JP3761274B2 - 印刷装置 - Google Patents
印刷装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3761274B2 JP3761274B2 JP01617897A JP1617897A JP3761274B2 JP 3761274 B2 JP3761274 B2 JP 3761274B2 JP 01617897 A JP01617897 A JP 01617897A JP 1617897 A JP1617897 A JP 1617897A JP 3761274 B2 JP3761274 B2 JP 3761274B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- master
- plate cylinder
- plate
- clamper
- cut
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転自在な版胴に巻き付けた製版済みのマスタに位置を合わせて印刷用紙を給紙し、この印刷用紙をマスタを介して版胴に押し付け、マスタに供給されたインキを印刷用紙に転写する方式の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の印刷装置においては、ロール状に巻回されたマスタに製版部のサーマルヘッドによりデータを穿孔状態で形成して版胴に向けて送り出し、製版済みのマスタの先端が版胴の外周に設けたクランパに達したときにクランパを閉じ、版胴を回転させて所望の長さにカットされた製版済みのマスタを版胴の外周に巻き付けている。
【0003】
この場合、マスタの先端が揃っていないと版胴上のクランパにより偏った状態で保持されるので、特開平6−32041号公報に記載されているように、製版前にマスタの先端を揃えるためにマスタ先端カット処理が行われている。このマスタ先端カット処理は、例えば、製版部に新しいマスタをセットしたとき、或いはジャム処理のためにマスタをセットし直したとき等に、ロール状に巻回されたマスタを所定長さ分引き出して版胴に巻き付け、この版胴から伸びるマスタをカッタによりカットすることにより、次に版胴に巻き付けるマスタの先端を揃える処理である。
【0004】
また、特開平6−227110号公報に記載されているように、フィルム単体で形成されたマスタを原紙受け部材により案内して版胴に導く場合に、吸送風装置からの風によりマスタを原紙受け部材から浮かせることによりジャムの発生を防止し、マスタの先端が版胴のクランパにより保持されたときに、吸送風装置の動作を吸い込み側に切り替えてマスタを原紙受け部材に吸引することにより、マスタに張力を与えた状態でそのマスタを版胴に巻き付けることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ロール状に巻回されたマスタを引き出してサーマルヘッドとプラテンローラとの間にセットするときに、マスタを真っ直ぐに引き出してセットできるとは限らない。引き出したマスタが曲がってセットされた場合にはスキューが発生する。このスキューの度合いが小さい場合にはマスタは自らの腰の強さにより徐々に進行方向を修正するが、スキューの度合いが大きい場合には進路修正が不十分のまま進行し、プラテンローラとサーマルヘッドとの間、或いはその下流側に配置された対の搬送ローラにより曲がった部分が押し潰されて皺が発生してしまう。
【0006】
本発明は、上述のような点に鑑みなされたもので、マスタの進路を真っ直ぐに自動修正してスキューの発生を防止し得る印刷装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、マスタが版胴に向けて一定距離搬送される期間にプラテンローラに対してサーマルヘッドを複数回相対的に接離させる接離駆動手段と、前記プラテンローラ上のマスタを前記サーマルヘッドが圧接しているときに限り前記プラテンローラを回転させるマスタ搬送駆動手段とを具備する。従って、マスタはサーマルヘッドとプラテンローラとに挾持されプラテンローラの回転により搬送されるが、プラテンローラに対してサーマルヘッドが相対的に離反する度に挾持状態から解放され、この解放の瞬間に自らの腰の強さにより進路を修正するが、挾持状態からの解放が複数回小刻みに行われるため、マスタは一定距離搬送される過程で少しずつ確実に進路を修正する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、前記排版部により前記版胴上の使用済みのマスタが剥離された後に、マスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して前記版胴を回転させ、このときに前記版胴上に巻き付けられた前記マスタをカッタにより前記版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットした状態で、次の製版命令のために待機するようにした。