JP3619798B2 - 顧客管理装置及び商品販売登録データ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小売店,飲食店等に来店した顧客に対して、割引券,クーポン券,サービスポイント等の特典を付与する機能を有した顧客管理装置及びPOS(Point Of Sales)ターミナル等の商品販売登録データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小売店や飲食店等において、商品を購入した顧客に対して割引券,クーポン券,サービスポイント等の特典を付与するサービスは、従来から実施されている。そして、この種のサービスを店員の負担なく実施するために、商品を購入した顧客に対して自動的に特典を付与する機能を有したPOSターミナルも既に実用化されている。
【0003】
従来の自動特典付与機能を有したPOSターミナルは、商品登録操作により顧客が購入する商品の販売データが登録され、続いて登録締め操作により商品の登録終了が宣言されると、その顧客が購入する商品の合計金額を算出する。そして、この合計金額が予め設定されている基準金額以上か否かを判断し、基準金額以上であった場合に特典を付与する。具体的には、レシート用紙を用いて予め設定された割引率の割引券を印字し発行したり、店の会員に対しては合計金額をサービスポイントに換算し、このサービスポイントを顧客別に累計したりするものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の自動特典付与機能を有したPOSターミナルにおいては、例えば1000円以上の買物をした顧客に対して割引率5%の割引券が印字発行されるというように、顧客が購入した商品の金額に応じて特典が付与されていた。このため、例えば遠方から店の近くに何かの用事があったついでに来店し、商品を購入した顧客に対しても特典が付与されていた。しかしながら、このような顧客は、たとえ次回来店時に使用できる割引券をもらっても使用する機会が無いので、特典を付与した効果が得られなかった。
【0005】
また、特定の客層をターゲットにしたキャンペーンを実施する場合、そのキャンペーンの実施前に、ターゲットとする客層の顧客に対して割引券等を配布して、キャンペーン期間中の来店を促すようにできると都合がよい。しかし、従来の自動特典付与機能を有したPOSターミナルにおいては、特定の客層の顧客か否かを判別して選択的に特典を付与するような機能は無かった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、店舗に来店した顧客の中から特定の属性を有する顧客を選別して特典を付与できる顧客管理装置を提供しようとするものである。
【0007】
また本発明は、店舗に来店し商品を購入した顧客の中から特定の属性を有する顧客を選別して特典を付与できる商品販売登録データ処理装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の顧客管理装置は、顧客の属性に関する複数種類の項目に対してそれぞれ特典を付与する条件を設定する条件設定手段と、顧客に対して付与される複数種類の特典を設定する特典設定手段と、来店した顧客を特定する顧客特定手段と、この顧客特定手段により特定された顧客の属性に関する各種項目の情報を取得する属性項目情報取得手段と、この属性項目情報取得手段により取得した顧客の属性に関する各種項目毎に条件設定手段により設定されている条件を満足するか否かを判定する条件判定手段と、この条件判定手段により条件を満足すると判定された項目数をカウントするカウント手段と、特典設定手段により設定された複数の特典の中からカウント手段によりカウントされた項目数に応じた特典を選択して付与する特典付与手段とを備えたものである。
【0009】
本発明の商品販売登録データ処理装置は、顧客の属性に関する複数種類の項目に対してそれぞれ特典を付与する条件を設定する条件設定手段と、顧客に対して付与される複数種類の特典を設定する特典設定手段と、商品を購入した顧客を特定する顧客特定手段と、この顧客特定手段により特定された顧客の属性に関する各種項目の情報を取得する属性項目情報取得手段と、この属性項目情報取得手段により取得した顧客の属性に関する各種項目毎に条件設定手段により設定されている条件を満足するか否かを判定する条件判定手段と、この条件判定手段により条件を満足すると判定された項目数をカウントするカウント手段と、特典設定手段により設定された複数の特典の中からカウント手段によりカウントされた項目数に応じた特典を選択して特典レシートを発行する特典レシート発行手段とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、店舗に来店し商品を購入した特定の顧客に、特典として、割引券を特典レシートの形態で付与する小売店に構築されるPOSシステムに本発明を適用した場合である。
