JP3612709B2 - インターネットファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
この発明はインターネットファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来技術】
インターネットファクシミリ装置では、電子メール形式でのファクシミリデータの送受信やG3ファクシミリの送受信が可能で、プリント機能を備え、電子メールの添付ファイルとしてファクシミリデータ等を送受信することができる。このようなインターネットファクシミリ装置において、サービスセンタ等から電子メールにより、環境設定やワンタッチダイヤル設定等の装置設定を行い、かつこれらの設定状況を参照や更新できれば便利である。しかしながらこれら参照や更新の実行結果を、電子メールの送信元ではすぐに知ることができない。
【0003】
【発明の課題】
この発明の課題は、装置設定の更新時に、更新メールの送信元が更新結果を速やかに知ることができるようにし、特に更新に失敗した際に、更新できなかった項目がすぐに分かるようにすることにある(請求項1〜3)。
この発明の追加の課題は、更新結果を通知する返信メールにおいて、更新内容をより分かり易くすることにある(請求項2)。
またさらにこの発明での追加の課題は、更新内容をより分かり易くし、更新メールの送信元の便宜を図ることにある(請求項3)。
【0004】
【発明の構成】
この発明は、電子メールによるインターネットファクシミリの送受信が可能なインターネットファクシミリ装置において、電子メールによる遠隔設定を受け付けて自機を装置設定する手段と、電子メールによる装置設定に対する更新後の設定データを、該電子メールの送信元に返信するための更新結果通知手段とを設けて、電子メールによる装置設定の更新が失敗した際に、更新に失敗した項目を強調表現すると共に、現在の設定データを記載した電子メールを、該電子メールの送信元に返信するようにしたことを特徴とする(請求項1)。
好ましくは、前記更新結果通知手段は、電子メールによる装置設定に対する更新前の設定データと更新後の設定データとを、該電子メールの送信元に返信する(請求項2)。
さらに好ましくは、前記更新結果通知手段は、複数の書式により前記電子メールの送信元に返信する(請求項3)。
【0005】
【発明の作用と効果】
この発明では、インターネットファクシミリ装置の装置設定に関するコマンドを、電子メールで遠隔から入力でき、その結果を速やかに知ることができるので便利である(請求項1)。また装置設定に関するコマンドが更新である場合、更新前後の設定データを見ることができれば、送信元にとって便利である(請求項2)。
【0006】
さらに装置設定の更新が失敗した項目について、その箇所がすぐに分かるように、例えば下線を引いたり赤字でマークアップ等されているので、送信元にとって一層便利で、しかも現在の設定データが記載されているので、この部分を取り出して次の更新メールの作成に利用できる(請求項1)。
【0007】
請求項3の発明ではさらに、装置設定の更新結果の通知を複数の書式により行い、送信元の便宜を図るようにする。例えば返信メールの本文にはテキスト形式での更新結果が、返信メールの添付ファイルにはHTML形式での更新結果が記載されているとする。HTML形式はテキスト形式よりも強調文字を使用したりフォントを変えることが自由に行え、便利である。一方、HTML形式をサポートしていない送信元では、テキスト形式で返信メールを読むことができ、装置設定の結果をコンピュータで管理するには、テキスト形式での方が扱いやすいという特長があり、電子メールの送信元にとって便利である(請求項3)。
【0008】
【実施例】
図1〜図10を用い、実施例を説明する。図1において、2はファクシミリサーバで、インターネットファクシミリ装置の例であり、LAN6を介して、メールサーバ4やルータ7、LAN内の図示しないパーソナルコンピュータなどに接続されている。ルータ7はインターネット10とLAN6とを接続し、8はパーソナルコンピュータで、他の通信端末でも良く、インターネット10を介してメールサーバ4やファクシミリサーバ2に接続され、ここではサービスセンタやLANマネージャーのパーソナルコンピュータを想定する。ファクシミリサーバ2は、電子メール形式でインターネットファクシミリの送受信を行うと共に、図示しない公衆回線網を介して、G3ファクシミリ装置等に接続されている。
【0009】
図1に、パーソナルコンピュータ8から、インターネット10を介して、ファクシミリサーバ2への装置設定(参照/更新メール)の送信経路と、ファクシミリサーバ2からパーソナルコンピュータ8への返信経路とを矢印で示す。
