JP3754121B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ユニットが引き出し形式で収納される冷却貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷却ユニットの組み付けやメンテナンスを容易にするために、ユニット全体をハウジングの前面側から引き出すことができるようにした冷蔵庫が提案されている。その一例として、本出願人の出願になる実開平7−35972号公報に記載のものが知られている。これを図12によって簡単に説明する。
冷蔵庫の本体90内には冷蔵室が構成されて引き出し式の冷蔵ボックス91が複数個収納されるとともに、本体90の一側面の上部に冷却室92が張り出して形成されている。冷却室92の前面壁には出入口93が形成され、下面側に収納スペース94が設けられている。一方の冷却ユニット95は、基板96上に凝縮器97、圧縮機98等(凝縮ユニット99)が載置されるとともに、凝縮器97に被着されたカバー100の上面に、冷却室92の出入口93を閉塞する冷却室蓋101がブラケット102を介して立設され、その裏面側に冷却器103が取り付けられている。そして冷却ユニット95全体は、凝縮ユニット99側が収納スペース94に収納されつつ、冷却器103が出入口93から冷却室92内に挿入され、冷却室蓋101が出入口93を閉じたところでねじ104で止めて固定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、メンテナンス等において冷却ユニット95を外部に引き出す場合は、基板96の前縁に設けられた把手105に手を掛けて引っ張るのであるが、凝縮器97の上面のカバー100の上に冷却室蓋101が取り付けられ、その冷却室蓋101の裏面側に比較的重量のある冷却器103が片持ち状に取り付けられているといった、高い位置に重心のある構造となっているため、最下部に配された把手105を引っ張るだけではスムーズに引き出せないきらいがあった。
【0004】
また、冷却室92と収納スペース94の回りはパネルで覆われる構造となっており、冷却運転中には、凝縮器ファンが駆動されることによって、外気がフロントパネルの下部側に設けられた吸気口から収納スペース94内に吸引され、凝縮器97さらには圧縮機98を冷却したのち、熱交換された後の暖排気が前方上部側に回曲されてフロントパネルの上部側に開口された排気口から排気されるようになっている。その場合、冷却室蓋101が凝縮器97のカバー100上にべた当たりした状態で取り付けられていると暖排気の流通の妨げとなるため、冷却室蓋101はブラケット102を介してカバー100から浮いた状態で取り付けられることが好ましい。
そうすると、冷却ユニット95を挿入または引き出す際に冷却器103と冷却室蓋101がぐらつくおそれがあるため、出し入れの操作をより慎重にしなければならなくて面倒であり、また冷却器103側がぐらつくことに伴いカバー100にめくられるような負荷が加わって、その変形を招くおそれがあった。
本発明は上記のような事情を背景として完成されたものであって、その目的は、冷却ユニットの出し入れの操作がスムーズにできるようにし、併せて凝縮器ユニットのカバーの増強を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、本発明は、貯蔵物が収納される本体の側方には、冷却器が収納される冷却室と、凝縮ユニットが収納される収納スペースとが上下に配設される一方、前記凝縮ユニットにはカバーが被着されて、そのカバーの上面には前記冷却室の手前側の面に開口された出入口を閉塞する冷却室蓋の下端部がブラケットによって取り付けられ、かつその冷却室蓋の裏側に前記冷却器が取り付けられており、凝縮ユニットが収納スペースに収納されることに伴い、冷却器が出入口から冷却室内に引き出し可能に収納され、冷却室蓋により出入口が閉塞されるようにした冷却貯蔵庫において、前記凝縮ユニットの前面下部には引き出し操作用の把手が設けられるとともに、前記凝縮ユニットのカバーが、凝縮器ファンを臨ませる挿入孔が開口された後面板の上縁から、凝縮器の上面を覆う上面板が手前側に片持ち状に延出された形状であって、自由端である前記上面板の前縁部が前記ブラケットの手前側の近傍に位置し、この上面板の前縁部が起立方向に折曲されることで前記ブラケットに沿うようにしてフランジが形成されている構成としたところに特徴を有する。
また、前記冷却室蓋が、前記カバーから浮いた状態で取り付けられている構成としてもよい(請求項2の発明)。
【0006】
【発明の作用および効果】
