JP3593901B2 - 点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電管の点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放電管(例えば、蛍光灯)では、インバータを用いた点灯回路により直流電圧を高周波交流電圧に変換して放電管を含む共振負荷回路に印加する方式が増えている。共振負荷回路には共振周波数を設定する共振用インダクタ及び共振用キャパシタが含まれている。こうした点灯回路は、直流電源の正負極間にハーフブリッジ構造に接続された2つのパワー半導体スイッチング素子からなる点灯回路で、上記の高周波交流電圧を共振負荷回路の両端に印加する。共振負荷回路に流れる電流(以後、共振電流と呼ぶ)の波形は、インダクタとキャパシタによって共振し、正弦波状となる。この共振電流は点灯回路の動作周波数を変えることによって制御する。近年、照明器具には任意に明るさを調整できる調光機能を搭載した点灯装置がある。放電管の明るさを調整するには、放電管に流れる電流の大きさを変えることで達成できる。ここで、2つのパワー半導体素子を交互にオン,オフさせる動作周波数をfs、共振インダクタとキャパシタで決まる共振周波数をfoとすれば、foに対してfsを変化させるとランプ電流も変化し、調光が可能になる。この原理に基づき、点灯回路では動作周波数fsを制御して調光を行っている。
【0003】
スイッチング素子の動作周波数を安定化させる従来例として、特開平8−45685号に開示される点灯回路がある。この回路は、放電ランプを含む共振負荷回路に交流電圧を供給するハーフブリッジ回路を備え、共振電流の一部をキャパシタンスと帰還トランスに分流し、この帰還トランスの二次側電圧に応じてハーフブリッジ回路のハイサイドとローサイドのスイッチング素子に制御信号を与えて自励動作を行う。
【0004】
又、調光を実現する点灯回路の従来例として、特開平8−37092号に開示されるような駆動装置がある。この駆動装置は、1)所望する周波数の方形波を発生するタイマ回路、2)インバータの2つのパワー半導体スイッチング素子をタイマ回路からの駆動信号に応じて各々駆動するハイサイド,ローサイドの駆動回路、3)2つのパワー半導体スイッチング素子が同時導通を防止するハイサイドのデッドタイムディレイ回路,ローサイドのデッドタイムディレイ回路、及び4)ローサイドのコモン電位を基準とする信号をハイサイドのコモン電位を基準とする信号に変換しタイマ回路からの駆動信号をハイサイド側に伝達するためのレベルシフト回路を備えることが特徴であり、これらの回路を1つの集積回路に内蔵する。上記従来例では、タイマ回路の周波数を制御することにより動作周波数fsを変化させて調光を行うことが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平8−45685号の従来例は、共振電流と同じ周波数の制御信号が帰還トランスによってハーフブリッジ回路に供給される。すなわち、外部から信号を与えなくてもハーフブリッジ回路の動作が持続する自励型の回路であり、特に高周波の動作に適している。しかしながら、帰還トランスには自己インダクタンスが存在するため、制御信号と共振電流の間に位相差が生じる他、制御信号の周波数が適正値からずれることも有りうる。電球の口金に内蔵した点灯回路の動作環境は放電管からの発熱によって高温となる。帰還トランスに用いられる磁性体のコアは、高温になると特性が変化しインダクタンスの変動を招く。これらの変動によって位相差や周波数は適正値からずれ、ハーフブリッジ回路に貫通電流が流れて損失の増加を招く恐れがある。口金に点灯回路を内蔵した電球形の蛍光ランプは、点灯回路を小型化することが望まれており、交流を直流に変換するコンバータに使用される平滑コンデンサは容量を小さくすることによって小型化を図っている。平滑コンデンサの容量低下は、直流電圧変動の増大を招き、点灯回路の動作は不安定となる。
【0006】
