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JP3621822B2 - 排煙処理方法及び設備 - Google Patents

排煙処理方法及び設備 Download PDF

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JP3621822B2
JP3621822B2 JP05741598A JP5741598A JP3621822B2 JP 3621822 B2 JP3621822 B2 JP 3621822B2 JP 05741598 A JP05741598 A JP 05741598A JP 5741598 A JP5741598 A JP 5741598A JP 3621822 B2 JP3621822 B2 JP 3621822B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫黄酸化物としてSOとSOを含有する排煙(例えば、重質油焚きボイラの排煙)の浄化処理技術に係わり、特に、凝結することにより有害な硫酸のヒュームとなる排煙中のSOの対策が、低コストかつ簡易な操作又は装置構成で実現される排煙処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、火力発電プラント等における例えば重質油焚きボイラの排煙には、硫黄酸化物として、SO(亜硫酸ガス)の他にSO(三酸化硫黄)が含有される。そして、全硫黄酸化物量(例えば1500ppm)に対するSOの量は、ボイラにおける燃焼温度やバーナーの種類、或いは燃焼触媒の種類等によって異なるが、いずれにしろ数パーセント程度の割合であり、例えば30ppm程度と比較的微量である。このため、この種の排煙の脱硫処理においては、基本的性能としてはSOの吸収性能が重要となる。
【0003】
しかし排煙中のSOは、ヒューム化した場合、腐食性が強くスケール発生の要因となる有害なHSOのミストとなり、しかも単なる吸収液との気液接触ではほとんど捕集できないサブミクロン粒子となる。このため、装置の腐食防止及びスケール防止のため、或いは排煙のさらなるクリーン化の観点から、このSOに対してもなんらかの除去処理が必要である。
【0004】
そこで従来、例えば重質油焚きボイラ用の排煙処理設備では、設備前流において排煙中にアンモニアを注入し、排煙中のSOを硫安((NHSO)として捕集するようにしているのが一般的である。
以下、図10を参照して、このような従来の排煙処理方法及び設備の一例について説明する。
【0005】
図10において符号1で示すものは、排煙の熱によりボイラ(図示略)に供給される燃焼用空気を加熱するエアヒータ(ボイラ側機器)であり、この場合このエアヒータ1より以降の部分が本発明の対象となる設備又は工程である。
エアヒータ1より導出された未処理排煙Aは、まず導入ダクト2において、スプレーノズル2aから吹込まれるアンモニア(NH)と接触し、排煙中のSOがこのアンモニアや排煙中の水分と反応して硫安となる。
【0006】
次に排煙Aは、乾式の電気集塵機3に導入されてフライアッシュ等の粉塵Bを除去される。この粉塵Bは、未燃カーボンを主体とするもので、例えば重質油焚きボイラの場合にはバナジウムやマグネシウム等の不純物も含有される。また、前記硫安もそのほとんどが、この電気集塵機3で捕集されて粉塵B中に含まれて排出され、例えば産業廃棄物として廃棄処理される。
その後排煙Aは、後述のガスガスヒータ(GGH)の再加熱部5によって大気放出する処理後排煙Cを加熱するために、このGGHの熱回収部4に導入されて熱回収され(熱回収工程)、これにより冷却される。例えばここで、排煙Aの温度は160℃程度から100℃程度に冷却される。
【0007】
次いで排煙Aは、脱硫装置10の後述の吸収塔12,13において、少なくともSOと僅かに残留した粉塵の一部が除去され(吸収工程)、その後GGHの再加熱部5でより大気放出に好ましい温度となるように加熱されて、処理後排煙Cとして図示省略した煙突から大気中に放出される。
【0008】
脱硫装置10は、この場合、吸収剤スラリD(吸収液)が供給される一つのタンク11の上部に、二つの液柱式吸収塔12,13(並流式と向流式)を並べて設置し、排煙が順次各吸収塔に導かれてそれぞれの吸収塔で排煙とタンク11内のスラリとの気液接触が行われる構成としたものである。各吸収塔12,13には、スプレーパイプ15,16がそれぞれ複数設けられ、これらスプレーパイプ15,16から、循環ポンプ17,18が吸上げたスラリが上方に向って液柱状に噴射される。またこの場合、吸収塔の後流側には、同伴ミストを捕集除去するためのミストエリミネータ20が設けられている。なお図10の場合、このミストエリミネータ20で捕集されたミストは、図示省略した下部ホッパへ集められホッパ低部のドレン抜き配管を介してタンク11内に戻る構成となっている。
【0009】
そしてこの装置は、タンク11内のスラリを攪拌しつつ酸化用の空気を微細な気泡として吹込むいわゆるアーム回転式のエアスパージャ21を備え、タンク11内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリと空気とを効率良く接触させて全量酸化し石膏を得る構成となっている。
すなわちこの装置では、吸収搭12又は13でヘッダーパイプ15又は16から噴射され排煙と気液接触して亜硫酸ガス及び粉塵を吸収しつつ流下するスラリは、いずれもタンク11内においてエアスパージャ21により攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。なお、これらの処理中に起きる主な反応は以下の反応式(1)乃至(3)となる。
【0010】
【化1】
Figure 0003621822
【0011】
こうしてタンク11内には、定常的には石膏と吸収剤である少量の石灰石と微量の粉塵が懸濁するようになっており、このタンク11内のスラリがこの場合スラリポンプ22により固液分離機23に供給され、ろ過されて水分の少ない石膏Eとして採り出される。一方、固液分離機23からのろ液の一部F1は、ろ液タンク24及びろ液ポンプ25を経由して、吸収剤スラリDを構成する水分としてスラリ調整槽26に供給され、循環使用される。
【0012】
スラリ調整槽26は、攪拌機を有し、図示省略した石灰石サイロから投入される石灰石G(吸収剤)と、ろ液タンク24より送られるろ液F1とを攪拌混合して吸収剤スラリDを生成するもので、内部の吸収剤スラリDがスラリポンプ27によりタンク11に適宜供給されるようになっている。なお、例えばタンク11には、適宜補給水(工業用水等)が供給され、吸収塔12,13における蒸発等により漸次減少する水分が補われる。また石灰石Gとしては、山元より採取された石灰石を通常100μm程度の粒径に微粉砕したものが使用される。
また、ろ液タンク24のろ液の他の一部は、脱硫装置10における循環水中の不純物の蓄積を防止すべく、いわゆる脱硫排水F2として図示省略した排水処理工程に送られる。
【0013】
上記排煙処理によれば、電気集塵機3以降の排煙中には、SOはほとんど存在しなくなり、前述した不具合が回避される。
すなわち、仮にアンモニア注入が行われずにSOが放置された場合には、このSOは、硫酸露点の特性に従って設備内で凝結して前述した如くヒューム化する。一般的には、そのほとんどがGGHの熱回収部4による冷却によってヒューム化する。
【0014】
