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JP3631080B2 - 皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄性及び保湿性を併せ持ち、洗浄後しっとり、すべすべした肌感触を有する洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
身体用洗浄剤は界面活性剤を主成分とし、皮脂、汗等の汚れを洗い落とすことを目的とするが、皮膚に必要な保湿成分をも同時に落としてしまう。そのため、洗浄後の皮膚では角質水分量の低下、バリア能の低下等の現象がおきることが知られている。従って、しっとり及びすべすべ感を保持するためには、洗浄後にクリーム、ローション等を塗布し油分を補給することが一般的である。
【0003】
しかし、この場合、洗浄及び塗布の2段階を踏まなければならず、迅速性、簡便性に欠け好ましくない。一方、単純に油剤を洗浄料中に配合しようとすると、起泡力の低下等の問題が生じて、満足いくものが得られないのが現状であった。
【0004】
本発明は、起泡性等の洗浄剤の基本性能は十分維持しつつ、且つ高い保湿性及び洗浄後のしっとり、すべすべした肌感触を有する皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、斯かる実状に鑑み、界面活性剤と油剤の配合について種々検討したところ、界面活性剤と特定の表面張力を有するシリコーンに、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを添加した洗浄剤組成物とした場合に、十分な起泡性を保持すると共に、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが皮膚とシリコーンとの接着機能を果たすことによってシリコーンが皮膚に残留し易くなり、洗浄後の高い保湿性及びしっとり、すべすべした好肌感触が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
Figure 0003631080
を含有し、アミドカルボン酸又はその塩を含有せず、(B)成分/(C)成分の比率(重量比)が、1/5から5/1である皮膚洗浄剤組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明皮膚洗浄剤組成物の(A)成分における、陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルリン酸塩、ポリオキエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸アミド酢酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド酢酸塩、脂肪酸石けん等が挙げられる。中でもポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−ラウロイル−β−アラニン塩等のN−アシル−β−アラニン塩、モノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルアミド酢酸塩等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド酢酸塩が好ましい。ここで用いられる塩としてはナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム塩等の有機アンモニウム塩が好ましい。
【0009】
両性界面活性剤としては、カルボベタイン系界面活性剤、アミドベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系界面活性剤、アミドスルホベタイン系界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤、イミダゾリウムベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤等のアミドベタイン系界面活性剤が挙げられる。中でも、アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のヒドロキシスルホベタイン系界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリウムベタイン系界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド系界面活性剤が好ましい。
【0010】
(A)成分の界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を組み合わせて用いる。またその場合の配合比は、陰イオン性界面活性剤1重量部に対して両性界面活性剤を0.1〜5重量部とするのが好ましい。
【0011】
斯かる(A)成分の界面活性剤としての配合量は、洗浄剤の剤型によって異なるが、全組成中2〜60重量%であることが好ましく、特に泡質、泡量が良好な10〜50重量%が好ましい。
【0012】
(B)成分としてのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤の起泡性とシリコーン類の持つ保湿性を維持できるものであれば特に限定はされないが、それ自身適度な親水性を有し、且つ皮膚付着性が良好なモノ脂肪酸エステル体、具体的には下記(1)で表される脂肪酸エステルが好ましい。
【0013】
【化2】
Figure 0003631080
【0014】
(式中、Rは炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を示し、lは0〜20の整数を示し、m及びnはそれぞれ1〜30の整数を示す)。
【0015】
