JP3615359B2 - 耳式体温計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳式体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院等の医療機関や家庭などで体温の測定を体温計として、耳腔(外耳道)内にプローブ(検温部)を挿入し、鼓膜から放射される赤外線(熱線)を検出し、その赤外線の強度によって体温を測定する耳式体温計が提案されている。
【0003】
この耳式体温計では、例えば複数の患者の体温を測定する場合に、感染防止等の衛生管理上の問題から、プローブを被覆し、検温の度に交換される使い捨てのプローブカバーがプローブに装着される。
【0004】
特公平6−42872号公報に示すように、プローブカバーのプローブへの装着は、プローブカバーがプローブに嵌合してその装着状態を維持するか、または、プローブカバーの内面に形成されたリング状の凹部がプローブの外面に形成されたリング状の凸部に嵌合してその装着状態を維持するよう構成されている。
【0005】
しかしながら、このような単なる嵌合による装着状態の維持では、嵌合強度にバラツキがあり、装着状態を安定的に維持できない場合がある。この場合、体温測定後、プローブカバーが装着されたプローブを耳腔から抜き取った際に、プローブカバーだけが耳腔内に残ってしまうといった不都合が生じることがある。
【0006】
また、プローブカバーをプローブから容易に取り外すことができるので、乳幼児が誤ってプローブカバーを取り外し、口に入れる等の不都合も生じる。
【0007】
また、プローブカバーがプローブから外れないまでも、プローブに対しズレを生じることがあり、このことが測定精度を低下させる原因となる。
【0008】
また、プローブカバーを装着したプローブは、耳腔への挿入を容易にするため、先端方向に向かって先細りとなるようなテーパ形状をなしているが、そのため、プローブの耳腔への挿入深さは、その押し込み力に左右され、一定の挿入深さを得ることが難しい。これにより、再現性が悪く、体温の測定値にバラツキが生じ、測定精度を低下させるという欠点があるとともに、プローブの耳腔への挿入深さが深過ぎて耳の奥部を傷つけるおそれが生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プローブカバーのプローブへの装着を安定させることができ、また、検温の精度を向上することができる耳式体温計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0011】
(1) 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。
【0012】
(2) 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットであって、形状または寸法の異なるものを交換して使用し得る少なくとも1つのリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。
【0013】
(3) 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットであって、前記プローブの突出長さを異ならせるものを交換して使用し得る少なくとも1つのリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。
【0014】
(4) 前記リングナットは、前記プローブが耳腔に挿入される深さを規制する機能を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の耳式体温計。
【0015】
(5) 前記リングナットは、平坦な端面を有し、該端面が耳腔入口付近に当接することにより、前記プローブの耳腔への挿入深さを規制する上記(4)に記載の耳式体温計。
【0016】
(6) 前記プローブは、前記体温計本体に対し着脱自在に設置されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の耳式体温計。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の耳式体温計(以下単に「体温計」という)を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1および図2は、それぞれ、本発明の体温計の正面図および側面図、図3は、本発明の体温計に装着されるプローブカバーの構成例を示す縦断面図、図4は、本発明の体温計においてプローブにプローブカバーを装着した状態を示す図1中のA−A線断面図である。なお、説明の都合上、図1、図2の上側を「上部」、下側を「下部」、図3、図4の上側を「先端」、下側を「基端」と言う。
