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JP3632395B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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JP3632395B2
JP3632395B2 JP25260197A JP25260197A JP3632395B2 JP 3632395 B2 JP3632395 B2 JP 3632395B2 JP 25260197 A JP25260197 A JP 25260197A JP 25260197 A JP25260197 A JP 25260197A JP 3632395 B2 JP3632395 B2 JP 3632395B2
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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは、紫外線、遠紫外線、X線あるいは荷電粒子線の如き各種放射線を使用する微細加工に好適な化学増幅型ポジ型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積回路のより高い集積度を得るために、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、近年では、線幅0.5μm以下の高精度の微細加工を安定して行なうことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。
しかしながら、従来の可視光線(波長700〜400nm)や近紫外線(波長400〜300nm)を用いる方法では、このような微細パターンを高精度に形成することが困難であり、そのため、より幅広い焦点深度を達成でき、デザインルールの微細化に有効な短波長(波長300nm以下)の放射線を用いるリソグラフィープロセスが提案されている。
このような短波長の放射線を用いるリソグラフィープロセスとしては、例えば、KrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線を使用する方法が提案されている。そして、これらの短波長の放射線に対応する高解像度レジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社により「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在この化学増幅型レジストの改良が精力的に進められている。
このような化学増幅型レジストは、それに含有させる感放射線性酸発生剤への放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生させ、この酸の触媒作用により、レジスト膜中で化学反応(例えば極性の変化、化学結合の開裂、架橋反応等)を生起させ、現像液に対する溶解性が露光部において変化する現象を利用して、パターンを形成するものである。
そして、従来の化学増幅型レジストのうち比較的良好なレジスト性能を示すものに、樹脂成分として、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をt−ブチルエステル基やt−ブトキシカルボニル基で保護した樹脂(特公平2−27660号公報参照)、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をケタール基で保護した樹脂(特開平7−140666号公報参照)、アセタール基で保護した樹脂(特開平2−161436号公報および特開平5−249682号公報参照)等を使用したレジストが知られている。
しかしながら、これらの化学増幅型レジストにはそれぞれ固有の問題があり、特に設計寸法0.26μm以下の微細工程への実用化に際して種々の困難を伴うことが指摘されている。
例えば、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をt−ブチルエステル基で保護した樹脂を用いたレジストでは、露光後に130℃以上の温度で加熱処理を行わないと、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(Post Exposure Time Delay;以下、「PED」という。)の変動に対する安定性を十分確保することが困難であるため、工業的に不利であり、また、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をt−ブトキシカルボニル基で保護した樹脂を用いたレジストでは、解像性能が不十分であり、さらにアルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をシリル基で保護した樹脂を用いたレジストでは、レジストを基板から剥離するのが困難であるという問題がある。
一方、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をアセタール基で保護した樹脂を用いたレジストは、ノボラック樹脂−ナフトキノンジアジドをベースとするi線レジストと同様のプロセス条件(例えば、加熱処理温度、現像条件等)を採用することができ、また解像性能も高いことから、高いポテンシャルを有するといえるが、形成されたパターンの表面および側面の凹凸が大きく、微細パターンの精密な線幅制御に支障をきたすことが第1の問題として挙げられる。また第2の問題として、いわゆる光近接効果の影響が大きく、パターンの疎密による寸法差あるいはパターン端部における丸まりや後退現象が生じやすいという点が指摘される。パターンの疎密による寸法差が大きいと、ライン・アンド・スペースパターンの最適露光量で露光を行うと、孤立パターンではその設計寸法どおりのパターンが得られず、近年におけるマルチメディアの普及により、ロジック回路とメモリ回路のワンチップ化へのニーズを満足させることができない。
このような事情から、ライン・アンド・スペースパターンの解像度やパターン形状に加えて、光近接効果が小さく孤立パターンの解像度に優れ、かつパターンの表面および側面の凹凸(即ち、膜面荒れ)も小さなレジストが求められるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、各種の放射線に有効に感応し、解像度およびパターン形状が優れ、かつ膜面荒れも小さく、さらに光近接効果が小さく、ライン・アンド・スペースパターンと孤立パターンの双方について、微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができる化学増幅型ポジ型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、
(A)下記式(1)で表される繰返し単位、下記式(2)で表される繰返し単位および下記式(3)で表される繰返し単位を含む共重合体、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
【0005】
【化1】
Figure 0003632395
【0006】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【0007】
【化2】
Figure 0003632395
【0008】
(式中、RおよびRは、相互に同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)
