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JP3746160B2 - 制御棒駆動機構取扱い装置 - Google Patents

制御棒駆動機構取扱い装置 Download PDF

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JP3746160B2
JP3746160B2 JP32351498A JP32351498A JP3746160B2 JP 3746160 B2 JP3746160 B2 JP 3746160B2 JP 32351498 A JP32351498 A JP 32351498A JP 32351498 A JP32351498 A JP 32351498A JP 3746160 B2 JP3746160 B2 JP 3746160B2
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の制御棒駆動機構の取り付け作業及び取り外し作業に使用される制御棒駆動機構取扱い装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉(以下、「BWR」と言う。)においては、炉心部に下方から複数の制御棒を出し入れすることによって原子炉の運転(起動・停止)や炉出力制御を行っており、これらの制御棒の制御は、例えば特開昭60−179690号公報等に示された制御棒駆動機構(以下「CRD」と言う。)によって行われる。
【0003】
図10に示したようにCRD1は、BWR2の原子炉圧力容器3の下部(下鏡部)に多数設けられている。原子炉圧力容器3の内部には炉心シュラウド4が設けられ、この炉心シュラウド4の内部に多数の燃料集合体5を装荷した炉心部6が構成されている。燃料集合体5は炉心支持板7及び上部格子板8によって支持されて立設されている。
【0004】
燃料集合体5を収容した炉心シュラウド4はシュラウドヘッド9により覆われる一方、このシュラウドヘッド9の上方には気水分離器10が設けられ、この気水分離器10の上方には蒸気乾燥器(図示せず)が設けられている。
【0005】
原子炉圧力容器3の内部には炉水が存在し、炉心部6によって炉水を加熱することによって蒸気が生成され、気水分離器10で分離された蒸気は蒸気乾燥器にて乾燥され、乾き蒸気にされる。
【0006】
また、4体一組の燃料集合体5によって形成される横断面十字状の間隙内に制御棒11が制御棒案内管12から案内されるようになっており、この制御棒11は電動式のCRD1によって駆動制御される。
【0007】
CRD1は、原子炉圧力容器3の底壁(下鏡部)を貫通して固定されたCRDハウジング13と、このCRDハウジング13内に下方から挿入され、固定されたCRD本体とから構成され、CRD1の駆動により、炉心部6に制御棒11の挿入或いは引き抜きが行われ、炉出力を制御するようになっている。
【0008】
図11は電動式CRD1を示した縦断面図であり、図11に示したようにCRDハウジング13内にアウターチューブ15が収容され、このアウターチューブ15内にガイドチューブ16が収容されている。アウターチューブ15の下端にはCRD本体フランジ17が一体に取り付けられ、またガイドチューブ16の内周部には中空ピストン18が上下動可能に収容されている。
【0009】
中空ピストン18の上端にはカップリング部材19が取り付けられており、このカップリング部材19を介して中空ピストン18が制御棒11に連結されている。また、中空ピストン18の下端には大径に形成されたドライブピストン20が一体に取り付けられている。
【0010】
中空ピストン18内にはボールねじ軸21が貫通配置されており、ボールねじ軸21はシャフト22を介して電動機23から回転駆動力が伝達されるようになっている。ボールねじ軸21にはボールナット24が螺合されている。シャフト22部分はCRD本体フランジ17に下方から固定されたスプールピース25内に収容されている。電動機23は、モータブラケット49を間に挟んでスプールピース25の下方に固定されている。また、シャフト22とスプールピース25との間にはシールボックス26を介してシール部材27が装着されている。
【0011】
ところで、CRD1の動作には、原子炉出力を所定の状態に調整維持するために制御棒11を比較的低速で挿入し或いは引き抜く動作(以下、「シム動作」と言う。)と、非常時に原子炉を緊急停止するために制御棒11を高速で挿入する動作(以下、「スクラム動作」と言う。)とがある。
【0012】
シム動作を行う際には、電動機23を駆動させてシャフト22を介してボールねじ軸21を回転させ、このボールねじ軸21の回転によりボールナット24が上昇し、ドライブピストン20を介して中空ピストン18を上昇させる。これによって制御棒11が低速で所定量挿入される。逆に、制御棒11を引き抜く場合には電動機23を逆回転させる。電動機23の逆回転によりボールねじ21も逆回転してボールナット24が下降し、同時に中空ピストン18も下降する。これによって制御棒11は低速で所定量が引き抜かれる。
【0013】
一方、スクラム動作はCRDハウジング13のフランジ13A及びCRD本体17に形成された高圧水供給ポート28を介して図示しない高圧水注入機構より高圧水が供給され、その高圧力が中空ピストン18に作用する。この高圧力の作用により中空ピストン18はボールナット24から離脱して高速で上昇し、制御棒11を炉心内に高速で挿入する。これによって原子炉の緊急停止がなされる。
【0014】
次に、CRD本体14をCRDハウジング13内に挿入して取り付ける作業について説明する。
【0015】
まず、図12に示したようにCRD本体14からスプールピース25及び電動機23を切り離した状態で、CRD取扱い装置44を使ってCRD本体14をCRDハウジング13内に下方より挿入する。そして、CRD本体14を中空ピストン18上端のカップリング部材19を介して制御棒11と連結させる。
【0016】
すなわち、図13(a)、(b)及び図14(a)、(b)に示したように、カップリング部材19には4枚の係合板19Aが設けられている。一方、制御棒11の下端にはカップリング穴31が形成されており、このカップリング穴31の内周面には4枚の係合板19Aに嵌合する4つの凹部31Aが形成されている。
【0017】
これらの係合凹部31Aに4枚の係合板19Aがそれぞれ嵌合するように位相合わせをした状態で、CRD本体14をCRDハウジング13内に挿入する。CRD本体14をCRDハウジング13に所定の位置まで挿入したところでCRD本体14を停止する。
【0018】
次に、CRD取扱い装置44に設けた流体シリンダ46から突出するピストンロッド47の先端に設けた受け座48によりCRD本体14のボールねじ組立部50と中空ピストン組立部51を支持し、ボールネジ軸下端部21aを介してさらに押し上げて図13(a)、(b)に示したように中空ピストン組立部51上端のカップリング部材19を制御棒11の下端のカップリング穴31に完全に挿入する。
【0019】
このとき、CRD本体14は、CRD本体フランジ17のシールリング29を保護するために、CRDハウジング13のフランジ13AとCRD本体フランジ17との間に間隙を設けた状態である。また、CRD本体14の上部ガイド33の上面はCRDハウジング13の上端内面に当接するようなっており、上部ガイド33とガイドチューブ16との間に装着されたバッファー用の皿ばね列34は若干圧縮された状態にある。
【0020】
次に、CRD本体14を45度回転させ、図14(a)、(b)に示したようにカップリング部材19の係合板19Aとカップリング穴31の内面とを係合させてCRD本体14と制御棒11とを連結する。この連結後に、CRD本体14をCRDハウジング13内にさらに挿入し、図示しない取付ボルトによりCRDハウジング13AとCRD本体フランジ17とを連結してCRD本体14をCRDハウジング13に固定する。
【0021】
その後、スプールピース25及び電動機23を順次取り付ける。CRD本体14をCRDハウジング13から取り外す作業は、CRD本体14の取付作業と全く逆の手順によって行われる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述したCRDの取り付け、取り外し作業を行うためには、CRDとCRDハウジングとの位置合わせ、及びCRD取扱い装置とCRDとの位置合わせが重要であり、従来のCRDの取り付け、取り外し作業においては、CRDハウジングの座標をCRD取扱い装置の制御装置に入力しておくことにより、自動的にCRD取扱い装置とCRDハウジングの位置合わせを行うようにしていた。
【0023】
しかしながら、CRDハウジングが圧力容器の下鏡部に角度をつけて取り付けられていることや、CRD取扱い装置の自重によるたわみ等の理由により、上述した方法だけでは位置合わせは困難であり、結局、最終的には目視による位置合わせを行っていた。
【0024】
