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JP3634114B2 - 成形用吸着剤の製造方法と、これを用いた一体成形構造の吸着熱交換器とその製造方法 - Google Patents

成形用吸着剤の製造方法と、これを用いた一体成形構造の吸着熱交換器とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸着式冷凍機の吸着剤とそれを収納する吸着熱交換器に関し、特に吸脱着特性の向上を図った伝熱性バインダーにより一体成形を可能とした成形用吸着剤と、該吸着剤を備えた一体成形構造の熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着式冷凍機は、固体吸着剤例えばシリカゲルと冷媒である水との間の可逆反応に伴う発吸熱現象を利用し、温熱を熱源として冷熱を発生させる冷凍機で、基本サイクルは再生工程と吸着工程とよりなり、該工程を二基の固体吸着剤熱交換器(以下吸着熱交換器という)を交互に切り替え作動するようにしたものである。図7には、従来の吸着式冷凍機の概略の構成を示してある。
【0003】
例えば図7に見るように、再生工程を吸着熱交換器50により行い、吸着工程を吸着熱交換器51で行う場合は、黒マークの切り換えバルブと蒸気弁を閉鎖状態とし、白マークの切り換えバルブと蒸気弁を解放状態とする。
この場合、真空容器内の吸着熱交換器50に再生用温水71を切り換えバルブ61を介して導入加熱すると、内蔵する吸着剤より脱着した水蒸気は蒸気弁56を介して凝縮器52に放出される。該凝縮器52では前記放出された水蒸気は凝縮用冷却水72により液化される。凝縮滴下した水は蒸発器53の下部に貯留され、吸着熱交換器50に内蔵する吸着剤の再生は終了する。
【0004】
一方、別の真空容器内の吸着熱交換機51には吸着用冷却水73が切り換えバルブ63を介して導入され、内蔵する吸着剤は冷却され吸着可能の状態に移行する。また、蒸発器53においてポンプ53a、噴霧器53bを介して発生した水蒸気は蒸気弁57を介して吸着熱交換器51へ送られ前記吸着可能の状態にある吸着剤により吸着される。この時、蒸発器53においては噴霧器53bを介して発生する水蒸気は発生の過程において被冷却流体60から蒸発潜熱を奪う。その結果冷水の製造が可能となる。
つまり、吸着熱交換器51に内蔵する吸着剤は吸着工程に置かれ、蒸発器53で被冷却流体60に冷熱を供給する。
【0005】
水蒸気の吸着及び脱着量が飽和に近付くと、切り換えバルブ61が62に、65が67に、また63が64に、68が66に切り替えられ、その結果、吸着熱交換器50で水蒸気が吸着され、吸着熱交換器51で水蒸気が脱着され、以後上記切り替え操作が繰り返されることになる。
【0006】
上記吸着熱交換器50、51の構成を図8(A)、(B)に示してある。図8(A)はプレート型熱伝導部材を持つ熱交換器の模式図が示してある。(特願平3−83361号)
なお、吸着剤には活性炭、アルミナ、活性アルミナ及びシリカゲルが考えられるが、60〜80℃の排熱を有効に利用でき且つ入手が比較的容易な点からシリカゲルが使用されている。
図8(A)に見るように、吸着熱交換器は再生用温水ないし吸着用冷却水の通路を形成する伝熱部材75の両サイドに例えば粒子状の吸着剤(シリカゲル)76を充填し外側より吸着剤押さえ用の金網79で被覆したものを10数枚1セットとして使用されている。
なお、上記吸着剤充填層の厚さYは熱移動及び物質移動の点を参酌して決められている。
また、上記構造以外に図8(B)に示すように、前記温水や冷却水の通路形成する伝熱部材である伝熱菅77と、該伝熱菅に直角に且つ等間隔に設けた多数枚のフィン78とから形成し、該フィンの外側よりフィン同志の間隙より伝熱菅77の外周を囲むようにして吸着剤76を充填し、外側より金網79等により被覆したものが用いられている。(特願平4−159308号)
【0007】
上記いずれの構造の場合も、吸着剤76同志及び吸着剤76とフィン78ないし伝熱部材75の表面とは点接触により形成されているため、伝熱部材よりの吸着剤への熱の伝達は熱伝導率の悪い固体間同志、固体気体間の熱の伝導に頼らざるを得ない状況にある。
その結果、吸着熱交換器においては、伝熱性能が悪く、水蒸気の吸脱着に伴う予熱、給熱が不十分となり吸脱着速度の低下、吸脱着機能を十分に発揮している吸着剤は限られたものになり、装置の拡大化をもたらす一因を形成していた。