【0023】
図1、図2および図4に示すように、本発明の体温計1は、鼓膜から発せられる赤外線の強度を測定することにより体温を検出する耳式体温計であり、ケーシング21を有する体温計本体2と、体温計本体2の正面に設置された電源スイッチ3および表示部5と、体温計本体2の背面上部に設置された測定スイッチ4とを有している。
【0024】
プローブ6は、体温計本体2の上部正面側に、体温計本体2に対し着脱自在に設置されている。図4に示すように、支持台7は、大径部71と、その先端側の小径部72とを有し、大径部71および小径部72の外周には、それぞれ、雄螺子73、74が形成されている。支持台7は、アルミニウム、銅などからなる熱伝導性の良い金属ブロックで構成されているのが好ましい。
【0025】
一方、管状のプローブ6の基端には、大径部71の先端面に当接する基部61を有するとともに、プローブ6の基端側内面には、前記雄螺子74と螺合する雌螺子62が形成されている。これらの雄螺子74と雌螺子62を螺合することにより、プローブ6が支持台7に支持、固定される。また、支持台7は、回路基板(図示せず)に固定され、その回路基板は、ケーシング21に固定されている。
【0026】
また、プローブ6は、その外径が先端に向かって漸減する形状をなしており、プローブ6の先端外周部(縁部)63は、耳腔内へ挿入したときの安全性を考慮して、丸みを帯びた形状をなしている。
【0027】
なお、プローブ6の材質としては、ABS樹脂、スチロール系樹脂等の樹脂材料が挙げられる。また、プローブ6の構成材料中には、抗菌剤や強化用のガラス等の添加物を添加することもできる。
【0028】
支持台7の中心部には、その先端から導入された赤外線(熱線)を赤外線センサー(温度検出センサー)10へ導くライトガイド(導波管)8が立設されている。ライトガイド8は、好ましくは熱伝導性の良い銅などの金属で構成され、その内面には、金メッキが施されている。
【0029】
また、ライトガイド8には、その先端開口を覆うように保護シート81が被覆されている。これにより、ライトガイド8の内部にゴミ、塵等が侵入することが防止される。なお、保護シート81は、赤外線透過性を有するものであり、その構成材料としては、後述するプローブカバー11と同様の樹脂材料が挙げられる。保護シート81の膜厚は、例えば0.03〜0.08mm程度とすることができる。
【0030】
支持台7の大径部71には、リングナット(固定部材)9が螺合される。すなわち、リングナット9の基端側内面には、雌螺子91が形成され、この雌螺子91が大径部71の雄螺子73と螺合することにより、リングナット9が支持台7に支持、固定される。
【0031】
このリングナット9は、雌螺子91の先端付近からその外径が先端方向へ向かって漸減するテーパ部92を有している。テーパ部92の内面には、プローブカバー11の胴部12に係合する係合部93が形成されている。また、リングナット9の材質としては、ABS樹脂、スチロール系樹脂等の樹脂材料が挙げられる。また、リングナット9の構成材料中には、抗菌剤や強化用のガラス等の添加物を添加することもできる。
【0032】
プローブ6にプローブカバー11を被せ、リングナット9を装着し、所定方向に回転操作して螺合すると、プローブカバー11の胴部12がプローブ6の傾斜部64とリングナット9の係合部93とで挟持され、プローブカバー11がプローブ6に対し確実に固定される。
【0033】
なお、本実施例のプローブカバー11の開口端(基端)の周囲にフランジ取り付け基部等を設け、このフランジ等をプローブ6とリングナット9の間で挟持してプローブカバー11を固定することもできる。
【0034】
従って、体温測定中等に、プローブカバー11がプローブ6に対しズレを生じることがなく、高い測定精度が維持される。さらに、プローブカバー11は、プローブ6から容易に離脱することがないので、例えば、体温測定後、耳腔からプローブ6を抜き取った際に、プローブカバー11だけが耳腔内に残ってしまうといった不都合が確実に防止される。
【0035】
また、プローブカバー11をプローブ6から取り外すには、リングナット9を相当の力で回転操作して大径部71との螺合を解除しなければならないので、乳幼児が誤ってプローブカバー11を取り外し、口に入れる等の不都合も防止される。