ところが、CRDの目視作業による位置確認は困難を伴い、その作業に多大の時間を要していた。また、位置合わせと同時にCRDの位相合わせも必要であるが、同様に目視作業による確認を必要とし、多大の時間を要していた。
【0025】
さらに、CRDの取り付け、取り外し時には、CRD内の炉水やCRDハウジング内の炉水が漏洩する可能性がある。漏洩した炉水は隣接するCRDの電気部品に当たり、除染作業を行う必要が生じ、作業時間がさらに延びてしまうことになり、作業員の被曝量が増加してしまうという問題があった。
【0026】
また、電動機にて駆動されるタイプのCRDは、原子炉の制御性においては優れているものの、電動機とスプールピースの高さ方向(上下方向)の長さの分だけCRDフランジが作業員から遠くなるため、メンテナンスの観点から見ると、CRDの取り付け、取り外し作業がやりにくいという問題がある。
【0027】
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであって、沸騰水型原子炉のCRDの取り付け作業及び取り外し作業を迅速・安全に行うことができるCRD扱い装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、制御棒駆動機構ハウジング内に設置される制御棒駆動機構本体と、この制御棒駆動機構本体に設けられ、前記制御棒駆動機構ハウジングの下端の制御棒駆動機構ハウジングフランジに固設される制御棒駆動機構本体フランジと、この制御棒駆動機構本体フランジに固設されるスプールピースフランジを有するスプールピースとを備えた沸騰水型原子炉の制御棒駆動機構を取り扱うための制御棒駆動機構取扱い装置において、前記制御棒駆動機構本体又は前記スプールピースの荷重を支持するための制御棒駆動機構取扱い装置本体と、前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上端に着脱自在に設けられ、前記制御棒駆動機構本体又は前記スプールピースを固定するボルトを着脱するためのレンチを有するアタッチメントと、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ、前記制御棒駆動機構本体フランジ、及び前記スプールピースフランジのそれぞれの側面に表示された合いマークを確認するための合いマーク監視カメラと、を備え、前記制御棒駆動機構を取り付ける際又は取り外す際には、前記合いマーク監視カメラによって前記合いマークを確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにしたことを特徴とする。
【0029】
また、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ、前記制御棒駆動機構本体フランジ、及び前記スプールピースフランジの各フランジに形成されたポジション検出器用穴を監視するために、前記ポジション検出器用穴に挿入可能な検出器用穴監視カメラを前記スプールピース用の前記アタッチメントに設け、前記スプールピースを前記制御棒駆動機構本体に取り付ける際又は取り外す際には、前記検出器用穴監視カメラによって前記ポジション検出器用穴を確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにすることが望ましい。
【0030】
また、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ及び前記制御棒駆動機構本体フランジの各フランジに形成されたスプールピース取付ボルト用穴を確認するために、前記スプールピース取付ボルト用穴に挿入可能なボルト用穴監視カメラを前記制御棒駆動機構本体用の前記アタッチメントに設け、前記制御棒駆動機構本体を前記制御棒駆動機構ハウジングに取り付ける際又は取り外す際には、前記ボルト用穴監視カメラによって前記スプールピース取付ボルト用穴を確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにすることが望ましい。
【0031】
また、前記制御棒駆動機構の取り付け作業又は取り外し作業に際して前記制御棒駆動機構を覆うための防水カバーをさらに備え、前記合いマーク監視カメラを所定位置に導いて位置決めするためのカメラガイド部材を前記防水カバーに設けることが望ましい。
【0032】
また、前記カメラガイド部材は、前記制御棒駆動機構の取り付け作業又は取り外し作業における各種工程に適した上下方向の最適位置に前記合いマーク監視カメラを位置決めできるように前記合いマーク監視カメラを支持することが望ましい。
【0033】
また、前記防水カバーは、ステンレス製又は透明アクリル製の筒状のカバー本体と、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジに設けられた水平方向拘束用のラテラルレストレイントに前記カバー本体を取り付けるためのカバー取付部材と、を備えることが望ましい。
【0034】
また、前記防水カバーは、前記カバー本体の下端に取り付けたビニールシートをさらに有することが望ましい。
【0035】
また、前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上部に組み込まれた排水カバーをさらに有し、前記合いマーク監視カメラは前記排水カバーに設けられていることが望ましい。
【0036】
また、前記排水カバーは前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上部に上下動可能に組み込まれており、前記合いマーク監視カメラの高さ方向の位置合わせは前記排水カバーの上下動によって行なわれることが望ましい。
【0037】
また、前記合いマーク監視カメラは前記制御棒駆動機構取扱い装置本体に設けられていることが望ましい。
【0038】
また、前記合いマーク監視カメラは前記アタッチメントに設けられていることが望ましい。
【0039】
また、原子炉圧力容器の下方に設置されたプラットホームと、前記プラットホーム上を走行する交換機と、前記プラットホームと原子炉格納容器外側の補修室との間で前記制御棒駆動機構本体を移送する運搬機と、をさらに備え、前記交換機は、前記制御棒駆動機構本体及び前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を搭載して上昇又は下降する昇降台車と、前記昇降台車と共に前記制御棒駆動機構本体を回転させて前記制御棒駆動機構本体を水平状態から垂直状態へ又はその逆に回転する回転フレームと、を有することが望ましい。
【0040】
また、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジに形成されたスプールピース取付ボルト用穴を通して上方から前記制御棒駆動機構本体及び前記スプールピースの位置を監視する下向き監視カメラをさらに有することが望ましい。
【0041】
また、前記監視カメラは、CCDカメラ及びイメージファイバーのいずれか一方によって又は両方の組み合わせによって構成されていることが望ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態によるCRD取扱い装置について図1乃至図4を参照して説明する。なお、従来の技術を説明する際に参照した図10乃至図14に示した部材と同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
図1及び図2に示したように本実施形態によるCRD取扱い装置30は、CRD本体14及びスプールピース25の荷重を支持するためのCRD取扱い装置本体45を備えている。
【0044】
CRD取扱い装置本体45の上端には、図1及び図2に示したようにスプールピース25を固定するスプールピース取付ボルト69を着脱するための8本のレンチ66を有するスプールピース用アタッチメント65が着脱自在に設けられている。また、このスプールピース用アタッチメント65は、図3及び図4に示したように、CRD本体14を固定するCRD取付ボルト74を着脱するための4本のレンチ71を有するCRD本体用アタッチメント70に適宜交換することができる。
【0045】
図2に示したように、CRDハウジングフランジ13A、CRD本体フランジ17、及びスプールピースフランジ25Aの各フランジを貫通するポジション検出器用穴67を監視するために、スプールピースフランジ25A側のポジション検出器用穴67に挿入可能な検出器用穴監視カメラ(上向きカメラ)68がスプールピース用アタッチメント65に設けられている。
【0046】
そして、スプールピース25をCRD本体フランジ17に取り付ける際には、スプールピースフランジ25A側のポジション検出器用穴67に挿入された検出器用穴監視カメラ68によってCRD本体フランジ17側のポジション検出器用穴67を確認しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行う。
【0047】
