JP3757622B2 - レーザダイオード駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動装置に係り、特に高速に自動光量制御動作を行うレーザダイオード駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動装置においては、自動光量制御動作と称される期間に、レーザダイオードの光出力をホトダイオードなどの光検出器を用いてモニタ電圧に変換し、変換後のモニタ電圧と目標とする光量に対応する基準電圧とを誤差検出器によって比較することにより、レーザダイオードの光量として目標光量を得るための駆動電流制御電圧を得る。また、外部からの入力信号に基づいてレーザダイオードの変調を行う変調期間には、前記自動光量制御動作により設定された駆動電流制御電圧を用いてレーザダイオードの光出力を変調する。
【0003】
ところで、図12には、複数のフィードバックループを用いてレーザダイオード201の光量を異なる複数の目標レベルに調整するレーザダイオード駆動装置200が示されている。このレーザダイオード駆動装置200では、レーザダイオード201のしきい電流に応じて固定的に供給されるバイアス電流と、入力信号に応じて変調される変調電流の2種類の電流をそれぞれ自動調整するために、スイッチ手段214A、214Bを用いて2つのフィードバックループを選択制御している。
【0004】
ここで、図12を用いて、スイッチ手段214A、214Bの切替えにより選択される各動作モードについてそれぞれ説明する。
【0005】
図12に示すレーザダイオード201の最大光量を設定する第1の自動光量制御動作は、スイッチ手段214Aを閉じスイッチ手段214Bを開くことにより実行される。この時、光検出器202が出力する光モニタ電流を可変抵抗器222により電流−電圧変換し、該変換で得られたモニタ電圧VMをバッファ手段211Aを介して誤差検出器212の反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路209Aを構成する可変抵抗器210Aにより発生した基準電圧VR1を、スイッチ手段230A及びバッファ手段211Bを介して誤差検出器212の非反転入力端子に入力する。両端の電圧の比較により誤差検出器212が出力する誤差電圧VC1は、スイッチ手段214A及びバッファ手段216Aを介して駆動電流出力回路217Aに入力され、該駆動電流出力回路217Aにより電流に変換される。この変換後の電流は、駆動電流出力回路217Bが出力するバイアス電流に重畳され、重畳された合成電流でレーザダイオード201が駆動される。そして、レーザダイオード201の出力光が所望する最大光量で安定になった時に、サンプルホールド回路213Aを構成するスイッチ手段214Aを開き、最大光量に相当する駆動電流を設定するための変調電流制御電圧VC1をコンデンサ215Aに保持する。
【0006】
次に、レーザダイオード201のしきい電流に相当するバイアス電流を設定する第2の自動光量制御動作について説明する。第2の自動光量制御動作は、スイッチ手段214Bを閉じ、スイッチ手段214Aを開くことにより実行される。この時、光検出器202が出力する光モニタ電流を可変抵抗器222により電流−電圧変換し、該変換で得られたモニタ電圧をバッファ手段211Aを介して誤差検出器212の反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路209Bを構成する可変抵抗器210Bにより発生した基準電圧VR2を、スイッチ手段230B及びバッファ手段211Bを介して誤差検出器212の非反転入力端子に入力する。両端の電圧の比較により誤差検出器212が出力する誤差電圧VC2は、スイッチ手段214B及びバッファ手段216Bを介して駆動電流出力回路217Bに入力され、該駆動電流出力回路217Bにより電流に変換される。この変換後の電流は、駆動電流出力回路217Aが出力する変調電流に重畳され、重畳された合成電流でレーザダイオード201が駆動される。そして、レーザダイオード201の出力光が所望する光量で安定になった時に、サンプルホールド回路213Bを構成するスイッチ手段214Bを開き、所望の光量に相当する駆動電流を設定するためのバイアス電流制御電圧VC2をコンデンサ215Bに保持する。
【0007】
第1の自動光量制御動作と第2の自動光量制御動作とを繰り返し行うことにより、サンプルホールド回路213Bが保持するバイアス電流制御電圧VC2で制御されるバイアス電流は、レーザダイオード201のしきい電流に徐々に近似される。一方、サンプルホールド回路213Aが保持する変調電流制御電圧VC1で制御される変調電流は最大光量に相当する電流に近似される。
【0008】
ところで、演算増幅器から構成される誤差検出器212には、図12に示すように例えば抵抗器224とコンデンサ225の直列回路で構成された位相補償回路223が設けられており、コンデンサ225の容量値は、レーザダイオード201とモニタ用の受光器202、受光器出力電流を電圧に変換する抵抗器222を含む負帰還ループの位相遅れとループゲインに応じて調整されている。このような位相補償回路223は、誤差検出器212の位相補償を行う。
【0009】
このように負帰還の制御系において位相補償回路を設ける技術としては、特開平5−113802号公報に、駆動対象の動作状態を検出部により検出し、該検出出力を比較部にて基準値と比較して誤差信号を得て、該誤差信号を制御部へ印加して負帰還制御を行う際に、比較部と制御部との間に位相補償回路に相当する時間制御部を設け、該時間制御部によって時間特性を変えた誤差信号を制御部へ入力することにより、負帰還の制御系において時定数を充分大きな値に設定しても、自動調整時の負帰還の安定化を図る技術が開示されている。
【0010】
しかしながら、図12に示すレーザ駆動電流出力回路200の場合、第1の自動光量制御動作から第2の自動光量制御動作に切り替わった際に、誤差検出器212の出力電圧は最大光量に相当する電圧VC1であり、整定すべき目標電圧が最小光量に相当する電圧VC2であるので、誤差検出器212の出力電圧が電圧VC1から電圧VC2に整定するまでに多くの時間を要する。特に、誤差検出器212の位相補償手段223に関して、対象となるフィードバックループが光−電流変換経路を含み、時定数が長い系であるので、安定化のため位相補償手段内部に数百pFから数nFの位相補償容量を備えなければならない。
【0011】
このように位相補償容量が大きくなると、それだけ電圧VC1から電圧VC2に切り替わるのに位相補償容量を充電しなければならず、目標の制御状態に落ち着かせるには、第2の自動光量制御に数μ秒から数十μ秒の整定時間が必要となる。上記特開平5−113802号公報の技術でも、負帰還の制御系において時定数を充分大きな値に設定しているので、多くの整定時間を要するという同様の問題を有している。
【0012】
また、変調動作から第1の自動光量制御動作に切り替わった際に、変調動作でレーザダイオード201が低光量で発光しているか又は消灯していた場合、誤差検出器212の非反転入力端子への入力電圧は反転入力端子への入力電圧に対して著しく低くなるので、誤差検出器212の出力電圧は電源電圧側に振り切れるおそれがある。従って、第1の自動光量制御動作に切り替わった際に、電源電圧に近い電圧から目標とする制御電圧VC1に整定するまでに多くの時間を要する上に、誤差検出器212の出力電圧が電源電圧側に振り切れた場合には、電流出力回路217A、217Bから過大な電流がレーザダイオード201に流れるおそれがある。
【0013】
ところで、単一のフィートバックループを用いてレーザダイオードの光量を単一の目標レベルに調整するレーザダイオード駆動装置においても、上記同様の問題があった。
【0014】
図13はレーザダイオードの光量を単一の目標レベルに調整するレーザダイオード駆動装置の回路ブロック図である。この図13において、自動光量制御動作は、スイッチ手段270A、270B、263を閉じ、スイッチ手段270C、270Dを開くことにより行う。この時、光検出器252が出力する光モニタ電流を可変抵抗器269により電流−電圧変換し、そのモニタ電圧VMはバッファ手段260A、スイッチ手段270Aをそれぞれ介して誤差検出器261の反転入力端子に入力されると共に、基準電圧発生回路258を構成する可変抵抗器259により発生した基準電圧VRはバッファ手段260B、スイッチ手段270Bをそれぞれ介して誤差検出器261の非反転入力端子に入力される。そして、誤差検出器261によりモニタ電圧VMと基準電圧VRとが比較される。誤差検出器261が出力する誤差電圧はスイッチ手段263及びバッファ手段265を介して入力される駆動電流出力回路267でレーザ駆動電流に変換され、バイアス電流と加算した駆動電流でレーザダイオード251を発光させる。レーザダイオード251の光量は、可変抵抗器269によるモニタ電圧VMの調整もしくは基準電圧発生回路258で発生される基準電圧VR1の調整によって目標の光量に調整される。レーザダイオード251の光量が所望の光量で安定化した時にスイッチ手段263が開き、その時の制御電圧VCがコンデンサ264に保持される。
【0015】
しかしながら、自動光量制御の開始直前にレーザダイオードが消灯もしくは低光量で発光している場合、光検出器が出力する光モニタ電流が数十μA〜数百μAと小さくこれを電圧に変換する負荷抵抗器の抵抗値を大きくする必要があるので、CR時定数により位相遅れが生じ、自動光量制御動作が開始され、レーザダイオードが最大光量で発光した場合に、それに対応するモニタ電圧に収束するまでの時間が長くなる。そのため、図13に示す誤差検出器261の反転入力端子に入力されるモニタ電圧が基準電圧VRと比較して低くなり、レーザダイオード251を駆動する制御電圧が高くなるので、レーザダイオード251に過大な駆動電流が流れたり、自動光量制御時間が長くなる要因になっていた。