そこで、本発明が解決する第一の課題は、直流電圧が変動した場合においても、高周波動作を安定に行う点灯回路を提供することである。
【0007】
調光を実現する上記特開平8−37092号の従来例は、高周波動作の点灯装置に適用すると、タイマ回路からの駆動信号をハイサイド側に伝達するためのレベルシフト回路の漏れ電流が問題になる。レベルシフト回路には様々な方式があるが、いずれもローサイドとハイサイドの間に少なくとも1つの半導体スイッチング素子を備える。半導体スイッチング素子はその入出力端子間に寄生容量があり、点灯回路の出力電圧が変化する度に、寄生容量が充電或いは放電される。高周波の点灯回路を従来の方法で制御すると、漏れ電流が大きくなり、損失の増加或いはノイズ誤動作等の問題を生じる。
【0008】
本発明が解決する第二の課題は、高周波動作も考慮した放電管の点灯装置において、点灯回路の動作周波数を変化させて放電管の調光を可能にする点灯装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を考慮してなされたものであり、本発明による点灯装置は次のような構成を有する。すなわち、本発明による点灯装置においては、直流電源の正極と負極間に相補的に直列接続された第一,第二の半導体スイッチング素子のスイッチングに応じて、共振手段に接続された放電管に交流電流を供給し、第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子と基準端子はそれぞれ互いに共通点で接続され、第一,第二の半導体スイッチング素子の基準端子が共通に接続された接続点と直流電源の少なくとも一方の極間に、放電管を接続した共振手段と、共振手段に流れる電流に同期した電圧を発生する第一のキャパシタと、を直列に接続し、第一のキャパシタの電圧を、共振手段の周波数変化に応じて位相をシフトする位相シフト手段を介して、第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子に印加する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、放電管1に交流電流を供給するための点灯回路である。放電管1は、フィラメントを備えた通常の蛍光ランプ、又はフィラメントを備えず、励起コイルから放出する磁力線でプラズマを発生させる無電極蛍光ランプを対象としている。交流電源ACをダイオードブリッジで構成された整流回路DBで整流して得た電源を、キャパシタC1で平滑した後に放電管1の点灯回路に直流電圧を供給する。直列に接続されたスイッチング素子Q1,Q2は、相補形であり、例えば、スイッチQ1はnチャネルのMOSFETであり、図示しないがソース端子とドレイン端子間には還流ダイオード(以後、QD1と呼ぶ)を内蔵している。スイッチQ2はpチャネルのMOSFETであり、ドレイン端子とソース端子間には還流ダイオード(以後、QD2と呼ぶ)を内蔵している。スイッチQ1のドレイン端子はキャパシタC1の正電極側に接続され、スイッチQ2のドレイン端子はキャパシタC1の負電極に接続されている。スイッチQ1,Q2の各ソース端子は共通の接続点Sで接続され、各ゲート端子は接続点Gで接続されている。Q1,Q2のドレイン,ソース間に流れる電流は、接続点Gと接続点S間の同一電圧によって制御される。接続点SとキャパシタC1の負電極間にはキャパシタCf及び共振用インダクタLr,共振用キャパシタCd,Crを含む共振負荷回路が接続されており、Crには並列に放電管(或いは蛍光ランプ)1を備える。共振負荷回路のキャパシタCdは無くても構わない。又、共振負荷回路は、接続点SとキャパシタC1の正電極間に接続された構成でも構わない。これらの共振負荷回路に流れる電流の周波数は各々の値によって決まる。スイッチング素子Q1,Q2の交互スイッチング動作によって共振負荷回路に双方向の電流を流し、放電管を点灯させる。スイッチQ1のドレインとソース間に接続されたキャパシタC2は、両スイッチのドレインとソース間の電圧変化時間を調整する。キャパシタC2はQ2のドレインとソース間に接続しても同様の役割を果たす。