【0010】
図2にファクシミリサーバ2の構成を示すと、20は主制御部で、21は処理中のデータやファクシミリデータ等を記憶するためのRAMで、22はプログラム等を記憶するためのROM、23は画像入力用のスキャナ、24はハードプリント用のプリンタである。26は網制御装置で、公衆回線網と接続するためのもので、27はモデムであり、28はキーボードやLCD等の表示パネルを備えた操作/表示部である。30はLANインターフェースで、LAN6に接続するためのものである。
【0011】
遠隔のパーソナルコンピュータ8等からの装置設定や、インターネットファクシミリ通信、LAN6内での通信は、LANインターフェース30を用いて行い、これらの通信は例えば電子メール形式で行われる。電子メールは、宛先と送信元等を記載したヘッダと、適宜の本文や、ファクシミリデータを記載した添付ファイル等とから構成される。
【0012】
32はフィルター処理部で、装置設定に関する電子メールの送信元の権限認証を行い、第三者による不正なアクセスを排除し、装置設定に関する権限があると認証した送信元からの電子メールに対して、サブジェクト欄に記載されたコマンド(参照または更新)を実行する。34は、電子メールのヘッダに記載された送信元のドメイン名あるいはメールアドレスが、あらかじめテーブル36に登録されているかをチェックするための権限認証部である。なお権限認証部34はこれ以外にパスワードをチェックするのが好ましく、その場合、ドメイン名あるいはメールアドレスの他に、テーブル36にパスワードを登録する。そしてテーブル36を用いて、送信元の装置設定コマンドに関する権限を認証し、権限が有ればその範囲内で装置設定の参照あるいは更新のコマンドの実行を許可し、それ以外の送信元には許可しない。
【0013】
38は更新/参照処理部で、許可された送信元からの装置設定コマンドに従い、装置設定の参照あるいは更新を実行する。例えばコマンドが更新であれば、メールセッティング等の環境設定やワンタッチダイアル設定等を更新し、コマンドが参照であれば設定データを参照して返信する。また装置設定のコマンドは、電子メールのサブジェクト欄に記載されており、フィルター処理部32はサブジェクト欄から装置設定に関する電子メールかそれ以外の電子メールかを判別する。40は設定テーブルで、設定パラメータを表す定数やワンタッチダイヤル等の設定データを記憶し、テーブル36や設定テーブル40はRAM21やROM22の一部を用いて実現すればよい。
【0014】
42は事後処理部で、装置設定の参照や更新の処理等の結果を、電子メールで返信したり、プリントアウトしたりする。更新の処理結果通知は、装置設定の更新処理が正しく行われたときは、その旨及び更新前後の設定データをそれぞれ返信する。また更新後(現在)の設定データを返信したり、更新箇所のみを返信することとしても良い。更新が正しく行われなかった時には、その箇所が一見して分かる様な表示を付したり、更新を指示されたデータと共に現在の設定データを返信するようにしても良い。
【0015】
図3に、権限認証を行うためのテーブルの例を示す。図3のテーブルでは、装置設定の項目毎に、更新や参照を許可するドメイン名とパスワードとを登録している。ここでドメイン名に代え、メールアドレスを登録することとしても良い。そして例えば最初の項目(受信間隔時間)について、更新可で参照可のドメイン名がパスワードと共に登録されており、項目”file−format”について、参照のみ可のドメイン名が登録され、更新と参照の双方可の送信元に対しては、ドメイン名とパスワードとの組み合わせが登録されている。更新には、確実な認証のためにドメイン名あるいはメールアドレスとパスワードの双方の一致が必要であるとする一方で、参照については、ドメイン名のみあるいはメールアドレスのみの認証としてもよい。さらに同一のドメイン名に対して、複数のパスワードを用いることができ、更新や参照の項目の重要度に応じてパスワードを使い分けることができるようにしても良い。
【0016】
なお、送信元のドメイン名やメールアドレスは、受信した電子メールのヘッダのFrom欄から得ることができ、パスワードはサブジェクト欄等から得ることができる。図3のテーブルを参照し、例えば電子メールのドメイン名が”po.net.or.jp”、パスワードが”9876%”の組み合わせであれば、受信間隔時間についての更新や参照を許可する。
【0017】
