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JP3746607B2 - Manufacturing method of silicon-based thin film photoelectric conversion device - Google Patents

Manufacturing method of silicon-based thin film photoelectric conversion device Download PDF

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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜光電変換装置の製造方法に関し、特に、シリコン系薄膜光電変換装置の性能を低下させずにむしろ向上させつつその生産性を改善し得る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これらの開発は、安価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質シリコン薄膜を形成することによって光電変換装置の低コスト化と高性能化を両立させようという試みであり、太陽電池だけでなくて光センサ等の様々な光電変換装置への応用が期待されている。
【0003】
従来から、太陽電池の生産装置としては、複数の膜堆積室(チャンバとも呼ばれる)を直線状に連結したインライン方式、または中央に中間室を設けてその周りに複数のチャンバを配置するマルチチャンバ方式が採用されている。これは、従来の製造方法では太陽電池の性能低下を防止するために1導電型層、光電変換層および逆導電型層を一度も大気に晒すことなく真空プロセス中で連続的に形成するためである。
【0004】
たとえば、基板側からn層、i層およびp層が順次積層されるnip型太陽電池の場合、インライン方式ではn層を形成するためのn層堆積室、光電変換層を形成するためのi層堆積室、およびp層を形成するためのp層堆積室が連続して連結された構造が用いられる。この場合に、n層とp層はi層に比べて薄くて成膜時間が格段に短いので、生産効率を上げるために通常は複数のi層堆積室が連結されるのが一般的であり、n層およびp層の成膜時間が律速状態になるまではi層堆積室の数が増えるほど生産性が向上する。しかし、このインライン方式では最もメンテナンスが必要とされるi層堆積室を複数含んでいるので、1つのi層堆積室でもそのメンテナンスが必要となった場合にその生産ライン全体が停止させられるという難点がある。
【0005】
他方、マルチチャンバ方式は、膜が堆積されるべき基板が中間室を経由して各膜堆積チャンバに移動させられる方式である。そして、それぞれのチャンバと中間室との間には気密を維持し得る可動仕切りが設けられているので、ある1つのチャンバに不都合が生じた場合でも他のチャンバは使用可能であり、生産が全体的に停止させられるということはない。しかし、このマルチチャンバ方式の生産装置は、中間室と各チャンバとの間の気密性を維持しつつ基板を移動させる機構が複雑であって高価であり、また、中間室の周りに配置されるチャンバの数が空間的に制限されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法においては、光電変換装置の特性を低下させることなく低コストでかつ効率よく生産することができない。これは、光電変換ユニットに含まれる光電変換層とp型層との界面を大気に晒せばその光電変換装置の性能が著しく低下するという問題があるために、その光電変換ユニットに含まれるすべての半導体層を一度も大気に晒すことなく真空プロセス中で連続的に形成しようとするからである。
【0007】
このような従来技術の課題に鑑み、本発明は、光電変換層とp型層との界面を大気に晒しても光電変換装置の性能を低下させずにむしろ向上させつつ、低コストでかつ優れた生産性を発揮し得るシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明において、基板上に形成される少なくとも1つの光電変換ユニットを含み、そのユニットはプラズマCVD法によって順次積層されるn型シリコン系半導体層と、結晶質を含むシリコン系薄膜光電変換層と、p型シリコン系半導体層とを含むシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法は、n型半導体層の表面を酸化することによって表面酸化薄膜を形成した後にそれを覆うように引続いて光電変換層を形成し、その光電変換層の表面が一旦大気に露呈された後にその表面を気相エッチングし、その気相エッチングされた表面が大気に露呈されることなく引続いてp型半導体層が形成されることを特徴としている。
【0009】
すなわち、本発明者たちは、上述の従来技術における課題を解決すべく検討を重ねた結果、すべての半導体層が低温においてプラズマCVD法で形成されるシリコン系薄膜光電変換装置の場合に、光電変換層を形成した後にその表面が大気に晒された場合でも、その表面を適当な水素プラズマや不活性ガスのプラズマなどを利用して気相エッチング処理した後にp型層を積層することによって光電変換装置の性能低下が防止され、逆に適切なエッチング条件のもとでは光電変換装置の性能を向上させ得ることをも見いだしたのである。
【0010】
これによって、光電変換層を形成した後にp型層を積層するときに基板を膜堆積チャンバ間で真空雰囲気のもとで移送する必要がなくなり、低コストでかつ効率のよい光電変換装置の製造が可能となる。すなわち、n型層と長い堆積時間を必要とする光電変換層までが積層された複数の基板を大気中で移送および待機させることができ、それらの複数の基板を次に短い時間で形成し得るp型層のための膜堆積チャンバで迅速に処理することができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態として製造されるシリコン系薄膜光電変換装置を模式的な斜視図で図解している。この装置の基板101としては、ステンレス等の金属、ポリイミド等の低膨張率を有する有機フィルム、または低融点の安価なガラス等が用いられ得る。
【0012】
基板101上の電極110は、下記の薄膜(A)と(B)のうちの1以上を含み、たとえば真空蒸着法やスパッタ法によって裏面電極堆積チャンバ内で形成される。なお、図1において光109は上方から入射されるように描かれているが、これは下方から入射されるようにされてもよく、その場合には、電極110は金属薄膜を含まない。
(A) Ti、Cr、Al、Ag、Au、CuおよびPtから選択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合金からなる金属薄膜。
(B) ITO、SnO2 およびZnOから選択された少なくとも1以上の酸化物からなる透明導電性薄膜。
【0013】
裏面電極110が形成された基板101は裏面電極堆積チャンバから取出されてn型半導体層形成用の膜堆積チャンバ内に移され、光電変換ユニット111に含まれるn型半導体層104がプラズマCVD法により堆積される。このときのチャンバ間における基板の移送は、大気中で行なわれても何ら問題は生じない。n型半導体層104としては、たとえば導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン系薄膜などが用いられ得る。しかし、n型層104に関するこれらの条件は限定的なものではなく、微結晶シリコンカーバイドや微結晶シリコンゲルマニウム等の合金材料の層を用いてもよい。n型微結晶シリコン系薄膜104の厚さは3〜100nmの範囲内に設定され、より好ましくは5〜50nmの範囲内に設定される。
【0014】
n型層104が形成された後に、基板101は好ましくは大気中を経由して光電変換層堆積チャンバ内へ移される。このとき、n型微結晶層104の表面には、シリコン系酸化薄膜116が形成される。このシリコン系酸化薄膜116の厚さは、経験上から、0.5〜50nmの範囲内にあることが好ましく、0.1〜5nmの範囲内にあることがさらに好ましい。このようなシリコン系酸化薄膜116の形成方法としては、いくつかの他の方法も可能である。たとえば、n型微結晶層104の表面を他の酸素含有気体に曝露させて酸化する方法や、プラズマCVD法を用いて酸化させる方法も可能である。
【0015】
シリコン系酸化薄膜116上には、光電変換層105として、結晶質を含むシリコン系薄膜がプラズマCVD法によって400℃以下の下地温度のもとで形成される。この光電変換層105としては、ノンドープのi型多結晶シリコン薄膜や体積結晶化分率80%以上のi型微結晶シリコン薄膜、あるいは微量の不純物を含む弱p型または弱n型で光電変換機能を十分に備えている結晶質シリコン系薄膜が使用され得る。また、光電変換層105はこれらに限定されず、合金材料であるシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等の膜を用いてもよい。
【0016】
光電変換層105の膜厚は0.5〜20μmの範囲内で、より好ましくは1〜10μmの範囲内に設定され、結晶質を含むシリコン系薄膜光電変換層として必要かつ十分な厚さにされる。光電変換層105は400℃以下という低温で形成されるので、結晶粒界や粒内における欠陥を終端または不活性化させる水素原子を多く含み、その好ましい水素含有量は0.5〜30原子%の範囲内であり、より好ましくは1〜20原子%の範囲内にある。
【0017】
シリコン系薄膜光電変換層105に含まれる結晶粒の多くは下地層から上方に柱状に延びて成長している。これらの多くの結晶粒は膜面に平行に(110)の優先結晶配向面を有し、X線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が1/5以下であり、1/10以下であることがより好ましい。