凝縮ユニットならびに冷却器を出し入れする場合に、高い位置に重心を持つ冷却器の近傍に配されたフランジに補助的に手を添えることで、出し入れの操作をスムーズに行うことができる。また、例えば冷却室蓋がカバーから浮いた状態で設けられ、出し入れの際にカバーに対して負荷が作用した場合、フランジが補強部としての機能を果して、カバーが変形することを防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1ないし図10は本発明の第1実施形態を示す。図1ないし図3において、符号1は冷蔵庫の本体であって、前面に開口した横長の箱形に形成され、その内部に食材を貯蔵する冷蔵室2が構成されている(図9参照)。前面の開口には観音開き式の扉3が備えられており、底面の四隅に設けられた脚4によって支持されている。
【0008】
本体1の正面から見て左側部には、冷却ユニット6が取り出し可能に収納されるようになっている。詳細には、本体1における左側部の上部側には、前面から奥方に引っ込んだ位置から張り出すようにして直方体状の膨出部8が形成され、その内部が冷却室9となっている。この膨出部8を含む本体1を構成する壁面の内部には断熱材7が充填されており(図9参照)、外部に対する断熱性が確保されている。冷却室9の前面壁には出入口10が形成されているとともに、冷却室9の下面側には収納スペース11が構成されており、この収納スペース11と冷却室9とによって、凝縮器27、圧縮機24、冷却器(蒸発器)51等からなる冷却ユニット6が引き出し自在に収納されるようになっている。
【0009】
収納スペース11において、本体1の側面の下縁には浅皿状をなす受け板13の一側縁が固定されている。また、膨出部8の側面の下縁における前後両端部からは、一対の支持フレーム14が垂下して取り付けられ、各支持フレーム14の下端に受け板13のもう一方の側縁が固定され、これにより受け板13の支持がなされている。この受け板13上には、冷却ユニット6の基板15が載置可能とされている。
【0010】
この基板15は左右両側縁が折曲げられた伏コ字形に形成されているとともに、その手前側の端縁には、図7に詳細に示すように、上面が開口した溝状をなす把手17が形成されている。この把手17は、冷却ユニット6を引き出し操作する場合に使用される。この把手17の奥側の側板17aは、上記した収納スペース11に設けられた受け板13の前縁から立ち上がって形成されたねじ受け片18に当接可能である。ねじ受け片18にはねじ孔19が形成されているとともに、把手17の奥側の側板17aには、ねじ20の挿通孔21が対応して形成されており、また把手17の手前側の側板17bには、ねじ20の挿入を許容する逃がし用の切欠き22が形成されている。
すなわち冷却ユニット6の基板15は、収納スペース11に配された受け板13上に前方から押し込まれ、把手17の奥側の側板17aが受け板13のねじ受け片18に突き当たることで押し込みが停止され、ねじ20を切欠き22から挿通孔21を通してねじ受け片18のねじ孔19に螺合して締め付けることにより、基板15が所定位置で固定されるようになっている。
【0011】
冷却ユニット6は、収納スペース11に収められる部分と、冷却室9内に収められる部分とに分かれ、これらが上記の基板15上において上下に積み上げ状に配置されている。収納スペース11に収められる部分として、奥側に圧縮機24、その手前側にモータ26で駆動される凝縮器ファン25、最も手前側に凝縮器27がそれぞれ配置されている。これらが、本発明の凝縮ユニット28に相当する。
【0012】
図7に示すように、上記の凝縮器27の前面側にはエアフィルタ29が着脱可能に取り付けられるとともに、凝縮器27から凝縮器ファン25にわたる上面と、凝縮器ファン25の側方を覆うようにしてカバー30が取り付けられるようになっている。このカバー30は、図8に示すように、凝縮器27の上面の全面と凝縮器ファン25の前部側の上方を覆うべく上面板31を有するとともに、その上面板31の後縁から直角に垂下して後面板32が形成されている。後面板32には、凝縮器ファン25の前部側を挿入可能とする円形の挿入孔33が開口されているとともに、後面板32の下縁には内側に直角曲げされた取付板34が形成されている。また、後面板32の左右の側縁には、図6にも示すように、凝縮器ファン25の前部側の側方を覆うようにして直角曲げされた側板35が形成されている。両側板35の前縁は内方に直角曲げされたのち、さらに前方に直角曲げされて取付板36が形成されている。また、上面板31の前縁には、起立するように直角曲げされたフランジ37が全幅にわたって形成されている。
【0013】