【0036】
リングナット9の先端面94は、ほぼ平坦な面を構成している。プローブ6を耳腔に挿入したとき、この先端面94は、耳腔入口付近に当接し、プローブ6の耳腔への挿入深さを一定の深さに規制する。このため、常に適正条件での測定が可能となり、耳腔への挿入深さの変動による測定誤差を防止することができるとともに、プローブ6の耳腔内に深く入り過ぎて耳の奥部を傷つけるといった不都合も生じない。
【0037】
また、リングナット9のテーパ部92の外周面には、リングナット9を締めつける方向または弛める方向に回転操作する際の滑り止め効果を発揮する複数の溝(滑り止め手段)95が円周方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0038】
なお、溝95のような凹部に限らず、凸部であっても同様の機能を発揮することができる。また、ゴムのような高摩擦材料を配してもよい。
【0039】
赤外線センサー10は、サーモパイル(熱電対列)を備え、熱絶縁帯を介して中心側に位置する集熱部に前記サーモパイルの温接点が、熱絶縁帯の外周側に冷接点がそれぞれ設置された構成をなしている。そして、赤外線照射により暖められた温接点と赤外線が照射されない冷接点との温度差に相当するサーモパイル出力信号と、赤外線センサー10の近くもしくは内部に設置されるサーミスタ(図示せず)により出力される冷接点の温度に相当する信号との関数として、体温を測定するものである。
【0040】
次に、プローブ6に装着されるプローブカバー11の好適な構成例について、図3を参照しつつ説明する。
【0041】
プローブカバー11は、基端が開放し、先端が閉じた形状をなしている。このプローブカバー11は、筒状の胴部12と、胴部12の先端部に形成された赤外線を透過し得る膜14と、膜14の外周部に形成され、該膜14より先端側に突出するリング状のリップ部15とで構成されている。
【0042】
そして、胴部12、膜14およびリップ部15は、後述する製造方法との関係で、好ましくは樹脂材料により一体的に形成されている。この樹脂材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、スチロール系樹脂等が挙げられる。
【0043】
胴部12は、その外径および内径が先端へ向かって漸減している。また、胴部12の厚さも、先端へ向かって漸減している。
【0044】
膜14の厚さは、特に限定されないが、0.01〜0.10mm程度が好ましく、0.05〜0.07mm程度がより好ましい。膜14の厚さが薄過ぎると、膜材料によっては、強度不足を生じ、破れ等の破損を生じ易くなり、また、膜14の厚さが厚過ぎると、赤外線の透過率が低下し、高精度の体温測定の妨げとなるおそれがある。
【0045】
このプローブカバー11では、リップ部15が存在することにより、膜14がプローブカバー11の先端から所定距離(H)だけ基端側へ下がった状態となる。これにより、プローブ6にプローブカバー11を装着し、耳腔内に挿入したとき、膜14が耳腔の内面やその周辺部に触れることや、プローブカバー11のプローブ6への着脱操作時等に指等が触れることが防止され、膜14の表面を清浄に保つことができるので、より高い測定精度を維持することができる。
【0046】
このリップ部15は、その内側がプローブ6の先端部に嵌合する形状をなしている。すなわち、図4に示すように、プローブ6にプローブカバー11を装着した状態では、リップ部15がプローブ6の先端外周部63に嵌合する。これにより、耳腔内への挿入時(測定時)等に、プローブカバー11の先端部がプローブ6に対しズレを生じることが防止されるとともに、膜14が一定の張力で張られ、膜14にしわやたるみが生じることが防止されるので、測定精度の向上に寄与する。
【0047】
また、リップ部15の先端は、丸みを帯びた形状をなしている。これにより、耳腔内への挿入に際し、痛みを感じたり、耳腔内壁を傷つけたりすることがなく、高い安全性が確保される。
【0048】
リップ部15の高さHが低過ぎると、リップ部15を設けたことによる前記効果が十分に発揮されず、また、リップ部15の高さHが高過ぎると、材質等の他の条件によっては、プローブカバー11の成形時に、膜14の厚さが不均一となり、薄い部分にしわや破損が生じ易くなる等の不都合が生じることがある。
【0049】
よって、リップ部15の高さHは、膜14の直径をDとしたとき、4≦D/H≦55なる関係を満足するのが好ましい。