【0008】
これらの問題解決のために、従来より種々提案がされ、特開平4−143558号公報に提案aが、特開平8−200876号公報に提案bが、特開平8−271085号公報に提案cが開示されている。
提案aは、吸着剤と金属促進材とにより混合スラリーを形成させ、該スラリーと伝熱部材とを成形型に投入し、前記吸着剤と金属促進材との混合体を伝熱部材に一体焼結成形する構成としたもので、
提案bは、伝熱部材表面に脱水作用のある接着剤を含有させた粉粒状のシリカゲルを塗布固着させ、被覆ないし埋め込みにより、伝熱部材表面とシリカゲルとを一体化させたことを特徴としたものであり、
提案cは、伝熱部材表面と吸着剤との間に熱伝導層部を設けたことを特徴としたものである。
【0009】
上記提案a〜提案cにわたる従来の提案を見るに、
提案aにおいては、吸着剤と金属促進材との混入体を形成させ、焼結により混合体と伝熱部材との間を一体化を図っている。この場合、上記金属促進材の混入により熱伝達率の向上は図れるが、混合体と伝熱部材との結合に焼結手段を採用しているため、混合体には緻密な多結晶体が形成され、冷媒の吸脱着に際しての物質移動は困難になり、吸脱着は表面に出ている吸着剤のみに限られ、効率の低下は避けられない。
次に提案bにおいては、吸着剤と脱水性接着とにより混合体を形成してスラリー状とし、該スラリーを伝熱部材に塗布、被覆ないし埋め込み、乾燥一体化を図ったもので、上記接着剤により伝熱部材と接着剤との間、及び接着剤同志の間のの接触面積は、従来の点接触より拡大されるが接着剤自体の熱伝導率については何ら考慮されていないため、伝熱性能の向上に対して大きな期待は無理であり、冷媒の外部よりの物質移動に対しても配慮されていない。
また、提案cにおいては、伝熱部材の表面に熱伝導層を設け、該熱伝導層を介して粉粒状の吸着剤を充填するようにしてあるため、吸着剤と伝熱部材間の熱伝導は従来の点接触より接触面積を増大させ改善されるが、吸着剤同志の間の熱伝導については改善されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸着熱交換器の伝熱性能Uと、吸着剤層の有効熱伝導率λeffと吸着剤層厚さSad、伝熱部材面での熱伝達率hw と伝達部材肉厚Sw 及び熱伝導率λw 、熱媒体(冷媒)の熱伝達率hext との間には次のような関係式が成立する。
1/U=1/hw+Sw/λw+Sad/λeff+1/hext
そこで上式において、吸着剤層の有効熱伝導率λeff及び伝熱部材面での熱伝達率hw の向上を図れば伝熱性能Uをアップさせることができるわけである。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、
上記吸着剤層の有効熱伝導率λeffの向上と、吸脱着用温水ないし冷却水の通路を形成する伝熱部材面の熱伝達率の向上を図るとともに、吸着剤の吸着性能を損ねることのない成形用吸着剤と、該吸着剤を使用した一体構造の吸着熱交換器の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下本発明の要旨を説明する。
即ち、吸着剤層の有効熱伝導率λeffの向上のために、粉粒状シリカゲル群の各間隙及び伝熱体面との間の間隙を高熱伝導剤で埋めるべく、グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成する。
次に伝熱部材面での熱伝達率hwの向上のために、前記混合した高熱伝導吸着剤を伝熱部材に成形し且つ膨潤伸張可能の強固な高分子網目の形成により可塑性に富み且つ強固な成形面の形成を可能とすべく、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散スラリー状に形成する。
さらに、多孔性無機バインダーの添加により外部からの冷媒の物質移動を容易にしてある。
【0013】
上記セルローズ系有機バインダーと多孔性無機バインダーの配合比は、吸着剤としての吸着性能を損なうことのないことを前提とし、特にシリカゲルのマクロ孔及びメソ孔の閉塞の回避に配慮されねばならない。
また、低い相対圧のもとにおいても吸着能力を大きく維持すべく細孔容積及び比表面積の拡大に配慮されねばならない。
【0014】
