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JP3768712B2 - 攪拌手段、現像装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

攪拌手段、現像装置、およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機やページプリンタ、ファクシミリなどとされる電子写真方式の画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジおよび現像装置、更には前記プロセスカートリッジおよび現像装置に取り付けられる攪拌手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の現像装置の一例を図15に示す。
【0003】
この現像装置105は、トナー(現像剤)106の貯蔵、保管を行なう現像容器105aと、現像剤担持体である現像ローラ108とを備えている。現像ローラ108には現像剤規制部材である現像ブレード109が当接しており、現像ローラ108上のトナー106の量を規制するとともに、トナー106を帯電させる働きがある。
【0004】
また、現像容器105a内のトナー106をほぐし、現像ローラ108側に送り込むための攪拌手段110、111が設けられることが多い。この攪拌手段110、111は、現像ローラ108へのトナー106の供給を安定させるとともに、図示矢印P1、P2方向のトナー106の流れを作り、トナー循環を大きくしてトナー106の劣化を緩やかにする作用を有している。
【0005】
そして、画像形成装置を駆動するための電源、および画像形成を行なうためのバイアスを供給する高圧回路を備えたエンジン制御部107により、電子写真感光体である感光体ドラム101と現像ローラ108の間には直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスが与えられ、上記のような現像装置105からトナー106が供給されて、感光体ドラム101上に形成した潜像が現像される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では1200dpi、2400dpiなどの解像度が要求され、それに伴う高画質化が必要となってきた。それを達成するための一つの手段として、トナーを微粒子にすることが、ドット再現性を良くする効果が非常に高く、好ましいことがわかった。更に、トナーの平均粒径を7μm以下にすることで潜像に忠実に現像できることがわかった。
【0007】
また、現像ローラ108の現像領域でのトナーのコート量を少なくすることで、無駄なトナーの現像を抑制し、潜像付近への飛び散りを少なくし、シャープな文字やラインを再現することができる。
【0008】
しかしながら、トナーを微粒子化することにより、トナー単位体積当たりの表面積が大きくなるため、トナー同士の摩擦などによる劣化速度が速くなってくる。また、高湿環境においてはトナーの吸湿量も大きくなる傾向にあり、凝集しやすくなってくる。
【0009】
そのため、高温高湿環境下のプリント動作がされていない状況で、現像ローラ108と現像ブレード109の当接近傍にてトナーが吸湿して凝集した状態になることがある。これにより、プリント動作に入って、現像ローラ108に駆動がかかっても、凝集したトナーはすぐには崩れない。そのため、部分的に現像ローラ8上にコートされるトナーの量が少なくなり、搬送方向に濃度が薄くなることがある。そこで、小さなスペースにおいても十分な攪拌力が得られる攪拌手段が望まれていた。
【0010】
また、現像ローラ108上のトナーのコート量を少なくすることにより、現像ブレード109にかき分けられるトナーの割合が増えるため、トナー同士の摩擦などによる劣化を起こしやすくなる。
【0011】
更に、上記の現像装置105においては現像容器105aに収容されたトナー106をすべて利用することは困難であり、従って、できるだけ無駄のないように利用することが要求されている。
【0012】
