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JP3744141B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP3744141B2
JP3744141B2 JP23520997A JP23520997A JP3744141B2 JP 3744141 B2 JP3744141 B2 JP 3744141B2 JP 23520997 A JP23520997 A JP 23520997A JP 23520997 A JP23520997 A JP 23520997A JP 3744141 B2 JP3744141 B2 JP 3744141B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の搬送ロールに架け回した無端状ベルトを利用して記録シート上にトナー像を転写する画像形成装置に係り、詳しくは、上記無端状ベルトの回動中におけるその幅方向の変位を防止するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回動する無端状ベルトを利用してトナー像を記録シートに転写する画像形成装置としては、感光体ドラム上で形成されたトナー像を無端状の中間転写ベルトに順次転写し、かかる中間転写ベルト上で複数色のトナー像の重ね合わせを行った後、これらトナー像を記録シートに対して一括転写するように構成したカラー画像形成装置や、無端状の感光体ベルトの1回転毎に露光・現像を繰り返して、かかる感光体ベルト上に複数色のトナー像を重ねて形成し、これらトナー像を記録シートに対して一括転写するように構成したカラー画像形成装置が知られている。また、回動する無端状ベルトに記録シートを吸着させ、かかる無端状ベルトによって搬送される記録シートに対して複数の感光体ドラムから順次トナー像を多重転写するように構成したカラー画像形成装置も知られている。
【0003】
そして、これら画像形成装置においては、そのいずれの装置においても上記無端状ベルトの上で複数色のトナー像が重ね合わせられることから、色ずれの無い高品位なカラー記録画像を形成するためには、かかる無端状ベルトがその回動中において幅方向へ変位しないことが重要である。
【0004】
しかし、一般的に、無端状に成形されたベルトを駆動ロール及び従動ロールを含む複数の搬送ロールに架け回して回動させると、かかる無端状ベルトの成形誤差や搬送ロールの径の誤差及び取付け角度誤差等を原因として、この無端状ベルトには搬送ロールの軸方向に沿った寄り力が作用し、該無端状ベルトは安定的な回動位置を求めて搬送ロールの軸方向へ変位してしまう。
【0005】
それ故、従来より無端状ベルトを一定の経路で安定的に回動させるための提案が種々なされているが、その一つとして、該無端状ベルトの内周面の両側端縁に沿ってリブと呼ばれる突起を夫々設けると共に、これら一対のリブが搬送ロールをその軸方向から挟むように該無端状ベルトを搬送ロールに対して架け回し、上記リブと搬送ロールとの干渉によって無端状ベルトの移動を規制した画像形成装置が知られている(特開平4−257888号公報、特開平5−35131号公報等)。この画像形成装置では、無端状ベルトを実際に搬送ロールに架け回して回動させてみるまで、かかるベルトがいずれの方向へ変位するかは定かでないが、リブが無端状ベルトの両側端縁に形成されていることから、無端状ベルトが変位すると、いずれか一方のリブが必ず搬送ロールと干渉し、かかるベルトを安定的に回動させることができるものである。
【0006】
また、その他の提案としては、回動中の無端状ベルトに対して常に一定方向の微弱な寄り力が作用するように搬送ロールの配設角度を微調整すると共に、搬送ロールの軸方向の一端には該寄り力に抗して無端状ベルトの側縁部を係止するエッジガイド部材を設け、無端状ベルトがその側縁部を常にエッジガイドに当接させながら回動するように構成した画像形成装置も知られている(特開平5−319611号公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの画像形成装置においては、シートトレイ等から搬送されてきた記録シートがトナー像の転写位置あるいは無端状ベルトへの吸着位置に突入した際、記録シートの搬送方向と無端状ベルトの回動方向とが完全に合致していない場合には、かかる記録シートの突入に伴って無端状ベルトに新たな寄り力が発生し、譬えそれまでは幅方向へ移動することなく安定して回動していた無端状ベルトも、上記記録シートの突入の度毎に、新たな安定状態を求めて幅方向へ移動しようとする。
【0008】
