JP3753731B1 - 画像処理装置、画像処理方法、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 入力画像における輪郭部の輪郭幅を検出し(31)、当該輪郭幅に基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の補間倍率を画素毎に指定するための倍率制御量を生成し(33)、上記入力画像の1フレーム間での変化量を画素毎に求め(10)、当該変化量に応じて上記倍率制御量を調整して得られる変換倍率を用いた補間演算により上記補間画素の画素データを算出する(34)。
【選択図】 図1
Description
さらに、フリッカを含んだ画像では輪郭部の鮮鋭度を高めることでフリッカがより強調されるという問題があった。
また、フリッカを強調することなく輪郭部の鮮鋭度を向上させることが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
上記入力画像における輪郭部の輪郭幅を検出し、当該輪郭幅に基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の補間倍率を画素毎に指定するための倍率制御量を生成する倍率制御量生成手段と、
上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量を画素毎に求め、当該変化量に応じて上記倍率制御量を調整して変換倍率を生成する倍率生成手段と、
上記変換倍率を用いた補間演算により上記補間画素の画素データを算出し、輪郭部が補正された画像データを出力する補間演算手段と
を備えたものである。
上記入力画像における輪郭部の輪郭幅を検出し、当該輪郭幅に基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の補間倍率を画素毎に指定する倍率制御量を生成する工程と、
上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量を画素毎に求め、当該変化量に応じて上記倍率制御量を調整して変換倍率を生成する工程と、
上記変換倍率を用いた補間演算により上記補間画素の画素データを算出し、輪郭部が補正された画像データを出力する工程と
を備えたものである。
図1は、本発明に係る画像処理装置を備えた画像表示装置の一実施形態を示すブロック図である。図1に示す画像表示装置は、受信部1、画像処理部2、出力同期信号生成部7、送信部8、および表示部9を備えている。画像処理部2は、変換部3、記憶部4、輪郭補正部5、変換部6、比較判定部10により構成される。
変換部3は、R,G,B3原色の色データからなる画像データDaを輝度データDYおよび色差データDCr,DCbに変換するとともに、同期信号Saを当該画像データDaの変換に必要な時間だけ遅延し、遅延された同期信号DSを出力する。変換部3により出力された輝度データDY、色差データDCr,DCb、および同期信号DSは記憶部4に送られる。
図2に示すように、変換部3は画像データDaを輝度データDYと色差データDCr,DCbに変換し、記憶部4のフレームメモリ制御部11に出力する。同時に変換部3は、同期信号Saを、画像データDaの変換処理に必要な時間だけ遅延し、遅延された同期信号DSをフレームメモリ制御部11に出力する。
図7に示すように、画像処理調整係数QFの値は、静止画領域において小さく、動画領域において大きくなる。図7に示す特性によれば、フレーム間輝度差|QY-RY|に応じて画像処理調整係数QFを連続的に変化させることができるので、ノイズ等の影響によりフレーム間輝度差|QY-RY|が変動した場合であっても、画像処理調整係数QFの値を安定して出力させることができる。
図8は、動画像の一例を示す図である。図8中、Sにより示す領域はフレーム間における画像変化が生じない静止画領域であり、Mにより示す領域はフレーム間で画像が変化する動画領域である。図8に示すような動画領域と静止画領域が混在する画像においては、動画領域は静止画領域に比してぼやけて見えるため、輪郭部の鮮鋭度をより大きくすることが望ましい。図6および7に示すように、画像処理調整係数QFの値は静止画領域において小さく、動画領域において大きくなるので、画像処理調整係数QFの値に応じて輪郭部の鮮鋭度を高める輪郭補正処理を行うことにより、ぼやけが発生する動画領域において輪郭部の鮮鋭度がより大きく強調されるので、より鮮明な動画像を得ることができる。
