JP3758305B2 - 照明用点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電管の点灯回路における駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、放電管(例えば、蛍光灯)では、インバータを用いた点灯回路により直流電圧を高周波交流電圧に変換して、この高周波交流電圧を放電管を含む共振負荷回路に印加する方式が増えている。共振負荷回路には共振周波数を設定する共振インダクタ及び共振コンデンサが含まれている。こうした点灯回路は、直流電源の正負極間にハーフブリッジ構造に接続された2つのパワー半導体スイッチング素子からなるインバータ回路で、上記の高周波交流電圧を共振負荷回路の両端に印加する。共振手段を流れる電流はインバータの動作周波数を変えることによって制御する。ここで、2つのパワー半導体素子を交互にオン,オフさせるスイッチング周波数をf、上記共振インダクタとコンデンサで決まる共振周波数を foとすれば、foに対してfが一定でなければランプ電流が変化し、放電管の発光が不安定になる。スイッチング素子の駆動周波数を安定化させる第一の従来例として、特開平8−37092号に開示されるような駆動装置がある。この駆動装置は、1)所望する周波数の方形波を発生するタイマ回路、2)インバータの2つのパワー半導体スイッチング素子をタイマ回路からの駆動信号に応じて各々駆動するハイサイド,ローサイドの駆動回路、3)2つのパワー半導体スイッチング素子が同時導通を防止するハイサイドのデッドタイムディレイ回路、ローサイドのデッドタイムディレイ回路、及び4)ローサイドのコモン電位を基準とする信号をハイサイドのコモン電位を基準とする信号に変換しタイマ回路からの駆動信号をハイサイド側に伝達するためのレベルシフト回路を備えることが特徴であり、これらの回路を1つの集積回路に内蔵する。上記従来例では、スイッチング素子をタイマ回路の周波数に応じて駆動し、この周波数は基本的にランプの共振電流とは非同期である。また、ランプを流れる共振電流に同期したスイッチングを行う第二の従来例として、特開平8−9655 号に開示されるような制御回路がある。この制御回路は、パワー半導体スイッチング素子が具備する環流ダイオード (逆電流を阻止しない機能を果たす)の両端電圧を検知してパワー半導体スイッチング素子をオンさせ、パワー半導体スイッチング素子の電流を積分器によって積分し、この値が基準値よりも高い場合に素子をオフさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記第一の従来例では、タイマ回路,レベルシフト回路,デッドタイムディレイ回路はそれぞれ、素子特性のばらつき或いは温度上昇により発振周波数のずれや動作遅延が予想される。特に、近年報告された無電極ランプでは、周波数を数MHzまで高くして高周波交流電流により高周波磁界を発生させ、この磁界でランプ管内のプラズマを維持させる方法で放電管の発光を制御しており、こうした数MHzの共振型インバータになると発振周波数のずれや動作遅延が無視できない。すなわち0.1μs の遅延時間がある場合を仮定すると、この動作遅延は通常の50kHzの駆動周波数を用いる安定器に対しては1波長の0.5% にすぎないが、2MHzの無電極ランプに対しては1波長の20%にも達する。このように、数MHzの高周波共振型インバータを従来の方法で制御すると、動作遅延による駆動周波数のばらつきが相当大きくなるという問題がある。
【0004】
点灯装置の場合、インバータのスイッチング周波数fと共振インダクタと共振コンデンサで決まる共振周波数foの間には図2に示すような関係があり、共振点での動作(f=fo)を境にしてf>foを遅れ位相、f<foを進み位相と呼ぶ。遅れ位相であっても、進み位相であっても共振回路の電流ILは共振点での値に比べて減少する。そこで、インバータは共振点付近で動作させたいが、進み位相になるとインバータを貫通する電流が流れる問題が起きる。
【0005】
インバータのパワー半導体スイッチング素子をQ1,Q2、それぞれが内蔵する環流ダイオードをQD1,QD2とし、Q1とQ2の接続位置から取り出す出力電圧をVoとすれば、進み位相とはVoの波形に対して共振電流ILの波形が位相ψだけ進んでいる状態である。進み位相の場合、1サイクルの動作として Q1のオン期間に共振電流ILが正から負に切り替わり、電流はQD1を流れる。次に制御回路がQ1をオフさせ逆にQ2をオンさせると、その以前に順方向電流を流していたQD1には急に逆電圧が印加される。この結果、QD1内部に蓄積された電子と正孔(以後、残留キャリアと呼ぶ)が排出され、QD1にはカソードからアノードの向きに逆電流(以後、逆回復電流と呼ぶ)が流れる。この電流はQ2を通って流れ、インバータにとっては貫通電流となる。残留キャリアが排出される時間はダイオードの逆回復時間として素子の仕様に記載されており、高速ダイオードと呼ばれる逆回復時間の短い素子でも0.05〜0.1μsである。数MHzの共振型インバータを共振点付近で動作させる場合、スイッチング周波数のばらつきによって進み位相が生じる可能性が高く、周波数も高いため貫通電流による損失は点灯装置の熱的な動作限界を決める要因となる。
【0006】
上記第二の従来例では、パワースイッチング素子に並列に設けられたダイオードの電圧を検知してスイッチング素子を駆動することから、遅れ位相での動作が保証される。後述するように、放電管の起動時には点灯時に比べて大きな電流を必要とするが、放電管を流れる共振電流が増えると、前述の積分値が基準値に達するまでの時間が早くなり、この結果としてスイッチング素子の駆動周波数が高くなる。一方、図2に示すように遅れ位相ではスイッチング素子の駆動周波数を高くするほど、共振電流は減少する特性を持つ。このため、起動時の大きな電流が得られないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、数MHzの動作周波数も考慮した放電管の点灯変換装置において、共振電流に同期した安定でかつ進み位相を防止した動作を保証し、更に放電管を起動から点灯まで制御可能な点灯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決は、逆電流を阻止しない機能を有するパワー半導体素子のスイッチングに応じて、放電管と誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に交流電圧を供給する照明用点灯装置において、前記パワー半導体素子に流れる正逆電流を積分する積分手段と、前記パワースイッチング素子のオフ期間に応じて前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分値に応じて前記パワー半導体素子をオン,オフさせる駆動手段を備えることで達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す回路図である。図1においてハーフブリッジ構成に接続されたQ1,Q2はパワ−MOSFETであり、電流を入力するドレイン端子、電流を出力するソース端子、及び制御電圧を印加或いは除去されるゲート端子を備え、ゲ−ト端子に制御電圧を印加或いは除去されることによりドレイン,ソース間に流れる電流を通流、或いは遮断する。MOSFETはソース端子からドレイン端子に向かう方向にダイオードを内蔵しており、以後Q1が内蔵するダイオードをQD1,Q2が内蔵するダイオードをQD2とする。