このとき、無端状ベルトの移動しようとする方向がそれまでと同じ方向、すなわち上記リブやエッジガイドによってそれまで係止されていた方向と同一の方向であれば、実際には無端状ベルトの移動を阻止することができるのだか、新たに発生した寄り力の大きさ及び方向によっては、無端状ベルトがそれまでとは逆方向、すなわち上記リブやエッジガイドによってそれまで係止されていた方向と反対の方向へ移動する場合もあり、かかる場合には無端状ベルトの上に形成した合成トナー像に色ずれが生じてしまうという問題点があった。
【0009】
また、このように無端状ベルトが直前の安定状態から次の安定状態へ移行する際には、かかるベルトが搬送ロール上をその軸方向へゆっくりと移動する性質をもっていることから、連続して多枚数の記録シートにカラー画像を形成すると、無端状ベルトは累積的に一方の方向へ移動する結果となり、最悪の場合には無端状ベルトの側縁部が周辺機器と接触し、かかるベルトの破断を招くといった問題点もあった。
【0010】
更に、無端状ベルトの移動しようとする方向がリブやエッジガイドによってそれまで係止されていた方向と同一の方向であれば、見かけ上は無端状ベルトがその幅方向へ移動することはないが、かかる場合にはリブや無端状ベルトの側縁部に対して大きな荷重が加わり、リブの剥離やベルト側縁部の座屈といったトラブルが発生してしまう。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、回動する無端状ベルトに対して記録シートが密着した際に、かかる無端状ベルトがその幅方向へ変位するのを防止し、画情報に忠実で且つ色ずれのない高品位な記録画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、複数の搬送ロールに架け回されると共にトナー像を担持して回動する無端状ベルトと、この無端状ベルトから記録シートへ上記トナー像を転写する転写手段と、かかるトナー像の転写位置に対して記録シートを搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置を前提とし、上記記録シートの転写位置への突入により生じた上記無端状ベルトの幅方向への変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて上記搬送手段における記録シートの搬送方向を調整する方向調整手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の他の画像形成装置は、複数の搬送ロールに架け回されると共に記録シートを吸着して回動する無端状ベルトと、この無端状ベルトによって搬送される記録シートに対してトナー像を転写する複数の像担持体と、上記無端状ベルトに対する記録シートの吸着位置へ上記記録シートを搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置を前提とし、上記記録シートの吸着位置への突入により生じた上記無端状ベルトの幅方向への変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて上記搬送手段における記録シートの搬送方向を調整する方向調整手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0014】
前述のように、無端状ベルトに対して当接する際の記録シートの搬送方向が該無端状ベルトの回動方向と完全に合致していないと、かかる無端状ベルトに対して寄り力が発生し、無端状ベルトはその幅方向へ移動するが、このような本発明の技術的手段によれば、上記検出手段が記録シートの突入を原因として生じた無端状ベルトの幅方向の変位量を検出しているので、かかる検出結果に基づいて記録シートの搬送方向が無端状ベルトの搬送方向に対してどの程度変位しているかを把握することができる。従って、かかる検出結果に基づいて上記方向調整手段で記録シートの搬送方向を調整すれば、記録シートの搬送方向と無端状ベルトの回動方向を完全に一致させることができ、記録シートの突入に起因する無端状ベルトの幅方向の移動を防止することが可能となる。
【0015】
ここで、上記検出手段としては記録シートの突入により生じた無端状ベルトの幅方向の変位量を検出し得るものであれば、例えばフォトセンサ等を用いて無端状ベルトの側縁部の位置を実際に検出するものであっても差し支えない。但し、前述したエッジガイド部材やリブによって無端状ベルトの幅方向への移動が係止されている場合、記録シートの突入によって無端状ベルトに幅方向の寄り力が作用したとしても、無端状ベルトは幅方向へ移動することがないので、上記フォトセンサでは記録シートの搬送方向と無端状ベルトの回動方向の不一致を検出することができない。
【0016】