図9は、垂直輪郭補正部12の内部構成を示すブロック図である。垂直輪郭補正部12は、ライン遅延25,28、および輪郭幅補正部26を備えている。輪郭幅補正部26は、輪郭幅検出部31、倍率制御量生成部32、乗算器320、倍率生成部33、補間演算部34により構成される。
図10は、ライン遅延25により遅延される輝度データQYのタイミングチャートであり、輝度データQYaの画素数を2ka+1とする場合について示している。ライン遅延25は、図10に示すように、2ka+1ライン分の輝度データQYを遅延し、各ラインから1画素を同時に読み出すことにより、垂直方向に配列する2ka+1画素分の輝度データQYaを出力する。輝度データQYaは、輪郭幅検出部31および補間演算部34に入力される。
ライン遅延28は、画像処理調整係数QFを遅延することにより、ライン遅延25により出力される輝度データQYaの各画素データに対応する画像処理調整係数QF1を出力する。
図11(e)は、図11(d)に示す変換倍率Zに基づいて画素数変換、および輪郭幅補正を行った輝度データZYaを示す図である。輪郭中央部cでは画像を縮小し、輪郭前部bおよび輪郭後部dでは画像を拡大することにより、図11(e)に示すように輪郭幅を縮小し、輪郭部における輝度を急峻に変化させ、画像の鮮鋭度を向上することができる。
図14はライン遅延B27により遅延される輝度データZYaのタイミングチャートであり、輝度データQYbの画素数を2kb+1とする場合について示している。ライン遅延27は、図14に示すように、2kb+1ライン分の輝度データZYaを遅延し、各ラインから1画素を同時に読み出すことにより、垂直方向に配列する2kb+1画素分の輝度データQYbを出力する。輝度データQYbは、輪郭検出部35、および強調量加算部37に入力される。
ライン遅延29は、ライン遅延28により出力される画像処理調整係数QF1を遅延することにより、輝度データQYbの各画素データに対応する画像処理調整係数QF2を出力する。
図15(a)は輪郭強調処理を行う前の輝度データQYbを示す。図15(a)において、実線は動画領域における輝度データQYbを示し、破線は静止画領域における輝度データQYbを示している。ここで、図15(a)に示す輝度データQYbはそれぞれ、図12(c)に示す輝度データZYaに対応している。
図15(b)は、図15(a)に示す輝度データQYbに基づいて生成される強調量SHを示している。図15(b)において、実線は動画領域における輝度データQYbについて生成される強調量SHを示し、破線は静止画領域における輝度データQYbについて生成される強調量SHを示している。
図15(c)は、(b)に示す強調量SHに画像処理調整係数QF2を乗じた強調量SHFを示している。図15(c)において、実線は動画領域における強調量SHFを示し、破線は静止画領域における強調量SHFを示している。
図15(d)は、図15(c)に示す強調量SHFを図15(a)に示す輝度データQYbに加算して得られる輪郭強調後の輝度データZYbを示している。図15(d)において、実線は動画領域における輝度データZYbを示し、破線は静止画領域における輝度データZYbを示している。
図17は、フレーム間輝度差|QY-RY|と画像処理調整係数QFaとの関係を示す図である。図17に示すように、画像処理調整係数QFaは、領域AにおいてQFa=QFmとなり、領域BにおいてQFs<QFa<QFmとなり、領域CにおいてQY=QFsとなる。すなわち、画像処理調整係数QFaは、静止画領域において大きく、動画領域において小さくなる。
図16に示す輪郭幅補正部26においては、図17に示す特性を有する画像処理調整係数QFaを用いた輪郭幅補正処理が行われる。
図16に示す輪郭強調部30においては、図18に示す特性を有する画像処理調整係数QFbを用いた輪郭強調処理が行われる。
図19(a)は、輪郭補正処理を行う前の輝度データQYaを示す図である。
図19(b)は輪郭幅補正を行った輝度データQYbを示す図である。図19(b)において、実線は動画領域における輝度データQYbを示し、破線は静止画領域における輝度データQYbを示している。
図19(c)は、図19(b)に示す輝度データQYbに基づいて生成される強調量SHを示している。図19(c)において、実線は動画領域における輝度データQYbについて生成される強調量SHを示し、破線は静止画領域における輝度データQYbについて生成される強調量SHを示している。