【0011】
スイッチQ1及びQ2の導通状態を制御するゲート駆動回路には、共振負荷回路上に接続されたキャパシタCfが含まれている。キャパシタCfは、ゲート駆動回路を動作させるために、共振負荷回路に流れる電流から駆動電圧を得る。キャパシタCfの一端をF点とし、接続点GとF点間には、インダクタLgが接続されている。インダクタLgは共振負荷回路に流れる電流とゲートとソース間の電圧に位相差を与える。ゲートとソース間には、直列に反対方向で結合されたツェナーダイオードZD1,ZD2を並列に設けている。これらはスイッチング素子Q1,Q2のゲート,ソース間に過電圧が印加された場合、素子の破壊を防ぐ働きをする。MOSFETには既にゲート過電圧保護用のツェナーダイオードが内蔵されているものもあり、このようなスイッチング素子を選んだ場合は、前述のツェナーダイオードを外した構成でもよい。更に、ゲートとソース間には、キャパシタCgsを備えて、ゲートとソース間の電圧変化時間を調整する。即ち、スイッチQ1,Q2の交互スイッチング動作の中で、一方のスイッチがオフし、もう一方のスイッチがオンするまでのデッドタイムを補償する役割を果たす。
【0012】
図1において、始動時は交流電源ACの電圧上昇によってキャパシタC1の直流電圧が増加すると、接続点Fの電圧即ちキャパシタCfの電圧は接続点Sを基準にすると次第に減少する。この時、ゲートとソース間には、キャパシタCfの電圧と同等の電圧が印加される。ゲートとソース間の電圧が、スイッチング素子Q2の閾値電圧を下回るとQ2はオンし、接続点Fから接続点Sに向かって電流が流れるため、接続点Fの電圧は増加する。これによってゲートとソース間の電圧は、Q2の閾値電圧を直ぐに上回るためQ2はオフする。ここで、接続点Fと接続点S間に接続されているキャパシタCf及びキャパシタCgs,インダクタLgはLC共振回路を構成している為、キャパシタCfの僅かな電圧変化によって、LC共振回路に流れる電流は増加し、ゲートとソース間の電圧振幅は増加する。このような発振現象によって、スイッチQ1及びQ2が交互にスイッチング動作を開始する。
【0013】
次に、図1の回路の動作を説明する。放電管1は、Q1,Q2とLr,Cr,Cdを用いた共振負荷回路によって高周波の電流が供給される。負荷共振回路の電流をiLとし、図1で接続点SからFに流れ出る方向を正として定義すると、電流iLの1周期の間には動作モードが4つある。以後、各動作モードを説明する。
【0014】
モード1:Q1がオンするとキャパシタ1からQ1,Cf,Lr,Cd,Crの経路で電流iLが流れる。電流iLはCrを充電すると共に、一部が放電管1に分流して流れる。また、iLによってキャパシタCfは充電されるが、接続点Sを基準にした接続点Fの電圧は減少する。接続点Fの電圧減少は、ゲート電圧を減少させるため、Q1のゲート電圧が閾値を下回るとQ1はオフする。一方、Q2はゲート電圧がQ2の閾値以上でありオフの状態にある。
【0015】
モード2:Q1がオフした時点では電流iLは正の極性で値を有しており、この電流はLr,Cd,Cr,QD2,Cfの経路で流れ続ける。尚、電流iLの一部は放電管16に分流して流れる。電流iLはCfを充電し、接続点Fの電圧は更に減少する為、ゲート電圧も減少する。ゲート電圧がQ2の閾値を下回るとQ2はオンする。また、モード2期間中の電流極性はQ2にとって逆方向であり、Q2がオンしても電流の極性が変わらない限り、電流はQD2を流れ続ける。電流iLの極性が負に変化するまでの期間がモード2である。
【0016】
モード3:電流iLの極性が正から負に変わると、モード2でQ2はオンしている為、iLはQ2を流れる。即ち、iLはQ2,Cr,Cd,Lr,Cfの経路で流れ、CfはiLによって充電される。iLによって接続点Fの電圧は増加し、ゲート電圧がQ2の閾値を上回ると、Q2はオフする。一方、Q1はゲート電圧がQ1の閾値以下でありオフの状態にある。
【0017】