従って、かかる観点からすれば、上記検出手段は無端状ベルトの側縁部に当接し、かかる無端状ベルトの幅方向への寄り力を検出するロードセル等の寄り力検出手段であることが好ましい。かかる寄り力検出手段によれば、無端状ベルトの幅方向への寄り力を直接測定することができるので、記録シートの突入によつて生じた寄り力の増加分あるいは減少分を把握することにより、記録シートの搬送方向が無端状ベルトの回動方向に対してどの程度変位しているかを予測することができ、無端状ベルトが実際に幅方向へ変位しない場合であっても、上記方向調整手段によって記録シートの搬送方向と無端状ベルトの回動方向を合致させることができる。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳細に説明する。
図1は本発明のベルト装置をトナー像の中間転写体として用いたカラー電子写真複写機の概略構成を示すものである。符号1は原稿の画像を読み取る画像入力部であり、ランプ11によって走査された原稿12の反射光をCCDセンサ13で受光し、原稿12の画情報を電気信号に変換するように構成されている。
【0018】
また、符号2は上記画像入力部1において得られた画情報に基づいて記録シート3上に画像を形成する画像出力部である。この画像出力部2において、符号21は感光体ドラムであり、矢線A方向への回転に伴いその表面には周知の電子写真プロセス(図示せず)によって画情報に応じた静電潜像が形成される。すなわち、感光体ドラム21は帯電器21aによって所定の暗電位まで帯電された後、レーザビームスキャナ22から発せられた光ビームによって画情報に応じた露光がなされる。また、この感光体ドラム21の隣にはブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色現像器を有するロータリ現像ユニット23が配設されており、感光体ドラム21に形成された静電潜像をいずれか1の現像器で現像してトナー像Tを形成するようになっている。従って、感光体ドラム21に書き込まれた静電潜像がイエローの画情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロー(Y)のトナーを内包する現像器で現像され、感光体ドラム21上にはイエローのトナー像が形成される。
【0019】
また、符号4は感光体ドラム21の表面に当接されるように配置された無端状の中間転写ベルトであり、駆動ロール及び従動ロールを含む複数の搬送ロール4a〜4cに張架されて回動する。上記感光体ドラム21に形成された未定着トナー像Tは、感光体ドラム21と上記中間転写ベルト4とが接する一次転写位置で感光体ドラム21から中間転写ベルト4の表面に転写される。この一次転写位置において、中間転写ベルト4の裏面側には一次転写コロトロン5が配設されており、この一次転写コロトロン5にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム21上の未定着トナー像Tは中間転写ベルト4に静電吸引される。
【0020】
単色画像を形成する場合は中間転写ベルト4に一次転写された未定着トナー像Tを直ちに記録シート3に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム21上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の行程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合、感光体ドラム21上にはその一回転毎にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの未定着トナー像Tが形成され、これら未定着トナー像Tは順次中間転写ベルト4に一次転写される。一方、中間転写ベルト4は最初に一次転写されたブラックの未定着トナー像Tを保持したまま感光体ドラム21と同一周期で回動し、中間転写ベルト4にはその一回転毎にイエロー、マゼンタ及びシアンの未定着トナー像Tがブラックの未定着トナー像Tに重ねて転写される。
【0021】
このようにして中間転写ベルト4に一次転写された未定着トナー像Tは、中間転写ベルト4の回動に伴って記録シート3の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。上記二次転写位置では半導電性の二次転写ロール6が中間転写ベルト4に接しており、フィードロール7によって所定のタイミングでトレイ8から搬出された記録シート3はこの二次転写ロール6と中間転写ベルト4との間に挟み込まれる。また、中間転写ベルト4を挟んで上記二次転写ロール6と対向する搬送ロール4cは該二次転写ロール6の対向電極をなしており、上記二次転写ロール6にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加すると、中間転写ベルト4に担持された未定着トナー像Tは上記二次転写位置において記録シート3に静電転写される。
【0022】
そして、未定着トナー像が転写された記録シート3は中間転写ベルト4から剥がされ、定着器9に送り込まれて未定着トナー像の定着処理がなされる。一方、未定着トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト4はクリーナ10によって残留トナーが除去される。
