JP3745672B2 - 生体信号計測装置及び超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、心拍に同期した生体信号を計測する装置に関し、特に血管壁の変位や血流速度を計測する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管の性状や心臓などの機能を診断するために超音波診断装置が利用される。超音波診断装置を利用して血管壁の変位を計測する場合、その変位信号には呼吸に起因した変動成分が含まれることがある。この呼吸性の変動成分を低減する方法として、血管壁の変位の時間変化を表す血管壁変位波形を心拍周期ごとのサンプル波形に分割し、複数のサンプル波形をアンサンブル平均して、平均波形を生成する方法がある。心拍周期は心電信号に一心拍ごとに現れる特徴的な波形を基準にして把握される。
【0003】
特徴的な波形としては、一般に心電信号のR波が用いられる。従来は、計測者が血管壁変位信号において、心拍間の変動が小さい心拍区間を判断し、例えば、R波にカーソルを移動させ手動でアンサンブル平均に用いる複数のサンプル波形を取り出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、計測者の判断及び手動操作に基づいて、複数のサンプル波形を選択する作業は煩雑で時間を要するという問題があった。また、サンプル波形の選択が計測者の主観に委ねられ、計測結果のばらつきが大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、自動的にサンプル波形を短時間で選択し、精度の高いアンサンブル平均波形が得られる生体信号装置及び超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る生体信号計測装置は、心拍に同期した参照生体信号を計測する参照生体信号計測手段と、前記参照生体信号に現れる所定の特徴波形を検出する特徴波形検出手段と、生体から目的生体信号を計測する目的生体信号計測手段と、前記特徴波形に基づいて目的生体信号波形を心拍周期単位のサンプル波形に分割する波形分割手段と、前記サンプル波形相互の相関値を計算する相関値演算手段と、前記サンプル波形についての所定条件に基づいて、複数の前記サンプル波形から複数の代表サンプル波形を選択する代表選択手段と、前記複数の代表サンプル波形をアンサンブル平均して目的生体信号の平均波形を求めるアンサンブル平均手段と、を有し、前記相関値演算手段は、複数のサンプル波形のうちの互いに異なる二つのサンプル波形の全ての組み合わせについて、二つのサンプル波形相互の相関値を計算し、前記代表選択手段は、複数のサンプル波形のうちの各サンプル波形ごとに、そのサンプル波形が関与する複数の相関値のうち値の大きい所定個数の平均値を計算し、複数のサンプル波形についての複数の前記平均値のうちから最大値を検索し、その最大値を与える一群のサンプル波形を前記代表サンプル波形として選択する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、心拍に同期した波形を有する参照生体信号に基づいて、本来、目的とする生体信号である目的生体信号が心拍周期単位のサンプル波形に区分される。この区分は、特徴波形検出手段が、参照生体信号に心拍に同期して現れる特徴的な波形を検出し、その特徴波形を基準として自動的に行われる。サンプル波形をアンサンブル平均することにより、心拍周波数に比べて低周波の呼吸性変動成分などを低減・除去することができる。一方、アンサンブル平均の対象に他のサンプル波形と著しく異なる特異なサンプル波形が含まれると、平均波形にもその特異性が残存することとなり好ましくない。そこで、代表選択手段は、サンプル波形のうち、アンサンブル平均により平均波形を求める上で好適なものを、当該波形についての所定条件に基づいて選択する。そして、アンサンブル平均手段は、代表選択手段により選択された複数の代表サンプル波形をアンサンブル平均する。アンサンブル平均処理では、各代表サンプル波形の互いに対応する時相のデータの平均値が計算され、各時相での平均値から平均波形が形成される。
【0008】
他の本発明に係る生体信号計測装置は、前記サンプル波形相互の相関値を計算する相関値演算手段を有し、前記代表選択手段は、前記相関値に基づいて、互いに類似した一群の前記サンプル波形を前記代表サンプル波形として選択する。
【0009】