モード4:Q2がオフした時点では電流iLは負の極性で値を有しており、 Lrに蓄積された電磁エネルギーによって、電流iLはLr,Cf,QD1,キャパシタC1,Cr,Cdの経路で流れ続ける。尚、電流iLの一部は放電管 16に分流して流れる。電流iLはCfを充電し、接続点Fの電圧は更に増加する為、ゲート電圧も増加する。ゲート電圧がQ1の閾値を上回るとQ1はオンする。また、モード4期間中の電流極性はQ1にとって逆方向であり、Q1がオンしても電流の極性が変わらない限り、電流はQD1を流れ続ける。電流iLの極性が正に変化するまでの期間がモード2である。
【0018】
以上のように、電流iLの1周期の間にモード1からモード4の動作が行われ、以後、この動作を繰り返す。
【0019】
次にゲート回路について詳細に説明する。ゲート回路は、それぞれスイッチング素子に接続されているツェナーダイオードの導通状態によって区別される。図2は、ツェナーダイオードがオンしている場合の回路であり、ツェナーダイオードとインダクタLgが直列に接続された構成になる。図2において、ツェナーダイオードとインダクタLgの合成インピーダンスZgはインダクタLgのリアクタスが大きいため誘導性なる。ここで、接続点Sを基準にしたキャパシタCfの電圧をVcfとし、Lg,ZD2,ZD1の経路で流れるゲート電流をig,ゲートとソース間の電圧をVgsとすると、igはVcfに対し遅れ位相となり、Vgsも遅れる。
【0020】
これに対し、ツェナーダイオードがオフしている場合、ゲート回路は図3のような回路となり、キャパシタCgsはインダクタLgと直列接続された構成になる。図3で、Cgs,Lgの合成インピーダンスは、CgsとLgの大きさ及び周波数の関係から容量性又は誘導性、もしくはCgsとLgのリアクタンスが同じ値になった場合は、抵抗分だけになる。したがって、Cgs,LgからなるインピーダンスZgに流れるゲート電流igは、接続点Sを基準にしたCfの電圧Vcfに対し、進み又は遅れ、もしくは同相の位相になる。ここで、キャパシタCgsのリアクタンスがLgのリアクタンスより大きい場合、即ち容量性の場合、接続点Sを基準にしたCfの電圧Vcfに対し、ゲート電流igは進みとなり、Cgsの両端電圧であるゲートとソース間の電圧Vgsも進む。
【0021】
ここで、図4のように点灯回路に印加する直流電圧が変動した場合におけるゲート回路の動作を説明する。例えば、図1の放電管1がフィラメントを備えた通常の蛍光ランプでは、直流電圧が増加すると、蛍光ランプの等価抵抗RLが減少し、図1の共振負荷回路上の合成容量が大きくなり、合成容量と共振用インダクタLrから決まる共振周波数foは図4のように減少する。図3のゲート回路の周波数特性を図5に示す。図5は共振周波数foが変化した場合の共振電流iLに対するゲート電圧Vgsの位相差φg,接続点Sの電圧Vs、即ちインバータの出力電圧に対する共振電流iLの位相差φ及び動作周波数fsを示す。図6はゲート電圧Vgs及び共振電流iL,接続点Sの電圧Vsの波形を示している。図5より、共振周波数foが高くなると位相差φgはφg1からφg2に小さくなっている。これは、図3のCgs,Lgから構成される直列回路のインピーダンスZgが容量性の場合、共振周波数foの増加によってゲートのインピーダンスが誘導性に近づくからである。これにより、直列回路に流れるゲート電流igは遅れ、Cgsの両端電圧であるゲートとソース間の電圧Vgsも図6の破線で示す波形から実線の波形のように遅れ、位相差φgは小さくなる。又、図6のように接続点Sの電圧Vsも破線の波形から実線の波形のように遅れ、位相差φは図5のφ1からφ2のように小さくなる。
【0022】
一方、動作周波数fsは、図1のような自励式の点灯回路の場合、図5のように負荷の共振周波数が高くなると共に高くなる。しかし、前述のように位相差φはφ1からφ2に小さくなる為、図7に示す位相差φと動作周波数fsの関係より、fsはfs1からfs2へ僅かに高くなる程度で、動作周波数fsの増加は抑制される。即ち共振周波数の変化Δfoに対する動作周波数の変化Δfsを小さくするように、位相差φgは自動調整される。直流電圧の変化は出来るだけ小さくなるようにキャパシタC1の容量を設定するが、キャパシタC1は点灯回路に使用される部品の中で比較的形状が大きい為、容量を小さくし小型化することが望まれる。このようにキャパシタC1の容量を小さくした場合、直流電圧の変化は大きくなるが、上述の動作によって直流電圧及び負荷変動に対応して、自励動作を安定に持続することができる。