従って、本発明の主な目的は、組立性を向上させた攪拌手段を提供することである。また、本発明の他の目的は、小さなスペースにおいても十分な攪拌力が得られる攪拌手段を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、現像容器に収容されたトナーをできるだけ無駄無く利用できる攪拌手段および現像装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、トナーの劣化を防止できるとともに、高温高湿環境においても、飛び散りが少なく、高精細な画質が得られ、更に画像領域内で均一な濃度が得られる現像装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、トナーの劣化を防止できるとともに、高温高湿環境においても、飛び散りが少なく、高精細な画質が得られ、寿命まで安定した濃度が得られるプロセスカートリッジを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る攪拌手段、現像装置およびプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、本発明は、現像容器の内部に収納された現像剤を攪拌するための攪拌手段において、
前記現像容器に対して回転可能な支持軸と、
前記支持軸が回転する際に前記現像容器の内面を摺擦する湾曲自在なシート部材と、
前記シート部材を取り付けられているL字形状の金属板であって、そのL字形状の角部の内側を前記支持軸に接触させた状態で前記支持軸に取り付けられた金属板と、
を有することを特徴とする攪拌手段である。
【0017】
本発明による他の態様によれば、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置において、
現像剤を用いて前記静電潜像を現像する現像ローラと、
前記現像剤を収納する現像容器と、
前記現像容器の内部に設けられ、前記現像剤を攪拌する攪拌手段であって、前記現像容器に対して回転可能な支持軸と、前記支持軸が回転する際に前記現像容器の内面を摺擦する湾曲自在なシート部材と、前記シート部材を取り付けられているL字形状の金属板であって、そのL字形状の角部の内側を前記支持軸に接触させた状態で前記支持軸に取り付けられた金属板と、
を有する攪拌手段と、
を有することを特徴とする現像装置が提供される。
【0018】
また、本発明による他の態様によれば、更に、前記現像装置は、前記攪拌手段を回転させるための駆動力を前記攪拌手段に伝える駆動伝達部を有し、前記支持軸の折り曲げられた折曲部の一部が前記駆動力伝達部に設けられた差込部に支持されており、前記駆動力伝達部が回転することにより前記差込部から前記折曲部に前記駆動力が伝達されて前記支持軸が回転する。
本発明による他の態様によれば、更に、前記現像装置は、前記現像ローラに付着した現像剤の量を規制する現像剤量規制部材を有し、
前記現像ローラ上において、前記現像剤規制部材により規制された現像剤の塗布量が1.5mg/cm 2 以下であり、前記現像容器の内部に収納された現像剤を攪拌するための他の攪拌手段が設けられており、前記現像装置を電子写真画像形成装置の装置本体に装着した状態で、前記現像ローラに遠い側に配置された前記他の攪拌手段の攪拌軌跡と、近い側に配置された前記攪拌手段の攪拌軌跡とが垂直方向において重なっている。
【0019】
本発明による他の態様によれば、上記いずれかの構成の現像装置と、前記電子写真感光体、前記電子写真感光体を帯電するための帯電手段、および前記電子写真感光体の周面をクリーニングするためのクリーニング手段のうち少なくともひとつを一体化して、電子写真画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジが提供される。
【0020】
上記発明において、前記支持軸は前記現像装置の現像幅内で凹形状の金属棒であることが好ましい。又、前記金属板は前記支持軸に溶着することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る攪拌手段、現像装置およびプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
実施例1
まず、本発明に従って構成される現像装置の一実施例について図1により説明する。
【0023】