【0018】
光電変換層105を形成する前に前述のシリコン系酸化薄膜116を形成した場合、その酸化薄膜116を形成しない場合に比べて、光電変換層105中における(110)面配向が顕著になり、結晶粒度も大きくなる。すなわち、光電変換層105からのX線回折において、(220)面反射ピークが高くかつその半値幅が狭くなる。したがって、シリコン系酸化薄膜116を形成することにより、光電変換層105の結晶構造をより好ましいものにすることができる。光電変換層105が形成された後は、基板101は大気中に取出されてもよく、光電変換層105の表面が大気に晒されてもよい。そして、基板101はp型層堆積チャンバ内に移される。
【0019】
なお、上述のように1導電型層104の表面にシリコン系酸化薄膜116を形成したその上に光電変換層105を堆積させた場合にその光電変換層105の結晶構造が著しく改善されるが、現時点においてその理由は必ずしも明らかではない。また、シリコン系酸化膜は典型的な絶縁膜として知られているが、本発明者たちはこの酸化膜が本発明による光電変換装置内の電流を阻害しないことをも経験的に見出した。これは、酸化膜が極めて薄いために光電変換層105を堆積した後には酸化薄膜116が編み目状の構造になっているために電流が流れ得ると考えるか、またはその酸化膜が極めて薄いことによるトンネル効果によって電流が流れ得ると考えることもできるが、現時点においてはその理由も必ずしも明らかではない。
【0020】
p型層堆積チャンバ内において、p型層106が堆積される前に、光電変換層105の表面が気相エッチングされる。これは、光電変換層105の表面が大気に晒されたことによってその表面に形成されるシリコン系酸化膜に起因する光電変換装置の性能低下を防止する意図のもとに行なわれる。光電変換層105の表面に形成された酸化膜は、たとえば水素プラズマに晒されることによって還元またはエッチングされ、光電変換層105のフレッシュな表面が復元される。また、適当な条件でこの気相エッチングを行なえば、光電変換層105の表面における結晶粒界がエッチングされて微細な表面凹凸を生じ、その表面凹凸によって光電変換層内に光が閉じ込められる効果によって、光電変換層内で光吸収が増大することによる光電変換効率の向上が期待され得る。気相エッチングの条件としては、たとえば水素プラズマを用いる場合には、0.1〜10Torrの範囲内の圧力と、1〜30mW/cm2 の範囲内のRFパワーが用いられる。また、エッチングにおけるプラズマ照射時間は1〜20minの範囲内であり、好ましくは3〜10minの範囲内にある。なお、気相エッチングとしては、スパッタエッチングのような他のエッチング方法を用いてもよい。
【0021】
このような気相エッチングの後に、p型層106が形成される。このp型層106としては、たとえば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型非晶質シリコン薄膜などが用いられ得る。しかし、p型層106についてのこれらの条件は限定的なものではなく、不純物原子としてはたとえばアルミニウム等でもよく、また非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウム等の合金材料の層を用いてもよい。p型層106として非晶質シリコン系薄膜が用いられる場合には、その厚さは1〜50nmの範囲内にあり、2〜30nmの範囲内にあることがより好ましい。なお、p型層106は非晶質薄膜に限られず、微結晶シリコン系薄膜であってもよく、また微結晶薄膜と非晶質薄膜の積層であってもよい。
【0022】
光電変換ユニット111上には、ITO、SnO2 、ZnO等から選択された少なくとも1以上の層からなる透明導電性酸化膜107と、さらにこの上にグリッド電極としてAl、Ag、Au、Cu、Pt等から選択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合金の層を含む櫛型状の金属電極108とがスパッタ法または真空蒸着法によって形成され、これによって図1に示されたような光電変換装置が完成する。なお、図1において光109は上方から入射されるように描かれているが、これは下方から入射されるようにされてもよく、その場合には金属電極108は櫛型状である必要はなく、また、透明導電膜107を省略してp型層106を覆うように形成されてもよい。
【0023】
図3は、本発明の第2の実施の形態により製造されるタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を模式的な斜視図で図解している。図3のタンデム型光電変換装置の製造においては、図1の場合と同様に、基板301上の複数の層302〜306が図1の基板101上の複数の層102〜106にそれぞれ対応して形成される。
【0024】
しかし、図3のタンデム型光電変換装置においては、第1の光電変換ユニット311上に重ねて第2の光電変換ユニット312がさらに形成される。第2の光電変換ユニット312は、第1の光電変換ユニット311上にプラズマCVD法で順次積層されたn型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜313、実質的にi型の非晶質シリコン系薄膜光電変換層314、およびp型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜315を含んでいる。この場合、n型のシリコン系薄膜313とi型非晶質シリコン系光電変換層314は真空雰囲気中で連続して形成され、非晶質シリコン系光電変換層314が形成された後に基板301が大気中に取出されてp型シリコン系薄膜315を堆積するための膜堆積チャンバ内に移される。そして、そのp型層堆積チャンバ内で非晶質シリコン系光電変換層314の表面が水素プラズマ等によって気相エッチングされた後に、p型の非晶質シリコン系薄膜315が形成される。
【0025】
第2の光電変換ユニット312上には、透明電極307および櫛型状金属電極308が図1中の対応する要素107および108と同様に形成され、これによって図3のタンデム型光電変換装置が完成する。
【0026】
また、本発明のさらに他の実施の形態による製造方法によって、結晶質光電変換層を含む光電変換ユニットと非晶質光電変換層を含む光電変換ユニットとの少なくとも一方のユニットを複数含む多段のタンデム型光電変換装置を製造することも可能であることはいうまでもない。
【0027】
【実施例】
以下において、本発明のいくつかの実施例によるシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法が、比較例としての光電変換装置の製造方法とともに説明される。
【0028】
(比較例1)
図2に示されているような多結晶シリコン薄膜太陽電池が、比較例1としての製造方法により作成された。まず、ガラス基板201上に、裏面電極210として、厚さ300nmのAg膜202とその上の厚さ100nmのZnO膜203のそれぞれがスパッタ法にて形成された。裏面電極210上には、厚さ10nmでリンドープされたn型微結晶シリコン層204、厚さ3μmでノンドープの多結晶シリコン光電変換層205、および厚さ10nmでボロンドープされたp型微結晶シリコン層206がそれぞれプラズマCVD法により成膜され、nip型光電変換ユニット211が形成された。ただし、これらの半導体層204,205,206は、いずれもが大気に晒されることなく基板201を膜堆積チャンバ間で移動させることによって形成された。そして、光電変換ユニット211上には、前面電極207として、厚さ80nmの透明導電性ITO膜がスパッタ法にて堆積され、その上に電流取出しのための櫛型Ag電極208が真空蒸着法によって形成された。
【0029】
n型微結晶シリコン層204は、RFプラズマCVD法により、以下に示す条件にて堆積された。すなわち、反応ガスの流量としてはシランが5sccm、水素が200sccm、そしてホスフィンが0.05sccmであり、反応室内圧力は1Torrに設定された。また、RFパワー密度は30mW/cm2 であり、成膜温度は200℃であった。これと同一の成膜条件でガラス基板上に直接堆積した厚さ300nmのn型微結晶シリコン膜の暗導電率は、10S/cmであった。さらに、このn型微結晶シリコン層204上に形成される多結晶シリコン光電変換層205は、成膜温度200℃のもとでRFプラズマCVD法により堆積された。多結晶シリコン光電変換層205において、2次イオン質量分析法から求めた水素含有量は5原子%であり、X線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比は1/4であった。
【0030】
この比較例1において製造された太陽電池の入射光209としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.472V、短絡電流密度が26.8mA/cm2 、曲線因子が74.5%、そして変換効率が9.4%であった。
【0031】
(比較例2)
比較例2の製造方法による太陽電池として、比較例1の場合に類似して図2に示されているような太陽電池が作成された。すなわち、比較例2の太陽電池の製造方法においては、n型微結晶シリコン層204、ノンドープの多結晶シリコン光電変換層205、およびp型微結晶シリコン層206の各半導体層を形成する際に、基板201が膜堆積チャンバ間で大気中を通して移動させられたことだけが比較例1の製造方法と異なっている。
【0032】
このような比較例2の製造方法により得られた太陽電池に入射光209としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.484V、短絡電流密度が26.0mA/cm2 、曲線因子が65.0%、そして変換効率が8.2%であった。