図19(d)は、図19(c)に示す強調量SHに画像処理調整係数QFbを乗じた強調量SHFを示している。図19(d)において、実線は動画領域における強調量SHFを示し、破線は静止画領域における強調量SHFを示している。
図19(e)は、図19(d)に示す強調量SHFを図19(b)に示す輝度データQYbに加算して得られる輪郭強調後の輝度データZYbを示している。図19(e)において、実線は動画領域における輝度データQYbを示し、破線は静止画領域における輝度データZYbを示している。
図20は、画像処理部2の他の構成を示すブロック図である。図20に示す画像処理部2は、垂直輪郭補正部12の後段に水平輪郭補正部38を備えている。水平輪郭補正部38は、垂直輪郭補正部12により出力される輝度データZYbに水平方向の輪郭補正処理を行い、輝度データZYeを出力する。
図20に示す垂直輪郭補正部12としては、図9,13,16のいずれの構成を用いてもよい。垂直輪郭補正部12において用いられる画像処理調整係数QFは輝度データZYbとともに水平輪郭補正部38に送られる。
係数補正部42は、係数補正部41により出力された画像処理調整係数QFcに所定のフィルタリング処理を行うことにより、水平方向における輪郭の強調量を調整するための画像処理調整係数QFdを出力する。
なお、水平方向の輪郭補正を行った後に垂直方向の輪郭補正を行ってもよく、また、垂直方向と水平方向の輪郭補正を同時に実施してもよい。また、水平輪郭補正部38を、輪郭幅補正部26、または輪郭強調部30のいずれかのみにより構成することで回路規模を削減してもよい。
なお、水平方向輪郭補正部38の輪郭幅補正部26、および輪郭強調部30において用いられる画像処理調整係数QFcおよびQFdを適宜調整することにより、垂直および水平方向における輪郭幅、および輪郭部の前後に付加するオーバーシュート、アンダーシュートの大きさを適応的に調整することができる。
図24は、画像処理部2の他の構成を示すブロック図である。図24に示す画像処理部2におけるフレームメモリ制御部11は、輝度データRYの2フレーム後(輝度データQYの1フレーム後)の輝度データSYをさらに出力する。輝度データSYは、輝度データRYとともに比較判定部10に送られる。他の構成は、図2に示す画像処理部2と同様である。
図27は、フレームメモリ制御部11から1ライン周期で出力される輝度データQYおよび色差データQCr,QCb、ならびに垂直輪郭補正部12から出力される輪郭補正後の輝度データZYbを示す図である。図27において、QShは1ライン期間を示している。図27に示すように、色差データQCr,Qcbは、輝度データQYに対し、輪郭補正部5において輪郭補正処理を行うのに必要なライン期間kだけ遅延して読み出される。
なお、静止画判定部43により出力される画像処理調整係数QFとフレーム間輝度差|QY-RY|との関係は、図7に示すものと同様である。
図30に示すように、フリッカ調整係数QGは、動画領域(領域A)において大きな値となり(QG=QGm)、フリッカ発生領域(領域C)において小さな値となる(QG=QGf)。また、中間領域(領域B)においては、動画領域およびフリッカ発生領域におけるフリッカ調整係数Qf,Qmの中間の値となる(QGf<QF<QGf)。
係数補正部45は、動画静止画判定部43により出力される画像処理調整係数QFと、フリッカ判定部44により出力されるフリッカ調整係数QGとを積算し、新たな画像処理調整係数QFGを生成する。
フレーム間輝度差|QY-RY|が所定値を越える場合(動画検出フラグがH=1となる場合)、図7に示すように、画像処理調整係数QFは領域B(動画領域)におけるQFmとなる(QFm>QFs)。一方、フリッカ調整係数QGは図30に示すように、フリッカ発生領域(領域C)において小さく、動画領域(領域A)において大きくなる。このため、フリッカ発生領域における画像処理調整係数QFCは、図7に示す領域C(動画領域)における画像処理調整係数QF=QFmを小さくした値となり、領域A(動画領域)における画像処理調整係数QFCは上記画像処理調整係数QF=QFmと等しいか、またはこれよりも大きな値となる。
フリッカ発生領域においては、倍率制御量ZCに積算される画像処理調整係数QFGの値がフリッカを含まない動画領域に比して小さいため、図31(b)に示すように変換倍率Zの振幅はフリッカ発生領域において小さくなる。このため、図31(c)に示すように、フリッカ発生領域における輪郭補正後の輝度データZYaの輪郭幅Wbは、フリッカを含まない動画領域における輪郭幅Wcよりも広くなり、鮮鋭度が低くなる。つまり、フリッカ発生領域において、輪郭部の鮮鋭度を高めることによりフリッカが強調されるのを防ぐことができる。