【0010】
Q1のドレイン端子は主電源17の正極と接続し、Q1のソース端子とQ2のドレイン端子間にはコンデンサC1を接続し、C1とQ2の接続箇所をインバータの出力端子Oとする。コンデンサC1には並列に放電手段13を接続する。放電手段の具体的な構成は後述するように抵抗、或いは制御信号に応じて内部抵抗が変化するMOSFETなどがあげられる。また、Q2のソース端子と電源17の負極の間にはコンデンサC2を接続し、C2と電源17の負極の接続箇所をNと呼ぶ。C1と同様にコンデンサC2にも並列に、放電手段14を接続する。出力OとNの間には共振用インダクタLr,共振用コンデンサCrを直列に接続し、Crには並列に負荷として放電管(或いは蛍光ランプ)18を備える。Lr,Cr及び放電管21を備えた共振回路は図1に図示した構成に限定するものではなく、例えば放電管18がLrに並列な構成でも良い。コンデンサC1及びC2の容量は、共振用コンデンサCrに比べて数十倍以上に大きければ、C1,C2をCrに合成した値は、ほぼCrに等しくなるため、共振電流に与える影響はほとんどない。
【0011】
次に、ハイサイド側の駆動回路11を説明する。11の電源は出力端子Oを基準とする電源15であり、電源15の正電極と負電極の間には素子1と2からなるCMOSインバータを供え、その出力をQ1のゲートに接続する。CMOSインバータは素子1がオンすると(この時2はオフ)Q1のゲート端子に電圧を印加させる電流を流し、素子2がオンすると(この時1はオフ)Q1のゲート端子に充電された電荷を放電させる電流を流す。1と2からなるCMOSインバータの制御端子にはNAND回路5から信号を与える。コンデンサC1の電圧は、比較器6によって出力端子Oを基準とする基準電圧Vref1と比較され、比較器6の出力をNAND回路5に入力する。比較器6には正の電源を15から供給する。また、電源15の両端子間には、抵抗R1とスイッチS1を直列接続した起動停止手段を備え、R1とS1の接続箇所からNAND回路5の入力に接続する。図1ではS1をオフにすれば起動であり、S1をオンにすれば停止にあたる。
【0012】
次にローサイド側の駆動回路12を説明する。駆動回路12は、ハイサイド側の駆動回路11と同様な構成であり、12の電源は端子Nを基準とする電源16であり、電源16の正電極と負電極の間には素子3と4からなるCMOSインバータを供え、その出力をQ2のゲートに接続する。3と4からなるCMOSインバータの制御端子にはNAND回路7から信号を与える。コンデンサC2の電圧は、比較器8によってN点を基準とする基準電圧Vref2比較され、比較器8の出力をNAND回路7に入力する。尚、ハイサイドの基準電圧Vref1ローサイドの基準電圧Vref2は、等しい電圧値が望ましい。電源16の両端子間には、抵抗 R2とスイッチS2を直列接続した起動停止手段を備え、R2とS2の接続箇所からNAND回路7の入力に接続する。S1と同様にS2をオフにすれば起動であり、S2をオンにすれば停止にあたる。
【0013】
次に、この照明用点灯装置の動作を図3と図4を用いて説明する。図3は図1の実施例における各部の波形を表す。放電管18は、MOSFETQ1,Q2とLr,Crを用いた電流共振回路によって高周波の電流が供給される。共振回路の電流ILを図1でO点から流れ出る方向を正として定義すると、電流ILの1周期の間にはQ1,Q2、及びQD1,QD2に関わる動作モードが4つあり、これらの期間を図3にt1からt4として示す。また、各動作モードにおける点灯装置の動作を図4に示す。以後、図3と図4を用いて各動作モードを説明する。
【0014】
モード1(t1期間)図4(a)でQ1がオンするとO−N間に主電源17の電圧が印加されQ1,C1,Lr,Crの経路で電流ILが流れる。電流ILはCrを充電すると共に、一部が放電管18に分流して流れる。また、ILによってコンデンサC1は充電されるが、以後、C1の電圧をVc1と表す。Vc1は比較器6によって基準電圧Vref1と比較される。Vc1がVref1に達すると、比較器6の出力はHighからLow に変化する。この出力をNAND回路5で受けて、CMOSインバータの素子2がオンしてQ1のゲート電圧を放電し、Q1はオフする。尚、図3でVc1がVref1に達した後、素子2によってQ1がオフするまでの遅延時間をtdoffとする。
【0015】
電流ILは図3に示すように、LrとCrによって正弦波状の波形になるが、Vc1の充電電圧を検知してQ1をオフする本方式では、Vc1が充電中、即ち電流ILの極性が正の期間中にQ1がオフすることが特徴である。
【0016】
ここまでの動作がモード1であり、コンデンサC2はモード1の期間中、放電手段14によって放電されている。C2の電圧を以後Vc2と表すと、Vc2は図2に示すようにモード1期間中に徐々に減少する。
【0017】
モード2(t2期間)Q1がオフした時点では電流ILは正の極性で値を有しており、この電流は図4(b)でLr,Cr,C2,QD2の経路で流れ続ける。尚、電流ILの一部は放電管18に分流して流れる。
【0018】
電流ILはC2を逆充電するように作用し、Vc2はモード1終了時刻より更に減少する。Vc2がVref2の値以下になると、比較器8の出力はLow からHighに変化し、この出力をNAND回路7で受けて、CMOSインバータの素子3がオンしてQ2のゲート電圧を充電する。但し、図3でVc2がVref2に達した後、素子3によってQ1がオンするまでの遅延時間をtdon とする。また、モード2期間中の電流極性はQ2にとって逆方向であり、図3に示すようにゲート電圧が充電されても電流の極性が変わらない限り、電流はQD2を流れ続ける。電流ILの極性が負に変化するまでの期間がモード2であり、この期間中、C2の逆充電は続きVc2は減少する。
【0019】
コンデンサC1はモード2の期間中、放電手段13によって放電されており、Vc1はモード2期間中に徐々に減少する。
【0020】
モード3(t3期間)電流ILの極性が正から負に変わると、モード2でゲート電圧が充電されたQ2にILが流れる。即ち、ILは図4(c)のように、 Crの放電電流としてQ2,C2,Cr,Lrの経路で流れ、C2はILによって充電される。Vc2は比較器8によってVref2と比較される。ILによってVc2が増加しVref2に達すると、比較器8の出力はHighからLow に変化し、この出力をNAND回路7で受けて、CMOSインバータの素子4がオンしてQ2のゲート電圧を放電し、tdoffの遅延時間の後、Q2はオフする。モード3においてもモード1と同様に、電流ILの極性が負の期間中にQ2がオフする。
【0021】
ここまでの動作がモード3であり、コンデンサC1はモード3の期間中、放電手段13によって放電されており、Vc1はモード3期間中に徐々に減少する。
【0022】
モード4(t4期間)Q2がオフした時点では電流ILは負の極性で値を有しており、Lrに蓄積された電磁エネルギーによって、電流ILは図4(d)のように、Lr,C1,QD1,主電源17,Cr,Lrの経路で流れ続ける。尚、電流ILの一部は放電管18に分流して流れる。
【0023】
