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JP3612953B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻上機の駆動源としての誘導電動機をベクトル制御により可変速制御する誘導電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、この種の誘導電動機をベクトル制御により可変速制御する誘導電動機の制御装置の従来例を示すブロック図であり、1は速度指令器、2は単一積分器、3は速度調節器、4は磁束指令値演算器、5はベクトル演算器、6は速度検出器、7は交流電源、8はインバータ、9は誘導電動機、10は負荷を示す。
【0003】
図6において、速度指令器1は誘導電動機9が運転するべき回転速度の速度指令値(N)を指令する。単一積分器2は予め定めた加速勾配(増加値/単位時間)または減速勾配(減少値/単位時間)で前記速度指令値(N)に達する(N=N)まで増加または減少させる速度設定値(N)を出力する。速度調節器3は前記速度設定値(N)と速度検出器6の検出値(n)との偏差を調節演算をして、該偏差を零にするトルク指令値(τ)を出力する。磁束指令値演算器4は前記検出値(n)から磁束指令値(φ)を演算して出力する。
【0004】
また、ベクトル演算器5では前記トルク指令値(τ)と磁束指令値(φ)とからインバータ8をベクトル制御する制御信号を出力し、その結果、交流電源7の電力がインバータ8により所望の電圧と周波数の交流電力に変換され、このインバータ8が出力する交流電力が給電される誘導電動機9は、ベクトル制御により可変速制御することができる。
【0005】
図7は、前記速度指令値(N)と速度設定値(N)との関係を示すタイムチャートである。
図7において、時刻Tで正転方向の速度指令値(N)が発せられると、時刻Tから時刻Tまでの期間は、単一積分器2に設定された加速勾配(増加値/単位時間)に基づいて速度設定値(N)を正転方向に増加させ、時刻TでN=Nとなり、時刻Tから速度指令値(N)が零にされる時刻Tまでの期間は、単一積分器2がN(=N)を出力し、時刻Tから時刻Tまでの期間は、単一積分器2に設定された減速勾配(減少値/単位時間)に基づいて速度設定値(N)の正転方向の値を減少させ、時刻TでN=0となり、時刻Tから速度指令値(N)が逆転方向の速度指令値(N)が発せられる時刻Tまでの期間は、単一積分器2がN(=0)を出力し、時刻Tから時刻Tまでの期間は、該減速勾配に基づいて速度設定値(N)の逆転方向の値を増加させ、時刻TでN=Nとなり、時刻Tから速度指令値(N)が零にされる時刻Tまでの期間は、単一積分器2がN(=N)を出力し、時刻Tから時刻Tまでの期間は、該加速勾配に基づいて速度設定値(N)の逆転方向の値を減少させ、時刻TでN=0となる。
【0006】
なお、上述の誘導電動機の制御装置が備える各制御要素は、周知の技術を用いて構成できるので、その詳細構成の説明を省略する。
図8は、図6に示した従来の誘導電動機の制御装置により、誘導電動機9の負荷10として、減速機を介してカウンタウェイト(図示のCW)を備える巻上機を駆動するシステムの動作説明図であり、図8(イ)はカウンタウェイト(CW)を備える巻上機の状態を示し、図8(ロ)は巻上機を昇降させる誘導電動機9の速度を示し、図8(ハ,ニ)は巻上機の昇降に伴う誘導電動機9の出力トルクを示している。
【0007】
すなわち時刻t以前の期間では荷重(図示のm)は地上にあり、このときには誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ図示しないブレーキにより制動が掛けられている。
先ず、時刻tより巻上機は巻き上げを開始するが、図8(イ)の紙面左端図は時刻tの巻上機の状態を示し、前記ブレーキは時刻tの時点で開放され、時刻tより時刻tまでは前記単一積分器2に設定された加速勾配で巻上機の巻き上げ速度(v)を増加させている期間を示している。時刻tにおいて、前記速度指令値(N)と速度設定値(N)とが一致し、時刻tより時刻tまでは巻上機の巻き上げ速度(v)が一定の期間を示している。時刻tより時刻tまでは前記単一積分器2に設定された減速勾配で巻上機の巻き上げ速度(v)を減少させている期間を示している。時刻tより時刻tまでは誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ前記ブレーキにより制動が掛けられ、この期間では、図8(イ)の紙面中央図の如く、荷重(図示のm)は空中に停止している。
【0008】
次に、時刻tより時刻tまでは前記単一積分器2に設定された減速勾配で巻上機の巻き下げ速度(v)を増加させている期間を示している。時刻tにおいて、前記速度指令値(N)と速度設定値(N)とが一致し、時刻tより時刻tまでは巻上機の巻き下げ速度(v)が一定の期間を示している。時刻tより時刻tまでは前記単一積分器2に設定された加速勾配で巻上機の巻き下げ速度(v)を減少させている期間を示している。時刻t以降の期間では荷重(図示のm)は地上にあり、このときには誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ前記ブレーキにより制動が掛けられている。図8(イ)の紙面右端図は時刻tの巻上機の状態を示している。