本実施例の現像装置5は、トナー(現像剤)6を貯蔵する現像容器5aを図中右方に有し、現像容器5aの内部には、現像容器5aの図中左方に形成された開口部に横設され、矢印R1方向に回転する電子写真感光体である感光体ドラム1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ8にトナー6を搬送するための第1と第2の攪拌手段10、11が設置されている。
【0024】
また、現像ローラ8には現像ローラ8に担持されるトナー6の量を規制するための現像剤規制部材としての現像ブレード9が現像ローラ8の回転方向R2に対してカウンタ方向に当接されている。
【0025】
第1の攪拌手段10は、現像容器5a内の略中央部に配置され、主にトナー6を現像容器5a内で大きく循環させる作用がある。そのため外径は30〜50mmと大きめに設定されている。
第2の攪拌手段11は、第1の攪拌手段10と現像ローラ8の間に配置され、トナー6をほぐし、現像ローラ8側に送り込む作用を有する。特に、第1の攪拌手段10から送り込まれたフレッシュなトナー6と、現像ローラ8に付着し、現像ブレード9により掻き分けられたトナー6の一部とがほどよく混合され、トナー6の局部的な劣化を防ぐ作用をなす。
【0026】
第1と第2の攪拌手段10、11は、現像装置5が画像形成装置本体に装着されたときに、第1の攪拌手段10の攪拌軌跡と第2の攪拌手段11の攪拌軌跡とが垂直方向において重なるように配置されている。なお、図1においては、破線mと破線nとの間が重なっている領域である。
【0027】
このようにおのおのの攪拌の軌跡を垂直方向に重ねることで、第1の攪拌手段10により送り込まれたトナーの流れを止めることなく、つぎの第2の攪拌手段11で攪拌して現像ローラ8に送り込むことができ、スムーズなトナー6の流れを作ることができる。
【0028】
上記のように第1と第2の攪拌手段10、11を配置することによって、トナー6を現像ローラ8へ送り込む力が大きくなり、現像ブレード9により掻き分けられて吐き出されるトナー6の動きも良くなるため、結果として、現像装置5内のトナー6の循環が良くなり、トナー6の劣化を緩和することができる。
【0029】
第2の攪拌手段11は、図2に示すように、支持軸であるストレート状の金属棒13にL字型の金属板12を溶着し、シート部材14を図中の金属板12の背面にその先端部に沿って帯状に両面テープなどで貼り付けた構成を備えている。
【0030】
従来の羽根部材を用いた攪拌手段11Aの一例として、支持軸が樹脂などでできた角材にシート部材を接着した攪拌手段の場合には、その支持軸に剛性をもたせ、シート部材を貼り付けるための糊代を確保するために厚みを持たせなければならない。その場合の攪拌手段が回転駆動させたときの90°おきのシート部材の位置と、回転させたときの最外径の軌跡と、そのときのトナーを攪拌することのできる領域を図3(a)に示した。そして、本実施例の攪拌手段11の場合を図3(b)に示した。
【0031】
おのおのの図中の影部分の面積を比べると、(a)より(b)の方が広いことがわかる。つまり、本実施例の攪拌手段11の方がトナーを攪拌する領域が広いため、トナーを送り込む量が多い。
【0032】
このように、本実施例の攪拌手段では、直径の小さい支持軸と、厚みが薄くても剛性が絶えうる金属板と、シート部材とを組み合わせた構成を特徴とする。特に、現像ローラ8近傍に位置する第2の攪拌手段11は、小さなスペースに小型の攪拌が必要となることから、本実施例のような構成の攪拌手段11の効果は大きい。
【0033】
すなわち、小さなスペースにおいても攪拌力があり、現像ローラ近傍のトナーの流動性をあげることができるため、局部的なトナーの劣化を防止でき、高温高湿環境で発生しやすい濃度薄を防止することができる。
【0034】
尚、金属棒13に直接シート部材14を取り付けるのは、固定が安定しないこと、攪拌時にシート部材14が湾曲し攪拌力が低下するなどの問題がある。そのため、L字型金属板12を用いることにより、攪拌力を安定させ、シート部材14の貼り付けの糊代を大きくとることができる。
【0035】
金属板12をL字型にしたことにより、金属棒13に固定するときには、金属棒13をL字部分に突き立てて固定すればよいため、安定して組み立てることができ、寸法精度が高くなるとともに、剛性も上がる。金属板12はSUSなどでできており、その板の幅は攪拌したときに現像容器5aの底部に当たらない寸法にしなければならない。
【0036】