【0023】
次に、放電管の明るさを調整する方法について説明する。近年、照明器具には任意に明るさを調整できる調光機能を搭載した点灯装置がある。放電管の明るさを調整するには、放電管に流れる電流の大きさを変えることで達成できる。共振負荷回路では、点灯回路の動作周波数fsと共振電流iLの関係は図8のようになり、動作周波数fsを共振インダクタ及びキャパシタで決まる共振周波数foに対して高くするほど、放電管の電流は減少する。この原理に基づき、点灯回路では動作周波数fsを制御して調光を行っている。白熱電球の調光に関しては、トライアックを用いた調光器で交流電源ACの流通角を制御し電球へ供給する電力を調整して行う。本発明によれば、インバータを用いた点灯回路において、例えば調光器で流通角を制御したACに応じて直流電圧を出力するコンバータを用いると、この直流電圧の変化に対応して放電管の明るさを調整することができる。直流電圧が変化すると図4に示したように、負荷の共振周波数も変化する。前述では、この共振周波数の変化に対する動作周波数の変化を小さくするようにゲート電圧の位相差φgを調整し、自励動作を持続させた。ここで説明する調光を目的とした点灯回路では、共振周波数foの変化に対し動作周波数fsの変化を大きくすることによって放電管の調光を行う。
【0024】
図9に調光を実現するゲート回路の構成を示す。図9は図3のインダクタLgに並列にキャパシタCgを設けたゲート回路の構成であり、ツェナーダイオードがオフしている場合を示している。図3と図9で、同様の部品については、図3で前述しており、ここでの説明は省略する。図9において、キャパシタCgs,Cg及びインダクタLgの合成リアクタンスは、Cgs,CgとLgの大きさ及び周波数の関係から容量性又は誘導性、又は抵抗分だけになる。したがって、ゲート回路に流れる電流igは、接続点Sを基準にしたCfの電圧Vcfに対し、進み又は遅れ、もしくは同相の位相になる。ここで、共振周波数が増加するに従いキャパシタCgのリアクタンスXcは減少し、インダクタLgのリアクタンスXLは増加する。リアクタンスXcがXLよりも小さくなった場合、ゲート回路の合成インピーダンスは容量性となり、接続点Sを基準にしたCfの電圧Vcfに対し、ゲート回路に流れる電流iLは進む。これによってCgsの両端電圧であるゲートとソース間の電圧Vgsも進み位相となり、共振電流iLに対する位相差φgは大きくなる。このように、インダクタLgに並列にキャパシタCgを接続することにより、共振周波数が増加した場合、図10のようにゲート電圧の位相差φgを増加させて、位相差φを大きくすることができる。即ち、この位相差φの増加は、動作周波数fsを高くするため、共振周波数の変化Δfoに対する動作周波数の変化Δfsを大きくすることができる。又、本発明の図9のようなゲート駆動回路は共振負荷回路上に接続したキャパシタCfの電圧を用いたことにより、共振周波数が増加した場合、キャパシタCfのリアクタンスは減少しCfの電圧Vcfも減少する。Vcfとゲート電圧Vgsは比例関係にあり、 Vcfの減少によってVgsも減少する。図11に共振周波数foの変化によってゲート電圧の振幅が大きくなった場合と小さくなった場合の動作波形を示す。図11において、共振周波数foが低い場合の動作波形は破線で示しており、ゲート電圧Vgsの振幅は大きくなる。Vgsが大きいと接続点Sの電圧Vsと共振電流iLの位相差φは小さくなる。一方、共振周波数foが高くなると、実線のような動作波形となり、ゲート電圧Vgsの振幅は小さくなる。Vgsが小さくなると位相差φは大きくなる。共振負荷回路上のキャパシタCfの電圧を帰還してゲート駆動を行う本発明は、従来の帰還トランスを用いたゲート駆動と異なり、共振周波数foの増加時にゲート電圧を減少させて位相差φを大きくし、動作周波数fsを高くするに働く。以上を整理すると、図9のようなゲート回路にすることによって、ゲート電圧の位相差φgを調整し、更にキャパシタCfを用いてゲート電圧Vgsの振幅を調整することによって、共振周波数の変化Δfoに対し、動作周波数の変化Δfsを大きくして調光を行う。
