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JP3750125B2 - 衝撃式流量検出装置 - Google Patents

衝撃式流量検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体の流量の測定又は粉粒体の流量を制御する衝撃式流量検出装置に関し、特に、傾斜した検出板上を流れる粉粒体の流量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉粒体供給装置の排出口から鉛直方向に落下する穀類の輸送流量を測定する衝撃式流量計として、特公平8ー12091号公報に開示されたものがある。これを図8により説明すると、ホッパー101下方の粉粒体供給装置102下部の排出口103と検出板104との間に1枚またはそれ以上の緩衝板105を傾斜して設置し、最終緩衝板105を検出板104と同じ向きに傾け、粉粒体供給装置102から落下する全粉粒体を各緩衝板105に受けるとともに、これら緩衝板105に沿って落下させ、次いで検出板104に落とし込む配置にし、最終緩衝板105の下端の直下に検出板104の上端を配設し、検出板104に加わる力の鉛直方向の成分を検出する検出系(ロードセル)10を備えたものである。
【0003】
上記の構成により、この衝撃式流量計は以下のような作用を与える。
(1).緩衝板105自体が存在することで、粉粒体の流量が変わっても、検出板104に対する粉粒体の落下位置(矢印106)並びに落下方向(矢印107)を一定にし、粉粒体供給装置102から落下してきた粉粒体の速度のばらつきを一定にする。
(2).緩衝板105と検出板104の配置は両者の傾斜角度の差が小さく、粉粒体は検出板104に小さな衝撃で入射し、検出板104上を滑動しながら移動する。検出板104の傾斜角θD が緩衝板105の傾斜角θB より小さく粉粒体の移動に伴って検出板104に準静的な力を加える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の衝撃式流量計は、図9に示すようなカットゲートタイプの粉粒体供給装置を使用することが多く、以下のような欠点が生じている。すなわち、従来の粉粒体供給装置は、カットゲート102の開度の大きさによりA部のように原料の滞留しがちな部分と、C部のように原料の流れやすい部分とが生じる。これにより、原料がよく流れるC部と原料の滞留しがちなA部との境界面B部が生じ、この境界面B部の層厚がカットゲート102の開度とともに変化する。つまり、境界面B部の層厚が変化すると、滞留部Aの安息角も変化して急激に滞留部Aが崩れることがある。このように、カットゲートタイプの粉粒体供給装置ではカットゲート102の開度と原料の流量とが必ずしも一致せず、原料流量の測定精度に悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
また、上記従来の衝撃式流量計は(図8参照)、粉粒体供給装置102下部の排出口103と検出板104との間に1枚またはそれ以上の緩衝板105を傾斜して設置するので、粉粒体供給装置102とは別個の緩衝板105を複数個設ける構造、及び検出系(ロードセル)10を検出板104の下方に配設する構造により機高hを高くせざるを得ず、装置全体を大型化するという欠点があった。
【0006】
本発明は上記問題点にかんがみ、機高を低くして装置を小型化させると共に、粉粒体供給装置の開度と粉粒体の輸送流量とを常に一致させて流量の測定精度を向上させることのできる衝撃式流量検出装置を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は、供給流量を可変できる粉粒体供給装置と、該粉粒体供給装置から落下する粉粒体の荷重を受け荷重検出板と、該荷重検出板にかかる荷重を検出して電気信号に変換する荷重検出器と、該荷重検出器からの電気信号により粉粒体の流量を演算する演算手段とを有し、前記粉粒体供給装置には、荷重検出板と同程度に傾斜する底面部を設けるとともに、該底面部の傾斜下方側に粉粒体を荷重検出板に落とし込む供給口を設け、前記供給口が荷重検出板に接近して配置してある粉粒体の衝撃式流量検出装置であって、前記粉粒体供給装置には、前記供給口を開閉すべく前記底面部と平行にスライドする開閉板と、開閉板を開閉制御する駆動装置とからなる開閉装置を設ける、という技術的手段を講じた。