【0011】
図1は本実施の形態におけるPOSシステムの概略構成を示す図である。このPOSシステムは、1台のストアコンピュータ1と、商品販売登録データ処理装置としての複数台のPOSターミナル2とを、LAN(Local Area Network)3で相互通信自在に接続して構築したものである。
【0012】
ストアコンピュータ1は、店舗業務全体を管理するためのコンピュータであり、図示しないが、店舗で取扱う各商品の商品コード,品名,価格,売上実績データ等を商品別に記憶する商品マスタファイルや、店舗で働く各従業員の従業員コード,氏名,業務実績データ等を従業員別に記憶する従業員マスタファイルなどを備えている。また、図2に示すように、会員登録をした各顧客の顧客コード,氏名,住所,電話番号,性別,年齢,居住区,来店回数,特典実績フラグ等を顧客別に記憶する顧客マスタファイル4を備えている。
【0013】
上記顧客マスタファイル4のレコード項目において、居住区は、顧客の居所がある地域を示すデータであり、本実施の形態では、「市内」と「市外」の2通りとする。なお、店舗がある町と同一の町に居所がある顧客に対してのみ居住区を「市内」とする運用に限定されるものではなく、隣接する町に居所がある顧客も含めて居住区を「市内」としてもよい。
【0014】
同レコード項目において、来店回数は、当該店舗に来店し商品を購入した回数の累計である。また、特典実績フラグは、特典付与の実績有無を識別するフラグであり、実績無しの場合には“0”にリセットされ、実績有りの場合には“1”にセットされる。なお、本実施の形態では、1人の顧客に対して1日1回のみ特典を付与する運用とする。すなわちストアコンピュータ1は、毎営業日の閉店後に実行する閉店処理において、顧客マスタファイル4に蓄積されている各レコードの特典実績フラグを一括して“0”にリセットするようになっている。
【0015】
さて、本実施の形態では、上記顧客マスタファイル4のレコード項目において、性別,年齢,居住区及び来店回数の4項目を顧客の属性に関する項目と定義する。
【0016】
また、本実施の形態では、会員登録を行なった各顧客に対して、それぞれその顧客の顧客コードが記録された会員カード5を発行する。そして、この会員カード5に記録されたカードデータ(顧客コード等)を、POSターミナル2に設けられたカードリーダ6で読取ることによって、商品を購入した顧客を特定するものとする。
【0017】
図3は各POSターミナル2の要部構成を示すブロック図であり、各POSターミナル2は同一構成である。すなわち、各POSターミナル2は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を備えている。また、プログラム等の固定的データを予め格納したROM(Read Only Memory)12、商品販売データ等の可変的データを格納するためのメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)13、現在の日付及び時刻を計時する時計部14、LAN3を介して行なうデータ通信を制御する通信インタフェース15、モードスイッチ16の信号を入力するとともにドロワ(不図示)を開放させるドロワ開放装置17に駆動信号を出力するI/O(Input/Output)ポート18の他、キーボード19を制御するキーボードコントローラ20、オペレータ用表示器21及び客用表示器22を制御する表示コントローラ23、プリンタ24を制御するプリンタコントローラ25、スキャナ26が接続されるスキャナインタフェース27及び前記カードリーダ6が接続されるカードリーダインタフェース28等を備えている。そしてCPU11と、ROM12,RAM13,時計部14,通信インタフェース15,I/Oポート18,キーボードコントローラ20,表示コントローラ23,プリンタコントローラ25,スキャナインタフェース27及びカードリーダインタフェース28とを、アドレスバス,データバス等のバスライン29で接続している。
【0018】