このため、少なくともGGHの熱回収部4以降において、設備構成部材の腐食やスケールの発生による排煙流路の閉塞等の不具合が問題となり、装置の高コスト化やメンテナンスコストの増大を招く。また、脱硫装置10から排出される処理後排煙C中には、このSOのヒュームが残存するため、排煙の高度なクリーン化のためには、例えば吸収塔13の後流側でGGHの再加熱部5の前流側に湿式集塵機を設置する必要性が生じて、この点からもコスト増や装置の大型化を招来する。
ところが、図10に示すようにアンモニア注入が行われれば、前述したように電気集塵機3の前流において排煙中のSOが硫安とされ、電気集塵機3で粉塵Bとして捕集されるため、上記SOの問題がいちおう解消される。
【0015】
なお、石炭焚きボイラ用の排煙処理設備などでは、GGHの熱回収部4を電気集塵機3よりも前流側に配置して、熱回収工程を電気集塵よりも先に行う方式(いわゆる高性能システム)が普及している。この方式は、排煙の温度が低いと粉塵の比抵抗の関係で集塵機の容量当たりの集塵性能が向上するという作用に着目し、より簡素かつ小型な装置構成で高い除塵性能を得んとするものであるが、油系の燃料の場合には、排煙中の粉塵の性状(電気抵抗等)の違いから、この方式のメリットはほとんどなく、図10のような装置構成で上記アンモニア注入を行う方式が一般的である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排煙処理方法又は設備は、上述したようなアンモニア注入を行うために、以下のような各種の問題点があった。
すなわち、まず高価なアンモニアを購入して供給する必要があり、運転コストの面で劣る。
また、アンモニアを注入し拡散させるために導入ダクト2を長くする必要があり、設備の小型化の点で支障となっていた。
また、電気集塵機3の後流に残留するアンモニアがあるため、脱硫排水F2中にはN成分が含まれることになり、脱硫排水F2の排水処理においては例えば微生物による脱窒処理等のめんどうなN処理が必要となって、この点でも運転コストの増加や設備の大型化を招く。
【0017】
また、処理後排煙C中にもアンモニアが含有され大気に放出されることになる。アンモニアの排出については、さらなる排煙のクリーン化の観点から好ましくなく、アンモニアの排出規制がある場合には、このアンモニア除去のためのなんらかの対応(設備の付加等)が必要となり、やはりコスト等の点で問題となる。さらに、副生される石膏E中にもアンモニアが含有されるため、石膏の引取り基準によっては、悪臭防止などのために石膏を洗浄する必要が生じる。
【0018】
また、電気集塵機3の後流に残留する硫安灰は、比較的粒径が小さいため、吸収塔12,13の気液接触によっては十分に捕集されず、処理後排煙C中にも残留するため、やはり排煙のさらなるクリーン化という点で問題があった。
したがって、近年益々質的かつ量的な面で高度化が要望される排煙の清浄化技術としては、また、特に近年普及しつつある小規模発電事業や自家発電用のより簡易で低コストな排煙処理技術としては、従来の技術は不十分で改善が望まれていた。
【0019】
そこで本発明は、第1に、排煙中のSO対策が、アンモニア等の薬剤注入をしないで容易に実現でき、しかも注入した物質が処理後排煙中に残留するといった弊害がなく、排煙のさらなるクリーン化が可能な排煙処理方法及び設備を提供することを目的としている。
また第2には、排煙中のSO対策や排煙のクリーン化がより簡易な操作又は装置構成で容易かつ高度に可能となる排煙処理方法及び設備を提供することを目的としている。
さらに第3には、排煙中のSO等の吸収工程として石灰石膏法を採用する場合に、副生品である石膏の純度が高く確保できること、或いは、産業廃棄物の排出量が減量できることを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意研究を進めていたところ、石炭専焼のボイラ用の排煙処理設備では、アンモニア注入をしなくても前述したSOの問題が生じないことが経験的に判明し、この原因は石炭専焼の排煙にはフライアッシュ等の粉塵が多量(油焚きの場合の10〜100倍程度)に含まれているためであることが分った。
【0021】
すなわち、発明者らの研究によれば、排煙中にフライアッシュ等の粉体が含まれる場合には、GGHの熱回収部4における冷却等によって排煙中のSOが凝結しても、この凝結は前記粉体の粒子表面で生じて、SOが凝結してなるHSOの粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し有害なヒューム(硫酸ミスト)とはならないと考えられる。また経験的に、単位体積当たりの排煙中のSO量(S)に対する単位体積当たりの排煙中の前記粉体の量(D)の比(D/S)が、D/S≧2程度となるように粉体が排煙中に存在すれば、SOに起因するスケールの発生や装置構成部材の腐食はほとんど生じないという知見が得られた。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、以下の様な特徴により、上述した課題を解決している。
【0022】
請求項1記載の排煙処理方法は、少なくともSO及びSOを含有する排煙の処理方法であって、熱交換器により排煙から熱回収して排煙を冷却する熱回収工程と、その後排煙を吸収塔に導いて吸収液に気液接触させることにより排煙中の少なくともSOを吸収除去する吸収工程とを有する排煙処理方法において、
前記吸収工程で捕集可能な粉体を排煙中に散布する粉体投入工程を、前記熱回収工程の前に設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の排煙処理方法は、排煙中のSO量(S)に対する前記粉体を含む粉塵量(D)の重量比(D/S)が、D/S≧2となるように、前記粉体を散布することを特徴とする。
【0024】
請求項3記載の排煙処理方法は、前記粉体投入工程における粉体の温度を排煙の温度よりも低い状態とすることを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の排煙処理方法は、前記粉体を液に懸濁させたスラリとして排煙中に散布することを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の排煙処理方法は、前記粉体として石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵を使用することを特徴とする。
【0027】
請求項6記載の排煙処理方法は、乾式の電気集塵機により排煙中の粉塵を捕集する粉塵捕集工程を、前記熱回収工程の後であって前記吸収工程の前に設けるとともに、この粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部を、前記粉体として再使用することを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の排煙処理方法は、前記吸収工程を石灰石膏法により行い、前記粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部を、前記吸収工程において副生される石膏中に混入させて系外に排出することを特徴とする。
【0029】
請求項8記載の排煙処理方法は、前記粉体として石灰石を微粉砕したものを使用することを特徴とする。
【0030】
請求項9記載の排煙処理方法は、前記吸収工程を石灰石膏法により行い、この吸収工程における吸収剤として必要な石灰石の全量を、前記粉体として排煙中に投入することにより、間接的に前記吸収液中に吸収剤を供給することを特徴とする。
【0031】
請求項10記載の排煙処理方法は、前記吸収工程で排煙と気液接触した吸収液を前記スラリとして排煙中に散布し、前記吸収液中の固形分を前記粉体として使用することを特徴とする。
