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JP3621148B2 - 電解用電極及びその製造方法 - Google Patents

電解用電極及びその製造方法 Download PDF

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JP3621148B2
JP3621148B2 JP05200395A JP5200395A JP3621148B2 JP 3621148 B2 JP3621148 B2 JP 3621148B2 JP 05200395 A JP05200395 A JP 05200395A JP 5200395 A JP5200395 A JP 5200395A JP 3621148 B2 JP3621148 B2 JP 3621148B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電解用電極及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐久性に優れ、特に陽極に酸素発生を伴う金属の表面処理、金属箔製造、回収等のための電解における陽極として有用な電解用電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】
従来、チタン又はチタン合金よりなる基体上に、白金族金属や白金族金属酸化物及びバルブ金属酸化物を被覆した電極が多くの電解工業の分野において使用されている。しかし、高電流密度下で運転される金属の高速めっきや金属箔製造の分野では、使用中に基体表面層に導電性の無い酸化物層が形成され、残存する電極触媒物質の量が十分であっても電極としての機能がなくなってしまうという不都合が生ずる。このような導電性の無い酸化物の形成は、触媒層で発生する酸素や電解液の浸透により基体表面が化学的腐食を起こすためであると考えられている。
【0003】
この問題点を解決するため、従来より、電極基体と触媒層との間に新たな層(以下、中間層とする)を設け、電極基体を保護する方法が採用されている。この中間層に対しては、(1) 十分な耐食性有すること;(2) 十分な電気伝導性があること;(3) 電極基体との密着結合性が良好であること;(4) 触媒層との密着結合性が良好であること;(5) クラックの無い層であること;(6) 電気化学的な活性が少ないこと;(7) 製造コストが安いこと等の特性を有していることが要求される。このような条件を満たすものとして、従来、互に原子価の異なる2種以上のバルブ金属の酸化物からなる中間層を形成する方法、バルブ金属酸化物と白金族金属又は電気伝導性のある白金族金属酸化物からなる中間層を形成する方法、バルブ金属又はその合金を溶射法やイオンプレーティング等によって形成する方法等が提案されている。
【0004】
その具体例として、特開昭59−38394号公報には、基体上に4値の原子価を有するチタン及びスズから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物と5価の原子価を有するタンタル及びニオブから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物との混合酸化物からなる中間層を設け、その上に電極活性物質を被覆した電極が提案されている。しかし、上記中間層は酸素発生活性能は無いものの電気伝導性が十分ではないという問題がある。
【0005】
また、特開昭57−192281号公報には、チタン又はチタン合金を基材とし、且つ金属酸化物よりなる電極被覆を有する電極において、その中間層としてタンタル及びニオブの導電性酸化物層を設けた酸素発生を伴う電解用電極が提案されているが、本中間層は耐食性が良好であるものの電気伝導性が十分ではない。
【0006】
特開平1−301876号公報には、導電性基体上にイリジウム40〜90モル%、白金0.1〜30モル%及びタンタル50〜10モル%を含有する酸化イリジウム、白金金属及び酸化タンタルからなる下地層を介して、酸化イリジウム層又は多くとも50モル%のタンタルを含有する酸化イリジウム−酸化タンタル層を上地層として設けた酸素発生用電極が提案されている。この電極の下地層は電気伝導性が良好であるものの、耐食性に劣りまた酸素発生活性能を有するためにやがては基体の不働態化が起こるという問題がある。
【0007】
さらに、特開平5−287572号公報には、導電性基体上に、金属換算でイリジウム8.4〜14モル%及びタンタル86〜91.6モル%を含有する酸化イリジウムと酸化タンタルからなる下地層を介して、金属換算でイリジウム80〜99.9モル%及びタンタル0.1〜20モル%を含有する酸化イリジウムと酸化タンタルからなる上地層を設けた酸素発生用電極が提案されている。この電極の下地層は或る程度の耐食性と電気伝導性を有しているものの、基体への電解液及び触媒層からの酸素の浸透は避けられず、やがては基体の不働態化が起こるという問題を有しており、前記の課題の根本的な解決には至っていない。