【0009】
【化3】
Figure 0003632395
【0010】
(式中、R5 およびR6 は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基を示し、R7 は炭素数2〜4のアルキル基を示し、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)
によって達成される。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)共重合体
本発明において使用される(A)共重合体は、前記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」という。)、前記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」という。)、および前記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」という。)を含む共重合体からなる。(A)共重合体において、繰返し単位(1)、繰返し単位(2)および繰返し単位(3)は、それぞれ単独でまたは2種以上が存在することができる。
(A)共重合体において、繰返し単位(1)〜(3)の合計の含有率は全繰返し単位に対して80モル%以上であり、かつ繰返し単位(1)の含有率は全繰返し単位に対して40モル%を超え80モル%未満であり、繰返し単位(2)の含有率は全繰返し単位に対して5モル%を超え40モル%未満であり、また繰返し単位(3)の含有率は全繰返し単位に対して5モル%を超え40モル%未満であることが好ましく、さらに好ましくは、繰返し単位(1)〜(3)の合計の含有率は全繰返し単位に対して85モル%以上であり、かつ繰返し単位(1)の含有率は全繰返し単位に対して50モル%を超え75モル%未満であり、繰返し単位(2)の含有率は全繰返し単位に対して10モル%を超え35モル%未満であり、また繰返し単位(3)の含有率は全繰返し単位に対して10モル%を超え35モル%未満である。
この場合、繰返し単位(1)〜(3)の合計の含有率が全繰返し単位に対して80モル%未満では、ライン・アンド・スペースパターンの解像度が低下する傾向がある。また、繰返し単位(1)の含有率が全繰返し単位に対して40モル%以下では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、一方80モル%以上では、共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなりすぎ、ライン・アンド・スペースパターンの解像度が低下する傾向がある。さらに、繰返し単位(2)と繰返し単位(3)のうち少なくとも何れか一方の含有率が全繰返し単位に対して5モル%以下となるか、あるいは40モル%以上となると、光近接効果が大きくなり、またパターンの膜面荒れも大きくなる傾向がある。
【0012】
(A)共重合体において、繰返し単位(2)中の基−O−CH(R)−O−CHの具体例としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基を挙げることができる。
これらの基のうち、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基等が好ましい。
【0013】
また、繰返し単位(3)中の基-O-C(R6)(R7)-O-CH2R8の具体例としては、
1−メトキシプロポキシ基、1−エトキシプロポキシ基、1−n−プロポキシプロポキシ基、1−メトキシブトキシ基、1−エトキシブトキシ基、1−n−プロポキシブトキシ基、1−メトキシペンチルオキシ基、1−エトキシペンチルオキシ基、1−n−プロポキシペンチルオキシ基、
【0015】
2−メトキシ−2−ブトキシ基、2−エトキシ−2−ブトキシ基、2−n−プロポキシ−2−ブトキシ基、2−メトキシ−2−ペンチルオキシ基、2−エトキシ−2−ペンチルオキシ基、2−n−プロポキシ−2−ペンチルオキシ基、2−メトキシ−2−ヘキシルオキシ基、2−エトキシ−2−ヘキシルオキシ基、2−n−プロポキシ−2−ヘキシルオキシ基
【0017】
等を挙げることができる。
これらの基のうち、1−メトキシプロポキシ基、1−エトキシプロポキシ基等が好ましい。
【0018】
(A)共重合体において、繰返し単位(1)の具体例としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレンあるいはp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンに由来する単位を挙げることができる。
これらの繰返し単位(1)のうち、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等に由来する単位が好ましい。
【0019】
また、繰返し単位(2)の具体例としては、
o−メトキシメトキシスチレン、o−エトキシメトキシスチレン、o−n−プロポキシメトキシスチレン、o−1−メトキシエトキシスチレン、o−1−エトキシエトキシスチレン、o−1−n−プロポキシエトキシスチレン、
m−メトキシメトキシスチレン、m−エトキシメトキシスチレン、m−n−プロポキシメトキシスチレン、m−1−メトキシエトキシスチレン、m−1−エトキシエトキシスチレン、m−1−n−プロポキシエトキシスチレン、
p−メトキシメトキシスチレン、p−エトキシメトキシスチレン、p−n−プロポキシメトキシスチレン、p−1−メトキシエトキシスチレン、p−1−エトキシエトキシスチレン、p−1−n−プロポキシエトキシスチレン、
o−メトキシメトキシ−α−メチルスチレン、o−エトキシメトキシ−α−メチルスチレン、o−n−プロポキシメトキシ−α−メチルスチレン、o−1−メトキシエトキシ−α−メチルスチレン、o−1−エトキシエトキシ−α−メチルスチレン、o−1−n−プロポキシエトキシ−α−メチルスチレン、
m−メトキシメトキシ−α−メチルスチレン、m−エトキシメトキシ−α−メチルスチレン、m−n−プロポキシメトキシ−α−メチルスチレン、m−1−メトキシエトキシ−α−メチルスチレン、m−1−エトキシエトキシ−α−メチルスチレン、m−1−n−プロポキシエトキシ−α−メチルスチレン、
p−メトキシメトキシ−α−メチルスチレン、p−エトキシメトキシ−α−メチルスチレン、p−n−プロポキシメトキシ−α−メチルスチレン、p−1−メトキシエトキシ−α−メチルスチレン、p−1−エトキシエトキシ−α−メチルスチレン、p−1−n−プロポキシエトキシ−α−メチルスチレン
等に由来する単位を挙げることができる。
これらの繰返し単位(2)のうち、p−メトキシメトキシスチレン、p−エトキシメトキシスチレン、p−1−メトキシエトキシスチレン、p−1−エトキシエトキシスチレン等に由来する単位が好ましい。
【0020】
また、繰返し単位(3)の具体例としては、
o−1−メトキシプロポキシスチレン、o−1−エトキシプロポキシスチレン、o−1−n−プロポキシプロポキシスチレン、o−1−メトキシブトキシスチレン、o−1−エトキシブトキシスチレン、o−1−n−プロポキシブトキシスチレン、o−1−メトキシペンチルオキシスチレン、o−1−エトキシペンチルオキシスチレン、o−1−n−プロポキシペンチルオキシスチレン、
m−1−メトキシプロポキシスチレン、m−1−エトキシプロポキシスチレン、m−1−n−プロポキシプロポキシスチレン、m−1−メトキシブトキシスチレン、m−1−エトキシブトキシスチレン、m−1−n−プロポキシブトキシスチレン、m−1−メトキシペンチルオキシスチレン、m−1−エトキシペンチルオキシスチレン、m−1−n−プロポキシペンチルオキシスチレン、
