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JP3637957B2 - 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップ用アンダーフィル材として保存安定性に優れており、隙間侵入性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物硬化物の剥離防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電気機器の小型、軽量化、高機能化に伴い、半導体の実装方法もピン挿入タイプから表面実装が主流になっている。そして、ベアチップ実装の一つにフリップチップ(FC)実装がある。FC実装とは、LSIチップの配線パターン面に高さ10〜100μm程度のバンプといわれる電極を数個から数千個形成し、基板の電極を導電ペースト或いは半田等で接合する方式である。このため、FCの保護に用いる封止材料は、基板とLSIチップのバンプ等による数10μm程度(通常40μmから20μm程度)の隙間に浸透させる必要がある。従来のフリップチップ用アンダーフィル材として使用される液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤及び無機質充填剤を配合し、信頼性を高めるために半導体のチップや基板、バンプと線膨張係数を一致させるために、多量の無機質充填剤を配合する処方が主流となってきている。
【0003】
しかしながら、このように多量の無機質充填剤を含むフリップチップ用アンダーフィル材においては、狭ギャップ(40μmから20μm程度)に対して侵入しにくく、生産性が非常に悪くなるといった問題点が提示されており、この改善が望まれる。この場合、無機質充填剤の粒径が小さくなれば、狭ギャップには対応できることは容易に推測できるが、粒径を小さくすることによる硬化物の弾性率の上昇が生じ、硬化物内の応力緩和が図りにくくなり、剥離、クラックが生じ易いという問題が指摘された。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、剥離、クラックが防止され、信頼性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物硬化物の剥離防止方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)液状エポキシ樹脂、(B)無機質充填剤、(C)酸無水物系硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂組成物において、水分の含有率が500ppm以下の無機質充填剤を用い、かつカルボキシル基を有する化合物が0.5重量%以下である酸無水物系硬化剤を用いると共に、このカルボキシル基を有する化合物の組成物中における含有量を0.2重量%以下に制御することにより、信頼性テスト後のディバイスチップの剥離とクラックの抑制が図られることを見出した。
【0006】
即ち、硬化剤として酸無水物はその低粘性によりアンダーフィル材に使用され得るが、その中に含有する酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物が多量に含まれると硬化性に影響を及ぼすことが判明した。またその際、無機質充填剤中の水分量及び酸無水物系硬化剤中の酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物の含有量を制御することにより、液状エポキシ樹脂組成物中の酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物の含有量を制御することができ、その硬化性に起因するチップ面にかかる応力を均一化することにより、チップの剥離及びクラックを防止することができることを見出し、得られた液状エポキシ樹脂組成物を用いて封止された本発明の半導体装置は非常に信頼性の高いものであることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
(1)基板と、シリコンナイトライドをコートしたLSIチップと、これら基板とチップとの間に形成された隙間に介在されたバンプとを備えたフリップチップ型半導体装置の前記隙間に侵入されるアンダーフィル材としての液状樹脂組成物であって、
(A)液状エポキシ樹脂、
(B)無機質充填剤、
(C)酸無水物系硬化剤
を必須成分とし、上記無機質充填剤の水分含有率が500ppm以下であり、上記酸無水物中に含まれるカルボキシル基を有する化合物量が0.5重量%以下であり、かつ組成物中に含まれる上記酸無水物からのカルボキシル基を有する化合物量が0.2重量%以下であることを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、
(2)基板と、シリコンナイトライドをコートしたLSIチップと、これら基板とチップとの間に形成された隙間に介在されたバンプとを備えたフリップチップ型半導体装置の前記隙間に、アンダーフィル材として、
(A)液状エポキシ樹脂、
(B)無機質充填剤、
(C)酸無水物系硬化剤
を必須成分とし、上記無機質充填剤の水分含有率が500ppm以下であり、上記酸無水物中に含まれるカルボキシル基を有する化合物量が0.5重量%以下であり、かつ組成物中に含まれる上記酸無水物からのカルボキシル基を有する化合物量が0.2重量%以下である液状エポキシ樹脂組成物を浸入させた後、硬化させて、シリコンナイトライドをコートしたチップと上記エポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離を防止することを特徴とするフリップチップ型半導体装置におけるエポキシ樹脂組成物硬化物の剥離防止方法
を提供する。
【0008】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明に用いられる上記(A)成分の液状エポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基があればいかなるものでも使用可能であるが、特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが例示される。この中でも室温で液状のエポキシ樹脂を使用するが、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が望ましい。これらのエポキシ樹脂には、下記構造で示されるエポキシ樹脂を浸入性に影響を及ぼさない範囲で添加しても何ら問題はない。
【0009】
【化1】
Figure 0003637957
【0010】
上記液状エポキシ樹脂中の全塩素含有量は、1,500ppm以下、望ましくは1,000ppm以下であることが好ましい。また、100℃で50%エポキシ樹脂濃度における20時間での抽出水塩素が10ppm以下であることが好ましい。全塩素含有量が1,500ppmを超え、抽出水塩素が10ppmを超えると、半導体素子の信頼性、特に耐湿性に悪影響を与えるおそれがある。
【0011】