一過性のノイズ成分は、それを含むサンプル波形と含まないサンプル波形との相関を低くする。逆に、互いに相関を有する一群のサンプル波形は、そのようなノイズ成分が少ないことを期待することができる。そこで、本発明では、サンプル波形相互の相関値を計算し、その相関値に基づいて互いに類似した一群のサンプル波形を代表サンプル波形として選択する。
【0010】
本発明の好適な態様は、前記参照信号が、心電信号である生体信号計測装置である。特に、前記特徴波形として、前記心電信号のR波を用いることができる。
【0011】
本発明に係る超音波診断装置は、超音波パルスを送波し、エコー信号を受波する送受波手段と、前記エコー信号に基づいて血管壁の変位を計測する血管壁変位計測手段と、前記エコー信号に基づいて血流速度を計測する血流速度計測手段と、心拍に同期した参照生体信号を計測する参照生体信号計測手段と、前記参照生体信号に現れる所定の特徴波形を検出する特徴波形検出手段と、前記特徴波形に基づいて前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれの信号波形を心拍周期単位のサンプル波形に分割する波形分割手段と、前記サンプル波形についての所定条件に基づき、前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれについて、複数の前記サンプル波形から複数の代表サンプル波形を選択する代表選択手段と、前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれについて、前記複数の代表サンプル波形をアンサンブル平均して血管壁変位平均波形及び血流速度平均波形を求めるアンサンブル平均手段と、前記血管壁変位平均波形及び血流速度平均波形から評価値を演算する評価値演算手段とを有する。
【0012】
本発明によれば、エコー信号に基づいて得られた血管壁の変位信号及び血流速度信号を目的生体信号として、それらの平均波形が生成される。そしてそれら平均波形に基づいて所定の評価値が演算される。その評価値としては、各種のものが想定されるが、その一つとして、循環動態指標であるウエーブインテンシティが挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態である超音波診断装置について図面を参照して説明する。本超音波診断装置は、血管の性状や心臓の機能などを評価するための評価値としてウエーブインテンシティを演算する機能を有している。
【0014】
ウエーブインテンシティは、もともとは、心臓から末梢へ向かう前進脈波と末梢で反射して心臓へ向かう反射脈波のどちらの作用が優勢であるかを判別するための指標として提唱されたものである。具体的には、ウエーブインテンシティIは、動脈中の局所部位の圧力をP、当該局所部位の血流速度をUとして、それらのΔt間における時間変化分ΔP及びΔUから、
I=ΔP・ΔU ………(1)
として定義される。
【0015】
つまり、ウエーブインテンシティは、一定の時間間隔Δtにおける圧力Pの変化及び血流速度Uの変化の積として定義される。Δtの取り方に依存しない、時間で正規化したウエーブインテンシティは、以下の(2)式で表現される。
【0016】
WI=(dP/dt)・(dU/dt) ………(2)
上記(2)式から分かるように、ウエーブインテンシティWIは、圧力Pの時間微分及び血流速度Uの時間微分の積として定義されている。
【0017】
本超音波診断装置は超音波エコートラッキング法により、例えば、頸動脈の血管壁変位を自動的にトラッキングし、これにより血管径の時間変化が計測される。一方、超音波ドプラ法により血流速度の時間変化が計測される。
【0018】
従来から、血管径の変化波形と血圧の変化波形との間には相似な関係があることが知られている。トラッキング法で測定した最大血管径及び最小血管径を、被検者の上腕に装着されたカフ型血圧計で測定した最大血圧及び最小血圧で較正すると、血管径変化を局所部位の血圧変化とみなすことができる。
【0019】
そして、以上の血流速度の変化及び血圧の変化から、上記(2)式に従って、ウエーブインテンシティが算出される。
【0020】
図1は、本超音波診断装置の概略のブロック図である。図1において、プローブ10は、超音波パルスの送波及びエコーの受波を行う超音波探触子である。このプローブ10はアレイ振動子を有しており、そのアレイ振動子の電子走査によって超音波ビームが電子的に走査される。その電子走査方式としては例えば電子リニア走査や電子セクタ走査などを挙げることができる。本実施形態に係る超音波診断装置は、上記のように、ウエーブインテンシティを計測する機能を有しており、そのウエーブインテンシティの計測にあたっては、血管14の中心軸に超音波ビームの走査によって形成される走査面が一致するようにプローブ10の生体表面12への当接位置や当接姿勢が手動操作によって調整される。