【0023】
以上の構成において上記二次転写ロール6及びクリーナ10は中間転写ベルト4と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写ベルト4に一次転写される迄、これら部材は中間転写ベルト4から離間している。
【0024】
次に、上記中間転写ベルト4を幅方向へ変位させることなく、一定の経路で安定的に回動させるための構成について説明する。
既に説明したように、無端状ベルトを回動させると、該無端状ベルトの成形誤差や搬送ロールの径の誤差及び取付け角度誤差等を原因として、かかる無端状ベルトが搬送ロールの軸方向へ変位してしまうことから、この実施例においては中間転写ベルト4を架け回した搬送ロール4a〜4cの一つ4aをステアリングロールとし、中間転写ベルト4の幅方向の変移量に応じて該ステアリングロール4aを操作することにより、かかる中間転写ベルト4が一定の経路で安定して回動するように構成している。
【0025】
図2に示すように、かかるステアリングロール4aは軸受41a,41bによってその回転を支承されると共に、一方の軸受41bはスプリング42によって偏心カム43に押圧されており、角度修正モータ44によって上記偏心カム43を回転させると、偏心カム43によって押圧されたステアリングロール4aの一端が揺動し、かるステアリングロール4aの他の搬送ロール4b,4cに対する配設角度が無断階に変化するようになっている。
【0026】
一方、中間転写ベルト4の回動経路の一箇所にはベルト側縁部を検出するためのフォトセンサ45が設けられており、このセンサ45の検出信号に基づいてベルト側縁部検出回路が回動中における中間転写ベルト4の側縁部の位置を検出し、かかる検出結果に基づいて上記偏心カム43の回転角度を制御するように構成されている。図3に示すように、かかるフォトセンサ45は投光部46と受光部47とが対向した所謂透過型であり、これら投光部46と受光部47との間に中間転写ベルト4の側縁部が挿入されると投光部46の発した光の一部が中間転写ベルト4によって遮られ、これによって受光部47の検出信号から中間転写ベルト4の側縁部の位置が検出されるようになっている。
【0027】
また、中間転写ベルト4の側縁部を真直に成形することは不可能なことから、上記フォトセンサ45の検出値には中間転写ベルト4の成形の不具合も含まれることとなり、かかるフォトセンサ45の検出値が一定となるように上記ステアリングロール4aを操作したのでは却って中間転写ベルト4が幅方向に蛇行してしまう。従って、中間転写ベルト4の回動を安定化させるには、上記フォトセンサ45による検出値を中間転写ベルト4の一回転毎に比較する必要があり、そのために中間転写ベルト4の回動経路には該中間転写ベルト4が所定の回動位置に到達したことを検出する回転位置検出センサ48が設けられている(図1参照)。このセンサ48は中間転写ベルト4上の一箇所に付された回転基準マーク(図示せず)を検出し、かかる中間転写ベルト4の一回転毎に該ベルト4の回転基準信号を出力するように構成されている。
【0028】
図4は、上記フォトセンサ45の検出値に基づいて上記ステアリングロール4aを操作する制御系を示したブロック図である。
中間転写ベルト4が回動を開始すると、上記フォトセンサ45の検出信号はベルト側縁部検出回路49に入力され、ここで所定のスレッショルドレベルとの比較によって中間転写ベルト4の側縁部の位置を示すベルト位置信号が生成される。このベルト位置信号はタイマー50のカウント値と共にベルト蛇行量算出回路51に順次読み込まれる。一方、上記回転位置検出センサ48は中間転写ベルト4上に附された回転基準マークを検出すると回転基準信号を出力し、この回転基準信号によって上記タイマー50のカウント値がクリアされる。すなわち、上記タイマー50のカウント値は回転基準マークを原点とした中間転写ベルト4の周方向の座標を示していることとなる。
【0029】
上記ベルト蛇行量算出回路51はタイマーカウント値をアドレスとして中間転写ベルト4の一回転毎に得られた多数のベルト位置検出信号を前回転のそれと比較し、かかる比較の結果から中間転写ベルト4の蛇行量を算出する。一方、ステアリング量算出回路52は上記ベルト蛇行量算出回路51で得られた蛇行量を基に、ステアリングロール4aの配設角度をどの程度変更したら中間転写ベルト4の蛇行が収まるかを算出し、上記ステアリングロール4aの角度修正モータ44のモータドライバ53に対して駆動信号を送出する。これにより、角度修正モータ44が前述した偏心カム43を回転させ、ステアリングロール4aの配設角度が変更される。
【0030】
このようにフォトセンサ45の検出信号に基づいてステアリングロール4aの配設角度を適宜変更することにより、中間転写ベルト4の蛇行は徐々に収束していき、最終的には何らかの外力を中間転写ベルト4に対して与えない限り、かかる中間転写ベルト4は蛇行を生じることなく一定の経路で回動するようになる。