【0033】
(実施例1)
図1の第1の実施の形態に対応する製造方法によって、実施例1としての多結晶シリコン薄膜太陽電池が作成された。この実施例1においても、比較例1の場合と同様に、ガラス基板101上にAg膜102とZnO膜103を含む裏面電極110およびn型微結晶シリコン層104が形成された後に、その基板101は大気中を経由してi層堆積チャンバ内に移された。このとき、n型層104の表面が約1分間大気に露呈され、その表面にシリコン系酸化薄膜116が形成された。
【0034】
このシリコン系酸化薄膜の下地層116上に比較例1と同様のCVD条件のもとに堆積された多結晶シリコン光電変換層105において、2次イオン質量分析法から求められた水素含有量は比較例1の場合とほぼ同様の5原子%であったが、X線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比は1/10に減少した。
【0035】
光電変換層105が形成された後に基板101は大気中を通してp層堆積チャンバ内に移された。そのp層堆積チャンバ内においては、まず光電変換層105の表面が水素プラズマを用いて気相エッチングされた。この水素プラズマによる気相エッチングにおいて、水素流量は500sccm、RFパワーは30mW/cm2 、そしてプラズマ照射時間は10分であった。その後、比較例1の場合と同様の条件のもとで、p型微結晶シリコン層106、透明電極107および櫛型金属電極108が形成された。
【0036】
このような実施例1の製造方法による太陽電池に入射光109としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.531V、短絡電流密度が27.4mA/cm2 、曲線因子が72.3%、そして変換効率が10.5%であった。
【0037】
(比較例3)
比較例3としての製造方法によって、図4に示されているようなタンデム型太陽電池が作成された。この比較例3の製造方法による太陽電池においては、要素401〜406が比較例2の対応する要素201〜206と同様に形成された。すなわち、半導体層堆積チャンバ間において、基板401は大気中で移送された。しかし、この比較例3においては、第1の光電変換ユニット411上に、さらに非晶質シリコン光電変換ユニット412が積層された。この第2の光電変換ユニット412は、それぞれが非晶質であるn層413、i層414、およびp層415を含んでいる。これらの非晶質半導体層の形成の際における膜堆積チャンバ間の基板401の移動も大気中で行なわれた。なお、非晶質光電変換層414の厚さは、0.4μmに設定された。
【0038】
その後、このような第2の光電変換ユニット412上に透明電極407および櫛型金属電極408を比較例1の対応する要素207および208と同様に形成することによって、図4に示されているような比較例3によるタンデム型太陽電池が作成された。
【0039】
このような比較例3の製造方法による非晶質/多結晶型のタンデム型太陽電池に対して入射光409としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧が1.33V、短絡電流密度が13.0mA/cm2 、曲線因子が64.7%、そして変換効率が11.1%であった。
【0040】
(実施例2)
図3の第2の実施の形態に対応して、実施例2の製造方法によるタンデム型太陽電池が作成された。この実施例2においては、要素301〜306が実施例1の対応する要素101〜106と同様に形成された。しかし、この実施例2においては、第1の光電変換ユニット311上に、さらに非晶質シリコン光電変換ユニット312が積層された。この第2の光電変換ユニット312は、それぞれが非晶質であるn層313、i層314、およびp層315を含んでいる。
【0041】
これらの非晶質半導体層のうち、n層313はその下地となるp型微結晶シリコン層306が大気に晒されることなくその上に形成され、i層314もn層313が大気に晒されることなくその上に形成された。しかし、i層314が形成された後に、基板301はp層堆積チャンバ内へ大気中を通して移された。そして、i層314の表面が実施例1における水素プラズマによる気相エッチングされた後にp層315が形成された。
【0042】
その後、比較例3の場合と同様に、透明電極307と櫛型金属電極308が形成された。
【0043】
このような実施例2による非晶質/多結晶型のタンデム型太陽電池に対して入射光309としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性としては、開放端電圧が1.41V、短絡電流密度が13.5mA/cm2 、曲線因子が73.9%、そして変換効率が14.1%であった。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、導電型層に比べて長い堆積時間を要する実質的にi型の光電変換層を形成した後に基板を次の膜堆積チャンバへ移動させるときに大気中で輸送または待機させることができるので、シリコン系薄膜光電変換装置をその性能を低下させることなく低コストで効率よく製造することができる。本発明によればまた、気相エッチングによって光電変換層の表面に微細な凹凸が形成され得るので、光電変換層内への光閉じ込め効果の改善によって、その光電変換装置の性能改善にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による結晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を説明するための模式的な斜視図である。
【図2】先行技術による比較例1および2としての結晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を説明するための模式的な斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による非晶質/結晶質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を説明するための模式的な斜視図である。
【図4】先行技術による比較例3としての非晶質/結晶質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を説明するための模式的な斜視図である。
【符号の説明】
101、201、301、401:ガラス等の基板
102、202、302、402:Ag等の膜
103、203、303、403:ZnO、ITO等の膜
104、204、304、404:たとえばn型の微結晶シリコン層
105、205、305、405:結晶質シリコン光電変換層
106、206、306、406:たとえばp型の微結晶シリコン層
107、207、307、407:ITO等の透明導電膜
108、208、308、408:Ag等の櫛型電極
109、209、309、409:照射光
110、210、310、410:電極
111、211、311、411:結晶質シリコン光電変換ユニット
312、412:非晶質シリコン光電変換ユニット
313、413:n型シリコン系層
314、414:i型の非晶質シリコン光電変換層
315、415:p型シリコン系層
116、316:シリコン系酸化薄膜
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a thin film photoelectric conversion device, and more particularly to a manufacturing method capable of improving the productivity of a silicon-based thin film photoelectric conversion device while improving rather than reducing the performance.
[0002]
[Prior art]
In recent years, for example, photoelectric conversion devices using thin films containing crystalline silicon such as polycrystalline silicon and microcrystalline silicon have been vigorously developed. These developments are attempts to achieve both low cost and high performance of photoelectric conversion devices by forming a high-quality crystalline silicon thin film on an inexpensive substrate by a low temperature process. Applications to various photoelectric conversion devices such as optical sensors are expected.
[0003]