【0021】
送信回路16は、プローブ10に対して送信信号を供給する回路であり、その送信回路16の動作は送受信制御部18によって制御される。受信回路20は、プローブ10からの受信信号に対して増幅や整相加算などの処理を行う回路である。この受信回路20も送受信制御部18によって制御される。
【0022】
送受信制御部18は、送信ビームの形成及び受信ビームの形成を行うための送受信制御を実行している。
【0023】
断層画像形成部22は、断層画像すなわちBモード画像を形成する回路である。形成された断層画像のイメージ情報は表示処理部24へ出力される。変位演算部26は、血管壁の位置、具体的にはプローブ10から見て手前側にある前壁の位置とプローブ10から見て奥側にある後壁の位置とを演算し、さらに、前壁の位置と後壁の位置とから血管径を演算する機能を有している。
【0024】
具体的には、変位演算部26は、後に示す計測ライン上においてユーザー設定されたトラッキングゲートにおいて、血管壁の位置をトラッキングする機能を有する。
【0025】
血流速度演算部28は、計測ライン上のエコー信号からカラードプラ法によって血流速度を求め、計測ライン上に設定されたサンプルゲート内の血流速度の平均値を演算する回路である。変位演算部26で演算された血管径の変化信号102及び血流速度演算部28で演算された血流速度を表す血流速度信号104は、表示処理部24及びアンサンブル平均演算部34へ出力される。
【0026】
ちなみに、計測ライン設定器30は後に示す計測ラインを設定するための手段であり、またトラッキングゲート設定器32はトラッキングゲートをマニュアルで設定するための手段であり、それらは例えばキーボードやトラックボールなどのポインティングデバイスによって構成される。
【0027】
心電計測部42は、被検者の心電信号107を計測して、アンサンブル平均演算部34へ出力する。
【0028】
アンサンブル平均演算部34は、血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107をそれぞれ心拍周期単位のサンプル波形に区切り、サンプル波形をアンサンブル平均して、血管径の変化平均波形、血流速度平均波形及び心電平均波形を生成する。これについては後に図2を用いてより詳しく説明する。
【0029】
評価値演算部36は、血管径及び血流速度から、評価値としてのウエーブインテンシティを演算する回路である。後に示す図3にはその具体的な構成例が示されている。評価値演算部36にて演算されたウエーブインテンシティの値は表示処理部24へ出力される。
【0030】
本実施形態においては、評価値演算部36がウエーブインテンシティを計算するために、血圧計40から出力される血圧信号106、具体的には最大血圧及び最小血圧を参照する。例えば、血圧計40は被検者の上腕表面に巻き付けられたカフによって被検者の血圧を測定するものである。
【0031】
表示処理部24は、表示器38に表示する表示画像を構成する回路である。表示処理部24は画像合成機能などを有している。
【0032】
なお、血流速度演算部28は、従来の超音波ドプラ診断装置に搭載されている直交検波器や自己相関器などで構成するのが望ましい。
【0033】
図2には、図1に示したアンサンブル平均演算部34の具体的な構成例が示されている。R波検出器50には心電信号107が入力され、R波検出器50は心室収縮期の開始タイミングに心電信号に現れるR波を検出し、そのタイミングでトリガ信号を出力する。R波は心電信号においてひときわ高く鋭いピークを形成するので、ピーク検出の技法により検出することができる。
【0034】
心拍分割器52には、血管径の変化信号102、血流速度信号104、心電信号107及びR波検出器50からのトリガ信号が入力される。心拍分割器52は、トリガ信号のタイミングで血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107をそれぞれ区切る。これにより、血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107はそれぞれ、R波から次のR波までの心拍期間ごとのサンプル波形に分割される。心拍分割器52は各心拍期間に指標を付し、この指標は各信号のサンプル波形のデータを識別するために用いられる。血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107それぞれから生成されたサンプル波形112,114,116はアンサンブル平均演算器54へ出力される。また血管径の変化信号102から生成されたサンプル波形112は心拍波形相関演算器56へも出力される。