【0008】
また、前記開閉板は、その先端に切欠部を設けるとよい。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の衝撃式流量計の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0012】
衝撃式流量計の主要部を示す図1及び衝撃式流量計の斜視図を示す図4において、衝撃式流量計1の機台2上には、粉粒体供給装置3及び荷重検出板6を支持する機枠4が設けられる。該機枠4の上部には、流量を可変できる粉粒体供給装置3が設けられ、該粉粒体供給装置3の上方に管状部材5を介して貯留ホッパー(図示せず)等を接続し、粉粒体供給装置3下方には該粉粒体供給装置3から落下する粉粒体Fの荷重を受ける荷重検出板6が設けられる。該荷重検出板6は、水平面に対して傾斜状に配設してあり、粉粒体Fが荷重検出板6の傾斜面上を滑動して準静的な荷重がかかるように構成する。そして、荷重検出板6の幅方向には、その両端部を支持する略三角形状の支持体7A,7Bを設け(図4参照)、該支持体7A,7Bの上部には把手部8A,8Bを設ける。そして、この把手部8A,8Bに支持部材9を掛け渡し、荷重検出器としてのロードセル10の一端側を取り付けることになる。該ロードセル10の他端側は、支持部材11を介して機枠4に支持し、前記荷重検出板6をロードセル10に吊り下げる構成にする。
【0013】
前記粉粒体供給装置3の下端は前記荷重検出板6と同程度に傾斜した底面部12を設ける。そして、該底面部12の傾斜下方側に粉粒体Fを荷重検出板6に落とし込む供給口13を設ける。これにより、粉粒体供給装置3に流入した粉粒体Fは、底面部12を滑動して幅方向(図6の符号M参照)に広がって供給口13に至る。また、この供給口13は、粉粒体Fの落下衝撃を低減するように荷重検出板6の直下に接近して配置するとよい。例えば、許容範囲が5ton/h程度の流量計の場合、供給口13と荷重検出板6との間隔L(図2参照)を40mmにして試験を行った。この間隔Lは、粉粒体Fの落下による衝撃荷重よりも荷重検出板6の傾斜面にかかる準静的な荷重(秤量測定に近い荷重)が大きく検出されるように決定される。なお、供給口13の大きさ等は規定の流量を供給できるよう設計される。
【0014】
そして、前記粉粒体供給装置3には、前記供給口13を開閉するべく前記底面部12と平行にスライドさせる開閉板14と、該開閉板14を開閉制御する駆動装置15からなる開閉装置16を設けるとよい。前記駆動装置15は、例えば、所定の回転角度で停止する制御モータ15又はエアーシリンダー等を用いることができる。
【0015】
この開閉装置16は、供給口13を閉鎖するべく開閉板14を閉じる位置A(図2参照)と、供給口13を開口するべく開閉板14を開く位置B(図3参照)あるいは任意開度とに開度を制御可能にする。すなわち、本実施形態の開閉装置16を構成する駆動装置としての制御モータ15には、モータ軸17に所定の角度で停止する円板18を軸着し、該円板18と前記開閉板14とを駆動アーム19を介して連結する。そして、制御モータ15が所定の角度回転すると、駆動アーム19が傾斜上方側に引き上げられて供給口13が開口することになる。
【0016】
図5は衝撃式流量計の制御部を示すブロック図である。前記荷重検出器がロードセル10等のアナログ信号を出力するものである場合、A/D変換器20を介してマイクロプロセッサ等の演算制御装置21に接続される。そして、演算制御装置21には前記粉粒体供給装置3に設けた制御モータ15及び流量の演算結果を表示する表示装置22を接続する。