Conventionally, as a solar cell production apparatus, an in-line method in which a plurality of film deposition chambers (also referred to as chambers) are linearly connected, or a multi-chamber method in which an intermediate chamber is provided in the center and a plurality of chambers are arranged around it. Is adopted. This is because in the conventional manufacturing method, in order to prevent the performance degradation of the solar cell, the one-conductivity-type layer, the photoelectric conversion layer, and the reverse-conductivity-type layer are continuously formed in a vacuum process without being exposed to the atmosphere. is there.
[0004]
For example, in the case of a nip type solar cell in which an n layer, an i layer, and a p layer are sequentially stacked from the substrate side, an n layer deposition chamber for forming an n layer and an i layer for forming a photoelectric conversion layer in the in-line method. A structure in which a deposition chamber and a p-layer deposition chamber for forming a p-layer are connected in series is used. In this case, since the n layer and the p layer are thinner than the i layer and the film formation time is remarkably short, it is common to connect a plurality of i layer deposition chambers in order to increase production efficiency. The productivity increases as the number of i-layer deposition chambers increases until the deposition time of the n-layer and the p-layer reaches the rate-limiting state. However, since this in-line system includes a plurality of i-layer deposition chambers that require the most maintenance, the entire production line can be stopped when maintenance is required even in one i-layer deposition chamber. There is.
[0005]
On the other hand, the multi-chamber method is a method in which a substrate on which a film is to be deposited is moved to each film deposition chamber via an intermediate chamber. In addition, since a movable partition that can maintain airtightness is provided between each chamber and the intermediate chamber, even if a problem occurs in one chamber, the other chamber can be used, and the entire production can be performed. It is never stopped. However, this multi-chamber type production apparatus has a complicated and expensive mechanism for moving the substrate while maintaining the airtightness between the intermediate chamber and each chamber, and is disposed around the intermediate chamber. There is a problem that the number of chambers is spatially limited.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the conventional method for manufacturing a silicon-based thin film photoelectric conversion device, it cannot be produced efficiently at low cost without deteriorating the characteristics of the photoelectric conversion device. This is because if the interface between the photoelectric conversion layer and the p-type layer included in the photoelectric conversion unit is exposed to the atmosphere, the performance of the photoelectric conversion device is significantly reduced. This is because the semiconductor layer is continuously formed in a vacuum process without being exposed to the atmosphere.
[0007]
In view of such a problem of the prior art, the present invention is low cost and excellent while improving rather than reducing the performance of the photoelectric conversion device even if the interface between the photoelectric conversion layer and the p-type layer is exposed to the atmosphere. Another object of the present invention is to provide a method for manufacturing a silicon-based thin film photoelectric conversion device that can exhibit high productivity.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, it includes at least one photoelectric conversion unit formed on a substrate, and the unit includes an n-type silicon-based semiconductor layer sequentially stacked by a plasma CVD method, a silicon-based thin-film photoelectric conversion layer containing a crystalline material, A method for manufacturing a silicon-based thin film photoelectric conversion device including a p-type silicon-based semiconductor layer includes: forming a surface oxide thin film by oxidizing a surface of an n-type semiconductor layer; After the surface of the photoelectric conversion layer is once exposed to the atmosphere, the surface is subjected to gas phase etching, and the p-type semiconductor layer is subsequently formed without exposing the gas phase etched surface to the atmosphere. It is characterized by that.