モードスイッチ16は、「登録」,「点検」,「精算」,「設定」等の各種業務モードを選択するためのスイッチで、鍵にて切替操作される。因みに、「登録」とは、顧客が購入する商品の販売データをRAM13の売上登録エリアに登録処理し、買上レシートを発行する業務のモードである。「点検」とは、売上登録エリアに登録処理された商品販売データを集計し、売上点検レポートとして出力する業務のモードである。「精算」とは、売上登録エリアに登録処理された商品販売データを集計し、売上精算レポートとして出力した後、売上登録エリアをクリアする業務のモードである。「設定」とは、各種業務を実行する上で必要なデータを予めRAM13の各種メモリエリアに設定する業務のモードである。
【0019】
キーボード19は、顧客が購入する商品の商品コード,販売点数等を入力するためのキーや、顧客が購入する商品の登録終了を宣言する登録締めキー等を配設したPOSターミナル専用のキーボードである。
【0020】
オペレータ用表示器21は、キーボード19を操作するオペレータに対して登録商品の品名,価格や合計金額等を表示するためのものである。また、客用表示器22は、顧客に対して同様なデータを表示するためのものである。
【0021】
プリンタ24は、ロール紙からなるレシート用紙にデータを印字し切断してレシート発行を行なうもので、図4に示すように、レシート用紙の幅L方向に文字を印字してなる縦印字イメージの買上レシート30と、図5に示すように、レシート用紙の幅L方向に文字を印字してなる買上レシート30と、レシート用紙の幅L方向とは直交する方向に文字を印字してなる縦印字イメージの特典レシート40とを発行可能である。
【0022】
スキャナ26は、商品等に付されるバーコードを光学的に読取るもので、上記特典レシート40に印字される特典情報バーコード41も読取り可能になっている。なお、特典情報バーコード41には、当該特典レシート40の割引率のほか、有効期限開始日,その開始日からの有効期限日数等のデータが含まれている。
【0023】
かかる構成のPOSターミナル2は、RAM13に、図6に示すデータ項目構成の複数の条件設定テーブル51,52,53,54と、図7に示すデータ項目構成の特典判定テーブル55と、図8に示すデータ項目構成の複数の特典情報テーブル56,57と、図9に示すデータ構成の特典サポートテーブル58とを記憶している。
【0024】
条件設定テーブル51は、顧客属性項目の性別に該当する「男性」及び「女性」に対してそれぞれ特典付与条件(1:特典付与対象,0:特典付与対象外)を設定するためのテーブルであり、性別条件設定テーブル51と称する。条件設定テーブル52は、顧客属性項目の年齢を分類する5段階の年齢層「18歳未満」,「18〜25歳」,「26〜39歳」,「40〜55歳」,「56歳以上」に対してそれぞれ特典付与条件を設定するためのテーブルであり、年齢条件設定テーブル52と称する。条件設定テーブル53は、顧客属性項目の居住区に該当する「市内」及び「市外」に対してそれぞれ特典付与条件を設定するためのテーブルであり、居住区条件設定テーブル53と称する。条件設定テーブル51は、顧客属性項目の来店回数を分類する5段階の来店回数層「10回未満」,「10〜29回」,「30〜49回」,「50〜74回」,「75回以上」に対してそれぞれ特典付与条件を設定するためのテーブルであり、来店回数条件設定テーブル54と称する。
【0025】
特典情報テーブル56,57は、それぞれ複数段階に区分された買上金額範囲に対応して、割引率及び有効期限日数の特典情報を設定するテーブルであり、各テーブル56,57にはそれぞれ識別するためのテーブル番号が付されている。
【0026】
特典判定テーブル55は、各顧客属性項目の中で特典付与条件を満足した項目の数(項目該当数)にそれぞれ対応して、特典が付与される場合には該当する特典情報が設定された特典情報テーブル56,57のテーブル番号を設定するテーブルである。
【0027】
特典サポートテーブル58は、特典の有効期限開始日を示すデータと、特典レシート40に印字されるメッセージデータ42とを設定するテーブルである。 なお、これらのテーブル51〜58は、ストアコンピュータ1で適時作成され、LAN3を通じて各POSターミナル2にダウンロードされて、RAM13に記憶されるものとなっている。
【0028】
しかして、各POSターミナル1は、モードスイッチ16により「登録」モードが選択されると、CPU11が図10の流れ図に示す登録業務処理を実行するようにプログラムを構成している。
【0029】
