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JP3615228B2 - 黄色トナー - Google Patents

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JP3615228B2 JP03337193A JP3337193A JP3615228B2 JP 3615228 B2 JP3615228 B2 JP 3615228B2 JP 03337193 A JP03337193 A JP 03337193A JP 3337193 A JP3337193 A JP 3337193A JP 3615228 B2 JP3615228 B2 JP 3615228B2
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Ricoh Co Ltd
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
電子写真、静電記録等における静電荷像を現像するための新規なトナーに関し、特にカラー電子写真に適した黄色トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気潜像を現像剤により現像して可視画像を形成する電子写真方式は光導電性物質からなる感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤で現像し、必要に応じて紙等にトナー粉像を転写した後、加熱、加圧等により定着して可視像を得るものである。またカラーの多色像を得るためには原稿をいろ分解フィルターを用いて露光、あるいはスキャナーで読みとった像をレーザーで書き込み露光し、上記の工程をイエロー、マセンダ、シアンのカラー現像剤を用い、トナー像を重ね合わせカラー画像を形成するものである。
【0003】
従来の電子写真用黄色着色剤としては、例えば特開昭49−109040号公報、特開昭58−187949号公報で開示されているジスアゾ顔料や特開昭58−189653号公報、特開平2−136865号公報で開示されているモノアゾ顔料が用いられているが、これらの有機顔料は熱や光に対する堅牢性は優れているものの、トナー中に顔料粒子として分散状態で存在しているため分散粒子による光散乱を生じトナーの透明性を低下させる、このため複数のトナーを重ね合わせた画像の色再現性が劣り、OHPへ転写、定着したトナー画像の投影像が暗く、彩度が低くなる欠点を有している。
【0004】
一方、染料は顔料にくらべ微細に分散した状態で存在することから、染料を用い上記欠点を改良したトナーの提案がある、例えば、特開昭57−128348号公報、特開平2−210362号公報にはC.I.DISPERSE YELLOW 61を用いる黄色トナーが開示され、特開昭63−129350号公報、特開昭63−129351号公報にはC.I.DISPERSE YELLOW 54、同93の染料を用いたトナーの開示がある、特開昭62−147465号公報、特開平1−253759号公報、特開平2−51166号公報にはピリドンアゾ系を用いた黄色トナーが開示されている。
【0005】
これらの染料を用いたトナーは熱や光による退色が起こり易く、また樹脂粒子に染着により着色化する方法では上記の染料では染着性が劣る等の欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上述の欠点を改良した電子写真用黄色トナーを提供する事にある、すなわち
▲1▼ 分光反射特性、透明性が良好である電子写真用黄色トナーを提供する。
▲2▼ 耐熱性、耐光性が優れた電子写真用黄色トナーを提供する。
▲3▼ 結着剤樹脂への染料の分散性がよい電子写真用黄色トナーを提供する。
▲4▼ 結着剤樹脂への染着性が優れた染料により、染着した電子写真用黄色トナーを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)熱可塑性樹脂と着色剤を主成分とする電子写真用トナーにおいて前記着色剤がC.I.Disperse Yellow 224,237から選ばれる化合物を含有する事を特徴とする黄色トナー
(2)該黄色トナーに使用する熱可塑性樹脂の体積平均粒子径(D)が3〜9μmで数平均粒子径(D)との比(D/D)が1.00〜1.15の範囲にあり、前記着色剤により染着されている事を特徴とする電子写真用黄色トナーである。
本発明トナーの粉体粒子に使用される熱可塑性樹脂としては従来公知のものを広く使用することができる。
【0008】