【0050】
プローブカバー11の製造方法は、特に限定されないが、その一例を挙げれば、次のような方法で製造(成形)されるのが好ましい。
【0051】
プローブカバー11を成形する樹脂シートを用意し、該樹脂シートの図3中下方から樹脂シートをヒーターにより加熱し、樹脂シートを十分に軟化させ、ヒーターを取り外す。その後、樹脂シートの図3中下方から円錐台形状のシート押し込み部材を接触させ、樹脂シートの上方から、プローブカバー11の外側形状に対応する形状をなした雌型金型を樹脂シートに接触させ、前記シート押し込み部材で樹脂シートを雌型金型の途中まで押し込んだ後、雌型金型のリップ部に相当する部分に予め形成された細孔から真空ポンプにより吸引する。これにより、軟化した樹脂シートは、雌型金型内部に引っ張られ、雌型金型内部に密着する。この状態で、樹脂シートを冷却することにより、樹脂シートは固化し、雌型金型の内部形状に成形される。次に、吸引を停止し、雌型金型を上方に移動することにより、プローブカバー11の形状に成形された樹脂シートを取り外す。その後プローブカバー11の基端側を切断して(打ち抜いて)、プローブカバー11を得る。
【0052】
また、他の方法としてプローブカバー11を成形する樹脂シートを用意し、プローブカバー11の内側形状に対応する形状をなし、かつ前記樹脂シートが溶融または軟化する程度の温度まで加熱された金型により前記樹脂シートを図3中下方から上方へ押圧して熱変形させるとともに、膜14に対応する平坦面を有する同様の加熱金型を図3中上方から下方へ移動し、両金型で膜14の部分を挟持し、その挟持圧力を調整して所望の膜厚を得る。その後、両金型を除去し、プローブカバー11の形状に変形した樹脂シートを冷却、固化し、プローブカバー11の基端側を切断して(打ち抜いて)、プローブカバー11を得る。
【0053】
プローブカバー11の実際の製造においては、樹脂シートは加熱されると、自重により鉛直下方へたれ下るので、上下方向を図3とは逆にして製造するのが好ましい。
【0054】
なお、プローブカバー11の構成は、図3に示すものに限定されないことは言うまでもない。
【0055】
また、本発明の体温計1は、形状または寸法の異なる2以上のリングナットを交換して使用することができるものである。図5は、図4に示すリングナットとは形状および高さが異なるリングナットを装着した状態を示す縦断面図である。すなわち、図5に示すリングナット90は、図4に示すリングナット9に比べ、テーパ部92の高さが高く、かつ先端の外径が小さく、それ以外の構成およびリングナットの機能は同様である。このリングナット90を装着した場合には、先端面94からのプローブ6の突出長さが図4の構成に比べて短く設定されるため、プローブ6の耳腔への挿入深さが短くなる。
【0056】
このように、形状または寸法の異なるリングナットを交換して使用することができるので、プローブ6の耳腔への挿入深さやプローブ6の外径等を年齢や個人差に応じて適正な条件に設定することができ、各々の場合において、測定精度を向上することができる。
【0057】
なお、交換可能なリングナットとしては、例えば、その高さが同一で、先端部の形状または先端面94の面積が異なるものを含んでいてもよい。
【0058】
次に、体温計1の使用方法について説明する。
体温計本体2の支持台7の小径部72に前述したようにしてプローブ6を螺合、装着し、さらに、該プローブ6にプローブカバー11を被せる。次いで、その上から、選択されたリングナット9または90を挿通し、支持台7の大径部71に螺合する。これにより、プローブカバー11の胴部12がプローブ6の傾斜部64とリングナット9または90の係合部93とで挟持され、プローブカバー11がプローブ6に対し固定される。これにより、プローブカバー11の装着が完了する。
【0059】
次に、電源スイッチ3をONの状態とし、所定時間経過後、体温計本体2を把持し、プローブカバー11で被包されたプローブ6を耳腔内に挿入する。
【0060】
次に、測定スイッチ4を所定時間押圧する。これにより、体温の測定がなされる。すなわち、鼓膜から放射された赤外線(熱線)は、膜14および保護シート81を順次透過し、ライトガイド8内に導入され、その内面で反射を繰り返して赤外線センサー10に到達する。
【0061】
そして、前述したように、赤外線センサー10で受光した赤外線の強度を温度に換算し、体温を検出する。検出された体温は、表示部5に表示される。
【0062】