また、CRD本体用アタッチメント70には、図4に示したように、CRDハウジングフランジ13A及びCRD本体フランジ17の各フランジを貫通するスプールピース取付ボルト用穴72を確認するために、CRD本体フランジ17側のスプールピース取付ボルト用穴72に挿入可能なボルト用穴監視カメラ(上向きカメラ)73が設けられている。
【0048】
そして、CRD本体14をCRDハウジング13に取り付ける際には、CRD本体フランジ17側のスプールピース取付ボルト用穴72に挿入されたボルト用穴監視カメラ73によってCRDハウジングフランジ13A側のスプールピース取付ボルト用穴72を確認しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行う。
【0049】
また、図1に示したように、本実施形態によるCRD取扱い装置30はさらに、CRD1の取り付け作業又は取り外し作業に際してCRDを覆うための防水カバー60を備えている。
【0050】
この防水カバー60は、ステンレス製又は透明アクリル製の筒状のカバー本体75と、このカバー本体75をCRDハウジングフランジ13Aに設けられた水平方向拘束用の耐震サポート(ラテラルレストレイント)61に取り付けるためのカバー取付部材76と、を備えている。カバー本体75の下端にはビニールシート(図示せず)が設けられている。
【0051】
なお、防水カバー本体75をステンレス製にした場合には耐久性に優れ、一方、透明なプラスチックで製作すると周辺のCRDの取扱い時に目視できるという長所がある。
【0052】
図1に示したように、CRDハウジングフランジ13A、CRD本体フランジ17、及びスプールピースフランジ25Aのそれぞれの側面には合いマーク64がそれぞれ刻印されている。なお、CRDハウジングフランジ13Aには、CRD基準方位である270度の位置に▽印が刻印されており、315度の位置に○印が刻印されている。
【0053】
これらの合いマーク64は合いマーク監視カメラ63によって監視され、この合いマーク監視カメラ63はカバー本体75の内側に設けられたガイドパイプ(カメラガイド部材)62を介して所定の位置までガイドされ、位置決めされている。ここで、ガイドパイプ62は、CRD基準方位である270度及び315度の位置に取り付けられており、それぞれのガイドパイプ62に合いマーク監視カメラ63が挿入されている。
【0054】
そして、CRD1を取り付ける際には、合いマーク監視カメラ63によってそれぞれの合いマーク64を確認しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行う。
【0055】
また、合いマーク監視カメラ63はガイドパイプ62を介して上下方向に移動可能であり、CRD1の取り付け作業又は取り外し作業の各種工程に適した最適の上下位置に合いマーク監視カメラ63を位置決めすることができる。
【0056】
上述した合いマーク監視カメラ63、検出器用穴監視カメラ68、及びボルト用穴監視カメラ73は、CCDカメラ及びイメージファイバーのいずれか一方によって又は両方の組み合わせによって構成されている。
【0057】
イメージファイバを使用した場合にはCCDカメラよりも径を細くすることができるので、CRD間の狭いところへ使用するのに便利であり、さらに、放射線によって画像が乱れるということもない。また、イメージファイバーの接眼レンズにCCDカメラを接続することによってテレビでモニターすることができる。
【0058】
次に、本実施形態によるCRD取扱い装置30を用いて実施されるBWRのCRD1の取り付け作業及び取り外し作業について説明する。
【0059】
定期検査の際に数本のCRD1が順番に取り外されて分解点検が実施される。ここで、複数のCRDのうちの取り外されるCRD1に接続されている制御棒11(図10参照)は全引き抜き状態にあり、制御棒案内管12(図10参照)内に収納されている。この状態において、ポジション検出器(図示せず)を3本引き抜く。
【0060】
次に、CRD1下端の電動機23(図11参照)を取り外す。ここで、電動機(モータ)23はCRD1の低い位置にあるので、作業員の使用する工具によって取付ボルトを緩めて取り外すことができる。
【0061】
電動機23を取り外したら直ちに、CRDハウジング13に90度おきに取り付けてある耐震サポート61に防水カバー60のカバー取付部材76を掛止して防水カバー60を所定位置に取り付ける。
【0062】
次に、カバー本体75の内側の2本のガイドパイプ62の下端から合いマーク監視カメラ63をそれぞれ差し込む。そして、合いマーク監視カメラ63が写す画面をモニター(図示せず)で見ながら差し込んでいくと、CRDハウジング13に刻印した270度側の▽印の合いマーク64及び315度側の○印の合いマーク64が見えてくる。
【0063】
そして、この合いマーク64がモニターの上半分に写し出されたところで合いマーク監視カメラ63を固定する。ここで、270度側にはCRD本体フランジ17に△印の合いマーク64が刻印されているので、270度側のモニターの下半分にはこの△印の合いマーク64が映し出される。
【0064】
次に、CRD取扱い装置本体45にスプールピース用アタッチメント65を乗せて装着する。このアタッチメント65は、スプールピース取付ボルト69を締め付けたり緩めたりするための8本のレンチ66を備えている。レンチ66同士の中間位置であってポジション検出器用穴67に対応する位置2カ所に2台の検出器用穴監視カメラ68を取り付ける。
【0065】
そして、CRD交換機(図示せず)にて自動走行でCRD取扱い装置本体45の粗い位置出しを行った後、検出器用穴監視カメラ68にてスプールピース25を見ながら、CRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0066】
検出器用穴監視カメラ68からの映像がモニター(図示せず)に映し出されており、このモニターにはまず、相対的に近づいてくるスプールピース25が写され、さらに近づくとスプールピースフランジ25Aがモニターの中心に写されてくる。CRD取扱い装置本体45がさらにスプールピース25に接近すると、モニターにはポジション検出器用穴67が近づいてくる様子が写される。
【0067】
検出器用穴監視カメラ68は2台設置されているので、これらのカメラによって別々のポジション検出器用穴67を監視し、これによってCRD取扱い装置本体45とスプールピース25とのずれを確認しながらCRD取扱い装置本体45の位置を修正する。
【0068】
上記の如く位置修正を行った後、さらにCRD取扱い装置本体45を上昇させると検出器用穴監視カメラ68はポジション検出器用穴67に入り込み、スプールピース用アタッチメント65のレンチ66はスプールピース取付ボルト69に嵌合する。この状態でレンチ66を緩め方向に回転させ、スプールピース取付ボルト69を緩めたら、CRD取扱い装置本体45でスプールピース25の荷重を受ける。
【0069】
このとき、スプールピース25とCRD本体14との間に溜まった炉水がスプールピースフランジ25AとCRD本体フランジ17との間から漏出するが、漏出した水は防水カバー60で受け止められ、隣接するCRDやその電気部品に当たることなく真下のCRD取扱い装置本体45側へ導かれる。このため、隣接するCRDやその電気部品が炉水によって汚染されることがない。
【0070】
スプールピース取付ボルト69を緩めたらCRD取扱い装置本体45でスプールピース25を降下させ、CRD交換機で搬出口へ運び出す。
【0071】
次に、CRD取扱い装置本体45からスプールピース用アタッチメント65を外し、代わりにCRD本体用アタッチメント70を乗せて装着する。このCRD本体用アタッチメント70はCRD取付ボルト74を締め付けたり緩めたりするための4本のレンチ71を備えている。
【0072】
4本のレンチ71の左右45度の位置であってスプールピース取付ボルト用穴72に対応する位置2カ所に2台のボルト用穴監視カメラ73を取り付ける。これらのボルト用穴監視カメラ73によってCRD本体14を見ながらCRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0073】
モニターは相対的に近づいてくるCRD本体14を写し出し、さらに近づくとCRD本体フランジ17がモニターの中心に写されてくる。CRD取扱い装置本体45がさらにCRD本体14に接近するとモニターには、CRD本体フランジ17のスプールピース取付ボルト用穴72が近づいてくる。
【0074】
そして、2台のボルト用穴監視カメラ73が別々のスプールピース取付ボルト用穴72を写すことで、CRD取扱い装置本体45とCRD本体14とのずれを作業員が判断し、CRD取扱い装置本体45の位置を修正する。
【0075】
位置修正後、CRD取扱い装置本体45をさらに上昇させると、ボルト用穴監視カメラ73はスプールピース取付用ボルト穴72に入り込み、CRD本体用アタッチメント70のレンチ71はCRD本体取付ボルト74に嵌合する。
【0076】