【0016】
図14(A)、(B)、(C)はこれを説明するための波形図である。図14(A)、(B)、(C)において期間P1、P3は変調期間、期間P2、P4は自動光量制御期間をそれぞれ示し、図14(A)の波形は光検出器252により検出されるモニタ電圧VMを、図14(B)の波形はサンプルホールド回路262が出力する制御電圧VHを、図14(C)の波形はレーザダイオード251に流れる駆動電流Iを、それぞれ示している。
【0017】
変調動作期間P3から自動光量制御動作期間P4に移行する際、モニタ電圧VMはレーザダイオード251の出力に応じて変動する応答速度が遅いために自動光量制御動作期間P4の直前にレーザダイオード251が消灯していた場合、図14(A)のP4に示すように、自動光量制御動作が開始されてもモニタ電圧VMが上がるのに時間がかかるので、誤差検出器261の出力電圧VHは、基準電圧VRとの比較により光量を増大させる方向に上昇し、図14(C)に示すように、レーザ駆動電流Iも目標駆動電流を超えて上昇する。そのため、自動光量制御動作を完了するのに必要な時間も長くなる。
【0018】
これを解決するために、自動光量制御動作の直前にレーザダイオードを最大光量で発光させる方法が考えられる。図14(A)のP1に示すように自動光量制御動作期間P2の直前にレーザダイオード251を最大光量で発光させれば、誤差検出器261の出力電圧VHの変動を小さくすることができるので、図14(C)に示すようにレーザ駆動電流Iの変動も小さくすることができる。
【0019】
ところが、自動光量制御動作を開始する前にレーザダイオードを最大光量で発光させるシーケンスを必ず組み入れるということは、毎回必ず光モニタ電圧が整定する時間を自動光量制御動作の前に設けなければならず、その分、変調動作期間が短くなってしまう。
【0020】
上記のようにレーザダイオードの出力光をフォトダイオードで受光し該受光量に応じた電圧出力をサンプルホールド回路により保持する技術としては、特開平9−45980号公報に、レーザパワー調整期間の直前所定期間で演算増幅器によってバッファアンプを構成して仮の駆動電圧を入力することで演算増幅器の状態を能動状態に保持し、上記仮の駆動電圧をレーザパワー調整期間における駆動電圧の最終目標値に近いレベルに設定することで、レーザパワー調整期間で比較出力が発光開始レベルとなって正常なループ応答動作に移行するまでの時間を短縮する技術が開示されている。
【0021】
また、特開昭62−243137号公報には、光記憶媒体にデータを記録するためのレーザビームを発生するレーザダイオードの出力をフィードバックして該レーザダイオード素子の出力を所定値に制御する制御方式において、記録動作時以前には、フィードバック量を上記所定値に対応した値に固定することにより、レーザダイオードに過大な駆動電流が供給されることを防止する技術が開示されている。
【0022】
上記のうち特開平9−45980号公報記載の技術では、具体的には、演算増幅器により構成された図15の比較器292の出力(レーザダイオード制御電圧)と仮の駆動電圧(サンプルホールド回路290の出力)とを略一致させるために、比較器292にフォトダイオード294の出力(サンプルホールド回路290の出力)を入力し、該比較器292の出力とフォトダイオード294の出力とを一致させる構成となっている。ところが、実際には自動光量制御動作時に比較器292は、フォトダイオード294の出力と基準電圧ERRとの差を増幅するため、比較器292の出力と自動光量制御動作の終了時のレーザダイオード制御電圧とは一致しなくなる。よって、精度の高い駆動制御は困難である。一方の特開昭62−243137号公報記載の技術も、図16のサンプルホールド回路296と比較器298の構成は上記と同様であるため、同様の問題点を有している。
【0023】
本発明は、上記問題点を解消するために成されたものであり、変調動作から自動光量調整動作へ移行するときや、所定の光量基準値に基づく自動光量調整動作から他の光量基準値に基づく自動光量調整動作へ移行するときに、誤差増幅器の出力電圧の変動を小さくして、安定的な動作の移行及び自動光量調整動作に要する時間の短縮を図ることができるレーザダイオード駆動装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のレーザダイオード駆動装置は、レーザダイオードからのレーザ光を受光し該受光量に応じた検出値を出力する受光検出手段と、前記受光検出手段により出力された検出値と所定の基準値とを比較して誤差増幅する誤差増幅手段と、前記誤差増幅手段による誤差増幅後の出力値を保持する保持手段と、前記保持手段により保持された前記出力値に基づいて前記レーザダイオードを駆動する駆動手段と、を有するレーザダイオード駆動装置において、前記レーザダイオードの発光量の検出値が前記所定の基準値に等しくなるときの該レーザダイオードの駆動電流値を設定するための光量制御期間に、前記誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する位相補償手段を設けたことを特徴とする。
【0025】
上記請求項1記載のレーザダイオード駆動装置では、受光検出手段がレーザダイオードからのレーザ光を受光し該受光量に応じた検出値を出力し、出力された検出値が誤差増幅手段に入力される。そして、誤差増幅手段が該検出値と所定の基準値とを比較して誤差増幅し、保持手段が該誤差増幅後の出力値を保持する。なお、ここでの保持手段としては、例えばコンデンサを採用することができ、誤差増幅手段から出力された誤差増幅後の出力電圧を該コンデンサに保持すれば良い。
【0026】
そして、駆動手段は、保持された出力値に基づいてレーザダイオードを駆動する。例えば、駆動手段は、コンデンサに保持された出力電圧をレーザダイオードの駆動電流に変換し、得られた駆動電流をレーザダイオードに供給することにより、該レーザダイオードを駆動する。
【0027】
このようなレーザダイオード駆動装置では、レーザダイオードの発光量の検出値が所定の基準値に等しくなるときの該レーザダイオードの駆動電流値を設定するための光量制御期間が設けられている。この光量制御期間に、位相補償手段は、誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する。
【0028】
よって、光量制御期間が終了した時点では、光量制御期間の終了直前の誤差増幅手段の内部電圧が位相補償手段に保持されている。その後、例えば画像データに基づくレーザ光の変調を行う変調期間を経て、再度光量制御期間になると、位相補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続されるが、このとき、該位相補償手段には前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されている。
【0029】
好ましくは、誤差増幅手段は、光量制御期間にオンとなる切替手段と、該切替手段を介して誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する補償手段とを含んで構成するのが良い。
【0030】
この場合、光量制御期間では、切替手段がオンとなり、補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行う。なお、この補償手段としては、例えば、直列接続されたコンデンサと抵抗器により構成されたCR回路を採用しても良いし、コンデンサのみで構成しても良い。最初の位相補償ではコンデンサに位相補償容量の電荷が充電される。そして、光量制御期間が終了すると、切替手段がオフとなり、補償手段が光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧を保持する。その後、再度光量制御期間になると、切替手段がオンとなり、補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続される。このとき、補償手段には既に前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されている。
【0031】
このように光量制御期間の開始時点で、位相補償手段は、前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧を保持しているので、改めて位相補償容量と誤差増幅手段の内部電圧に応じた電荷の充電を行う必要が無い。これにより、光量制御動作に要する時間を短縮することができると共に、誤差増幅手段の出力電圧の変動を小さくして安定的な光量制御動作への移行を図ることができる。
【0032】
なお、上記誤差増幅手段内の所定箇所としては、例えば、誤差増幅手段の出力段の入力と出力との間を採用することができる。この場合、内部電圧として光量制御期間の終了直前の前記出力段の電圧が保持される。但し、本発明は、例えば、図7に示すように、ゲインの重畳により誤差増幅器全体のゲインを増加させるべく、差動増幅器90A、シフト段90B及び出力段90Cの3段で構成された誤差増幅器90にも適用可能であり、位相補償手段23を、シフト段90Bの出力S0と出力段90Cの入力N0との間に設けても良い。このように本発明の適用範囲は、誤差増幅器の構成や位相補償手段の接続場所により限定されるものではない。
【0033】
ところで、レーザダイオードの発光量の基準値として複数の基準値が設けられることがある。複数の基準値としては、例えば、レーザダイオードの最大光量と最小光量(しきい電流に対応する光量と最大光量との間の任意の光量)とを採用することが多い。
【0034】