【0035】
心拍波形相関演算器56は、血管径の変化信号102のサンプル波形112を順次入力され、例えば、ある一定期間内に入力された複数のサンプル波形を1セットとして、そのセットに含まれる2つのサンプル波形の組み合わせごとに相関値を演算する。この相関演算は波形相互の類似の程度を調べる周知の方法を用いて行われる。
【0036】
代表選択器58は、心拍波形相関演算器56で得られたサンプル波形の組み合わせごとの相関値に基づいて、互いに相関が強い所定数のサンプル波形を選択する。
【0037】
アンサンブル平均演算器54は、心拍分割器52から順次入力される血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107それぞれのサンプル波形112,114,116のうち、代表選択器58で選択されたサンプル波形と同一心拍期間のものを代表サンプル波形として選択する。この選択は上述した指標に基づいて行われる。アンサンブル平均演算器54は、血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107についてそれぞれ別個に代表サンプル波形をアンサンブル平均する。アンサンブル平均演算器54からは、アンサンブル平均によって得られた平均波形を有する血管径の変化平均信号、血流速度平均信号、及び心電平均信号が出力される。なお、これら各平均信号は評価値演算部36にて利用され、また表示器38に表示することができる。
【0038】
図3には、図1に示した評価値演算部36の具体的な構成例が示されている。アンサンブル平均演算部34から出力される血流速度平均信号124は微分器70に入力され、微分器70によって血流速度の時間微分が演算される。その微分結果は乗算器72へ出力される。
【0039】
一方、スケーリング部74には、アンサンブル平均演算部34から出力される血管径の変化平均信号122及び血圧計40から出力される血圧信号106が入力される。スケーリング部74は、血管径の変化平均信号122の最大値、最小値をそれぞれ血圧信号106から得られる最大血圧、最小血圧に対応付けることにより、血管径の変化平均信号122の波形を血圧波形として較正する。すなわち単位変換を実行する。よって、スケーリング部74から、換算された血圧信号が出力されることになる。微分器76はその血圧信号に対する時間微分を実行し、その微分結果が乗算器72へ出力される。
【0040】
乗算器72は、微分器70及び微分器76から出力される血流速度の微分結果及び血圧の微分結果を乗算することにより、評価値としてのウエーブインテンシティを求める回路である。すなわち、図3に示す構成は上記の(2)式を実行する回路である。
【0041】
次に、図4に示すアンサンブル平均の処理フロー図を用いて、アンサンブル平均演算部34での処理手順を説明する。まず、サンプル波形を採取するサンプル採取期間の長さと、アンサンブル平均される心拍数、すなわち代表選択器58にて代表サンプル波形として選択されるサンプル波形の個数mを設定する(S200)。アンサンブル平均演算部34は、設定されたサンプル採取期間内に変位演算部26、血流速度演算部28及び心電計測部42からそれぞれ入力される血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107を保存する(S205)。これらの信号はデジタルデータとしてメモリに保存することができる。
【0042】
R波検出器50は、保存した心電信号107のデータを読み出して、R波のタイミングを検出する(S210)。心拍分割器52は、血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107の信号データ列を読み出す。信号データ列は、R波検出器50により検出されたR波のタイミングで分割され、心拍周期単位の信号データ列が生成される。この一心拍分の信号データ列がそれぞれサンプル波形を定義する。心拍分割器52は、各信号のサンプル波形に、その時系列順に応じた番号を指標として対応付ける。ここでは、サンプル採取期間の初めに位置するサンプル波形から最後のサンプル波形まで順番に、0番〜n番の指標が付与されるとする(S215)。