式(1)の脂肪酸種としては、炭素数6〜22、好ましくは12〜20の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、特にオレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、lは、0〜5、特に0が好ましい。
1分子中のポリオキシエチレンの好ましい付加モル数は1〜30であり、より好ましくは3〜20であり、更に好ましくは、5〜15である。
【0016】
(B)成分の配合量は、泡性能を良好に維持する点から全組成中0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0017】
(C)成分の表面張力が20mN/m以上のメチルポリシロキサンは、例えば、メチルポリシロキサンを含む直鎖状、分岐状、架橋若しくは環状のシリコーンが挙げられ、実質的に水に不溶である疎水性のものが好ましい。表面張力が20mN/m未満であると、起泡性が低下し、保湿性も不十分となる。好ましい表面張力としては、20〜22mN/mであり、特に21〜22mN/mが好ましい。尚、本発明において表面張力は25℃、相対湿度60%の恒温室中でBVP式表面張力計により、白金プレートを用いて測定したものである。斯かるシリコーンのうち、より表面張力の高いものが、肌感触が良好で且つ消泡効果が低い点で好ましく、特に高重合メチルポリシロキサンが好ましい。
【0018】
(C)成分の配合量は、全成物中に0.5〜50重量%、特に1〜20重量%とすることが好ましい。
【0019】
本発明においては、起泡性及び保湿性の観点から、(B)成分/(C)成分の比率(重量比)が、1/10から10/1、好ましくは1/5から5/1とする
【0020】
本発明の皮膚洗浄剤組成物中には、上記の必須成分の他に従来より使用されている洗浄剤用添加物、即ち陰イオン、ノニオン、カチオン性ポリマー等の粘度調整剤;ポリオール類等の保湿成分;アマイド(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、ラウリン酸モノエタノールアマイド、ラウリン酸ジエタノールアマイド、ラウリン酸イソプロパノールアマイド又はイソステアリン酸ジエタノールアマイド等)又は脂肪酸(ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等)等の増泡剤;その他防腐剤、酸化防止剤、安定化剤、pH調整剤、香料、色素等を本発明の作用効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0021】
本発明皮膚洗浄剤組成物は常法により製造できるが、例えば、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意成分を水に溶解又は分散させることにより調製することが好ましい。
また、剤型や粘度、pHは特に限定されないが、液体状及びクリーム状とするのが好ましい。
【0022】
かくして得られた本発明皮膚洗浄剤組成物は、後記実施例に示すように界面活性剤の起泡性及び起泡性等の基本性能を維持しつつ、且つ高い保湿性及び洗浄後のしっとり、すべすべした肌感触を有するので、全身洗浄剤、洗顔料等とするのが特に好ましい。
【0023】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0024】
実施例1
次に示す処方の全身洗浄料を調製した。このものは比較例1〜5の組成物に比べ起泡性、泡質に優れ、タオルドライ後の肌感触も良好であった。評価結果を表1に示す。以下の%は重量%を示す。
【0025】
Figure 0003631080
【0026】
比較例1
Figure 0003631080
【0027】
比較例2
Figure 0003631080
【0028】
比較例3
Figure 0003631080
【0029】
比較例4
Figure 0003631080
【0030】
比較例5
Figure 0003631080
【0031】
【表1】
Figure 0003631080
【0032】
実施例2
次に示す処方の全身洗浄料を調整した。このものは起泡性、泡質に優れ、タオルドライ後の肌感触も良好であった。
【0033】
Figure 0003631080
【0034】
実施例3
次に示す処方の全身洗浄料を調整した。このものは起泡性、泡質に優れ、タオルドライ後の肌感触も良好であった。
【0035】
Figure 0003631080
【0036】
実施例4
次に示す処方の全身洗浄料を調整した。このものは起泡性、泡質に優れ、タオルドライ後の肌感触も良好であった。
【0037】
Figure 0003631080
【0038】
【発明の効果】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、起泡性に優れると共に保湿性及びしっとり、すべすべした好肌感触を保有する。従って、洗浄後においてもクリーム、ローション等を塗布し油分を補給する必要がなくきわめて実用性が高い。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C);
    Figure 0003631080
    を含有し、アミドカルボン酸又はその塩を含有せず、(B)成分/(C)成分の比率(重量比)が、1/5から5/1である皮膚洗浄剤組成物。
  2. 成分(B)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが、次の一般式(1)
    Figure 0003631080
    (式中、Rは炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を示し、lは0〜20の整数を示し、m及びnはそれぞれ1〜30の整数を示す)
    で表されるモノ脂肪酸エステルである請求項1記載の皮膚洗浄剤組成物。
  3. 成分(A)を10〜50重量%、成分(B)を0.5〜10重量%、成分(C)を1〜20重量%含有する請求項1又は2記載の皮膚洗浄剤組成物。
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