【0008】
また、特開平5−171483号公報には、チタン又はその合金よりなる導電性基体上に、金属タンタル及び/又はその合金の粉末を減圧下の非酸化性雰囲気中でプラズマ溶射を行うことにより金属タンタル及び/又はその合金を主成分とする中間層を設け、該中間層上にタンタル化合物及びイリジウム化合物を含む溶液を塗布し、酸化性雰囲気中で360〜550℃に加熱することにより酸化イリジウムを20重量%以上含み残部が酸化タンタルよりなる電極活性層を設けた酸素発生陽極の製法が開示されている。上記の中間層は、溶射表面層より凸凹のある多孔質層となることから電極活性層との密着結合性が優れているものの、特公平5−57159公報に記載されているように、該多孔質層には通常3〜25%程度の気孔が存在するため、導電性基体への電解液の浸透を完全に制御することは難しく、またタンタル及びその合金も触媒層で発生する酸素や電解液の接触により化学的腐食を起こし、やがては該中間層も不働態化が起こるという問題があり、前記の課題を根本的に解決するには至っていない。
【0009】
さらに、特開平2−282491公報には、バルブ金属又はその合金よりなる導電性金属基体上に電極活性物質を被覆した電極において、該基体と電極活性物質層との間に、金属タンタル及びその合金を主成分とする薄膜中間層を設けた酸素発生陽極が開示されている。この薄膜中間層は、有機タンタル化合物又はタンタル塩化物を含む溶液を塗布し非酸化性雰囲気中で加熱することにより形成されるものであるが、この中間被覆層も導電性基体への電解液の浸透が起こり、導電性基体の不働態化が起こる。また、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオン注入法又は気相メッキ法により中間層を形成する方法も提案されているが、これらの方法により形成される薄膜中間層は、導電性基体への電解液の浸透を抑制する効果が育るものの、電極活性物質被覆層との密着性が十分ではなく、また設備が大型化しても生産性が悪く工業的利用においても難点がある。
【0010】
本発明の目的は、従来の電解用電極がもつ上記の如き問題を解決し、高電流密度下で運転される金属の高速めっきや金属箔製造用の陽極として用いても、充分に耐久性のある電解用電極及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、長期間にわたって使用可能な酸素発生を伴う電解用電極を開発するために種々検討を重ねた結果、チタン金属と白金とタンタル金属の合金層がチタン単体より耐食性が向上するとの知見を得、更にそのチタンと白金とタンタルの合金層上に該合金層を保護するため耐食性のある中間層を設けた後、中間層上に酸素発生活性物質である外層を設けることにより、耐久性の有る酸素発生電解用電極が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
かくして、本発明は、チタン、白金及びタンタルの合金層を有するチタン基体の該合金層表面に、酸化イリジウム5〜30モル%と酸化タンタル70〜95モル%よりなる中間層を介して、酸化イリジウム60〜98モル%と酸化タンタル2〜40モル%よりなる外層を設けたことを特徴とする電解用電極を提供するものである。
【0013】
本発明はまた、
(a) 白金層を表面に設けたチタン基体に、タンタル電極を用いて放電加工を行ない、チタン基体表面にチタン、白金及びタンタルの合金層を形成せしめ、
(b) チタン基体の該合金層表面に、イリジウム化合物とタンタル化合物を含有する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理することにより、酸化イリジウム5〜30モル%と酸化タンタル70〜95モル%よりなる中間層を形成せしめ、
(c) 次いて、該中間層上にイリジウム化合物とタンタル化合物を含有する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理することにより、酸化イリジウム60〜98モル%と酸化タンタル2〜40モル%よりなる外層を形成せしめる
ことを特徴とする本発明の前記電解用電極の製造方法を提供するものである。
【0014】