すなわちCPU11は、モードスイッチ16からの信号により該スイッチ16によって選択されている業務モードを判別する。そして、「登録」モードが選択されていることを確認したならば、登録業務処理を開始する。
【0030】
先ず、ST1として商品登録の有無を判断する。ここで、商品登録無しを判断した場合には、ST2として特典レシート40に印字される特典情報バーコード41がスキャニングされたか否かを判断する。そして、スキャニング無しを判断した場合には、ST1の商品登録有無判断処理に戻る。
【0031】
これに対し、ST2にてスキャナ26でスキャニングされたバーコードのデータにより特典情報バーコード41のスキャニング有りを判断した場合には、そのバーコード41を解析して割引率と有効期間とを得る。そして、ST3として時計部14にて計時されている現在日付を読出し、現在日付が特典レシート40の有効期間か否かを判断する。ここで、現在日付が特典レシート40の有効期間内でない場合には無効なので、ST1の商品登録有無判断処理に戻る。これに対し、現在日付が特典レシート40の有効期間内である場合には有効なので、ST4として特典レシート40の割引率をRAM13の割引率ワークメモリに上書き格納する。しかる後、ST1の商品登録有無判断処理に戻る。
【0032】
ST1にてキーボード19のキー入力あるいはスキャナ26によるスキャニング入力により商品登録有りを判断した場合には、ST5として商品販売登録処理を実行する。この処理は、キー入力あるいはスキャニング入力によって登録された商品の商品コードからプリセット単価を読出し、この単価と販売点数とから販売金額を算出する。そして、商品コード,販売点数,販売金額等の商品販売データをRAM13の売上登録エリアに格納する処理である。また、商品コードに対応してプリセットされている品名や販売金額等の登録商品明細データをオペレータ用表示器21及び客用表示器22に表示させる処理を含む。
【0033】
ST5の商品販売登録処理終了後、CPU11は、ST6として登録締めキーの入力有無を判断する。ここで、登録締めキーの入力無しを判断した場合には、ST1の商品登録有無判断処理に戻る。
【0034】
ST6にてキーボード19のキー入力により登録締めキーの入力有りを判断した場合には、ST7として商品登録締め処理を実行する。この処理は、売上登録エリアに格納された最新1取引分の商品販売データの販売金額から税額及び税込みの合計金額を算出し、オペレータ用表示器21及び客用表示器22に表示させる処理である。このとき、RAM13の割引率ワークメモリに割引率がセットされている場合には、その割引率で割引いた金額から税額及び税込みの合計金額を算出し、オペレータ用表示器21及び客用表示器22に表示させる。また、現金取引においては、預かり金額の入力を待機し、預かり金額が入力されたならばその預かり金額から合計金額を減算して釣銭額を求め、オペレータ用表示器21及び客用表示器22に表示させる処理を含む。
【0035】
ST7の商品登録締め処理終了後、CPU11は、ST8として会員登録をしている顧客との取引か否かを判断する。ここで、カードリーダ6により会員カード5のカードデータが読取られていた場合には会員顧客との取引であると認識し、上記カードデータが読取られていない場合には非会員顧客との取引であると認識する(顧客特定手段)。
【0036】
ST8にて非会員顧客との取引であると認識した場合には、ST9として売上登録エリアに格納された最新1取引分の商品販売データ及びその合計データ等に基づいて取引明細の印字データを編集する。そして、この取引明細印字データをプリンタ24に出力して、買上レシート30を印字発行させる。以上で、今回の登録業務処理を終了する。
【0037】
一方、ST8にて会員顧客との取引であると認識した場合には。ST10として会員カードデータ中の顧客コードを含む顧客情報問合せ伝文を作成する。そして、この問合せ伝文をストアコンピュータ1にLAN3を通じて送信する。
【0038】
これにより、ストアコンピュータ1においては、問合せ伝文中の顧客コードをキーにして顧客マスタファイル4が検索される。そして、該当する顧客コードのレコードから氏名,性別,年齢,居住区,来店回数,特典実績フラグ等の顧客情報が読み出され、問合せ元のPOSターミナル2に応答送信される。
【0039】
そこで、顧客情報問合せ伝文を送信したPOSターミナル2のCPU11は、ST11としてストアコンピュータ1からの応答受信を待機する。そして、一定時間内に顧客情報を含む応答伝文を受信したならば(属性項目情報取得手段)、ST12として図11に具体的に示す特典条件判定処理を実行する(条件判定手段)。