【0025】
前述の実施例における始動は、共振負荷回路上に接続したキャパシタCfを直流電圧に応じて充電し動作を開始させる回路構成であった。これに対し、キャパシタCf以外に始動用キャパシタを用いた点灯回路を図12に示す。図12は図1に始動用キャパシタCsを接続した構成であり、図1と図12で、同様の部品については、図1で前述しており、ここでの説明は省略する。始動用キャパシタCsは接続点Gと接続点F間にインダクタLgと直列に接続される。キャパシタC1の正電極と接続点G間には抵抗R1を接続し、接続点SとキャパシタC1の負電極間には抵抗R2を接続する。又、キャパシタCfには、並列に抵抗Rdが接続される。始動時、直流電圧の増加と共に抵抗R1,R2,Rdを介して始動用キャパシタCsを充電し、ゲートとソース間には、始動キャパシタCsの電圧とほぼ同等の電圧が印加される。ゲートとソース間の電圧が、スイッチング素子Q1の閾値電圧を上回るとQ1はオンし、接続点Sから接続点Fに向かって電流が流れ、接続点Fの電圧即ちキャパシタCfの電圧は減少する。ここで、接続点Fと接続点S間に接続されているキャパシタCf及び始動用キャパシタCs,キャパシタCgs,インダクタLgはLC共振回路を構成している為、キャパシタCsとCfの僅かな電圧変化によって、LC共振回路に流れる電流は増加し、ゲートとソース間の電圧振幅は増加する。このような発振現象によって、スイッチQ1及びQ2が交互にスイッチング動作を開始する。動作開始後、キャパシタ Cfに並列接続した抵抗Rdは、Cfに発生する電圧の直流成分を小さくする効果があり、動作に悪影響を与えることはない。即ち、RdはCfに発生する正負の電圧振幅を揃え、上下スイッチング素子の導通期間を同等にして点灯回路の動作を安定に持続させる。始動用キャパシタを用いた実施例は前述の構成以外にも変形が可能であり、図12の接続点Gと接続点S間に抵抗と直列にCsを接続した構成でも構わない。
【0026】
図13は接続点Sと接続点F間にキャパシタCfと直列に始動用インダクタ Lsを接続した点灯回路である。前述ではキャパシタCf又は始動用キャパシタCsの僅かな電圧変化を始動パルスとし、ゲートとソース間の電圧振幅を増加させたが、図13のように始動用インダクタLsを用いることによって、Lsに流れる微少な電流で大きな誘起電圧を得ることができ、確実な始動が可能である。動作開始後はキャパシタCfのリアクタンスを始動用インダクタLsのリアクタンスより遥かに大きい値に選択することによって、自励動作に悪影響を与えることはない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、点灯装置の高周波動作が安定になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による点灯回路の第1の実施例。
【図2】図1のツェナーダイオードが導通状態にある場合のゲート回路。
【図3】図1のツェナーダイオードが導通状態にない場合のゲート回路。
【図4】図1の直流電圧変化に対する放電管の等価抵抗及び共振周波数の関係を示すグラフ。
【図5】図1のゲート回路の共振周波数に対する共振電流対ゲート電圧の位相差とインバータ出力電圧対共振電流の位相差及び動作周波数の関係を示すグラフ。
【図6】図1の実施例の動作説明図。
【図7】図1の実施例の動作周波数に対するインバータ出力電圧対共振電流の位相差の関係を示すグラフ。
【図8】共振負荷回路における点灯回路の動作周波数と共振電流の関係を示すグラフ。
【図9】本発明による調光用のゲート回路。
【図10】図9のゲート回路の共振周波数に対する共振電流対ゲート電圧の位相差とインバータ出力電圧対共振電流の位相差及び動作周波数の関係を示すグラフ。