【0031】
このとき、ベルト側縁部検出回路49から送出されるベルト位置検出信号は中間転写ベルト4の蛇行量を含んでおらず、ベルト位置検出信号は純粋に中間転写ベルト4の側縁部の形状のみを示していることになる。従って、かかる中間転写ベルト4の側縁部の形状を示すベルト位置検出信号はベルト形状記憶メモリ54に格納され、以降は格納されたベルト位置検出信号を基に中間転写ベルト4に蛇行が発生しているか否かがチェックされる。
【0032】
一方、二次転写位置の手前に配設されたレジストレーションロール(以下、レジロール)31によってトナー像の二次転写位置に搬送される記録シート3の搬送方向Aが中間転写ベルト4の回動方向Bと完全に合致していない場合、図5に示すように、二次転写位置において記録シート3と当接した中間転写ベルト4にはその幅方向の外力fが作用することとなる。従って、それまでは前述したステアリングロール4aの制御によって一定の経路で安定的に回動していた中間転写ベルト4も、記録シート3の二次転写位置への突入に伴って再度蛇行を生じてしまう。
【0033】
そこで、本実施例の画像形成装置では、記録シート3の二次転写位置への突入によって生じた中間転写ベルト4の蛇行を前述のフォトセンサ45及びベルト側縁部検出回路49にて検出し、かかる検出値に基づいてレジロール31による記録シート3の搬送方向を即座に修正するように構成している。
【0034】
図6はレジロール31による記録シート3の搬送方向の修正機構を示すものである。前述したステアリングロール4aと同様に、かかるレジロール31は軸受32a,32bによってその回転を支承されると共に、一方の軸受32bはスプリング33によって偏心カム34に押圧されており、レジロール修正モータ35によって上記偏心カム34を回転させると、偏心カム34によって押圧されたレジロール31の一端が揺動し、かかるレジロール31の配設角度が無断階に変化するようになっている。
【0035】
図7及び図8は前述したベルト側縁部検出回路49が出力するベルト位置検出信号の時間変化を示すものであり、前者はステアリングロール4aの制御によって中間転写ベルト4の蛇行が収まっている状態のベルト位置検出信号を、後者はかかる状態から記録シート3を二次転写位置へ突入させた場合のベルト位置検出信号を示している。図7に示す状態では中間転写ベルト4の蛇行が完全に収まっていることから、同図に示されたベルト位置検出信号は中間転写ベルト4の側縁部の形状を示すものであり、上記ベルト形状記憶メモリ54に格納された信号である。これらの図7及び図8の差異を理解し易くするために、中間転写ベルト4の側縁部の形状が理想的な真直であると仮定すると、これらの図は図9に示すように描き直すことができる。図9中における破線が図7に対応するベルト位置検出信号、実線が図8に対応するベルト位置検出信号であり、破線に対する実線の変位量が記録シート3の挿通によって生じた中間転写ベルト4の蛇行量を示している。
【0036】
このような記録シート3の挿通による中間転写ベルト4の蛇行量は、記録シート3の挿通の際にベルト側縁部検出回路49から実際に出力されるベルト位置検出信号と、上記ベルト形状記憶メモリ54に格納されているベルト位置検出信号とを比較することによって算出することができ、図4に示すベルト蛇行量算出回路51にて演算される。そして、算出された蛇行量を基に、方向修正量算出回路55では記録シート3の搬送方向をどの程度変更したら中間転写ベルト4の蛇行が収まるかが算出され、上記レジロール修正モータ35のモータドライバ56に対して駆動信号を送出する。これにより、レジロール修正モータ35が前述した偏心カム34を回転させ、レジロール31の配設角度が変更される。
【0037】
その結果、記録シート3の挿通中における中間転写ベルト4の幅方向の変位量が皆無となるようにレジロール31の配設角度が変更され、中間転写ベルト4の回動方向とレジロール31による記録シート3の搬送方向とが完全に合致することとなる。以上により、記録シート3を二次転写位置に突入させても中間転写ベルト4に蛇行が発生するのを防止することができ、トナー像の記録シート3への二次転写と同時に感光体ドラム21から中間転写ベルト4へトナー像が一次転写される場合であっても、かかる中間転写ベルト4上に多重転写されたトナー像の色ずれを防止することができるものである。
【0038】
尚、このようなレジロール31による記録シート3の搬送方向の修正は、かかる記録シート3が二次転写位置に突入する度毎に行っても良いが、一般的なPPC用紙の如く腰の弱い記録シート3を使用する場合には、譬え記録シート3の搬送方向と中間転写ベルト4の回動方向とが合致していない場合であっても、記録シート3が中間転写ベルト4の幅方向に対して与える外力fは極僅かであり、記録シート3の挿通の度毎に中間転写ベルト4に大きな蛇行量か生じることはない。一方、厚紙やOHPシートの如く腰の強い記録シート3を使用する場合、記録シート3が中間転写ベルト4の幅方向に対して与える外力fは極めて大きくなるので、記録シートの挿通の度毎に中間転写ベルトが大きく幅方向へ蛇行することが予想される。