【0040】
先ず、ST21としてRAM13に形成された項目該当数カウンタエリアのカウント値nを“0”に初期化する。次に、ST22としてストアコンピュータ1から応答があった顧客情報の特典実績フラグを調べる。そして、特典実績フラグが“1”にセットされていたならば、当該顧客に対しては本営業日に既に特典レシート40を発行しているので、この特典条件判定処理を終了する。
【0041】
これに対し、特典実績フラグが“0”にリセットされていた場合には、ST23として上記顧客情報から顧客属性項目「性別」のデータを取得する。そして、ST24として性別条件設定テーブル51を検索し、上記顧客情報中の性別に対応して設定されている条件判定フラグを調べる。そして、条件判定フラグが“1”にセットされていたならば、当該顧客は顧客属性項目のうち「性別」に関しては特典付与条件を満足するので、ST25として項目該当数カウンタエリアのカウント値nを「1」だけカウントアップする。これに対し、条件判定フラグが“0”にリセットされていた場合には、当該顧客は「性別」に関して特典付与条件を満足しないので、カウント値nのカウントアップを行なわない。
【0042】
次に、ST26として上記顧客情報から顧客属性項目「年齢」のデータを取得する。そして、ST27として年齢層条件設定テーブル52を検索し、上記顧客情報中の年齢が属する年齢層に対応して設定されている条件判定フラグを調べる。ここで、条件判定フラグが“1”にセットされていたならば、当該顧客は「年齢」に関して特典付与条件を満足するので、ST28として項目該当数カウンタエリアのカウント値nを「1」だけカウントアップする。これに対し、条件判定フラグが“0”にリセットされていた場合には、当該顧客は「年齢」に関して特典付与条件を満足しないので、カウント値nのカウントアップを行なわない。
【0043】
次に、ST29として上記顧客情報から顧客属性項目「居住区」のデータを取得する。そして、ST30として居住区条件設定テーブル53を検索し、上記顧客情報中の居住区に対応して設定されている条件判定フラグを調べる。ここで、条件判定フラグが“1”にセットされていたならば、当該顧客は「居住区」に関して特典付与条件を満足するので、ST31として項目該当数カウンタエリアのカウント値nを「1」だけカウントアップする。これに対し、条件判定フラグが“0”にリセットされていた場合には、当該顧客は「居住区」に関して特典付与条件を満足しないので、カウント値nのカウントアップを行なわない。
【0044】
次に、ST32として上記顧客情報から顧客属性項目「来店回数」のデータを取得したならば、ST33としてその取得したデータに「1」を加算して最新の来店回数を求める。次に、ST34として来店回数条件設定テーブル54を検索し、上記最新の来店回数が属する来店回数層に対応して設定されている条件判定フラグを調べる。ここで、条件判定フラグが“1”にセットされていたならば、当該顧客は「来店回数」に関して特典付与条件を満足するので、ST35として項目該当数カウンタエリアのカウント値nを「1」だけカウントアップする。これに対し、条件判定フラグが“0”にリセットされていた場合には、当該顧客は「来店回数」に関して特典付与条件を満足しないので、カウント値nのカウントアップを行なわない。以上で、この特典条件判定処理を終了する。
【0045】
ST12の特典条件判定処理を終了すると、CPU11は、ST13として図12に具体的に示す特典有無判定処理を実行する。
【0046】
先ず、ST41として項目該当数カウンタエリアのカウント値nで特典判定テーブル55を検索し、そのカウント値nに一致する項目該当数に対応して特典テーブル番号が設定されているか否かを調べる。ここで、ST42としてカウント値nに一致する項目該当数に対応して特典テーブル番号が設定されていない、つまり特典テーブル番号=0の場合には、特典付与条件が満たされなかったので、ST43としてRAM13のフラグエリアに設けられた特典フラグを“0”にリセットする。
【0047】
これに対し、カウント値nに一致する項目該当数に対応して特典テーブル番号が設定されていた場合には、ST44としてST7の商品登録締め処理で算出された当該顧客の買上商品合計金額を取得する。そして、ST45として上記特典テーブル番号の特典情報テーブル36または37を検索し、ST44の処理で取得した買上商品合計金額が属する金額範囲の特典情報(割引率,期限)を読込む。また、ST46として上記特典フラグを“1”にリセットする。以上で、この特典有無判定処理を終了する。