【0032】
請求項11記載の排煙処理方法は、前記吸収工程で排煙と気液接触した吸収液中の固形分を前記粉体として使用することを特徴とする。
【0033】
請求項12記載の排煙処理方法は、前記排煙の一部を抜き出してなるガスにより、前記固形分を乾燥処理するとともに気流搬送して排煙中に散布することにより、前記粉体投入工程を実行することを特徴とする。
【0034】
請求項13記載の排煙処理設備は、少なくともSO及びSOを含有する排煙の処理設備であって、排煙から熱回収して排煙を冷却する熱交換器と、この熱交換器の後流側で排煙を吸収液に気液接触させることにより排煙中の少なくともSOを吸収除去する吸収塔とを有する排煙処理設備において、
粉体を排煙中に散布する粉体投入手段を、前記熱交換器の前流側に設けたことを特徴とする。
【0035】
請求項14記載の排煙処理設備は、前記粉体を含む排煙中の粉塵を捕集する乾式の電気集塵機を、前記熱交換器の後流側であって前記吸収塔の前流側に設けるとともに、この電気集塵機で捕集した粉塵の少なくとも一部が、前記粉体として再使用される構成としたことを特徴とする。
【0036】
請求項15記載の排煙処理設備は、前記粉体投入手段を、粉体を液に懸濁させたスラリとして排煙中に散布するノズルにより構成するとともに、前記吸収塔において排煙と接触した吸収液の一部を前記スラリとして抜き出して前記ノズルに供給する吸収液供給手段を設けることにより、前記吸収液中に含まれる固形分が前記粉体として使用される構成としたことを特徴とする。
【0037】
請求項16記載の排煙処理設備は、前記粉体投入手段を、粉体を乾燥状態で気流により排煙中に散布するノズルにより構成するとともに、
前記吸収塔において排煙と接触した吸収液から固形分を分離する固液分離手段と、この固液分離手段で分離された固形分の少なくとも一部を乾燥させる乾燥処理手段と、この乾燥処理手段で乾燥処理された前記固形分を前記粉体として前記ノズルに気流搬送する気流搬送手段とを設け、
前記吸収液中に含まれる固形分が前記粉体として使用される構成としたことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の各例を図面に基づいて説明する。なお、図10に示す従来例と同様の要素には同符号を付して重複する説明を省略する。
第1例
まず、図1により本発明の第1例を説明する。この例は、図10の従来の排煙処理において、アンモニア注入工程を削除し、GGHの熱回収部4の前流側に粉体を散布する粉体投入手段(図示省略)を設置し、この粉体投入手段により石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵(いわゆる石炭灰H)を粉体として排煙A中に散布する工程(粉体投入工程)を、前記熱回収部4による熱回収工程の前に設けたものである。
【0039】
なお上記石炭灰Hとしては、例えば石炭専焼発電プラントにおける排煙処理設備の電気集塵機により捕集されたものが使用できる。このような石炭灰は、通常産業廃棄物として処理されているので、ほとんど運搬コストだけで極めて安価に入手可能である。
【0040】
また、上記粉体投入手段としては、例えば気流搬送によるもの、或いはスラリ搬送によるものが使用できる。気流搬送によるものとしては、例えば、粉体を気流搬送するためのブロワ又は空気圧縮気や輸送管と、気流搬送された粉体を排煙のダクト内に分散させて噴射させる固定式ノズルとよりなるものが使用できる。また、スラリ搬送によるものとしては、例えば、粉体を液中に混入させてスラリとする攪拌槽と、この攪拌槽で生成されたスラリを圧送するためのスラリポンプと、圧送されたスラリを排煙のダクト内に分散させて噴射させる固定式ノズルとよりなるものが使用できる。
【0041】
なお、粉体をスラリとして散布する場合には、SOが粉体粒子表面に捕集される作用が高く発揮されるように、スラリを構成する液を排煙の熱により即座に蒸発するものとすることが好ましいが、この液としては、例えば一般的な工業用水等の水で十分である。排煙Aの温度は160℃程度と高温のため、散布されたスラリ中の水分は即座に蒸発するからである。
また、スラリの粉体濃度も脱硫装置10における吸収剤スラリの固形分濃度と同程度(例えば、20〜30重量%程度)でよい。なお、発明者らの試算によれば、このようにスラリとして散布する場合でも、その量は後述する如く排煙に対して僅かでよいため、排煙の温度は数℃程度しか低下せず、その後のGGHでの熱回収にはなんら問題ない。
【0042】
すなわち、粉体としての石炭灰Hの投入量は、スラリとして散布する場合でも、単位体積当たりの排煙中のSO量(S)に対する単位体積当たりの排煙中の粉体量(D)の重量比(D/S)が、例えばD/S≧2程度となるように僅かに散布してやればよい(例えば、SO濃度が50mg/mNの場合、石炭灰Hを100mg/mN以上投入すればよい)。
【0043】
このようにすれば、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現できる。
すなわち、GGHの熱回収部4における冷却等によって排煙中のSOが凝結しても、この凝結はほとんどすべてが前記石炭灰等の排煙中の粉体の粒子表面で生じて、SOが凝結してなるHSOの粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有害なヒューム(硫酸ミスト)はほとんど生じない。
【0044】
しかも、投入された石炭灰は、粒径が10μm程度と比較的大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、比較的高い捕集率で脱硫装置10の吸収塔12,13において捕集され、その後の処理後排煙C中にほとんど残留しない。
なお、吸収塔12,13で捕集された石炭灰は、循環するスラリ中に溶解又は懸濁して、最終的には副生された石膏E中に含有されるが、僅か数パーセント程度であるのでほとんどの場合には問題ない。一方、石炭灰等の表面に凝結し石炭灰等とともに捕集されたSOよりなる硫酸は、最終的には吸収塔のタンク11内等において石灰石と前述の中和反応(3)を起こし、副生される石膏の一部となる。
【0045】
したがって本例によれば、GGHの熱回収部4やそれ以降のダクト等において、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとともに、以下のような実用上優れた各種の効果が得られる。
(1)アンモニア消費量がゼロになって運転コストが格段に低減できる。
(2)アンモニア注入のための設備が不要になり、かつアンモニア拡散のためにダクトを特別に長くする必要もなくなって、その分設備コスト低減及び設備の小型化が図れる。
(3)脱硫排水F2中にN成分が含まれないため、脱硫排水F2の排水処理においてはめんどうなN処理が不要となって、この点でも運転コストの低減や設備の小型化が図れる。
【0046】
(4)処理後排煙C中に含有されて大気放出されるアンモニアがゼロになり、さらなる排煙のクリーン化に大きく貢献できるとともに、将来のアンモニア排出規制にも容易に対応できる。
(5)副生される石膏E中に含有されるアンモニアもなくなるため、悪臭防止などのために石膏を洗浄する必要もなくなる。
(6)従来のように処理後排煙C中に残留する硫酸ミストや硫安灰よりなる粉塵がなくなり、吸収塔の後流側に湿式の電気集塵機を設けるといった手段を講じなくても、設備全体として除塵性能が向上し、この点でも排煙のさらなるクリーン化に貢献できる。
【0047】