電流ILはC1を逆充電するように作用し、Vc1はモード3終了時刻より更に減少する。Vc1がVref1の値以下になると、比較器6の出力はLow からHighに変化し、この出力をNAND回路5で受けて、CMOSインバータの素子1がオンしてtdon の遅延時間の後、Q1のゲート電圧を充電する。但し、モード4期間中の電流極性はQ1にとって逆方向であり、ゲート電圧が充電されても電流の極性が変わらない限り、電流はQD1を流れ続ける。電流ILの極性が正に変化するまでの期間がモード4であり、この期間中、C2の逆充電は続きVc1は減少する。また、コンデンサC2はモード4の期間中、放電手段14によって放電されており、Vc2はモード4期間中に徐々に減少する。
【0024】
電流ILの1周期の間にモード1からモード4の動作が行われ、以後、この動作を繰り返す。
【0025】
本実施例の動作によれば、
1)Q1,Q2のスイッチングは電流ILの極性が切り替わる以前に行われ、遅れ位相の動作が保証される。即ちQ1がオンする以前のモード4では、ダイオードQD1に電流が流れておりローサイドのQD2には既に逆電圧が印加されているため、進み位相の問題であったQD2の逆回復電流は流れない。
【0026】
2)遅延時間tdon は動作に影響を及ぼさない。即ち、Q1の場合、モード4期間中にtdon ゲート電圧の印加が遅れても、Q1に実際に電流が流れるのはモード1であるから影響はない。一方、tdoffの影響はQ1,Q2のオフが遅れる結果、Vc1,Vc2が基準電圧を越えて充電される結果を招く。しかしながら、Vc1の場合はモード2及び3の期間に放電手段13によって減少する。同様にVc2もモード4及び1の期間に放電手段14によって減少する。後述する図7に示すように、Q1,Q2の動作周波数を満足するように放電手段の値を決めれば、遅延時間tdoffの影響を補償することができる。
【0027】
3)放電手段は、点灯装置の起動時に動作周波数を遅くして共振電流を増加させる働きがある。
【0028】
3)の起動時の動作について詳しく述べる。図3において第1周期の電流を IL1とすると、Q1及びQD1に電流が流れていないモード2及び3の期間にVc1の電圧は放電手段13よってΔV1だけ減少する。次に、モード4においてQD1に流れる電流を積分し、その値をVc1から減算すると、モード4終了時のVc1(第2周期のモード1開始時におけるVc1等しい)はΔV1の分だけ第1周期のモード1開始時におけるVc1より減少する。次に、第2周期に入り、モード1において電流ILを積分した値をVc1に加算するが、開始時の電圧が異なるためVc1が基準電圧Vref1に達するまでの時間は第1周期に比べて長くなる、即ち、周波数が遅くなる。遅れ位相において点灯装置の周波数が遅くなると、電流 ILは図2の共振特性に示すように増加する。また、この周期のモード2,3において放電手段13により減少する電圧ΔV2は周波数が遅くなった分だけΔV1より大きい。
【0029】
以上の動作を繰り返し行うが、同じ動作がVc2に対しても起こり、周期を重ねる毎に動作周波数は少しずつ遅くなり、共振電流は図2に応じて増加する。
【0030】
図5には以上の動作原理に基づいて、放電管を起動から点灯に制御する期間の電流波形を示す。この図で、電流が1周期毎に増加していることが分かる。放電管が点灯すると、その等価抵抗が変化するため、図2に示すように同じ動作周波数に対する共振電流が減少する。放電管が点灯した後は、駆動周波数に対する電流の変化が点灯前に比べて緩やかになるため、起動時とは異なり、周波数がわずかに変化しても電流は一定に保たれる。
【0031】
放電手段は上記2)及び3)のような働きを持つが、更に、点灯時において電流が減少した場合に、これを正常値に復帰させる働きも有する。
【0032】
図6には、電流ILが減少した場合の説明図を示す。図6ではモード1において電流が減少した場合であり、電流ILの減少によってC1の電圧Vc1がVref1に達するまでの時間が長くかかる、即ち、モード1の期間が伸びることになる。この期間をt1で表す。
【0033】
電流が正の半周期に対してQ1の導通期間が伸びれば、その反対に次のモード2ではダイオードQD2を電流が流れる期間が減少する。この期間をt2で表す。前述のように、モード2では、QD2を流れる電流ILでC2の電圧Vc2が逆充電されるが、モード1の影響でQD2の導通期間が減少するとVc2の減少が抑制される。
【0034】
次のモード3開始時刻では、Vc2が正常時に比べて高く、電流ILがQ2を流れ始めると、C2はこの電流で充電されて早くVref2に達する。つまり、モード3の期間が短くなり、電流ILの負値も減少する。この期間をt3で表す。
【0035】
モード3でQ2の導通期間が短くなるため、その反対に次のモード4ではダイオードQD1電流が流れる期間が増加する。この時、C1は電流ILで逆充電され、図6に示すように電圧Vc1は前の周期に比べて低い値まで減少する。この期間をt4で表す。ここまでが電流が減少した後の1周期である。
【0036】
次の周期のモード1に入ると、前モードにおける電圧Vc1が低い為、C1が電流ILで充電されVc1が基準電圧Vref1に達するまでの時間が長くなる。この期間をt5で表す。
【0037】
次のモード2の期間をt6とすると、t4からt5までの期間中にC2は放電手段14によって放電されており、この期間は前の周期に比べて長い。このため、t6期間の終了時におけるVc2はt3開始時における値に比べて低くなる。また、モード3のt5期間は長くなり、電流ILは増加に向かう。
【0038】
本発明の点灯回路によれば、電流が急に減少しても、次の周期ではt5,t6の期間が長くなり、周波数を低下して電流を増加させる働きがある。この動作を繰り返し、定常電流に復帰すると、その後は周波数は一定になる。即ち、本方式の点灯回路は、電流の変動に対してスイッチ素子の駆動周波数と1周期に対するオン,オフの比率(デューティ)をそれぞれ、共振の各周期毎に自動的に調整して、電流を安定化させることが特徴である。図7には放電手段13,14にそれぞれ値の等しい抵抗を用いた場合に、放電抵抗と負荷電流IL、及びQ1,Q2の駆動周波数に係わる関係を示す。この図は図1の実施例において、放電手段 13と14以外の回路定数は等しいという条件で計算した値である。図7から放電抵抗を大きくすると、コンデンサC1或いはC2と放電抵抗で決まる電圧の時間的な減少が小さくなり図3に示したΔVが減少する。この結果として、駆動周波数は増加し、図2の共振特性から負荷電流は減少することが分かる。
【0039】
照明用点灯装置においては負荷電流を変えて調光を行うが、本発明によれば図7の関係から、放電手段の値を制御して、負荷電流を変化させ調光を実現することができる。この調光に関して後ほど述べる。
【0040】
次に、図1の実施例の起動と停止方法について説明する。
【0041】
起動法はS1,S2が共にオンしている状態から、最初にS1に信号を印加してS1をオフさせる。Q1がオンすると共振回路に電流ILを供給し、モード1の動作で述べたようにC1の充電に従って、Q1はオフする。次に、モード2が開始されC2の電圧はVref2以下になるが、S2がオンであればNAND回路7の出力はQ2のオフを維持する。ここで、重要なことはC1の電圧は放電手段 13の作用で減少するため、Vc1がVref1に達する前にS2をオフさせる信号を与えることである。
