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JP3607746B2 - 3成分系共重合体の製造方法 - Google Patents

3成分系共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は3成分系共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、ある種の細菌が発酵合成する3成分系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来よりバクテリア等、原核生物が体内にポリエステルを蓄積することが知られていた。その構造について1960年代に解明され、3−ヒドロキシブチレート(以下「3HB」と略記する。)をモノマー単位としたポリ−3−ヒドロキシブチレート(以下「p(3HB)」と略記する。)であることが明らかとなった。かかるホモポリマーを発酵合成する微生物は自然界に比較的多く認められており、アルカリゲネス属、バチルス属、シュードモナス属、ズーグレア属、ミクロコッカス属、アゾトバクター属、ノカルディア属等がある。
【0003】
【化4】
Figure 0003607746
【0004】
このような、p(3HB)を始めとする微生物産生ポリエステルはその特性として生分解性、生体適合性を有しているので、医用材料や農業用材料等、有用な材料として注目されている。しかしながらp(3HB)は、融点180℃、結晶化度50〜70%、ヤング率3.5GPa 、破壊伸び5%の性質をもった硬くて脆い材料であって、実用的には不十分である。
【0005】
上記の問題点を解決すべく、ポリマーとしての物性に広がりをもたせる方法としては、構造の異なるモノマーを共重合体成分として組み込んで共重合体を形成させることが一般的に実施されている。しかし、化学合成的に共重合体を作ることは比較的容易であるが、微生物産生ポリエステルの場合、共重合体を発酵合成することにかなりの制約がある。まず第一に共重合体成分となる原料物質は、微生物が資化しうるものでなければならない。第二に資化された原料物質は微生物の代謝経路に従って代謝され、ポリマーを作る重合酵素であるシンターゼの基質となりうることが必須である。
【0006】
p(3HB)を作る上記のような微生物は、主栄養源である炭素源を工夫することによって3HB以外の構造をもった成分を含んだ共重合体を合成することが知られている。そこでこのような性質を利用して、より実用性の高い共重合体の発酵合成が進められてきた。特開昭61−293385号公報によると、p(3HB)産生菌として知られているアルカリゲネス ユートロファスを用いて共重合体を発酵合成する際、炭素源としてプロピオン酸をグルコースと共存させることによって、3HBと3−ヒドロキシバリレート(以下「3HV」と略記する。)の2成分からなる共重合体p(3HB−co−3HV)が合成されることが開示されている。
【0007】
【化5】
Figure 0003607746
【0008】
また、特開昭63−269989号公報では、アルカリゲネス ユートロファスを培養する際、4−ヒドロキシ酪酸やγ−ブチロラクトンをグルコースやフルクトースと共に添加することによって、3HB以外に4−ヒドロキシブチレート(以下「4HB」と略記する。)を含む2成分共重合体p(3HB−co−4HB)が合成されることが開示されている。さらに、特開平5−93049号公報では、脂肪酸を資化して3HBと3−ヒドロキシヘキサノエート(以下「3HH」と略記する。)の2成分からなる共重合体p(3HB−co−3HH)を発酵合成するアエロモナス属の微生物を使用している。
【0009】
【化6】
Figure 0003607746
【0010】
上記の共重合体はより実用性の高いものである。即ち、p(3HB−co−3HV)では3HV組成が増すにつれて延性の性質を示し、柔軟なフィルムや繊維に加工することができる。p(3HB−co−4HB)では4HB組成の増加に伴い、結晶化度が減少する性質を示し、ゴム弾性をもつに至ることが明らかになっている。しかしながら、これらの共重合体では結晶化度をコントロールしながら融点、ガラス転移点、引っ張り強度や伸びを調整することは困難であるため、これらの調整が容易な、より幅広いポリマー物性を有する共重合体が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、アエロモナス属の微生物を培養して重合体を製造する方法において、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸及び炭素数が13以上の奇数である脂肪酸の混合物を炭素源として用い、上記微生物を培養したところ、菌体内に3HB、3HV、3HHからなる3成分系共重合体が生成・蓄積してくることを見い出した。さらに、偶数の脂肪酸と奇数の脂肪酸の混合比率を調整することによって3成分系共重合体中の偶数のモノマーユニット3HB、3HHと奇数のモノマーユニット3HVの比率をコントロールできることも見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明の要旨は、