以下の請求項2記載のレーザダイオード駆動装置は、レーザダイオードの発光量の基準値として複数の基準値が設けられたレーザダイオード駆動装置である。この請求項2記載のレーザダイオード駆動装置は、レーザダイオードからのレーザ光を受光し該受光量に応じた検出値を出力する受光検出手段と、前記受光検出手段により出力された検出値と所定の複数の基準値の各々とを比較して誤差増幅する誤差増幅手段と、前記誤差増幅手段による誤差増幅後の出力値を保持する保持手段と、前記保持手段により保持された前記出力値に基づいて前記レーザダイオードを駆動する駆動手段と、を有するレーザダイオード駆動装置において、前記レーザダイオードの発光量の検出値が各基準値に等しくなるときの該レーザダイオードの駆動電流値を設定するための各基準値毎の光量制御期間に、前記誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する各基準値毎の位相補償手段を設けたことを特徴とする。
【0035】
この請求項2記載のレーザダイオード駆動装置では、上記請求項1記載のレーザダイオード駆動装置と同様に、1つの基準値に関する第1の光量制御期間に、該基準値に対応した位相補償手段が、誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する。
【0036】
その後、他の基準値に関する光量制御期間や、例えば画像データに基づくレーザ光の変調を行う変調期間を経て、再度第1の光量制御期間になると、該基準値に対応した位相補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続される。このとき、該位相補償手段には既に前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されている。
【0037】
好ましくは、誤差増幅手段は、各基準値毎の光量制御期間にオンとなる各基準値毎の切替手段と、各基準値毎の切替手段を介して該誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する各基準値毎の補償手段と、を含んで構成するのが良い。
【0038】
この場合、1つの基準値に関する第1の光量制御期間になると、該基準値に対応した切替手段がオンとなり、該基準値に対応した補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行う。最初の位相補償では補償手段(コンデンサ等)に位相補償容量の電荷が充電される。そして、この第1の光量制御期間が終了すると、切替手段がオフとなり、補償手段が第1の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧を保持する。その後、他の基準値に関する光量制御期間や、例えば画像データに基づくレーザ光の変調を行う変調期間を経て、再度第1の光量制御期間になると、上記切替手段がオンとなり、補償手段が誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続される。このとき、補償手段には既に前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されている。
【0039】
以上のように、再度第1の光量制御期間になったときに、位相補償手段には既に前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されているので、改めて位相補償容量と誤差増幅手段の内部電圧に応じた電荷の充電を行う必要が無く、光量制御動作に要する時間を短縮することができると共に、誤差増幅手段の出力電圧の変動を小さくして安定的な光量制御動作への移行を図ることができる。同様に、他の基準値に関する光量制御期間に関しても、光量制御動作に要する時間の短縮及び安定的な光量制御動作への移行を図ることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、請求項1、2に記載の発明に係る第1実施形態を説明する。
【0055】
図1には、複数のフィードバックループを用いてレーザダイオード1の光量を異なる複数の目標レベルへと各フィードバックループ毎に調整するレーザダイオード駆動装置35の構成が示されている。
【0056】
このレーザダイオード駆動装置35には、2つの基準電圧発生回路9A、9Bが設けられており、基準電圧発生回路9Aは可変抵抗器10Aにより電源電圧を分圧し所望の基準電圧VR1を得、基準電圧発生回路9Bは可変抵抗器10Bにより電源電圧を分圧し所望の基準電圧VR2を得ている(なお、基準電圧VR1、VR2は基準電圧VRと総称する)。これら基準電圧VR1、VR2の何れかがスイッチ手段30A、30Bの開閉により選択され、選択された基準電圧に応じた基準信号がバッファ手段11Bを介して誤差増幅器12の非反転入力端子に入力される。
【0057】
また、レーザダイオード駆動装置35にはレーザダイオード1が設けられており、このレーザダイオード1が出力するレーザ光は光検出器2により受光される。該光検出器2が出力する光モニタ電流は可変抵抗器22により電流−電圧変換され、変換で得られたモニタ電圧VMに応じたモニタ信号がバッファ手段11Aを介して誤差増幅器12の反転入力端子に入力される。
【0058】
誤差増幅器12では、選択された基準電圧とモニタ電圧VMとで誤差増幅が行われ、誤差増幅後の信号(以下、誤差増幅信号と称する)はサンプルホールド回路13A、13Bに入力される。サンプルホールド回路13Aは、一端が誤差増幅器12の出力端に接続されたスイッチ手段14Aと、該スイッチ手段14Aの他端に接続され且つ接地されたコンデンサ15Aとにより構成されており、スイッチ手段14Aが閉じた場合、誤差増幅器12からの誤差増幅信号がバッファ手段16Aを介して駆動電流出力回路17Aに入力される。
【0059】
また、サンプルホールド回路13Bはサンプルホールド回路13Aと同様に構成され、サンプルホールド回路13B内のスイッチ手段14Bが閉じている場合に、誤差増幅器12からの誤差増幅信号がバッファ手段16Bを介して駆動電流出力回路17Bに入力される。
【0060】
駆動電流出力回路17Aで発生する駆動電流I1及び駆動電流出力回路17Bで発生する駆動電流I2の各々は、異なる自動光量制御期間において、上記モニタ電圧VMが基準電圧VRに一致するよう調整することで任意のレーザ光量に設定される。一方、変調期間においては、駆動電流I1は信号入力端子3A、3B、3C、3Dから入力される強度変調データ信号に応じて16段階に強度変調され、他方の駆動電流I2と電流加算されて、加算後の駆動電流Iによってレーザダイオード1が発光駆動される。
【0061】
ここで、駆動電流出力回路17Aの構成(図4)及び信号入力回路19の構成(図5)を説明する。なお、図5において、入力信号IN1、IN2、IN3、IN4が図1、図4の入力端子3A、3B、3C、3Dから信号入力回路19へ入力される信号にそれぞれ対応し、入力信号PWMが入力端子4から信号入力回路19へ入力されるパルス幅変調信号に対応する。また、正転信号OUT1、OUT2、OUT3、OUT4は、図1、図4の差動スイッチ信号群20Aに対応し、反転信号OUT1’、OUT2’、OUT3’、OUT4’は、図1、図4の差動スイッチ信号群20Bに対応する。
【0062】
図5に示す信号入力回路19では、入力された強度変調信号IN1がインバータ19A、19Bを介して論理積回路19Cに入力される。また、入力されたパルス幅変調信号PWMもインバータ19J、19Kを介して論理積回路19Cに入力される。論理積回路19Cによる強度変調信号IN1とパルス幅変調信号PWMとの論理積結果を表す信号は、論理積回路19Cの出力端で反転した後、インバータ19D、19E、19Fを介して正転信号OUT1として出力される。また、上記論理積結果を表す信号は、論理積回路19Cの出力端で反転した後、インバータ19D、19G、19H、19Iを介して反転信号OUT1’として出力される。
【0063】
なお、他の強度変調信号IN2、IN3、IN4についても同様に、パルス幅変調信号PWMとの論理積が取られ、論理積結果に対応した正転信号、反転信号が出力される。また、出力される正転信号、反転信号は互いに反転している。
図4に示す駆動電流出力回路17Aには、一対のMOS型トランジスタで構成されたトランジスタ対41A、41B、41C、41Dが設けられており、各トランジスタ対の図4において左側のトランジスタのドレインはレーザダイオード1に接続され、右側のトランジスタのドレインは電源VDDに接続されている。
【0064】
左側のトランジスタのゲートには差動スイッチ信号群20Aの各信号が一対一対応でそれぞれ入力され、右側のトランジスタのゲートには差動スイッチ信号群20Bの各信号が一対一対応でそれぞれ入力される。
【0065】
トランジスタ対41Aの各トランジスタのソースは、電流源トランジスタ40A、抵抗器Rを介して接地されている。トランジスタ対41B、41C、41Dも同様に、電流源トランジスタ40B、40C、40Dにそれぞれ接続されている。
【0066】
これら電流源トランジスタ40A、40B、40C、40Dのトランジスタ比=(ゲート幅/ゲート長)は、8:4:2:1の比率となるように構成されており、各電流源トランジスタ毎にオン/オフ制御することにより、全ての電流源トランジスタをオフする場合(電流が流れない場合)を含めて電流値を16段階で切り替えられるよう構成されている。
【0067】
例えば、差動スイッチ信号群20AにおいてOUT1、OUT4のみがオンの場合(このとき差動スイッチ信号群20BではOUT2’、OUT3’のみがオンとなる)、トランジスタ対41A、41Dでは図4において左側のトランジスタがオンとなり、トランジスタ対41B、41Cでは図4において右側のトランジスタがオンとなる。このときレーザダイオード1には、電流源トランジスタ40A、40Dにより設定される電流と駆動電流出力回路17Bにより設定されるバイアス電流との合成電流が供給される。即ち、16段階のうち9(=8+1)段階目の電流とバイアス電流との合成電流によりレーザダイオード1が駆動される。
【0068】