【0042】
もしVc1がVref1以下に減少した後でS2をオフすると、Q1とQ2が同時にオンする短絡状態となる。図1の実施例はQ1とQ2が同時にオンすると、これらの素子を貫通して流れる短絡電流によってC1とC2が共に基準電圧以上に充電され、両素子はオフする。即ち、短絡電流は安全にカットされるが負荷への電流供給も遮断される。これを避けるため、Vc1がVref1に達してQ1がオフするとモード2でC2は逆充電されるので、C2の逆充電電圧を検知してS2をオフする。その後は、前述のモード3で電流は流れる。動作を停止させるには、スイッチS1及びS2をオンさせてNAND回路5,6の出力をHighにすれば良い。ここで、スイッチS1をオンオフするには、ローサイドのコモン電位を基準とする信号をハイサイドのコモン電位を基準とする信号に変換しハイサイド側に伝達する必要がある。このように、電位の異なる箇所に信号を伝達するためにはレベルシフト手段が必要であり、フォトカプラやパルストランスが一般的に用いられる他、最近では高耐圧の集積回路で構成されたレベルシフト回路も普及しつつある。フォトカプラやパルストランスは部品の実装体積が大きくなるが、高耐圧のレベルシフト回路はハイサイド及びローサイドの駆動回路と共に半導体集積回路に内蔵することが可能であり、装置の小型化に有効である。しかしながら、集積回路内部ではハイサイド側の回路とローサイド側の回路が電気的に干渉することを防ぐ為に素子間の高耐圧分離が必要となる。この素子間分離は集積回路を作る上で製造プロセスを複雑にする他、チップ面積を増加させるため集積回路のコストを高くする。そこで、これらの問題点を解決する第2の実施例を図8に示す。
【0043】
図8の実施例で主回路の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。ハイサイド側の駆動回路11は電源がコンデンサCtであり、Q2をオンさせてN点を基準とする駆動用電源16からダイオードDを介して充電する。この方法はブートストラップ方式と呼ばれ、米国特許USP4,316,243号に記載されている。Ctの正電位と負電位間には素子1と2を用いたCMOSインバータ,比較器6, NAND回路5,遅延手段10,比較器9、及び抵抗R3,R4の直列接続を備える。
【0044】
CMOSインバータの出力はQ1のゲートに接続し、CMOSインバータの制御端子にはNAND路5から信号を与える。NAND回路5は比較器6及び遅延手段10を介した比較器9の信号が入力信号である。比較器6は図1と同様にコンデンサC1の電圧と基準電圧Vref1比較する。比較器9はコンデンサCtの電圧を抵抗R3とR4で分圧し、R4の電圧と基準電圧Vref3を比較する。遅延手段10は比較器9の出力を所望する時間だけ遅延させてNAND回路5に伝える。
【0045】
比較器9はヒステリシスを持つ特性が望ましく比較器の出力がLow からHighに変化するための基準電圧をVCLH 、逆にHighからLow に変化するための基準電圧をVCHL とする。ここでは、コンデンサCtの電圧を抵抗R3とR4で分圧された電圧が基準電圧Vref3VCLHより高い場合に比較器の出力はHighとなることにし、VCHL<VCLHの関係を設定する。
【0046】
ローサイド側の駆動回路12は、N点を基準とする駆動用電源16を供え、 16の正電位と負電位間には素子3と4を用いたCMOSインバータ,比較器8,NAND回路7,比較器10、及び図1に示した抵抗R2とスイッチS2を直列接続した起動停止手段を備える。CMOSインバータの出力はQ2のゲートに接続し、CMOSインバータの制御端子にはNAND路7から信号を与える。 NAND回路7は比較器8及び起動停止手段が入力信号である。比較器8はコンデンサC2の電圧と基準電圧Vref2を比較する。
【0047】
次に、図8の実施例の起動法について述べる。ここでキャパシタC1,C2,Ct、及びCrは初期電圧がいずれも0Vであると仮定する。また、Q2のゲートソース間容量をCgs2とすれば、Cgs2≪C2の関係になるようC2を選ぶ。同様に、Q1のゲートソース間容量をCgs1とすれば、Cgs2≪C1の関係になるようC1を選ぶ。
【0048】
始めに、S2をオフにするとC2の電圧Vc2がVref2以下であれば、比較器8の出力とS2の出力によってCMOSインバータの素子3がオンし、Q2のゲート電圧を充電する。Cgs2≪C2 の関係から電源16の電圧はほぼ全てがQ1のゲートソース間に印加される。Q2にゲート電圧が与えられても、負荷の共振回路の電流は流れない。一方、電源16からダイオードD,コンデンサCt,Q2及びC2を流れる経路で電流が流れ、CtとC2をそれぞれ充電する。ここで、電源16の電圧はCtとC2に分圧されるが、C2に分圧される電圧Vc2は Vref2以上になるように、また、Ctに分圧される電圧Vctは前述のVCLH 以上になるようにCtの容量を選ぶ。この結果、比較器8はVc2がVref2を越えることを検知してQ2をオフさせる信号をNAND回路7に伝達する。
【0049】
Ctの電圧VctがVCLH 以上になると、比較器9がこれを検出し、その結果は遅延手段10を経てNAND回路5に伝達される。C1の初期電圧は0Vでありこの値がVref1より低ければ、NAND回路5ではQ1をオンさせる条件が揃う。ここで重要な点は遅延手段10を備えることであり、Q2のオフ以前にQ1がオンすることを防止するため、比較器9の出力に所定の遅延時間を加える。
【0050】
Q1がオンすると、図3,図4で述べたモード1と同じ動作が開始される。この説明は前述の通りであり、ここでは説明を省略する。モード1が終了しモード2に移ると、QD2を流れる電流ILによってC2は逆充電されるが、同時にN点を基準とするO点の電圧VOは、QD2の電圧(極性は負)とC2の電圧Vc2の和になり、この電圧は電源16に比べて低いため、電源16からダイオードD,コンデンサCt,QD2及びC2を流れる経路で電流が流れ、ハイサイド側の電源にあたるCtを充電する。C2はこの電流で充電されながら、同時に電流 ILで逆充電される状態にあり、ILがCtの充電電流よりも大きいと仮定すれば、Ctだけが充電される。
【0051】
図8の実施例でハイサイド側の駆動回路11は、図1の実施例とは異なり外部から起動,停止に関わる信号を入力する必要がない。図8の実施例では、ローサイド側Q2の動作に応じて電源コンデンサCtが所定の値以上に充電されている限り、前述のモード1から4の動作を継続する。停止方法は、ローサイド側駆動回路12のS2に停止信号を与え、Q2のオフ状態を持続することにより行うことができる。即ち、Q2のオフが持続すればCtへの充電が停止し、Ctの充電電圧は徐々に減少する。Ctの充電電圧が基準電圧Vref3以下になれば比較器9によってQ1はオフされる。
【0052】
このように、図8の実施例ではハイサイド側の駆動回路11にレベルシフト手段を必要としない。そこで、駆動回路11と駆動回路12はそれぞれ別々に、低耐圧の半導体集積回路として実現することが可能である。この実施例によれば、前述のようにレベルシフト回路を内蔵する高耐圧の半導体集積回路に比べてコストを低くすることができる。
【0053】