この状態でレンチ71を緩め方向に回転させてCRD取付ボルト74を緩めたら、CRD取扱い装置本体45でCRD本体14の荷重を受ける。そして、CRDハウジング13の▽印の合いマーク64を写していた270度側の合いマーク監視カメラ63及び○印の合いマーク64を写していた315度側の合いマーク監視カメラ63によって監視しながら、CRDハウジングフランジ13Aと制御棒本体フランジ17との間が両方のモニターで3mmになるまでCRD取扱い装置本体45をわずかづつ下げる。
【0077】
この位置はCRD本体14と制御棒11とのカップリング及びアンカップリング位置であるので、この位置においてCRDハウジング13の315度方向へCRD本体14を45度回転させる。すなわち、270度側のモニターから△印の合いマーク64が外れ、315度側のモニターに現れるようにする。315度の○印の下に△印が一致することで45度回転したことを確認することができる。
【0078】
このようにして45度回転したことを確認した後、CRD本体14をゆっくりと下げる。すると、図13に示したカップリング部材19の4枚の係合板19Aがカップリング穴31から抜けてアンカップリングされる。
【0079】
このとき、CRD本体14とCRDハウジング13との間に溜まった炉水がCRDフランジ17とハウジングフランジ13Aとの間から漏出するが、漏出した炉水は防水カバー60で受け止められるので、隣接するCRDやその電気部品に当たることなく真下のCRD取扱い装置本体45へ導かれる。このため、隣接するCRDやその電気部品が炉水によって汚染されることがない。
【0080】
上述した手順によってCRD本体14を取り外し、CRD1の点検を完了したら、本実施形態によるCRD取扱い装置30を再び用いてCRD本体14を取り付ける。以下、この取付作業について説明する。
【0081】
まず、CRD取扱い装置本体45にCRD本体用アタッチメント70を乗せて装着し、ボルト用穴監視カメラ73を上向きに2台取り付ける。次に、CRD本体フランジ17のスプールピース取付ボルト用穴72にボルト用穴監視カメラ73が入るようにしてCRD本体14をCRD本体用アタッチメント70に乗せる。
【0082】
この状態で該当するCRDハウジング13の位置にCRD交換機にて自動走行でCRD本体14を移送して粗い位置出しを行う。次に、ボルト用穴監視カメラ73にてCRDハウジング13を写し、CRD取扱い装置45を上昇させる。
【0083】
そして、ボルト用穴監視カメラ73でCRDハウジングフランジ13A側のスプールピース取付ボルト用穴72を見ながら作業員が位置調整行い、さらに防水カバー60に取り付けた2台の合いマーク監視カメラ63でCRD本体14の最上部を見ながら、CRD本体14の先端が干渉することなくハウジング穴に挿入できるように作業員がこまめに位置調整を行いながら挿入していく。
【0084】
CRDハウジング13の内面とCRD1のアウターチューブ15とが干渉しないようにしてCRD本体14を挿入して行く。ここで、防水カバー60に取り付けた2台の合いマーク監視カメラ63のうちの315度側の1台を予め100mm下げておく。CRD本体14を徐々に挿入していくと、CRD本体フランジ17の△印の合いマーク64がモニターに写し出されるので、この時点でCRD本体14の挿入動作を停止する。
【0085】
そして、CRD本体フランジ17の△印の合いマーク64がCRDハウジングフランジ13Aの315度の○印の合いマーク64と同一鉛直線上にあることを確認するために、予め100mm下げておいた合いマーク監視カメラ63を100mm上げて○印の合いマーク64が写し出されることを確認する。
【0086】
CRD本体14の挿入動作を停止した位置は、カップリング部材19の係合板19Aが制御棒11下端のカップリング穴31の手前にくる位置であり、この位置で○印の合いマーク64と△印の合いマーク64とを合わせることによって、係合板19Aがカップリングに衝突することを防止することができる。
【0087】
次に、CRDハウジングフランジ13AとCRD本体フランジ17との間が3mmになるところまでCRD本体14を挿入する。すると、制御棒11とCRD本体14とのカップリング及びアンカップリング位置になるため、この位置でCRDハウジング13の270度方向へCRD本体14を45度回転させる。すなわち、315度側の合いマーク監視カメラ63のモニターからCRD本体14の△印の合いマーク64が外れ、270度側のモニターに現れるようにする。
【0088】
そして、CRDハウジングフランジ13Aの270度の▽印の合いマーク64の下にCRD本体フランジ17の△印の合いマーク64が一致することでCRD本体14が45度回転したことを確認することができる。このとき、CRD本体14と制御棒11とが図14に示した如くカップリングする。
【0089】
次に、CRD本体用アタッチメント70のレンチ71によってCRD取付ボルト74を締めてCRD本体14をCRDハウジング13に固定する。
【0090】
このようにしてCRD本体14をCRDハウジング13に固定したら、以下の手順によってスプールピース25をCRD本体14に取り付ける。
【0091】
まず、CRD取扱い装置本体45にスプールピース用アタッチメント65を乗せて装着し、スプールピース25側のポジション検出器用穴67に検出器用穴監視カメラ68を1台挿入する。
【0092】
CRD交換機にて自動走行でCRD取扱い装置本体45の粗い位置出しを行い、しかる後、合いマーク監視カメラ63でCRD本体14を見ながらCRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0093】
そして、検出器用穴監視カメラ68でCRD本体14側のポジション検出器用穴67を見ながら作業員が位置調整を行う。このとき、1カ所の2次元的な映像に基づいて位置調整を行った場合には判断ミスが発生する恐れがある。そこで、防水カバー60の合いマーク監視カメラ63の1つでスプールピース25の△印の合いマーク64とCRD本体14の▽印の合いマーク64とを確認しながら、スプールピース25の先端がCRD本体14と干渉することがないように作業員がこまめに位置調整を行い、スプールピース25をCRD本体14に押し付ける。
【0094】
スプールピース25が正しくCRD本体14に接触していることを2つの▽△印の合いマーク64で確認した後、スプールピース用アタッチメント65のレンチ66でスプールピース取付ボルト69を締めてスプールピース25をCRDハウジング13に取り付ける。
【0095】
以上述べたように本実施形態によるCRD取扱い装置30によれば、CRD1を取り付け又は取り外す際には、合いマーク監視カメラ63によってそれぞれの合いマーク64を確認し、CRD本体14の方位や位置を常時監視しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行うことができるので、制御棒11とCRD本体14とのカップリング及びアンカップリングの取り合い位置を確認することができる。このため、CRD1の取り付け及び取り外し作業を迅速且つ確実に行うことができ、ひいては作業員の被曝量を低減することができる。
【0096】
また、スプールピース用アタッチメント65及びCRD本体用アタッチメント70に検出器用穴監視カメラ68及びボルト用穴監視カメラ73を取り付け、スプールピース25をCRD本体14に取り付ける際、及びCRD本体14をCRDハウジング13に取り付ける際には、検出器用穴監視カメラ68及びボルト用穴監視カメラ73によってポジション検出器用穴67及びスプールピース取付ボルト用穴72を確認しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行うようにしたので、作業員は位置調整を正確に行うことができ、CRD本体14がCRDハウジング13にぶつかったり、或いはスプールピース25がCRD本体フランジ17にぶつかったりすることを防止することができる。
【0097】
また、CRD1を防水カバー60で覆った後に作業を行うようにしたので、隣接するCRDやその電気部品が漏出した炉水によって汚染されることがない。
【0098】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態によるCRD取扱い装置について図5乃至図9を参照して説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付して説明する。
【0099】
図5乃至図8に示したように本実施形態によるCRD取扱い装置80は、上記第1実施形態と同様に、スプールピース25及びCRD本体14の荷重を支持するためのCRD取扱い装置本体45を備えている。
【0100】
CRD取扱い装置本体45の上端には、図5及び図6に示したようにスプールピース25を固定するスプールピース取付ボルト69を着脱するためのレンチ66を有するスプールピース用アタッチメント57が着脱自在に設けられている。また、このスプールピース用アタッチメント57は、図7及び図8に示したように、CRD本体14を固定するCRD取付ボルト74を着脱するためのレンチ71を有するCRD本体用アタッチメント70に適宜交換することができる。
【0101】