【0017】
以上の構成における作用を説明する。まず、粉粒体供給装置3は図2のように供給口13を閉鎖して貯留ホッパー(図示せず)から粉粒体Fを貯留した状態にある。そして、演算制御装置21が制御モータ15に駆動信号を出力すると、制御モータ15が駆動されて円板18が所定角度回転し、駆動アーム19に支持された開閉板14を傾斜上方側にスライドして供給口13が開口されることになる(図3参照)。このとき粉粒体Fは、傾斜した底面部12に沿って流下し、傾斜下方側の供給口13から荷重検出板6に落下する。
【0018】
本発明の著しい特徴は、図8のように粉粒体供給装置102とは別体の緩衝板105を複数個設ける構造とは異なり、図1のように粉粒体供給装置3の下部に荷重検出板6と同程度に傾斜する底面部12を設けた点にある。すなわち、粉粒体供給装置と緩衝板とを一体化して構成を簡略化し、機高を低くして装置全体を小型化したことである。そして、管状部材5から流下する粉粒体Fは、常に底面部12に当たり供給口13の幅方向に広がるので、荷重検出板6に落下する方向及び落下する位置が一定となり、粉粒体供給装置3へ流入する際に粉粒体Fの流下速度にばらつきがあっても、供給口13から流出する際には流下速度が弱められるとともに速度のばらつきが平均化される。
【0019】
また、粉粒体の落下衝撃を低減するべく、前記粉粒体供給装置の供給口13を前記荷重検出板6に接近して配置するので、供給口13と荷重検出板6との落差Lは(図2参照)、例えば40mmと小さく、荷重検出板6に加わる落下衝撃が少ない。つまり、荷重検出板6が受ける荷重は、粉粒体Fの落下時の衝撃荷重よりも、粉粒体Fが荷重検出板6上を滑動する時の準静的な荷重の割合が大きくなり、粉粒体Fの流量が秤量測定に近い状態で検出できる。
【0020】
更に、粉粒体供給装置3には、供給口13を開閉するべく底面部12と平行にスライドさせる開閉板14と、該開閉板14を開閉制御する駆動装置とからなる開閉装置16を設けているので、粉粒体Fが傾斜した底面部12に沿って流下し、開閉板14の開度により原料の滞留部分(図9のA部)が生じることはない。このため、開閉板14の開度と原料の流量とが一致し、原料流量の測定精度が向上し、供給口13の開度制御も精度よく行われる。更に、供給口13と荷重検出板6との間隔は、どこでも一定間隔であり、開閉板14がどの位置にスライドしても粉粒体Fの落下距離は同じとなる。つまり、粉粒体Fの衝撃荷重の大きさが開閉板14の開度に比例することになり、流量への換算も精度よく行える。これを図7により説明する。
【0021】
図7は開閉板14の開度(横軸)と荷重検出器10の検出値(縦軸)との関係を示すグラフである。図7中の実線Aは、供給口13から供給される粉粒体Fにより荷重検出板6が受ける衝撃荷重と粉粒体Fの準静的な荷重とを合わせた実際の検出値であり、図7中の破線Bは粉粒体Fの準静的な荷重だけを示す予想値である。従来から衝撃型流量計の測定精度を得るためには、衝撃荷重を排除した準静的な荷重を基準にして流量を算出することが望まれている。図7のグラフによれば、衝撃荷重はA−Bで求められ、この衝撃荷重AーBは開閉板14の開度に比例することが分かる。これにより、開閉板14のある開度の衝撃荷重を知れば、任意の開度の衝撃荷重を算出することが可能で、準静的な荷重の算出及び流量への換算が精度よく行われることになる。
【0022】
ところで、開閉板14は、図6のようにその先端に切欠部14aを設けてあるので、開閉板14が閉鎖位置にあっても、粉粒体Fを小流量域で滞留させることはない。
【0023】
更に、荷重検出器としてのロードセル10は、粉粒体供給装置3と略同じ高さに配設すると共に、ロードセル10に荷重検出板6を懸架しているので、図8のように荷重検出器(ロードセル)10が検出板104の下方に配設した場合と比べて機高hを低くして装置の小型化が可能となる。
【0024】