従って、使用済みのマスタを排版部により版胴から剥離して除去するが、その直後にマスタをカットしたカットマスタを版胴の開口部に巻き付けた状態で次の製版命令のために待機させることが可能となる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、次の製版命令が出力されたときに、その製版動作を実行する前に、排版部により版胴上の使用済みのマスタの剥離を開始するとともに、これと並行してマスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して前記版胴を回転させ、このときに前記版胴上に巻き付けられた前記マスタをカッタにより前記版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットするようにした。従って、マスタの版胴方向への搬送を並行して行わせることにより、動作時間を短縮することができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、前記排版部による前記版胴上の使用済みのマスタの剥離動作前のタイミングでマスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して所望の長さのカットマスタにカットし、前記版胴を回転させることにより前記カットマスタを使用済みのマスタの上に重ねて巻き付けるようにした。従って、マスタの先端をカットして揃えるというマスタ先端カット処理を行った場合には、そのときに生じたカットマスタを使用済みのマスタに重ねた状態で版胴に巻き付けておくことが可能となる。これにより、次の製版に際し、版胴上の使用済みのマスタとカットマスタとは排版部により一度に剥離されて除去される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第一の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。1はロール状に巻回された未製版のマスタである。このマスタ1は、厚さが1〜2μm程度の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質の支持体を貼り合わせたもので、支持体としては、和紙繊維、合成繊維、和紙と合成繊維とを混抄したものが用いられている。以下、説明の都合上、製版前にマスタ1の先端を揃えるために所望の長さにカットした状態のものをカットマスタ1a、マスタ1にデータを穿孔状態で形成したものを製版済みのマスタ1b、印刷のために使い終えた状態のものを使用済みのマスタ1cと区別して呼称することにする。
【0012】
回転自在の版胴2の周囲には、マスタ1を加熱穿孔して製版して版胴2へ給版する製版部3と、給紙部(図示せず)から給紙された印刷用紙を版胴2に巻き付けた製版済みのマスタ1bの進行にタイミングを合わせて搬送する一対のレジストローラ4と、このレジストローラ4から給紙された印刷用紙を製版済みのマスタ1bを介して版胴2に押し付けるプレスローラ5と、印刷済みの印刷用紙を版胴2から剥離する剥離爪6と、この剥離爪6により剥離された印刷用紙を格納する排紙部(図示せず)と、版胴2上の使用済みのマスタ1cを版胴2から剥離して除去する排版部7とが配置されている。
【0013】
前記製版部3は、マスタ1の搬送路8に沿って、回転駆動されるプラテンローラ9、サーマルヘッド10、一対の搬送ローラ11,12、マスタ1を切断するカッタ13、マスタ1を下から支えるガイド板14等を順次配置することにより形成されている。マスタ1を支持する供給軸15、プラテンローラ9、搬送ローラ11,12等は、印刷装置の本体ケースの側板(図示せず)に回転自在に支持されて共通の搬送モータ(図示しないがステッピングモータ)に連結されている。この場合、マスタ1に張力を付与するように、搬送ローラ11,12の周速度はプラテンローラ9の周速度よりやや速い速度で回転するように構成されている。
【0014】
さらに、マスタ1が前記版胴2に向けて一定距離搬送される期間に前記プラテンローラ9に対して前記サーマルヘッド10を複数回接離させる接離駆動手段16と、プラテンローラ9上のマスタ1をサーマルヘッド10が圧接しているときに限りプラテンローラ9を回転させるマスタ搬送駆動手段(図示せず)とが設けられている。
【0015】
接離駆動手段16は、サーマルヘッド10を支持して支点軸17を中心に回転するヘッドアーム18と、このヘッドアーム18をプラテンローラ9の方向に付勢する付勢スプリング(図示せず)と、この付勢スプリングの付勢力に抗してヘッドアーム18をプラテンローラ9とは反対方向に押圧する偏心カム19と、この偏心カム19を駆動するカムモータ(図示せず)と、このカムモータの動作をマイクロコンピュータの制御により制御する制御回路(図示せず)とにより形成されている。具体的には、マスタ1が版胴2に向けて一定距離搬送される期間に偏心カム19を180°毎に間欠的に回転させることにより、プラテンローラ9に対してサーマルヘッド10が複数回接離するように構成されている。