このカバー30は、図7に示すように、凝縮器27の上方から被せられて、上面板31を凝縮器27の上面にねじ39で止め、また、側板35に設けられた取付板36を凝縮器27の後端側の左右の側縁にねじ40で止めることで、凝縮器27に固定される。このようにカバー30の被着された凝縮器27が、既述のように基板15の手前側の所定位置に設置され、凝縮器27の左右の側板の下端に外向きに形成された取付板42がねじ43で止められ、また、カバー30の後面板32の下端の取付板34が同じくねじで止められることによって、基板15上に固定されている。また、凝縮器ファン25は、その前端部分をカバー30の後面板32の挿入孔33を通して内部に挿入しつつ、モータ26ともどもブラケット45を介して基板15上に取り付けられる。
【0014】
このように取り付けられると、カバー30の一方の側板35(図6の上方)は、基板15のほぼ側縁にまで張り出し、収納スペース11に収納された場合に、本体1の側壁1aに僅かな隙間のみを開けて近接した状態となる。もう一方の側板35(図6の下方)は、基板15の対応する側縁側に張り出すが、後記するように凝縮器27に出し入れされる配管56,57の通過を許容する分、スペースが取られている。
【0015】
上記したカバー30の上面板31の前端側には、L型ブラケット47がねじ48で取り付けられている。このL型ブラケット47は上面板31の全幅の略半分の幅を持っており、その立上り部分47aには、上記した冷却室9の出入口10を閉塞するための冷却室蓋48の下端部がねじ49で固定されている。冷却室蓋48の底面は、カバー30の上面板31との間に隙間を設けるために、上面板31から浮いた状態で取り付けられている。
【0016】
冷却室蓋48の裏面側には、冷却室9に対して出し入れ可能な冷却器51がブラケット52を介して取り付けられている。この冷却器51はケーシング51a内に収容されて設けられ、図9にも示すように、ケーシング51aの底面と、冷蔵室2側の面における上部が開放されていて、それぞれ空気の取入口53aと、空気の吹出口53bとされており、その空気の吹出口53bの前面には庫内ファン54が取り付けられている。
【0017】
図3に示すように、圧縮機24の出口と凝縮器27の入り口とが配管56で接続され、凝縮器27の出口と冷却器51の入り口とが配管57で接続され、また冷却器51の出口と圧縮機24の入り口とが配管58で接続され、これにより冷却サイクルが構成されている。上記の配管のうち、冷却器51に出し入れされる配管57,58は途中で一緒になって断熱材チューブで被包されており、冷却室蓋48の左側の端縁部分から側方に引き出されている。両配管57,58の冷却室蓋48から引き出される部分は、半円形をなす押さえ具59で固定される一方、冷却室9の出入口10の側縁には、上記の押さえ具59が嵌合される凹部60が形成されている。
冷却室9の前面壁における出入口10の周縁には、上記の凹部60を含めて断熱パッキン61が貼着されている。また前面壁の上下両縁からは一対の取付ボルト62が突設される一方、冷却室蓋48には取付ボルト62の挿通孔63が設けられている。下側の挿通孔63は、上記のL型ブラケット47に形成された挿通孔64に連通されている。また冷却室蓋48の前面側には、電装箱65が取り付けられている。
【0018】
そして冷却ユニット6は、既述のように基板15が受け板13の上に押し込まれるとともに、冷却器51が出入口10を通して冷却室9内に挿入される。押し込みの途中で、取付ボルト62が冷却室蓋48の挿通孔63に挿通され、所定位置まで押し込まれると、配管57,58の押さえ具59が凹部60に嵌まりつつ、冷却室蓋48が断熱パッキン61を介して冷却室9の前面壁に当接し、冷却室蓋48を貫通した取付ボルト62の突出端にナット66(図4参照)を螺合して締め付けると、冷却室蓋48が冷却室9の出入口10を気密に閉鎖する。また、基板15は既述した要領で受け板13に固定され、これにより冷却器51が冷却室9内に収容され、一方凝縮ユニット28が収納スペース11に収納されることとなる。
【0019】
一方庫内では、図9に示すように、冷却室9と冷蔵室2の間において冷気の案内板68が設けられている。この案内板68は、庫内ファン54の下方位置から冷蔵室2の天井面の少し下方位置に向けて斜め前方に延出されて設けられている。その案内板68の下面からは、冷蔵室2の底面の少し上方位置まで垂下された帰還用板69が設けられ、この帰還用板69と、冷蔵室2と収納スペース11とを仕切る本体1の側壁1aの間には所定のスペースが設けられ、その間に冷却器51の取入口53aに達する帰還路70が構成されている。
したがって、冷却ユニット6が駆動されると、図9の矢線に示すように、冷蔵室2内の空気が帰還路70を通って冷却器51の下面側の取入口53aから吸引され、冷気に変換されたのち、庫内ファン54から案内板68の上面を通って冷蔵室2の天井面側に吹き出され、すなわち冷蔵室2に冷気が循環供給されるようになっている。