[0009]
In other words, as a result of repeated studies to solve the above-described problems in the prior art, the present inventors have found that in the case of a silicon-based thin film photoelectric conversion device in which all semiconductor layers are formed by plasma CVD at a low temperature, photoelectric conversion is performed. Even if the surface is exposed to the atmosphere after forming the layer, photoelectric conversion is performed by laminating a p-type layer after the surface is vapor-phase etched using appropriate hydrogen plasma or inert gas plasma. It has also been found that the performance of the device can be prevented and the performance of the photoelectric conversion device can be improved under appropriate etching conditions.
[0010]
This eliminates the need to transfer the substrate between the film deposition chambers in a vacuum atmosphere when laminating the p-type layer after forming the photoelectric conversion layer, thereby producing a low-cost and efficient photoelectric conversion device. It becomes possible. That is, a plurality of substrates on which an n-type layer and a photoelectric conversion layer requiring a long deposition time are stacked can be transported and waited in the atmosphere, and the plurality of substrates can be formed in the next short time. Allows rapid processing in a film deposition chamber for p-type layers.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a schematic perspective view illustrating a silicon-based thin film photoelectric conversion device manufactured as a first embodiment of the present invention. As the substrate 101 of this apparatus, a metal such as stainless steel, an organic film having a low expansion coefficient such as polyimide, or an inexpensive glass having a low melting point can be used.
[0012]
The electrode 110 on the substrate 101 includes one or more of the following thin films (A) and (B), and is formed in the back electrode deposition chamber by, for example, vacuum evaporation or sputtering. In FIG. 1, the light 109 is depicted as being incident from above, but it may be incident from below, in which case the electrode 110 does not include a metal thin film.
(A) A metal thin film made of at least one metal selected from Ti, Cr, Al, Ag, Au, Cu and Pt, or an alloy thereof.
(B) ITO, SnO 2 And a transparent conductive thin film comprising at least one oxide selected from ZnO.
[0013]
The substrate 101 on which the back electrode 110 is formed is taken out from the back electrode deposition chamber and transferred into the film deposition chamber for forming the n-type semiconductor layer, and the n-type semiconductor layer 104 included in the photoelectric conversion unit 111 is formed by plasma CVD. Is deposited. Even if the transfer of the substrate between the chambers at this time is performed in the atmosphere, no problem occurs. As n-type semiconductor layer 104, for example, an n-type microcrystalline silicon thin film doped with 0.01 atomic% or more of phosphorus, which is a conductivity-determining impurity atom, can be used. However, these conditions regarding the n-type layer 104 are not limited, and a layer of an alloy material such as microcrystalline silicon carbide or microcrystalline silicon germanium may be used. The thickness of the n-type microcrystalline silicon thin film 104 is set in the range of 3 to 100 nm, and more preferably in the range of 5 to 50 nm.
[0014]
After the n-type layer 104 is formed, the substrate 101 is preferably transferred to the photoelectric conversion layer deposition chamber via the atmosphere. At this time, a silicon-based oxide thin film 116 is formed on the surface of the n-type microcrystalline layer 104. From the experience, the thickness of the silicon-based oxide thin film 116 is preferably in the range of 0.5 to 50 nm, and more preferably in the range of 0.1 to 5 nm. Several other methods are possible for forming such a silicon-based oxide thin film 116. For example, a method of oxidizing by exposing the surface of the n-type microcrystalline layer 104 to another oxygen-containing gas, or a method of oxidizing using a plasma CVD method is also possible.
[0015]
On the silicon-based oxide thin film 116, a silicon-based thin film containing a crystalline material is formed as a photoelectric conversion layer 105 at a base temperature of 400 ° C. or lower by plasma CVD. The photoelectric conversion layer 105 may be a non-doped i-type polycrystalline silicon thin film, an i-type microcrystalline silicon thin film with a volume crystallization fraction of 80% or more, or a weak p-type or weak n-type photoelectric conversion function containing a small amount of impurities. A crystalline silicon-based thin film that is sufficiently equipped with can be used. In addition, the photoelectric conversion layer 105 is not limited thereto, and a film of an alloy material such as silicon carbide or silicon germanium may be used.
[0016]
The film thickness of the photoelectric conversion layer 105 is set in the range of 0.5 to 20 μm, more preferably in the range of 1 to 10 μm, and the thickness is necessary and sufficient for a silicon-based thin film photoelectric conversion layer containing crystalline material. The Since the photoelectric conversion layer 105 is formed at a low temperature of 400 ° C. or less, the photoelectric conversion layer 105 contains a large amount of hydrogen atoms that terminate or inactivate defects in crystal grain boundaries and grains, and the preferable hydrogen content is 0.5 to 30 atomic%. More preferably, it exists in the range of 1-20 atomic%.
[0017]
Most of the crystal grains contained in the silicon-based thin film photoelectric conversion layer 105 are extended and extended in a column shape upward from the base layer. Many of these crystal grains have (110) preferential crystal orientation plane parallel to the film surface, and the intensity ratio of (111) diffraction peak to (220) diffraction peak in X-ray diffraction is 1/5 or less, More preferably, it is 1/10 or less.
[0018]
When the above-described silicon-based oxide thin film 116 is formed before the photoelectric conversion layer 105 is formed, the (110) plane orientation in the photoelectric conversion layer 105 becomes conspicuous as compared with the case where the oxide thin film 116 is not formed. The particle size also increases. That is, in the X-ray diffraction from the photoelectric conversion layer 105, the (220) plane reflection peak is high and the half width is narrow. Therefore, by forming the silicon-based oxide thin film 116, the crystal structure of the photoelectric conversion layer 105 can be made more preferable. After the photoelectric conversion layer 105 is formed, the substrate 101 may be taken out into the atmosphere, and the surface of the photoelectric conversion layer 105 may be exposed to the atmosphere. The substrate 101 is then transferred into the p-type layer deposition chamber.