シート部材14については、第2の攪拌手段11が攪拌動作をしたときに、シート部材14が現像容器5aの底部に触れる程度までの大きさにすることで、トナー6を現像ローラ8側に送り込む作用を強化し、更にはこれまで第2の攪拌手段11が届かなかった現像容器5aの底部のトナー6を箒で掃くがごとくかき出すことができ、トナー6を余すことなく使い切ることができる利点がある。
【0037】
また、第2の攪拌手段11のシート部材14が湾曲自在であるため、現像容器5aの底部に触れても第2の攪拌手段11も回転トルクが大きく増加することはなく、更には、第2の攪拌手段11の製造上、公差を厳しくする必要もない。
【0038】
第2の攪拌手段11は、図4に示すように、金属棒13にギア15の軸部15aが差し込まれて、これによって回転方向への力が第2の攪拌手段11に伝えられ回転する。
【0039】
本実施例において、支持軸13の直径は2.4mmである。攪拌中心軸から現像容器5aの底部までの距離が5mmである。L字型金属板12の厚みを0.1mm、幅を3.5mmとし、PETのシート部材14の厚みを50μmとし、SUS板端部から2.5mm突き出すようにした。つまり、第2の攪拌手段11のシート部14が現像容器5aの底部に触れる程度の幅にした。
【0040】
また、第2の攪拌手段11は現像ローラ8に対して、40%の周速差をつけた。第1の攪拌手段10は現像ローラ8に対して10%の周速差をつけている。
【0041】
ここで、トナー6と、現像ローラ8上のトナー6のコート量を1.5mg/cm2以下の薄層にする具体例とについて詳細に説明する。
【0042】
まずトナー6は負帯電性磁性一成分トナーを用いる。結着樹脂としてスチレンn−ブチルアクリレート共重合体100重量部に、磁性体粒子80重量部、モノアゾ系鉄錯体の負荷電制御剤2部、ワックスとして低分子量ポリプロピレン3部を140℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級して、重量平均径5.0μmの分級粉を得た。平均粒径5.0μmの分級品に疎水性シリカ微粉体1.0重量部をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤を得た。定着性の指標MIは20である。本実施例のトナー6は、MI3〜30.重量平均粒径3.5〜7.0μmの範囲のものを用いることができる。
【0043】
このように、トナーの重量平均粒径を小さくすることで1ドット再現性が良くなり、画質が向上する。
【0044】
また、現像ローラ8上のトナー6のコート量を少なくするために、本実施例では、以下のような設定を行なった。
【0045】
現像ローラ8は、直径16mmの非磁性のアルミスリーブの表面を導電性粒子を含有する樹脂層でコートした表面粗さRa=1.0μmのスリーブであり、図中矢印R2方向に周速50mm/sで回転する。
【0046】
現像ブレード9はゴム硬度JISAで40°のシリコーンゴムを現像ローラ8に対して当接力(現像ローラ8長手方向についての1cm当たりの当接荷重gf/cm)を40gf/cmで当接するように、現像装置5内に設置している。また、現像ローラ8と現像ブレード9の当接幅(ニップ)は1.0mm、当接最上流位置(現像ローラ回転方向の上流)から現像ブレード9自由端までの距離(以下、「NE」という)を2.0mmとしている。
【0047】
現像ローラ8内にはマグネットロール18を固定配置する。このマグネットロール18は磁束密度75mTの4極の磁極N1、S1、N2、S2が交互に配置されている。現像装置5内には上述の一成分磁性トナー6が収容され、第1、第2の攪拌手段10、11で現像ローラ8付近に送られた後、マグネットロール18の形成する磁界作用で現像ローラ8に供給されて、現像ローラ8の回転とともに搬送される。その後、現像ブレード8との当接部でトリボ付与と層厚規制を受けて現像領域へ搬送される。本実施例では、現像ローラ8上のトナー量は1.20mg/cm2になる。
【0048】
現像ローラ8には直流に交流を重畳した交互電圧を電源7から印加して感光体ドラム1との間に現像電界を形成し、その電界に従って静電潜像の現像を行なう。現像ローラ8には、直流電圧:Vdc=−500VにAC:矩形波Vpp=1600V、f=2000Hzを重畳した現像バイアスを印加する。現像ローラ8と感光体ドラム1は最近接位置で300μmのギャップを保って対向している。感光体ドラム1は帯電電位Vd=−700に均一帯電され、画像信号に従いレーザーで露光されてその部分がV1=−150Vになる。V1部を負帯電性トナー6で反転現像する。