例えば、スチレン、パラクロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重合体、又は、これら単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物が挙げられる。
【0009】
その他ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
【0010】
トナーを得る方法としては、本発明の着色剤とこれらの熱可塑性樹脂や極性制御剤等を混練粉砕する方法や、本発明の着色剤とモノマーや極性制御剤等共に懸濁重合する方法または分散重合法で得られた重合粒子を用い本発明の着色剤により染着する方法等があるが、本発明では分散重合法で得られた樹脂粒子を本発明の着色剤により染着する方法が好ましい。
【0011】
本発明の黄色着色剤はカラーインデックスの分散染料または油溶性染料に分類されるC.I.Disperse Yellow 224,237から選ばれる化合物であり、上記着色剤の二種類以上の混合使用または他の黄色着色剤と混合使用することも可能である。
【0012】
本発明の着色剤の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜15重量部であり、好ましくは3〜10重量部である。
さらに本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加してもよい。
【0013】
例えば負帯電性の場合には、アルキルサルチル酸やナフトエ酸の金属キレート、特開昭55−76353や特開平3−213877等に記載のフッソ系化合物等があり正帯電性の場合には4級アンモニウム塩や特開昭56−164350等に記載のアルキル金属オキサイド等も使用できる。
【0014】
現像剤にキャリアを使用する場合は、従来公知の物が使用できる。例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム等の金属及びそれらの合金または酸化物及び上記の金属より成るフェライト等が使用できまた上記キャリアの表面を樹脂等で被覆のものも使用できる。さらに本発明トナーが使用される現像剤に対してはコロイダルシリカ等の流動性改質剤をトナーに対して0.01〜3重量部程度添加してもよい。
【0015】
本発明の黄色トナーに使用する熱可塑性樹脂は体積平均粒子径(D)が3〜9μmで数平均粒子径(D)との比(D/D)が1.00〜1.15の範囲にあり黄色着色剤が熱可塑性樹脂中に染着している事が特に好ましい。
この様な小粒径で粒度分布の狭いトナーを作成する方法としては分散重合方法が好ましい。
【0016】
樹脂粒子を着色剤により染着する方法としては分散染料と樹脂粒子とを水中で分散加熱して染着する方法や有機溶剤に染料溶解または分散し、溶剤中で樹脂粒子を染着する溶剤染着等であるが、本発明の着色剤を用いて染着する場合は溶剤染着が望ましい。ここで使用する溶媒は汎用の有機溶媒が使用できるが、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤が好ましく、樹脂の溶解性により上記アルコール溶剤に他の溶剤や水を加え混合系で染着したり界面活性剤やアルコール可溶性高分子を添加した系で染着することも可能である。
【0017】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって説明する。
実施例1
ポリエステル樹脂(Tg58℃、軟化点68℃)100部、C.I.Disperse Yellow 224、6部および3,5ジターシャリブチルサリチル酸亜鉛4部よりなる混合物を熱ロールにより加熱混練し、粉砕、分級して体積平均粒径8.5μmの黄色トナーを得た。このトナー100部にシリカ0.5部を加え、トナー粒子表面にシリカを有する黄色トナーを調製した、ついでこのトナーを鉄粉キャリア100部に対し3部を混合し現像剤とした。この現像剤を磁気ブラシ現像装置にいれ、有機感光体を有したデジタル電子写真装置を用いて複写試験を行い、分光特性の良い鮮明な黄色の複写画像を得た、この複写画像の耐光性を調べるため画像の一部を遮光しキセノン光源下に10時間暴露し遮光部と暴露部を色彩色差計でL値を測定した結果遮光部では88.95、暴露部では88.94であり遮光部と暴露部の差がみられず耐光性の優れた複写画像であった。
【0018】
実施例2