【0048】
ST13の特典有無判定処理を終了すると、CPU11は、ST14としてST9の処理と同様に買上レシート30を印字発行させる。しかる後、ST15として上記特典フラグを調べる。ここで、特典フラグが“0”にリセットされていた場合には、当該顧客に対して特典が付与されないので、ST16として当該顧客の顧客コードを含む特典実績無しの会員取引実績情報伝文を作成する。そして、この伝文をストアコンピュータ1にLAN3を通じて送信したならば、今回の登録業務処理を終了する。
【0049】
一方、ST15にて特典フラグが“1”にセットされていた場合には、当該顧客に対して特典が付与されるので、ST17として特典有無判定処理のなかのST46の処理で取得した特典情報(割引率,有効期限日数)と、特典サポートテーブル38に設定されている特典有効期限開始日及び特典メッセージの各データとに基づいて、特典レシート40の印字データを編集する。そして、この印字データをプリンタ24に出力して特典レシート40を印字発行させる(特典付与手段,特典レシート発行手段)。
【0050】
その後、ST18として当該顧客の顧客コードを含む特典実績有りの会員取引実績情報伝文を作成し、この伝文をストアコンピュータ1にLAN3を通じて送信したならば、今回の登録業務処理を終了する。
【0051】
なお、ストアコンピュータ1は、各POSターミナル2から特典実績無しの会員取引実績情報伝文を受信した場合には、その伝文中の顧客コードで顧客マスタファイル4を検索する。そして、該当する顧客コードのレコードを検出したならば、そのレコードの来店回数を「1」だけ増加する。また、各POSターミナル2から特典実績有りの会員取引実績情報伝文を受信した場合にも、その伝文中の顧客コードで顧客マスタファイル4を検索する。そして、該当する顧客コードのレコードを検出したならば、そのレコードの来店回数を「1」だけ増加するとともに、特典実績フラグを“1”にセットするものとなっている。
【0052】
このように構成された本実施の形態においては、店舗に来店した顧客の中から特定の条件を満足する顧客に対してのみ所定の特典を付与するキャンペーンを実施する場合、店舗側は予めストアコンピュータを操作して条件設定テーブル51,52,53,54、特典判定テーブル55、特典情報テーブル56,57及び特典サポートテーブル58を作成しておく。そして、キャンペーン開始日の開店前に各テーブル51〜58を各POSターミナル2にダウンロードする。
【0053】
今、特典判定テーブル55として図7に示すデータが設定されたものが作成され、特典情報テーブル56,57として図8に示すデータが設定されたものが作成され、特典サポートテーブル58として図9に示すデータが設定されたものが作成されて、各POSターミナル2にダウンロードされたものとする。また、性別条件設定テーブル51として「男性」の特典付与条件が“0”で、「女性」の特典付与条件が“1”に設定されたものが作成され、年齢別条件設定テーブル52として「18歳未満」と「18〜25」の特典付与条件が“1”で、その他の特典付与条件が“0”に設定されたものが作成され、居住区条件設定テーブル53として「市内」の特典付与条件が“1”で、「市外」の特典付与条件が“0”に設定されたものが作成され、来店回数条件設定テーブル54として、「30〜49」と「50〜74」と「75回以上」の特典付与条件が“1”で、その他の特典付与条件が“0”に設定されたものが作成されて、各POSターミナル2にダウンロードされたものとする。
【0054】
この場合、会員登録を行なっている顧客のうち、顧客属性項目の少なくとも2項目で得点付与条件を満足する顧客に対しては、買上商品の代金精算の際に得点レシート40の形態で特典が付与される。例えば、性別が「女性」でかつ居住区が「市内」の会員顧客であれば、年齢が26歳以上でかつ来店回数が29回以下であっても、項目該当数が「2」なので、特典情報テーブル番号「100」の特典情報テーブル56に設定されている内容の特典が付与される。すなわち、買上金額が999円以下であれば、2001年10月17日から3日間有効の5%割引券として機能する特典レシート40が発行され、買上金額が3000円〜4999円の範囲内であれば、2001年10月17日から3日間有効の15%割引券として機能する特典レシート40(図5を参照)が発行される。
【0055】