p−1−メトキシプロポキシスチレン、p−1−エトキシプロポキシスチレン、p−1−n−プロポキシプロポキシスチレン、p−1−メトキシブトキシスチレン、p−1−エトキシブトキシスチレン、p−1−n−プロポキシブトキシスチレン、p−1−メトキシペンチルオキシスチレン、p−1−エトキシペンチルオキシスチレン、p−1−n−プロポキシペンチルオキシスチレン、
【0021】
p−(2−メトキシ−2−ブトキシ)スチレン、p−(2−エトキシ−2−ブトキシ)スチレン、p−(2−メトキシ−2−ペンチルオキシ)スチレン、p−(2−エトキシ−2−ペンチルオキシ)スチレン、p−(2−メトキシ−2−ヘキシルオキシ)スチレン、p−(2−エトキシ−2−ヘキシルオキシ)スチレン、
【0022】
o−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、o−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、o−1−n−プロポキシプロポキシ−α−メチルスチレン、o−1−メトキシブトキシ−α−メチルスチレン、o−1−エトキシブトキシ−α−メチルスチレン、o−1−n−プロポキシブトキシ−α−メチルスチレン、o−1−メトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、o−1−エトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、o−1−n−プロポキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、
m−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、m−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、m−1−n−プロポキシプロポキシ−α−メチルスチレン、m−1−メトキシブトキシ−α−メチルスチレン、m−1−エトキシブトキシ−α−メチルスチレン、m−1−n−プロポキシブトキシ−α−メチルスチレン、m−1−メトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、m−1−エトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、m−1−n−プロポキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、
p−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、p−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン、p−1−n−プロポキシプロポキシ−α−メチルスチレン、p−1−メトキシブトキシ−α−メチルスチレン、p−1−エトキシブトキシ−α−メチルスチレン、p−1−n−プロポキシブトキシ−α−メチルスチレン、p−1−メトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、p−1−エトキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、p−1−n−プロポキシペンチルオキシ−α−メチルスチレン、
【0023】
p−(2−メトキシ−2−ブトキシ)−α−メチルスチレン、p−(2−エトキシ−2−ブトキシ)−α−メチルスチレン、p−(2−メトキシ−2−ペンチルオキシ)−α−メチルスチレン、p−(2−エトキシ−2−ペンチルオキシ)−α−メチルスチレン、p−(2−メトキシ−2−ヘキシルオキシ)−α−メチルスチレン、p−(2−エトキシ−2−ヘキシルオキシ)−α−メチルスチレン
等に由来する単位を挙げることができる。
これらの繰返し単位(3)のうち、p−1−メトキシプロポキシスチレン、p−1−エトキシプロポキシスチレン等に由来する単位が好ましい。
【0024】
(A)共重合体は、場合により、前記繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位(以下、「他の繰返し単位」という。)を1種以上含むこともできる。
他の繰返し単位を与える単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、メチル無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類またはそれらの酸無水物類;前記不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プロピルエステル、n−ブチルエステル、i−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、n−アミルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルエステル、ベンジルエステル、イソボルニルエステル、アダマンチルエステル、トリシクロデカニルエステル、テトラシクロデカニルエステル等のエステル類;(メタ)アクリロニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、N−フェニルマレイミド等の不飽和イミド類;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール類や、ビニルアニリン類、ビニルピリジン類、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の他のビニル化合物を挙げることができる。これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記他の繰返し単位を与える単量体のうち、スチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリロニトリル等が好ましい。
他の繰返し単位の含有率は、(A)共重合体中の全繰返し単位に対して、20モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15モル%以下である。
【0025】
本発明における好ましい(A)共重合体の具体例を、各繰返し単位に対応する単量体の組み合せとして示すと、下記のとおりである。
p−ヒドロキシスチレン/p−メトキシメトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−エトキシメトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−メトキシエトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−エトキシエトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−メトキシメトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−エトキシメトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−メトキシエトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−エトキシエトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
【0026】
