態の携帯電話103は、その外観等については周知のものと何ら変わるものではないため説明を省略する。図6に示すように、携帯電話103にはMicrocomputer(以下、マイコンという。)106が備えられており、このマイコン106が、電話機能を発揮する通信制御部107、表示部104、各種キーを備えたキーボード105等の各部を駆動制御する。マイコン106は、各部を集中的に制御するCPU108にバスライン109を介して、マイコン106を動作させる制御プログラム等の固定的データを予め格納するROM110と各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能するRAM111とが接続されて構成されている。加えて、バスライン109には、表示データ等を高速展開するVRAM(Video Random Access Memory)112や不揮発性のフラッシュメモリ113が接続されている。フラッシュメモリ113には、POSシステム5のホストコンピュータ4から配信されたクーポン券として機能する2次元コードCを記憶するクーポン券記憶エリア113aが設けられている。
【0040】
このような構成により、CPU108はROM110の制御プログラムに従って動作することにより、POSシステム5のホストコンピュータ4から配信されたクーポン券として機能する2次元コードCを通信制御部107を介して受信した場合、この2次元コードCをクーポン券記憶エリア113aに記憶し、顧客による携帯電話103のキーボード105の操作により表示要求があった場合には、クーポン券記憶エリア113aに記憶した2次元コードCを携帯電話103の表示部104に表示させることが可能である(図7参照)。つまり、クーポン券として機能する2次元コードCを携帯電話103に配信された顧客は、このクーポン券として機能する2次元コードCが格納されている携帯電話103を持ってスーパーマーケットに出向き、その携帯電話103のキーボード105を操作して2次元コードCを表示部104に再び表示させることにより、クーポン値引きを受けることが可能になっている。
【0041】
ここで、携帯電話103の表示部104に表示されるクーポン券として機能する2次元コードCには、クーポン券であることを示すコードの他、当該クーポン値引き対象商品の商品コードや商品名、値引き額、有効期限、当該携帯電話103の所有者である会員顧客の会員コード等が格納されている。
【0042】
なお、図7には、2次元コードCの一例としてデータコードを記載したが、これに限るものではなく、ベリコード、QRコード、マキシコード、PDF417等の各種2次元コードであっても何ら問題はない。
【0043】
次に、本実施の形態の商品販売システム1が備える特長的な機能を実現するクーポン券値引き処理について、POS端末2のPOS制御部14側の制御処理を示す図8のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
図8に示すように、POS端末2のPOS制御部14は、コードスキャナ13によるコードスキャンに待機しており(ステップS11)、コードスキャナ13によるコードスキャンが有ったと判断した場合には(ステップS11のY)、コードスキャナ13により読み取られたコードが商品の売上登録に用いる商品コードなのか、クーポン券として機能する2次元コードCなのかを判断する(ステップS12)。
【0045】
コードスキャナ13により読み取られたコードが売上商品についての商品コードであった場合には、ステップS13において売上登録処理が実行される。この売上登録処理では、前述したように、入力された商品コードに基づいて商品マスタファイルF1を検索して取得した商品名や単価等に基づいて各種の登録処理を行う。
【0046】
一方、このような売上登録処理の際に、携帯電話103の表示部104に表示されている2次元コードCが顧客により提示され、この2次元コードCをコードスキャナ13によって読み取った場合には、ステップS14に進むことになる。ここに、2次元コード読取手段の機能が実行される。
【0047】
POS制御部14は、読み取られた2次元コードCに格納されている各種データをメモリ部15に格納するとともに(ステップS14)、そのメモリ部15に格納された各種データからクーポン値引きに係るデータ(当該クーポン値引き対象商品の商品コードや商品名、値引き額、有効期限等)を抽出する(ステップS15)。
【0048】
その後、ステップS16において有効期限内であるか否かを抽出したクーポン値引きに係るデータに基づいて判別し、有効期限内であれば(ステップS16のY)、当該クーポン値引き対象商品について所定の値引き額だけ値引いて登録するとともに(ステップS17:クーポン値引き手段)、メモリ部15に格納された各種データから当該携帯電話103の所有者である会員顧客の会員コードを抽出して当該クーポン値引き対象商品の商品コードや商品名に対応付けた顧客情報としてメモリ部15に格納する(ステップS18:クーポン利用顧客情報記憶手段)。なお、有効期限内でない場合には(ステップS16のN)、値引き処理は行われない。
【0049】
このようなステップS11〜S18の処理は、キーボード9に設けられた預/現計キー等が操作されて締めが宣言されたと判断される迄(ステップS19のY)、繰り返される。
【0050】
キーボード9に設けられた預/現計キー等が操作されて締めが宣言された場合には(ステップS19のY)、プリンタ19によるレシートの印字出力や、売上登録した売上登録データをホストコンピュータ4へ送信する等の締め処理を実行する。なお、本実施の形態のPOS端末2においては、売上登録した売上登録データとともにメモリ部15に格納されている顧客情報もホストコンピュータ4へ送信する。このようにしてホストコンピュータ4へ送信されたメモリ部15に格納されていた顧客情報は、ホストコンピュータ4のメモリ部21に格納されることになる。ここに、クーポン利用顧客情報記憶手段が実現されている。
【0051】
ここに、携帯電話103の表示部104に表示されたクーポン券として機能する2次元コードCには顧客を特定可能な会員コードが含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその会員コードに対応付けて記憶する。これにより、クーポン値引きに係る商品を購入した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を会員コードに基づいて行うことができる。