また、上記配合比に基づく粉粒状品を混合スラリー状ないしペースト状に分散した溶液に、前記伝熱部材を浸漬成形ないし、ペースト加工、型成形後、風乾及び加熱乾燥して、一体成形構造の吸着熱交換器を形成する。
【0015】
そこで、請求項1記載の発明は、
吸着式冷凍機用吸着剤の製造方法において、グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりスラリー状若しくはペースト状に構成したものを風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、乾燥してなることを特徴する成形用吸着剤の製造方法にある
【0016】
また、請求項2記載の発明は、グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりスラリー状に形成した成形用吸着剤を伝熱パイプと伝熱フィンに、浸漬したものを、風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、前記吸着剤を浸漬成形させたことを特徴とする一体成形構造の吸着熱交換器の製造方法である。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりペースト状に形成した吸着剤を伝熱パイプと伝熱フィンにペースト状に充填加工をした後、その充填加工部を溝を設けた多孔板で挟んだ状態で風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、前記吸着剤を浸漬成形させたことを特徴とする一体成形構造の吸着熱交換器の製造方法である。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、温水ないし冷却水の通路を形成する複数の伝熱菅と、該伝熱菅に直角に交叉し等間隔且つ平行に設けられた複数の扁平状のフィンと、該フィンとフィンとの間にペースト加工され型成形された型成形吸着剤層と、該型成形吸着剤層の中間に形成された溝とより構成され、前記型成形吸着剤層がシリカゲルグラファイトとセルローズ系の有機バインダーと多孔性無機バインダーにより構成されていることを特徴する吸着熱交換器である
【0019】
【作用】
請求項1記載のグラファイトの配合によりグラファイトの持つ高熱伝導率により、吸着剤層の有効熱伝導率の向上を図ることができ、
また、セルローズ系有機バインダーの適量配合により、水蒸気に対する吸着機能の期待と膨潤伸張可能の高分子網目により強固で且つ可塑性に富む成形面の強度維持が期待できる。
また、多孔性無機バインダーの適量配合により、冷媒蒸気の吸着剤層内の物質移動を容易にする効果を期待できる。
また、成形用吸着剤に伝熱体を浸漬ないしペースト加工後の風乾及び略70℃前後の低温乾燥により、飽和蒸気を維持しながら乾燥して、成形面へのクラックの発生を防止してある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の成形用吸着剤を使用して浸漬成形をして一体構造とした吸着熱交換器の概略の構成を示す斜視図で、図2は成形用吸着剤を使用して型成形して一体構造とした吸着熱交換器の概略の構成を示す斜視図である。
【0021】
図1に見るように、浸漬成形した一体構造の吸着熱交換器15aは、温水ないし冷却水の通路を形成する複数の銅からなる伝熱菅10と、該伝熱菅10と直角に交叉し等間隔且つ平行に設けられた複数のアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等からなる扁平状のフィン11と、フィン11及び伝熱菅10を覆う浸漬成形された浸漬成形吸着剤層14とより構成する。
【0022】
上記浸漬成形吸着剤層14はスラリー状に形成された成形用吸着剤よりなり、その調整方法及び加工条件の一例を下記に示す。
42メッシュ以下のシリカゲル粉粒状のもの80.8重量部と、グラファイト微粒子9.0 重量部と、セルローズ系有機バインダー3.55重量部とゼピオライトで粉末状ないし繊維状の無機バインダー6.63重量部を15分混合し、55.6重量部の水を添加し60分間分散混合を行いスラリー状溶液を形成する。
上記溶液中に図1に示す伝熱菅10とフィン11とよりなる伝熱部材を浸漬し、浸漬後2日間大気中に静置風乾を行った後、略70℃で36時間の乾燥工程を経て、図1に示す浸漬成形吸着剤層14を形成させ一体構造とした吸着熱交換器15aを構成する。