(7)また、粉体である石炭灰Hをスラリとして散布する場合には、従来より脱硫装置等で使用していたスラリ生成用の攪拌槽やスラリポンプ、さらにはスラリ散布用のノズル等の機器がそのまま使用でき、設備コストや装置の操作性の面でも有利であるとともに、気流搬送の場合よりも排煙中に均一に拡散することが容易となり、より効率良くSOに起因する不具合が防止できる。
またこの場合、スラリの液が排煙中に蒸発する際の冷却効果(或いはスラリの液が存在することによる保冷効果)により、石炭灰Hの粒子の温度がより低く維持されるため、石炭灰Hの粒子表面へのSOの凝結が促進され、粉体である石炭灰HによるSOの捕集機能がより高度に発揮される。
【0048】
(8)さらに本例では、石炭灰Hを投入する手段以外は、乾式電気集塵機3等の機器の配置構成も、また脱硫装置10の構成も図6に示した従来設備と全く同様でよい。このため、本発明を適用するための既存の排煙処理設備の改造が極めて容易であるという、固有の効果を有する。
【0049】
なお図4は、本発明(特に、石炭灰投入)の原理を裏付ける実測データである。
このデータは、排煙中の石炭灰濃度をパラメータとした場合の、GGHの入口(熱回収部入口)でのSOガス濃度と、GGHの出口(再加熱部出口)でのSOミスト濃度との関係(即ち、SOの除去率)を示すデータである。なお図において、黒塗りの実測点は、熱回収部4等の機器の内部表面への硫酸ミストの付着が肉眼により観察されたデータを示し、一方、白抜きの実測点は、そのような硫酸ミストの付着が観察されなかったデータを示している。
【0050】
このデータからは、D/Sが1.5程度でも、90%近くのSOが除去されて、SOのミストの機器表面への付着もなく、出口排煙中にはSOのミストは10%程度しか残留しないことが分る。したがって、例えばD/S≧2程度となるように排煙中に石炭灰を投入する本発明であれば、SOのミストはほぼ完全に除去されて処理後排煙中にはほとんど残留しないこと、またミストの付着による腐食やスケールの発生が信頼性高く防止されることは明らかである。
なお、このような石炭灰によるミストの除去作用は、SOを排煙中の粒子表面に凝結させるという物理的なものであるので、石炭灰以外の粉体(例えば、微粉砕石灰石)の場合でも、同様に生じる。
【0051】
第2例
次に、図2により本発明の第2例を説明する。この例は、基本的には第1例と同様に石炭灰を本発明の粉体としてGGHの熱回収部4の前流に散布するものであるが、乾式の電気集塵機3を熱回収部4の後流側に配設して、この電気集塵機3により排煙中の粉塵を捕集する粉塵捕集工程を、前記熱回収部4による熱回収工程の後であって脱硫装置10による吸収工程の前に設けた点に特徴を有するものである。
なおこの場合も、石炭灰を気流搬送により排煙中に散布してもよいし、スラリ化して散布してもよい。
【0052】
そしてこの例では、この電気集塵機3による粉塵捕集工程で捕集した粉塵の一部B1を、熱回収部4の前流に散布する本発明の粉体として再使用する構成としている。すなわち、電気集塵機3で捕集された粉塵の一部B1は、この場合一旦粉体サイロ30に供給され、ここで新たな石炭灰Hを添加された後、再び前述した粉体投入手段よって熱回収部4の前流に散布されて、循環使用される。このため本例の場合、熱回収部4の前流に散布される粉体中には、外部から供給される石炭灰Hの他に、エアヒータ1から導出される未処理排煙A中に元来含有されていたフライアッシュ等の粉塵も含まれる。
【0053】
また本例では、乾式の電気集塵機3で捕集した粉塵の残りの一部B2を、脱硫装置10において副生される石膏E中に均一に混入させて系外に排出するようにしている。
なおここで、散布する粉体の全投入量は、前述のD/Sが例えば2程度になるように必要最低限の量とするのが好ましく、また循環使用する粉塵B1の量は、散布される粉体がSOを捕集する能力を有する限界まで増加させ、新たに追加する石炭灰Hの量や排出すべき粉塵B2の量を必要最小限とするのが好ましい。このようにすれば、石膏E中に混入させる粉塵B2の量を僅かにすることができ、石膏Eの純度を高く確保できるとともに、新たに追加すべき石炭灰Hの量を減量させて石炭灰Hの取扱いを容易化できる。
【0054】
本例でも、第1例と同様に前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現できる。
しかも、本例は電気集塵機3の前流に熱回収部4が配置された前述の高性能システムの構成となっているので、電気集塵機3の容量当たりの性能が向上し、投入された石炭灰Hは小型な電気集塵機3により高い捕集率で排煙中から除去することができる。また、未処理排煙A中に元来含有されていた粉塵も、この電気集塵機3及び脱硫装置10の吸収塔12,13においてほぼ完全に捕集され、その後の処理後排煙C中にほとんど残留しない。
【0055】
したがって本例によっても、GGHの熱回収部4やそれ以降のダクト或いは電気集塵機3のホッパ等において、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとともに、第1例で説明した(1)〜(7)と同様の効果が得られる。
また本例の場合には、SOを捕集する粉体としての石炭灰H等を循環使用するようにしているので、新たに供給すべき石炭灰Hの量を減量することができるとともに、石膏Eに混入させる粉塵B2の量を最小限にして石膏Eの純度を高く確保することができるという、固有の効果を有する。
【0056】
また、粉塵B2を石膏Eに混入させるようにしているので、産業廃棄物としての粉塵の排出量を無くして、この点でも運転コスト低減等に貢献できる。
なお、より高い石膏純度が求められる場合には、粉塵B2の一部或いは全部を石膏Eに混入させないようにしてもよいのは、いうまでもない。
【0057】
第3例
次に、図3により本発明の第3例を説明する。この例は、第1例と同様に、GGHの熱回収部4の前流側に粉体を散布する粉体投入手段を設置し、この粉体投入手段により石灰石(CaCO)を微粉砕してなる粉体(即ち、例えば前述の石灰石G)を本発明の粉体として排煙A中に散布するものである。
なおこの場合も、石灰石を微粉砕したものを気流搬送により排煙中に散布してもよいし、スラリ化して散布してもよい。
【0058】
また本例では、図10におけるスラリ調整槽26やスラリポンプ27を削除して、ろ液F1を直接吸収塔のタンク11に戻す構成とし、脱硫装置10での吸収工程や石膏副生のための吸収剤として必要な石灰石の全量を、前記粉体として熱回収部4の前流で排煙中に投入することにより、間接的に脱硫装置10のタンク11内のスラリ中に吸収剤を供給する。
この場合、吸収剤として必要な石灰石Gの量は、基本的に排煙中の硫黄酸化物量に化学量論的に比例した量となるので、排煙Aが通常の燃焼排ガス(例えば重質油等の油系燃料の排煙)であれば、単位体積当たりの排煙中のSO量(S)に対する単位体積当たりの排煙中の粉体量(D)の重量比(D/S)は、発明者らの試算によればD/S=28程度となる。
【0059】
このため本例では、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現できる。
すなわち、GGHの熱回収部4における冷却等によって排煙中のSOが凝結しても、この凝結はほとんどすべてが前記石灰石等の排煙中の粉体の粒子表面で生じて、SOが凝結してなるHSOの粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有害なヒューム(硫酸ミスト)はほとんど生じない。
【0060】