【0043】
心拍分割器52で生成された各信号のサンプル波形のうち、血管径の変化信号102のサンプル波形が指標と共に心拍波形相関演算器56へ渡される。心拍波形相関演算器56では、血管径の変化信号102の2つのサンプル波形(i番目及びk番目のサンプル波形)相互の相関値Si,kがiとkとの全ての組み合わせについて計算される。この処理は、まずi,kをそれぞれ初期値0として開始される(S220)。そして、iを固定して、あるi,kについての相関値Si,kが計算され、メモリ等の記憶手段に格納される(S225)。なお、ここで、iとkとが等しい場合には、相関値の計算及び記録は行われない。
【0044】
あるi,kについての処理S225が終わる度に、kが1ずつインクリメントされる(S230)。心拍波形相関演算器56において、あるiに対しk=nについての相関値の計算及び記録が完了すると(S235)、代表選択器58は当該iについてのn個の相関値Si,k(k=0〜n)のうち値の大きい上位m個の平均値mean(Si)を計算し、その平均値及び、平均されたサンプル波形の指標を保存する(S240)。一方、心拍波形相関演算器56はk=nまで処理が完了すると、iを1だけインクリメントして(S245)、処理S225〜S235を繰り返す。i=nまで処理を完了すると(S250)、代表選択器58は、保存されているmean(Si)の最大値を検索し、その最大値を与える一群のサンプル波形を代表サンプル波形と定め、その一群のサンプル波形の指標をメモリから読み出してアンサンブル平均演算器54へ出力する(S255)。
【0045】
アンサンブル平均演算器54は、血管径の変化信号102、血流速度信号104及び心電信号107について心拍分割器52で生成された一連のサンプル波形のデータ列のうち、代表選択器58にて選択された指標に対応するサンプル波形を選んで、それらをアンサンブル平均して出力する(S260)。
【0046】
なお、アンサンブル平均演算部34によれば、心拍に同期した各種信号から、呼吸性の変動成分やランダムノイズが除去された信号波形を得ることができる。その信号波形は、本装置ではウエーブインテンシティの算出に利用したが、他の評価値の計測等においても用いることもでき、計測値の精度向上を図ることができる。
【0047】
また、ここでは、心拍波形相関演算器56が血管径の変化信号のサンプル波形について相関を計算する例を示したが、例えば血流速度信号のサンプル波形を用いて相関を計算するように構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の生体信号計測装置及び超音波診断装置によれば、生体信号から、アンサンブル平均に好適な心拍期間が選択され、アンサンブル平均波形が生成される。これにより、心拍に同期した生体信号に対するアンサンブル平均処理が自動化され、省力化が図られると共に、心拍期間単位での相関値等の客観的基準に基づいて選択されたサンプル波形についてアンサンブル平均が行われるので、精度の高い平均波形が得られる。特に、ウエーブインテンシティを求める場合には、生体信号として血管径の変化信号から求めた血圧信号及び血流速度信号に対して微分処理が行われるが、アンサンブル平均波形を用いることでピークの位置の精度が向上し、ウエーブインテンシティの計測精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 アンサンブル平均演算部の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図3】 評価値演算部の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】 アンサンブル平均の処理フロー図である。
【符号の説明】
10 プローブ、16 送信回路、18 送受信制御部、20 受信回路、22 断層画像形成部、24 表示処理部、26 変位演算部、28 血流速度演算部、30 計測ライン設定器、32 トラッキングゲート設定器、34 アンサンブル平均演算部、36 評価値演算部、38 表示器、40 血圧計、42心電計測部、50 R波検出器、52 心拍分割器、54 アンサンブル平均演算器、56 心拍波形相関演算器、58 代表選択器、70,76 微分器、72 乗算器、74 スケーリング部。
Claims (6)
- 心拍に同期した参照生体信号を計測する参照生体信号計測手段と、