【図11】図9のゲート回路の動作説明図。
【図12】本発明による点灯回路の第2の実施例。
【図13】本発明による点灯回路の第3の実施例。
【符号の説明】
1…放電管、AC…交流電源、DB…整流回路、Q1,Q2…パワーMOSFET、ZD1,ZD2…ツェナーダイオード、Zg…インピーダンス、C1,C2, Cd,Cr,Cf,Cgs,Cg,Cs…キャパシタ、Lg,Lr,Ls…インダクタ、R1,R2,Rd…抵抗。
Claims (10)
- 直流電源の正極と負極間に相補的に直列接続された第一,第二の半導体スイッチング素子のスイッチングに応じて、共振手段に接続された放電管に交流電流を供給する点灯装置であって、
第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子と基準端子はそれぞれ互いに共通点で接続され、
第一,第二の半導体スイッチング素子の基準端子が共通に接続された接続点と前記直流電源の少なくとも一方の極間に、前記放電管を接続した共振手段と、前記共振手段に流れる電流に同期した電圧を発生する第一のキャパシタと、を直列に接続し、
前記第一のキャパシタの電圧を、前記共振手段の周波数変化に応じて位相をシフトする位相シフト手段を介して、前記第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子に印加することを特徴とする点灯装置。 - 請求項1において、前記位相シフト手段は、第一のインダクタであり、前記第一のインダクタと前記第一のキャパシタから構成されるゲート駆動回路を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項2において、前記第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子と基準端子間に、制御端子の電圧変化を制限する第二のキャパシタを備え、前記第一,第二のキャパシタと前記第一のインダクタから構成されるゲート駆動回路を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項3において、前記第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子と基準端子間に、制御端子の電圧を許容値以下に制限するクランプ手段を備え、前記クランプ手段と第一,第二のキャパシタ及び前記第一のインダクタから構成されるゲート駆動回路を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項4において、前記第一,第二の半導体スイッチング素子の基準端子共通接続点と前記直流電源の少なくとも一方の極間に、第三のキャパシタを備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項5において、前記第一のキャパシタに始動電圧を印加するための始動手段を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項2において、前記第一のインダクタに並列に第四のキャパシタを備え、前記第一,第四のキャパシタと前記第一のインダクタから構成されるゲート駆動回路を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項2において、前記直流電源の正極と負極間に抵抗を介して接続された始動用キャパシタを備え、前記始動用キャパシタの電圧を前記第一,第二の半導体スイッチング素子の制御端子と基準端子間に印加することを特徴とする点灯装置。
- 請求項2において、前記第一のキャパシタと直列に第二の始動用インダクタを備え、前記第一,第二のインダクタと前記第一のキャパシタから構成されるゲート駆動回路を備えることを特徴とする点灯装置。
- 請求項1記載の点灯装置と、前記放電管として無電極蛍光ランプと、を備える照明器具。
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