上記のように粉粒体Fが荷重検出板6に落下すると、ロードセル10で検出されたアナログ信号がA/D変換器20によりA/D変換されて変換演算制御装置21に取り込まれる。そして、演算制御装置21では検出信号から準静的荷重が算出され、更に、予め定めた演算式に従って流量に換算される。演算制御装置21によって算出された流量は、表示装置22に表示されることになる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明は、供給流量を可変できる粉粒体供給装置と、該粉粒体供給装置から落下する粉粒体の荷重を受ける荷重検出板と、該荷重検出板にかかる荷重を検出して電気信号に変換する荷重検出器と、該荷重検出器からの電気信号により粉粒体の流量を演算する演算手段とを有し、前記粉粒体供給装置には、荷重検出板と同程度に傾斜する底面部を設けるとともに、該底面部の傾斜下方側に粉粒体を荷重検出板に落とし込む供給口を設け、前記供給口が荷重検出板に接近して配置してある粉粒体の衝撃式流量検出装置であって、
前記粉粒体供給装置には、前記供給口を開閉すべく前記底面部と平行にスライドする開閉板と、開閉板を開閉制御する駆動装置とからなる開閉装置を設けた構成であるから、粉粒体Fが傾斜した底面部に沿って流下し、開閉板の開度により粉粒体が落下するので滞留部分が生じることがない。また、開閉板の開度と粉粒体の流量とが一致し、流量の測定精度が向上し、供給口の開度制御も精度よく行うことができる。さらに、供給口と荷重検出板との間隔は、どこでも一定間隔であり、開閉板がどの位置にスライドしても粉粒体の落下距離は同じとなる。つまり、粉粒体の衝撃荷重の大きさが開閉板の開度に比例することになり、流量の換算も精度よく行われるようになった。
【0026】
また、前記開閉板は、その先端に切欠部を設けているので、開閉板が閉鎖位置にあっても粉粒体を小流量域で滞留させることはない。
【0027】
【0028】
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 衝撃式流量計の主要部を示す縦断面図である。
【図2】 粉粒体供給装置に設けた開閉装置の作動状態を示す縦断面図である。
【図3】 粉粒体供給装置に設けた開閉装置の作動状態を示す縦断面図である。
【図4】 衝撃式流量計の主要部を示す斜視図である。
【図5】 衝撃式流量計の制御部を示すブロック図である。
【図6】 図3のC−C線を破断した平面図である。
【図7】 開閉板の開度と荷重検出器の検出値との関係を示すグラフである。
【図8】 従来の衝撃式流量計を示す検出板と緩衝板の配置図である。
【図9】 従来の衝撃式流量計に用いる粉粒体供給装置である。
【符号の説明】
1 衝撃式流量計
2 機台
3 粉粒体供給装置
4 機枠
5 管状部材
6 荷重検出板
7 支持体
8 把手部
9 支持部材
10 ロードセル
11 支持部材
12 底面部
13 供給口
14 開閉板
14a 切欠部
15 制御モータ
16 開閉装置
17 モータ軸
18 円板
19 駆動アーム
20 A/D変換器
21 演算制御装置
22 表示装置

Claims (2)

  1. 供給流量を可変できる粉粒体供給装置と、該粉粒体供給装置から落下する粉粒体の荷重を受け荷重検出板と、該荷重検出板にかかる荷重を検出して電気信号に変換する荷重検出器と、該荷重検出器からの電気信号により粉粒体の流量を演算する演算手段とを有し、前記粉粒体供給装置には、荷重検出板と同程度に傾斜する底面部を設けるとともに、該底面部の傾斜下方側に粉粒体を荷重検出板に落とし込む供給口を設け、前記供給口が荷重検出板に接近して配置してある粉粒体の衝撃式流量検出装置であって、
    前記粉粒体供給装置には、前記供給口を開閉すべく前記底面部と平行にスライドする開閉板と、開閉板を開閉制御する駆動装置とからなる開閉装置を設けたことを特徴とする衝撃式流量検出装置。
  2. 前記開閉板は、その先端に切欠部を設けてなる請求項1記載の衝撃式流量検出装置。
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