【0009】
また図8に示す如く、巻上機の一定走行に必要な誘導電動機9の出力トルク(図示のτ)と、巻上機の加速または減速に必要な誘導電動機9の出力トルク(図示のτ±τ)とは、荷重(図示のm)とカウンタウェイト(図示のCW)との関係で極性及び値が異なり、図8(ハ)はm>CWの場合,図8(ニ)はm<CWの場合の誘導電動機9の出力トルクパターンを示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のインバータで給電される誘導電動機が減速機を介してカウンタウェイトを備える巻上機を駆動するシステムにおいては、巻上機の最大荷重での最高走行速度と、該最大荷重で加減速する際の必要トルク最大値と、減速機のギア比とから誘導電動機の定格速度と定格出力トルクとを選定していた。
【0011】
しかしながら、例えばエレベータ式立体駐車場などにこのシステムを適用する場合などでは、荷重としての自動車の1台毎の重量が異なること、自動車の入場,退場のときに空車で昇降させることもあるなどから、最大荷重で昇降させることは稀で、殆どの場合は最大荷重に満たない軽荷重で昇降させることが多く、上記の選定条件で採用した誘導電動機では前記システムの利用効率が低くなってしまうという難点があった。
【0012】
この発明の目的は上記問題点を解決し、軽荷重で昇降させるときには最大荷重のときに比してより高速に昇降させて、前記システムの利用効率を改善する誘導電動機の制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、インバータで給電される誘導電動機が減速機を介してカウンタウェイトを備える巻上機を駆動するシステムであって、前記誘導電動機に指令される速度指令値(N)に基づき、現在の速度設定値(N)を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N)に達する(N=N)まで増加または減少させる速度設定値(N)と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ)と、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ)とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
前記速度検出値(n)から誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、加速度演算回路の演算値(Δn)と予め設定した前記誘導電動機軸換算の全はずみ車効果(GD)とに基づいて誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、前記トルク指令値(τ)と加速度演算回路の演算値(Δn)と加速トルク演算回路の演算値(τ12)とトルク設定回路の設定値(τ02)と予め設定した前記カウンタウェイトの質量(CW)と前記誘導電動機の回転速度(n)と該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とから該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、荷重推定回路の推定値(m)と前記カウンタウェイトの質量(CW)と前記回転速度(n)と前記昇降速度(v)と加速度演算回路の演算値(Δn)とから該カウンタウェイトと前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)とトルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N )を求める速度演算回路と、前記運転可能最大速度指令値(N )を新たな速度指令値(N)とする速度指令値変換回路とを備えた制御装置とする。
【0014】
この発明によれば前記荷重推定回路で推定した荷重、誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性などから該誘導電動機の運転可能最大速度を算定し、この速度で運転することにより前記システムの利用効率の改善がなされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施例を示す誘導電動機(以下、単に電動機とも称する)の制御装置のブロック図であり、図6に示した従来例ブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付して、その説明を省略する。
すなわち図1においては、この制御装置には従来の制御要素の他に加速度演算回路21と、加速トルク演算回路22と、トルク設定回路23と、荷重推定回路24と、トルク演算回路25と、速度演算回路26と、速度指令値変換回路27とが付加されている。
【0016】
図2は、誘導電動機9の負荷10としての減速機10aを介した巻上機10bと、巻上機10bのカウンタウェイト(図示のCW)と荷重(図示のm)とからなるシステムを示す構成図である。
図2において、誘導電動機9が回転速度n〔r/min〕で回転することで、減速機10aを介して巻上機10bが回転し、荷重mは速度v〔m/min〕で上昇,下降する。前記速度設定値(N)が増加または減少している期間、すなわち加減速時における速度調節器3の出力であるトルク指令値(τ)と走行トルク(τ)と加減速必要トルク(τ)とには式(1)の関係がある。