【0052】
また、ホストコンピュータ4のメモリ部21に格納された顧客情報(クーポン値引き対象商品の商品コードに対応付けて記憶された会員コード)に基づく顧客に関する各種情報抽出を、ホストコンピュータ4の会員マスタファイルF3を用いて行うようにすれば、会員マスタファイルF3に例えば年齢、性別、住所等の各種情報を記憶することで、どの地域でクーポンが良く利用されているかといった商圏分析や性別や年齢毎の購入層分析等の高度な販促効果の検証を行うことができる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、商品販売データ処理システムとして、複数台のPOS端末2とホストコンピュータ4とで構成されるPOSシステム5を適用したがこれに限るものではない。例えば、POS端末2とホストコンピュータ4との機能を一体化させた1台のスタンドアロン型のPOS端末のみからなる構成であっても同様に適用できる。
【0054】
また、本実施の形態においては、サーバコンピュータとして、POSシステム5を構成してPOS端末2をLAN3によって接続して集中管理するホストコンピュータ4を適用したがこれに限るものではない。例えば、POS端末2とホストコンピュータ4との機能を一体化させた1台のスタンドアロン型のPOS端末のみからなる構成であっても同様に適用できるし、複数の店舗によりチェーン展開している各店舗に設置されたホストコンピュータ4が接続されたチェーン本部に設けられるホストコンピュータをサーバコンピュータとして適用しても良い。
【0055】
さらに、本実施の形態においては、携帯型電子端末として携帯電話103を適用したが、これに限るものではなく、通信機能を備えることを条件として、ノート型パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)と称される携帯用情報端末等を適用しても良い。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、商品に係る各種データを処理する商品販売データ処理装置において、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、データ処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、を備え、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその顧客識別情報に対応付けて記憶することにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことができる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムにおいて、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、を備え、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその顧客識別情報に対応付けて記憶することにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことができる。
【0058】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の商品販売データ処理システムにおいて、顧客に関する各種情報を前記顧客識別情報に対応付けて記憶する顧客マスタファイルを有し、前記顧客識別情報に基づく顧客に関する各種情報抽出を、前記顧客マスタファイルを用いて行うことにより、顧客マスタファイルに例えば年齢、性別、住所等の各種情報を記憶することで、商圏分析や購入層分析等の高度な販促効果の検証を行うことができる。
【0060】
請求項4記載の発明の商品販売システムによれば、請求項2または3記載の商品販売データ処理システムと、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示部に表示可能な携帯型電子端末と、を備え、携帯型電子端末の表示部に表示されたクーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその顧客識別情報に対応付けて記憶することにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことができる。また、顧客に関する各種情報を顧客識別情報に対応付けて記憶する顧客マスタファイルを備えることにより、顧客マスタファイルに例えば年齢、性別、住所等の各種情報を記憶することで、商圏分析や購入層分析等の高度な販促効果の検証を行うことができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムと、各種のデータ処理を実行可能な携帯型電子端末と、を備える商品販売システムにおいて用いられ、プロセッサ演算処理により実現されるクーポン値引き方法であって、前記携帯型電子端末の表示部にクーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示させる2次元コード表示制御工程と、前記携帯型電子端末の表示部に表示されている前記2次元コードをコード読取装置を用いて読み取る2次元コード読取制御工程と、この2次元コード読取制御工程により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き制御工程と、このクーポン値引き制御工程による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶部に記憶するクーポン利用顧客情報記憶制御工程と、を含み、携帯型電子端末の表示部に表示されたクーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその顧客識別情報に対応付けて記憶することにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことができる。特に、携帯型電子端末は通常個人で所有するものであるため、クーポン値引きを利用した顧客と携帯型電子端末の所有者とは一致する確率が非常に高いことから、携帯型電子端末の表示部にクーポン券として機能する2次元コードを表示させることで、クーポン値引きを利用した顧客を確実に特定することができる。