図1及び図8の実施例では、主に負荷電流ILが数MHzの高周波点灯装置を対象として説明を述べたが、これらの実施例は50kHz程度の周波数を扱う通常の蛍光灯点灯装置にも適用できる。但し、この場合には図3に示した遅延時間tdon,tdoff が1周期の期間に比べて無視できるほど小さい。即ち、Vc1或いはVc2が基準電圧Vref1或いはVref2に達すると、その直後にQ1,Q2はそれぞれオフされる。次に放電手段13或いは14によってVc1,Vc2がそれぞれ減少し始めると、これらは直ぐに基準電圧以下になりQ1,Q2が再度、オンすることになる。このような動作を避けるためには、基準電圧がヒステリシスを持っていることが望ましい。
【0054】
図9には比較器6にヒステリシスコンパレータを用いた実施例を示す。この図ではハイサイド側のみを示したが、ローサイド側の比較器8にも同様にヒステリシスコンパレータを用いる。比較器6以外は図8と同じ構成であり、説明は省略する。比較器6のヒステリシス特性は、比較器の出力がLow からHighに変化するための基準電圧をVLH、逆にHighからLow に変化するための基準電圧をVHLとし、VHL>VLHの関係を持たせる。VLHとVHLはいずれも、比較器6の出力に応じて基準電圧Vref1を切り替えて作る。
【0055】
図10にヒシテリシスコンパレータを用いた場合の動作を示す。この図で、 t1期間のモード1においては、Vref1の値はVHLにある。そしてVc1がVHLに達すると、比較器6の出力はHighからLow に変化し、この時Vref1はVHLから VLHに切り替わる。次にt2期間のモード2では、図3と同様に放電手段13によってVc1は減少するが、この時、Vc1が先のVHL以下に減少しても影響は無く、VLH以下にならない限り比較器6の出力は変化しない。電流ILはC2を逆充電するように流れ、Vc2がVref2の値であるVLH下になると、比較器8の出力はLow からHighに変化し、この出力をNAND回路7で受けてQ2のゲート電圧を充電すると共に、Vref2はVLHからVHLに切り替わる。次のモード3において C2はILにより充電され、Vc2は比較器8によってモード2でVHLに切り替わったVref2と比較される。そして、Vc2が増加しVHLに達すると、比較器8の出力はHighからLow に変化し、Q2はオフすると共に、Vref2は以後、VHLから VLHに切り替わる。次にモード4に移り、電流ILがC1を逆充電してVc1が Vref1の値であるVLH以下になると、比較器6の出力はLow からHighに変化し、Q1のゲート電圧を充電する。また、比較器6の出力変化によってVref1はVLHからVHLに切り替わり、始めの状態に戻る。
【0056】
以上に述べたように、比較器6,8にヒステリシスコンパレータを用いれば、放電手段13或いは14によってVc1,Vc2が減少しても、t3又はt1の終了時刻における値がVLH下にならないよう設定することによってQ1,Q2は正常な動作を保証できる。
【0057】
図1の実施例ではハイサイド側回路11のコモン電位を出力Oにしている。このため、素子2がオンするモード2では、Q1のターンオフを高速化する利点がある。即ち、素子2がオンした直後は、Q1のゲート、ソース間に充電された電圧が素子2に印加され、素子2の電流は大きいが、Q1のゲート電圧が減少し零に近づくほど、電流能力が低下する。これに対してハイサイド側回路11のコモン電位を出力Oに接続していれば、電圧Vc1素子2に印加されターンオフの最後まで電流能力が維持される。ターンオフの後は、Vc1電圧がQ1のソース,ゲート間に逆バイアスとして印加されるため、ノイズによってQ1が瞬間的にオンするようなことはなく、安定なオフを確保できる。
【0058】
一方、モード1においてQ1のゲート,ソース間に印加される電圧は電源15の電圧とVc1差電圧であり、Vc1が増加するほどQ1のゲート電圧が減少する。この結果、Q1のオン抵抗が増えるという欠点もある。特に、駆動周波数が数十kHz程度の用途で、Q1,Q2のスイッチング損失よりも定常損失の方が大きい場合に対してはQ1のオン抵抗を増加させないよう十分なゲート電圧を印加する方が望まれる。このような場合には、図11の実施例に示すように比較器6の接続法を変えることが望ましい。
【0059】
図11には、ハイサイド側の駆動回路11を示すが、ローサイド側の駆動回路12も同様である。図11で、駆動回路11の電源はQ1のソースを基準とする正電源15と負電源16であり、電源15の正電極と負電極の間には素子1と2からなるCMOSインバータを供え、その出力をQ1のゲートに接続する。図1と同様に、1と2からなるCMOSインバータの制御端子にはNAND回路5から信号を与える。コンデンサC1の電圧は、比較器6によってQ1のソースを基準とする基準電圧Vref1と比較され、比較器6の出力をNAND回路5に入力する。また、電源15の両端子間には、抵抗R1とスイッチS1を直列接続した起動停止手段を備え、R1とS1の接続箇所からNAND回路5の入力に接続する。比較器6には正の電源を15から、また負の電源を16からそれぞれ供給する。尚、比較器6はヒステリシスを持つ特性が望ましい。比較器6は負電源16を備えるため、コンデンサC1の電圧が負の場合でも基準電圧との比較が可能である。
【0060】
図11の構成によれば、C1の充電電圧が増加してもQ1のゲート,ソース電圧は電源15に等しい電圧に維持される。但し、前述のO点を回路11のコモンに選んだ場合のようなターンオフの高速化は達成されない。そこで、図1と図 11のいずれの構成を選ぶかは、駆動周波数に応じて選択する必要がある。
【0061】
次に、放電管の明るさを調整する方法について説明する。近年、照明器具には任意に明るさを調整できる調光機能を搭載した点灯装置がある。放電管の明るさを調整するには、共振電流ILの大きさを変えることで達成できる。前述の図6に示したように、インバータのスイッチング周波数fが共振インダクタと共振コンデンサで決まる共振周波数foに対して高周波になるほど、電流ILは減少する。この原理に基づき、点灯装置ではスイッチング周波数fを制御して調光を行っている。
【0062】
電流ILを小さくするには、ハイサイド側もしくはローサイド側のスイッチング素子の導通期間を短くし、スイッチング周波数が高くなるように設定すればよい。
【0063】
本発明によれば、図7に示したように放電手段13及び14の抵抗値を増加させることによって、駆動周波数を増加させ電流を減少させることができる。前述のように、放電手段は点灯装置の起動時に動作周波数を遅くして共振電流を増加させる働きがあることを説明したが、この原理を応用し放電抵抗値を大きくしてVc1,Vc2の減少ΔVを小さくすれば、逆に動作周波数は速くなり、共振電流は減少する。図12には、この原理に基づき調光を行う場合の実施例を示す。図 12には放電手段13の周辺回路のみを示したが、残りの構成は図1と同じである。また、図12と同じ構成を放電手段14にも備える。コンデンサC1に並列に抵抗R5を供え、更に抵抗R6とMOSFET Q3 が直列になった構成を C1に並列に接続する。全光で点灯させる場合には調光信号によってQ3をオンさせ、放電手段の値はR5とR6の並列合成値になるようにする。そして、調光を行う場合にはQ3をオフさせ、R5だけが放電手段として働くようにする。 R5はR5とR6の並列合成値に比べて値が大きいため、図7に示したように駆動周波数は増加し、電流が減少して調光状態となる。