【0020】
図10に示すように、膨出部8を含む本体1の上面には天板72が張られている。また支持フレーム14の外側において、冷却室9ならびに収納スペース11の側方を覆うようにしてサイドパネル73が張られるとともに、後面側にリヤパネル74が張られている。さらに、冷却室9ならびに収納スペース11の前面側には、フロントパネル75がヒンジ76を介して揺動開閉可能に装着されている。
フロントパネル75の下部側には、複数の外気の吸気口78が全面にわたって開口されているとともに、上部側における冷却室9の側壁とサイドパネル73の間の空間と対応する部分には、排気口79が形成されている。なお、サイドパネル73とリヤパネル74にも排気口79が形成されている。また、フロントパネル75の裏面における吸気口78と排気口79とをそれぞれ設けた領域の間の位置には、図4に示すように、仕切板81が全幅にわたって突設されている。この仕切板81は、フロントパネル75が閉じられた場合に、その突出端がエアフイルタ29の上端に当接し、フロントパネル75の裏面部分を吸気領域と排気領域とに仕切るように機能するものである。
【0021】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
この実施形態の冷蔵庫は、図4に示すようにその背面を壁82に付けた状態で設置されている。冷却ユニット6を収納する場合は、フロントパネル75を開放しておいて基板15を受け板13の上に載せて押し込むことで行われ、冷却器51と凝縮ユニット28とが冷却室9と収納スペース11とに分かれて収納される。正規位置まで押し込まれたところで、冷却室蓋48を冷却室9の出入口10に固定するとともに、把手17の奥側の側板17aを受け板13のねじ受け片18にねじ止めして固定する。続いて、フロントパネル75を閉じると、裏面の仕切板81がエアフイルタ29の上端に当接して、吸気領域と排気領域とに仕切られる。これにより冷却ユニット6の収納が完了する。
【0022】
続いて冷却運転を行うと、既述のように冷却室9内で生成された冷気が冷蔵室2内に循環供給される。またその間、凝縮器ファン25が駆動されることで、図4および図10の矢線に示すように、外気がフロントパネル75の吸気口78から収納スペース11内に吸引され、凝縮器27さらにはその奥側の圧縮機24を冷却する。熱交換された後の暖排気は、前方に回曲されつつ、冷却室9の側面とサイドパネル73の間、あるいは冷却室9の下面を通り、フロントパネル75の上部側に開口された排気口79を通って外部に排出される。冷却室蓋48が浮いた状態で取り付けられ、またL型ブラケット47も幅狭に形成されているので、冷却室9の下面側に回った暖排気もスムーズに流通して排気口79から排気される。
【0023】
ここで、凝縮器27ならびに凝縮器ファン25を通過した暖排気は、その一部が凝縮器27の左右の側面側を通って前面に回り込もうとするが、カバー30には側板35が張り出して形成されているので、暖排気が前面に回り込もうとすることが規制される。また、暖排気が凝縮器27の上面側を通ってその前面に回り込もうとすることは、フロントパネル75の裏面に設けられた仕切板81によって阻止される。すなわち、ショートサイクルを起こすことが有効に防止されて、凝縮器27等の冷却が効率良く行われる。
【0024】
メンテナンス等において冷却ユニット6を取り出す場合は、フロントパネル75を開いたのち、冷却室蓋48を固定しているナット66を外す。続いて、冷却ユニット6を引き出すのであるが、図5に示すように、基板15の前縁の下端に設けられた把手17に一方の手を掛けるとともに、カバー30の上面板31の前縁に形成されたフランジ37にもう一方の手を添えて引き出す。すなわち、冷却室蓋48はカバー30から浮いた状態で取り付けられ、さらに冷却室蓋48の裏面に片持ち状に冷却器51が取り付けられていて、冷却器51の取付構造が必ずしも安定していないところを、その冷却器51の近傍の高い位置でも手が添えられることで、冷却ユニット6をスムーズに引き出すことができる。もちろん、冷却ユニット6を挿入する際にも、同様にカバー30のフランジ37に手を添えることで、スムーズな収納を期することができる。
【0025】
また、上記のように冷却室蓋48がカバー30の上面板31から浮いた状態で取り付けられているので、冷却ユニット6を出し入れする際に冷却器51側がぐらつき、特にカバー30の上面板31の前縁側にめくられるような負荷が加わり、変形するおそれがある。その点本実施形態では、カバー30の上面板31の前縁に形成されたフランジ37が負荷に対する補強部として機能し、上面板31の変形が防止される。