図32は、実施の形態4におけるフレームメモリ制御部11の構成を示すブロック図であり、図2に示される画像処理装置2におけるフレームメモリ制御部11の別の構成を示している。
フレームメモリ制御部11は、書き込み制御部14、および読み出し制御部19を備えている。書き込み制御部14は、符号化部46,47および48、バッファ49、50および51、書き込みアドレス制御部52により構成され、読み出し制御部19は、バッファ53、54、55および56、復号化部57、58、59および60、読み出しアドレス制御部61により構成される。
フレームメモリ13は、読み出しアドレスRAに基づいて読み出されるデータRDをバッファ53、54、55、56に出力する。バッファ53、54、55は符号化輝度データEY1、および符号化色差データECr1、ECb1を出力し、それぞれ復号化部57、58、59に入力される。また、バッファ56は、バッファ53から出力される符号化輝度データEY1よりも1フレーム期間遅延した符号化輝度データEY2を出力し、符号化輝度データEY2は復号化部60に入力される。
また、復号化部60は、バッファ56からの符号化輝度データEY2を復号化することにより、輝度データQYよりも1フレーム遅延した輝度データRYを出力する。
輝度データQYとRYは、比較判定部10に入力される。
さらに、フレームメモリ13に対して画像データの書き込み、読み出しを行う際に、画像データを符号化してから、符号化された画像データをフレームメモリ13に書き込み、フレームメモリ13から符号化された画像データを読み出した後で復号化するので、符号化された画像データの符号化率(データ圧縮率)を高くするほど、符号化された画像データを格納するフレームメモリ13の容量を削減できるとともに、フレームメモリ13とフレームメモリ制御部11の間のバス帯域を節約することができる。
フレームメモリ制御部11に入力された輝度データDYはバッファ49に入力され、色差データDCr、DCbはそれぞれ符号化部47、48に入力される。符号化部47および48は、色差データDCr、DCbを符号化して、符号化色差データECr、ECbをそれぞれ出力する。符号化色差データECr、ECbは、バッファ50、51にそれぞれ入力される。
一般に、輝度データに比べ、色差データに対する人間の視覚的な感度は低いので、符号化処理と復号化処理によって色差データに誤差が生じても、輝度データには誤差が生じないため、画質への悪影響を抑制することができる。
図34は実施の形態5におけるフレームメモリ11の構成を示すブロック図である。これは、図24に示される画像処理装置2におけるフレームメモリ制御部11の別の構成を示している。
図34に示されるフレームメモリ制御部11は、書き込み制御部14および読み出し制御部19から構成される。書き込み制御部14は図32に示した構成と同様の構成である。読み出し制御部19は、図32に示した構成に加えて、バッファ62と復号化部63をさらに備えている。
フレームメモリ13は、読み出しアドレスRAに基づいて読み出されるデータRDをバッファ53、54、55、56および62に出力する。バッファ53、54、55は符号化輝度データEY1、および符号化色差データECr1、ECb1を出力し、それぞれ復号化部57、58、59に入力される。また、バッファ56は、バッファ53から出力される符号化輝度データEY1よりも1フレーム期間遅延した符号化輝度データEY2を出力し、符号化輝度データEY2は符号化部60に入力される。
さらに、バッファ62は、符号化輝度データEY1よりも1フレーム期間早い符号化輝度データEY0を出力し、復号化部63に入力される。
輝度データQYは、輪郭補正部5および比較判定部10に入力され、色差データQCrとQCbは輪郭補正部5に入力される。また、輝度データRYとSYは比較判定部10に入力される。
これら輝度データQY、RY、SY、色差データQCr、QCbの関係の詳細については、すでに実施の形態3で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略する。
輪郭補正部5は、画像処理調整係数QFGに基づいて、輝度データQYに対して輪郭補正処理を行って、輪郭補正された輝度データZYaを出力する。