【0064】
図12の実施例の他に、コンデンサC1又はC2の電圧が基準電圧Vref に達するまでの時間が短くなるように基準電圧を制御する方法もある。図13に基準電圧を変更する調光回路の実施例を示す。
【0065】
前述の図1の実施例においては、ローサイド側の駆動回路でコンデンサC2の電圧を基準電圧Vref2比較しNAND回路7に信号を出力する比較器8がある。一方、図13は比較器8の基準電圧Vref2を任意のタイミングで与える調光信号によって可変できることが特徴である。
【0066】
図13において、抵抗R7は図1の電源16の高電位側に接続する。また、 FET Q4のゲート端子には比較器8の出力を反転した信号を与え、FET Q5のゲート端子には調光信号を伝達する。
【0067】
最初に全光点灯時における基準電圧Vref2の設定法について述べる。比較器8の出力がHighであればFET Q4はオフとなり、基準電圧Vref2は電源16の電圧を抵抗R7とR9で分圧したVHLとなる。次に比較器8の出力がLow になるとQ4はオンとなり、抵抗R8とR9は並列に接続され合成抵抗はR9よりも小さくなる。基準電圧Vref2は電源16の電圧をR8,R9の合成抵抗とR7で分圧したVLHとなり、VHLとVLHとの関係はVHL>VLHとなる。
【0068】
次に調光信号が入力された場合について説明する。FET Q5のゲート端子に調光信号としてHigh信号を入力するとQ5はオンとなり、抵抗R9とR10は並列に接続され合成抵抗はR9よりも小さくなる。よって、基準電圧Vref2は通常点灯時のVHLより低くなり、Q2の導通期間を短くすることができる。このような方法でローサイド側の基準電圧Vref2を変更すれば、調光が可能になる。
【0069】
図14には本発明の点灯回路を内蔵した無電極蛍光ランプの構成を示す。放電管26の内部にはクリプトンと水銀蒸気が封入されている。点灯回路27で励起コイル28に高周波電圧を印加すると、コイル線間の電圧で大きな電界が発生して放電が起こり、これが発端となって誘導放電へと移行する。点灯回路27はその後、コイル28に数MHzの高周波電流を供給し、ソレノイド形状のコイルから磁力線を放出させる。誘導放電で発生したイオンには、磁力線との電磁結合により誘導電界が加えられ、閉ループ状の放電電流(プラズマ)になる。プラズマ中の水銀蒸気は誘導電界によって励起され、紫外線を放射し、これが管26内面に塗布された蛍光体に当たって可視光に変わる。プラズマは等価的には励起コイル28の二次巻線であり、この二次巻線の負荷に相当するプラズマ抵抗にエネルギーを供給している。無電極蛍光ランプは、放電路がリング状になるためその長さは必要なく、小型化に適している。
【0070】
無電極蛍光ランプは、通常の蛍光ランプと異なりフィラメントを使用しないため、長寿命化が達成できることが特徴である。後述する通常の電球型蛍光ランプは、約8,000 時間の寿命を持つが、寿命を決める要因はフィラメントの断線である。これに対して、無電極蛍光ランプは約20,000 時間の寿命を持ち、上記通常の蛍光ランプに比べて約3倍の長寿命化が達成できる。この寿命は白熱球と比べると約10倍に相当する。
【0071】
無電極蛍光ランプも通常の蛍光ランプと同様に、ランプに流れる電流が増加すると、ランプ両端の電圧が低下する。これはランプを等価抵抗で考えると、電流が流れるほど抵抗値が減少することに相当し、負性抵抗特性と呼ばれる。負性抵抗の特性を持つランプに対して、電流を安定化させることが点灯回路の働きである。
【0072】
図15には無電極蛍光ランプに対して本発明の点灯回路を適用した具体的な実施例を示す。図15で、ソース側にC1,C2のコンデンサを備えたMOSFET Q1 ,Q2と、これらを駆動する制御手段11,12及びブートストラップを用いたハイサイド側の電源供給部は図8に示した構成と同じであり、説明は省略する。出力端子OとコモンNの間には共振用のリアクトルLrとコンデンサCrを直列に接続し、Crの両端には、無電極蛍光ランプ18と補助コンデンサC4を接続する。また、交流電源19を受電するコンバータ部は、交流電流をローパスフィルタ18とD1〜D4のダイオードを用いた整流回路を通して整流し、この電流を平滑コンデンサ17に充電すると共に17からMOSFET Q1,Q2に電流を供給する。
【0073】
図15の実施例のように、ランプ18が負荷として共振用のCr又はLrに並列に接続される回路構成は並列共振と呼ばれる。並列共振の場合における点灯回路の駆動周波数と共振電流の関係を図16に示す。図16は図2に示した特性とほぼ同等であるが、この図ではパラメータとしてランプ抵抗が大,中,小の3通りを示した。
【0074】
並列共振の場合には、同じ周波数に対して負荷抵抗が高いほど、電流は増加する。従来の点灯回路では駆動周波数が一定であり、これをf1と表すと図16に示すようにランプ抵抗に応じて電流はそれぞれ、a1,a2,a3のように変化する。一方、本発明の点灯回路によれば、電流を減少させる場合には駆動周波数が自動的に増加する。従来のa3と同じ電流を定常値として扱い、この値をb3として本発明の点灯回路を設計すると、抵抗が大、或いは中の場合にはb3より周波数が低くなり、b1,b2の電流が供給される。これは、同じランプ抵抗に対して従来よりも大きな電流が供給されることを意味する。
【0075】
無電極蛍光ランプでは、前述のように励起コイルの二次巻線に相当するプラズマに対してプラズマ抵抗が負荷になる。プラズマ抵抗は放電管内部の温度に依存し、温度が低いほど抵抗は高くなる。また、この傾向はランプを低温環境下で点灯させた場合に顕著であり、ランプ抵抗が高いため照度は暗くなる。こうした低温点灯に対して、本発明の点灯回路では図16に示したように、従来よりも大きな電流を供給し照度を明るくすることが特徴である。また、点灯初期には低温のためb2の電流を供給しても前述の負性抵抗の特性により、電流の増加はランプ抵抗の減少を招き、b3の定常値に安定化させることができる。
【0076】
無電極蛍光ランプは他の点灯回路を用いて、既に実用化されているが、数MHz の高周波電流を供給する点灯回路には調光機能は備えていない。しかし、本発明の点灯回路を用いれば図7に示したように、放電抵抗13,14の値を変えて電流を変化させ、無段階の調光を行うことが可能になる。調光時に周波数を変化させる方法は、従来の蛍光ランプ用点灯回路で用いられているが、数MHzの高周波では周波数の変更時に、電流波形が乱れたり、FETQ1,Q2が同時にオンする短絡の問題が生じることが予想できる。これに対して、本発明では共振の各周期毎にわずかずつ周波数を自動的に調整してゆくため、数MHzの高周波においても安定な調光が可能になる。
【0077】