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−メトキシメトキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−エトキシメトキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシエトキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシエトキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−メトキシメトキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−エトキシメトキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−1−メトキシエトキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体、
p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシエトキシ−α−メチルスチレン/p−1−エトキシプロポキシ−α−メチルスチレン共重合体。
【0027】
これらの共重合体のうち、特に、
p−ヒドロキシスチレン/p−メトキシメトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−エトキシメトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−メトキシエトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−エトキシエトキシスチレン/p−1−メトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−メトキシメトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−エトキシメトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−メトキシエトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体、
p−ヒドロキシスチレン/p−1−エトキシエトキシスチレン/p−1−エトキシプロポキシスチレン共重合体
等が好ましい。
【0028】
(A)共重合体は、例えば、次の方法により製造することができる。
(イ)ヒドロキシ(α−メチル)スチレン類のポリマー、例えば、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)等のナトリウムフェノキシド誘導体と、式Cl−CH(R)−OR(但し、RおよびRは一般式(2)のそれぞれRおよびRと同義である。)で表される化合物(例えば、1−エトキシ−1−クロロエタン等)および式Cl−C(R)(R)−OCH(但し、R、RおよびRは一般式(3)のそれぞれR、RおよびRと同義である。)で表される化合物(例えば、1−エトキシ−1−クロロプロパン、2−エトキシ−2−クロロブタン等)とを反応させて、エーテル化する方法。
(ロ)ヒドロキシ(α−メチル)スチレン類のポリマー、例えば、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)等のフェノール性水酸基の一部を、弱酸性触媒の存在下で、一般式(2)に対応する不飽和エーテル化合物(例えば、エチルビニルエーテル等)および一般式(3)に対応する不飽和エーテル化合物(例えば、エチル−1−プロペニルエーテル、エチル−1−ブテニルエーテル等)に付加反応させて、エーテル化する方法。
(ハ)ヒドロキシ(α−メチル)スチレン類、例えば、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等を、繰返し単位(2)に対応する単量体および繰返し単位(3)に対応する単量体と共に、例えば、ラジカル重合開始剤等を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の方法により共重合する方法。
(A)共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜40,000、さらに好ましくは3,000〜30,000である。この場合、(A)共重合体のMwが1,000未満であると、レジストとしたの感度や耐熱性が低下する傾向があり、一方100,000を超えると、現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
また、(A)共重合体のMwとGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という)との比(Mw/Mn)は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.0〜5.0である。
本発明において、(A)共重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、(A)共重合体は、必要に応じて、基板に塗布した際の塗膜の均一性を損なわない、(A)共重合体との相溶性の良い樹脂や低分子化合物とブレンドして用いることもできる。この場合、ブレンドする樹脂や低分子化合物の合計使用量は、(A)共重合体100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましい。
【0029】
(B)感放射線性酸発生剤
本発明において使用される(B)感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤」という。)は、露光により酸を発生する化合物からなる。
このような酸発生剤としては、▲1▼オニウム塩、▲2▼スルホン化合物、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼スルホンイミド化合物、▲5▼ジアゾメタン化合物、▲6▼ジスルフォニルメタン化合物等を挙げることができる。
これらの酸発生剤の例を以下に示す。
▲1▼オニウム塩:
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
オニウム塩化合物の具体例としては、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムピレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムオクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、
ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムピレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムピレンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムオクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、
4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート
等を挙げることができる。
【0030】
▲2▼スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等を挙げることができる。