また、性別が「女性」でかつ居住区が「市内」のみならず、年齢が25歳以下でかつ来店回数が30回以上であった会員顧客に対しては、項目該当数が「4」なので、特典テーブル番号「200」の特典情報テーブル57に設定されている内容の特典が付与される。すなわち、買上金額が999円以下であれば、2001年10月17日から5日間有効の10%割引券として機能する特典レシート40が発行され、買上金額が3000円〜4999円の範囲内であれば、2001年10月17日から5日間有効の20%割引券として機能する特典レシート40が発行される。
【0056】
このように本実施の形態によれば、各条件設定テーブル51〜54の各項目に対応する特典付与条件の設定如何によって、POSターミナル2が店舗に来店し商品を購入した顧客の中から所望する属性を有する顧客、例えば年齢が25歳以下で市内に住む女性の顧客を自動的に選別し、当該顧客に対して割引券として使用可能な特典レシート40を付与できるようになる。したがって、特定の客層をターゲットにしたキャンペーンを実施する場合において、そのキャンペーンの実施前に、ターゲットとする客層の顧客に対して割引券を店員の負担なく配布できるようになる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、各条件設定テーブル51〜54の各項目に対応する特典付与条件を全て“1”に設定することによって、店舗に来店し商品を購入した全ての顧客に特典を付与することも可能である。
【0058】
さらに、本実施の形態によれば、特典判定テーブル55を設けるとともに、特典情報テーブル56,57を複数設けているので、特典付与条件を満足する顧客属性項目が多い顧客ほど、より有益な特典が得られるような特典付与方法を容易に実施することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、特典レシート40を、買上レシート30とは印字イメージを90度回転させた横印字イメージで印字し発行するようにしたので、買上レシート30と容易に区別することができる。その結果、買上レシート30と一緒に誤って特典レシート40を破棄してしまうミスも防ぐことができる。また、横印字イメージで印字することによって有効期限や特典メッセージ等をそれぞれ1行で印字できるようになるので、特典レシート40を取扱うものにとって特典の内容が理解しやすいレシートが得られる利点もある。
【0060】
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記一実施の形態では、店舗に来店し商品を購入した特定の顧客に特典を付与するために、POSターミナル2を用いて説明したが、店舗に来店しただけで商品を購入していない特定の顧客に対しても同様な特典を付与できるように、店頭に設置された顧客管理装置に本発明を適用することも可能である。
【0061】
すなわち、会員カード5のカードデータを読取可能なカードリーダ6を備えた顧客管理装置をLAN3に接続する。また、顧客管理装置のRAMに、条件設定テーブル51,52,53,54、特典判定テーブル55、特典情報テーブル56,57及び特典サポートテーブル58を記憶させる。そして、店舗に来店した会員顧客が、自身の会員カードデータを顧客管理装置のカードリーダ6に読取らせると、顧客管理装置のCPUが、図10に示した登録業務処理のST10,ST11,ST12,ST13,ST15,ST17,ST18の各処理を順次実行するようにプログラムを構成する。こうすることにより、顧客管理装置は、店舗に来店した顧客のうち所望する属性を有する顧客を自動的に選別し、当該顧客に対して割引券として使用可能な特典レシート40を付与できるようになる。
【0062】
また、前記一実施の形態では、各顧客の属性に関する各種項目情報を顧客マスタファイル4でまとめて記憶管理したが、各顧客がそれぞれ所持する会員カード5の記録部にそれぞれ当該顧客の属性に関する項目情報を記録し、カードリーダ6で読取ることにより、顧客の属性項目情報を取得するようにしてもよい。
【0063】
この他、特定の顧客に対して付与される特典を特定商品のクーポン券としたり、サービスポイントとする等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、店舗に来店した顧客の中から特定の属性を有する顧客を選別して特典を付与できる顧客管理装置を提供できる。
【0065】