また、仮にQ1,Q2が同時にオンする短絡が発生しても、本発明の点灯回路は短絡電流を自動的に遮断し、その後、再起動させる機能を持つ。Q1とQ2が同時にオン状態となると平滑コンデンサ17からQ1とQ2を通る電流が流れるが、この電流はQ1或いはQ2の飽和電流で決まる値まで達する。一方、この短絡電流も必ずC1とC2を通り、点灯時に比べて大きな電流でC1とC2は充電され、それぞれの電圧増加は速くなる。電圧駆動型素子の飽和電流はゲート電圧が小さいほど低いが、Q1とQ2のゲート電圧は駆動電源16或いはCtの電圧からC2,C1の電圧をそれぞれ差し引いた値で表され、短絡電流に応じてC1,C2の電圧が大きくなるほど逆にゲート電圧が減少して、飽和電流(即ち短絡電流)を減少させる。この負帰還作用で短絡電流は自動的に絞り込まれるため、本発明の点灯回路では短絡によるMOSFETの破壊等は発生しないことが保証される。更に、C1,C2の電圧が短絡電流で増加し、基準値Vref1,Vref2を越えるとQ1,Q2はいずれもオフ状態になり、電流の出力を停止する。その後、C1,C2の電圧は放電手段13,14によって減少し、いずれか一方がVLH以下まで低下すれば、再びスイッチ素子がオンして電流の供給を再開する。このように、点灯回路の方式自体が短絡電流の遮断と、その後の再起動の機能を備えており、高信頼度化を達成する。
【0078】
本発明の点灯回路は図17に示すような通常のフィラメント付き蛍光ランプに対しても同じ効果を有する。図17はフィラメント付きの電球型蛍光ランプの構造を示す。放電管26の内部には蛍光ランプ29を供え、ランプ内部にはフィラメント30を持つ。点灯回路27は口金の上部に設けている。
【0079】
図18にはフィラメント付き蛍光ランプに対して本発明の点灯回路を適用した具体的な構成を示す。図18では起動時にフィラメントを予熱させるため、共振回路の構成が図15と異なる他、Q1,Q2の制御手段24,25も予熱機能を備えるため、図15の11,12と一部、構成が異なる。
【0080】
図18の構成で図15と異なる部分を説明すると、共振回路部分は出力OとコモンNの間に共振用のリアクトルLr,コンデンサCr、及び蛍光ランプ18を直列に接続し、ランプ18の両端には、補助コンデンサC4を接続している。また、Q1,Q2のドレイン,ソース端子間にはそれぞれ、キャパシタC3,C4を並列に備えるが、これは後述するようにソフトスイッチング動作をさせるためである。
【0081】
制御手段24,25は同じ構成であるため、24に関して説明すると、C1の電圧を検出する比較器として前記実施と同じ6に加えて、新たに20の比較器を供える。比較器20の基準電圧はVref4であり、比較器20はC1の電圧が
Vref4以下になると、出力が変化してフリップフロップ21にリセット信号(R)を伝える。また。フリップフロップ21にセット信号(S)を供給するワンショットパルス発生手段が22であり、MOSFET2 をオンさせるタイミングに同期してローパルスを出力し、フリップフロップ21をセットする。フリップフロップ 21の出力(Q)はその状態に応じてスイッチ23を切り替え、比較器6の基準電圧Vref2を変化させる。その他の構成は図15に示した制御手段11と同じである。
【0082】
図18の共振回路は負荷であるランプ18は、Lr,Crと直列に接続され、かつC4を並列に備えることから、直並列共振と呼ばれ、蛍光ランプ用点灯回路では一般的な構成である。直並列共振における点灯回路の駆動周波数と電流の関係を図19に示す。
【0083】
図19には図16と同様にランプ抵抗が大,中,小の3通りを示したが、抵抗大の場合はここでは起動時のフィラメント予熱状態に相当する。起動時にはランプ抵抗が非常に高い為、C4は等価的にLr,Crと直列接続された構成となる。この時の共振周波数はLr,Cr、及びC4の値で決まり、これを第1共振周波数fr1と定義する。一方、ランプが点灯し、ランプ抵抗がC4のインピーダンスに対して十分に小さくなると、共振周波数はLr,Crだけで決まり、これを第2共振周波数fr2と定義する。フィラメント付き蛍光ランプの場合には、起動時にはフィラメント予熱のため点灯回路を第1共振周波数付近で動作させ、次にランプが点灯すると、点灯周波数を第2共振周波数付近に変更する方法が一般的である。本実施例ではfr1からfr2に周波数を変更する際、比較器6の基準電圧Vref2を変更して対応する。その動作を図20に示す。起動時にはランプ抵抗が大きいため、図19に示したように電流値も大きい。こ状態でQ1をオフさせるためFET2をオンすると、図18のワンショットパルス発生手段22からセット信号が出力され、フリップフロップ21をセットして比較器6の基準電圧をVHL1,VLH1の組み合わせからVHL2,VLH2の組み合わせに切り替える。VHL2はVHL1より高いため、切り替えた直後にQ1が再びオンすることはない。その後、前述のモード4の期間にQ1の逆並列ダイオードを通って流れ電流ILによってC1は逆充電されるが、電流値が大きいためC1の電圧は負値まで減少する。この時、C1の電圧はVref4以下の状態になり、比較器20がフリップフロップ21にリセット信号を伝える。この結果、比較器6の基準電圧は先の VHL2,VLH2の組み合わせからVHL1,VLH1の組み合わせに再び切り替えられる。この動作を繰り返すと、電流が大きい起動時にはQ1をオフするための比較器6の基準電圧はVHL1だけが働くことになる。
【0084】
次に、ランプが点灯してランプ抵抗が減少すると、電流も低下する。この時刻を図20でcで表す。時刻c以降は電流の低下によって、前述のモード4期間にC1がILで逆充電されても、C1の電圧減少は小さく、その電圧はVref4以下にはならないと仮定すると、比較器20がフリップフロップ21をセットすることはなくなり、比較器6の基準電圧はVHL2,VLH2の組み合わせだけとなる。図20で時刻g以降はこの状態を表している。
【0085】
以上の動作から、比較器6の基準電圧がVHL1,VLH1の場合を第1共振周波数付近での起動動作に設定し、基準電圧がVHL2,VLH2の場合を第2共振周波数付近での定常点灯動作に設定しておけば、点灯回路は異なる2つの共振周波数付近で安定な動作を保証することができる。
【0086】
フィラメント付きランプの場合、寿命末期においては片方或いは両方のフィラメントからのエミッションがなくなる状態が発生する。この状態ではランプ抵抗は再び高抵抗になり、図20の動作によって、点灯回路の駆動周波数は第1共振周波数付近に戻る。しかしながら、起動時とは異なり大きな電流を供給してもランプ抵抗が減少することはない。そこで、こうした場合はC1,C2の電圧が Vref4以下になる状態が一定時間以上持続することを判定して、点灯回路の動作を停止させることも可能である。また、点灯回路が動作している状態でランプ 18を取り外しても、同様にランプ抵抗が大きくなった第1共振周波数付近に戻る。この状態もC1,C2の電圧がVref4以下になる状態が一定時間以上持続することから判断して、回路動作を停止させることができる。
【0087】
このように、比較器20をランプ寿命末期、或いはランプ開放時の過電流を避けるための保護機能として用いることもできる。
【0088】
図21はQ1,Q2に並列に設けたC3,C4によるソフトスイッチングの動作を説明する図である。この図で、t1とt2の期間の間にはC1の電圧が基準値VHLを越え、Q1はオフされるが、電流IL/2がC3を通って流れ、Q1の電圧上昇dV/dtはIL/2C3で制限される。同時にC4を放電する電流 IL/2が流れ、Q2の電圧下降時のdV/dtもQ1と同様にIL/2C4で制限される。スイッチング時のdV/dtは伝導ノイズ,放ノイズの原因になるが、本実施例のようにdV/dtを抑制するソフトスイッチングを行えば、こうした問題を軽減することができる。また、t1期間終了時のQ1の電流波形に丸印を示したが、この時刻ではQ1の電圧がほぼ零であり、Q1の電流と電圧が重なるスイッチング損失が無いことを示している。このように、ソフトスイッチングはスイッチング損失を低減する上でも効果がある。