【0039】
従って、かかる観点からすれば、腰の弱い記録シート3に対して記録画像を形成する場合、複数枚の記録シート3の挿通に対して一度の割合でレジロール31の配設角度を調整する一方、腰の強い記録シート3に対して記録画像を形成する場合、記録シート3を一枚挿通する度毎にレジロール31の配設角度を調整するのが好ましい。
【0040】
また、上記実施例では偏心カム34を用いてレジロール31の配設角度を調整し、これによって記録シート3の搬送方向を中間転写ベルト4の回動方向と合致させていたが、図10に示すようにレジロール31を軸方向に二分割し、これらロール31a,31bを夫々独立の駆動モータ35a,35bで回動させることによって記録シート3の搬送方向を調整するように構成することも可能である。
【0041】
一方、本発明は図1に示したカラー画像形成装置に限らず、図11及び図12に示すカラー画像形成装置についても適用可能である。
図11に示すカラー画像形成装置は無端状の感光体ベルト61を複数の搬送ロール62,63,64に架け回したものであり、矢線方向への回転に伴いその表面には周知の電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形成される。すなわち、感光体ベルト61は帯電ロール61aによって所定の電位まで帯電された後、画情報によって変調されたレーザ光Bmによって露光される。また、この感光体ドラム61の一側にはブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像器65が配設されており、感光体ドラム61に形成された静電潜像を現像してトナー像Tを形成するようになっている。
【0042】
この装置では感光体ベルト61の一回転毎に各色のトナー像が重ねて形成され、最後のトナー像が感光体ベルト61上に形成されると、これらトナー像Tは感光体ベルト61の回動に伴って記録シート3の搬送経路に面した転写位置へと搬送され、感光体ベルト61に当接する転写ロール66によって記録シート3に一括転写される。そして、トナー像が転写された記録シート3は感光体ベルト61から剥がされ、定着器67に送り込まれて未定着トナー像の定着処理がなされる。一方、トナー像の転写が終了した感光体ベルト61はクリーナ68によって残留トナーが除去され、次のトナー像の形成に供される。
【0043】
また、図12に示される画像形成装置は、やはり無端状のシート搬送ベルトを複数の搬送ロールに対して架け回したものであり、具体的には、記録シート供給トレイ71と定着器72とを繋ぐ記録シート3の搬送経路に駆動ロール74及び従動ロール75,76,77で無端状のシート搬送ベルト78を張架すると共に、電子写真プロセスによってイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色に対応したトナー像を形成する4組の画像形成ユニット79を上記シート搬送ベルト78の一側に適宜間隔をおいて配設したものである。
【0044】
各画像形成ユニット79は、感光体ドラム80の周囲に帯電コロトロン81、レーザービーム走査ユニット82、現像器83、転写コロトロン84及びクリーナ85を配置したものであり、所謂反転現像方式によって各色の画情報に応じたトナー像を感光体ドラム80上に形成する。すなわち、感光体ドラム80は帯電コロトロン81によって一様にマイナス帯電されると共に、レーザービーム走査ユニット82の露光によって感光体ドラム80上にはネガ潜像が形成され、このネガ潜像は感光体ドラム80の帯電極性と同極性の負帯電トナーによって現像される。そして、上記転写コロトロン84がトナー及び感光体ドラム80と逆極性の電荷、すなわちプラス電荷をシート搬送ベルト78の裏面側に与えることにより、負帯電トナーで現像されたトナー像は上記シート搬送ベルト78によって搬送される記録シート3に転写される。
【0045】
このように構成された本実施例のカラー複写機において、供給トレイ71から搬出された記録シート3は所定のタイミングでシート搬送ベルト78に静電吸着され、かかるシート搬送ベルト78の移動に伴ない、当該記録シート3には各画像形成ユニット79,79,…から順次各色トナー像の転写がなされる。従って、ブラックBKの画像形成ユニット79を通過した記録シート3上には4色のトナー像が重なり合ったフルカラートナー像が完成する。そして、トナー像の転写が終了した記録シート3はシート搬送ベルト78から剥離された後、定着器72を経て排出トレイ86上に送り出される。これによって、カラー記録画像の形成が終了する。
【0046】