【0049】
現像ブレード9は、あらかじめ加熱した型内に、シリコーン用プライマーを塗った厚さ60μmのステンレススチールを配置し、これにLTVシリコーンゴム(LSRSE6744;東レ・ダウコーニング)をLIM射出成型機により射出し、150℃で5分間後に型から取り出し、200℃で4時間熱処理して一体成型してゴム硬度40°のシリコーンゴムブレードを得た。
【0050】
また、現像装置5内のトナー量が少なくなったことを検知する手段として、図1に示すように、金属でできたアンテナ棒3を現像ローラ8近傍に設置した。現像ローラ8とアンテナ棒3間の静電潜像を測定し、現像ローラ8とアンテナ棒3間のトナー6の量が少なくなったときの静電潜像を検知して警告表示する。
【0051】
以上の構成により、従来の現像装置よりも、1200dpi以上の高精細な画像においても潜像に忠実に現像され、文字の飛び散りが少なくなり、かつページ内の濃度ムラがなくなる。
【0052】
以上のような構成で、第2の攪拌手段11がない場合、図5に示すように第2の攪拌手段11Bが棒状である場合、第2の攪拌手段11が上記説明のような構成の場合について、8ppm(A4サイズ縦送り)の画像形成装置を使用し、高温高湿環境で2000枚通紙し24時間停止するといった工程を繰り返し、1万枚までの濃度の低下具合を評価した。
【0053】
濃度の評価はA4サイズの縦送り通紙において、中央部と両端部を紙送り方向に各3点を測定し、合計9点の平均反射濃度と、中央部、両端部各3点平均反射濃度の最大値と最小値の差(一様性)を確認した。なお、濃度測定にはKollmorgen InstrumentsCorp.製、マクベス濃度計RD−914を使用した。
【0054】
9点平均反射濃度結果を図6に、一様性の結果を図7に示す。
【0055】
まず、第2の攪拌手段11がない場合は、9点平均反射濃度が通紙枚数全体にわたり低く、満足な画質が選られなかった。棒状の第2の攪拌手段11A、本実施例の第2の攪拌手段より若干濃度が低めである。図7の一様性において、棒状の第2の攪拌手段11Aが大きく、画像上両端部が薄くなっていることを確認した。それに対し、本実施例の第2の攪拌手段11は一様性が低く、画像領域内にわたり均一な濃度が得られ、本実施例の構成が十分に効果があることを確認した。
【0056】
また、現像装置5内のトナー6がなくなり、画像形成装置本体の表示にトナー無しである警告が示されたときの現像容器5a内に残っているトナー量は、従来の現像装置だと25gに対し、本実施例の構成であれば20gで少なくなったことを確認した。枚数にすると、A4サイズ(4%印字)で100枚多くプリントすることができた。
【0057】
以上のように、現像ローラ8上のトナー6のコート量が1.5cm2以下の構成で、第2の攪拌手段11に本発明構成の羽根部材を備えて攪拌径を大きくしトナー6の攪拌力をあげることにより、トナーの電荷量を安定させてトナーの飛び散りを抑え、高画質を達成し、現像ローラ近傍のトナーの流動性を上げることで、現像容器内のトナー循環を良くし、局部的なトナーの劣化を防止し、高温高湿環境でも安定した濃度が得られ、また現像装置5内のトナー6を無駄無くより多く使い切ることができる。
【0058】
実施例2
第2実施例は第1実施例の攪拌手段11を更に発展させたものである。
【0059】
一つは支持軸の金属棒13の形状を凹型とし、L字型金属板12との接着を平面的に行ない、固定を安定させた。
【0060】
また、第1の実施例において、ギア15から第1の攪拌手段10へ駆動を伝達する構成として、ギア15の先端の一部がL字金属板12にかかるようにしていたため、そのギアの一部が駆動時のトルクに耐えられる強度の材料を選択する必要があった。そこで、本実施例では、その駆動を伝達する部分の構成を発展させ、ギアが駆動のトルクに十分耐えられる構成とした。
【0061】
本実施例の第2の攪拌手段11を図8に示す。
【0062】
本実施例では、図8のように支持軸である金属棒13の形状を現像装置の現像幅内で凹型とし、その凹部13aにSUSのL字金属板12のL字部分12aが突き当たるようにして溶着し、PETのシート14を金属板12の端部に沿って接着剤で貼り付けた。本実施例においても、金属棒13の凹部13aにL字部12aを突き当てたことで、組立の安定性が向上でき、金属棒13とL字金属板12との接着が平面的になったため固定が安定する。