【0023】
図2には、成形用吸着剤を使用して型成形して一体構造とした吸着熱交換器15bの概略の構成が示してある。
上記型成形による一体構造の吸着熱交換器15bは、温水ないし冷却水の通路を形成する複数の銅よりなる伝熱菅10と、該伝熱菅10に直角に交叉し等間隔且つ平行に設けられた複数のアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等よりなる扁平状のフィン11と、該フィンとフィンとの間にペースト加工され型成形された型成形吸着剤層12と、該型成形吸着剤層12の中間の前後に形成された溝13とより構成する。
【0024】
上記型成形吸着剤層12はペースト状に形成された成形用吸着剤で構成され、その調整方法及び加工条件の一例を下記に示す。
42メッシュ以下のシリカゲル粉粒状のもの86.2重量部と、グラファイト微粒子4.35重量部と、セルローズ系有機バインダー4.35重量部と、ゼピオライトで繊維状の無機バインダー5.08重量部を15分混合し、39.6重量部の水を添加し60分間分散混合を行いペースト状に形成する。
ついで、上記ペースト状吸着剤で図2に示す伝熱菅10とフィン11とよりなる伝熱部材にペースト加工をなし、ついでテフロンとステンレスの多孔板で挟み、3日間大気中に静置風乾を行った後、略70℃で36時間の乾燥工程を経て、図2に示す型成形吸着剤層12を形成させ一体構造とした吸着熱交換器15bを構成する。
なお、図2における上下の溝13は、前記多孔板の形状を溝付き形状とし挟持押圧と同時に形成されるようにしてある。
【0025】
上記浸漬成形吸着剤層や型成形吸着剤層を形成する成形用吸着剤を構成する混合部材のうち、
グラファイトは高熱伝導性部材で、接着剤層の有効熱伝導率λeffの向上のために使用する。
セルローズ系有機バインダーは、水蒸気に対する吸着機能と、膨潤伸張可能の高分子網目により強固で且つ可塑性に富む成形面の形成と強度維持を可能にしている。
また、多孔性無機バインダーの適量配合により、冷媒蒸気の吸着剤層内の物質移動を容易にする効果を期待できる。
また、成形吸着剤に伝熱体を浸漬ないしペースト加工後の風乾及び略70℃前後の低温乾燥により、飽和蒸気を維持しながら乾燥して、成形面へのクラックの発生を防止してある。
なお、上記有機バインダーはシリカゲルの吸着剤としての吸着性能を損なわないようにし、シリカゲルのマクロ孔やメソ孔の閉塞の回避に配慮して、低い相対圧のもとで大なる吸着能力を期待すべく細孔容積及び比表面積を大きくできるよう、配慮してある。
【0026】
上記浸漬成形吸着剤層14、型成形吸着剤層12を備えた成形品No.1と成形品Bとして、従来のシリカゲル破砕型とについて、伝熱特性及び吸着特性の比較測定を行った。
その結果、伝熱性能Uは、脱着初期において成形用吸着剤は62.2W/m2K、破砕シリカゲルは44.8W/m2K、また脱着期間中においては成形用吸着剤は61.5W/m2K、破砕シリカゲルは25.9W/m2Kであった。
【0027】
上記結果に示すように高い伝熱性能を得る事が出来、再生温度の上昇、吸着温度の低下をもたらし、サイクル冷媒循環量の増加を可能とし、図3、図4にそれぞれ成形品No.1と破砕シリカゲルについての吸着特性が示される。
また、上記結果により吸着、再生サイクル時間の短縮が図れる。また、コンパクト化も図れる。
なお、型成形吸着剤層12において溝13を設けたのは、冷媒の物質移動をより容易にするためであり、これにより成形品Bにおけるサイクルタイムの削減を可能にしてある。
【0028】
図5には、本発明の成形用吸着剤を使用した太陽光駆動用吸着熱交換器の概略の構成を示す模式図である。
図に見るように、本発明の太陽光駆動用吸着熱交換器16は、成形吸着剤20と、該吸着剤を収納する断熱容器21と、該断熱容器の上部に設けた耐圧耐熱密閉構造にした例えばガラス等の光透過部材25と、前記耐圧、耐熱、気密構造により形成された太陽光照射空間兼吸脱着空間22とより構成したもので、図6に示すように、太陽光23が照射する昼間においては図6(A)に見るように、太陽光駆動用吸着熱交換器16では吸着剤は加熱され脱着再生が行われ発生した冷媒蒸気(水蒸気)24は凝縮器17に導入され凝縮用冷却水により凝縮が行われる。
一方夜間には図6(B)に見るように放射冷却が行われ、吸着剤は冷却され吸着剤の吸着能力が発生増大する。ここで、前記凝縮器17を蒸発器として作動させることにより蒸発器での蒸発が行われ、発生した水蒸気24は吸着剤に吸着され、その蒸発器の蒸発過程において冷熱が生成される。
上記機能を持つ太陽光駆動用吸着熱交換器は環境温度で十分作動することが要求され、この点、黒色のグラファイトを使用した本発明の成形用吸着剤を使用した場合はその期待効果は大なるものがある。
【0029】
【発明の効果】
上記成形吸着剤の構成により伝熱性能を向上させることができ、また本接着剤の使用した吸着熱交換器の構成により、再生温度の上昇、吸着温度の低下を招来させることができ、サイクル冷媒循環量の増加をもたらし、冷凍能力の向上を図ることができる。
また、吸着再生サイクル時間の短縮が可能となり、熱交換器のコンパクト化を図ることができる。
また、太陽光駆動用吸着熱交換器においても、本発明の成形用吸着剤の使用により効率のアップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用吸着剤を使用して浸漬成形をして一体構造とした吸着熱交換器の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の成形用吸着剤を使用して型成形して一体構造とした吸着熱交換器の概略の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の成形用吸着剤を使用した場合の吸着熱交換器の吸着特性を示す図である。
【図4】従来の破砕シリカゲルを使用した吸着熱交換器の吸着特性を示す図である。
【図5】本発明の成形用吸着剤を使用した太陽光駆動用吸着熱交換器の概略の構成を示す図である。
【図6】太陽光駆動用吸着熱交換器の作動状況を示す該略図で、(A)は昼間の作動状況を示し、(b)は夜間の作動状況を示す図である。
【図7】従来の吸着式冷凍機の概略の構成を示す図である。
【図8】従来の吸着熱交換器の概略の構成を示す図で、(A)はプレート熱伝導タイプを示し、(B)はパイプ及びフィン熱伝導タイプを示す図である。
【符号の説明】
10 伝熱菅
11 フィン
12 型成形吸着剤層
13 溝
14 浸漬成形吸着剤層
15a、15b 一体構造の吸着熱交換器
16 太陽光駆動用吸着熱交換器
17 凝縮器
20 成形吸着剤
21 断熱容器
22 太陽光照射空間兼吸脱着空間

Claims (4)

  1. 吸着式冷凍機用吸着剤の製造方法において、グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりスラリー状若しくはペースト状に構成したものを風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、乾燥してなることを特徴する成形用吸着剤の製造方法
  2. グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりスラリー状に形成した成形用吸着剤を伝熱パイプと伝熱フィンに浸漬したものを、風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、前記吸着剤を浸漬成形させたことを特徴とする一体成形構造の吸着熱交換器の製造方法
  3. グラファイト粉末を粉粒状シリカゲルに混合して高熱伝導吸着剤を形成した後、吸着性のあるセルローズ系の有機バインダーを追加混合後水に分散形成し、さらに、多孔性無機バインダーの添加によりペースト状に形成した吸着剤を伝熱パイプと伝熱フィンにペースト状に充填加工をした後、その充填加工部を溝を設けた多孔板で挟んだ状態で風乾及び飽和蒸気を維持しながら略70℃前後の低温乾燥により、前記吸着剤を浸漬成形させたことを特徴とする一体成形構造の吸着熱交換器の製造方法
  4. 温水ないし冷却水の通路を形成する複数の伝熱菅と、該伝熱菅に直角に交叉し等間隔且つ平行に設けられた複数の扁平状のフィンと、該フィンとフィンとの間にペースト加工され型成形された型成形吸着剤層と、該型成形吸着剤層の中間に形成された溝とより構成され、前記型成形吸着剤層がシリカゲルとグラファイトとセルローズ系の有機バインダーと多孔性無機バインダーにより構成されていることを特徴する吸着熱交換器
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