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JP3771080B2 - トラクタ - Google Patents

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豊春 遠藤
武二 田中
重治 木村
智志 田村
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置を備えるトラクタの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種トラクタのなかには、耕深自動制御、傾斜自動制御等の自動制御を実行する制御装置を備えると共に、自動制御の制御状態を、制御感度等の設定変更に基づいて適正化することができるようにしたものがある。しかるに従来では、設定項目の数だけ設定操作具を設けていたため、部品点数が増加する許りでなく、各種設定項目の設定変更操作や設定状態の確認が煩雑になる不都合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、制御装置の各種設定状態を表示可能な設定表示部と、制御装置の各種設定状態を変更可能な設定操作部とを設けて、一か所で各種設定状態の確認や変更をできるようにすることが提案されるが、設定表示部や設定操作部の配置が適正でない場合には、設定表示部の視認性や設定操作部の操作性が低下する可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、運転席の前方に、メータパネルおよびステアリングホイールを備えるトラクタであって、該トラクタに、制御装置の各種設定状態を表示可能な設定表示部と、制御装置の各種設定状態を変更可能な設定操作部とを設けるにあたり、前記設定表示部を、メータパネル内に配置された液晶パネルで構成する一方、設定操作部を、設定表示部よりも下側でかつ左右方向に位置をずらせて配置すると共に、該設定操作部に、設定表示部に操作に応じて設定メニューを表示させるためのメニュースイッチと、操作に応じて設定メニューにおいて設定される設定項目を順次切換表示するための選択スイッチと、操作に応じて設定項目の現設定値を表示すると共に設定値の変更表示するための決定スイッチとを左右方向に並ぶように配置して構成したことを特徴とするトラクタである。つまり、各種設定状態の確認や変更を、視認性および操作性に優れる運転席の前方位置で行うことができ、しかも、設定操作部は、設定表示部の右下方もしくは左下方に位置をずらして配置されるため、設定表示部を正面から見ながら右手もしくは左手で無理なく設定操作部を操作することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、設定表示部および設定操作部を、ステアリングホイールの中心よりも右側もしくは左側に集中配置したことを特徴とするトラクタである。つまり、設定表示部と設定操作部とを左右に振り分け状に配置した場合に比して視認性や操作性を向上させることができる。
請求項3の発明は、請求項1において、設定操作部を、エンジン始動操作部であるキースイッチの上側近傍に配置したことを特徴とするトラクタである。つまり、操作頻度が高いキースイッチの近傍に設定操作部を配置したため、設定操作部の位置認識が容易になり、しかも、設定操作部は、キースイッチの上側に位置するため、キースイッチの下側に配置した場合の如く、キーホルダが垂れ下がって操作性が低下するような不都合も回避することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して作業機3が連結されている。そして、作業機3は、左右一対のリフトロッド4を介して昇降リンク機構2を吊持するリフトアーム5の上下油圧作動に伴って昇降すると共に、左右何れかのリフトロッド4に介設されるリフトロッドシリンダ6の油圧伸縮作動に伴って左右傾斜するが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】
7は走行機体1の後部に設けられる運転席であって、該運転席7の前方には、走行機体1を操舵するためのステアリングホイール8が設けられると共に、メータパネル9、キースイッチ(エンジン始動操作具)10、ライトスイッチ11等を備えるフロントパネル12が設けられている。
【0007】
前記メータパネル9には、エンジン回転計13等のメータ類や、チャージランプ14等のモニタランプ類が組み込まれているが、さらに、メータパネル9の右下端部には、制御装置15の各種設定状態を表示可能な設定表示部16が設けられている。つまり、設定表示部16は、n行m桁の表示ドットを備える液晶パネルで構成されており、制御装置15からの表示駆動信号に応じて各種の設定状態を任意の文字列もしくは図形で表示することができるようになっている。
【0008】