図5に示したように本実施形態においても、複数の合いマーク64が所定の位置に刻印されており、これらの合いマーク64は合いマーク監視カメラ63によって監視される。合いマーク監視カメラ63はガイドパイプ62を介して排水カバー42の外周に設けられ、所定の位置に固定されている。ここで、ガイドパイプ62はCRD基準方位である270度の位置に取り付けられている。
【0102】
また、排水カバー42は、CRD取扱い装置本体45の上部に上下動可能に組み込まれており、この排水カバー42を遠隔操作によって上下動させることによって、合いマーク監視カメラ63の高さ方向の位置合わせを行うことができる。
【0103】
排水カバー42の上下動によって合いマーク監視カメラ63を、CRD本体14及びスプールピース25の取付け作業又は取外し作業の各種工程に適した上下位置に位置決めする。そして、合いマーク監視カメラ63によってCRDハウジングフランジ13A、CRD本体フランジ17、及びスプールピースフランジ25Aに記載された合いマーク64を確認しながらCRD本体14を操作して位置合わせを行う。
【0104】
なお、排水カバー42は、CRD本体14とCRDハウジング13との間に存在する炉水が漏洩することを防止するために設けられたものである。
【0105】
すなわち、CRD本体14をCRDハウジング13から取り外す際に、CRD本体用アタッチメント70をCRD本体フランジ17に密着させた状態において排水カバー42を上昇させて、図8に示したCRDハウジングフランジ13Aに固定した円盤状の固定シールフランジ36に密着させる。
【0106】
その後、CRD取付ボルト74を緩めてCRD取扱い装置本体45と共にCRD本体14を少しだけ引き抜くと、CRD本体14とCRDハウジング13との間に存在する炉水が放出される。放出された炉水は排水カバー42によって遮断され、CRD取扱い装置本体45の内部の所定の排水通路を通って原子炉圧力容器下部ドライウエル床面に設けられたサンプ(図示せず)に排出される。
【0107】
一変形例としては、合いマーク監視カメラ63をCRD取扱い装置本体45に直接設けることができる。
【0108】
他の変形例としては、合いマーク監視カメラ63をスプールピース用アタッチメント57及びCRD本体用アタッチメント70に設けることもできる。
【0109】
図8に示したようにCRD取扱い装置80は、CRDハウジングフランジ13Aに形成されたスプールピース取付ボルト用穴72を通して上方からCRD本体14及びスプールピース25の位置を監視する下向き監視カメラ78をさらに備えている。下向き監視カメラ78はスプールピース取付ボルト用穴72に上方から差し込まれている。
【0110】
そして、CRD本体14をCRDハウジング13に取り付ける際には、下向き監視カメラ78によってCRD本体用アタッチメント70のガイドピン77を確認しながら、CRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行う。なお、ガイドピン77は、スプールピース取付ボルト用穴72に嵌合されるものであり、2本設けられている。
【0111】
また、下向き監視カメラ78は、CCDカメラ及びイメージカメラのいずれか一方又は両者の組み合わせによって構成することができる。そして、イメージファイバーを使用した場合にはCCDカメラよりも径を細くすることができるので、CRD間の狭いところで使用するのに便利であり、さらに、放射線によって画像が乱れるということもない。また、イメージファイバーの接眼レンズにCCDカメラを接続することによってテレビでモニターすることが可能となる。
【0112】
次に、図9を参照して、CRD取扱い装置本体45及びCRD本体14を搬送し、位置決めするための手段について説明する。
【0113】
図9において符号38は原子炉圧力容器3の基礎であり、この基礎38の内側には円筒型の空間39が形成されている。原子炉圧力容器3の下方には、円形レール83に沿って旋回するプラットホーム84が設置されている。プラットホーム84上にはその径方向にレール84Aが敷設されており、このレール84A上を交換機85が走行するようになっている。
【0114】
交換機85は、CRD本体14及びCRD取扱い装置本体45を搭載して上昇又は下降する昇降台車86、及び昇降台車86と共にCRD本体14を回転させてCRD本体14を水平状態から垂直状態へ又はその逆に回転する回転フレーム87を備えている。
【0115】
回転フレーム87にはつかみ腕(図示せず)が設けられ、昇降台車86に搭載したCRD本体14を回転フレーム87に対して固定できるようになっている。
【0116】
プラットホーム84の下部には交換機85と平行に移動する装置本体用台車88が設けられ、CRD取扱い装置本体45は装置本体用台車88に格納されて搬送される。また、プラットホーム84と原子炉格納容器外側のCRD補修室(図示せず)との間を往復移動するカート(運搬機)89が設けられ、このカート89によってCRD本体14が移送される。
【0117】
また、図9において符号90はプラットホーム84上を交換機51と平行に移動するアタッチメント台車であり、このアタッチメント台車90には、CRD1を構成する4種類の機器のそれぞれに対応する4種類のアタッチメント、すなわち、CRD本体用アタッチメント70、スプールピース用アタッチメント57、モータブラケット用アタッチメント58、電動機用アタッチメント59が格納されている。
【0118】
4種類のアタッチメント70、57、58、59はそれぞれCRD取扱い装置本体45の上部と嵌合し得る構造になっており、そのアタッチメントに対応するCRD1の構成機器を被取扱機機として、その機器の取り付け及び取り外しができるようになっている。
【0119】
次に、本実施形態によるCRD取扱い装置80を用いて実施されるBWRのCRD1の取付け作業及び取り外し作業について説明する。
【0120】
定期検査の際には数本のCRD1が順番に取り外されて分解点検が実施される。ここで、複数のCRD1のうちの取り外されるCRD1に接続されている制御棒11(図10参照)は、全引き抜き状態とされて制御棒案内管12内に収納されている。
【0121】
最初に、電動機23(図11参照)の取り外し手順について説明する。下準備として、取り外す電動機23と図示しないCRD位置指示装置とにコネクタ接続されている複数本の電気ケーブルを取り外し、CRD取扱い装置80と干渉しないように電動機23の周囲へ遠ざけて処理する。
【0122】
次に、装置本体用台車88を回転フレーム87に接近させ、昇降台車86を上昇させて装置本体用台車88に格納されているCRD取扱い装置本体45を昇降台車86で受け取り、しかる後、装置本体用台車88を退避させる。
【0123】
続いて、アタッチメント台車90に格納されている電動機用アタッチメント59を受け渡し位置に合わせる。その後、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。再び昇降台車86を上昇させて電動機用アタッチメント59をCRD取扱い装置本体45の上部に嵌合して受け取り、アタッチメント台車90を退避させる。
【0124】
プラットホーム84及び交換機51を移動して、取り外す電動機23の中心位置へ、CRD取扱い装置本体45と一体に組み合わせた電動機用アタッチメント59を位置合わせする。さらに、CRD取扱い装置本体45を旋回して、電動機23の回転位置に電動機用アタッチメント59の回転位置を位相合わせする。
【0125】
次に、昇降台車86を上昇させて電動機23に電動機用アタッチメント59を装着し、ボルトレンチを駆動して取付ボルトを緩める。ここで、電動機23はCRD1の低い位置にあるので、特に監視カメラ等を使用せず、目視により確認しながら作業を行うことができる。
【0126】
ボルトが緩んだら、昇降台車86を降下させてモータブラケット49から電動機23を取り外し、所定の位置まで降下する。しかる後、3本の制御棒位置検出器(図示せず)を治具を使って手で引き抜いて取り外す。
【0127】
次に、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。続いて、昇降台車86を降下させて電動機23と電動機用アタッチメント59とを一体でアタッチメント台車90に受け渡し、アタッチメント台車90を退避させる。
【0128】
次に、プラットホーム84を移動させてカート89のレールの位置合わせを行い、カート55をプラットホーム50に移動する。そして、図示しない巻き上げ手段を使って、取り外した電動機23を吊り上げ、カート55に搭載して図示しない補修室へ移送する。
【0129】
次に、モータブラケット49(図11参照)の取り外し手順について説明する。最初に、アタッチメント台車90に格納されているモータブラケット用アタッチメント58を受け渡し位置に合わせる。その後、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。再び昇降台車86を上昇させてモータブラケット用アタッチメント58をCRD取扱い装置本体45の上部に嵌合して受け取り、アタッチメント台車90を退避させる。