▲3▼スルホン酸エステル化合物:
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールトリスノナフルオロブタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等を挙げることができる。
▲4▼スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物としては、例えば、下記式(4)
【0031】
【化4】
Figure 0003632395
【0032】
(式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(p−トルエンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2ートリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド
等を挙げることができる。
▲5▼ジアゾメタン化合物:
ジアゾメタン化合物としては、例えば、下記式(5)
【0033】
【化5】
Figure 0003632395
【0034】
(式中、R10およびR11は、互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
▲6▼ジスルフォニルメタン化合物:
ジスルフォニルメタン化合物としては、例えば、下記式(6)
【0035】
【化6】
Figure 0003632395
【0036】
〔式中、R12およびR13は、相互に同一でも異なってもよく、1価の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、YおよびZは、相互に同一でも異なってもよく、アリール基、水素原子、1価の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、かつYおよびZの少なくとも一方がアリール基であるか、あるいはYとZが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環または多環を形成しているか、あるいはYとZが相互に連結して式
【0037】
【化7】
Figure 0003632395
【0038】
(但し、Y’およびZ’は相互に同一でも異なってもよく、かつ複数存在する
Y’およびZ’はそれぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示すか、あるいは同一のもしくは異なる炭素原子に結合したY’とZ’が相互に連結して炭素単環構造を形成しており、nは2〜10の整数である。)で表される基を形成している。〕
ジスルフォニルメタン化合物の好ましい具体例としては、下記式(7)〜式(15)で表される化合物等を挙げることができる。
【0039】
【化8】
Figure 0003632395
【0040】
【化9】
Figure 0003632395
【0041】
【化10】
Figure 0003632395
【0042】
【化11】
Figure 0003632395
【0043】
【化12】
Figure 0003632395
【0044】
【化13】
Figure 0003632395
【0045】
【化14】
Figure 0003632395
【0046】
【化15】
Figure 0003632395
【0047】
【化16】
Figure 0003632395
【0048】
前記酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、酸発生剤の使用量は、(A)共重合体100重量部当り、通常、0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
【0049】
酸拡散制御剤
本発明においては、さらに、露光により酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。
このような酸拡散制御剤を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして解像度が向上するとともに、PEDの変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(16)
【0050】
【化17】
Figure 0003632395
【0051】
(式中、R14、R15およびR16は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0052】
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることができる。
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0053】
前記アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0054】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。また、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリジン類が特に好ましい。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、(A)共重合体100重量部当り、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満では、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法中実度が低下するおそれがある。
【0055】
他の添加剤
本発明の感放射線性樹脂組成物には、組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を配合することができる。
このような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等を挙げることができ、また市販品としては、例えば、エフトップEF301、EF303,EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックス F171、F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、(A)共重合体100重量部当り、通常、2重量部以下である。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示し、レジストの見掛けの感度を向上させる効果を有する増感剤を配合することができる。
好ましい増感剤の例としては、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等を挙げることができる。
増感剤の配合量は、(A)共重合体100重量部当り、通常、50重量部以下である。
また、染料および/または顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性をさらに改善することができる。
さらに、他の添加剤として、4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等のハレーション防止剤、形状改良剤、保存安定剤、消泡剤等を配合することもできる。
【0056】
溶剤