以下、本発明の電極及びその製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明においては、電極基体としてのチタン基体の表面に、まず、チタン、白金及びタンタルの合金層が設けられる。この合金層の形成は、白金層を表面に設けたチタン基体表面に、タンタル電極を用いた放電加工により行なうことができる。上記白金層の形成は、例えば、電気めっき法又は白金化合物を含有する溶液を塗布した後、該白金化合物の分解温度以上の温度で熱処理する方法により行なうことができる。
【0016】
チタン基体表面に白金層を電気めっき法により形成する場合、チタン基体は通常以下に述べる方法で前処理した後に白金が電気めっきされる。
【0017】
先ず、チタン基体の表面を、常法に従い、例えばアルコール等で洗浄し及び/又はアルカリ溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が1〜20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸と硝酸、硫酸等の他の酸との混酸で処理することにより、チタン基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン結晶粒界単位の粗面化を行う。該酸処理は、チタンの表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ないし十数分間行うことができる。このように酸処理されたチタン表面を濃硫酸と接触させて、該チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに、該チタン表面に水素化チタンの薄い層を形成する。使用する濃硫酸は一般に40〜80重量%、好ましくは50〜60重量%の範囲内の濃度のものが適当であり、この濃硫酸には必要により、処理の安定化を図る目的で少量の硫酸ナトリウム又はその他の硫酸塩等を添加してもよい。該濃硫酸との接触はチタン基体を濃硫酸の浴中に浸漬することにより行うことができ、その際の浴温は一般に約100〜約150℃、好ましくは約110〜約130℃の範囲内の温度とすることができ、また浸漬時間は通常約0.5〜約10分間、好ましくは約1〜約3分間で十分である。この硫酸処理により、チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに、チタンの表面にごく薄い水素化チタンの被膜を形成させることができる。
【0018】
硫酸処理されたチタン基体は硫酸浴から取り出し、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で急冷してチタンの表面温度を約60℃以下に低下させる。この急冷には洗浄も兼ねて大量の冷水を用いるのが適当である。
【0019】
このようにしてごく薄い水素化チタンの被膜層を表面に形成せしめたチタン基体は、希フッ化水素酸又は希フッ化物水溶液(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等)中で浸漬処理して該水素化チタン被膜を生長させ、該被膜の均一化及び安定化を図る。ここで使用しうる希フッ化水素酸又は希フッ化物水溶液中のフッ化水素の濃度は、一般に0.05〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲内とすることができ、また、これらの溶液による浸漬処理の際の温度は、一般に10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲とすることができる。該処理はチタン表面に通常0.5〜10ミクロン、好ましくは1〜3ミクロンの厚さの水素化チタンの均一被膜が形成されるまで行うことができる。
【0020】
この水素化チタン(TiHy、ここでyは1.5〜2の数である)は水素化の程度に応じて灰褐色から黒褐色を呈するので、上記範囲の厚さの水素化チタン被膜の形成は、経験的に該基体表面の色調の変化を標準色源との明度対比によってコントロールすることができる。このようにしてチタン表面を粗面化するとともに水素化チタンの被膜を形成したチタン基体は、適宜水洗等の処理を行った後、その表面を電気めっき法で白金層で被覆する。
【0021】
この電気めっき法に使用しうるめっき浴としては、たとえばHPtCl、(NHPtCl、KPtCl、Pt(NH(NO等の白金化合物を、硫酸溶液(pH1〜3)又はアンモニア水溶液に、白金換算で2〜20g/l、特に5〜10g/lの濃度になるように溶解し、さらに必要に応じて浴の安定化のために硫酸ナトリウム(酸性浴の場合)、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(アルカリ性浴の場合)等を少量添加した酸性又はアルカリ性のめっき浴が挙げられる。
【0022】