しかも、投入された石灰石は、粒径が100μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、格段に高い捕集率で脱硫装置10の吸収塔12,13において捕集され、その後の処理後排煙C中にほとんど残留しない。
なお、吸収塔12,13で捕集された石灰石は、循環するスラリ中に溶解又は懸濁して、スラリを中和して石膏を副生するための前述の吸収剤(アルカリ剤)として作用する。一方、石灰石等の表面に凝結し石灰石等とともに捕集されたSOよりなる硫酸は、最終的には吸収塔のタンク11内等において石灰石と前述の中和反応(3)を起こし、副生される石膏の一部となる。
【0061】
したがって本例によっても、GGHの熱回収部4やそれ以降のダクト等において、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとともに、第1例で説明した(1)〜(7)と同様の効果が得られる。
しかも本例では、脱硫装置10の吸収工程で必要な石灰石の全量を前記粉体として供給するようにしており、従来のスラリ調整槽26やスラリポンプ27を削除しているため、この点でさらなる装置コストの低減及び装置の小型化が実現できるという固有の効果が得られる。
【0062】
なお図5は、本発明(特に、石灰石投入)の原理を裏付ける実測データである。
このデータは、SOを3.7〜11.5ppm程度含有する排煙中に石灰石の粉体と水よりなるスラリ(濃度が20〜30重量%程度のもの)を単に散布し、その後の排煙からの熱回収を行わない場合の、石灰石の投入割合と、石灰石の粒子表面に凝結して除去されるSOガスの割合とを示している。このデータから石灰石をスラリとして単に煙道に散布するだけでも、SOが有効に除去できることが分り、粉体投入後に熱回収してSOを積極的に凝結させる本発明の構成であれば、D/Sが低くてもSOが高い除去率で除去できることが分る。
【0063】
第4例
次に、図6により本発明の第4例を説明する。なお図6,図7,図8では、脱硫装置10の詳細構成の図示を省略している。
この例は、やはりGGHの熱回収部4の前流側に粉体を散布する粉体投入手段40を設置し、脱硫装置10で副生された石膏固形分Eの一部E1を、排煙Aの一部を抜き出してなるガスA1で乾燥処理しつつ前記粉体投入手段40に気流搬送して、乾燥状態で本発明の粉体として排煙A中に散布するものである。
【0064】
すなわち、固液分離機23で脱水分離された固形分Eは、分流ホッパ41で分流され、排煙A中の前述の重量比D/Sの調整に必要な分量E1と、その残りE2とに分けられる。そして、残りの固形分E2は副生石膏として従来どおり取扱われる。一方、分流された固形分E1は、例えばスクリューフィーダ42により所定の流量で解砕機43に投入されて解砕された後、気流乾燥筒44を経由して乾燥状態で粉体投入手段40に供給される構成となっている。
【0065】
ここで解砕機43は回転式解砕機である。回転式解砕機は、衝撃式解砕機の一種で、ブロワーの羽根の様な回転円板に同芯円状に植えられた衝撃棒で泥状材料をガス中に分散させ、浮遊状態で排出搬送するものであり、高温ガスと湿潤材料を処理する場合には、粉砕と乾燥が同時に起こる。
この解砕機43には、排煙Aの一部が乾燥用ファン45により抜き出されてなるガスA1が導入され、解砕後の固形分E1とともに気流乾燥筒44を経由して粉体投入手段40に供給される構成となっている。なおこの場合、ガスA1としては、電気集塵機3の後流に通常設置される排煙用ファン46(図1等においては図示省略している)の後流側から排煙Aの一部が抜き出された高温のガスが使用されている。
【0066】
また粉体投入手段40は、気流乾燥筒44を経由したガスA1及びガスA1中の粉状固形分E1を、乾燥用ファン45の圧力で排煙Aのダクト40a内に噴射するノズル40bよりなる。この場合のノズル40bは、図に示す如く、ダクト40aの壁面に内部に開口する状態で接続された細径管よりなるものであるが、この態様に限られないのはいうまでもない。
【0067】
本例では、脱硫装置10で副生された石膏を主成分とする固形分Eの一部E1が分流され、この固形分E1がまず解砕機43で解砕されて粉末状になるとともに、導入されたガスA1との熱交換で乾燥処理される。さらに、解砕機43である程度乾燥が進んだ粉末状の固形分E1は、次いで気流乾燥筒44内を気流搬送されながらさらにガスA1との熱交換で十分乾燥処理され、その後粉体投入手段40により、ガスA1とともに熱回収部4の前流で排煙A中に散布される。なお、こうして排煙A中に散布される粉末状の固形分E1及びガスA1の温度は、100℃程度となり、排煙Aの温度(160℃程度)よりも低くなる。
【0068】
このため本例でも、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現できる。
すなわち、GGHの熱回収部4における冷却等によって排煙中のSOが凝結しても、この凝結はほとんどすべてが前記固形分E1等の排煙中の粉体の粒子表面で生じて、SOが凝結してなるHSOの粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有害なヒューム(硫酸ミスト)はほとんど生じない。
【0069】
しかも、投入された固形分E1の主成分である石膏粒子は、粒径が20〜40μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、高い捕集率で脱硫装置10において捕集され、その後の処理後排煙C中にほとんど残留しない。
なお、脱硫装置10で捕集された固形分E1は、循環するスラリ中に溶解又は懸濁して、スラリ中の固形分として戻されることになる。一方、この固形分E1等の粒子表面に凝結しこの粒子とともに捕集されたSOよりなる硫酸は、最終的には脱硫装置10において石灰石と前述の中和反応(3)を起こし、副生される石膏の一部となる。
【0070】
したがって本例によっても、GGHの熱回収部4やそれ以降のダクト等において、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとともに、第1例で説明した(1)〜(6)と同様の効果が得られる。
しかも本例では、脱硫装置10のスラリ中の固形分E1を前記粉体として供給するようにしており、粉体の原料費や輸送費が全く不要になるため、例えば第1例のように石炭灰を粉体として供給する場合に比較しても、さらなるコスト低減が実現できるという固有の効果が得られる。
【0071】
なお本例の装置構成であれば、例えば下記のような運転条件とすることで、排煙中のD/Sを10程度に調整することが可能であり、D/Sが10程度であれば、前述の実測データからも分るようにSOミストによる不具合発生が生じないことが確認されている。
排煙Aの流量;110×10N/h
排煙A中のSO濃度;20ppm
ガスA1の温度(解砕機43の入口);154℃
ガスA1の温度(気流乾燥筒44の出口);100℃
ガスA1の流量;4300mN/h
分流される石膏固形分E1の流量;880kg/h
【0072】
第5例
次に、図7により本発明の第5例を説明する。
この例は、第4例と同様に、やはりGGHの熱回収部4の前流側に粉体を散布する粉体投入手段40を設置し、脱硫装置10で副生された石膏固形分Eの一部E1を、処理後排煙Cの一部で乾燥処理しつつ前記粉体投入手段40に気流搬送して、乾燥状態で本発明の粉体として排煙A中に散布するものである。
すなわち本例は、第4例において解砕機43に導入する乾燥用ガスとして、処理後排煙Cの一部を乾燥用ファン51により抜き出してなるガスC1を利用したもので、排煙A中のSO濃度が低い場合に好ましい態様である。