17は前記フロントパネル12の右下端部に設けられる設定操作部であって、該設定操作部17には、後述するように、前記設定表示部16に設定メニューを表示させるためのメニュースイッチ18と、設定項目を選択するための選択スイッチ19、20と、該選択した設定項目の設定値を順次切換え表示するための決定スイッチ21とが左右方向に並ぶように配置されている。つまり、設定表示部16を見ながら設定操作部17を操作することにより、制御装置15の各種設定状態を確認したり、変更することが可能になるが、設定表示部16および設定操作部17は、フロントパネル12に設けられているため、各種設定状態の確認や変更を、視認性および操作性に優れる運転席7の前方位置で行うことができるようになっている。
【0009】
また、前記設定操作部17は、設定表示部16よりも下側で、かつ右側に位置をずらして配置されており、そのため、設定表示部16を正面から見ながら右手で無理なく設定操作部17を操作することができ、しかも、設定表示部16および設定操作部17を、ステアリングホイール8の中心よりも右側に集中配置したため、設定表示部16と設定操作部17とを左右に振り分け状に配置した場合に比して視認性や操作性を向上させることができるようになっている。
【0010】
また、前記設定操作部17の配設位置は、操作頻度の高いキースイッチ10の上側近傍であり、そのため、設定操作部17の位置認識を容易にすることができると共に、キースイッチ10の下側に設定操作部17を配置した場合の如く、キーホルダが垂れ下がって操作性が低下するような不都合も回避することができるようになっている。尚、本実施形態では、メータパネル9とキースイッチ10との間に設定操作部17を配置するにあたり、該設定操作部17を横長に形成しているため、メータパネル9とキースイッチ10との間隔を殊更広げることなく、既存のスペースを有効利用して設定操作部17を配置することができるようになっている。
【0011】
さらに、22は前記メータパネル9内に設けられる信号表示部であって、該信号表示部22には、複数の発光ダイオードLEDが左右方向に並設されており、制御装置15からの発光駆動信号に応じて油圧コントロール信号等の出力状況を発光表示するようになっている。即ち、表示方式が異なる二種類の表示部16、17を設けると共に、それぞれ独立して異なる情報を表示するようにしたため、良好な視認性を確保しつつ多種の情報を表示することができるようになっている。
【0012】
ところで、前記信号表示部22は、設定操作部17との関連性が低いため、エンジン回転計13の下側近傍に設けられている。そして、この位置は、メータパネル9の略中央であるため、良好な視認性を確保することができ、しかも、設定表示部16から適度に離間しているため、両表示部16、22を同時に作動させても、他方の視認性を互いに低下させるような不都合を回避することができるようになっている。
【0013】
前記制御装置15は、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成されており、その入力側には、前述したメニュースイッチ18、選択スイッチ19、20および決定スイッチ21に加え、作業機3の耕深を検出する耕深センサ23、走行機体1もしくは作業機3の左右傾斜を検出する傾斜センサ24、リフトアーム5のアーム角を検出するリフトアームセンサ25、リフトロッドシリンダ6のシリンダ長を検出するリフトロッドセンサ26、ポジションレバー27の操作位置を検出するポジションセンサ28、後述する「耕深自動制御」の目標耕深を設定する耕深設定ボリューム29、後述する「傾斜自動制御」の目標傾斜を設定する傾斜設定ボリューム30等が所定の入力インタフェース回路を介して接続される一方、出力側には、前述した設定表示部16および信号表示部22に加え、リフトアーム用電磁バルブ31の上昇および下降ソレノイド31a、31b、リフトロッド用電磁バルブ32の伸長および縮小ソレノイド32a、32b等が所定の出力インタフェース回路を介して接続されている。つまり、制御装置15は、作業機3の検出高さが設定高さを保つようにリフトアーム用電磁バルブ31を自動制御する「ポジション制御」、作業機3の検出耕深が設定耕深を保つようにリフトアーム用電磁バルブ31を自動制御する「耕深自動制御」、作業機3の検出傾斜が設定傾斜を保つようにリフトロッド用電磁バルブ32を自動制御する「傾斜自動制御」等の自動制御ルーチンや、設定表示部16を表示制御する「設定表示制御」、信号表示部22を表示制御する「信号表示制御」等の表示制御ルーチンを備えており、以下、本発明の要部である「設定表示制御」の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。
【0014】