【0063】
また、図9に示すように、第2の攪拌手段11とギア16との結合は、ギア16の軸部16aが金属棒13の曲げの部分にかかるようにした。図10はギア16と金属棒13が結合した状態を示す断面図である。
【0064】
ギア16の軸部16aにおける先端部の金属棒13の差込部は楕円形状であり、金属棒13の支持軸となる部分と曲げの一部がギア16の軸部16aにおける差込部に保持されるようになっている。金属棒13を覆うように保持する形態であるため、ギア16の先端の強度は増し、ギア16が破損することがなくなる。
【0065】
本実施例の現像装置において、充填率0.65g/mlで300gのトナーを充填し、タッピングを10分間行なった状態で現像装置を30分駆動させたが、ギア16が破損することはなかった。
【0066】
また、濃度の安定性については、第1の実施例と同様、放置後の濃度薄は緩和され、その後濃度は立ち上がり、画像領域にわたり安定した濃度が得られた。
【0067】
以上のように、金属棒13の形状を凹型にし、ギア16との結合部においてギア16の差込部先端部の構成を工夫したことにより、金属棒13とL字型金属板12の固定が安定し、攪拌におけるギア16の強度を増すことができた。
【0068】
実施例3
つぎに、本発明の第3実施例について図11により説明する、本実施例は、本発明の現像装置が具備されているプロセスカートリッジについてである。
【0069】
図11において、本実施例のプロセスカートリッジCは、電子写真感光体である円筒状の感光体ドラム1、感光体ドラム1の表面を帯電させる帯電装置2、感光体ドラム1表面の潜像を可視化させるための現像装置5、および、転写後に転写されずに感光体ドラム1上に残ったトナー6をクリーニングするクリーニング装置17が一体化して、画像形成装置本体に脱着可能に装着されている。
【0070】
尚、本実施例のプロセスカートリッジCには、第2実施例の第2の攪拌手段11が備えられている。
【0071】
プロセスカートリッジにおいては、メンテナンスフリーになり使いやすくなった反面、現像装置5に充填されたトナー量のみで、途中のフレッシュトナーの補充填はない。よって、プロセスカートリッジ使用時において、トナー6の循環が悪いとトナー6が早く劣化し、現像容器5a内のトナー6が少ないと更に劣化が促進されていく。
【0072】
この劣化を抑制するには、プロセスカートリッジ使用初期からトナー6の循環をよくすることが重要である。
【0073】
本実施例の第2の攪拌手段11により、プロセスカートリッジの形態においてもトナー6の循環をスムーズにし、トナー6の劣化を抑制することができるため、高温高湿環境でトナー6の循環をスムーズにし、トナー6の劣化を抑制することができるため、高温高湿環境でトナー6が凝集してパッキングすることによる濃度薄や、プロセスカートリッジ使用後半でのトナー劣化による濃度薄などを防止することができ、安定した画像を提供することができる。
【0074】
本実施例と、従来例において、プロセスカートリッジ寿命までの濃度推移、一様性をそれぞれ図12と図13に示した。
【0075】
温度が32℃、湿度が83%の環境で、8ppmの画像形成装置を利用して1万枚までプリントテストを行なった。
【0076】
図12と図13に示すように、本実施例では寿命後半である6000枚辺りでも濃度は安定しており、従来例に比べて大きな効果が得られることを確認した。
【0077】
以上のように、本発明はプロセスカートリッジにおいても適用され、高画質を維持しながらも、トナー凝集による濃度薄や、トナー劣化による濃度薄を防止し、プロセスカートリッジ寿命まで安定した濃度を得ることができる。
【0078】
実施例4
つぎに、本発明による第4実施例について図14により説明する。本実施例は、第3実施例におけるプロセスカートリッジを装着した電子写真画像形成装置(複写機)に関するものである。
【0079】
本実施例にて、プロセスカートリッジCは、画像形成装置本体に対して装着手段30を介して装着自在とされる。
【0080】