[0019]
In addition, when the photoelectric conversion layer 105 is deposited on the silicon-based oxide thin film 116 formed on the surface of the one conductivity type layer 104 as described above, the crystal structure of the photoelectric conversion layer 105 is remarkably improved. The reason is not always clear at this time. Further, although the silicon-based oxide film is known as a typical insulating film, the present inventors have also empirically found that this oxide film does not inhibit the current in the photoelectric conversion device according to the present invention. This is because the oxide thin film 116 has a knitted structure after the photoelectric conversion layer 105 is deposited because the oxide film is very thin, or it is considered that current can flow or the oxide film is very thin. Although it can be considered that current can flow by the tunnel effect, the reason is not necessarily clear at this time.
[0020]
In the p-type layer deposition chamber, the surface of the photoelectric conversion layer 105 is vapor-phase etched before the p-type layer 106 is deposited. This is performed with the intention of preventing the performance degradation of the photoelectric conversion device due to the silicon-based oxide film formed on the surface of the photoelectric conversion layer 105 exposed to the atmosphere. The oxide film formed on the surface of the photoelectric conversion layer 105 is reduced or etched by being exposed to, for example, hydrogen plasma, and the fresh surface of the photoelectric conversion layer 105 is restored. Further, if this vapor phase etching is performed under appropriate conditions, the crystal grain boundary on the surface of the photoelectric conversion layer 105 is etched to produce fine surface irregularities, and the effect of confining light in the photoelectric conversion layer by the surface irregularities. It can be expected that the photoelectric conversion efficiency is improved by increasing the light absorption in the photoelectric conversion layer. As conditions for the vapor phase etching, for example, when hydrogen plasma is used, a pressure within a range of 0.1 to 10 Torr and 1 to 30 mW / cm. 2 RF power within the range is used. In addition, the plasma irradiation time in etching is in the range of 1 to 20 min, preferably in the range of 3 to 10 min. As the vapor phase etching, another etching method such as sputter etching may be used.
[0021]
After such vapor phase etching, a p-type layer 106 is formed. As this p-type layer 106, for example, a p-type amorphous silicon thin film doped with 0.01 atomic% or more of boron, which is a conductivity determining impurity atom, can be used. However, these conditions for the p-type layer 106 are not limited, and the impurity atom may be, for example, aluminum, or a layer of an alloy material such as amorphous silicon carbide or amorphous silicon germanium is used. Also good. When an amorphous silicon thin film is used as the p-type layer 106, the thickness thereof is in the range of 1 to 50 nm, and more preferably in the range of 2 to 30 nm. Note that the p-type layer 106 is not limited to an amorphous thin film, and may be a microcrystalline silicon-based thin film, or may be a stack of a microcrystalline thin film and an amorphous thin film.
[0022]
On the photoelectric conversion unit 111, ITO, SnO 2 Transparent conductive oxide film 107 composed of at least one layer selected from ZnO, etc., and at least one metal selected from Al, Ag, Au, Cu, Pt or the like as a grid electrode on the transparent conductive oxide film 107 The comb-shaped metal electrode 108 including the alloy layer is formed by sputtering or vacuum deposition, thereby completing the photoelectric conversion device as shown in FIG. In FIG. 1, the light 109 is drawn so as to be incident from above, but this may be incident from below, in which case the metal electrode 108 is not necessarily comb-shaped. Alternatively, the transparent conductive film 107 may be omitted and the p-type layer 106 may be covered.
[0023]
FIG. 3 is a schematic perspective view illustrating a tandem-type silicon-based thin film photoelectric conversion device manufactured according to the second embodiment of the present invention. In the manufacture of the tandem photoelectric conversion device of FIG. 3, the plurality of layers 302 to 306 on the substrate 301 correspond to the plurality of layers 102 to 106 on the substrate 101 of FIG. It is formed.
[0024]
However, in the tandem photoelectric conversion device in FIG. 3, a second photoelectric conversion unit 312 is further formed over the first photoelectric conversion unit 311. The second photoelectric conversion unit 312 includes an n-type microcrystalline or amorphous silicon-based thin film 313 sequentially stacked on the first photoelectric conversion unit 311 by a plasma CVD method, and is substantially an i-type amorphous. A silicon-based thin film photoelectric conversion layer 314 and a p-type microcrystalline or amorphous silicon-based thin film 315 are included. In this case, the n-type silicon thin film 313 and the i-type amorphous silicon photoelectric conversion layer 314 are continuously formed in a vacuum atmosphere, and the substrate 301 is formed after the amorphous silicon photoelectric conversion layer 314 is formed. It is taken out into the atmosphere and transferred into a film deposition chamber for depositing a p-type silicon thin film 315. Then, after the surface of the amorphous silicon photoelectric conversion layer 314 is vapor-phase etched by hydrogen plasma or the like in the p-type layer deposition chamber, the p-type amorphous silicon thin film 315 is formed.
[0025]
A transparent electrode 307 and a comb-shaped metal electrode 308 are formed on the second photoelectric conversion unit 312 in the same manner as the corresponding elements 107 and 108 in FIG. 1, thereby completing the tandem photoelectric conversion device in FIG. To do.
[0026]
Further, a multi-stage tandem including a plurality of at least one of a photoelectric conversion unit including a crystalline photoelectric conversion layer and a photoelectric conversion unit including an amorphous photoelectric conversion layer by a manufacturing method according to another embodiment of the present invention. It goes without saying that it is also possible to manufacture a type photoelectric conversion device.
[0027]
【Example】
Below, the manufacturing method of the silicon-type thin film photoelectric conversion apparatus by some Example of this invention is demonstrated with the manufacturing method of the photoelectric conversion apparatus as a comparative example.
[0028]
(Comparative Example 1)
A polycrystalline silicon thin film solar cell as shown in FIG. 2 was produced by the production method as Comparative Example 1. First, an Ag film 202 having a thickness of 300 nm and a ZnO film 203 having a thickness of 100 nm thereon were formed as a back electrode 210 on the glass substrate 201 by sputtering. On the back electrode 210, a phosphorous-doped n-type microcrystalline silicon layer 204 having a thickness of 10 nm, a non-doped polycrystalline silicon photoelectric conversion layer 205 having a thickness of 3 μm, and a p-type microcrystalline silicon layer having a thickness of 10 nm and boron-doped. 206 were formed by the plasma CVD method, and the nip type photoelectric conversion unit 211 was formed. However, these semiconductor layers 204, 205, and 206 were formed by moving the substrate 201 between the film deposition chambers without exposing them to the atmosphere. On the photoelectric conversion unit 211, a transparent conductive ITO film having a thickness of 80 nm is deposited as a front electrode 207 by a sputtering method, and a comb-shaped Ag electrode 208 for current extraction is deposited thereon by a vacuum evaporation method. Been formed.