(1) アエロモナス属の微生物を培養して重合体を製造する方法において、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸及び炭素数が13以上の奇数である脂肪酸の混合物を炭素源として用いることを特徴とする、3−ヒドロキシブチレート(3HB)、3−ヒドロキシバリレート(3HV)及び3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)の3成分からなる3成分系共重合体の製造方法、
【0013】
【化7】
Figure 0003607746
【0014】
【化8】
Figure 0003607746
【0015】
【化9】
Figure 0003607746
【0016】
(2) アエロモナス属の微生物が、炭素数12以上の脂肪酸又は天然油脂を資化して3−ヒドロキシブチレート(3HB)及び3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)からなる共重合体を生合成する能力を有するものである前記(1)記載の製造方法、
(3) アエロモナス属の微生物がアエロモナス キャビエ又はアエロモナス
ハイドロフィラである前記(1)又は(2)記載の製造方法、
(4) 炭素数が12以上の偶数である脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群より選ばれる1種以上である前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法、
(5) 炭素数が13以上の奇数である脂肪酸がトリデカン酸、ペンタデカン酸及びヘプタデカン酸からなる群より選ばれる1種以上である前記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法、
(6) 炭素数が12以上の偶数である脂肪酸として天然油脂を用いる前記(1)記載の製造方法、並びに
(7) 天然油脂がパーム油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ナタネ油、オリーブ油、ヤシ油又は魚油である前記(6)記載の製造方法、に関するものである。
【0017】
最初に、本発明によって製造される3成分系共重合体について説明する。
本発明によって製造される3成分系共重合体は、3HB、3HV、3HHの3成分からなるものである。上記3成分系共重合体を構成する各モノマーユニットの組成比については特に限定されるものではないが、例えば、3HBユニットを1〜95モル%、3HVユニットを1〜96モル%、及び3HHユニットを1〜30モル%といった組成比のものが好適である。
【0018】
本発明によって製造される3成分系共重合体は、ポリマー物性として3HBと3HV、3HBと3HHの各2成分系共重合体の特徴を合わせ持つ幅広い性質を持っているので、用途に応じて最適な組成を調整することが可能である。
即ち、p(3HB−co−3HV)は3HB組成が大きい時、3HB型結晶構造を作り、3HV組成が大きい時、3HV型結晶構造をもつ結晶化度50〜70%の高結晶性共重合体である。p(3HB−co−3HH)は3HHが結晶構造に取り込まれず、3HH組成が増すにつれて結晶化度が低下する共重合体である。かかる2成分系共重合体では結晶化度をコントロールしながら融点、ガラス転移点や引っ張り強度、伸びを調整することが困難であるが、本発明によって製造されるp(3HB−co−3HV−co−3HH)共重合体は上記の調整が可能であるという点において実用性に富んだ材料である。
【0019】
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明において用いられる微生物としては、アエロモナス属の微生物であれば特に限定されるものではないが、炭素数12以上の脂肪酸又は天然油脂を資化して、3HB及び3HHからなる共重合体を生合成する能力を有するものが好ましい。具体的には、アエロモナス キャビエ、アエロモナス ハイドロフィラ等が挙げられる。
【0020】
本発明においては、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸及び炭素数が13以上の奇数である脂肪酸の混合物を炭素源として上記の微生物を培養することにより、3HB、3HV及び3HHの3成分からなる共重合体を製造することができる。
【0021】
ここで、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸としては特に限定されるものではない。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸等が挙げられる。また、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸として、天然油脂を使用することも可能である。天然油脂としては特に限定されるものではなく、パーム油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ナタネ油、オリーブ油、ヤシ油等の植物油、魚油等が挙げられる。上記の脂肪酸及び天然油脂は、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸として単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