図6は、本発明の体温計の他の実施例を示すプローブ付近の縦断面図である。同図に示す体温計は、リングナットがプローブとプローブカバーとを同時に体温計本体に対し固定する機能を有するものである。以下、図1〜図5に示す実施例と相違する点を中心に説明する。
【0063】
プローブ6は、体温計本体2の上部正面側に、体温計本体2に対し着脱自在に設置されている。
【0064】
支持台7は、外周に雄螺子73が形成された大径部71と、その先端側の小径部72とを有している。大径部71の先端には、リング状の溝711が形成されている。また、小径部72は、プローブ6の基端側内部に挿入し得るよう、テーパ状をなしている。
【0065】
プローブ6の基端には、基部61が形成されている。この基部61の基端は、溝711に嵌合する形状をなしている。すなわち、例えばリング状をなす突部611が形成されている。
【0066】
また、プローブ6は、その外径が先端に向かって漸減する形状をなしており、プローブ6の先端外周部63は、耳腔内へ挿入したときの安全性を考慮して、丸みを帯びた形状をなしている。
【0067】
支持台7の中心部には、前記と同様のライトガイド(導波管)8が立設されている。このライトガイド8には、その先端開口を覆うように前記と同様の保護シート81が被覆されている。
【0068】
この保護シート81は、ライトガイド8に挿通されたそろばん玉形状のフェルル(保護シート固定部材)82により挟持され、緊張状態で固定されている。フェルル82の基端部は、小径部72の先端に形成された凹部721内に挿入されている。
【0069】
支持台7の大径部71には、前記と同様のリングナット96が螺合される。すなわち、リングナット96の基端側内面には、雌螺子91が形成され、この雌螺子91が大径部71の雄螺子73と螺合することにより、リングナット96が支持台7に支持、固定される。
【0070】
このリングナット96は、雌螺子91の先端付近からその外径が先端方向へ向かって漸減するテーパ部92を有し、テーパ部92の内面には、プローブカバー11に係合する係合部93が形成されている。
【0071】
プローブ6にプローブカバー11を被せた状態で、突部611を溝711に嵌合する。次いで、リングナット96を装着し、所定方向に回転操作して螺合すると、プローブカバー11が係合部93で係合すると共に基部61が支持台7の大径部71とリングナット9の係合部93との間に挟持され、プローブ6が体温計本体2に対し確実に固定される。これにより、前記と同様の効果が得られる。
【0072】
なお、リングナット96の螺合によりプローブ6およびプローブカバー11が体温計本体2に対し固定された状態では、フェルル82の外周部がプローブ6の内面に当接して押圧され、フェルル82がライトガイド8の中心軸方向および基端方向への応力を受ける。これにより、保護シート81が基端方向へ引っ張られ、保護シート81の少なくともライトガイド8の先端開口を遮蔽する部分は、しわのない緊張状態とされる。
【0073】
リングナット96の先端面94は、ほぼ平坦な面を構成し、前記と同様に、プローブ6の耳腔への挿入深さを一定の深さに規制する機能を有している。
【0074】
また、リングナット96のテーパ部92の外周面には、前記と同様の複数の溝(滑り止め手段)95が円周方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0075】
なお、本実施例のプローブカバー11の開口端(基端)の周囲にフランジ取り付け基部等を設け、このフランジ等をプローブ6とリングナット9の間で挟持してプローブカバー11を固定することもできる。
【0076】
また、リングナット96のプローブカバー11と係合する係合部93を面接触とすることで、プローブカバー11の銅部12の広い部分を挟持することができる。
【0077】
なお、本実施例においても、前記と同様に、形状または寸法の異なる2以上のリングナットを交換して使用することが可能である。
【0078】
以上のような構成の体温計では、プローブ6とプローブカバー11とを体温計本体2に対し同時に着脱することができるので、その操作が容易であるという利点がある。
【0079】
また、プローブ6の内面に螺子を形成する必要がないことから、プローブ6を取り外しての清掃が容易となるという利点もある。
【0080】
以上、本発明の体温計を添付図面に示す実施例に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0081】