本例でも、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現でき、第4例と同様の効果が得られる。
【0073】
なお、本例の装置構成であれば、例えば下記のような運転条件とすることで、排煙中のD/Sを4程度に調整することが可能であり、D/Sが4程度であれば、前述の実測データからも分るようにSOミストによる不具合発生が生じないことが確認されている。
排煙Aの流量;110×10N/h
排煙A中のSO濃度;10ppm
ガスC1の温度(解砕機43の入口);103℃
ガスC1の温度(気流乾燥筒44の出口);80℃
ガスC1の流量;2000mN/h
分流される石膏固形分E1の流量;175kg/h
【0074】
第6例
次に、図8により本発明の第6例を説明する。
この例は、第4例における解砕機43と気流乾燥筒44に代えて、回転円筒式の乾燥機(ロータリードライヤ)61と粉砕機(ロールクラッシャ)62を用いたものである。この場合、湿潤状態の石膏固形分E1は、まず乾燥機61の上流に導入され、乾燥機61の回転に従い下流に移動して乾燥状態で排出される。次いでこの乾燥状態の石膏固形分E1は、粉砕機62に導入されて粉砕され、ガス中に分散して粉体投入手段40に送られ、やはり乾燥状態で本発明の粉体として排煙A中に散布される。
【0075】
一方、排煙Aの一部を抜き出してなる乾燥用のガスA1は、乾燥機61の下流側から導入され、石膏固形分E1と接触してこれを乾燥させた後、乾燥機61の上流側から排出される。そして、乾燥機61から排出されたこのガスA1は、この場合ファン63によって粉砕機62の出口側に供給され、乾燥状態の石膏固形分E1を気流搬送するガスとして機能して、粉体投入手段40によって石膏固形分E1とともに排煙A中に投入され、最終的には排煙A中に戻される。
本例でも、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現でき、第4例と同様の効果が得られる。
【0076】
なお、本例の装置構成であれば、例えば下記のような運転条件とすることで、排煙中のD/Sを10程度に調整することが可能である。
排煙Aの流量;110×10N/h
排煙A中のSO濃度;20ppm
ガスA1の温度(乾燥機61の入口);155℃
ガスA1の温度(乾燥機61の出口);120℃
ガスA1の流量;6700mN/h
分流される石膏固形分E1の流量;875kg/h
【0077】
第7例
次に、図9により本発明の第7例を説明する。
この例は、GGHの熱回収部4の前流側に粉体をスラリとして散布するノズル71(粉体投入手段)を設置し、脱硫装置10の吸収塔タンク11からポンプ72(吸収液供給手段)により抜き出したスラリD1(吸収液)を排煙A中に散布するものである。
この場合も、排煙A中のD/Sを所定値に調整すべく、排煙A中のSO濃度に応じた量のスラリD1を散布することで、前述した粉体の作用が確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置構成で実現でき、第4例と同様の効果が得られる。
【0078】
すなわち、上記スラリD1を構成する水分は、排煙Aの熱により即座に蒸発するため、上記スラリD1を構成する固形分(主成分は石膏)を乾燥状態で排煙A中に散布した場合と同様の作用(SOの捕集作用)が実現できる。
しかもこのようにスラリ状で散布した場合には、前述したようにスラリの液が排煙中に蒸発する際の冷却効果(或いはスラリの液が存在することによる保冷効果)により、固形分の粒子(即ち、本発明の粉体粒子)の温度がより低く維持されるため、この粒子表面へのSOの凝結が促進され、SOの捕集機能がより高度に発揮される。
【0079】
しかも本例は、脱硫装置の吸収液D1をそのまま抜き出してGGH前流で排煙中に散布する構成なので、装置構成が極めて簡素になり、コスト面で極めて有利となるという固有の効果を奏する。すなわち、例えば石炭灰をスラリ状にして散布するには、スラリ化するための調整槽や石炭灰の貯蔵手段等が別途必要になるし、また前述の第4例のように石膏固形分を乾燥させて排煙中に散布する場合には、乾燥処理のための乾燥機等の設備を別個に設ける必要があるが、本例ではこのような設備は全く不要である。
【0080】
なお、本発明は以上説明した形態例に限られず、各種の態様があり得る。例えば本発明の粉体は、石灰石や石炭灰或いは石膏に限られず、SOがその粒子表面に凝結することができ、通常の電気集塵機や脱硫装置の吸収塔において捕集可能な粉体であれば、いかなるものでもよい。但し、上記石灰石や石炭灰或いは石膏であれば、従来より排煙処理設備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い上の技術も既存のものですむため、入手や取扱いが容易であって、設備全体の運転になんら弊害がないばかりか、前述したようにかえって石灰石を吸収塔タンクに供給する手間が省ける等の利点がある。
【0081】
また、SOが粉体粒子表面に凝結するのを促進するため、排煙の温度より低い温度の粉体(又はそのスラリ)、例えば必要に応じて強制的に冷却した粉体(又はそのスラリ)を排煙中に散布するようにしてもよい。このようにすれば、より効果的にSOを粉体粒子表面に凝結させて、有害なSOのミストの発生をより高度かつ容易に阻止できる。
【0082】
また、本発明の粉体としては、例えば石灰石と石炭灰の両者を混合して或いは別個に投入してもよい。さらに、石灰石を投入する場合でも、SOの捕集に必要な分だけを排煙中に散布して、残りは従来どおり脱硫装置の吸収塔のタンクに直接供給するようにしてもよい。
【0083】
また、脱硫装置(吸収工程)で副生された石膏固形分を乾燥させて本発明の粉体として排煙中に散布する場合の乾燥処理に、第6例(図8)のような回転円筒式の乾燥機を用いた場合にも、第5例(図7)のように、処理後排煙Cの一部C1を乾燥用のガスとして利用してもよいことはいうまでもない。
また、上記石膏固形分を乾燥処理するための乾燥処理手段としては、例えば排煙処理装置の系外から供給される蒸気などの熱により、石膏固形分を乾燥させる間接加熱方式の乾燥機を使用してもよい。
【0084】
また、本発明の吸収工程或いは吸収塔の構成は、前述した形態例に限られないことはいうまでもない。例えば、吸収塔の構成は一塔タイプのものでもよいし、また充填式、スプレー式、バブリング式等の各種方式の吸収塔(気液接触装置)が採用できる。また、吸収剤として石灰石のようなカルシウム化合物を使用するものに限られず、例えば水酸化ナトリウムや水酸化マグネシウムを使用する脱硫方法を採用してもよい。
【0085】
また本発明は、例えば、重油、オリマルジョン、VR焚き、CWM/重油といった、各種油系の燃料を用いるボイラの排煙用として用いて、特に高い効果が得られるが、例えば石炭/重油混焼ボイラに使用しても同様の効果が得られる。また、石炭専焼ボイラであっても、起動時や試運転時等には、油系の燃料を燃やすことがあるので、そのような場合には、本発明を適用すると有効である。
【0086】
【発明の効果】
本発明では、吸収塔において捕集可能な粉体を排煙中に散布する粉体投入工程を、熱交換器による熱回収工程の前に設けた。このため、この粉体投入工程以降において例えば前記熱回収工程による冷却で排煙中のSOが凝結しても、この凝結は前記粉体の粒子表面で生じて、SOが凝結してなるHSOの粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有害なヒューム(硫酸ミスト)の発生が減少する。しかも、この粉体は吸収塔において捕集可能であるため、前記HSOの粒子もこの粉体とともに吸収塔で捕集され、少なくとも処理後排煙中にこの粉体やHSOの粒子が残留することはない。