フィルター処理部32の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。ファクシミリサーバ2をメールサーバ4に接続し(ステップ1)、電子メールを受信すると(ステップ2,3)、電子メールのサブジェクト欄で装置設定のコマンドの有無をチェックし、装置設定更新メールか参照メールか、それ以外のメールかを判別する(ステップ4,5)。更新メールであれば、メールの送信元の更新権限を、前記のテーブルと送信元のドメイン名やメールアドレス、あるいはこれらとパスワードとを用いてチェックし(ステップ6)、更新権限がない場合、送信元に更新を行えない旨のエラー通知を返信し、設定に応じてエラー通知を自機で出力(プリントアウト)する(ステップ7)。
【0018】
送信元に正当な権限がある場合、更新メールのコマンドに従い装置設定を更新する(ステップ8)。そして更新が正しくできたときには更新結果を(ステップ9,10)、更新に失敗したときにはエラー通知を(ステップ11)、送信元に返信し、結果をプリントアウトする。自機での出力(プリントアウト)には、インターネットファクシミリ装置のユーザなどに、遠隔からの装置設定がされたことを通知する意味があるが、省略しても良い。次に、更新メールへの処理が終了すると、メールサーバのメールボックスなどに削除フラグをセットし(ステップ12)、次のメールがなければメールサーバから切断して(ステップ13)、メールサーバは更新メールを削除する(ステップ14)。なお処理済みの更新メールへの削除フラグは、処理済みの更新メールを再実行しないようにするためのもので、インターネットファクシミリなどの他の受信メールを、メールボックスから削除しない設定の場合も、更新メールは処理終了後に強制的に削除する。また更新メールは、ファクシミリサーバのユーザには不必要な情報で、受信ログのメモリが容量不足になることを防止するため、原則として受信ログには記録しない。
【0019】
参照メールも同様に処理し、前記のテーブルと送信元のドメイン名やメールアドレス、あるいはこれらとパスワードとの組み合わせを用いて、参照メールの送信元をェックし(ステップ15)、参照権限を認証する。参照権限があれば装置設定の参照を行い(ステップ16)、装置設定の内容を送信元に返信し、かつ自機でも出力する(ステップ17)。参照に失敗した場合は、エラー通知を返信しかつ自機でも出力する(ステップ7)。参照メールは繰り返して参照されても問題はなく、メールの削除フラグをセットする必要はない。受信した参照メールは、受信ログには同様に記録しない。メールのコマンドが更新でも参照でもない場合、インターネットファクシミリを受信したものとして、該当する処理を実行し(ステップ18)、受信後のインターネットファクシミリをメールボックスから削除する設定がされている場合は(ステップ19)、メールボックスなどに削除フラグをセットする(ステップ20)。
【0020】
図5に、参照メールの例を示し、図6に参照結果の返信メールの例を示す。また図7に更新メールの例を、図8に更新を正しく行った場合の返信メールの例を示す。さらに図9,図10に更新を正しく行えなかった場合の返信メールの例を示す。これらの電子メールは、いずれも送信元”mail45”がファクシミリサーバ”ha01”に対し、装置設定の参照や更新を行う場合の例である。
【0021】
図5において、サブジェクト欄の”%get−email−settings#”は、電子メールに関する装置設定の参照コマンドで、続けて記載されている”1234%”は送信元のパスワードである。送信元のメールアドレスやドメイン名はFrom欄に記載されている。図6の参照結果の返信メールでは、本文に参照結果として現在の装置設定の内容(設定データ)が記載される。
【0022】
この参照結果を用いて、メールセッティング(電子メールに関する装置設定)を更新するときには、図7に示すような更新メールを送信する。更新メールでは、サブジェクト欄が”%set−email−settings#”で、”set”は装置設定の更新コマンドであり、”email−settings”は電子メールの環境を対象とすることを示すコマンドである。送信元は図6の参照結果通知のサブジェクト欄の”get”を”set”に訂正し、設定データを更新したいように上書きして修正し、ファクシミリサーバに再送信すると、更新用のデータを送信したことになる。これに対する更新結果の返信メールの例を、図8に示す。
【0023】
図8は、更新が正しく行われた際の、更新結果の通知メールを示す。図ではヘッダ部分に続き、更新が成功したことを記載すると共に、メール本文に、現在の設定データと、更新前の設定データとがテキスト形式で表示されている。この更新処理では、最初の項目(受信間隔時間)を更新しており、本文の後半で更新前の設定データを記載しているため、どのような更新が行われたかが確認できる。なお図8の例では、更新されなかった設定デーも表示しているが、更新された項目のみを表示しても良い。さらに更新された項目に下線を引く等の表示を行い、更新箇所がすぐに分かるようにしても良い。テキスト形式での更新結果の通知に代えて、あるいはこれに加えて、HTMLのAlternative形式の通知を添付ファイルとして、例えば更新した項目に、赤などで色を変えかつ下線を付すようにマークアップしても良い。