駆動電流制御電圧42は、図1のサンプルホールド回路13Aの出力電圧VC1に相当し、該駆動電流制御電圧42で制御され電流源トランジスタ40A、40B、40C、40Dにより設定される電流は、差動スイッチ信号20A、20Bで16段階に変調され、変調後の電流は駆動電流出力回路17Bにより設定されるバイアス電流と電流加算され、加算後の電流によってレーザダイオード1を駆動する。
【0069】
レーザダイオード駆動装置35では、レーザダイオード1の最大光量を設定する第1の自動光量制御動作と、レーザダイオード1のしきい電流に相当するバイアス電流を設定する第2の自動光量制御動作とを交互に行い、2つのフィードバックループを1つの誤差増幅器12を用いて電圧制御することで、レーザダイオード1の出力光が目標光量に設定される。図1の回路では、レーザダイオード1のしきい電流に応じて固定的に供給されるバイアス電流と、入力信号に応じて変調される変調電流の2種類の電流をそれぞれ自動調整するために、スイッチ手段を用いて2つのフィードバックループを選択制御している。駆動電流出力回路17Aは、所望する最大光量に対応する電流を外部信号入力により強度変調した変調電流を出力する。また、駆動電流出力回路17Bは、レーザダイオード1のしきい電流から定められるバイアス電流をレーザダイオード1に定常的に供給する働きを持つ。このバイアス電流はレーザダイオードの点灯速度を速くする働きがある。
【0070】
また、詳細は後述するが、レーザダイオード駆動装置35の誤差増幅器12は、図3に示すCMOS演算増幅器の基本回路により構成されており、図1に示すように、この誤差増幅器12には位相補償手段23が接続されている。この位相補償手段23は、位相補償回路として、抵抗24、スイッチ手段25Aのオン抵抗及びコンデンサ26Aから成る回路と、抵抗24、スイッチ手段25Bのオン抵抗及びコンデンサ26Bから成る回路とを含んでおり、スイッチ手段25A、25Bの開閉により切り換えられる。なお、位相補償回路としては、上記のように抵抗及びコンデンサから成るCR回路に代わり、コンデンサ単体を採用しても良い。
【0071】
なお、図1において、基準電圧発生回路9A、及び9Bは可変抵抗器10A、10Bにより電源電圧を分圧し、所望する複数の基準電圧VRを得ているが、この基準電圧発生回路9A、9Bをディジタルアナログ変換回路(DAコンバータ)で構成し、発生する基準電圧値をCPU等で自動的に制御できるよう構成してもよい。
【0072】
また、図5に示す信号入力回路19と同様の回路を駆動電流出力回路17Bにも設け、駆動電流出力回路17Bが出力する駆動電流を段階的に変調してもよい。
【0073】
次に、第1の自動光量制御動作、第2の自動光量制御動作及び変調動作の各動作モードについて説明する。なお、スイッチ手段14A、14B、30A、30B、25A、25Bの開閉動作は、図示しない制御装置が出力するスイッチ信号により制御される。
【0074】
最初に、第1の自動光量制御動作について説明する。図1において、レーザダイオード1の最大光量を設定する第1の自動光量制御動作は、スイッチ手段14Aを閉じ、スイッチ手段14Bを開くことにより実行される。この時、光検出器2が出力する光モニタ電流を可変抵抗器22により電流−電圧変換し、該変換で得られたモニタ電圧VMをバッファ手段11Aを介して誤差増幅器12の反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路9Aを構成する可変抵抗器10Aにより発生した基準電圧VR1を、スイッチ手段30A及びバッファ手段11Bを介して誤差増幅器12の非反転入力端子に入力する。両端の電圧の比較により誤差増幅器12が出力する誤差電圧VC1は、スイッチ手段14A及びバッファ手段16Aを介して駆動電流出力回路17Aに入力され、該駆動電流出力回路17Aにより電流に変換される。この変換後の電流は、駆動電流出力回路17Bが出力するバイアス電流に重畳され、重畳された合成電流でレーザダイオード1が駆動される。そして、レーザダイオード1の出力光が所望する最大光量で安定になった時に、サンプルホールド回路13Aを構成するスイッチ手段14Aを開き、最大光量に相当する駆動電流を設定するための変調電流制御電圧VC1をコンデンサ15Aに保持する。この場合、駆動電流出力回路17Bが出力するバイアス電流は次に述べる第2の自動光量制御動作によりサンプルホールド回路13Bにバイアス電流制御電圧が既に保持されており、そのバイアス電流制御電圧により電流値が設定される。
【0075】
次に、レーザダイオード1のしきい電流に相当するバイアス電流を設定する第2の自動光量制御動作について説明する。第2の自動光量制御動作は、スイッチ手段14Bを閉じ、スイッチ手段14Aを開くことにより実行される。この時、光検出器2が出力する光モニタ電流を可変抵抗器22により電流−電圧変換し、該変換で得られたモニタ電圧をバッファ手段11Aを介して誤差増幅器12の反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路9Bを構成する可変抵抗器10Bにより発生した基準電圧VR2を、スイッチ手段30B及びバッファ手段11Bを介して誤差増幅器12の非反転入力端子に入力する。両端の電圧の比較により誤差増幅器12が出力する誤差電圧VC2は、スイッチ手段14B及びバッファ手段16Bを介して駆動電流出力回路17Bに入力され、該駆動電流出力回路17Bにより電流に変換される。この変換後の電流は、駆動電流出力回路17Aが出力する変調電流に重畳され、重畳された合成電流でレーザダイオード1が駆動される。そして、レーザダイオード1の出力光が所望する光量で安定になった時に、サンプルホールド回路13Bを構成するスイッチ手段14Bを開き、所望の光量に相当する駆動電流を設定するための変調電流制御電圧VC2をコンデンサ15Bに保持する。
【0076】
この場合、駆動電流出力回路17Aが出力する変調電流は、信号入力端子3A、3B、3C、3Dにより入力されるディジタル信号値Dinを1以上14以下の整数に設定し、基準電圧発生回路9により発生する基準電圧VR2を以下のようにしてディジタル信号値Dinに応じて設定する。
【0077】
例えば、Dinを10に設定した場合、基準電圧発生回路9Bが発生する電圧VR2は、最大光量を規定する基準電圧発生回路9Aが最大値Din(max)において発生する基準電圧VR1を基準として、以下の式(1)のように設定される。
【0078】
VR2=VR1×10/Din(max) ・・・(1)
上記のような第1の自動光量制御動作と第2の自動光量制御動作を繰り返し行うことにより、サンプルホールド回路13Bが保持するバイアス電流制御電圧VC2で制御されるバイアス電流は、レーザダイオード1のしきい電流に徐々に近似される。一方、サンプルホールド回路13Aが保持する変調電流制御電圧VC1で制御される変調電流は、最大光量に相当する電流に近似される。
【0079】
例えば、初期状態として駆動電流出力回路17Aの出力電流I1=0、駆動電流出力回路17Bの出力電流I2=0の状態で、自動光量制御動作を繰り返した場合について説明する。ここで、目標の最大変調電流をIs、目標のバイアス電流をIb、第2の自動光量制御での信号入力端子3A、3B、3C、3Dからのディジタル入力信号Din=5とする。1度目の第1の自動光量制御動作では、バイアス電流I2=0であるので、変調電流I1-1 は以下の式(2)のように設定される。
【0080】
I1-1 =(Is+Ib) ・・・(2)
第2の自動光量制御では、バイアス電流I2-1 は、目標駆動電流(Ib+Is/3)から、ディジタル信号入力Din=5により設定される変調電流5/15・I1-1 を差し引いて、以下の式(3)のように設定される。
【0081】
次に、2度目の自動光量制御において、変調電流I1-2 は、変調電流I1-1 からバイアス電流I2-1 を差し引いて、以下の式(4)のように設定される。
【0082】
また、バイアス電流I2-2 は、目標駆動電流から、ディジタル信号入力Din=5により設定される変調電流5/15・I1-2 を差し引いて、以下の式(5)のように設定される。
【0083】
以降、同様にして自動光量制御動作を繰り返すことにより、変調電流I1,nは目標とする変調電流Isに、バイアス電流I2,nは目標とするバイアス電流Ibに、それぞれ近づいていく。
【0084】
次に、変調動作期間について説明する。変調動作期間では、スイッチ手段14Aを開くことにより、コンデンサ15Aに蓄積された駆動電流制御電圧VC1により変調電流が発生し、該変調電流の電流値は信号入力端子3A、3B、3C、3Dより入力されるデジタル信号値Dinにより16段階に変調される。また、スイッチ手段14Bを開くことにより、コンデンサ15Bに蓄積されたバイアス電流制御電圧VC2によりバイアス電流が発生する。このバイアス電流と前記変調後の変調電流とが重畳され、重畳された電流によりレーザダイオード1が発光駆動される。
【0085】
さて、ここで、誤差増幅器12及び位相補償手段23の動作を説明する。図3には、誤差増幅器12を構成するCMOS演算増幅器の回路構成が示されている。この図3において、IN−は反転入力端子、IN+は非反転入力端子を示し、V0は電源に接続された定電流源トランジスタの電流値を決めるバイアス電圧である。位相補償手段23はこの回路構成の場合、出力電圧OUTと内部制御電圧N0の間に接続される。図1と対比すると、出力電圧OUTは端子8Aから取り出され、内部制御電圧N0は端子8Eから取り出される。
【0086】
図3の誤差増幅器12において、非反転入力端子IN+からPMOS12Aに入力された基準電圧VRと、図1のフィードバックループRPを経由して反転入力端子IN−よりPMOS12Bに入力された出力電圧OUTとが比較され、ここで例えば出力電圧OUTが基準電圧VRよりも大きければ、内部制御電圧N0は内部電圧N1よりも大きくなり、NMOS12Cにより出力電圧OUTが下げられる。このようにして出力電圧OUTが基準電圧VRに等しくなるように制御される。