【0130】
次に、プラットホーム84及び交換機85を移動して、取り外すモータブラケット49の中心位置へ、CRD取扱い装置本体45と一体に組み合わせたモータブラケット用アタッチメント58を位置合わせする。
【0131】
さらに、CRD取扱い装置本体45を旋回してモータブラケット49の回転位置にモータブラケット用アタッチメント58の回転位置を位相合わせする。
【0132】
次に、昇降台車86を上昇してモータブラケット49にモータブラケット用アタッチメント58を装着し、ボルトレンチを駆動して取付ボルトを緩める。この場合も、電動機23を取り外す場合と同様、目視により確認しながら作業を行うことができる。ボルトが緩んだら昇降台車86を降下させてスプールピース25からモータブラケット49を取り外し、所定の位置まで降下させる。
【0133】
次に、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させた後、昇降台車86を降下させてモータブラケット49とモータブラケット用アタッチメント58とを一体でアタッチメント台車90に受け渡し、アタッチメント台車90を退避させる。しかる後、モータブラケット用アタッチメント58からモータブラケット49を取り外し、図示しないCRD補修室へ搬出する。
【0134】
このようにして電動機23及びモータブラケットを取り外したら、直ちに漏洩水飛散防止用の防水カバー(図示せず)を、CRDハウジングフランジ13Aの側面に90度おきに取り付けてある耐震サポート(図示せず)に引っかけて取り付ける。
【0135】
次に、スプールピース25の取り外し手順について説明する。最初に、アタッチメント台車56に格納されているスプールピース用アタッチメント57を受け渡し位置に合わせる。その後、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。再び昇降台車86を上昇させてスプールピース用アタッチメント57をCRD取扱い装置本体45の上部に嵌合して受け取り、アタッチメント台車56を退避させる。
【0136】
次に、プラットホーム84の回転と交換機85の移動による自動走行で、CRD取扱い装置本体45の粗い位置出しを行う。その後、CRD取扱い装置本体45の排水カバー42の外周の270度の位置に、ガイドパイプ62を介して合いマーク監視カメラ63を取り付ける。
【0137】
昇降台車86によりCRD取扱い装置本体45をスプールピース25直下まで上昇させ、CRD取扱い装置本体45を回転させながら排水カバー42に取り付けた合いマーク監視カメラ63により、スプールピース25のリーク検出ブロック81(図6参照)に記載された中心線又はスプールピースフランジ25Aに記載された合いマーク64を見ながら角度合わせを行う。
【0138】
上記の如く位置修正を行った後、さらにCRD取扱い装置本体45を上昇させると、スプールピース用アタッチメント57の8本のレンチ66はスプールピース用取付ボルト69に嵌合する。この状態でレンチ66を緩め方向に回転させ、スプールピース取付ボルト69を緩めたら、CRD取扱い装置本体45でスプールピース25の荷重を受け、スプールピース25を降下させる。
【0139】
このとき、スプールピース25とCRD本体14内に溜まった炉水がスプールピースフランジ25AとCRD本体フランジ17との間から漏出する場合があるが、漏出した水は防水カバー(図示せず)で受け止められ、隣接するCRDやその電気部品への飛散が防止される。このため、隣接するCRD1やその電気部品の汚染を防止することができる。
【0140】
次に、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。続いて、昇降台車86を降下させてスプールピース25とスプールピース用アタッチメント57とを一体でアタッチメント台車90に受け渡し、アタッチメント台車90を退避させる。
【0141】
プラットホーム84を移動してカート89のレールの位置合わせを行い、カート89をプラットホーム84に移動する。スプールピース25の中に溜まっている炉水を所定の場所へ排水した後、図示しない巻き上げ手段を使ってスプールピース25を吊り上げ、カート89に搭載して図示しないCRD補修室へ移送する。
【0142】
次に、CRD本体14の取り外し手順について説明する。最初に、アタッチメント台車90に格納されているCRD本体用アタッチメント70を受け渡し位置に合わせる。その後、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。再び昇降台車86を上昇させてCRD本体用アタッチメント70をCRD取扱い装置本体45の上部に嵌合して受け取り、アタッチメント台車90を退避させる。
【0143】
その後、CRD取扱い装置本体45の排水カバー42の外周の270度位置に合いマーク監視カメラ63をガイドパイプ62を介して取り付ける。
【0144】
さらに、図8に示したように、8個のスプールピース取付ボルト用穴72のうちの、CRD本体用アタッチメント70のガイドピン77と同じ位相の穴に下向き監視カメラ78を1本上側から挿入して取り付ける。そして、下向き監視カメラ78によってCRD本体用アタッチメント70を見ながらCRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0145】
モニターは相対的に近づいてくるCRD本体用アタッチメント70を写し出し、さらに近づくと、ガイドピン77がモニターの中心に写し出されてくる。途中、ガイドピン77が同心状に見えるようにCRD取扱い装置本体45を旋回調整する。
【0146】
位置修正後、さらにCRD取扱い装置本体45を上昇させると、CRD本体用アタッチメント70のレンチ71がCRD本体取付ボルト74に嵌合する。この状態でレンチ71を緩め方向に回転させてCRD本体取付ボルト74を緩めたら、CRD取扱い装置本体45でCRD本体14の荷重を受ける。
【0147】
その後、排水カバー42を上昇させて、CRDハウジングフランジ13Aに固定した円盤状の固定シールフランジ36に密着させる。
【0148】
そして、CRDハウジング13の▽印の合いマーク64を写していた270度位置の監視カメラでCRDハウジングフランジ13AとCRD本体フランジ17との間隙がモニターで3mmになるまでCRD取扱い装置本体45をわずかづつ下げる。
【0149】
このとき、CRD本体14とCRDハウジング13との間に溜まった炉水がCRDフランジ17とCRDハウジングフランジ13Aとの間から漏出する。しかし、漏出した水はCRD取扱い装置本体45の排水カバー42により、外部に漏洩することなく、CRD取扱い装置本体45の内部の所定の排水経路を通って原子炉圧力容器下部ドライウエル床面に設けられたサンプ(図示せず)に排出される。このため、隣接するCRDやその電気部品が炉水によって汚染されることがない。
【0150】
前記の如くCRDハウジングフランジ13AとCRD本体フランジ17との間隙を3mmとした位置は、CRD本体14と制御棒11とがカップリング/アンカップリングの位置にある。この状態で、図12に示したボールネジ軸下端部21aを流体シリンダ46のピストンロッド47で押し上げる。
【0151】
続いて、CRD取扱い装置本体45と共にCRD本体14をCRDハウジング13の315度方向へ45度旋回させる。すなわち、270度のモニターからCRDハウジングフランジ13Aの▽印の合いマーク64が外れ、CRDハウジングフランジ13Aの○印の合いマーク64が現れるようにする。そして、CRDハウジングフランジ13Aの315度の○印の合いマーク64の下にCRD本体フランジ17の△印が一致することで、45度回転したことを確認することができる。
【0152】
これによって、CRD本体14と制御棒11、及びCRD本体14と制御棒案内管12との間のバイヨネットカップリングによる連結が解除される。
【0153】
次に、CRD本体14をゆっくりを降下させる。すると、図13に示したカップリング部材19の4枚の係合板19Aが制御棒11のカップリング穴31から抜けて、CRD本体14と制御棒11とがアンカップリングされる。その後、図9に示した昇降台車86を降下させてCRDハウジング13からCRD本体14を引き抜き、所定の位置まで降下させる。
【0154】
次に、回転フレーム87に内蔵する図示しないつかみ腕でCRD本体14をつかみ、荷重を支持する。そして、アタッチメント台車90を回転フレーム87に接近させる。続いて、昇降台車86を降下させてCRD本体14からCRD本体用アタッチメント17を切り離して、アタッチメント台車90に受け渡し、アタッチメント台車90を退避させる。
【0155】
その後、装置本体用台車88を回転フレーム87に接近させる。再び昇降台車86を降下させてCRD取扱い装置本体45を装置本体用台車88に受け渡し、しかる後装置本体用台車88を退避させる。
【0156】