[0029]
The n-type microcrystalline silicon layer 204 was deposited by the RF plasma CVD method under the following conditions. That is, the flow rates of the reaction gas were 5 sccm for silane, 200 sccm for hydrogen, and 0.05 sccm for phosphine, and the reaction chamber pressure was set to 1 Torr. RF power density is 30mW / cm 2 The film formation temperature was 200 ° C. The dark conductivity of the 300 nm thick n-type microcrystalline silicon film deposited directly on the glass substrate under the same film forming conditions was 10 S / cm. Further, the polycrystalline silicon photoelectric conversion layer 205 formed on the n-type microcrystalline silicon layer 204 was deposited by an RF plasma CVD method at a film forming temperature of 200 ° C. In the polycrystalline silicon photoelectric conversion layer 205, the hydrogen content obtained from secondary ion mass spectrometry is 5 atomic%, and the intensity ratio of the (111) diffraction peak to the (220) diffraction peak in X-ray diffraction is 1/4. Met.
[0030]
As the incident light 209 of the solar cell manufactured in Comparative Example 1, AM1.5 light is 100 mW / cm. 2 In the output characteristics when irradiated with an amount of light, the open-circuit voltage is 0.472 V and the short-circuit current density is 26.8 mA / cm. 2 The fill factor was 74.5% and the conversion efficiency was 9.4%.
[0031]
(Comparative Example 2)
As a solar cell by the manufacturing method of Comparative Example 2, a solar cell as shown in FIG. That is, in the method of manufacturing the solar cell of Comparative Example 2, when forming each semiconductor layer of the n-type microcrystalline silicon layer 204, the non-doped polycrystalline silicon photoelectric conversion layer 205, and the p-type microcrystalline silicon layer 206, The only difference from the manufacturing method of Comparative Example 1 is that the substrate 201 is moved through the atmosphere between the film deposition chambers.
[0032]
The solar cell obtained by the manufacturing method of Comparative Example 2 was supplied with AM1.5 light as incident light 209 of 100 mW / cm. 2 In the output characteristics when irradiated with an amount of light, the open-circuit voltage is 0.484 V and the short-circuit current density is 26.0 mA / cm. 2 The fill factor was 65.0% and the conversion efficiency was 8.2%.
[0033]
Example 1
A polycrystalline silicon thin film solar cell as Example 1 was produced by the manufacturing method corresponding to the first embodiment of FIG. Also in Example 1, as in Comparative Example 1, after the back electrode 110 including the Ag film 102 and the ZnO film 103 and the n-type microcrystalline silicon layer 104 were formed on the glass substrate 101, the substrate 101 Was transferred into the i-layer deposition chamber via the atmosphere. At this time, the surface of the n-type layer 104 was exposed to the atmosphere for about 1 minute, and a silicon-based oxide thin film 116 was formed on the surface.
[0034]
In the polycrystalline silicon photoelectric conversion layer 105 deposited on the silicon-based oxide thin film underlayer 116 under the same CVD conditions as in Comparative Example 1, the hydrogen content obtained by secondary ion mass spectrometry was compared. Although it was 5 atomic%, which was almost the same as in Example 1, the intensity ratio of the (111) diffraction peak to the (220) diffraction peak in X-ray diffraction was reduced to 1/10.
[0035]
After the photoelectric conversion layer 105 was formed, the substrate 101 was transferred into the p-layer deposition chamber through the atmosphere. In the p-layer deposition chamber, the surface of the photoelectric conversion layer 105 was first vapor-phase etched using hydrogen plasma. In this gas phase etching by hydrogen plasma, the hydrogen flow rate is 500 sccm and the RF power is 30 mW / cm 2 The plasma irradiation time was 10 minutes. Thereafter, a p-type microcrystalline silicon layer 106, a transparent electrode 107, and a comb-shaped metal electrode 108 were formed under the same conditions as in Comparative Example 1.
[0036]
AM1.5 light is applied as 100 mW / cm as incident light 109 to the solar cell manufactured by the manufacturing method of Example 1 as described above. 2 In the output characteristics when irradiated with an amount of light, the open-circuit voltage is 0.531 V and the short-circuit current density is 27.4 mA / cm. 2 The fill factor was 72.3% and the conversion efficiency was 10.5%.
[0037]
(Comparative Example 3)
A tandem solar cell as shown in FIG. 4 was produced by the manufacturing method as Comparative Example 3. In the solar cell according to the manufacturing method of Comparative Example 3, the elements 401 to 406 were formed in the same manner as the corresponding elements 201 to 206 of Comparative Example 2. That is, the substrate 401 was transferred between the semiconductor layer deposition chambers in the atmosphere. However, in Comparative Example 3, an amorphous silicon photoelectric conversion unit 412 was further stacked on the first photoelectric conversion unit 411. The second photoelectric conversion unit 412 includes an n layer 413, an i layer 414, and a p layer 415, each of which is amorphous. The movement of the substrate 401 between the film deposition chambers during the formation of these amorphous semiconductor layers was also performed in the atmosphere. Note that the thickness of the amorphous photoelectric conversion layer 414 was set to 0.4 μm.
[0038]
After that, by forming the transparent electrode 407 and the comb-shaped metal electrode 408 on the second photoelectric conversion unit 412 like this in the same manner as the corresponding elements 207 and 208 of Comparative Example 1, as shown in FIG. A tandem solar cell according to Comparative Example 3 was prepared.
[0039]
With respect to the amorphous / polycrystalline tandem solar cell manufactured by the manufacturing method of Comparative Example 3 as described above, AM1.5 light is used as incident light 409 at 100 mW / cm. 2 In the output characteristics when irradiated with a light amount of 1.33 V, the open circuit voltage is 1.33 V and the short-circuit current density is 13.0 mA / cm. 2 The fill factor was 64.7% and the conversion efficiency was 11.1%.
[0040]
(Example 2)
Corresponding to the second embodiment of FIG. 3, a tandem solar cell by the manufacturing method of Example 2 was produced. In Example 2, the elements 301 to 306 were formed in the same manner as the corresponding elements 101 to 106 of Example 1. However, in Example 2, an amorphous silicon photoelectric conversion unit 312 was further stacked on the first photoelectric conversion unit 311. The second photoelectric conversion unit 312 includes an n layer 313, an i layer 314, and a p layer 315, each of which is amorphous.