本発明の感放射線性樹脂組成物は、その使用に際して、全固形分の濃度が、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%になるように、溶剤に均一に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することにより、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル等の乳酸エステル類;ぎ酸n−アミル、ぎ酸i−アミル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸i−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
レジストパターンの形成
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述したようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウェハー、アルミニウムで被覆されたウェハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め70℃〜160℃程度の温度で加熱処理(以下、「プレベーク」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して露光する。その際に使用される放射線としては、酸発生剤の種類に応じて、例えば、i線(波長365nm)等の紫外線、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線を適宜選択して使用する。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、露光後に、70〜160℃の温度で30秒以上加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行なうことが好ましい。この場合、露光後ベークの温度が70℃未満では、基板の種類による感度のばらつきが広がるおそれがある。
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液を用い、通常、10〜50℃、30〜200秒の条件でアルカリ現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、モノ−、ジ−あるいはトリ−アルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリ−アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物を、通常、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。
このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に現像後、水洗する。
なお、レジストパターンの形成に際しては、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
ここで、MwとMnの測定および各レジストの評価は、下記の要領で行った。
MwおよびMn
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した。
解像度(1L1S)
設計寸法0.26μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量で露光したときに解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法(μm)を、解像度(1L1S)とした。
解像度(1L3S)
ラインパターンの設計寸法が0.26μmの準孤立パターン(1L3S)について、前記の最適露光量で露光したときに解像されるラインパターンの線幅が(設計寸法±10%)の範囲に入る解像度を、準孤立パターン(1L3S)の解像度(1L3S)とした。
膜面荒れ
設計寸法0.26μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)について、走査型電子顕微鏡によりラインパターンの断面寸法を測定し、図1に示すように、該断面寸法のうち、最小寸法をLin、最大寸法をLout とし、(Lout −Lin)をLdとして、Ldの値により、下記基準で評価した。なお、図1における凹凸は実際より誇張されている。
Ldが0.01μm未満:良好
Ldが0.01μm以上:不良
【0059】
(A)共重合体の合成
合成例1
Mwが12,000のポリ(p−ヒドロキシスチレン)24gを、ジオキサン100gに溶解したのち、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。その後、この溶液に、エチルビニルエーテル3g、エチル−1−プロペニルエーテル3g、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。次いで、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して、ポリマーを沈殿させ、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。このポリマーは、Mwが15,000、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の20%が1−エトキシエチル基で置換され、かつ15%が1−エトキシプロピル基で置換された構造を有するものであった。このポリマーを、共重合体(A−1)とする。
【0060】
合成例2
p−ヒドロキシスチレン78g(0.65モル)、p−メトキシメトキシスチレン15g(0.1モル)、p−1−エトキシプロポキシスチレン50g(0.25モル)およびアゾビスイソブチロニトリル5.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150gに溶解したのち、窒素雰囲気下、反応温度を60℃に保持して、16時間重合した。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下してポリマーを凝固精製し、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
このポリマーは、Mwが8,500、Mw/Mnが2.4であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとp−メトキシメトキシスチレンとp−1−エトキシプロポキシスチレンとの共重合モル比が、64:11:25であった。このポリマーを、共重合体(A−2)とする。
【0061】
合成例3
Mwが12,000のポリ(p−ヒドロキシスチレン)120gおよびトリエチルアミン15gを、ジオキサン500gに溶解した溶液に、攪拌下で、ジ−t−ブチルカーボネート20gを添加し、室温でさらに6時間攪拌したのち、しゅう酸を添加してトリエチルアミンを中和した。次いで、反応溶液を大量の水中に滴下してポリマーを凝固させ、凝固したポリマーを純水で数回洗浄して、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
得られたポリマーは、Mwが8,900、Mw/Mnが2.8であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の9%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有するものであった。