次に、無負荷になった昇降台車86を上昇させ、図示しないつかみ腕につかまれて荷重を宙づり状態に支持されているCRD本体14に昇降台車86の搭載面を当接して荷重を支持する。その後、つかみ腕を案内状態にした後、昇降台車86を下限位置まで降下させ、CRD本体14をCRDハウジング13から完全に引き抜く。
【0157】
次に、再びつかみ腕でCRD本体14をつかむ。回転フレーム87を回転可能な位置まで交換機85を移動した後、回転フレーム87を垂直位置から水平位置へ回転させる。続いて、プラットホーム84を移動させてカート89のレールの位置合わせを行い、カート89をプラットホーム84に移動させる。
【0158】
その後、カート89の図示しない受取アームを受取位置まで上昇させた後、昇降台車86を最下限位置へ移動させる。さらに、つかみ腕を放して回転フレーム87の中に格納した後、受取アームを格納位置まで降下させて、CRD本体14のカート89への受け渡しを完了する。
【0159】
そして、CRD本体14を搭載したカート89をCRD補修室まで移送して、CRD1の取り外し操作を完了する。
【0160】
上述した手順によってCRD本体14を取り外し、CRD1の点検を完了したら、本実施形態によるCRD取扱い装置80を再び用いてCRD本体14を取り付ける。以下、この取り付け作業について説明する。
【0161】
まず初めに、CRD取扱い装置本体45にCRD本体用アタッチメント70を載せて装着し、監視カメラ63を排水カバー42に取り付ける。次に、CRD本体14をCRD本体用アタッチメント70に載せる。さらに、CRDハウジングフランジ13Aに設けられた8個のスプールピース取付ボルト用穴72のうち、CRD本体用アタッチメント70のガイドピン77と同じ位相のネジ穴に下向き監視カメラ78を1本上側から挿入して取り付ける。
【0162】
なお、防水カバーは、CRDハウジングフランジ13Aの側面に90度おきに取り付けてある耐震サポート(図示せず)に引っかけて取り付けられたままである。
【0163】
この状態で、該当するCRDハウジング13の位置にプラットホーム84及び交換機85にて自動走行でCRD本体14を移送して粗い位置出しを行う。次に、下向き監視カメラ78にてCRD本体14を写し、CRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0164】
作業員は、CRD本体14の先端がCRDハウジング13に干渉することがないように目視で確認しながら、CRD本体14をCRDハウジング13内に挿入して行く。
【0165】
そして、途中で下向き監視カメラ78でCRD本体フランジ17に設けられたスプールピース取付ボルト用穴72の中のガイドピン77を見ながら、作業員がこまめにCRD本体14の位置調整を行う。
【0166】
その後、CRDハウジングフランジ13AとCRD本体フランジ17との距離が約100mmの位置でCRD本体14の挿入を停止する。
【0167】
そして、合いマーク監視カメラ63で、CRDハウジングフランジ13Aの315度の○印の合いマーク64とCRD本体フランジ17の△印の合いマーク64が同一鉛直線上にあることを確認し、合っていなければ位置の調整を行う。
【0168】
CRD本体14の挿入動作を停止した位置は、図13に示したカップリング部材19の係合板19Aが制御棒11の下端のカップリング穴31の手前にくる位置であり、この位置でCRDハウジングフランジ13Aの315度の○印の合いマーク64とCRD本体フランジ17の△印の合いマーク64とを合わせることによって、係合板19Aが制御棒11の下端に衝突することを防止することができる。
【0169】
次に、CRDハウジングフランジ13AとCRD本体フランジ17との間が3mmになるところまでCRD本体14を挿入する。すると、制御棒11とCRD本体14とがカップリング/アンカップリング位置になる。この位置でCRDハウジング13の270度方向へCRD本体14を45度回転させる。
【0170】
すなわち、合いマーク監視カメラ63のモニターから、CRDハウジングフランジ13Aの315度の○印の合いマーク64が外れ、270度の▽印の合いマーク64がモニターに現れるようにする。
【0171】
そして、CRDハウジングフランジ13Aの270度の▽印の合いマーク64の下にCRD本体フランジ17の△印の合いマーク64が一致することで、CRD本体14が45度回転したことを確認することができる。このとき、CRD本体14と制御棒11とがカップリングする。
【0172】
次に、CRD本体用アタッチメント70のレンチ71によってCRD取付ボルト74を締めて、CRD本体14をCRDハウジング13に固定する。
【0173】
このようにしてCRD本体14をCRDハウジング13に固定したら、以下の手順によってスプールピース25をCRD本体14に取り付ける。
【0174】
まず、CRD取扱い装置本体45にスプールピース用アタッチメント57を載せて装着する。プラットホーム84及び交換機85によって自動走行でCRD取扱い装置本体45の粗い位置出しを行い、しかる後、合いマーク監視カメラ63でCRD本体14を見ながらCRD取扱い装置本体45を上昇させる。
【0175】
そして、下向き監視カメラ78でスプールピースフランジ25Aのスプールピース取付ボルト用穴72を見ながら作業員が位置調整を行う。これと同時に、排水カバー42の合いマーク監視カメラ63でスプールピースフランジ25Aの△印の合いマーク64とCRD本体フランジ17の▽印の合いマーク64を確認しながら、スプールピース25の先端がCRD本体14と干渉することがないように作業員がこまめに位置調整を行う。これによって、スプールピース25をCRD本体14に押し付ける。
【0176】
スプールピース25が正しくCRD本体14に接触していることを2つの▽△印の合いマーク64で確認した後、スプールピース用アタッチメント57のレンチ66でスプールピース取付ボルト69を締めて、スプールピース25をCRDハウジング13に取り付ける。
【0177】
以上述べたように本実施形態によるCRD取扱い装置80によれば、CRD1を取り付け又は取り外す際には、合いマーク監視カメラ63によってそれぞれの合いマーク64を確認し、CRD本体14の方位や位置を常時監視しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行うことができるので、制御棒11とCRD本体14とのカップリング及びアンカップリングの取り合い位置を確認することができる。このため、CRD1の取り付け及び取り外し作業を迅速且つ確実に行うことができ、ひいては作業員の被曝量を低減することができる。
【0178】
また、合いマーク監視カメラ63をCRD取扱い装置本体45の排水カバー42に取り付けることにより、CRDハウジングフランジ13A、CRD本体フランジ17、及びスプールピースフランジ25Aのそれぞれの側面に表示された合いマーク64を簡単且つ確実に確認できると共に、遠隔操作による排水カバー42の上下駆動により、合いマーク監視カメラ63の高さ方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0179】
さらに、CRDハウジングフランジ13Aに設けられたスプールピース取付ボルト用穴72に下向き監視カメラ78を取り付け、スプールピース25をCRD本体14に取り付ける際、及びCRD本体14をCRDハウジング13に取り付ける際には、下向き監視カメラ78によって、スプールピースフランジ25Aのスプールピース取付ボルト用穴72、CRD本体用アタッチメント70のガイドピン77、及びCRD本体フランジ17のスプールピース取付ボルト用穴72を確認しながらCRD取扱い装置本体45を操作して位置合わせを行うようにしたので、作業員は位置調整を正確に行うことができ、CRD本体14がCRDハウジング13に衝突したり、或いはスプールピース25がCRD本体14に衝突したりすることを防止することができる。
【0180】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によるCRD取扱い装置によれば、CRDを取り付ける際には、合いマーク監視カメラによってそれぞれの合いマークを確認し、CRD本体の方位や位置を常時監視しながらCRD取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うことができるので、制御棒とCRD本体とのカップリング及びアンカップリングの取り合い位置を確認することができる。このため、CRDの取り付け及び取り外し作業を迅速且つ確実に行うことができ、ひいては作業員の被曝量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるCRD取扱い装置の概略構成を示した図であり、スプールピースを取り外す際の様子を示した図。
【図2】図1の縦断面図であり、防水カバー、合いマーク監視カメラ等を省略した図。
【図3】本発明の第1実施形態によるCRD取扱い装置の概略構成を示した図であり、CRD本体を取り外す際の様子を示した図。
【図4】図2の縦断面図であり、防水カバー、合いマーク監視カメラ等を省略した図。
