JP3756604B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラッピングテープ等によるラッピングのないビードコアを有する空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤのビードコアには、形状の安定化を図る目的等から、ビードコアの周りにラッピングテープ等をらせん巻回してラッピングしたビードコアを用いるのが一般的である。
【0003】
しかし、ラッピングテープをビードコアの周りにらせん巻回することは、作業性が悪く、生産性を悪化させることになり、また、ラッピングテープの配設は材料コストの増加をも招くため、これらの点からすれば、ラッピングは省略することが望ましい。
【0004】
そのため、発明者が、ラッピングを省略するための鋭意検討を行った結果、ラッピングテープによるラッピングのないビードコアを有するタイヤは、図5(b) に示すように、製品時のビード部、特にビードトゥ部6′にエア7′が残留する、いわゆるエア入り不良が発生する頻度がかなり高くなることが判明した。
【0005】
このエア入り不良は、加硫前のグリーンタイヤ状態のときに、図5(a) に示すように、ビードコア3′の外面とカーカスプライ5′の内面との間にエア7′(図の黒塗部分)が存在するが、このグリーンタイヤの上記エア7′を、ビード部形状が変化する(図5(a) の破線で示す形状が加硫成形後のビード部の形状である。)加硫成形時にタイヤの外方に完全に排除しきれず、この排除しきれなかったエアがビードトゥ部6′等に残留することによって発生するものと考えられ、このエア入り不良は、ビード部耐久性を悪化させることになった。
【0006】
一方、ラッピングテープによるラッピングを施したビードコアを有するタイヤの場合、ビード部でのエア入り不良はほとんど生じなかった。
【0007】
そこで、発明者が、前記ラッピングを施したビードコアを有するタイヤにおいて、エア入り不良が起こりにくい原因について検討したところ、加硫時に発生するエアは、エア吸収用繊維の間の微小な空間に取り込まれることによって、エア入り不良の発生が抑制されていることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、ビードコアのラッピングを省略することによって生産性とコスト性の向上を図るとともに、このビードコアの少なくとも直下位置に1本以上の環状のエア吸収用繊維を配設することによって、製品時のビード部におけるエア入り不良の発生のない空気入りタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、単一フィラメント又はフィラメントの束からなる補強素子で構成されかつラッピングテープ等によるラッピングのないビードコアの少なくとも直下位置に、1本以上の環状のエア吸収用繊維を配設したものである。
また、エア吸収用繊維を、無被覆の繊維フィラメントで構成してなることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明に従う空気入りタイヤのビード部の代表的な断面を示し、図中1はビード部、2はビードコアを構成する補強素子、3はビードコア、4はエア吸収用繊維、5はカーカスプライである。
【0011】
この図で示すタイヤビード部1は、単一のフィラメント又はフィラメントの束からなる補強素子2を積層巻回して複数段×複数列のビード構造をもちかつラッピングテープ等によるラッピングのないビードコア3を有する。補強素子2の材質は、スチールであることが好ましいが、有機繊維であってもよい。
【0012】
尚、上記ビード構造は、補強素子2の1本をらせん巻回するか(モノストランド構造)、又は図3に示すように並置した補強素子2の複数本をゴム引きした帯状シートをらせん状に積層巻回すること(パラストランド構造)によって形成することが好ましい。
【0013】
この発明に従う空気入りタイヤの主な特徴は、ビードコア3の少なくとも直下位置に、1本以上の環状のエア吸収用繊維4を配設することにある。
【0014】
エア吸収用繊維4には、綿糸を用いるのが好ましいが、ナイロンやポリエステル等の有機繊維や、ガラスやカーボン等の無機繊維でもよく、また、撚りはあった方が好ましいがなくてもよく、必要に応じて適宜選択することができる。
【0015】
エア吸収用繊維4は、ビードコア3の直下位置に1本配設すればエア吸収効果を十分に発揮することができるが、より一層エア吸収効果を得る必要がある場合には、2本以上配設してもよく( 図 1では2本) 、また、配設位置もビードコア3の直下位置、すなわち、ビードコア3の外面とカーカスプライ5の内面との間のビードコア3の直下位置に配置することが好ましいが、図4(b) に示すように補強素子2間に配置することもできる。
【0016】