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを制御するプログラムであって、クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取機能と、この2次元コード読取機能により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き機能と、このクーポン値引き機能による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶機能と、を前記コンピュータに実行させ、クーポン券として機能する2次元コードには顧客を特定可能な顧客識別情報が含まれていることから、値引きが実行されたクーポン値引き対象商品の商品コードをその顧客識別情報に対応付けて記憶することにより、クーポン値引きを利用した顧客を特定することができるので、個人を対象とした販促効果の検証を顧客識別情報に基づいて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の商品販売システムの全体構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】POS端末の構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図3】POS端末の電装系の構成を示すブロック図である。
【図4】ホストコンピュータの電装系の構成を示すブロック図である。
【図5】ホストコンピュータの制御部側の制御処理を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話の電装系の構成を示すブロック図である。
【図7】2次元コードが表示された状態の携帯電話を示す外観斜視図である。
【図8】POS端末のPOS制御部側の制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 商品販売システム
2 商品販売データ処理装置
4 サーバコンピュータ
5 商品販売データ処理システム
13 コード読取装置
15,21 記憶部
100 通信ネットワーク
103 携帯型電子端末
104 表示部
C 2次元コード、クーポン情報
F3 顧客マスタファイル
Claims (6)
- 商品に係る各種データを処理する商品販売データ処理装置において、
クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、
この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、データ処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、
このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。 - 商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムにおいて、
クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、
この2次元コード読取手段により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き手段と、
このクーポン値引き手段による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理システム。 - 顧客に関する各種情報を前記顧客識別情報に対応付けて記憶する顧客マスタファイルを有し、
前記顧客識別情報に基づく顧客に関する各種情報抽出を、前記顧客マスタファイルを用いて行うことを特徴とする請求項2記載の商品販売データ処理システム。 - 請求項2または3記載の商品販売データ処理システムと、
クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示部に表示可能な携帯型電子端末と、
を備えることを特徴とする商品販売システム。 - 商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムと、各種のデータ処理を実行可能な携帯型電子端末と、を備える商品販売システムにおいて用いられ、プロセッサ演算処理により実現されるクーポン値引き方法であって、
前記携帯型電子端末の表示部にクーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを表示させる2次元コード表示制御工程と、
前記携帯型電子端末の表示部に表示されている前記2次元コードをコード読取装置を用いて読み取る2次元コード読取制御工程と、
この2次元コード読取制御工程により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き制御工程と、
このクーポン値引き制御工程による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶部に記憶するクーポン利用顧客情報記憶制御工程と、
を含んでなることを特徴とするクーポン値引き方法。 - 商品の売上に係るデータを売上登録処理する商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを制御するプログラムであって、
クーポン値引き対象商品の商品コードや値引き額を有するクーポン値引き情報を含んでクーポン券として機能するとともに顧客を特定可能な顧客識別情報を含む2次元コードを読み取る2次元コード読取機能と、
この2次元コード読取機能により読み取られた前記2次元コードに含まれる前記クーポン値引き情報に基づき、売上登録処理された前記クーポン値引き対象商品について前記値引き額を値引くクーポン値引き機能と、
このクーポン値引き機能による前記クーポン値引き対象商品の商品コードを前記顧客識別情報に対応付けて記憶するクーポン利用顧客情報記憶機能と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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