【0089】
上記動作でC3の充電電流はC1も充電し、同様にC4の放電電流はC2を逆充電するが、これは本来のモード1,モード2の動作が同時に行われていることと同じであり、本発明の点灯動作に支障はない。
【0090】
以上の動作はt3とt4期間の間にも起きるが、同じ原理であり説明は省略する。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、照明用点灯装置において高周波の負荷電流に同期した安定な共振動作を保証することが出来る。また、点灯装置の駆動回路は低耐圧の半導体集積回路で実現でき低コスト化に寄与する。また、調光信号を与えて負荷電流を変化させ放電管の明るさを変えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における照明用点灯装置の構成。
【図2】点灯装置の共振特性と起動時の動作点。
【図3】図1の動作波形。
【図4】図1の動作モード説明図。
【図5】起動時の電流波形。
【図6】共振電流が減少した場合の動作説明図。
【図7】放電手段の値と周波数,電流の関係。
【図8】照明用点灯装置の第2の実施例。
【図9】ヒステリシスコンパレータを用いた実施例。
【図10】ヒステリシスコンパレータ使用時の動作。
【図11】比較器の他の接続法。
【図12】調光回路の一実施例。
【図13】調光回路の他の実施例。
【図14】点灯回路を内蔵した無電極蛍光ランプの実施例。
【図15】無電極蛍光ランプ用点灯回路の実施例。
【図16】並列共振時の動作説明図。
【図17】点灯回路を内蔵した電球型蛍光ランプの実施例。
【図18】蛍光ランプ用点灯回路の実施例。
【図19】直並列共振時の動作説明図。
【図20】直並列共振での起動動作説明図。
【図21】ソフトスイッチング動作の説明図。
【符号の説明】
Q1,Q2…パワーMOSFET、Q3,Q4,Q5…MOSFET、D,QD1,QD2…ダイオード、C1〜C2,Cr,Ct,C3,C4…コンデンサ、Lr…共振用インダクタ、R1〜R10…抵抗、S1〜S2…スイッチ、1〜4…半導体スイッチ素子、5,7…NAND回路、6,8,9,20…電圧比較器、10…遅延手段、11,12,24,25…駆動回路、13,14…放電手段15〜17、18…放電管、19…電源、21…フリップフロップ、22…ワンショットパルス発生手段、23…切替手段、26…放電管、27…点灯回路、28…励起コイル、29…蛍光ランプ、30…フィラメント。
Claims (8)
- 逆電流を阻止しない機能を有するパワー半導体素子のスイッチングに応じて、放電管と誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に交流電圧を供給する照明用点灯装置であって、
該照明用点灯装置が2つの前記パワー半導体素子をハーフブリッジ接続し、前記2つのパワー半導体素子それぞれに、
前記パワー半導体素子に流れる正逆電流を積分する積分手段と、前記パワー半導体素子のオフ期間に応じて前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分値に応じて前記パワー半導体素子をオン、オフさせる駆動手段を備えることを特徴とする照明用点灯装置。 - 請求項1に記載の照明用点灯装置において、前記2つのパワー半導体素子がパワー
MOSFETであることを特徴とする照明用点灯装置。 - 請求項2に記載の照明用点灯装置において、前記放電管がフィラメントを備えた蛍光ランプであることを特徴とする照明用点灯装置。
- 逆電流を阻止しない機能を有する電圧駆動型半導体素子を直列に接続したインバータ回路から、放電管と共に誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に交流電流を供給する照明用点灯装置であって、
前記それぞれの電圧駆動型半導体素子に、該素子を流れる正逆電流を積分する積分手段と、前記電圧駆動型半導体素子のオフ期間に比例して前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分値に応じて前記電圧駆動型半導体素子をオン、オフさせる駆動手段を備えることを特徴とする照明用点灯装置。 - 請求項4に記載の照明用点灯装置において、前記積分手段は、前記電圧駆動型半導体素子の第1端子に一端を接続したキャパシタであり、前記駆動手段は、前記キャパシタの他端と前記電圧駆動型半導体素子の制御端子の間に所定の電圧を印加するよう接続したことを特徴とする照明用点灯装置。
- 請求項4に記載の照明用点灯装置において、
前記駆動手段は、前記積分値と基準値を比較した結果に応じて前記電圧駆動型半導体素子をオン、オフさせると共に、該基準値を変化させて前記交流電圧の振幅或いは周波数の少なくとも一方を変化させることを特徴とする照明用点灯装置。 - 逆電流を阻止しない機能を有する電圧駆動型半導体素子を主電源に直列に接続したインバータ回路から、放電管と誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に交流電流を供給する照明用点灯装置であって、
前記インバータのローサイド側半導体素子に該素子を流れる正逆電流を積分する第1のキャパシタと、制御電源と、前記第1のキャパシタの電圧を検知する第1の電圧検出手段と、前記ローサイド側半導体素子のオフ期間に比例して前記第1のキャパシタの電圧を減少させる第1の放電手段と、前記第1の電圧検出手段の出力に応じて前記ローサイド側電圧駆動素子の制御端子に前記制御電源の電圧を印加する第1の駆動回路手段を備えると共に、
前記インバータのハイサイド側半導体素子に該素子を流れる正逆電流を積分する第2のキャパシタと、前記第2のキャパシタの電圧を検知する第2の電圧検出手段と、前記ハイサイド側半導体素子のオフ期間に比例して前記第2のキャパシタの電圧を減少させる第2の放電手段と、電源コンデンサと、該電源コンデンサの電圧を検知する第3の電圧検出手段と、該第3の電圧検出手段の出力に所定の時間遅延を与える遅延手段と、前記第2の電圧検出手段の出力及び前記遅延手段の出力に応じて前記ハイサイド側電圧駆動素子の制御端子に前記電源コンデンサの電圧を印加し、
前記ローサイド側半導体素子のオフ動作後に前記ハイサイド側半導体素子をオンにする第2の駆動回路手段を備えると共に、
前記制御電源の正極と前記電源コンデンサの正極の間に少なくともダイオードを設けたことを特徴とする照明用点灯装置。 - 請求項7に記載の照明用点灯装置において、
点灯開始時に、前記第1のキャパシタと前記電源コンデンサを充電し、前記第1の電圧検出手段で前記第1のキャパシタの電圧を検知して前記ローサイドの電圧駆動型半導体素子をオフさせると共に、前記第3の電圧検出手段で前記電源コンデンサの電圧を検知して前記ハイサイドの電圧駆動型半導体素子をオンさせ、
以後は前記第1及び第2のキャパシタの充電電圧に応じて、各々の電圧駆動型半導体素子を交互にオン、オフさせることを特徴とする照明用点灯装置。
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