次いで、前記ポリマーをジオキサン100gに溶解したのち、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。その後、この溶液に、エチルビニルエーテル2g、エチル−1−プロペニルエーテル2g、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して、ポリマーを沈殿させ、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
このポリマーは、Mwが11,000、Mw/Mnが2.8であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の14%が1−エトキシエチル基で置換され、11%が1−エトキシプロピル基で置換され、かつ9%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有するものであった。このポリマーを、共重合体(A−3)とする。
【0062】
比較合成例1
Mwが12,000のポリ(p−ヒドロキシスチレン)12gおよびトリエチルアミン5gを、ジオキサン50gに溶解した溶液に、攪拌下で、ジ−t−ブチルカーボネート7.0gを添加し、室温でさらに6時間攪拌したのち、しゅう酸を添加してトリエチルアミンを中和した。次いで、反応溶液を大量の水中に滴下してポリマーを凝固させ、凝固したポリマーを純水で数回洗浄して、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
このポリマーは、Mwが9,200、Mw/Mnが2.8であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の30%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を、共重合体(aー1)とする。
【0063】
比較合成例2
Mwが12,000のポリ(p−ヒドロキシスチレン)24gを、ジオキサン100gに溶解したのち、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。その後、この溶液に、エチルビニルエーテル5g、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。次いで、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して、ポリマーを沈殿させ、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
このポリマーは、Mwが15,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の35%が1−エトキシエチル基で置換された構造を有するものであった。このポリマーを、共重合体(a−2)とする。
【0064】
実施例1〜13および比較例1〜3
表1(但し、部は重量に基づく)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、表2に示す条件でプレベークを行って、膜厚0.7μmのレジスト被膜を形成した。
次いで、表2に示す条件で露光、露光後ベークを行ったのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像し、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。
各レジストの評価結果を、表3に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003632395
【0066】
【表2】
Figure 0003632395
【0067】
【表3】
Figure 0003632395
【0068】
ここで、各実施例および比較例における酸発生剤、酸拡散制御剤、添加剤および溶剤は、下記のとおりである。
酸発生剤
B−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、
B−2:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、
B−3:4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、
B−4:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
B−5:N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、
B−6:1,1−ビス(フェニルスルホニル)シクロヘキサン
酸拡散制御剤
C−1:ニコチン酸アミド
C−2:トリn−オクチルアミン
添加剤
D−1:ポリ(p−ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の25%がt−ブトキシカルボニル基で置換された樹脂(Mw=9,000)
D−2:p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=9:1、Mw=3,000)
D−3:2,2−ビス(4−t−ブトキシフェニル)プロパン
溶剤
EL :乳酸エチル
EEP :3−エトキシプロピオン酸エチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0069】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、解像度およびパターン形状が優れ、かつ膜面荒れも小さく、さらに光近接効果が小さく、ライン・アンド・スペースパターンと孤立パターンの双方について、微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができる。しかも、本発明の感放射線性樹脂組成物は、紫外線、遠紫外線、X線あるいは電子線の如き各種放射線に有効に感応するものである。したがって、本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型ポジ型レジストとして、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜面荒れの評価方法を説明するレジストパターンの平断面図である。

Claims (1)

  1. (A)下記式(1)で表される繰返し単位、下記式(2)で表される繰返し単位および下記式(3)で表される繰返し単位を含む共重合体、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0003632395
    (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示す。)
    Figure 0003632395
    (式中、R2 およびR3 は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基を示し、R4 は水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)
    Figure 0003632395
    (式中、R5 およびR6 は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基を示し、R7 は炭素数2〜4のアルキル基を示し、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)
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