前記「設定表示制御」には、自動制御用センサの生データを設定表示部16に表示するセンサ生データ出力モードと、設定操作部17の操作に応じて各種の設定パラメータを変更する設定変更モードとが用意されており、例えば設定操作部17に設けられるメニュースイッチ18が所定時間を越えて操作された場合に設定変更モードに切換わる一方、常時はセンサ生データ出力モードを実行するようになっている。そして、センサ生データ出力モードにおいては、「耕深自動制御」もしくは「傾斜自動制御」がONであるか否かを判断し、ここで「耕深自動制御」がONの場合には、耕深センサ値を数値もしくは図形で設定表示部16に表示する一方、「耕深自動制御」がOFFで、かつ「傾斜自動制御」がONの場合には、傾斜センサ値を数値もしくは図形で設定表示部16に表示し、また、「耕深自動制御」および「傾斜自動制御」がOFFの場合には、ポジションセンサ値を数値もしくは図形で設定表示部16に表示するようになっている。
【0015】
一方、設定変更モードでは、メニュースイッチ18の操作に応じてメニュー(診断、点検、デモ、設定、表示器、記憶、記憶消去等)を表示するそして、メニューの中から例えば「設定」が選択された場合には、選択スイッチ19、20の操作に応じて設定項目(深さ感度、傾き感度、平行復帰、スーパーヒッチ、ロワリンク、ダッシング位置、タイヤサイズ等)を順次切換表示すると共に、決定スイッチ21の操作に応じて該当する設定項目の現設定値を表示すると共に、設定値が変更されるようになっている。但し、本実施形態では、上記の設定変更操作を行った後、メニューで「記憶」を選択して決定スイッチ21を押すまでは、設定変更操作以前の設定値が保持されるようになっている。
【0016】
叙述の如く構成されたものにおいて、運転席7の前方に、メータパネル9およびステアリングホイール8を備える走行機体1に、制御装置15の各種設定状態を表示可能な設定表示部16と、制御装置15の各種設定状態を変更可能な設定操作部17とを設けるにあたり、前記設定表示部16を、メータパネル9内に配置する一方、設定操作部17を設定表示部16の下側に配置したため、各種設定状態の確認や変更を、視認性および操作性に優れる運転席7の前方位置で行うことができ、しかも、設定操作部17は、設定表示部16の右方もしくは左方に位置をずらして配置されるため、設定表示部16を正面から見ながら右手もしくは左手で無理なく設定操作部17を操作することができる。
【0017】
また、設定表示部16および設定操作部17を、ステアリングホイール8の中心よりも右側もしくは左側に集中配置したため、設定表示部16と設定操作部17とを左右に振り分け状に配置した場合に比して視認性や操作性を向上させることができる。
【0018】
また、設定操作部17を、操作頻度が高いキースイッチ10の近傍に配置したため、設定操作部17の位置認識が容易になり、しかも、設定操作部17は、キースイッチ10の上側に位置するため、キースイッチ10の下側に配置した場合の如く、キーホルダが垂れ下がって操作性が低下するような不都合も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】ステアリングホイールおよびフロントパネルを示す正面図である。
【図3】フロントパネルの正面図である。
【図4】制御装置の入出力を示すブロック図である。
【図5】「設定表示制御」のフローチャートである。
【図6】設定表示部の表示内容を示す説明図である。
【図7】メニューの表示例を示す説明図である。
【図8】設定項目の表示例を示す説明図である。
【図9】設定値の表示例を示す説明図である。
【図10】センサ生データ出力モードの表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 走行機体
3 作業機
7 運転席
8 ステアリングホイール
9 メータパネル
10 キースイッチ
12 フロントパネル
15 制御装置
16 設定表示部
17 設定操作部
22 信号表示部

Claims (3)

  1. 運転席の前方に、メータパネルおよびステアリングホイールを備えるトラクタであって、該トラクタに、制御装置の各種設定状態を表示可能な設定表示部と、制御装置の各種設定状態を変更可能な設定操作部とを設けるにあたり、前記設定表示部を、メータパネル内に配置された液晶パネルで構成する一方、設定操作部を、設定表示部よりも下側でかつ左右方向に位置をずらせて配置すると共に、該設定操作部に、設定表示部に操作に応じて設定メニューを表示させるためのメニュースイッチと、操作に応じて設定メニューにおいて設定される設定項目を順次切換表示するための選択スイッチと、操作に応じて設定項目の現設定値を表示すると共に設定値の変更表示するための決定スイッチとを左右方向に並ぶように配置して構成したことを特徴とするトラクタ。
  2. 請求項1において、設定表示部および設定操作部を、ステアリングホイールの中心よりも右側もしくは左側に集中配置したことを特徴とするトラクタ。
  3. 請求項1において、設定操作部を、エンジン始動操作部であるキースイッチの上側近傍に配置したことを特徴とするトラクタ。
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