【0087】
次に、位相補償について説明する。
【0088】
一般的に演算増幅器の発振条件は以下の2つである。
【0089】
(1) フィードバック内の利得が1以上であること。
【0090】
(2) フィードバック内を1回りした時の位相のずれが360°以上であること。
【0091】
本実施形態のレーザダイオード駆動装置35では、負帰還(負のフィードバック)をかけており、この構成だけで180°の遅れが発生するため、演算増幅器の発振を回避するための余裕分は180°となる。
【0092】
図3の誤差増幅器12は、差動増幅器12Sと出力段12Tの2段で構成されているので、1段目の遅れに2段目の遅れが重畳される。これをボード線図上に表すと図6(A)、(B)のようになる。このうち図6(A)では、特性A1が1段目のゲインの周波数特性を、特性A2が2段目のゲインの周波数特性を、それぞれ示しており、演算増幅器全体のゲインの周波数特性は太い破線のような周波数特性となる。また、演算増幅器全体の位相の周波数特性は図6(B)の太い破線のような周波数特性となる。なお、周波数f1は1段目のポールの位置を、周波数f2は2段目のポールの位置を、それぞれ示している。
【0093】
特性A1、A2においてゲインはポール以降、(−20db/dec)の傾きで低下するので、周波数f2以上では、演算増幅器全体のゲインは図6(A)の太い破線の特性より明らかなように数十dbとなり、演算増幅器全体の位相遅れも図6(B)の太い破線の特性より明らかなように135°以上なので、演算増幅器が発振する。
【0094】
ここで、本実施形態では、位相遅れを改善するために容量の大きなコンデンサ26A、26Bにより位相を大きく進ませている。これにより、1段目のポールの位置を低周波側f1’にずらすことにより、演算増幅器全体のゲインは図6(A)の太い実線のような周波数特性となり、周波数f2(2段目のポールの位置)でゲインを0dbにすることができ、発振を回避することができる。
【0095】
具体的に図1のレーザダイオード駆動装置35において、第1の自動光量制御動作では、スイッチ手段25Aを閉じ、スイッチ手段25Bを開くことにより、抵抗24、スイッチ手段25Aのオン抵抗及びコンデンサ26Aによって上述した位相補償を行う。そして、第1の自動光量制御動作が終了した時、サンプルホールド回路13Aを構成するスイッチ手段14Aを開くのと同じタイミングでスイッチ手段25Aを開くことにより、第1の自動光量制御動作で位相補償を行っていた時の誤差増幅器12の内部電圧がコンデンサ26Aに保持される。
【0096】
次に第2の自動光量制御動作では、スイッチ手段25Aを開き、スイッチ手段25Bを閉じることにより、抵抗24、スイッチ手段25Bのオン抵抗及びコンデンサ26Bによって上述した位相補償を行う。そして、第2の自動光量制御動作が終了した時、サンプルホールド回路13Bを構成するスイッチ手段14Bを開くのと同じタイミングでスイッチ手段25Bを開くことにより、第2の自動光量制御動作で位相補償を行っていた時の誤差増幅器12の内部電圧がコンデンサ26Bに保持される。
【0097】
その後、再度第1の自動光量制御動作の実行時になると、スイッチ手段25Aが再度閉じられるが、このときコンデンサ26Aには、前回の第1の自動光量制御動作時の内部電圧が既に保持されているので、コンデンサ26Aに改めて位相補償容量と誤差増幅器12の内部電圧に応じた電荷のチャージ等を行う必要が無く、第1の自動光量制御動作に要する時間を短縮することができる。また、誤差増幅器12の出力電圧の変動を小さくすることができ、安定的な第1の自動光量制御動作への移行を図ることができる。
【0098】
また、その後、第2の自動光量制御動作に移行したときも、上記と同様に、コンデンサ26Bには、前回の第2の自動光量制御動作時の内部電圧が既に保持されているので、コンデンサ26Bに改めて位相補償容量と誤差増幅器12の内部電圧に応じた電荷のチャージ等を行う必要が無く、第2の自動光量制御動作に要する時間を短縮できると共に、誤差増幅器12の出力電圧の変動を小さくして安定的な第2の自動光量制御動作への移行を図ることができる。
【0099】
なお、上記実施形態では、誤差増幅器12が図3のようにCMOS演算増幅器の基本回路により構成され、位相補償手段23が誤差増幅器12の出力段の入力N0と出力OUTとの間に設けられた例を説明したが、本発明は、上記以外の構成の誤差増幅器にも適用可能であり、位相補償手段の設置場所も限定されるものではない。
【0100】
例えば、図7に示すように、ゲインの重畳により誤差増幅器全体のゲインを増加させるべく、差動増幅器90A、シフト段90B及び出力段90Cの3段で構成され、位相補償手段23がシフト段90Bの出力S0と出力段90Cの入力N0との間に設けられた誤差増幅器90に対しても、本発明は適用可能である。
【0101】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態として、第1実施形態のレーザダイオード駆動装置35(図1)を更に安定化するために、変調動作期間において、誤差増幅器12の入出力電圧を一定にするための回路を付与したレーザダイオード駆動装置を説明する。
【0102】
図2に示すように、本実施形態に係るレーザダイオード駆動装置35Sでは、バッファ手段16Aの出力側がスイッチ手段21Dを介して、バッファ手段16Bの出力側がスイッチ手段21Eを介して、それぞれ誤差増幅器12の非反転入力端子に接続されており、誤差増幅器12の出力側がスイッチ手段21Cを介して該誤差増幅器12の反転入力端子に接続されている。
【0103】
また、位相補償手段23には、位相補償回路として、抵抗24、スイッチ手段25Cのオン抵抗及びコンデンサ26Cから成る回路と、抵抗24、スイッチ手段25Dのオン抵抗及びコンデンサ26Dから成る回路とが追加されている。
【0104】
なお、レーザダイオード駆動装置35Sでは、第1の自動光量制御動作、変調動作、第2の自動光量制御動作、変調動作が順に繰り返し実行される。ここで、便宜上、第1の自動光量制御動作の直後の変調動作を第1の変調動作と、第2の自動光量制御動作の直後の変調動作を第2の変調動作と、それぞれ称する。
【0105】
このようなレーザダイオード駆動装置35Sにおいて、第1の自動光量制御動作時には、スイッチ手段14A、スイッチ手段21A、21B、及びスイッチ手段25Aが閉じ、スイッチ手段14B、スイッチ手段21C、21D、21E、及びスイッチ手段25B、25C、25Dが開く。第1の自動光量制御におけるフィードバックループの動作は図1の場合と同じである。また、位相補償手段23による誤差増幅器12の位相補償は、スイッチ手段25Aを介してコンデンサ26Aを用いて行われる。
【0106】
そして、レーザダイオード1の出力パワーが目標とする最大光量で安定になり、第1の自動光量制御動作から第1の変調動作へ切り替わると、まず、スイッチ手段14A、25Aを開く。その後、スイッチ手段21A、21Bを開くと共に、スイッチ手段21C、21E、25Cを閉じる。第1の変調動作では、サンプルホールド回路13A、13Bに充電された変調電流制御電圧、バイアス電流制御電圧を用いてレーザダイオード1を発光駆動する。誤差増幅器12はボルテージ・フォロワ構成となり、スイッチ手段21Eを介して該誤差増幅器12に入力されるバイアス電流制御電圧が該誤差増幅器12から出力される状態に設定される。また、誤差増幅器12の位相補償は、スイッチ手段25Cを介してコンデンサ26Cを用いて行われる。
【0107】
上記で、スイッチ手段14A、25Aをその他のスイッチ手段に先んじて開くことにより、他のスイッチ手段の開閉により生じる制御電圧の変動、及びフィードバックループの切断による誤差増幅器12の内部電圧の変動によるコンデンサ15A、26Aの保持電圧の変動を低減することができる。
【0108】
そして、第1の変調動作から第2の自動光量制御動作へ切り替わった時、スイッチ手段14B、21A、21B、25Bを閉じ、スイッチ手段14A、21C、21E、25Cを開く。第2の自動光量制御におけるフィードバックループの動作は図1(第1実施形態)の場合と同じである。また、位相補償手段23による誤差増幅器12の位相補償は、スイッチ手段25Bを介してコンデンサ26Bを用いて行われる。
【0109】
さらに、レーザダイオード1の出力パワーが目標とする光量で安定になり、第2の自動光量制御動作から第2の変調動作へ切り替わると、まず、スイッチ手段14B、25Bを開く。その後、スイッチ手段21A、21Bを開くと共に、スイッチ手段21C、21D、25Dを閉じる。第2の変調動作でも、駆動電流を変調出力する動作に関しては第1の変調動作と同様である。誤差増幅器12はボルテージ・フォロワ構成となり、スイッチ手段21Dを介して該誤差増幅器12に入力される変調電流制御電圧が該誤差増幅器12から出力される状態に設定される。また、誤差増幅器12の位相補償は、スイッチ手段25Dを介してコンデンサ26Dを用いて行われる。
【0110】
上記で、スイッチ手段14B、25Bをその他のスイッチ手段に先んじて開くことにより、他のスイッチ手段の開閉により生じる制御電圧の変動、及びフィードバックループの切断による誤差増幅器12の内部電圧の変動によるコンデンサ15B、26Bの保持電圧の変動を低減することができる。
【0111】
以上のシーケンスにより、位相補償手段23のコンデンサについて、第1及び第2の自動光量制御動作期間、もしくは第1及び第2の変調期間でスイッチ手段25A、25B、25C、25Dにより個別に接続を切り替えることにより、各動作の切り替わり時において位相補償手段23のコンデンサを再充電する必要がなくなる。これにより、自動光量制御動作に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0112】