【0016】
また、本実施の形態では、詳細は後述するが製版部3にマスタ1が存在しない場合には操作パネル(図示せず)にその旨の表示がなされ、この表示によりカムモータが偏心カム19を180°回転させてヘッドアーム18をプラテンローラ9から離反する方向に回動させ、オペレータが操作パネル上の初期セットスイッチ(図示せず)を操作したときに、カムモータが偏心カム19を180°回転させてヘッドアーム18を解放するように構成されている。
【0017】
マスタ搬送駆動手段は、例えば、サーマルヘッド10がプラテンローラ9に最接近した状態を検出するセンサ(図示せず)と、このセンサの検出信号により搬送モータを駆動してプラテンローラ9を回転させる制御回路(図示せず)とにより形成されている。
【0018】
前記版胴2には、非開口部2aと開口部2bとが形成されている。開口部2bには樹脂又は金属の網体により形成されたメッシュスクリーンが設けられている。この版胴2は、その両端部に固定されたフランジ(図示せず)が、印刷装置の側板に固定的に支持されたインキパイプ20に回転自在に支持され、時計方向に駆動される。また、版胴2の内部には、この版胴2の内周面に接触するインキローラ21とドクターローラ22とが僅かの隙間を開けて回転自在に設けられ、これらのインキローラ21とドクターローラ22との間の楔状の空間にインキパイプ20の下端に形成された供給穴23から滴下するインキを受けるインキ溜め24を形成されている。インキパイプ20には、版胴2の外部に設けられたインキパック(図示せず)からインキが供給される。また、版胴2の外周面には、非開口部2aの部分でカットマスタ1a或いは製版済みのマスタ1bの先端を挟持するステージ25及びクランパ26が取り付けられている。ステージ25は、磁性体により形成されて版胴2の軸心方向に沿う長さを有する。クランパ26は、ステージ25の長手方向に沿って配置されたクランパ軸27を支軸として回転自在に支持されている。このクランパ軸27は図示しない駆動部により回動方向に駆動される。
【0019】
前記プレスローラ5は、アーム軸28と一体に回転するローラ支持部材29の一端に回転自在に支持されている。本実施の形態において、ローラ支持部材29は、版胴2の回転運動に同期して駆動される加圧アーム(図示せず)と一体に回動するように構成されている。
【0020】
前記排版部7は、排版ボックス30と一対の排版ローラ31,32とを有する。これらの排版ローラ31,32は、排版指令信号により駆動される接離駆動部により駆動されて版胴2に接近するとともに、モータ(図示せず)により駆動されて回転する。一方の排版ローラ31の回転方向は反時計方向、他方の排版ローラ32の回転方向は時計方向に定められている。
【0021】
次に、動作について説明する。製版部3にマスタ1が存在しない場合には操作パネルにその旨の表示がなされる。この表示によりカムモータが偏心カム19を180°回転させてヘッドアーム18をプラテンローラ9から離反する方向に回動させる。これにより、サーマルヘッド10がプラテンローラ9から離反する状態に維持される(図1参照)。オペレータがロール状に巻回された新しいマスタ1を供給軸15に装着し、引き出したマスタ1の先端をプラテンローラ9とサーマルヘッド10との間に挿入し、操作パネル上の初期セットスイッチを操作すると、カムモータが偏心カム19を180°回転させてヘッドアーム18を解放する。これにより、ヘッドアーム18が付勢スプリングの付勢力により回動するためサーマルヘッド10がマスタ1をプラテンローラ9に圧接する。
【0022】
サーマルヘッド10がマスタ1をプラテンローラ9に圧接すると、その状態を検出したマスタ搬送駆動手段がマスタ1を版胴2に向けて一定距離だけ搬送する。この搬送はプラテンローラ9と搬送ローラ11,12の回転によるものである。この搬送過程では、偏心カム19が180°毎に間欠的に回転するため、サーマルヘッド10がプラテンローラ9に対して複数回接離する。プラテンローラ9と搬送ローラ11,12はサーマルヘッド10がマスタ1をプラテンローラ9に圧接しているときに限り回転する。
【0023】
このように、マスタ1はプラテンローラ9に対してサーマルヘッド10が離反する度に挾持状態から解放されるので、この解放の瞬間に自らの腰の強さにより進路を修正するが、挾持状態からの解放が複数回小刻みに行われるため、マスタ1は一定距離搬送される過程で少しずつ確実に進路を修正する。さらに、プラテンローラ9はサーマルヘッド10がマスタ1をプラテンローラ9に圧接したときに限り回転するため、マスタ1はその幅方向の全域がプラテンローラ9とサーマルヘッド10とにより均一に挾持された状態で搬送される。すなわち、プラテンローラ9とサーマルヘッド10とが離れているときには、マスタ1は片側しかプラテンローラ9に接触しない状態があるが、この状態ではプラテンローラ9が回転しないので、搬送時にマスタ1がスキューすることがない。マスタ1が一定距離搬送されると、マスタ1の搬送経路中に配設されたマスタ搬送センサ(図示せず)の検出信号によりプラテンローラ9と搬送ローラ11,12とが停止する。