このため本発明によれば、排煙中のSO対策が、アンモニア注入をしないで容易に実現でき、しかも注入した物質が処理後排煙中に残留するといった弊害がなく、排煙のさらなるクリーン化が可能となる。
【0087】
特に、排煙中のSO量(S)に対する前記粉体を含む粉塵量(D)の重量比(D/S)が、D/S≧2となるように、前記粉体を散布する場合には、SOの凝結はほとんどが前記粉体等の粒子表面で生じて、有害なヒューム(硫酸ミスト)の発生がほぼ確実に回避されて、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止される。このため結果として、アンモニア注入は完全に廃止することができるため、以下のような実用上優れた各種の効果が得られる。
【0088】
(1)アンモニア消費量がゼロになって運転コストが格段に低減できる。
(2)アンモニア注入のための設備が不要になり、かつアンモニア拡散のためにダクトを特別に長くする必要もなくなって、その分設備コスト低減及び設備の小型化が図れる。
【0089】
(3)脱硫排水中にN成分が含まれないため、脱硫排水の排水処理においてはめんどうなN処理が不要となって、この点でも運転コストの低減や設備の小型化が図れる。
(4)処理後排煙中に含有されて大気放出されるアンモニアがゼロになり、さらなる排煙のクリーン化に大きく貢献できるとともに、将来のアンモニア排出規制にも容易に対応できる。
【0090】
(5)石灰石膏法を採用した場合、副生される石膏中に含有されるアンモニアもなくなるため、悪臭防止などのために石膏を洗浄する必要もなくなる。
(6)従来のように処理後排煙中に残留する硫酸ミストや硫安灰よりなる粉塵がなくなり、吸収塔の後流側に湿式の電気集塵機を設けるといった手段を講じなくても、設備全体として除塵性能が向上し、この点でも排煙のさらなるクリーン化に貢献できる。
【0091】
また、排煙中に散布する粉体の温度を排煙の温度よりも低い状態とする場合には、より効果的にSOを粉体粒子表面に凝結させて、有害なSOのミストの発生をより高度かつ容易に阻止できる。
【0092】
また、粉体を液に懸濁させたスラリとして排煙中に散布する場合には、従来より脱硫装置等で使用していたスラリ生成用の攪拌槽やスラリポンプ、さらにはスラリ散布用のノズル等の機器がそのまま使用でき、設備コストや装置の操作性の面でも有利であるとともに、気流搬送の場合よりも排煙中に均一に拡散することが容易となり、より効率良くSOに起因する不具合が防止できる。
またこの場合、スラリの液が排煙中に蒸発する際の冷却効果(或いはスラリの液が存在することによる保冷効果)により、粉体粒子の温度がより低く維持されるため、粉体粒子表面へのSOの凝結が促進され、粉体によるSOの捕集機能がより高度に発揮される。
【0093】
また、前記粉体として石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵(石炭灰)を使用した場合にも、排煙のクリーン化が高度に実現される。すなわち、石炭灰は、やはり粒径が数10μm程度と比較的大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、比較的高い捕集率で吸収塔において捕集され、その後の処理後排煙中にほとんど残留しない。
また石炭灰であれば、石灰石と同様に従来より排煙処理設備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い上の技術も既存のものですむため、入手や取扱いが容易であって、運転コストや設備コストがより低減できる。特に石炭灰は、石炭専焼発電プラント等において、一般に産業廃棄物として廃棄されるものであるため、ほとんど無料で入手でき有利である。
【0094】
また、乾式の電気集塵機により排煙中の粉塵を捕集する粉塵捕集工程を、熱回収工程(熱交換器)の後であって吸収工程(吸収塔)の前に設けるとともに、この粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部を、前記粉体として再使用する構成とした場合には、前述の基本的な効果に加えて、さらに以下のような固有の作用効果がある。
【0095】
すなわち、この場合電気集塵機の前流に熱交換器が配置されたいわゆる高性能システムの構成となっているので、電気集塵機の容量当たりの性能が向上し、投入された石炭灰は小型な電気集塵機により高い捕集率で排煙中から除去することができる。また、未処理排煙中に元来含有されていた粉塵も、この電気集塵機及び吸収塔においてほぼ完全に捕集され、その後の処理後排煙中にほとんど残留しない。
【0096】
したがってこの場合でも、前記熱交換器やそれ以降のダクト或いは電気集塵機のホッパ等において、SOによるスケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとともに、前述の(1)〜(6)と同様の効果が得られる。
しかもこの場合には、SOを捕集する粉体としての石炭灰等が循環使用されるので、新たに供給すべき石炭灰の量を減量することができるとともに、系外に排出すべき石炭灰等の粉塵量が減量できる。またこのため、後述する如く、系外に排出すべき石炭灰等の粉塵を石灰石膏法の場合の石膏に混入させるようにした場合でも、この粉塵の量を最小限にして石膏の純度を高く確保することができるという、固有の効果を有する。
【0097】
さらに、粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部(つまり、系外に排出すべき石炭灰等の粉塵)を、石灰石膏法の場合の副生品である石膏に混入させるようにした場合には、産業廃棄物としての粉塵の排出量を無くして、この点でも運転コスト低減等に貢献できる。
【0098】
また、前記粉体として石灰石を微粉砕したものを使用する場合には、投入された石灰石は、粒径が100μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、格段に高い捕集率で吸収塔(吸収工程)において捕集され、その後の処理後排煙中にほとんど残留しない。このため、排煙のクリーン化が特に高度に実現される。
【0099】
また石灰石であれば、従来より排煙処理設備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い上の技術も既存のものですむため、入手や取扱いが容易であって、運転コストや設備コストがより低減できる。
また石灰石であれば、排煙中に投入しても設備全体の運転になんら弊害がないという利点もある。すなわちこの場合、吸収塔で捕集された石灰石は、吸収液中に溶解又は懸濁して、吸収液を中和するための吸収剤(アルカリ剤)として作用し、硫黄酸化物の吸収反応をかえって促進する。
また、吸収剤として石灰石を使用し吸収した硫黄酸化物から石膏を副生する石灰石膏法を採用した場合には、石灰石を粉体として排煙中に投入する態様であれば、石灰石の全体の投入量を従来どおり管理すれば石膏の純度になんら悪影響がなく、また投入した石灰石は有用な石膏となるので、産業廃棄物の増加も全くない。
【0100】
また、排煙中のSO等の吸収工程を石灰石膏法により行い、この吸収工程における吸収剤として必要な石灰石の全量を、前記粉体として排煙中に投入する構成とした場合には、従来石灰石を例えばスラリ化して吸収塔タンクに供給していた設備が全く不要になり、この点でさらなる設備コストの低減等が図れる。
【0101】