[0041]
Among these amorphous semiconductor layers, the n layer 313 is formed on the p-type microcrystalline silicon layer 306 which is the base layer without being exposed to the atmosphere, and the i layer 314 is also exposed to the atmosphere. Formed on it without. However, after the i-layer 314 was formed, the substrate 301 was transferred through the atmosphere into the p-layer deposition chamber. Then, the p-layer 315 was formed after the surface of the i-layer 314 was vapor-phase etched with hydrogen plasma in Example 1.
[0042]
Thereafter, as in Comparative Example 3, a transparent electrode 307 and a comb-shaped metal electrode 308 were formed.
[0043]
With respect to such an amorphous / polycrystalline tandem solar cell according to Example 2, AM1.5 light is used as incident light 309 at 100 mW / cm. 2 The output characteristics when irradiated with a light amount of 1.41 V are the open-circuit voltage, and the short-circuit current density is 13.5 mA / cm. 2 The fill factor was 73.9% and the conversion efficiency was 14.1%.
[0044]
【The invention's effect】
As described above, when the substrate is moved to the next film deposition chamber after the substantially i-type photoelectric conversion layer that requires a longer deposition time than the conductive type layer is formed, the substrate can be transported or waited in the atmosphere. Therefore, the silicon-based thin film photoelectric conversion device can be efficiently manufactured at a low cost without deteriorating its performance. According to the present invention, since fine irregularities can be formed on the surface of the photoelectric conversion layer by vapor phase etching, it contributes to the performance improvement of the photoelectric conversion device by improving the light confinement effect in the photoelectric conversion layer. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view for explaining a method for manufacturing a crystalline silicon-based thin film photoelectric conversion device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic perspective view for explaining a method for manufacturing a crystalline silicon-based thin film photoelectric conversion device as Comparative Examples 1 and 2 according to the prior art.
FIG. 3 is a schematic perspective view for explaining a method of manufacturing an amorphous / crystalline tandem silicon thin film photoelectric conversion device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic perspective view for explaining a manufacturing method of an amorphous / crystalline tandem silicon thin film photoelectric conversion device as Comparative Example 3 according to the prior art.
[Explanation of symbols]
101, 201, 301, 401: substrate such as glass
102, 202, 302, 402: films such as Ag
103, 203, 303, 403: films of ZnO, ITO, etc.
104, 204, 304, 404: for example, n-type microcrystalline silicon layer
105, 205, 305, 405: crystalline silicon photoelectric conversion layer
106, 206, 306, 406: for example, p-type microcrystalline silicon layer
107, 207, 307, 407: Transparent conductive film such as ITO
108, 208, 308, 408: Comb electrodes such as Ag
109, 209, 309, 409: Irradiation light
110, 210, 310, 410: electrode
111, 211, 311, 411: crystalline silicon photoelectric conversion unit
312, 412: Amorphous silicon photoelectric conversion unit
313, 413: n-type silicon-based layer
314, 414: i-type amorphous silicon photoelectric conversion layer
315, 415: p-type silicon-based layer
116, 316: Silicon-based oxide thin film

Claims (6)

基板上に形成される少なくとも1つの光電変換ユニットを含み、前記光電変換ユニットはプラズマCVD法によって順次積層されるn型シリコン系半導体層と、結晶質を含むシリコン系薄膜光電変換層と、p型シリコン系半導体層とを含む光電変換装置の製造方法であって、
前記n型半導体層の表面を酸化することによって表面酸化薄膜を形成した後にそれを覆うように前記光電変換層を形成し、
前記光電変換層の表面が一旦大気に露呈された後にその表面を気相エッチングし、
前記気相エッチングされた表面が大気に露呈されることなく引続いて前記p型半導体層が形成されることを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
Including at least one photoelectric conversion unit formed on a substrate, wherein the photoelectric conversion unit is sequentially stacked by a plasma CVD method, an n-type silicon-based semiconductor layer, a silicon-based thin film photoelectric conversion layer containing a crystalline material, and a p-type A method for manufacturing a photoelectric conversion device including a silicon-based semiconductor layer,
Forming the photoelectric conversion layer so as to cover the surface after forming a surface oxide thin film by oxidizing the surface of the n-type semiconductor layer;
After the surface of the photoelectric conversion layer is once exposed to the atmosphere, the surface is vapor-phase etched,
A method of manufacturing a silicon-based thin film photoelectric conversion device, wherein the p-type semiconductor layer is formed continuously without exposing the vapor-etched surface to the atmosphere.
前記光電変換層はその膜面に平行に(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が1/5以下であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。The photoelectric conversion layer has (110) preferential crystal orientation plane parallel to the film surface, and the intensity ratio of (111) diffraction peak to (220) diffraction peak in X-ray diffraction is 1/5 or less. The manufacturing method of the photoelectric conversion apparatus of Claim 1 characterized by these. 前記光電変換層は400℃下の下地温度のもとで形成され、80%以上の体積結晶化分率と、0.1〜30原子%の範囲内の水素含有量と、0.5〜10μmの範囲内の厚さとを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。The photoelectric conversion layer is formed under a base temperature of 400 ° C., has a volume crystallization fraction of 80% or more, a hydrogen content in the range of 0.1 to 30 atomic%, and 0.5 to 10 μm. The method for manufacturing a photoelectric conversion device according to claim 1, wherein the thickness of 前記気相エッチングに用いられるガスが水素または不活性ガスを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の光電変換装置の製造方法。The method for manufacturing a photoelectric conversion device according to any one of claims 1 to 3, wherein the gas used for the vapor phase etching contains hydrogen or an inert gas. 前記気相エッチングのエッチングガスの活性化に用いられる電力は1〜30mW/cm2 の範囲内にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の光電変換装置の製造方法。5. The method for manufacturing a photoelectric conversion device according to claim 1, wherein an electric power used for activating the etching gas in the vapor phase etching is in a range of 1 to 30 mW / cm 2. . 前記少なくとも1つの光電変換ユニットに加えて、順次積層されるn型シリコン系半導体層と非晶質シリコン系薄膜光電変換層とp型シリコン系半導体層とを含む少なくともさらにもう1つの光電変換ユニットを積層することを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載の光電変換装置の製造方法。In addition to the at least one photoelectric conversion unit, at least one other photoelectric conversion unit including an n-type silicon-based semiconductor layer, an amorphous silicon-based thin film photoelectric conversion layer, and a p-type silicon-based semiconductor layer, which are sequentially stacked, The method for manufacturing a photoelectric conversion device according to claim 1, wherein the photoelectric conversion device is laminated.
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