これらの画像形成装置においても、無端状に形成された感光体ベルト61あるいはシート搬送ベルト78に対して記録シート3が当接すると、記録シート3の搬送方向とこれら無端状ベルト61,78の回動方向との微妙なずれによって無端状ベルト61,78が幅方向へ蛇行することは前述の中間転写ベルト4の場合と同じである。従って、記録シート3の当接による無端状ベルト61,78の幅方向の変位量を前述の実施例の如く検出し、かかる検出値に基づいて記録シート3の搬送方向を微調整することにより、感光体ベルト61あるいはシート搬送ベルト78の蛇行を防止して、色ずれのない高品位なカラー画像を得ることがてきるものである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の画像形成装置によれば、無端状ベルトに対して当接する際の記録シートの搬送方向が該無端状ベルトの回動方向と完全に合致していない場合であっても、記録シートの突入を原因として生じた無端状ベルトの幅方向の変位量を検出し、かかる検出結果に基づいて記録シートの搬送方向を無端状ベルトの回動方向を完全に一致させることができるので、記録シートの突入に起因する無端状ベルトの幅方向の移動を防止することができ、画情報に忠実で且つ色ずれのない高品位な記録画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用可能な画像形成装置の第1実施例を示す概略構成図である。
【図2】 第1実施例に係る中間転写体が架け回されたステアリングロールの構成を示す概略図である。
【図3】 第1実施例に係るフォトセンサの構成を示す概略図である。
【図4】 第1実施例に係る中間転写ベルトの蛇行を制御するための制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】 レジロールによる記録シートの搬送方向と中間転写ベルトの回動方向とが合致していない場合の状態を示す説明図である。
【図6】 第1実施例に係るレジロールによる記録シートの搬送方向を調整するための構成を示す概略図である。
【図7】 中間転写ベルトの側縁部の形状のみを表すベルト位置検出信号の一例を示すグラフである。
【図8】 記録シートの突入によって中間転写ベルトに蛇行が生じた場合のベルト位置検出信号の一例を示すグラフである。
【図9】 図7及び図8に示すベルト位置検出信号を簡易化して重ねた様子を示すグラフである。
【図10】 記録シートの搬送方向を調整するための第2の構成を示す概略図である。
【図11】 本発明を適用可能な画像形成装置の第2実施例を示す概略構成図である。
【図12】 本発明を適用可能な画像形成装置の第3実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
3…記録シート、4…中間転写ベルト(無端状ベルト)、4a…ステアリングロール、31…レジロール、45…フォトセンサ、48…回転位置検出センサ、

Claims (4)

  1. 複数の搬送ロールに架け回されると共にトナー像を担持して回動する無端状ベルトと、この無端状ベルトから記録シートへ上記トナー像を転写する転写手段と、かかるトナー像の転写位置に対して記録シートを搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    上記記録シートの転写位置への突入により生じた上記無端状ベルトの幅方向への変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて上記搬送手段における記録シートの搬送方向を調整する方向調整手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の搬送ロールに架け回されると共に記録シートを吸着して回動する無端状ベルトと、この無端状ベルトによって搬送される記録シートに対してトナー像を転写する複数の像担持体と、上記無端状ベルトに対する記録シートの吸着位置へ上記記録シートを搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    上記記録シートの吸着位置への突入により生じた上記無端状ベルトの幅方向への変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて上記搬送手段における記録シートの搬送方向を調整する方向調整手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記検出手段は無端状ベルトの側縁部の位置変化を検知することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記検出手段は無端状ベルトの幅方向への寄り力を検出することを特徴とする画像検出装置。
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