また本発明によれば、店舗に来店し商品を購入した顧客の中から特定の属性を有する顧客を選別して特典を付与できる商品販売登録データ処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるPOSシステムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態における顧客マスタファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図3】同実施の形態におけるPOSターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態のPOSターミナルから印字発行される買上レシートの一例を示す図。
【図5】同実施の形態のPOSターミナルから印字発行される特典レシートの一例を示す図。
【図6】同実施の形態におけるPOSターミナルのRAMに形成される条件設定テーブルのデータ構成を示す図。
【図7】同実施の形態におけるPOSターミナルのRAMに形成される特典判定テーブルのデータ構成を示す図。
【図8】同実施の形態におけるPOSターミナルのRAMに形成される特典情報テーブルのデータ構成を示す図。
【図9】同実施の形態におけるPOSターミナルのRAMに形成される特典サポートテーブルのデータ構成を示す図。
【図10】同実施の形態におけるPOSターミナルのCPUが実行する登録業務処理の要部を示す流れ図。
【図11】図10の中の特典条件判定処理を具体的に示す流れ図。
【図12】図10の中の特典有無判定処理を具体的に示す流れ図。
【符号の説明】
1…ストアコンピュータ
2…POSターミナル
4…顧客マスタファイル
5…会員カード
6…カードリーダ
40…特典レシート
51〜54…条件設定テーブル
55…特典判定テーブル
56,57…特典情報テーブル
58…特典サポートテーブル
Claims (6)
- 顧客の属性に関する複数種類の項目に対してそれぞれ特典を付与する条件を設定する条件設定手段と、
顧客に対して付与される複数種類の特典を設定する特典設定手段と、
来店した顧客を特定する顧客特定手段と、
この顧客特定手段により特定された顧客の属性に関する各種項目の情報を取得する属性項目情報取得手段と、
この属性項目情報取得手段により取得した前記顧客の属性に関する各種項目毎に前記条件設定手段により設定されている条件を満足するか否かを判定する条件判定手段と、
この条件判定手段により条件を満足すると判定された項目数をカウントするカウント手段と、
前記特典設定手段により設定された複数の特典の中から前記カウント手段によりカウントされた項目数に応じた特典を選択して付与する特典付与手段と、
を具備したことを特徴とする顧客管理装置。 - 特典付与手段は、カウント手段によりカウントされた項目数が多いほど顧客にとって有益な特典を付与することを特徴とする請求項1記載の顧客管理装置。
- 特典付与手段により付与される特典は、次回来店時に使用可能な割引券であることを特徴とする請求項1または2記載の顧客管理装置。
- 顧客が購入する商品の販売データを登録処理し買上レシートを印字発行する商品販売登録データ処理装置において、
顧客の属性に関する複数種類の項目に対してそれぞれ特典を付与する条件を設定する条件設定手段と、
顧客に対して付与される複数種類の特典を設定する特典設定手段と、
商品を購入した顧客を特定する顧客特定手段と、
この顧客特定手段により特定された顧客の属性に関する各種項目の情報を取得する属性項目情報取得手段と、
この属性項目情報取得手段により取得した前記顧客の属性に関する各種項目毎に前記条件設定手段により設定されている条件を満足するか否かを判定する条件判定手段と、
この条件判定手段により条件を満足すると判定された項目数をカウントするカウント手段と、
前記特典設定手段により設定された複数の特典の中から前記カウント手段によりカウントされた項目数に応じた特典を選択して特典レシートを発行する特典レシート発行手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。 - 特典レシート発行手段により特典レシートに印字される特典情報は割引券の情報であり、売上金額が高い顧客に対して割引率の大きい割引券情報を印字した特典レシートを発行するようにしたことを特徴とする請求項4記載の商品販売登録データ処理装置。
- 特典レシート発行手段は、買上レシートとは印字イメージを90度回転させた横印字イメージで特典レシートを印字し発行することを特徴とする請求項4または5記載の商品販売登録データ処理装置。
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