その上、第1の変調動作時に、スイッチ手段21Eを介して誤差増幅器12に入力されるバイアス電流制御電圧が該誤差増幅器12から出力される状態に設定されているので、第1の変調動作から第2の自動光量制御動作に移行したときに、誤差増幅器12の出力電圧が連続的な電圧値で推移することとなる。また、第2の変調動作時に、スイッチ手段21Dを介して誤差増幅器12に入力される変調電流制御電圧が該誤差増幅器12から出力される状態に設定されているので、第2の変調動作から第1の自動光量制御動作に移行したときに、誤差増幅器12の出力電圧が連続的な電圧値で推移することとなる。
【0113】
これにより、変調動作から自動光量制御動作に移行した場合について、誤差増幅器12の出力電圧の変動を低減し、自動光量制御動作に要する時間をさらに短縮することができる。
【0114】
ところで、上記第1、第2実施形態で説明した図1及び図2に示す回路は、1つの誤差増幅器を共用してバイアス電流と変調電流とを自動的に調整する回路の一例であり、この他にも1つの誤差増幅器を共用してバイアス電流と変調電流とを自動的に調整する回路が知られている。本発明は、このように1つの誤差増幅器を共用して複数の電流値(例えば、バイアス電流値と変調電流値)を順番に自動的に調整する回路に対して適用可能であり、上記と同様の効果を得ることができる。
【0115】
また、図1及び図2において、鎖線27で囲った回路が集積化の対象となる回路に相当する。但し、位相補償手段23は、誤差増幅器12に内蔵しても良いし、誤差増幅器12に外部接続して構成しても良い。ここでは、外部接続による外付け部品の増加やアッセンブリを考慮した場合、位相補償手段23の抵抗、スイッチ手段、コンデンサを全て内蔵した方が好ましい。ところが、コンデンサは通常ポリシリコンもしくは金属配線で酸化膜を挟み込むことにより作成されるので、上記のようにコンデンサを内蔵した場合、単位面積当たりの保持容量が小さくなり、トランジスタなどの他の機能素子に比較して集積化率を著しく低下させることがある。このためコンデンサで保持するべき電気容量が大きい場合には、コンデンサを外付けにした方が好ましいケースもある。
【0116】
図1には、位相補償手段23の抵抗、スイッチ手段、コンデンサを全て外付けとした場合の例を示しており、図2には、コンデンサのみを外付けとして抵抗及びスイッチ手段を内蔵させた場合の例を示している。コンデンサについては、受光器の負荷抵抗の大きさ及びフィードバックループ内の系の違いに応じてフィードバックループの周波数特性が変化するので、要求される機器の仕様に応じて、容量値を調整する必要がある。図2のようにコンデンサのみを外付けとしスイッチ手段を内蔵させれば、該コンデンサの容量値の切替えを行うスイッチ手段をスイッチング制御する制御回路も誤差増幅器12に内蔵させることができ、実装する際の部品点数を削減できる、という利点が有る。
【0117】
[第3実施形態]
以下、図面を参照して、第3実施形態を説明する。図8には、単一のフィードバックループを用いてレーザダイオード101の光量を単一の目標レベルに調整するレーザダイオード駆動装置100の構成が示されている。
【0118】
このレーザダイオード駆動装置100には、基準電圧発生回路108が設けられており、この基準電圧発生回路108は可変抵抗器109により電源電圧を分圧し所望の基準電圧VRを得ている。この基準電圧VRに応じた基準信号はバッファ手段110B、スイッチ手段120Bを介して誤差増幅器111の非反転入力端子に入力される。
【0119】
また、レーザダイオード駆動装置100にはレーザダイオード101が設けられており、このレーザダイオード101が出力するレーザ光は光検出器102により受光される。該光検出器102が出力する光モニタ電流は可変抵抗器119により電流−電圧変換され、変換で得られたモニタ電圧VMに応じたモニタ信号が、サンプルホールド回路105、バッファ手段110A、スイッチ手段120Aを介して誤差増幅器111の反転入力端子に入力される。上記サンプルホールド回路105は、一端が可変抵抗器119の出力端に接続されたスイッチ手段106と、該スイッチ手段106の他端に接続され且つ接地されたコンデンサ107とにより構成されている。
【0120】
誤差増幅器111では、基準電圧VRとモニタ電圧VMとで誤差増幅が行われ、誤差増幅後の信号(誤差増幅信号)はサンプルホールド回路112に入力される。サンプルホールド回路112は、一端が誤差増幅器111の出力端に接続されたスイッチ手段113と、該スイッチ手段113の他端に接続され且つ接地されたコンデンサ114とにより構成されている。
【0121】
スイッチ手段113が閉じている場合、誤差増幅器111からの誤差増幅信号はバッファ手段115の非反転入力端子に入力される。このバッファ手段115の出力側は、該バッファ手段115の反転入力端子に接続されていると共に、スイッチ手段120Dを介して誤差増幅器111の非反転入力端子に接続されている。また、バッファ手段115の出力側は駆動電流出力回路117の入力端に接続されている。なお、誤差増幅器111の出力側は、スイッチ手段120Cを介して該誤差増幅器111の反転入力端子に接続されている。
【0122】
駆動電流出力回路117の構成は、第1実施形態の駆動電流出力回路17Aの構成(図4)と同様であり、信号入力回路116の構成は、第1実施形態の信号入力回路19の構成(図5)と同様であるので、説明を省略する。
【0123】
駆動電流出力回路117で発生する駆動電流は、自動光量制御期間において、上記モニタ電圧VMが基準電圧VRに一致するよう調整することで任意のレーザ光量に相当するよう設定される。一方、変調期間においては、駆動電流は信号入力端子103A、103B、103C、103Dから入力される強度変調データ信号に応じて16段階に強度変調され、バイアス電流出力回路118により供給されるバイアス電流と電流加算されて、加算後の駆動電流によってレーザダイオード1が発光駆動される。
【0124】
次に、スイッチ手段の切替えにより選択される各動作モードについてそれぞれ説明する。なお、スイッチ手段120A、120B、120C、120D、106、113の開閉動作は、図示しない制御装置が出力するスイッチ信号により制御される。
【0125】
最初に、自動光量制御動作について説明する。
【0126】
自動光量制御動作は、スイッチ手段120A、120B、106、113を閉じ、スイッチ手段120C、120Dを開くことにより選択される。光検出器102はレーザダイオード101が出力する光出力を受光して、それに準じた光電流を出力する。この光電流を可変抵抗器119により電流−電圧変換し、そのモニタ電圧VMは、スイッチ手段106、バッファ手段110A、スイッチ手段120Aを介して誤差増幅器111の反転入力端子に入力される。一方、基準電圧発生回路108で発生した基準電圧VRは、バッファ手段110B、スイッチ手段120Bを介して誤差増幅器111の非反転入力端子に入力される。
【0127】
誤差増幅器111は、モニタ電圧VMと基準電圧VRとを比較し、その差に応じた電圧VSを出力し、スイッチ手段113を介して、コンデンサ114を充電する。コンデンサ114に充電される電圧VCはバッファ手段115を介して、レーザ駆動電流出力回路117に入力され、以下のようにして電流源を流れる電流を制御する。
【0128】
例えば、バッファ手段115の出力電圧VC’は、図4に示されるレーザ駆動電流出力回路の端子42に入力され、信号入力回路19により、スイッチ信号群20Aをすべて「H」、スイッチ信号群20Bをすべて「L」にすることで、差動スイッチ手段41A、41B、41C、41Dを介して、電流源40A、40B、40C、40Dを流れる電流がすべてレーザダイオード101(図8)を流れるように制御する。
【0129】
実際にレーザダイオード101には、駆動電流出力回路117が出力する電流とバイアス電流出力回路118が出力する電流とを重畳した電流が流れ、該重畳した電流によりレーザダイオード101が駆動され発光する。この出力光は光検出器102により受光され、負帰還することにより、レーザダイオード101の光量が、目標とする光量に調整される。なお、目標とする光量は、基準電圧発生回路108が発生する基準電圧VRを調整するか、もしくは電流−電圧変換回路を構成する可変抵抗器119の抵抗値を調整することにより、調整可能とされている。レーザダイオード101を流れる駆動電流が安定になったところで、スイッチ113が開放され、その時の駆動電流制御電圧VCがコンデンサ114に保持される。
【0130】
自動光量制御動作から変調動作に移行する場合には、スイッチ手段120A、120B、120C、120Dが切断することにより生じる誤差増幅器111の出力電圧変動の影響を防ぐべく、スイッチ手段113をスイッチ手段120A、120B、120C、120Dよりも先に開放することで、駆動電流制御電圧VCをコンデンサ114に保持することが望ましい。
【0131】
また、スイッチ手段113と同時にサンプルホールド回路105のスイッチ手段106が開放され、自動光量制御動作終了時に光検出器102が出力していたモニタ電圧VMがコンデンサ107に保持される。スイッチ手段113と同時にサンプルホールド回路105のスイッチ手段106を開放することで、モニタ電圧VMの変動を防ぐことができる。
【0132】
次に、変調動作について説明する。変調動作は、コンデンサ114に保持された駆動電流制御電圧VCを用いて以下のように行われる。この制御電圧VCはバッファ手段115を介して駆動電流出力回路117に入力され、強度変調信号103A、103B、103C、103D、およびパルス幅変調信号104の外部制御信号により、16段階の変調電流に変換され、前記バイアス電流と加算されて、レーザダイオード101に流れる駆動電流を自在に変調する。
【0133】