前記参照生体信号に現れる所定の特徴波形を検出する特徴波形検出手段と、
生体から目的生体信号を計測する目的生体信号計測手段と、
前記特徴波形に基づいて目的生体信号波形を心拍周期単位のサンプル波形に分割する波形分割手段と、
前記サンプル波形相互の相関値を計算する相関値演算手段と、
前記サンプル波形についての所定条件に基づいて、複数の前記サンプル波形から複数の代表サンプル波形を選択する代表選択手段と、
前記複数の代表サンプル波形をアンサンブル平均して目的生体信号の平均波形を求めるアンサンブル平均手段と、
を有し、
前記相関値演算手段は、複数のサンプル波形のうちの互いに異なる二つのサンプル波形の全ての組み合わせについて、二つのサンプル波形相互の相関値を計算し、
前記代表選択手段は、複数のサンプル波形のうちの各サンプル波形ごとに、そのサンプル波形が関与する複数の相関値のうち値の大きい所定個数の平均値を計算し、複数のサンプル波形についての複数の前記平均値のうちから最大値を検索し、その最大値を与える一群のサンプル波形を前記代表サンプル波形として選択する、
ことを特徴とする生体信号計測装置。 - 請求項1記載の生体信号計測装置において、
前記相関値演算手段は、0番からn番までの複数のサンプル波形のうちの互いに異なる二つのサンプル波形(i番目及びk番目のサンプル波形)相互の相関値S i,k を、iとkとの全ての組み合わせについて計算し、
前記代表選択手段は、番号iについてのn個の相関値S i,k のうち値の大きい上位m個の平均値 mean( S i ) を計算し、番号iが0番からn番までの複数の前記平均値 mean( S i ) のうちから最大値を検索し、その最大値を与える一群のサンプル波形を前記代表サンプル波形として選択する、
ことを特徴とする生体信号計測装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の生体信号計測装置において、
前記参照生体信号は、心電信号であることを特徴とする生体信号計測装置。 - 請求項3記載の生体信号計測装置において、
前記特徴波形は、前記心電信号のR波であることを特徴とする生体信号計測装置。 - 超音波パルスを送波し、エコー信号を受波する送受波手段と、
前記エコー信号に基づいて血管壁の変位を計測する血管壁変位計測手段と、
前記エコー信号に基づいて血流速度を計測する血流速度計測手段と、
心拍に同期した参照生体信号を計測する参照生体信号計測手段と、
前記参照生体信号に現れる所定の特徴波形を検出する特徴波形検出手段と、
前記特徴波形に基づいて前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれの信号波形を心拍周期単位のサンプル波形に分割する波形分割手段と、
前記サンプル波形相互の相関値を計算する相関値演算手段と、
前記サンプル波形についての所定条件に基づき、前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれについて、複数の前記サンプル波形から複数の代表サンプル波形を選択する代表選択手段と、
前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれについて、前記複数の代表サンプル波形をアンサンブル平均して血管壁変位平均波形及び血流速度平均波形を求めるアンサンブル平均手段と、
前記血管壁変位平均波形及び血流速度平均波形から評価値を演算する評価値演算手段と、
を有し、
前記相関値演算手段は、複数のサンプル波形のうちの互いに異なる二つのサンプル波形の全ての組み合わせについて、二つのサンプル波形相互の相関値を計算し、
前記代表選択手段は、複数のサンプル波形のうちの各サンプル波形ごとに、そのサンプル波形が関与する複数の相関値のうち値の大きい所定個数の平均値を計算し、複数のサンプル波形についての複数の前記平均値のうちから最大値を検索し、その最大値を与える一群のサンプル波形を前記代表サンプル波形として選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項5記載の超音波診断装置において、
前記アンサンブル平均手段は、前記血管壁の変位及び前記血流速度それぞれについて、前記複数の代表サンプル波形のうちの各代表サンプル波形の互いに対応する時相のデータの平均値を計算し、各時相での平均値から平均波形を求める、
ことを特徴とする超音波診断装置。
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