かかる組成のめっき浴を用いての白金電気めっきは、チタン基体表面に形成された水素化チタン被膜の分解をできるだけ抑制するため、所謂ストライクめっき等の高速めっき法を用い約30〜約60℃の範囲内の比較的低温で行うのが望ましい。この電気めっきにより、チタン基体の水素化チタン被膜上に物理的密着強度の優れた白金被膜層を形成せしめることができる。
【0023】
その際のチタン基体上への白金のめっき厚は一般に0.05〜2.0μmの範囲内とすることができる。白金のめっき厚が0.05μmより少ないと、白金めっきしたことの十分な改善効果が見られず、逆に白金のめっき厚が2.0μmを越えても、その厚みを増やしただけの効果は得られず、却って不経済となる可能性がある。白金のめっき厚は通常0.2〜1.5μmの範囲内で十分である。ここで、白金層における白金の被膜厚は、ケイ光X線分析法を用い次の如くして求めた値である。すなわち、前述した如く前処理したチタン基体上に前記の方法で形成せしめた種々の厚さ白金被膜層の白金めっき量を湿式分析法及びケイ光X線分析法により定量し、両方法による分析値をグラフにプロットして標準検量線を作成しておき、次いで実際の試料をケイ光X線分析にかけてその分析値及び標準検量線から白金の被膜厚を求める。
【0024】
また、白金層は、チタン基体表面に白金化合物を含む溶液を塗布し、白金化合物の分解温度以上で熱処理することによって形成することもできる。このようにして白金層を形成する場合、チタン基体は以下に述べる方法で前処理することが望ましい。
【0025】
先ず、チタン基体の表面を、常法に従い、例えばアルコール等で洗浄し及び/又はアルカリ溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が1〜20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸と硝酸、硫酸等の他の酸との混酸で処理することにより、チタン基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン結晶粒界単位の粗面化を行う。
【0026】
該酸処理は、チタン基体の表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ないし十数分間行うことができる。このように酸処理されたチタン基体表面は通常水洗し、乾燥する。
【0027】
次いで、表面処理されたチタン基体表面上に白金化合物を塗布し、乾燥した後焼成する。
【0028】
ここで使用する白金化合物としては、ジニトロジアンミン白金、塩化白金酸、塩化白金等が例示され、ジニトロジアンミン白金が好適である。
【0029】
一方、これら白金化合物を溶解するための溶媒としては、低級アルコールが好適であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はこれらの混合物等が有利に用いられる。なお、ジニトロジアンミン白金は、低級アルコールに直接溶解しないので、はじめに硝酸水溶液に溶解し、白金金属換算で250〜450g/lに調整した後、低級アルコールに溶解するのが望ましい。低級アルコール溶液中における白金化合物の金属濃度は、一般に40〜200g/l、好ましくは60〜150g/lの範囲内とすることができる。該金属濃度が40g/lより低いと白金の担持効率が悪くなりやすく、また200g/lを越えると白金が凝集しやすく、担持強度、担持量の不均一性等の問題が生ずる傾向がみられる。
【0030】
表面処理されたチタン基体表面上に白金化合物を塗布した基体は、必要により約20〜150℃の範囲内の温度で乾燥させた後、非酸化性雰囲気又は還元性雰囲気中及び酸素含有ガス雰囲気中のいずれの雰囲気中でも焼成することができる。例えば、非酸化性雰囲気中(例えば、窒素ガス中又はアルゴンガス中)で焼成する場合には、約300〜550℃の範囲内の温度で焼成することができ、また還元性雰囲気中(例えば水素ガス中又は水素ガスと窒素ガスもしくはアルゴンガスとの混合中)で焼成する場合は、約100〜200℃で焼成することができ、さらに酸素含有ガス雰囲気中、例えば大気中で焼成する場合に、焼成は一般に約450〜650℃の範囲内の温度に加熱することによって行うことができるが、チタン基体表面の酸化を抑えるため、非酸化性雰囲気中で行うのが好ましい。
【0031】
加熱はそれ自体既知の電気炉、ガス炉、赤外線炉等の適当な加熱炉を使用して行なうことができる。加熱時間は、焼成すべき基体の大きさに応じて、大体3分〜30分間程度とすることができる。この焼成により、チタン基体表面上に白金を担持させることができる。そして、1回の担持操作で充分量の白金膜厚が得られない場合には、溶液の浸透−(乾燥)−焼成の工程を所望の回数繰り返し行うことができる。その際のチタン基体上への白金膜厚は0.05〜2.0μmの範囲内とすることができる。白金膜厚が0.05μmより少ないと、白金層を形成したことによる十分な改善効果が見られず、逆に白金膜厚が2.0μmを越えてもその厚みを増やしただけの効果は得られず、また溶液の浸透−(乾燥)−焼成の工程の繰返しの工数が増え、却って不経済となる可能性がある。通常、0.2〜1.5μmの範囲内の被膜厚で、溶液の浸透−(乾燥)−焼成の工程の繰返しの工数も1〜5回で十分である。ここで、白金層の白金の被膜厚は、前記と同様ケイ光X線分析法を用いて求めた値である。