この変調動作を行う期間において、スイッチ手段120A、120B、106、113がそれぞれ開き、スイッチ手段120Cとスイッチ手段120Dがそれぞれ閉じる。そのため誤差増幅器111は、バッファ手段115が出力する制御電圧VC’を入力とするボルテージ・フォロワ回路として動作する。即ち、バッファ手段115が出力する制御電圧VCがスイッチ手段120Dを介して誤差増幅器111に入力され、スイッチ手段120Cを閉じたことで、制御電圧VCが誤差増幅器111から出力される状態に設定される。また、サンプルホールド回路105のコンデンサ107には、目標とするモニタ電圧VMに略一致する電圧が保持される。
【0134】
そして、変調動作から自動光量制御動作に移行したとき、コンデンサ107には、目標とするモニタ電圧VMに略一致する電圧が保持されているため、例えば自動光量制御動作に入る直前にレーザダイオード101が消灯もしくは低光量で発光していて、光検出器102から出力される光電流が少ない場合においても、誤差増幅器111に入力されるモニタ電圧は目標とするモニタ電圧VMに略一致する電圧となり、目標とするモニタ電圧VMとの電圧差が非常に少ないので、モニタ電圧の立ち上がりの遅れを小さくすることができる。また、コンデンサ107に蓄積されたモニタ電圧VM1がスイッチ手段105Aを介して光検出器102と可変抵抗器119の接続端の電圧をチャージするので、長い収束時間を必要とする光モニタ電流−モニタ電圧変換部の収束を早める効果がある。
【0135】
図11(A)〜(C)はレーザダイオード駆動装置100の動作を説明するための波形図である。図11(A)〜(C)において期間P2、P4は自動光量制御動作期間を示し、期間P1、P3は変調動作期間を示している。
【0136】
自動光量制御動作期間P2から変調動作期間P3に移行する際、図11(A)のモニタ電圧波形に示されるように、自動光量制御により安定化した光検出器102のモニタ信号がサンプルホールド回路105により保持され、変調動作期間P3でも引続き出力される。これにより、変調動作期間P3から自動光量制御動作期間P4に移行する場合において、コンデンサ107の保持電圧VMがスイッチ手段106を介して、光検出器102と可変抵抗器119の接続端の電圧を保持電圧VMでチャージし、かつ、誤差増幅器111に入力されるモニタ電圧が目標とするモニタ電圧VMに略一致するので、モニタ電圧の立ち上がりの遅れを防止できる。
【0137】
また、サンプルホールド回路112が保持した制御電圧VCを入力としボルテージ・フォロワ構成となった誤差増幅器111の出力(図11(B))は、自動光量制御動作期間P2から変調動作期間P3にかけて制御電圧VCのまま維持される。
【0138】
従って、変調動作期間P3から自動光量制御動作期間P4に移行する際の誤差増幅器111の入出力端子電圧の変動量が少なくなるので、レーザ光量が目標光量に高速に整定されることとなり、かつモニタ電圧の立ち上がりの遅れによるレーザ駆動電流のオーバーシュートを大幅に低減することができる。
【0139】
また、図11に示す変調動作期間P1から自動光量制御動作期間P2への移行は、図11(C)より明らかなように、レーザダイオード101を自動光量制御期間P2の直前に最大光量で発光させた場合であるが、サンプルホールド回路105により前回の自動光量制御動作時のモニタ電圧VMが変調動作時においても保持されているので、レーザダイオード101の出力光量の大小にかかわらず、誤差増幅器111の出力電圧の変動を低減することができる。
【0140】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態として、レーザダイオードを駆動するための駆動電流出力回路が複数設けられたレーザダイオード駆動装置を説明する。なお、上記レーザダイオード駆動装置としては、光ディスク駆動装置のように、再生光量と書き込み光量の異なる2種類のレーザダイオード出力光を必要とし、各駆動電流出力回路が異なる光出力を出力するレーザダイオード駆動装置等が挙げられる。
【0141】
図9に示すレーザダイオード駆動装置100Sは、前述した図8のレーザダイオード駆動装置100と同様な構成であるが、このレーザダイオード駆動装置100Sには、2つの駆動電流出力回路117、117Sが設けられており、このうち駆動電流出力回路117で発生する駆動電流I1を設定するために、基準電圧発生回路108A、サンプルホールド回路112A、105Aが設けられ、駆動電流出力回路117Sで発生する駆動電流I2を設定するために、基準電圧発生回路108B、サンプルホールド回路112B、105Bが設けられている。
【0142】
即ち、レーザダイオード駆動装置100Sでは、駆動電流出力回路117で発生する駆動電流I1を設定する第1の自動光量制御動作と、駆動電流出力回路117Sで発生する駆動電流I2を設定する第2の自動光量制御動作とが行われる。
【0143】
第1の自動光量設定動作では、スイッチ手段120A、120B、106A、113A、122A、123Aを閉じ、それ以外のスイッチ手段を開くことにより、モニタ電圧VMと基準電圧発生回路108Aが発生する基準電圧VR1とが誤差増幅器111により比較され、可変抵抗器119の抵抗値と上記基準電圧VR1とで規定されるレーザ光量が負帰還フィードバック制御により設定される。
【0144】
この時、誤差増幅器111の出力電圧がサンプルホールド回路112Aのコンデンサ114Aに充電されると共に、光検出器102に係るモニタ出力電圧がサンプルホールド回路105Aのコンデンサ107Aに充電される。
【0145】
そして、レーザダイオード101の光量が第1の目標光量で安定した時に、スイッチ手段106A、113Aをそれぞれ開き、第1の目標光量に対応する光検出器102のモニタ電圧VM1をサンプルホールド回路105Aに保持し、第1の目標光量に対応するレーザ光量が得られる制御電圧VC1をサンプルホールド回路112Aに保持する。
【0146】
第2の自動光量制御動作でも上記同様に、スイッチ手段120A、120B、106B、113B、122B、123Bを閉じ、それ以外のスイッチ手段を開くことにより、モニタ電圧VMと基準電圧発生回路108Bが発生する基準電圧VR2とが誤差増幅器111により比較され、可変抵抗器119の抵抗値と上記基準電圧VR2とで規定されるレーザ光量が負帰還フィードバック制御により設定される。
【0147】
この時、誤差増幅器111の出力電圧がサンプルホールド回路112Bのコンデンサ114Bに充電されると共に、光検出器102に係るモニタ出力電圧がサンプルホールド回路105Bのコンデンサ107Bに充電される。
【0148】
そして、レーザダイオード101の光量が第2の目標光量で安定した時に、スイッチ手段106B、113Bをそれぞれ開き、第2の目標光量に対応する光検出器102のモニタ電圧VM2をサンプルホールド回路105Bに保持し、第2の目標光量に対応するレーザ光量が得られる制御電圧VC2をサンプルホールド回路112Bに保持する。
【0149】
変調期間中の駆動電流は、第1の自動光量制御動作で得られた制御電圧VC1を用いてレーザ駆動電流出力回路117が出力する駆動電流Is1、もしくは第2の自動光量制御動作で得られた制御電圧VC2を用いてレーザ駆動電流出力回路117Sが出力する駆動電流Is2のいずれか一方を選択してレーザダイオード101を駆動する場合と、両者の合成電流(Is1+Is2)でレーザダイオード101を駆動する場合がある。
【0150】
変調動作では、スイッチ手段120Cを閉じると共に、スイッチ手段120D1またはスイッチ手段120D2のいずれか一方を閉じ、これら以外のスイッチ手段を開く。
【0151】
ここで、変調動作後に第1の自動光量制御動作が行われるケースであれば、スイッチ手段120C、120D1を閉じ、第1の自動光量制御動作直前の変調動作期間において、誤差増幅器111の出力電圧を、サンプルホールド回路112Aに保持された電圧(=第1の目標光量に対応する制御電圧VC1)に略一致させておく。
【0152】
そして、第1の自動光量制御動作時になると、スイッチ手段106A、122Aを閉じ、スイッチ手段106B、122Bを開くことにより、バッファ手段110Aの入力電圧は、第1の自動光量制御動作での目標光量に対応するモニタ電圧VM1に略一致した電圧となり、モニタ電圧の立ち上がりの遅れを小さくすることができる。また、コンデンサ107に蓄積されたモニタ電圧VM1がスイッチ手段105Aを介して光検出器102と可変抵抗器119の接続端の電圧をチャージするので、長い収束時間を必要とする光モニタ電流−モニタ電圧変換部の収束を早める効果がある。
【0153】
これにより、変調動作期間の終了時のレーザ光量が低く、それに対応してモニタ電圧が小さい場合においても、第1の自動光量制御動作開始時では、バッファ手段110A、スイッチ手段120Aを介して誤差増幅器111の反転入力端子に入力される電圧は、前回の第1の自動光量制御動作での目標光量に対応するモニタ電圧VM1に略一致した電圧となり、スイッチ手段123Aを閉じることにより選択される基準電圧VR1と略一致することになるので、第1の自動光量制御動作に要する時間を大幅に短縮できる。
【0154】
また、変調動作後に第2の自動光量制御動作が行われるケースについても、同様に動作することで、同様の効果を得ることができる。
【0155】
このように、誤差増幅器111の反転入力端子に入力されるモニタ電圧の収束性が悪いことにより引き起こされる誤差増幅器111の出力電圧の変動を大幅に低減でき、モニタ電圧の収束時間の短縮とオーバーシュートの低減に大きな効果がある。
【0156】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態として、図10を用いて、第4実施形態のレーザダイオード駆動装置100S(図9)の自動光量制御期間を更に短縮するために好適なレーザダイオード駆動装置の回路を説明する。
【0157】
前述した図9に示す回路構成では、変調動作から自動光量制御動作に切り替わる瞬間にスイッチ手段106A、106Bを閉じて、光検出器102の出力端と保持コンデンサ107A、107Bの端子とを接続するために、自動光量制御動作を開始した瞬間のモニタ電圧が若干不安定になるケースがあったが、図10に示す回路は、このモニタ電圧を安定化するものである。