【0017】
【数1】
τ=τ+τ …(1)
この走行トルク(τ)は、式(2)の右辺に示す2つの成分に分解される。
【0018】
【数2】
τ=τ01+τ02 …(2)
ここで、τ01:荷重mとカウンタウェイトCWに対する走行トルク
τ02:機械損補償トルク
また、加減速必要トルク(τ)は、式(3)の右辺に示す2つの成分に分解される。
【0019】
【数3】
τ=τ11+τ12 …(3)
ここで、τ11:荷重mとカウンタウェイトCWに対する加減速必要トルク
τ12:電動機と巻上機に対する加減速必要トルク
上記τ01,τ11,τ12それぞれはこのシステムの機械仕様から式(4)〜式(6)で表すことができる。
【0020】
【数4】
τ01=(m−CW)・(v/2πn)〔kgfm〕 …(4)
【0021】
【数5】
Figure 0003612953
【0022】
【数6】
τ12=(GD/375)・Δn〔kgfm〕 …(6) ここで、 m:荷重質量〔kg〕
CM:カウンタウェイト質量〔kg〕
v:昇降速度〔m/min〕
n:電動機回転速度〔r/min〕
Δn:電動機回転加速度〔r/min/s〕
GD:電動機軸換算全はずみ車効果〔kgfm
図1に示したこの発明の誘導電動機の制御装置の動作を以下に説明をする。
【0023】
先ず、荷重mとカウンタウェイトCWとが同じ質量になるバランス状態に設定し、誘導電動機9を定格速度での定速運転を行わせることにより、このときの速度調節器3の出力のトルク指令値τを読み取り、この値をトルク設定回路23にプリセットする。すなわち、上記状態での定速運転では式(4)〜式(6)の値が零となるので、式(1),式(2)から機械損補償トルクτ02が求まる。
【0024】
なお、このシステムにおける機械損補償トルクτ02は、減速機10aの効率に基づくものが大勢を占めるので、上述のバランス状態を設定することが困難な場合には、式(7)で得られる値をトルク設定回路23にプリセットしてもよい。
【0025】
【数7】
Figure 0003612953
また、上述のいずれかで得られた機械損補償トルクτ02は、図3に示す如く誘導電動機9の回転方向によりその極性が異なるので、トルク設定回路23には速度検出器6の検出値(n)を取り込み、極性を持った機械損補償トルクτ02を出力するようにしている。
【0026】
次に、前記式(6)の電動機と巻上機に対する加減速必要トルクτ12は、予め設定できる電動機軸換算全はずみ車効果(GD)と、後述の加速度演算回路21で得られる加速度(Δn)とに基づく乗算演算を加速トルク演算回路22にて行えばよい。
加速度演算回路21では、式(8)の演算を行っている。
【0027】
【数8】
Δn=(n−n(k−1) )/T〔r/min/s〕 …(8)
ここで、 n:今回の電動機速度検出値〔r/min〕
(k−1) :前回の電動機速度検出値〔r/min〕
:検出周期〔s〕
なお、加速度(Δn)として単一積分器2に設定されている値を用いて行うこともできる。
【0028】
トルク設定回路23の出力の機械損補償トルクτ02と加速トルク演算回路22の出力の加減速必要トルクτ12とを、前記式(1)〜式(3)に代入することにより、式(9)が得られる。
【0029】
【数9】
τ01+τ11=τ−τ02−τ12 …(9)
すなわち、前記式(4)と式(5)と式(9)とには、式(4)+式(5)=式(9)の関係があるので、この関係式に基づいて荷重推定回路24では荷重mを求める演算を行っている。
【0030】
またトルク演算回路25において、荷重推定回路24で得られた荷重mの推定値と前記式(4)とから荷重mとカウンタウェイトCWに対する走行トルクτ01が求まり、同様に前記式(5)とから荷重mとカウンタウェイトCWに対する加減速必要トルクτ11が求まる。
次に、速度演算回路26での誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N )を求める演算について説明をする。
【0031】
先ず、加速トルク演算回路22の演算値(τ12)とトルク設定回路23の設定値(τ02)とトルク演算回路25の演算値(τ01,τ11)と、巻上機10bを加減速に必要な誘導電動機9の出力トルクの最大値(τM1)とには式(10)の関係がある(図8参照)。
【0032】
【数10】
τM1=|τ01+τ02|+|τ11+τ12| …(10)
次に、図4に示す誘導電動機9の短時間運転許容トルク−回転速度特性図(第1象限のみを図示)における前記τM1に対応する誘導電動機9の速度値(N01 )を求める。
【0033】
なおこの速度値(N01 )は、式(11)の関係にある。
【0034】
【数11】
01 =(τ/τM1)・N …(11)
ここで、N:電動機定格速度
τ:電動機定格速度の短時間運転許容トルク
また、階床の多いエレベータ式立体駐車場などにこのシステムを適用する場合には、定速で昇降させる時間も長くなることから巻上機10bを定速運転に必要な誘導電動機9の出力トルクの最大値(τM2)は、式(12)の関係にある(図8参照)。
【0035】
【数12】
τM2=|τ01+τ02| …(12)