比較判定部10と輪郭補正部5の動作は、実施の形態3、実施の形態1ですでに説明済みであるので、ここでは詳しい説明を省略する。
バッファ54,55は、輝度データQYと同じフレームの符号化色差データECr1、ECb1をそれぞれ復号化部58、59に向けて出力する。復号化部58、59では、符号化色差データECr1、ECb1がそれぞれ復号化され、復号化された色差データQCr、QCbを出力する。
また、人間の視覚的な感度の低い色差データに対して符号化および復号化を行うため、符号化方法が不可逆符号化の場合であっても、符号化前と復号化後の色差データ間に生じる誤差による、画像の劣化を抑制することができる。
図36は、実施の形態6におけるフレームメモリ制御部11の構成を示すブロック図であり、図2に示される画像処理装置2におけるフレームメモリ制御部11の別の構成を示している。
フレームメモリ制御部11は、書き込み制御部14、および読み出し制御部19を備えている。書き込み制御部14は、符号化部46、バッファ49、50および51、書き込みアドレス制御部52により構成され、読み出し制御部19は、バッファ54、55および56、復号化部60、読み出しアドレス制御部61により構成される。
フレームメモリ制御部11に入力された輝度データDYは、符号化部46に入力されるとともに、読み出し制御部19を介して輝度データQYとして出力される。符号化部46は、輝度データDYを符号化することにより、輝度データDYに対応する符号化された輝度データEYをバッファ49に出力する。
フレームメモリ制御部11に入力された色差データDCr、DCbは、バッファ50、51に入力される。
フレームメモリ13は、読み出しアドレスRAに基づいて読み出されるデータRDをバッファ54、55、56に出力する。バッファ54、55は色差データQCr、QCbを出力する。また、バッファ56は、輝度データQY、すなわち入力の輝度データDYよりも1フレーム遅延した符号化輝度データEY1を出力する。バッファ56から出力された符号化輝度データEY1は復号化部60に入力され、復号化部60は符号化輝度データEY1を復号することにより、輝度データRYを出力する。輝度データRYは輝度データQYよりも1フレーム遅延している。
輝度データQY、色差データQCr、QCbは輪郭補正部5に入力され、輝度データQYとRYは比較判定部10に入力される。
さらに、輝度データDYを符号化してから、符号化された輝度データEYをフレームメモリ13に書き込み、フレームメモリ13から符号化された輝度データEY1を読み出した後で復号化するので、符号化された輝度データの符号化率(データ圧縮率)を高くするほど、符号化された輝度データEYを格納するフレームメモリ13の容量を削減できるとともに、フレームメモリ13とフレームメモリ制御部11の間のバス帯域を節約することができる。
図40は、実施の形態7における画像処理部2の構成を示すブロック図である。図40に示す構成は、図2に示す構成と比較して、フレームメモリ制御部11が輝度データQY1とQY2を出力し、輝度データQY1が輪郭補正部5に入力され、輝度データQY2が比較判定部10に入力される点が異なる。輝度データQY1は符号化処理と復号化処理を経ない輝度データであり、輝度データQY2は符号化処理と復号化処理を経た輝度データである。(詳細は後述する)
その他の部分については、実施の形態6ですでに説明済みの内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
輝度データQY1と色差データQCr、QCbは輪郭補正部5に入力され、輝度データQY2と1フレーム遅延の輝度データRYは比較判定部10に入力される。
比較判定部10は、連続する2フレーム間の輝度データの差分に基づいて動画静止画判定を行って、輪郭補正部5の補正量を制御するように働く。
仮に、符号化と復号化を経た輝度データRYと経ない輝度データQY1に基づいて、比較判定部10での比較判定処理を行った場合には、静止画であっても、符号化と復号化を経ない輝度データQY1と経た輝度データRYとの間で生じる誤差のため、静止画部分が動画として判定される可能性がある。
図42は、実施の形態8におけるフレームメモリ制御部11の構成を示すブロック図である。これは、図24に示される画像処理装置2におけるフレームメモリ制御部11の別の構成を示している。