【0158】
図10の回路の動作は、スイッチ信号183A、183B、183C、183Dにより選択されるスイッチ手段182A、182B、182C、182Dの切替えによって決定される。
【0159】
第1の自動光量制御動作時には、スイッチ手段182A、182B、182Dは開き、スイッチ手段182Cは閉じる。レーザダイオードの出力光は光検出器102で受光され、可変抵抗器119により発生するモニタ電圧VM1は、スイッチ手段182Cを介してコンデンサ171にサンプリングされる。
【0160】
一方、演算増幅器184によりMOSトランジスタ186のゲート電圧が制御され抵抗185とMOSトランジスタ186との接続端子190の電圧はモニタ電圧VM1に一致する。また、MOSトランジスタ186と抵抗187との接続端子191は図9の電圧端子VM、バッファ手段110Aを介してスイッチ手段120Aに接続されており、接続端子191の電圧VM1’は誤差増幅器111に入力される。レーザダイオードの出力光が目標値に達したときにスイッチ手段182Cは切断され、コンデンサ171に第1の自動光量制御期間の最終モニタ電圧VM1が保持される。
【0161】
次の第1の自動光量制御動作の直前の変調期間では、スイッチ手段182A、182B、182Cが開き、スイッチ手段182Dが閉じることにより、コンデンサ171に保持されている最終モニタ電圧VM1が、演算増幅器181Aから出力され、スイッチ手段182Dを介して演算増幅器184に入力される。演算増幅器184によりMOSトランジスタ186のゲート電圧が制御されるので、抵抗185とMOSトランジスタ186との接続端子190の電圧はモニタ信号VM1に一致し、MOSトランジスタ186と抵抗187との接続端子191の電圧は前記モニタ信号VM1’に一致する。
【0162】
そして、変調動作から第1の自動光量制御動作に移行する際に、再度スイッチ手段182Dが開き、代わってスイッチ手段182Cが閉じる。この時、図9におけるモニタ電圧端子VMから見たモニタ電圧の変動は、図9に示す回路構成の場合よりも図10に示す回路構成の場合の方が少なくなる(詳細は以下に記載)。このため、オーバーシュートを更に低減することが可能である。
以下、具体的に、変調動作時にレーザダイオードが消灯している状態から自動光量制御動作に移行したケースを例にとって、図9、図10の各回路でのモニタ電圧の変動を説明する。
【0163】
図9の回路の場合、変調動作でレーザダイオード101が消灯しているとき、光検出器102に流れる電流(PD電流)も0であるので、可変抵抗器119と光検出器102との接続端は5V(=電源電圧)となり、この状態から自動光量制御動作へと移行する。自動光量制御動作時のPD電流を0.1mA、可変抵抗器119の抵抗値を10kΩとすると、最終的にモニタ電圧VMは4V(=5−10kΩ×0.1mA)に整定する。
【0164】
ここで、コンデンサ107Aの容量を1nFとし、充電すべき光検出器102の容量と寄生容量の和を10pFと仮定すれば、5Vと4Vとの1Vの電位差を充電した場合、0.01V(=1V×10pF/1nF)の誤差が生じる。即ち、光検出器102のカソード部の電圧(=可変抵抗器119と光検出器102との接続端の電圧)は、変調動作時の5Vから、自動光量制御動作への切り替わり時に4.01Vとなり、その後自動光量制御動作により4Vに収束する。
【0165】
一方、図10の回路では、変調動作時には、例えば、ボルテージフォロワ構成の演算増幅器181Aとスイッチ手段182Dにより可変抵抗器119と光検出器102との接続端に、コンデンサ171に保持された電圧(=前回の自動光量制御動作時の最終モニタ電圧VM1)が出力されるので、光検出器102に流れる電流(PD電流)が0であっても、光検出器102のカソード部の電圧(=可変抵抗器119と光検出器102との接続端の電圧)は上記最終モニタ電圧VM1で一定となる。即ち、光検出器102のカソード部の電圧は、変調動作時、自動光量制御動作への切り替わり時、自動光量制御動作時を通して、4Vでほぼ一定に維持される。
【0166】
このように図9におけるモニタ電圧端子VMから見たモニタ電圧の変動は、図9に示す回路構成の場合よりも図10に示す回路構成の場合の方が少なくなる。
【0167】
なお、第2の自動光量制御動作についても、上記と同様にスイッチ手段182A、182Bを開閉することにより、同様の効果を得ることができる。
【0168】
また、図10に示す回路189を取り去ることにより、図10に示す回路を図8の回路に対応させることができる。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、再度光量制御期間になったとき、位相補償手段には既に前回の光量制御期間の終了時での誤差増幅手段の内部電圧が保持されているので、改めて位相補償容量と誤差増幅手段の内部電圧に応じた電荷の充電を行う必要が無く、光量制御動作に要する時間を短縮することができると共に、誤差増幅手段の出力電圧の変動を小さくして安定的な光量制御動作への移行を図ることができる。
【0170】
また、請求項2記載の発明によれば、複数の基準値の各々に関する光量制御期間において、光量制御動作に要する時間の短縮及び安定的な光量制御動作への移行を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 第2実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 誤差増幅器の回路構成例を示す概略図である。
【図4】 駆動電流出力回路の回路構成例を示す概略図である。
【図5】 信号入力回路の回路構成例を示す概略図である。
【図6】 (A)は周波数−ゲイン特性を示すボード線図であり、(B)は周波数−位相特性を示すボード線図である。
【図7】 誤差増幅器の他の回路構成例を示す概略図である。
【図8】 第3実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 第4実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 第5実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図11】 第3実施形態に係るレーザダイオード駆動装置の動作を説明するためのグラフであり、(A)はモニタ電圧VMの推移を、(B)は誤差増幅器の出力電圧VHの推移を、(C)はレーザ駆動電流Iの推移を、それぞれ示すグラフである。
【図12】 レーザダイオードの光量を異なる複数の目標レベルに調整する従来のレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図13】 レーザダイオードの光量を単一の目標レベルに調整する従来のレーザダイオード駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図14】 図13のレーザダイオード駆動装置の動作を説明するためのグラフであり、(A)はモニタ電圧VMの推移を、(B)は誤差増幅器の出力電圧VHの推移を、(C)はレーザ駆動電流Iの推移を、それぞれ示すグラフである。
【図15】 特開平9−45980号公報のレーザ駆動回路の概略構成図である。
【図16】 特開昭62−243137号公報のレーザ駆動回路の概略構成図である。
【符号の説明】
1、101 レーザダイオード
2、102 光検出器
12、111 誤差増幅器
13A、13B、105、112 サンプルホールド回路
14A、14B、21A〜21E、25A〜25D スイッチ手段
106、113、120A〜120D スイッチ手段
15A、15B、26A〜26D、107、114 コンデンサ
17A、17B、117 駆動電流出力回路
19、116 信号入力回路
23 位相補償手段
35、35S、100、100S レーザダイオード駆動装置
Claims (2)
- レーザダイオードからのレーザ光を受光し該受光量に応じた検出値を出力する受光検出手段と、
前記受光検出手段により出力された検出値と所定の基準値とを比較して誤差増幅する誤差増幅手段と、
前記誤差増幅手段による誤差増幅後の出力値を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記出力値に基づいて前記レーザダイオードを駆動する駆動手段と、
を有するレーザダイオード駆動装置において、
前記レーザダイオードの発光量の検出値が前記所定の基準値に等しくなるときの該レーザダイオードの駆動電流値を設定するための光量制御期間に、前記誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する位相補償手段を設けたことを特徴とするレーザダイオード駆動装置。 - レーザダイオードからのレーザ光を受光し該受光量に応じた検出値を出力する受光検出手段と、
前記受光検出手段により出力された検出値と所定の複数の基準値の各々とを比較して誤差増幅する誤差増幅手段と、
前記誤差増幅手段による誤差増幅後の出力値を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記出力値に基づいて前記レーザダイオードを駆動する駆動手段と、
を有するレーザダイオード駆動装置において、
前記レーザダイオードの発光量の検出値が各基準値に等しくなるときの該レーザダイオードの駆動電流値を設定するための各基準値毎の光量制御期間に、前記誤差増幅手段内の所定箇所に電気的に接続され位相補償を行うと共に該誤差増幅手段の内部電圧を保持する各基準値毎の位相補償手段を設けたことを特徴とするレーザダイオード駆動装置。
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