本発明には、膨張係数を小さくする目的から従来より知られている各種の無機質充填剤を添加する。無機質充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミ、窒化珪素、マグネシア、マグネシウムシリケートなどが使用される。アンダーフィル部の封止材には、侵入性の向上と低線膨張化の両立を図るためフリップチップギャップ幅(基板とチップとの間隙)に対して平均粒径が約1/10以下、最大粒径が1/2以下の充填剤を用いることが好ましい。その配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して100〜400重量部、望ましくは、エポキシ樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して150〜250重量部の範囲で配合することが好ましい。100重量部未満では、膨張係数が大きく、冷熱試験においてクラックの発生を誘発させるおそれがある。400重量部を超えると、粘度が高くなり、薄膜侵入性の低下をもたらすおそれがある。
【0012】
本発明においては、無機質充填剤として水分含有率が500ppm以下(即ち、0〜500ppm)、特に300ppm以下(即ち、0〜300ppm)のものを使用する。即ち、本発明は、後述するように、硬化剤として酸無水物系硬化剤を使用するものであるが、無機質充填剤中の水分量が多いと、この水分が原因となって酸無水物の−CO−O−CO−基から−COOH基を誘導し、エポキシ樹脂組成物中におけるこの酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物を増大させることになるので、無機質充填剤中の水分は500ppm以下に制御する必要がある。
【0013】
本発明において、硬化剤としては酸無水物を使用する。酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などの、好ましくは分子中に脂肪族環又は芳香族環を1個又は2個有すると共に、酸無水物基を1個又は2個有する、炭素原子数4〜25個、好ましくは8〜20個程度の酸無水物が好適である。
【0014】
この場合、酸無水物としては、カルボキシル基(COOH基)を有する化合物の含有量が0.5重量%以下(即ち、0〜0.5重量%)、特に0.4重量%以下(即ち、0〜0.4重量%)のものを使用する。カルボキシル基含有量が0.5重量%より多いと結晶化するおそれがあり、好ましくない。この場合、カルボキシル基(COOH基)の含有量としては、酸無水物硬化剤に対して0.3重量%以下(即ち、0〜0.3重量%)、特に0.25重量%以下(0〜0.25重量%)のものが同様の理由により好ましい。
【0015】
なお、酸無水物の配合量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対し、硬化剤中の酸無水物基の比を0.3〜0.7モルの範囲とすることが望ましい。0.3モル未満では硬化性が不十分であり、0.7モルを超えると、未反応の酸無水物が残存し、ガラス転移温度の低下となるおそれがある。より望ましくは0.4〜0.6モルの範囲である。
【0016】
また、硬化剤としては、上記の他にジシアンジアミド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジドも使用することができる。
【0017】
更に、必要により、本発明の組成物には、イミダゾール誘導体、3級アミン化合物、有機リン系化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することができる。ここで、イミダゾール誘導体としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。また、3級アミン化合物としては、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の窒素原子に結合する置換基としてアルキル基やアラルキル基を有するアミン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びそのフェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩などのシクロアミジン化合物やその有機酸との塩、或いは下記式の化合物などのシクロアミジン化合物と4級ホウ素化合物との塩又は錯塩などが挙げられる。
【0018】
【化2】
Figure 0003637957
【0019】
また、有機リン系化合物としては、トリフェニルホスフィン等のトリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の4級ホスホニウム塩などが挙げられる。
【0020】
その配合量は、上記エポキシ樹脂と硬化剤との合計100重量部に対して0.01〜10重量部、望ましくは0.5〜5重量部である。0.01重量部より少ないと硬化性が低下し、10重量部より多いと硬化性に優れるが、保存性が低下する傾向となる。
【0021】
本発明の組成物には、応力を低下させる目的でシリコーンゴム、シリコーンオイルや液状のポリブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体といった熱可塑性樹脂などを配合してもよい。好ましくは、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はフェノール樹脂のアルケニル基と、下記式(1)で示される一分子中の珪素原子の数が20〜400、好ましくは40〜200であり、SiH基(即ち、ケイ素原子に結合した水素原子)の数が1〜5であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体を配合することがよい。
abSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基、aは0.005〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3を満足する正数を示す。)
【0022】
なお、Rの一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることができる。
上記共重合体としては、中でも下記構造のものが望ましい。
【0023】
【化3】
Figure 0003637957
【0024】
【化4】
Figure 0003637957
(上記式中、Rは上記と同じ、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R12は−CH2CH2CH2−、−OCH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH2CH2−又は−O−CH2CH2CH2−である。nは4〜199、好ましくは19〜99の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
【0025】