【0024】
この状態で、製版命令信号の有無が確認され、製版命令信号が無い場合には待機信号がRAM等のメモリに記憶されるが、製版命令信号が出力されると、その信号をトリガとして図3に示すようにクランパ26が排版部7の下側の定位置に達するまで版胴2が回転して停止し、クランパ26が開放される。このクランパ26の開放動作とともに排版部7の排版ローラ31,32が版胴2上の使用済みのマスタ1cに接触し、続いて回転するため、前回使用した使用済みのマスタ1cが排版ローラ31,32により挾持されて版胴2から剥離され、排版ボックス30に破棄される。
【0025】
この排版動作が終了すると、版胴2は図2に示すようにクランパ26が略真上に位置するまで回転して停止し、クランパ26が開放状態に維持され、マスタ先端カット処理のために待機する。すなわち、マスタ1がプラテンローラ9と搬送ローラ11,12とにより版胴2に向けてさらに搬送され、この版胴2を回転させるステッピングモータ(図示せず)の駆動ステップ数によりマスタ1の先端がクランパ26に届いたと判断されると、クランパ26が閉じられ、マスタ1の先端がクランパ26とステージ25との間で挾持され、続いてカッタ13が駆動されるため、マスタ1は所望の長さのカットマスタ1aとしてカットされる。続いて、図3に示すように、クランパ26が排版部7の下側となる定位置まで版胴2が回転して停止すると、クランパ26が開放され、排版ローラ31,32が版胴2上のカットマスタ1aに接触して回転し、版胴2はさらに時計方向に回転する。これにより、版胴2上のカットマスタ1aが版胴2から剥離され排版ボックス30に破棄される。
【0026】
この後、版胴2は図2に示すようにクランパ26が略真上に位置するまで回転して停止し、クランパ26は開放状態に維持されて給版のために待機し、マスタ1の製版が行われる。すなわち、図示しないが、原稿が原稿分離搬送装置により原稿読取部に送出され、原稿画像が読み取られる。その画像信号はCCD等により電気信号に変換され、さらにA/D変換器によりデジタル信号に変換され、製版制御部により制御されてサーマルヘッド10に出力されるとともに、プラテンローラ9と搬送ローラ11,12との回転動作が制御される。これにより、マスタ1にデータが穿孔状態で形成される。
【0027】
このようにして製版がなされるが、製版された製版済みのマスタ1bが版胴2に向けて搬送される過程では、前述したように、サーマルヘッド10がプラテンローラ9に対して複数回接離し、プラテンローラ9と搬送ローラ11,12とはサーマルヘッド10が製版済みのマスタ1bをプラテンローラ9に圧接しているときに限り回転するので、製版済みのマスタ1bはプラテンローラ9からサーマルヘッド10が離れる度に自らの腰の強さにより進路を真っ直ぐに修正する。
【0028】
そして、プラテンローラ9及び搬送ローラ11,12を駆動する搬送モータの駆動ステップ数により、製版済みのマスタ1bの先端がクランパ26に届いたものと判断されると、クランパ26は閉じ動作により製版済みのマスタ1bの先端を保持すると同時に、版胴2がプラテンローラ9の周速度と略同じ周速度で回転するため、製版済みのマスタ1bが版胴2の外周に巻き付けられる。このときの版胴2を駆動するステッピングモータの駆動ステップ数が所定値に達すると、カッタ13が駆動され製版済みのマスタ1bは版胴2の開口部2bを覆う所望の長さにカットされ、なおも版胴2が回転することでカットされた製版済みのマスタ1bの後端が引き出されて版胴2への巻き付けが完了する。
【0029】
版胴2への製版済みのマスタ1bの巻き付けが完了すると、図示しない給紙トレイに積載されている印刷用紙が分離給紙装置により給紙され、その印刷用紙が版胴2の回転運動に同期して回転するレジストローラ4により版胴2とプレスローラ5との間に搬送されると、ローラ支持部材29が加圧アームと一体に回動してプレスローラ5を版胴2上の印刷用紙に押しつける。これにより印刷がなされる。
【0030】
以上のように、製版前にマスタ1の先端を揃えるマスタ先端カット処理を行う場合には、その処理により形成されたカットマスタ1aは版胴2に巻き付けられた後に排版部7により剥離されて除去されるため、屑として扱われるカットマスタ1aの除去が容易となり、また、印刷装置の内部に落下してしまうトラブルを回避することができる。
【0031】
さらに、本実施の形態では、版胴2に巻き付けられた使用済みのマスタ1cを剥離して除去する排版部7を具備するので、排版部7により版胴2上の使用済みのマスタ1cが剥離された後に、マスタ先端カット処理のためにマスタ搬送駆動手段によりマスタ1を版胴2のクランパ26に向けて搬送し、その搬送されたマスタ1をクランパ26で保持して版胴2を回転させ、このときに版胴2上に巻き付けられたマスタ1をカッタ13により版胴2の開口部2bを覆うに足りる長さにカットした状態で、次の製版命令のために待機することにより、使用済みのマスタ1cを排版部7により版胴2から剥離して除去するが、その直後にマスタ先端カット処理のためにカットしたカットマスタ1aを利用して版胴2の開口部2bを覆う状態で次の製版命令のために待機させることが可能となる。これにより、版胴2の開口部2bに付着するインキの乾燥、版胴2のインキ付着面に対する塵埃等の異物の付着を防止することができる。