【図5】本発明の第2実施形態によるCRD取扱い装置の概略構成を示した図であり、スプールピースを取り外す際の様子を示した図。
【図6】図5の縦断面図。
【図7】本発明の第2実施形態によるCRD取扱い装置の概略構成を示した図であり、CRD本体を取り外す際の様子を示した図。
【図8】図7の縦断面図。
【図9】本発明の第2実施形態によるCRD取扱い装置の全体構成を示した図。
【図10】沸騰水型原子炉の概略構成を示した縦断面図。
【図11】沸騰水型原子炉の電動式CRDの部分を示した縦断面図。
【図12】従来のCRD取扱い装置によってCRD本体をCRDハウジング13に挿入する様子を示した縦断面図。
【図13】(a)は制御棒とCRDとの結合部分を示し、係合板が係合凹部に嵌合した状態を示した縦断面図、(b)は(a)のX−X線に沿った横断面図。
【図14】(a)は制御棒とCRDとの結合部分を示し、係合板がカップリング穴の内面に係合した状態を示した縦断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿った横断面図。
【符号の説明】
1 CRD
11 制御棒
13 CRDハウジング
13A CRDハウジングフランジ
14 CRD本体
17 CRD本体フランジ
25 スプールピース
25A スプールピースフランジ
30、80 CRD取扱い装置
38 原子炉圧力容器の基礎
42 排水カバー
45 CRD取扱い装置本体
60 防水カバー
61 耐震サポート(ラテラルレストレイント)
62 ガイドパイプ(カメラガイド部材)
63 合いマーク監視カメラ
64 合いマーク
57、65 スプールピース用アタッチメント
58 モータブラケット用アタッチメント
59 電動機用アタッチメント
66、71 レンチ
67 ポジション検出器用穴
68 検出器用穴監視カメラ
69 スプールピース取付ボルト
70 CRD本体用アタッチメント
72 スプールピース取付ボルト用穴
73 ボルト用穴監視カメラ
74 CRD取付ボルト
75 カバー本体
76 カバー取付部材
83 円形レール
84 プラットホーム
84A 径方向のレール
85 交換機
86 昇降台車
87 回転フレーム
88 装置本体用台車
89 カート(運搬機)
90 アタッチメント台車

Claims (14)

  1. 制御棒駆動機構ハウジング内に設置される制御棒駆動機構本体と、この制御棒駆動機構本体に設けられ、前記制御棒駆動機構ハウジングの下端の制御棒駆動機構ハウジングフランジに固設される制御棒駆動機構本体フランジと、この制御棒駆動機構本体フランジに固設されるスプールピースフランジを有するスプールピースとを備えた沸騰水型原子炉の制御棒駆動機構を取り扱うための制御棒駆動機構取扱い装置において、
    前記制御棒駆動機構本体又は前記スプールピースの荷重を支持するための制御棒駆動機構取扱い装置本体と、
    前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上端に着脱自在に設けられ、前記制御棒駆動機構本体又は前記スプールピースを固定するボルトを着脱するためのレンチを有するアタッチメントと、
    前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ、前記制御棒駆動機構本体フランジ、及び前記スプールピースフランジのそれぞれの側面に表示された合いマークを確認するための合いマーク監視カメラと、を備え、
    前記制御棒駆動機構を取り付ける際又は取り外す際には、前記合いマーク監視カメラによって前記合いマークを確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにしたことを特徴とする制御棒駆動機構取扱い装置。
  2. 前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ、前記制御棒駆動機構本体フランジ、及び前記スプールピースフランジの各フランジに形成されたポジション検出器用穴を監視するために、前記ポジション検出器用穴に挿入可能な検出器用穴監視カメラを前記スプールピース用の前記アタッチメントに設け、
    前記スプールピースを前記制御棒駆動機構本体に取り付ける際又は取り外す際には、前記検出器用穴監視カメラによって前記ポジション検出器用穴を確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  3. 前記制御棒駆動機構ハウジングフランジ及び前記制御棒駆動機構本体フランジの各フランジに形成されたスプールピース取付ボルト用穴を確認するために、前記スプールピース取付ボルト用穴に挿入可能なボルト用穴監視カメラを前記制御棒駆動機構本体用の前記アタッチメントに設け、
    前記制御棒駆動機構本体を前記制御棒駆動機構ハウジングに取り付ける際又は取り外す際には、前記ボルト用穴監視カメラによって前記スプールピース取付ボルト用穴を確認しながら前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を操作して位置合わせを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  4. 前記制御棒駆動機構の取り付け作業又は取り外し作業に際して前記制御棒駆動機構を覆うための防水カバーをさらに備え、前記合いマーク監視カメラを所定位置に導いて位置決めするためのカメラガイド部材を前記防水カバーに設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  5. 前記カメラガイド部材は、前記制御棒駆動機構の取り付け作業又は取り外し作業における各種工程に適した上下方向の最適位置に前記合いマーク監視カメラを位置決めできるように前記合いマーク監視カメラを支持することを特徴とする請求項4記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  6. 前記防水カバーは、ステンレス製又は透明アクリル製の筒状のカバー本体と、前記制御棒駆動機構ハウジングフランジに設けられた水平方向拘束用のラテラルレストレイントに前記カバー本体を取り付けるためのカバー取付部材と、を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  7. 前記防水カバーは、前記カバー本体の下端に取り付けたビニールシートをさらに有することを特徴とする請求項6記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  8. 前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上部に組み込まれた排水カバーをさらに有し、前記合いマーク監視カメラは前記排水カバーに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  9. 前記排水カバーは前記制御棒駆動機構取扱い装置本体の上部に上下動可能に組み込まれており、前記合いマーク監視カメラの高さ方向の位置合わせは前記排水カバーの上下動によって行なわれることを特徴とする請求項8記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  10. 前記合いマーク監視カメラは前記制御棒駆動機構取扱い装置本体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  11. 前記合いマーク監視カメラは前記アタッチメントに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  12. 原子炉圧力容器の下方に設置されたプラットホームと、前記プラットホーム上を走行する交換機と、前記プラットホームと原子炉格納容器外側の補修室との間で前記制御棒駆動機構本体を移送する運搬機と、をさらに備え、
    前記交換機は、前記制御棒駆動機構本体及び前記制御棒駆動機構取扱い装置本体を搭載して上昇又は下降する昇降台車と、前記昇降台車と共に前記制御棒駆動機構本体を回転させて前記制御棒駆動機構本体を水平状態から垂直状態へ又はその逆に回転する回転フレームと、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  13. 前記制御棒駆動機構ハウジングフランジに形成されたスプールピース取付ボルト用穴を通して上方から前記制御棒駆動機構本体及び前記スプールピースの位置を監視する下向き監視カメラをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
  14. 前記監視カメラは、CCDカメラ及びイメージファイバーのいずれか一方によって又は両方の組み合わせによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の制御棒駆動機構取扱い装置。
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