このときには、図5に示す誘導電動機9の連続運転許容トルク−回転速度特性図(第1象限のみを図示)における前記τM2に対応する誘導電動機9の速度値(N02 )を求める。
【0036】
なおこの速度値(N02 )は、式(13)の関係にある。
【0037】
【数13】
02 =(τ/τM2)・N …(13)
ここで、N:電動機定格速度
τ:電動機定格速度の連続運転許容トルク
すなわち、速度演算回路26では前記N01 またはN02 のいずれか小さい方の値を誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N )として出力する。または、このシステムの動作モードに合わせて、当該する前記N01 またはN02 のいずれか一方の値を選択して、誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N )として出力する。
【0038】
さらに、速度指令値変換回路27では速度指令器1の指令値(N)または速度演算回路26の演算値(N )のいずれか大きい方の値を新たな速度指令値(N)として、単一積分器2に出力する。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、上述の荷重推定回路で推定した荷重、誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性などから該誘導電動機の運転可能最大速度を算定し、この速度で運転することにより、例えばエレベータ式立体駐車場などにこの誘導電動機の制御装置を適用したときに、該立体駐車場の利用効率の改善がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図2】図1の動作を説明する誘導電動機の負荷の構成図
【図3】図1,2の動作を説明する誘導電動機の負荷の特性図
【図4】図1,2の動作を説明する誘導電動機の特性図
【図5】図1,2の動作を説明する誘導電動機の特性図
【図6】従来例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図7】図6の動作を説明するタイムチャート
【図8】図2,6の動作を説明する誘導電動機の負荷の特性図
【符号の説明】
1…速度指令器、2…単一積分器、3…速度調節器、4…磁束指令値演算器、5…ベクトル演算器、6…速度検出器、7…交流電源、8…インバータ、9…誘導電動機、10…負荷、21…加速度演算回路、22…加速トルク演算回路、23…トルク設定回路、24…荷重推定回路、25…トルク演算回路、26…速度演算回路、27…速度指令値変換回路。

Claims (1)

  1. インバータで給電される誘導電動機が減速機を介してカウンタウェイトを備える巻上機を駆動するシステムであって、
    前記誘導電動機に指令される速度指令値(N)に基づき、現在の速度設定値(N)を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N)に達する(N=N)まで増加または減少させる速度設定値(N)と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ)と、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ)とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記速度検出値(n)から誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、
    加速度演算回路の演算値(Δn)と予め設定した前記誘導電動機軸換算の全はずみ車効果(GD)とに基づいて誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、
    前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、
    前記トルク指令値(τ)と加速度演算回路の演算値(Δn)と加速トルク演算回路の演算値(τ12)とトルク設定回路の設定値(τ02)と予め設定した前記カウンタウェイトの質量(CW)と前記誘導電動機の回転速度(n)と該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とから該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、
    荷重推定回路の推定値(m)と前記カウンタウェイトの質量(CW)と前記回転速度(n)と前記昇降速度(v)と加速度演算回路の演算値(Δn)とから該カウンタウェイトと前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、
    加速トルク演算回路の演算値(τ12)とトルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N )を求める速度演算回路と、
    前記運転可能最大速度指令値(N )を新たな速度指令値(N)とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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