【0032】
また、次の製版命令が出力されたときに、その製版動作を実行する前に、排版部7により版胴2上の使用済みのマスタ1cを剥離し、マスタ先端カット処理のためにマスタ搬送駆動手段によりマスタ1を版胴2のクランパ26に向けて搬送し、その搬送されたマスタ1をクランパ26で保持して版胴2を回転させ、このときに版胴2上に巻き付けられたマスタ1をカッタ13により版胴2の開口部2bを覆うに足りる長さにカットすることにより、次の製版命令が出力されるまでは、マスタ先端カット処理のためにカットしたマスタ1aを版胴2の開口部2bに巻き付けた状態で待機させることが可能となる。
【0033】
これにより、版胴2の開口部2bに付着するインキの乾燥、版胴2のインキ付着面に対する塵埃等の異物の付着を防止することができる。
【0034】
なお、マスタ先端カット処理をする場合に、使用済みのマスタ1cを版胴2から剥離するときに、マスタ1の版胴2方向への搬送を並行して行わせることにより、動作時間を短縮することができる。
【0035】
さらに、排版部7による版胴2上の使用済みのマスタ1cの剥離動作前のタイミングでマスタ搬送駆動手段によりマスタ1を版胴2のクランパ26に向けて搬送し、その搬送されたマスタ1をクランパ26で保持して所望の長さのカットマスタ1aにカットし、版胴2を回転させることによりカットマスタ1aを使用済みのマスタ1cの上に重ねて巻き付けるようにすることにより、マスタ1の先端をカットして揃えるというマスタ先端カット処理を行った場合には、そのときに生じたカットマスタ1aを使用済みのマスタ1cに重ねた状態で版胴2に巻き付けておくことが可能となる。これにより、次の製版に際し、版胴2上の使用済みのマスタ1cとカットマスタ1aとを排版部7により一度に剥離して除去することができる。
【0036】
さらに、印刷装置においては、動作中にストップキー等の操作により一次停止信号が入力されることがあるが、マスタ先端カット処理に際し、カットマスタ1aの版胴2への巻き付けが完了していないとき、或いは、版胴2からカットマスタ1aが剥離された後の版胴2への製版済みのマスタ1bの巻き付けが完了していないときに一次停止信号が入力された場合には、一次停止信号の割り込みをキャンセルする制御を行うようにすることにより、版胴2の開口部2bが外気に曝される状態を回避することができる。この場合にも版胴2の開口部2bに付着するインキの乾燥、版胴2のインキ付着面に対する塵埃等の異物の付着を防止することができる。
【0037】
次に、本発明の実施の第二の形態を図4及び図5を参照して説明する。前実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。本実施の形態では、マスタ先端カット処理に際し、カットマスタ1aを先端が版胴2のクランパ26の位置を越えるまで搬送した後にクランパ26を閉じるようにした。
【0038】
これにより、ジャム処理等により、図5に示すようにマスタ1の先端が斜めに破けた場合でも、マスタ1の先端をクランパ26により全幅に渡って確実に保持することができる。
【0039】
前実施の形態において、プラテンローラ9に対してサーマルヘッド10を接離させる構造で説明したが、サーマルヘッド10に対してプラテンローラ9を接離させるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、マスタが版胴に向けて一定距離搬送される期間にプラテンローラに対してサーマルヘッドを複数回相対的に接離させるようにし、プラテンローラ上のマスタをサーマルヘッドが圧接しているときに限りプラテンローラを回転させるようにしたので、マスタをサーマルヘッドとプラテンローラとにより挾持してプラテンローラの回転により搬送するが、プラテンローラに対してサーマルヘッドを相対的に離反させる度にマスタを挾持状態から解放し、この解放の瞬間にマスタの腰の強さにより進路を修正することができる。この場合、挾持状態からの解放が複数回小刻みに行われるため、マスタを一定距離搬送する過程で少しずつ確実に進路を修正することができる。さらに、マスタをその幅方向の全域をプラテンローラとサーマルヘッドとにより均一に挾持したときにのみ搬送することができるため、搬送時にマスタにかかるフリクション圧を均一にし、マスタを真っ直ぐに搬送することができる。これにより、マスタのスキューを効果的に防止することができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、排版部により版胴上の使用済みのマスタが剥離された後に、マスタを版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送されたマスタをクランパで保持して版胴を回転させ、このときに版胴上に巻き付けられたマスタをカッタにより版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットした状態で、次の製版命令のために待機するようにしたので、使用済みのマスタを排版部により版胴から剥離して除去するが、その直後にカットしたマスタにより版胴の開口部を覆う状態で次の製版命令のために待機させることができる。これにより、マスタ先端カット処理のためにカットしたカットマスタを利用して版胴の開口部に付着するインキの乾燥、版胴のインキ付着面に対する塵埃等の異物の付着を防止することができる。