また、プロセスカートリッジC内の感光体ドラム1が位置する下方の画像形成装置本体には、転写帯電手段35が配置される。更には、この転写帯電手段35に対し給紙側には給紙トレイ36、給紙ローラ37、レジストローラ38が配置され、一方、排紙側には紙ガイド39、定着手段20、排紙ローラ21、排紙トレイ22が配置される。
【0081】
更に、プロセスカートリッジの情報には、原稿照明用の照明ランプ23および照明ランプ23から原稿0に照射された光の反射画像光を感光体ドラム1に露光する短焦点光学素子アレイ24が配設される。また、画像形成装置本体の上部には、図示矢印A方向に移動可能な原稿台25が設けられ、原稿台25には原稿圧着板26が付設されている。
【0082】
上記構成にて、電子写真画像形成装置は、帯電手段2により一様帯電された感光体ドラム1上に、照明ランプ23から原稿0に照射された光の反射画像光が短焦点光学素子アレイ24を介して照射されると、感光体ドラム1には原稿情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置5は、前述のごとく、現像剤(トナー)を担持し搬送する現像ローラ8を備えている。感光体ドラム1上の潜像は、この現像ローラ8からトナーが供給されることにより、可視画像、すなわちトナー像とされる。
【0083】
一方、転写紙のような記録媒体Pが、搬送手段を構成する、給紙トレイ36、給紙ローラ37を介してレジストローラ38に送られ、このレジストローラ38によってタイミングを合わされて感光体ドラム1と転写帯電手段35との間に搬送される。そして、転写帯電手段35の作用により、この転写紙P上に感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
【0084】
転写されたトナー像を担持する転写紙Pは、定着手段20に送られてそのトナー像が定着された後、排紙ローラ21により排紙トレイ22上に積載される。
【0085】
また、転写の終了した感光体ドラム1は、ぞの残留トナーが例えば弾性クリーニングブレードな17により除去され、つぎの画像形成工程に供される。
【0086】
上記のごとき電子写真画像形成装置においても、上述の攪拌手段を適用することにより、上記と同様な効果を得ることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の攪拌手段によれば、現像容器に対して回転可能な支持軸と、支持軸が回転する際に現像容器の内面を摺擦する湾曲自在なシート部材と、シート部材を取り付けられているL字形状の金属板であって、そのL字形状の角部の内側を支持軸に接触させた状態で支持軸に取り付けられた金属板と、を有することにより、攪拌手段の組立性を向上させることができる。また、本発明の攪拌手段によれば、小さなスペースにおいても十分な攪拌力が得られ、現像容器に収容されたトナーをできるだけ無駄無く利用できる。
【0088】
また、本発明の現像装置およびプロセスカートリッジによれば、上記撹拌手段を備えていることにより、攪拌手段の組立性を向上させることができる。また、本発明の現像装置およびプロセスカートリッジによれば、トナーの劣化を防止できるとともに、高温高湿環境においても、飛び散りが少なく、高精細な画質が得られ、また、画像領域内で均一な濃度が得られ、更に寿命まで安定した濃度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の現像装置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例における第2の攪拌手段を示す斜視図である。
【図3】従来の攪拌手段(a)と第1実施例の第2の攪拌手段(b)を示す断面図である。
【図4】第2の攪拌手段の駆動系との連結部を示す斜視図である。
【図5】従来の棒状の攪拌手段を示す斜視図である。
【図6】攪拌手段がない場合と、棒状の攪拌手段の場合と、本発明の攪拌手段の場合とにおける反射濃度(9点平均反射濃度)と、印字枚数との関係を示すグラフである。
【図7】攪拌手段がない場合と、棒状の攪拌手段の場合と、本発明の攪拌手段の場合とにおける反射濃度(一様性)と、印字枚数との関係を示すグラフである。
【図8】第2実施例の攪拌手段を示す斜視図である。
【図9】第2実施例の駆動系との連結部を示す斜視図である。
【図10】図9における連結部を示す側面図である。
【図11】第3実施例におけるプロセスカートリッジを示す構成図である。