スチレン55部、メチルアクリレート45部をメチルアルコール溶媒中で分散安定剤としてポリビニルピロリドンの存在下に共重合して体積平均粒径(D)4.8μmで個数平均粒子径(D)との比D/Dが1.10の粒度分布の狭い、球状の粉体粒子を得た。次にこの粉体粒子100部をメチルアルコール400部に分散し、室温で撹拌しつつC.I.Disperse Yellow 237、5部を加えて50℃で8時間撹拌して染着した後室温下でパーフルオロアルキルスルホン酸〔大日本インキ(株)社製メガファックF−110)〕の10%メタノール溶液20部を加え30分間撹拌した後濾過、乾燥して黄色トナーを得た。
【0019】
このトナー100部にシリカ0.5部を加え、トナー粒子表面にシリカを有する黄色トナーを調製した。
【0020】
次にこのトナー3部を鉄粉キャリア100部と混合して2成分系現像剤とし、デジタル複写機を用いて画像形成を行ったところ、ドット再現性の優れた分光特性の良い鮮明な黄色画像を得た。
【0021】
この黄色画像を実施例1と同様にして耐光性を調べたところ遮光部のL値は86.88露光部のL値86.88で差が見られず耐光性が優れていた。
またポリエステルフィルムに転写した複写画像のヘーズ度を測定したところ24.1で透明性が優れていた。
【0022】
参考例1
メチルアルコールと水の混合溶媒中でスチレン無水マレイン酸共重合体を溶解し、この中でスチレン55部、メチルアクリレート45部を共重合して体積平均粒径(D)3.7μmで個数平均粒子径(D)との比D/Dが1.12である分散重合粒子を得た。次にこの重合液中に室温で撹拌しつつC.I.Solvent Yellow98.6部を加えて50℃で8時間撹拌して染着した後濾過、乾燥してイエローに着色した粒子を得た。この染着した粒子の一部をサンプリングしアセトンに溶解後吸光度を測定し染着率を求めたところ92.5%であった。
【0023】
ついで前記染着粒子100部を水−メタノール(1:1)混合溶媒300部に再分散しパーフルオロアルキルリン酸2部を加え撹拌混合し、スプレードライヤーにて溶媒を除去し黄色トナーを得た。
【0024】
次にこのトナー3部を鉄粉キャリア100部と混合して2成分系現像剤とし、デジタル複写機を用いて画像形成を行ったところ、ドット再現性の優れた分光特性のよい黄色画像を得た。
この黄色画像を実施例1と同様にして耐光性を調べたところ遮光部のL値は85.32で露光部L値は85.31で差が見られず耐光性が優れていた。
【0025】
また、上記現像剤をデジタル複写機を用いてポリエステルフィルムに転写、定着した画像のヘーズ度は23.2でこの画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP)で投影したところ、明瞭な黄色画像が投影された。
【0026】
参考例2、3、4
参考例1のC.I.Solvent Yellow 98.6部の代わりにC.I.Solvent Yellow 105,112,160をそれぞれ用い、そのほかは参考例1と同様にして3種類の黄色トナーを作成後、現像剤を調製して参考例1と同様にして耐光性、ヘーズ度を調べた結果を表1に示す。いずれのトナーも分光特性がよく、耐光性に優れ、透明性がよい画像であった。
【0027】
比較例1
参考例1のC.I.Solvent Yellow 98の代わりにC.I.Disperse Yellow 62を用いたほかは参考例1と同様にして3種類の黄色トナーを作成後、現像剤を調製して参考例1と同様にして耐光性、ヘーズ度を調べた結果を表1に示す。透明性は良好であったが耐光性が劣っていた。
【0028】
【表1】
Figure 0003615228
【0029】
【発明の効果】
本発明の構成からなるトナーは分光反射特性がよく、耐光性が優れ、OHPシートへの複写で透明性がよく明瞭な黄色投影画像が得られる黄色トナーである。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂と着色剤を主成分とする電子写真用トナーにおいて前記着色剤がC.I.Disperse Yellow 224,237から選ばれる化合物を含有する事を特徴とする黄色トナー。
  2. 熱可塑性樹脂の体積平均粒子径(D)が3〜9μmで数平均粒子径(D)との比(D/D)が1.00〜1.15の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電子写真用黄色トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10289017B2 (en) * 2015-04-28 2019-05-14 Zeon Corporation Yellow toner

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