【0042】
請求項3の発明によれば、版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、次の製版命令が出力されたときに、その製版動作を実行する前に、排版部により版胴上の使用済みのマスタの剥離を開始するとともに、これと並行してマスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して前記版胴を回転させ、このときに前記版胴上に巻き付けられた前記マスタをカッタにより前記版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットするようにしたので、マスタの版胴方向への搬送を並行して行わせることにより、動作時間を短縮することができる。
【0043】
請求項4の発明によれば、排版部による版胴上の使用済みのマスタの剥離動作前のタイミングでマスタを版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送されたマスタをクランパで保持して所望の長さのカットマスタにカットし、版胴を回転させることによりカットマスタを使用済みのマスタの上に重ねて巻き付けるようにしたので、マスタの先端をカットして揃えるというマスタ先端カット処理を行った場合には、そのときに生じたカットマスタを使用済みのマスタに重ねた状態で版胴に巻き付けておくことが可能となる。これにより、次の製版に際し、版胴上の使用済みのマスタとカットマスタとを排版部により一度に剥離して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態において、製版部へのマスタのセット状態及び版胴上の使用済みのマスタを剥離する様子を示す縦断正面図である。
【図2】版胴上のクランパによりカットマスタ又は製版マスタを保持する様子を示す縦断正面図である。
【図3】版胴上のカットマスト又は使用済みのマスタを剥離する様子を示す縦断正面図である。
【図4】本発明の実施の第二の形態において、版胴上のクランパによりマスタを保持する様子を示す縦断正面図である。
【図5】クランパとマスタの先端との関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 マスタ
1a カットマスタ
1b 製版済みのマスタ
1c 使用済みのマスタ
2 版胴
2b 開口部
7 排版部
9 プラテンローラ
10 サーマルヘッド
13 カッタ
16 接離駆動手段
26 クランパ
Claims (4)
- ロール状に巻回されたマスタに製版部のサーマルヘッドによりデータを穿孔状態で形成するとともにカッタによりカットした製版済みのマスタを版胴の外周に巻き付け、前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給し、回転する版胴の外周に印刷用紙を圧接して印刷する印刷装置において、
マスタが前記版胴に向けて一定距離搬送される期間にプラテンローラに対して前記サーマルヘッドを複数回相対的に接離させる接離駆動手段と、前記プラテンローラ上のマスタを前記サーマルヘッドが圧接しているときに限り前記プラテンローラを回転させるマスタ搬送駆動手段とを具備することを特徴とする印刷装置。 - 版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、前記排版部により前記版胴上の使用済みのマスタが剥離された後に、マスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して前記版胴を回転させ、このときに前記版胴上に巻き付けられた前記マスタをカッタにより前記版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットした状態で、次の製版命令のために待機するようにしたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、次の製版命令が出力されたときに、その製版動作を実行する前に、排版部により版胴上の使用済みのマスタの剥離を開始するとともに、これと並行してマスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して前記版胴を回転させ、このときに前記版胴上に巻き付けられた前記マスタをカッタにより前記版胴の開口部を覆うに足りる長さにカットするようにしたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 