【0026】
すなわち本実施形態では、カバー30の上面板31の前縁に起立状にフランジ37を形成したから、把手17に加えてフランジ37に手を添えることによって、冷却ユニット6の出し入れをスムーズに行うことができる。また、フランジ37が補強部となって上面板31の変形を防止することができる。
【0027】
<第2実施形態>
上記の第1実施形態では、凝縮器27のカバー30に設けられた側板35のうちのサイドパネル73と対応する側の側板35は、凝縮器27に出し入れされる配管56,57を通すスペースを確保する必要があることからその張り出し量が制限され、その分暖排気が凝縮器27の前面側に回ることを規制する機能に限界が出る。この第2実施形態は、暖排気の回り込みを規制する機能をさらに高めたものである。
【0028】
そのため第2実施形態では、図11に示すように、カバー30におけるサイドパネル73と対応する側の側板35に、遮蔽板83が設けられている。この遮蔽板83はゴム等の軟質材により形成されており、基板84を貼り付けることにより、側板35の全高さにわたってサイドパネル73側に突出するように設けられる。なお、遮蔽板83の上下両端部には、凝縮器27に出し入れされる配管56,57を挿通するための逃がし溝85が切られている。その他の構造は、上記第1実施形態と同様であって、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
【0029】
すなわち第2実施形態によれば、カバー30の側板35から遮蔽板83を突設したことによって、暖排気が凝縮器27のサイドパネル73と対応する側の側面を通って回り込むことがさらに規制され、ショートサイクルを起こすことがより確実に防止される。なお、遮蔽板83の突出長さをサイドパネル73側に向けて延ばすほどより有効であり、その場合、冷却ユニット6を出し入れする際に、遮蔽板83の突出端がサイドパネル73の前縁に設けられたフランジ87(図6参照)に当たることになるが、遮蔽板83は上記のように軟質材で形成されているので、撓み変形しつつその通過が許容される。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【図2】 その側面図である。
【図3】 冷却ユニットを収納する前の状態の斜視図である。
【図4】 機械室のパネルを取り外した状態の側面図である。
【図5】 冷却ユニットの引き出し動作を示す側面図である。
【図6】 凝縮ユニットの設置部分を示す平面図である。
【図7】 凝縮器の近傍の一部切欠斜視図である。
【図8】 カバーの斜視図である。
【図9】 冷蔵庫の内部の構造を示す断面図である。
【図10】 暖排気の流れを示すための一部切欠斜視図である。
【図11】 本発明の第2実施形態に係る凝縮器近傍の斜視図である。
【図12】 従来例の斜視図である。
【符号の説明】
1…本体 6…冷却ユニット 9…冷却室 11…収納スペース 15…基板17…把手 25…凝縮器ファン 27…凝縮器 28…凝縮ユニット 30…カバー 31…(カバー30の)上面板 37…フランジ 47…L型ブラケット 48…冷却室蓋 51…冷却器
Claims (2)
- 貯蔵物が収納される本体の側方には、冷却器が収納される冷却室と、凝縮ユニットが収納される収納スペースとが上下に配設される一方、前記凝縮ユニットにはカバーが被着されて、そのカバーの上面には前記冷却室の手前側の面に開口された出入口を閉塞する冷却室蓋の下端部がブラケットによって取り付けられ、かつその冷却室蓋の裏側に前記冷却器が取り付けられており、凝縮ユニットが収納スペースに収納されることに伴い、冷却器が出入口から冷却室内に引き出し可能に収納され、冷却室蓋により出入口が閉塞されるようにした冷却貯蔵庫において、
前記凝縮ユニットの前面下部には引き出し操作用の把手が設けられるとともに、前記凝縮ユニットのカバーが、凝縮器ファンを臨ませる挿入孔が開口された後面板の上縁から、凝縮器の上面を覆う上面板が手前側に片持ち状に延出された形状であって、自由端である前記上面板の前縁部が前記ブラケットの手前側の近傍に位置し、この上面板の前縁部が起立方向に折曲されることで前記ブラケットに沿うようにしてフランジが形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記冷却室蓋が、前記カバーから浮いた状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
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