上記共重合体は、ジオルガノポリシロキサン単位が液状エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100重量部に対し0〜20重量部、特には2〜15重量部含まれるように配合することで、応力をより一層低下させることができる。
【0026】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じ、接着向上用炭素官能性シラン、カーボンブラックなどの顔料、染料、酸化防止剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、エポキシ樹脂、シランカップリング剤、硬化促進剤、無機質充填剤及び必要に応じて硬化剤を同時に又は別々に必要により加熱処理を加えながら撹拌、溶解、混合、分散させることにより製造することができる。これらの混合物の混合、撹拌、分散等の装置は特に限定されないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0028】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、ポッティング材、コーティング材等として半導体装置の封止に使用されるが、特にフリップチップ型半導体装置のアンダーフィル材として好適に用いられる。
【0029】
ここで、本発明の組成物は、これに含まれる上記酸無水物から誘導されるカルボキシル基(COOH基)を有する化合物の含有量が0.2重量%以下(即ち、0〜0.2重量%)、特に0.15重量%以下(即ち、0〜0.15重量%)であることが必要である。このカルボキシル基を有する化合物の含有量が0.2重量%を超えると、剥離、クラックが生じ易い。この場合、カルボキシル基(COOH基)の含有量は、組成物全体に対して0.15重量%以下(即ち、0〜0.15重量%)、特に0.1重量%以下(0〜0.1重量%)であることが同様の理由により好ましい。
【0030】
なお、剥離現象は、例えば、フリップチップ型半導体装置において、基板とチップの間を侵入させた後、硬化を行うと、シリコンナイトライドをコートしたチップ側で生起する。この場合、原因はいろいろ考えられるが、硬化剤である酸無水物中に含有する酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物の反応の阻害で、シリコンナイトライドとの接着力及び組成物自身が弱いとき生じるものと考えられるが、いずれにしても、組成物中のカルボキシル基を有する化合物量を上記のように0.2重量%以下に局限することにより、剥離現象を有効に防止し得る。
【0031】
なお、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において10,000ポイズ以下であることが好ましい。
【0032】
本発明の組成物を用いて半導体を封止する成形方法、成形条件は、常法とすることができるが、特にアンダーフィル材としては、ディバイスの空隙に樹脂組成物を侵入させて封止する際の温度条件は60〜120℃であることが好ましく、更に好ましくは70〜100℃である。60℃未満であると、組成物の粘度が高いため、基板とチップの隙間を侵入させることができず、また、120℃を超えると反応が生起し、やはり侵入を妨げる原因となる場合がある。なお、樹脂組成物を侵入封止させた後の成形・硬化条件は、150℃で0.5〜2時間程度が好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0034】
[実施例、比較例]
液状エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(RE310:日本化薬社製)を22.5重量部、硬化剤として酸無水物(メチルテトラヒドロ無水フタル酸、MH700:新日本理化社製)を11.0重量部、溶融シリカ(PLV7−1−1:龍森社製)を60.0重量部、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM403:信越化学工業社製)を0.5重量部、硬化促進剤(UCAT5002:旭化成社製)を6.0重量部配合し、均一に混練することによりエポキシ樹脂組成物を得た。
【0035】
この場合、シリカとしては表1に示す水分含有量のものを使用し、酸無水物としては表1に示す量でカルボキシル基を有する化合物を含有するものを使用した。また、組成物中の上記酸無水物から誘導されるカルボキシル基を有する化合物の含有量は表1に示す通りである。
【0036】
次に、得られたエポキシ樹脂組成物を10mm角のチップに対し100μmの隙間をもつような基板に積載されたディバイスに100℃でディスペンスし、昇温7℃/分、保持150℃×2時間の条件下硬化させた。硬化物については、剥離を評価した。剥離は市販の超音波探傷機にてチェックした。結果を表1に併記する。
【0037】
【表1】
Figure 0003637957
*チップ個数は20で、その剥離面積の割合は(チップの総面積に対する剥離面積の合計(%)/20)を示す。
【0038】
【発明の効果】
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、剥離及びクラックが生じることが防止され、信頼性の高いものである。

Claims (2)

  1. 基板と、シリコンナイトライドをコートしたLSIチップと、これら基板とチップとの間に形成された隙間に介在されたバンプとを備えたフリップチップ型半導体装置の前記隙間に侵入されるアンダーフィル材としての液状樹脂組成物であって、
    (A)液状エポキシ樹脂、
    (B)無機質充填剤、
    (C)酸無水物系硬化剤
    を必須成分とし、上記無機質充填剤の水分含有率が500ppm以下であり、上記酸無水物中に含まれるカルボキシル基を有する化合物量が0.5重量%以下であり、かつ組成物中に含まれる上記酸無水物からのカルボキシル基を有する化合物量が0.2重量%以下であることを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 基板と、シリコンナイトライドをコートしたLSIチップと、これら基板とチップとの間に形成された隙間に介在されたバンプとを備えたフリップチップ型半導体装置の前記隙間に、アンダーフィル材として、
    (A)液状エポキシ樹脂、
    (B)無機質充填剤、
    (C)酸無水物系硬化剤
    を必須成分とし、上記無機質充填剤の水分含有率が500ppm以下であり、上記酸無水物中に含まれるカルボキシル基を有する化合物量が0.5重量%以下であり、かつ組成物中に含まれる上記酸無水物からのカルボキシル基を有する化合物量が0.2重量%以下である液状エポキシ樹脂組成物を浸入させた後、硬化させて、シリコンナイトライドをコートしたチップと上記エポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離を防止することを特徴とするフリップチップ型半導体装置におけるエポキシ樹脂組成物硬化物の剥離防止方法。
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