版胴に巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して除去する排版部をさらに具備し、前記排版部による前記版胴上の使用済みのマスタの剥離動作前のタイミングでマスタ搬送駆動手段によりマスタを前記版胴のクランパに向けて搬送し、その搬送された前記マスタを前記クランパで保持して所望の長さのカットマスタにカットし、前記版胴を回転させることにより前記カットマスタを使用済みのマスタの上に重ねて巻き付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01617897A JP3761274B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01617897A JP3761274B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 印刷装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10211762A JPH10211762A (ja) | 1998-08-11 |
JP3761274B2 true JP3761274B2 (ja) | 2006-03-29 |
Family
ID=11909266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01617897A Expired - Fee Related JP3761274B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3761274B2 (ja) |
-
1997
- 1997-01-30 JP JP01617897A patent/JP3761274B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10211762A (ja) | 1998-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3417591B2 (ja) | 孔版印刷機及びその製版装置 | |
JP2803950B2 (ja) | 原紙供給装置 | |
JP3761274B2 (ja) | 印刷装置 | |
JP3574382B2 (ja) | 印刷装置 | |
JPH08230302A (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP2820883B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP3260961B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP3545822B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP4462707B2 (ja) | 製版装置および孔版印刷装置 | |
JP3792452B2 (ja) | 印刷装置 | |
JPS59104937A (ja) | 全自動形製版印刷機 | |
JP4488388B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP4398609B2 (ja) | マスタクランプ構造及び孔版印刷装置 | |
JP3761921B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP4425379B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP2804692B2 (ja) | 孔版印刷装置の給版装置 | |
JP3577144B2 (ja) | 孔版印刷装置の製版装置 | |
JP4503993B2 (ja) | 孔版印刷装置 | |
JPH09193527A (ja) | 印刷装置 | |
JP3792818B2 (ja) | 孔版印刷装置及びそのインキ乾燥防止方法 | |
JP2000127595A (ja) | 孔版印刷機の給版装置 | |
JP2002086878A (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP2004148586A (ja) | 孔版印刷装置 | |
JP2008142928A (ja) | 孔版印刷装置 | |
JPH08324090A (ja) | 印刷装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050929 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060110 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |