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JP3633855B2 - パック電池 - Google Patents

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JP3633855B2
JP3633855B2 JP2000197419A JP2000197419A JP3633855B2 JP 3633855 B2 JP3633855 B2 JP 3633855B2 JP 2000197419 A JP2000197419 A JP 2000197419A JP 2000197419 A JP2000197419 A JP 2000197419A JP 3633855 B2 JP3633855 B2 JP 3633855B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル水素二次電池、リチウムイオンニ次電池等の二次電池に用いられる充電回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池および二次電池状態演算回路(二次電池保護回路を含む)から構成されているパック電池では、パック電池内に設けられた充電回路は、パック電池内の二次電池を電力源としている。そのため、パック電池内の二次電池の電圧が低下し深放電状態になると、パック電池内の充電回路は、動作を続けることが出来ない。このとき、パック電池外部より充電器を接続して二次電池の充電を行っても、二次電池の電圧が充電回路の電力源として十分な電圧復帰状態となるまで、充電回路は、所定の動作を行うことは出来ない。
【0003】
パック電池内に設けられた充電回路は、二次電池の充放電状態の制御および充放電回数等の使用履歴の把握を目的としており、パック電池の充電時の安全確保は、重要である。
【0004】
しかしながら、前述の通り、パック電池内の二次電池が深放電状態となると、パック電池内に各手段で構成される充電回路が所定の動作を行うことができなくなる。この時、パック電池の充電時の安全確保は、過充電を防止することであるため、パック電池の安全確保は、外部の充電器によって行う必要がある。したがって、過充電を防止するための機能は、パック電池以外の装置にも必要となる。
【0005】
また、二次電池が深放電状態である時、二次電池の出力電圧が復帰するまでは、急速充電ではなく、低レート充電を行なわなければならず、パック電池の二次電池に充電する充電器には、深放電状態であるパック電池の二次電池に対して低レート充電を行なえる機能が必要となる。さらに、充電器は、二次電池が過充電状態に陥るのを回避するために、検出される二次電池の出力電圧と電流および温度により充電時の充電制御を行うが、充電開始からパック電池内における充電回路の所定の動作機能が回復するまでの間、パック電池の経歴が不明な状態で充電が行われることになる。その結果、使用禁止である事を記憶手段に記憶されているパック電池内の二次電池が深放電状態まで電圧が低下している場合、二次電池の電圧が復帰し、パック電池内における充電回路の所定の動作機能が回復してパック電池の経歴が記憶手段によって明確になるまで長時間を要し、充放電サイクル使用回数がサイクル寿命に達して使用禁止と判断された時期まで不明確になる。
【0006】
図7は、従来のパック電池のブロック図である。二次電池ブロック3は、パック電池1に内蔵されており、スイッチ素子5を介して充電器8により充電される。パック電池1は、二次電池ブロック3の電圧を検出する電圧検出手段4と、スイッチ素子5を制御するスイッチ制御手段6と、二次電池ブロック3の充電情報が記憶された記憶手段7とを有している。電圧検出手段4、スイッチ素子5、スイッチ制御手段6、記憶手段7より充電回路2が構成されている。
【0007】
二次電池ブロック3は、一つあるいは複数の電池セルが接続されており、各電池セルの電圧および二次電池ブロック3の各電池セルの電圧が電圧検出手段4によってそれぞれ監視されている。電圧検出手段4は、検出した各電池セルの電圧および二次電池ブロック3の全電圧をスイッチ制御手段6に与える。スイッチ制御手段6は、電圧検出手段4から与えられた電圧値と記憶手段7からの充電情報(電圧値、電流値等)とに基づいてスイッチ素子5のON/OFF動作を制御し、二次電池ブロック3への充電電流を制御する。スイッチ素子5は、充電器8と二次電池ブロック3との間に設けられ、充電電流の電流値を調整する。記憶手段7は、二次電池ブロック3を充電するための充電情報(電圧値、電流値等)および二次電池ブロック3の履歴を記憶しており、これらの情報を充電時に、スイッチ制御手段6に与える。
【0008】
図8(a)および(b)は、それぞれ深放電状態(例えば0V状態)における充電電流とパック電池1内の二次電池ブロック3の出力電圧およびパック電池1内の充電回路2の動作タイミング(例えば5V以上で動作)の関係を示すグラフである。
【0009】
図8に示す様に、二次電池ブロック3の電圧が復帰するまでの時間t1までは、パック電池1外部の充電器8より供給される充電電流は、二次電池を劣化させないように低レート充電される。このため、パック電池1内の充電回路2は、二次電池ブロック3の電圧値が充電回路2の動作電圧まで復帰しない時間t1までは起動せず、時間t1が過ぎると動作を始める。したがって、パック電池1内の充電回路2が動作して、二次電池ブロック3の過去の履歴および充電情報が把握できるまでにt1の時間が必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、パック電池1内の二次電池ブロック3の電圧値が回復するまでパック電池1内の充電回路2が正常に動作しないように構成されている場合には、充放電サイクル全てにおいて、完全に自己完結可能なパック電池1は、実現できない。特に、マイクロコントローラを内蔵した電池パックでは、充電開始時に、パック電池側より充電電流値および充電電圧値を充電器側へ通信する仕様になっており、前述のように、二次電池ブロックが深放電状態となったパック電池に関してはこの仕様を満足することは出来ないと言う問題がある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するものであり、その目的は、SBSを有するパック電池において二次電池が深放電状態であっても、充電開始前に二次電池の充放電サイクル回数等の使用可否に関する過去の履歴および充電情報が把握でき、低レート充電も可能なパック電池を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のパック電池は、一つまたは複数の電池セルよりなる二次電池ブロックと、該二次電池ブロックを充電器によって充電するために、該二次電池ブロックによる電圧または該充電器からの電圧によって駆動するように設けられており、該充電器からの充電電流が供給される充電経路に、第1スイッチ素子が設けられると共に、該第1スイッチ素子と並列に充電電流制限抵抗および第2スイッチ素子の直列回路が設けられており、該第1スイッチ素子および該第2スイッチ素子が前記二次電池ブロックの電圧に基づいて切り替えられる充電回路とを有する電池パックであって、該充電回路は、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子を前記二次電池ブロックの電圧に基づいてそれぞれ切り替えるスイッチ制御手段を有し、該スイッチ制御手段は、前記二次電池ブロックの電圧が所定の電圧値以下である場合に、前記第1スイッチ素子をOFF状態にすると共に、前記充電電流制限抵抗に印加される電力が該充電電流制限抵抗によって低レート充電電流を作り出すために該充電電流制限抵抗に印加可能な最大電力になるように前記第2スイッチ素子をPMW(Pulse Width Modulation)制御によってON/OFF動作させるようになっており、前記充電電流制限抵抗が、前記充電電流の増加に伴う温度増加によって抵抗値が増加する正の温度特性を有するPTC素子であって、前記スイッチ制御手段は、前記二次電池ブロックの電圧が所定の電圧値以下である場合に、前記第2スイッチ素子を連続してONにすることにより、前記PTC素子に連続して前記充電電流を通電して、該PTC素子の温度特性に基づいて該充電電流を制御することを特徴とし、これにより上記目的が達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態であるパック電池の概略ブロック図である。
二次電池ブロック13は、パック電池11に内蔵されており、パック電池11内に充電回路12が設けられている。二次電池ブロック13の充電回路12に設けられた二次電池ブロック13のプラス端子は、充電回路12内の第1スイッチ素子15を介して充電器18の電力供給端子に接続されている。二次電池ブロック13のマイナス端子は、充電器18の電力帰還端子に接続されている。第1スイッチ素子15には、充電電流制御抵抗20と第2スイッチ素子19との直列回路が並列接続されている。
【0022】
パック電池11の充電回路12には、二次電池ブロック13の電圧を検出する電圧検出手段14と、第1スイッチ素子15および第2スイッチ素子19を制御するスイッチ制御手段16と、充電情報を記憶する記憶手段17とが設けられている。
【0023】
充電器18に接続される電源ラインには、ダイオード30aが設けられており、充電回路12には、電源ラインおよびダイオード30aを介して、駆動電圧が印加される。二次電池ブロック13のプラス端子は、ダイオード30bを介して、充電回路12に接続されている。充電回路12は、二次電池ブロック13より出力される電圧が駆動可能電圧以上である場合、または、二次電池ブロック13より出力される電圧が駆動可能電圧以下であっても、第1スイッチ素子15をOFFにすることで充電器18より供給される電圧を駆動電圧として利用可能である間は動作が可能となる。
【0024】
二次電池ブロック13は、一つあるいは複数の電池セルが接続されて構成されており、各電池セルの電圧および二次電池ブロック13の全電圧が、電圧検出手段14によって監視されている。
【0025】
電圧検出手段14は、検出した各電池セルの電圧および二次電池ブロック13の全電圧をスイッチ制御手段16に与える。
【0026】
スイッチ制御手段16は、電圧検出手段14から与えられた電圧値と記憶手段17からの充電情報(電圧値、電流値等)とに基づいて第1および第2スイッチ素子15および19のON/OFF動作を制御し、二次電池ブロック13への充電電流を制御する。
【0027】
充電器18と二次電池ブロック13との間に設けられた第1スイッチ素子15は、急速充電時に、スイッチ制御手段16によってON/OFF制御され、充電電流の電流値を調整する。なお、第1スイッチ素子15は、二次電池ブロック13の電圧が記憶手段17に記憶される電圧よりも低く、低レートによる充電が必要と判断される時、および充電が諸条件(温度、複数の電池セルからなる二次電池ブロック13の各セル電圧に一定以上のバラツキが確認される場合、二次電池ブロックが満充電状態である場合等)により充電実施が相応しくないと判断される場合にはOFF状態とされる。
【0028】
充電電流制限抵抗20と第2スイッチ素子19とは、直列接続されており、低レート充電時に第2スイッチ素子19は、スイッチ制御手段16によってON/OFF制御されて充電電流の電流値を調整する。第2スイッチ素子19は、急速充電時にはOFF状態とされる。
【0029】
記憶手段17は、二次電池ブロック13を充電するための充電情報として、充電電流、充電電圧と、二次電池ブロック13の充放電サイクル使用回数等の履歴とを記憶しており、これらの情報を充電開始前に、スイッチ制御手段16に与える。
【0030】
ダイオード30aおよび30bは、それぞれ充電器18から充電回路12への駆動電圧印加時に、充電器18への印加電流の逆流防止および二次電池ブロック13へ電圧印加防止の働きをする。
【0031】
二次電池ブロック13を充電するには、充電器18より充電回路12へ駆動電圧が印加され、充電回路12は、動作状態となる。これにより、記憶手段17から充電情報が読み出されスイッチ制御手段16に与えられる。スイッチ制御手段16は、二次電池ブロック13の充放電サイクル使用回数等の履歴内容より、充電の可否を確認する。充電可能であれば、スイッチ制御手段16は、記憶手段17からの充電情報に基づき、第2スイッチ素子19のON/OFF制御によって充電電流制限抵抗20に印加される平均電力が一定になるように充電電流を調整する。そして、スイッチ制御手段16は、第2スイッチ素子19のON/OFF制御の一周期当りのパルスのデューティ比および周波数を決定し、充電器18からの充電電流をPWM(Pulse Width Modulation)にて制御しながら、二次電池ブロック13への低レート充電を行う。
【0032】
この低レート充電において、スイッチ制御手段16は、低レート充電電流を作り出す充電電流制限抵抗20に印加可能な最大電力が二次電池ブロック13の電圧状態に関係無く印加されることが可能となる様に制御する。また、充電回路12を実現する上において、スイッチ制御手段16を用いてPWM制御を行うことにより、充電電流制限抵抗20に最大平均電力を印加し続けることが可能となり、充電電流制限抵抗20の小型化(小電力化)を実施した場合でも充電時間への影響を最小限にすることが可能となる。その結果として、通電可能な最大の低レート充電電流を低レート充電電流として充電可能となり、低レート充電時間の短縮に貢献することが可能となる。
【0033】
低レート充電が進み、二次電池ブロック13を構成する各電池セルの電圧および電池ブロックの全電圧が所定の電圧値以上になったことを電圧検出手段14が検出すると、スイッチ制御手段16は、第2スイッチ素子19をOFFにし、第1スイッチ素子15をON/OFF制御することにより、急速充電(定電流充電)を開始する。そして満充電の電圧値に達したことを電圧検出手段14が検出すると、二次電池ブロック13に対する充電は終了する。
【0034】
図2は、本発明の他の実施形態であるパック電池の概略ブロック図である。本実施形態は、図1の充電電流制御抵抗20として感温素子であるPTC(Positive Temperature Coefficient)素子21が第2スイッチ素子19に直列接続されている。また、二次電池ブロック13には、二次電池ブロック13の温度を検出する温度検出手段22が設けられている。PTC素子21は、温度上昇によって抵抗値が増加し、温度下降によって抵抗値が減少するという正の温度係数を有する感温素子である。
【0035】
図2の構成では、仮に、第2スイッチ素子の制御が適切に実施できずに通電状態で固定された場合にも、PTC素子21に流れる電流によりPTC素子21は自己発熱し、抵抗値は増大することで充電電流は絞られる。このことから、第2スイッチ素子19の異常発熱または発煙を防止することが可能となる。
【0036】
図5は、PTC素子21の温度と通電電流との関係をグラフ化したものである。PTC素子21の抵抗値は、温度上昇と共に増加するため、PTC素子21の通電電流は、温度上昇に伴って減少する(電流値B>電流値A)。したがって、温度に対するPTC素子21の通電電流は、充電許可温度範囲である0℃〜60℃の範囲では、負の勾配の直線に近似される。このPTC素子21の温度電流特性は、表1に示すようになる。
【0037】
【表1】
Figure 0003633855
以上より、PTC素子21を使用する場合には、PTC素子21の特性から温度により低レート充電電流値を増減させることによって、固定抵抗値を有する充電電流制限抵抗20を使用するよりも低レート充電時間を短縮することが可能となる。さらに、PTC素子21の使用は、充電許可温度範囲内におけるPTC素子21の通電可能電流値を温度条件に関係無く、低レート充電のための通電を行うように、PWM制御することにより、メモリ容量の節約も可能になる。
【0038】
また、PTC素子21は、素子温度が上昇すると抵抗値が大きく増加する。PTC素子21に連続して許容範囲以上の電流を通電させると、PTC素子21は、自己発熱により抵抗値が急増する温度を超えるために抵抗値が増大する。この時、PTC素子21は、抵抗値を増大させて通電できる電流を制限するが、完全に電流を遮断することはできない。この時に通電する電流を漏れ電流と言い、漏れ電流は、PTC素子21に印加される電圧によって変化(PTC素子21が消費する電力は一定)する。
【0039】
前述のPTC素子21の特性を利用して、二次電池ブロック13が低レート充電が必要である電圧状態においては、第1スイッチ素子15をOFFにし、第2スイッチ素子19をONにすることにより、PTC素子21に連続して充電電流を通電させ、この充電電流がPTC素子21の動作電流よりも大きい場合、PTC素子21は、動作(抵抗値を増大)して電流値を絞り、低レート電流を作り出すことも可能となる。この充電方法が選択される場合には、二次電池ブロック13の電圧が電圧検出手段14によって低レート充電が必要であると判断されると、スイッチ制御手段16は、第1スイッチ素子15をOFFにし、第2スイッチ素子19をON状態にして、PTC素子21に連続して電圧を印加する。
【0040】
二次電池ブロック13の電圧が極めて低く、PTC素子21に通電される電流がPTC素子21の動作電流より大きいと、PTC素子21は、その抵抗値を増大させ、低レート電流を作り出す。低レート充電を行うことにより、電圧値が復帰しつつあるが、さらに電圧値復帰までに低レート充電が必要である二次電池ブロック13において、PTC素子21に通電される充電電流がPTC素子21の動作電流よりも小さくなると、PTC素子21は、動作状態から通常状態へ復帰して、充電電流は、(充電器出力電圧−二次電池ブロック電圧)/(PTC素子21抵抗値) となって低レート充電を継続する。PWM充電制御を行う場合と同様に、二次電池ブロック13の電圧が復帰して、急速充電が可能な電圧状態になると、第2スイッチ素子19はOFFにされ、第1スイッチ素子はONにされ急速充電状態へ移行する。この構成で充電回路12を実現する場合、充電制御手段の制御は、簡略化される効果が期待できる。
【0041】
以下、図2に示されるパック電池の動作について図3のフローチャートに基づいて説明する。電圧が低下して、充電回路12に電力供給できなくなった二次電池ブロック13を充電する場合には、まず充電器18より充電回路12へ駆動電圧が印加され、充電回路12は動作状態となり、記憶手段17から充電情報が読み出されスイッチ制御手段16に与えられると同時に、充電器18にもこの情報を通信する(ステップ1)。
【0042】
スイッチ制御手段16は、記憶手段17から充電情報が読み出されると、二次電池ブロック13の充放電サイクル使用回数等の履歴内容に基づいて、充電の可否を確認する。充放電サイクル使用回数がサイクル寿命に達している場合には、二次電池ブロック13への充電は不許可となり、充電は直ちに終了する(ステップ2)。
【0043】
充電許可の場合には、温度検出手段22で二次電池ブロック13の表面温度を測定して充電可能温度(0℃〜60℃)か否かを判断する。二次電池ブロック13の表面温度が、充電可能温度(0℃〜60℃)でない温度では、温度測定を繰り返す(ステップ3)。
【0044】
充電可能温度になると、スイッチ制御手段16は、記憶手段17からの充電情報(電圧値、電流値等)に基づき、第2スイッチ素子19のON/OFF制御によってPTC素子21に印加される平均電力あるいは平均電流が一定になるような充電電流の平均値を読み込む(ステップ4)。
【0045】
スイッチ制御手段16は、充電電流の平均値が読み込まれると第2スイッチ素子19のON/OFF制御の一周期当りのパルスのデューティ比および周波数を決定し、充電器18からの充電電流をPWM(Pulse Width Modulation)で制御しながら、二次電池ブロック13への低レート充電を行う(ステップ5)。
【0046】
低レート充電が進み、二次電池ブロック13の各電池セルの電圧および電池ブロックの全電圧が所定の電圧値以上になったことを電圧検出手段14が検出すると、スイッチ制御手段16は、第2スイッチ素子19をOFFし、第1スイッチ素子15をON/OFF制御することにより、急速充電(定電流充電)を開始する。そして満充電の電圧値に達したことを電圧検出手段14が検出すると、充電は自動的に終了する(ステップ6)。
【0047】
図4は、深放電状態(例として0V)から充電を行った二次電池ブロック13において、二次電池ブロック13の電圧値、充電器18の出力電圧値、充電回路12の駆動電圧、充電電流の動作タイミング(例として5V以上で動作)を示す。図4(a)は、充電時の二次電池ブロック13の電圧値の推移を示している。時間t1までは、トリクル充電(低レート充電)が行われ、時間t1において電圧値5.6Vになると急速充電に切替り、二次電池ブロック13の電圧は5.6Vから急速に増加する。図4(b)は、充電器18の出力電圧値の推移を示し、時間t1まで、充電器18の出力電圧は12.6Vであり、その電圧が充電回路12の駆動電圧および二次電池ブロック13の充電電圧として供給される。そして、時間t1において急速充電に切替り、充電器18の電圧値は、一旦5.6Vになり、その後、二次電池ブロック13の電圧値と共に上昇する。
【0048】
図4(c)は、充電回路12の駆動電圧値を示し、時間t1まで、12.0Vの電圧が印加される。充電器18の出力電圧は、12.6Vであるが、ダイオード30aの接合電圧が0.6Vであるため、充電回路12の駆動電圧は、0.6V低くなり12.0Vとなる。時間t1において充電器18の出力電圧が5.6Vとなるため、充電回路12の駆動電圧は、5.0Vとなる。時間t1以降は、5.0Vより増加する。
【0049】
図4(d)は、二次電池ブロック13への充電電流の推移を示している。時間t1までは、低レート充電のため充電電流は、
充電電流=(充電器出力電圧値−二次電池ブロック電圧値)/充電電流制限抵抗値で表され、時間経過と共に減少する。そして、時間t1において、低レート充電から急速充電に切替り、充電電流は増加して一定となる(定電流充電)。
【0050】
図6は、PTC素子21を使用した場合のトリクル充電(低レート充電)および急速充電における充電電流と二次電池ブロック電圧の関係を示すグラフである。
PTC素子21を流れる充電電流は、第2スイッチ素子19のON/OFF動作の制御を行うことで、第2スイッチ素子19のON/OFF動作の一周期における平均電流が一定となるように設定される。二次電池ブロック電圧が、V1になるとトリクル充電(低レート充電)が終了し、その後は満充電まで、第1スイッチ素子15のON/OFF制御を行う定電流充電となる。
【0051】
PTC素子21は、温度上昇によって抵抗値が増加し、温度下降によって抵抗値が減少する可逆性のある温度スイッチと考えられるために、二次電池ブロック13が外部要因によりショートまたは異常高温になった場合、PTC素子21が高抵抗となり、充電回路12がオープン状態となり、二次電池ブロック13の破壊を防止することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上より、本発明のパック電池は、充電時に各電池セルの電圧および電池ブロックの全電圧が所定の電圧値以下である場合には、第1スイッチ素子がOFFされて、第2スイッチ素子によって低レート充電モードで制御を行われるために、二次電池が深放電状態であっても低レート充電が可能となる。
【0053】
また、充電器から供給される駆動電圧がダイオードを介して印加されているために、充電前より動作状態とされ、二次電池の充放電サイクル回数および充電情報を正確に把握することができる。
【0054】
さらに、第2スイッチ素子に直列接続される充電電流制限抵抗として、PTC素子を使用することにより、二次電池ブロックが異常高温になった場合に、充電回路をオープン状態とし、二次電池ブロックの破壊が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるパック電池の概略ブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態であるパック電池の概略ブロック図である。
【図3】そのパック電池の動作のフローチャートである。
【図4】(a)〜(d)は、それぞれ、そのパック電池における二次電池ブロックの電圧値、充電器の出力電圧値、充電回路の駆動電圧、充電電流の動作タイミングを示すグラフである。
【図5】図2に示すパック電池に設けられているPTC素子の温度と通電電流との関係を示すグラフである。
【図6】図2に示すパック電池に設けられているPTC素子の通電電流と二次電池ブロック電圧との関係を示すグラフである。
【図7】従来のパック電池のブロック図である。
【図8】(a)〜(b)は、それぞれ、二次電池の深放電状態での二次電池ブロックの電圧値、充電電流、パック電池内の充電回路の動作タイミングを示すグラフである。
【符号の説明】
1 パック電池
2 充電回路
3 二次電池ブロック
4 電圧検出手段
5 スイッチ素子
6 スイッチ制御手段
7 記憶手段
8 充電器
11 パック電池
12 充電回路
13 二次電池ブロック
14 電圧検出手段
15 第1スイッチ素子
16 スイッチ制御手段
17 記憶手段
18 充電器
19 第2スイッチ素子
20 充電電流制限抵抗
21 PCT素子
22 温度検出手段
30a ダイオード
30b ダイオード

Claims (1)

  1. 一つまたは複数の電池セルよりなる二次電池ブロックと、
    該二次電池ブロックを充電器によって充電するために、該二次電池ブロックによる電圧または該充電器からの電圧によって駆動するように設けられており、該充電器からの充電電流が供給される充電経路に、第1スイッチ素子が設けられると共に、該第1スイッチ素子と並列に充電電流制限抵抗および第2スイッチ素子の直列回路が設けられており、該第1スイッチ素子および該第2スイッチ素子が前記二次電池ブロックの電圧に基づいて切り替えられる充電回路とを有する電池パックであって、
    該充電回路は、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子を前記二次電池ブロックの電圧に基づいてそれぞれ切り替えるスイッチ制御手段を有し、
    該スイッチ制御手段は、前記二次電池ブロックの電圧が所定の電圧値以下である場合に、前記第1スイッチ素子をOFF状態にすると共に、前記充電電流制限抵抗に印加される電力が該充電電流制限抵抗によって低レート充電電流を作り出すために該充電電流制限抵抗に印加可能な最大電力になるように前記第2スイッチ素子をPMW(Pulse Width Modulation)制御によってON/OFF動作させるようになっており、
    前記充電電流制限抵抗が、前記充電電流の増加に伴う温度増加によって抵抗値が増加する正の温度特性を有するPTC素子であって、前記スイッチ制御手段は、前記二次電池ブロックの電圧が所定の電圧値以下である場合に、前記第2スイッチ素子を連続してONにすることにより、前記PTC素子に連続して前記充電電流を通電して、該PTC素子の温度特性に基づいて該充電電流を制御することを特徴とするパック電池。
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