【図12】従来例と第3実施例のプロセスカートリッジにおける反射濃度と印字枚数との関係(濃度推移)を示すグラフである。
【図13】従来例と第3実施例のプロセスカートリッジにおける反射濃度と印字枚数との関係(一様性)を示すグラフである。
【図14】第4実施例の電子写真画像形成装置を示す全体構成図である。
【図15】従来の現像装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体、電子写真感光体)
2 帯電手段
5 現像装置
5a 現像容器
8 現像ローラ(現像剤担持体)
9 現像ブレード(現像剤規制部材)
10 第1の攪拌手段
11 第2の攪拌手段
12 L字型金属板
13 金属棒(支持棒)
14 シート(フィルム)
17 クリーニングブレード(クリーニング手段)
C プロセスカートリッジ

Claims (9)

  1. 現像容器の内部に収納された現像剤を攪拌するための攪拌手段において、
    前記現像容器に対して回転可能な支持軸と、
    前記支持軸が回転する際に前記現像容器の内面を摺擦する湾曲自在なシート部材と、
    前記シート部材を取り付けられているL字形状の金属板であって、そのL字形状の角部の内側を前記支持軸に接触させた状態で前記支持軸に取り付けられた金属板と、
    を有することを特徴とする攪拌手段。
  2. 前記支持軸は凹形状の金属棒であることを特徴とする請求項1に記載の攪拌手段。
  3. 前記金属板は前記支持軸に溶着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の攪拌手段。
  4. 電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置において、
    現像剤を用いて前記静電潜像を現像する現像ローラと、
    前記現像剤を収納する現像容器と、
    前記現像容器の内部に設けられ、前記現像剤を攪拌する攪拌手段であって、前記現像容器に対して回転可能な支持軸と、前記支持軸が回転する際に前記現像容器の内面を摺擦する湾曲自在なシート部材と、前記シート部材を取り付けられているL字形状の金属板であって、そのL字形状の角部の内側を前記支持軸に接触させた状態で前記支持軸に取り付けられた金属板と、
    を有する攪拌手段と、
    を有することを特徴とする現像装置。
  5. 前記支持軸は前記現像装置の現像幅内において凹形状とした金属棒であることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  6. 更に、前記現像装置は、前記攪拌手段を回転させるための駆動力を前記攪拌手段に伝える駆動伝達部を有し、前記支持軸の折り曲げられた折曲部の一部が前記駆動力伝達部に設けられた差込部に支持されており、前記駆動力伝達部が回転することにより前記差込部から前記折曲部に前記駆動力が伝達されて前記支持軸が回転することを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 前記金属板は前記支持軸に溶着されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 更に、前記現像装置は、前記現像ローラに付着した現像剤の量を規制する現像剤量規制部材を有し、
    前記現像ローラ上において、前記現像剤規制部材により規制された現像剤の塗布量が1.5mg/cm 2 以下であり、前記現像容器の内部に収納された現像剤を攪拌するための他の攪拌手段が設けられており、前記現像装置を電子写真画像形成装置の装置本体に装着した状態で、前記現像ローラに遠い側に配置された前記他の攪拌手段の攪拌軌跡と、近い側に配置された前記攪拌手段の攪拌軌跡とが垂直方向において重なっていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 請求項4乃至8のいずれかに記載の現像装置と、前記電子写真感光体、前記電子写真感光体を帯電するための帯電手段、および前記電子写真感光体の周面をクリーニングするためのクリーニング手段のうち少なくともひとつを一体化して、電子写真画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
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