【0032】
このようにして白金層を設けたチタン基体は、次いで該チタン基体を陰極とし且つタンタルを電極棒として用いチタン基体表面を走査して、放電加工を行う。放電加工を行う雰囲気は一般に非酸化性雰囲気が好ましく、例えばアルゴン雰囲気等を用いることができる。放電加工に使用するタンタルの電極棒は直径が1〜10mmの範囲内のものを用いることができるが、作業効率等の観点から通常直径は4mm以上であることが好ましい。また、放電条件は使用するタンタル電極の径により異なるが、直径6mmの電極棒を使用する場合には、電流パルスが200〜600、Hzの範囲内で、コンデンサー容量は100〜400μFの範囲内とすることができる。このようにして1dmあたり5〜30分間放電加工を行い、チタン基体表面に基体からのチタンと白金とタンタルの合金層を形成する。かくして形成されるチタンと白金とタンタルの合金層表面は粗面化されており、表面あらさ計((株)小坂研究所製 表面粗さ・輪郭形状測定機SEF−30D)で測定したあらさ値は、通常50〜200μm程度であり、また、チタンと白金とタンタルの合金は10μm以上の厚みを有する層を形成することができる。ここで該合金層の厚さが10μm未満では耐食性を付与するのに十分ではなく、好ましくは30μm以上の層を形成することが好ましい。該合金層の厚みの上限は、特に制限されるものではないが、タンタルは白金族金属と同様高価な金属であるので、好ましくは150μm以下が好ましい。これにより、チタン基体表面に、チタン単体より耐食性の良いチタンと白金とタンタルよりなる粗面化された合金層を形成することができる。
【0033】
以上のごとくしてチタン基体のチタンと白金及びタンタルの合金層を形成したチタン基体の該合金層上に、次いで、酸化イリジウム5〜30モル%、好ましくは8〜25モル%及び酸化タンタル70〜95モル%、好ましくは75〜92モル%からなる中間酸化物層を被覆する。この中間酸化物層は、チタン基体の該合金層の粗面化された凹部又は凸部を被覆し、電気伝導性を阻害せずに耐食性の向上に役立つものである。該酸化物層の被覆量は一般に0.5〜10g/m、好ましくは1〜5g/mの範囲内になるようにするのが適当である。
【0034】
上記中間酸化物の形成は、例えば、前記のようにして形成されたチタン基体上の合金層上に、イリジウム化合物とタンタル化合物を含む溶媒溶液、好ましくは低級アルコール溶液を塗布した後必要に応じて乾燥することにより、イリジウム化合物とタンタル化合物の混合物を付着せしめ、次いで酸化性雰囲気中で熱処理することによって行なうことができる。ここで使用しうるイリジウム化合物及びタンタル化合物としては、後述する焼成条件下で熱分解してそれぞれ酸化イリジウム及び酸化タンタルに転化しうる低級アルコール溶媒に可溶性の化合物が包含される。そのようなイリジウム化合物としては、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、塩化イリジウムカリ等が例示され、また、タンタル化合物としては、例えば、塩化タンタル、タンタルエトキシド等が上げられる。
【0035】
一方、これらのイリジウム化合物及びタンタル化合物を溶解しうる低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等又はこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
イリジウム化合物とタンタル化合物を含む溶液の塗布は、それ自体既知の方法、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ロール塗装等の方法で行なうことができる。このようにしてイリジウム化合物及びタンタル化合物の低級アルコール溶液を適用した該チタン基体は、通常、約20〜約150℃の範囲内の比較的低温で乾燥させた後、大気中で焼成する。
【0037】
以上に述べた処理は中間酸化物の被覆量が前記の範囲内に達するまで繰り返して行うことができる。
【0038】
該焼成は例えば、電気炉、ガス炉、赤外線炉などの適当な加熱炉中で、一般に約400〜約700℃、好ましくは約450〜約600℃の範囲内の温度で加熱することによって行うことができる。その際の加熱時間は焼成すべき基体の大きさ等に応じて大体5分〜2時間程度とすることができる。この焼成により、イリジウム化合物及びタンタル化合物はそれぞれ酸化イリジウム及び酸化タンタルに変わり、中間酸化物を形成する。