また、プローブカバーは、リップ部を有さないものでもよく、あるいは、複数の部材を接合して構成されたものであってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の体温計によれば、リングナットを備えることにより、プローブカバーのプローブへの装着を安定させることができる。特に、プローブカバーがプローブから容易に離脱することがないので、例えば、体温測定後、耳腔からプローブを抜き取った際に、プローブカバーだけが耳腔内に残ってしまうといった不都合が確実に防止される。また、螺合部材をリングナット等で構成しているので、乳幼児が誤ってプローブカバーを取り外し、口に入れる等の不都合も防止される。
【0083】
また、異なるリングナットを交換して使用するものの場合には、プローブの耳腔への挿入深さ等を年齢や個人差に応じて適正な条件に設定することができる。
【0084】
また、リングナットがプローブの被測定部位への挿入深さを規制する機能を有する場合には、耳腔への挿入深さの変動による測定誤差を防止することができるとともに、プローブの耳腔内に深く入り過ぎて耳の奥部を傷つけるといった不都合も防止できる。
【0085】
以上より、プローブカバーの離脱や位置ズレ等を生じることがなく、より適正な測定条件で体温測定を行うことができるので、測定精度が向上するとともに、安全性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体温計の正面図である。
【図2】本発明の体温計の側面図である。
【図3】本発明の体温計に用いられるプローブカバーの構成例を示す縦断面図である。
【図4】プローブカバーを装着した状態の図1中のA−A線断面図である。
【図5】図4に示すリングナットと異なるリングナットを装着した状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の体温計の他の実施例を示すプローブ付近の縦断面図である。
【符号の説明】
1 体温計
2 体温計本体
21 ケーシング
3 電源スイッチ
4 測定スイッチ
5 表示部
6 プローブ
61 基部
611 突部
62 雄螺子
63 先端外周部
64 傾斜部
7 支持台
71 大径部
711 溝
72 小径部
721 凹部
73、74 雄螺子
8 ライトガイド
81 保護シート
82 フェルル
9 リングナット
90 リングナット
91 雌螺子
92 テーパ部
93 係合部
94 先端面
95 溝
96 リングナット
10 赤外線センサー
11 プローブカバー
12 胴部
14 膜
15 リップ部
Claims (6)
- 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。 - 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットであって、形状または寸法の異なるものを交換して使用し得る少なくとも1つのリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。 - 体温計本体と、該体温計本体に設置されたプローブとを有し、前記プローブに該プローブを被覆するプローブカバーを装着し、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式の体温計であって、
前記プローブカバーの前記プローブに対する装着を固定する機能と、前記プローブを前記体温計本体に対し固定する機能とを有し、前記体温計本体に対し螺合するリングナットであって、前記プローブの突出長さを異ならせるものを交換して使用し得る少なくとも1つのリングナットを備え、
前記リングナットの外周面には、その固定操作または固定解除操作の際の滑りを防止する滑り止め手段として、複数の溝が円周方向に所定間隔をおいて形成されていることを特徴とする耳式体温計。 - 前記リングナットは、前記プローブが耳腔に挿入される深さを規制する機能を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の耳式体温計。
- 前記リングナットは、平坦な端面を有し、該端面が耳腔入口付近に当接することにより、前記プローブの耳腔への挿入深さを規制する請求項4に記載の耳式体温計。
- 前記プローブは、前記体温計本体に対し着脱自在に設置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の耳式体温計。
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