【0024】
図9に、更新が正しく行われなかった場合の、更新結果の通知メールを示す。図9の本文での”Editing the email parameter was failed.”は更新に失敗した部分があったことを示し、それ以降の部分には送信した更新データ(更新しようとした設定データ)が記載され、更新に失敗した項目に”<<”のマークが付されているが、下線などでも良い。例えばここでは、ファイルフォーマットをJPEGとする更新に失敗し、また受信通知を空欄とする設定に失敗している。更新に失敗した箇所(項目)を視覚的に判りやすくするため、その部分をマークアップした例を、図10に示す。マークアップは、HTML形式を用い、赤などで色を変えかつ下線を付すようにしても良い。なお図9の本文後半の、”Following are the current settings.”との表題の以下の部分で、現在の設定状況を記載してる。このため、この部分を取り出して次の更新メールの作成に使用することができる。
【0025】
図8〜図10に返信メールの例を示したが、返信メールにテキスト形式の本文で更新結果を示し、これ以外に図10のようなHTMLのAlternative形式の添付ファイルを設けても良い。そして、テキストとHTMLとの2種類の書式で返信メールを送信すれば、返信メールの受信側では、例えばHTMLに対応していないパーソナルコンピュータでも、テキストファイルの本文を出力できる。
【0026】
実施例よれば、装置設定の更新を指示した送信元において、更新結果をすぐに知ることができ、更新の成否だけでなく、更新箇所や現在の設定状況も速やかに知ることができる。また、更新箇所や更新の失敗箇所にマークアップがしてあれば、どの項目についてどのような更新を行ったか、あるいは更新ができなかったかが一目瞭然で、容易に更新処理の結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のファクシミリサーバとメールサーバやパーソナルコンピュータ間の接続を示す図
【図2】実施例のファクシミリサーバの構成を示すブロック図
【図3】実施例での更新や参照を許可する、ドメイン名及びパスワードの組み合わせを、項目毎に登録したテーブルを示す図
【図4】実施例で、受信メールに対して、装置設置の権限認証や更新または参照を行うためのアルゴリズムを示すフローチャート
【図5】装置設定の参照メールの例を示す図
【図6】装置設定の参照の返信メールの例を示す図
【図7】装置設定の更新メールの例を示す図
【図8】装置設定の更新が成功したことを通知する、返信メールの例を示す図
【図9】装置設定の更新が失敗したことを通知する、返信メールの例を示す図
【図10】装置設定の更新ができなかった箇所をマークアップした例を示す図
【符号の説明】
2 ファクシミリサーバ
4 メールサーバ
6 LAN
8 サービスセンタ
20 主制御部
21 RAM
22 ROM
23 スキャナ
24 プリンタ
26 網制御部
27 モデム
28 操作/表示部
30 LANインターフェース
32 フィルター処理部
34 権限認証部
36 テーブル
38 更新/参照処理部
40 設定テーブル
42 事後処理部
Claims (3)
- 電子メールによるインターネットファクシミリの送受信が可能なインターネットファクシミリ装置において、
電子メールによる遠隔設定を受け付けて自機を装置設定する手段と、
電子メールによる装置設定に対する更新後の設定データを、該電子メールの送信元に返信するための更新結果通知手段とを設けて、
電子メールによる装置設定の更新が失敗した際に、更新に失敗した項目を強調表現すると共に、現在の設定データを記載した電子メールを、該電子メールの送信元に返信するようにしたことを特徴とする、インターネットファクシミリ装置。 - 前記更新結果通知手段は、電子メールによる装置設定に対する更新前の設定データと更新後の設定データとを、該電子メールの送信元に返信することを特徴とする、請求項1のインターネットファクシミリ装置。
- 前記更新結果通知手段は、複数の書式により、前記電子メールの送信元に返信することを特徴とする、請求項1または2のインターネットファクシミリ装置。
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