【0039】
以上述べた如くして酸化イリジウム及び酸化タンタルとから構成される中間層の上には、さらに酸化イリジウム60〜98モル%、好ましくは70〜95モル%及び酸化タンタル2〜40モル%、好ましくは5〜30モル%からなる外層を設ける。この外層において、酸化イリジウムが60モル%未満では、高電流密度で使用した場合、酸素発生活性能が不足し、電極寿命が短くなる可能性があり、一方、98モル%を越えると電極触媒(外層)の消耗が増える傾向が見られる。上記の成分・組成よりなる外層の形成は、中間酸化物の形成について上記したと同様にして行うことができる。外層の被覆量は一般に10〜60g/m、好ましくは30〜50g/mの範囲内になるようにするのが適当である。
【0040】
以上述べた如くして製造される本発明の電極は、高電流密度下で長時間使用してもチタン界面の不働化が起こりにくく、長寿命であり、高電流密度下で運転される金属の高速めっきや金属箔製造用陽極として好適に使用することができる。
【0041】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0042】
実施例1
JIS2種相当チタン板素材(3.0×100×100mm)をトリクロルエチレンで脱脂洗浄した後、20℃の8重量%HF水溶液で2分間熱処理し、次いで120℃の60重量%HSO溶液中で3分間処理した。次いでチタン基体を硫酸溶液から取り出し、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。さらに20℃の0.3重量%HF水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
【0043】
水洗後ジニトロジアミノ白金を硫酸溶液に溶解してPt含有量5g/l、pH≒2、50℃に調整した状態の白金めっき浴中で30mA/cmで約9分間のメッキを行なってPtを析出させた。Ptめっき厚は1.0μmであった。
【0044】
次いでPtメッキをしたチタン板を陰極とし、直径6mmのタンタル電極を使用してアルゴン置換したグローボックス中で放電加工を10分間行った。その後タンタルの放電加工を行ったチタン基体をファインカッターにて3.0×10×10mmに切断した。EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)にて、放電加工を行った断面の元素分析を行ったところチタン金属中にタンタル金属と白金が分散した合金層であった。この合金層の厚さは30〜50μmであった。 このようにして作製したチタンと白金とタンタルの合金層を形成したチタン基体の該合金層上に、塩化イリジウム酸のブタノール溶液と塩化タンタルのエタノール溶液を混合することにより調製したIr4.6g/l及びTa50.0g/l(モル配合比:8Ir−92Ta)を含有する塗布液を、マイクリピペットで1cm当たり3.0μl秤量し、塗布した後、室温で30分間真空乾燥させ、更に500℃の大気中で10分間焼成した。この工程を3回繰返した。
【0045】
次いで外層を得るため、塩化イリジウム酸のブタノール溶液と塩化タンタルのエタノール溶液を混合することにより調製したIr50.0g/l及びTa20.2g/l(モル配合比:70Ir−30Ta)を含有する塗布液を用いて、前記と同様の工程を8回繰返して実施例電極−1を作製した。
【0046】
次に、上記実施例電極−1と同様の方法でコーティング層の組成をかえた実施例電極−2〜4を作製した。
【0047】
更に、上記実施例と同様にしてコーティング層の組成を本発明で特定する範囲からはずれる比較例電極−1〜2を作製した。
【0048】
実施例2
JIS2種相当のチタン板素材(3.0×100×100mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%弗化水素酸水溶液中で2分間処理した後、水洗し乾燥した。次いで白金濃度300g/lのジニトロジアンミン硝酸溶液をブタノールに溶解し、白金濃度75g/lの溶液とした。
【0049】
この溶液を酸処理されたチタン基体表面にマイクロピペットで1cm当たり7.3μl秤量し、それを浸透させた後、室温で30分間乾燥し、更に550℃の大気中で10分間焼成した。この浸透−乾燥−焼成工程を4回繰り返し、Pt厚を1.0μmとした。
【0050】
次いで熱処理して白金層を形成したチタン板を陰極とし、また直径6mmのタンタル電極を使用してアルゴン置換したグローボックス中で放電加工を10分間行った。その後タンタルの放電加工を行ったチタン板をファインカッターにて3.0×10×10mmに切断した。EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)にて、放電加工を行った断面の元素分析を行ったところチタン金属中にタンタル金属と白金が分散した合金層であった。この合金層の厚さは30〜50μmであった。