図42に示されるフレームメモリ制御部11は、図36に示した構成に対して、さらにバッファ62と復号化部63を備えて、連続する3フレーム分の輝度データQY、RY、SYを出力できるようにしたものである。
フレームメモリ13は、読み出しアドレスRAに基づいて読み出されるデータRDをバッファ54、55、56、62に出力する。バッファ54、55は色差データQCr、QCbを出力する。また、バッファ56は、輝度データQY、すなわち入力の輝度データDYよりも1フレーム遅延した符号化輝度データEY1を復号化部60に出力する。バッファ62は輝度データQYより2フレーム遅延した符号化輝度データEY2を復号化部63に出力する。復号化部60は符号化輝度データEY1を復号することにより、輝度データRYを出力し、復号化部63は符号化輝度データEY2を復号化することにより復号化された輝度データSYを出力する。ここで、輝度データRYは輝度データQYよりも1フレーム遅延しており、輝度データSYは輝度データQYよりも2フレーム遅延している。
輝度データQY、色差データQCr、QCbは輪郭補正部5に入力され、輝度データQY、RYおよびSYは比較判定部10に入力される。
なお、静止画判定部43により出力される画像処理調整係数QFとフレーム間輝度差|QY−RY|との関係は、図7に示すものと同様である。
図47に示すように、フリッカ調整係数QGは、動画領域(領域A)において大きな値となり(QG=QGm)、フリッカ発生領域(領域C)において小さな値となる(QG=QGf)。また、中間領域(領域B)においては、動画領域およびフリッカ発生領域におけるフリッカ調整係数Qf,Qmの中間の値となる(QGf<QF<QGf)。
係数補正部45は、動画静止画判定部43により出力される画像処理調整係数QFと、フリッカ判定部44により出力されるフリッカ調整係数QGとを積算し、新たな画像処理調整係数QFGを生成する。
フレーム間輝度差|QY-RY|が所定値を越える場合(動画検出フラグがH=1となる場合)、図7に示すように、画像処理調整係数QFは領域B(動画領域)におけるQFmとなる(QFm>QFs)。一方、フリッカ調整係数QGは図47に示すように、フリッカ発生領域(領域C)において小さく、動画領域(領域A)において大きくなる。このため、フリッカ発生領域における画像処理調整係数QFCは、図7に示す領域C(動画領域)における画像処理調整係数QF=QFmを小さくした値となり、領域A(動画領域)における画像処理調整係数QFCは上記画像処理調整係数QF=QFmと等しいか、またはこれよりも大きな値となる。
フリッカ発生領域においては、倍率制御量ZCに積算される画像処理調整係数QFGの値がフリッカを含まない動画領域に比して小さいため、図31(b)に示すように変換倍率Zの振幅はフリッカ発生領域において小さくなる。このため、図31(c)に示すように、フリッカ発生領域における輪郭補正後の輝度データZYaの輪郭幅Wbは、フリッカを含まない動画領域における輪郭幅Wcよりも広くなり、鮮鋭度が低くなる。つまり、フリッカ発生領域において、輪郭部の鮮鋭度を高めることによりフリッカが強調されるのを防ぐことができる。
さらに、輝度データDYを符号化してから、符号化された輝度データEYをフレームメモリ13に書き込み、フレームメモリ13から符号化された輝度データEY1を読み出した後で復号化するので、符号化された輝度データの符号化率(データ圧縮率)を高くするほど、符号化された輝度データEYを格納するフレームメモリ13の容量を削減できるとともに、フレームメモリ13とフレームメモリ制御部11の間のバス帯域を節約することができる。
比較判定部10と輪郭補正部5の動作は、実施の形態3、実施の形態1ですでに説明済みであるので、ここでは詳しい説明を省略する。
Claims (13)
- 入力画像の輪郭部を補正する画像処理装置であって、
上記入力画像における輪郭部の輪郭幅を検出し、当該輪郭幅に基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の補間倍率を画素毎に指定する倍率制御量を生成する倍率制御量生成手段と、
上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量を画素毎に求める比較手段と、
当該変化量に応じて上記倍率制御量を調整して変換倍率を生成する倍率生成手段と、
上記変換倍率を用いた補間演算により上記補間画素の画素データを算出し、輪郭部が補正された画像データを出力する補間演算手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 上記比較手段は、