尚、図4(b) に示すように補強素子2間にエア吸収用繊維4を配置する方法としては、例えば図4(a) に示すように、複数本の補強素子2を並置してゴム引きした帯状シート8を積層巻回する前に、帯状シートの下面に、エア吸収用繊維4をセットしておけば、ほとんど製造上の負担がなく、エア吸収用繊維4を補強素子2間に簡単に配置することができる。
【0017】
加えて、エア吸収用繊維4は、無被覆の繊維フィラメント又はその束で構成することが好ましく、加えて、表面処理を施していない単一材料で構成することがエア吸収力をより一層高める上で好ましい。
【0018】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを50本製造し、性能評価したので以下に説明する。
・実施例
空気入りタイヤは、サイズが155SR13 であり、カーカスを、ポリエステル繊維コードをゴム引きした1 枚のプライからなるラジアルカーカスとし、ベルトを2 枚のスチールコードゴム引き層で構成し、各コードゴム引き層を、それぞれコードが、タイヤ赤道面に対して±22°の角度になるように配置した。ビードコアを構成する補強素子は、スチールコードとし、また、エア吸収用繊維には、綿糸を撚ったものを使用し、これらを図 1に示すようなビード構造に配置した。
【0020】
・比較例
エア吸収用繊維を配設しないこと以外は実施例とほぼ同様な構造を有する。
【0021】
(試験方法)
上記各供試タイヤについて、タイヤのビード部にエア入り不良が発生しているか否かをタイヤを解体して観察し、不良率(タイヤの総本数に対するエア入り不良が発生したタイヤの本数の百分率(%))を算出した。
その結果、比較例は、不良率が83% であったのに対して、実施例は、エア入り不良が発生したタイヤがなく、不良率が0%であった。
【0022】
次に、実施例に示すタイヤと比較例に示すタイヤについて、それぞれ任意に各5本づつ取出し、取出した各タイヤのビード部耐久性について調べた。
その結果、実施例に示すタイヤは、全タイヤとも安定してビード部耐久性に優れていたのに対して、比較例に示すタイヤは、タイヤごとにビード部耐久性が大きく異なり、平均しても、実施例に示すタイヤに比べてかなり劣っていた。
【0023】
【発明の効果】
この発明の空気入りタイヤは、ビードコアのラッピングを省略することによって生産性とコスト性が向上する。
また、このビードコアで生じがちであった製品時のビード部におけるエア入り不良の発生をも抑制することができ、これによって、ビード部耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う空気入りタイヤのビード部の断面図である。
【図2】 (a),(b) は、それぞれ加硫成形前後の空気入りタイヤのビード部の断面図である。
【図3】 (a) は並置した補強素子2の複数本をゴム引きした帯状シート8の一部の斜視図であり、
(b) はこの帯状シート8をらせん状に積層巻回したときの側面図であり、
(c) は(b) のA-A 断面図である。
【図4】 (a) はエア吸収用繊維4を配置した帯状シート8の一部の斜視図であり、
(b) はエア吸収用繊維4を配置した帯状シート8をらせん状に積層巻回したときの断面図である。
【図5】 (a),(b) は、それぞれエア吸収用繊維を配設しないビードコアを有するタイヤのビード部の加硫成形前後の断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 補強素子
3 ビードコア
4 エア吸収用繊維
5 カーカスプライ
6 ビードトゥ
7 エア
8 帯状シート
Claims (2)
- 単一フィラメント又はフィラメントの束からなる補強素子で構成されかつラッピングテープ等によるラッピングのないビードコアの少なくとも直下位置に、1本以上の環状のエア吸収用繊維を配設してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
- エア吸収用繊維を、無被覆の繊維フィラメントで構成してなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
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JP02356197A Expired - Fee Related JP3756604B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 空気入りタイヤ |
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1997
- 1997-02-06 JP JP02356197A patent/JP3756604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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