【0051】
このようにして作製したチタンと白金とタンタルの合金層を形成したチタン基体の該合金層上に、前記実施例電極−1と同様の方法でコーティング層の組成をかえた実施例電極−5〜8を作製した。
【0052】
更に、上記実施例と同様にしてコーティング層の組成を発明で特定する範囲からはずれる比較例電極−3〜4を作製した。
【0053】
比較例
JIS2種相当のチタン板素材(3.0×100×100mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%弗化水素酸水溶液で2分間処理した後、水洗し乾燥した。次いで酸化被膜を除去したチタン板を陰極とし、また直径6mmのタンタル電極を使用してアルゴン置換したグローボックス中で放電加工を10分間行った。この合金層の厚さは30〜50μmであった。
【0054】
このようにして作製したチタンとタンタルの合金層を形成したチタン基体の該合金層上に、実施例電極−1と同じ中間層組成と外層組成を有する中間層及び外層を実施例電極−1と同様の方法で形成し、比較例電極−5とした。
【0055】
実施例電極−1と同様な方法で前処理とPtメッキをしたチタン基体に、実施例電極−1と同じ中間層組成と外層組成を有する中間層及び外層を実施例電極−1と同様の方法で形成した比較例電極−6を作製した。
【0056】
更に、比較例電極−5と同じ前処理を行ったチタン基体に、実施例電極−1と同じ中間層組成と外層組成を有する中間層及び外層を実施例電極−1と同様の方法で形成した比較例電極−7を作製した。
【0057】
このようにして得られた各電極を次の条件下で電解したときの電極寿命を表−1及び表−2に示す。これらの表−1及び表−2に示す結果から明らかなように実施例電極の電極寿命が長いことがわかる。
【0058】
<電解条件>
電解液 :1M HSO−1M NaSO
電流密度:4A/cm
対極 :Pt
極間距離:10mm
【0059】
【表1】
Figure 0003621148
【0060】
【表2】
Figure 0003621148
【0061】
【効果】
以上説明したように、本発明の電解用電極によれば、チタン基体の表面に白金を被覆し、タンタル電極を使用した放電加工を行うと、耐食性の良好なチタン−白金−タンタルの合金層が形成され、該合金層上に耐食性と電気伝導性の良好な中間層を形成することにより、チタン−白金−タンタルの合金層は、チタン基体の不働態化を抑制し、また、粗面化されているため、該合金層と中間層との密着性に優れており、そして該中間層上に触媒層である外層を形成することにより、長時間使用できる電解用電極を提供することができる。

Claims (4)

  1. チタン基体表面上に、
    (a) チタン、白金及びタンタルの合金よりなる厚さが10μm以上の第一の中間層と、
    (b) 該第一の中間層表面上に、酸化イリジウム5〜30モル%と酸化タンタル70〜95モル%よりなる第二の中間層
    (c) 該第二の中間層表面上に、酸化イリジウム60〜98モル%と酸化タンタル2〜40モル%よりなる外層
    を設けてなることを特徴とする電解用電極。
  2. (a) 白金層を表面に設けたチタン基体に、タンタル電極を用いて放電加工を行ない、チタン基体表面にチタン、白金及びタンタルの合金よりなる厚さが10μm以上の第一の中間層を形成せしめ、
    (b) チタン基体の該第一の中間層表面に、イリジウム化合物とタンタル化合物を含有する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理することにより、酸化イリジウム5〜30モル%と酸化タンタル70〜95モル%よりなる第二の中間層を形成せしめ、
    (c) 次いて、該第二の中間層上に、イリジウム化合物とタンタル化合物を含有する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理することにより、酸化イリジウム60〜98モル%と酸化タンタル2〜40モル%よりなる外層を形成せしめる
    ことを特徴とする請求項1記載の電解用電極の製造方法。
  3. 白金層を電気めっきにより形成する請求項2記載の方法。
  4. チタン基体表面に白金化合物を含有する溶液を塗布した後、該白金化合物の分解温度以上の温度で熱処理することにより白金層を形成する請求項2記載の方法。
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