入力画像データを符号化する符号化手段と、
符号化された画像データを遅延させるメモリ手段と、
メモリ手段から読み出した符号化された画像データを復号化する復号化手段、
を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 上記倍率制御量生成手段は、輪郭前部において正、輪郭中央部において負、輪郭後部において正となり、全体の総和が0となるよう上記倍率制御量を生成し、当該倍率制御量を画像データの拡大または縮小率を示す基準変換倍率に重畳して変換倍率を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 上記輪郭部が補正された画像データの高域成分を検出し、検出された高域成分に基づいて上記画像データの輪郭部を強調するための強調量を算出する強調量算出手段と、
上記輪郭部を補正した画像データに上記強調量を付加することにより、上記画像データの輪郭部を強調する輪郭強調手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。 - 上記強調量を、上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量に基づいて調整することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 上記入力画像と当該入力画像の前後のフレームの画像との変化量を求め、当該変化量に基づいて上記入力画像に含まれるフリッカ発生領域を検出するフリッカ判定手段をさらに備え、
上記フリッカ発生領域において上記倍率制御量を制限することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
- 入力画像の輪郭部を補正する画像処理方法であって、
上記入力画像における輪郭部の輪郭幅を検出し、当該輪郭幅に基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の補間倍率を画素毎に指定する倍率制御量を生成する工程と、
上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量を画素毎に求める比較工程と、
当該変化量に応じて上記倍率制御量を調整して変換倍率を生成する工程と、
上記変換倍率を用いた補間演算により上記補間画素の画素データを算出し、輪郭部が補正された画像データを出力する工程と
を備えたことを特徴とする画像処理方法。 - 上記比較工程は、
入力画像データを符号化する工程と、
符号化された画像データを遅延する工程と、
遅延された符号化された画像データを復号化する工程と
を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。 - 上記倍率制御量を、輪郭前部において正、輪郭中央部において負、輪郭後部において正となり、全体の総和が0となるよう生成し、当該倍率制御量を画像データの拡大または縮小率を示す基準変換倍率に重畳して変換倍率を生成することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法。
- 上記輪郭部が補正された画像データの高域成分を検出し、検出された高域成分に基づいて上記画像データの輪郭部を強調するための強調量を算出する工程と、
上記輪郭部を補正した画像データに上記強調量を付加することにより、上記画像データの輪郭部を強調する工程と
をさらに備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の画像処理方法。 - 上記強調量を、上記入力画像と当該入力画像の1フレーム前の画像との変化量に基づいて調整することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
- 上記入力画像と当該入力画像の前後のフレームの画像との変化量を求め、当該変化量に基づいて上記入力画像に含まれるフリッカ発生領域を検出する工程をさらに備え、
上記フリッカ発生領域において上記倍率制御量を制限する
ことを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の画像処理方法。
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