また、前記粉体として排煙と接触した吸収液中の固形分(石灰石膏法の場合は、主成分が副生石膏)を使用する場合には、投入された固形分は、粒径が通常20〜40μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、高い捕集率で吸収塔(吸収工程)において捕集され、その後の処理後排煙中にほとんど残留しない。このため、排煙のクリーン化がやはり高度に実現され、また前述の(1)〜(6)と同様の効果が得られる。
なおこの場合には、吸収工程における副生物を主成分とする固形分を粉体として使用することになるので、前記副生物の純度が粉体投入により全く低下せず、副生物の純度を特に高く維持できるという固有の効果がある。
【0102】
しかも吸収液中の固形分(例えば、石膏)であれば、従来より排煙処理設備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い上の技術も既存のものですむため、運転コストや設備コストがより低減できる。
特に、吸収塔(吸収工程)で排煙と接触し副生された固形分(例えば、石膏)を含むスラリ状の吸収液を、そのまま本発明の粉体を含むスラリとして排煙中に散布し、前記吸収液中の固形分を本発明の粉体として使用する場合には、装置構成が極めて簡素になり、コスト面で極めて有利となるという固有の効果を奏する。すなわち、例えば石炭灰をスラリ状にして散布するには、スラリ化するための調整槽や石炭灰の貯蔵手段等が別途必要になるし、また吸収液中の固形分を乾燥状態で排煙中に散布する場合には、乾燥処理のための乾燥機等の設備を別個に設ける必要があるが、この場合にはこのような設備は全く不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図4】本発明の原理を裏付けるデータを示す図である。
【図5】本発明の原理を裏付ける他のデータを示す図である。
【図6】本発明の第4例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図7】本発明の第5例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図8】本発明の第6例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図9】本発明の第7例である排煙処理設備の構成を示す図である。
【図10】従来の排煙処理設備の構成例を示す図である。
【符号の説明】
2 導入ダクト
3 乾式の電気集塵機
4 ガスガスヒータの熱回収部(熱交換器)
5 ガスガスヒータの再加熱部
10 脱硫装置
12,13 吸収塔
23 固液分離機(固液分離手段)
40 粉体投入手段
40b ノズル
41 分流ホッパ
42 スクリューフィーダ
43 解砕機(乾燥処理手段)
44 気流乾燥筒(乾燥処理手段)
45 ファン(気流搬送手段)
51 ファン(気流搬送手段)
61 乾燥機(乾燥処理手段)
62 粉砕機
63 ファン(気流搬送手段)
71 ノズル(粉体投入手段)
72 ポンプ(吸収液供給手段)
A 未処理排煙
A1 ガス
B,B1,B2 粉塵
C 処理後排煙
C1 ガス
D 吸収剤スラリ(吸収液)
D1 スラリ(排煙と接触した吸収液)
E 固形分
E1 固形分(粉体)
G 微粉砕石灰石(粉体)
H 石炭灰(粉体)

Claims (7)

  1. 少なくともSO2及びSO3を含有する排煙の処理方法であって、
    熱交換器により排煙から熱回収して排煙を冷却する熱回収工程と、その後排煙を吸収塔に導いて吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくともSO2を吸収除去する吸収工程とを有する排煙処理方法において、
    前記吸収工程で捕集可能な粉体を排煙中に散布する粉体投入工程を、前記熱回収工程の前に設け、該粉体投入工程にて、前記粉体として石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵を使用し、且つ、排煙中のSO3量(S)に対する前記粉体を含む粉塵量(D)の重量比(D/S)がD/S≧2となるように、前記粉体を散布するとともに
    乾式の電気集塵機により排煙中の粉塵を捕集する粉塵捕集工程を、前記熱回収工程の後であって前記吸収工程の前に設けるとともに、この粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部を、前記粉体として再使用することを特徴とする排煙処理方法。
  2. 前記粉体投入工程では、前記粉体の温度を排煙の温度よりも低い状態とすることを特徴とする請求項1記載の排煙処理方法。
  3. 前記粉体を液に懸濁させたスラリとして排煙中に散布することを特徴とする請求項1記載の排煙処理方法。
  4. 前記吸収工程は、石灰石が吸収剤として懸濁した吸収液を使用し石膏を副生する石灰石膏法により行い、前記粉塵捕集工程で捕集した粉塵の少なくとも一部を、前記吸収工程において副生される石膏中に混入させて系外に排出することを特徴とする請求項1記載の排煙処理方法。
  5. 少なくともSO2及びSO3を含有する排煙の処理方法であって、
    熱交換器により排煙から熱回収して排煙を冷却する熱回収工程と、その後排煙を吸収塔に導いて吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくともSO2を吸収除去する吸収工程とを有する排煙処理方法において、
    前記吸収工程で捕集可能な粉体を排煙中に散布する粉体投入工程を、前記熱回収工程の前に設けるとともに、該粉体投入工程にて、前記吸収工程で排煙と気液接触した吸収液中の固形分を前記粉体として使用し、
    前記排煙の一部を抜き出してなるガスにより、前記固形分を乾燥処理するとともに気流搬送して排煙中に散布することにより、前記粉体投入工程を実行することを特徴とする排煙処理方法。
  6. 少なくともSO2及びSO3を含有する排煙の処理設備であって、
    排煙から熱回収して排煙を冷却する熱交換器と、この熱交換器の後流側で排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくともSO2を吸収除去する吸収塔とを有する排煙処理設備において、
    粉体を排煙中に散布する粉体投入手段を、前記熱交換器の前流側に設けるとともに、前記粉体を含む排煙中の粉塵を捕集する乾式の電気集塵機を、前記熱交換器の後流側であって前記吸収塔の前流側に設けるとともに、この電気集塵機で捕集した粉塵の少なくとも一部が、前記粉体として再使用される構成としたことを特徴とする排煙処理設備。
  7. 少なくともSO2及びSO3を含有する排煙の処理設備であって、
    排煙から熱回収して排煙を冷却する熱交換器と、この熱交換器の後流側で排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくともSO2を吸収除去する吸収塔とを有する排煙処理設備において、
    粉体を排煙中に散布する粉体投入手段を、前記熱交換器の前流側に設けるとともに、
    前記粉体投入手段は、前記粉体を乾燥状態で気流により排煙中に散布するノズルにより構成するとともに、前記吸収塔において排煙と接触した吸収液から固形分を分離する固液分離手段と、この固液分離手段で分離された固形分の少なくとも一部を乾燥させる乾燥処理手段と、この乾燥処理手段で乾燥処理された前記固形分を前記粉体として前記ノズルに気流搬送する気流搬送手段とを設け、前記吸収液中に含まれる固形分が前記粉体として使用される構成としたことを特徴とする排煙処理設備。
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