ここで、炭素数が13以上の奇数である脂肪酸としては特に限定されるものではない。具体的には、トリデカン酸、ペンタデカン酸及びヘプタデカン酸等が挙げられる。上記の脂肪酸は、炭素数が13以上の奇数である脂肪酸として単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
炭素数が12以上の偶数である脂肪酸及び天然油脂は、微生物の増殖及び3HB、3HHの原料として用いられる。また、炭素数が13以上の奇数である脂肪酸は、微生物の増殖及び3HB、3HVの原料として用いられる。そのため、偶数の脂肪酸と奇数の脂肪酸の混合比率を適宜調整することにより、3HB、3HV及び3HHの組成を所望の程度にコントロールすることができる。
【0024】
本発明における、3成分系共重合体を製造するための培養(以下、「誘導培養」と略記する。)方法としては、重合体を菌体内に蓄積させるために通常用いられている公知の方法を採用すればよい。一般的には培地中の炭素源濃度と窒素源濃度を生育に適した濃度比からずらして窒素源濃度を小さくとり、誘導培養後期に窒素源が枯渇するように培地組成を設定すれば、重合体は誘導され菌体内に蓄積する。窒素源のかわりに例えば、リン、ミネラル、ビタミン等を制限しても重合体は誘導される。
【0025】
前培養は菌体の増殖を目的とするものであり、栄養源の豊富な条件下で培養される。この際、菌体は重合体の合成をほとんど行なわないので、炭素源としては脂肪酸に限らず、資化可能なものであれば自由に選択できる。例えば、常法により、次のように前培養を行う。
培地としては例えば表1に示す組成のものを用い、これにアエロモナス属に属する菌株を接種し、28〜37℃にて16〜36時間振盪培養する。
【0026】
【表1】
Figure 0003607746
【0027】
前培養で得られた菌体の一部を、重合体を誘導するための培地(以下、「誘導培地」と略記する。)に入れて重合体を誘導培養する。従って、この誘導培養の培養条件が重要であり、誘導培養において与えられる炭素源が共重合体の合成原料となり、この炭素源の化学構造が得られる共重合体の構造を決定するといってよい。
【0028】
従って、本発明において炭素源とは、誘導培養で与えられる炭素源を意味しており、炭素源を種々調整することにより、種々のモノマーユニットからなる共重合体(種々の組成比からなる共重合体)を合成することができる。
【0029】
誘導培養は、例えば以下のように行う。
培地としては、例えば表2に示す組成のものを用い、これに前培養で得られた菌体の一部を加え、28〜37℃で24〜96時間振盪培養する。前培養および誘導培養に用いられる培地成分の濃度は適宜変更が可能であり、また他の成分を必要に応じて添加することも可能である。本発明の誘導培養においては、菌を増殖させつつ培養後期に共重合体の合成を効率的に行わしめる観点から炭素源以外の窒素又はリン等の必須栄養源を制限することが好ましい。制限の程度としては特に限定されるものではなく、通常行われる公知の程度でよい。
【0030】
例えば、窒素を制限する際のC/N比は5〜50の範囲が好ましく、8〜20の範囲がより好ましい。炭素源が菌体の増殖のためのエネルギー代謝用、菌体構成成分の合成用に消費され、共重合体収率が低下するのを抑える観点からC/N比は5以上が好ましく、菌体濃度を高めて生産速度を確保する観点から50以下が好ましい。
また、例えばリンを制限する場合、C/P比は23〜230の範囲が好ましく、100〜210の範囲がより好ましい。炭素源が菌体の増殖のためのエネルギー代謝用、菌体構成成分の合成用に消費され、共重合体収率が低下するのを抑える観点からC/P比は23以上が好ましく、菌体濃度を高めて生産速度を確保する観点から210以下が好ましい。
【0031】
【表2】
Figure 0003607746
【0032】
培養終了後、菌体を蒸留水等で洗浄し、凍結乾燥等を行うことにより乾燥菌体を得る。合成された共重合体は菌体内に顆粒状に蓄積される。従って、共重合体を単離するには、このようにして得られる乾燥菌体より、共重合体を例えばソックスレー抽出器等により溶剤抽出する。抽出溶剤にはクロロホルム、ジクロロメタン等が用いられる。
得られた抽出液にヘキサン、エタノール、メタノール等の重合体貧溶媒を添加し、生ずる沈澱をろ過、あるいは遠心分離により回収し、乾燥することによって、高純度の3成分系共重合体を得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例、比較例及び実験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0034】
実施例1
アエロモナス キャビエFA−440株(BP−3432)を表1に示す組成の培地100mLに植菌し、30℃で14時間振盪培養した。次に、表2に示す誘導培地(表2中の脂肪酸2.0gは、ラウリン酸1.8gとトリデカン酸0.2gの総量である。)100mLに上記培養液5mLを添加し、30℃で72時間振盪培養した。培養終了後、培養液を10000rpm、10分間遠心分離して上澄み液を除いた。得られた菌体を2回水洗、次いで2回エタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥菌体0.5gをクロロホルム20mLに懸濁し、50℃で5時間熱抽出した。得られた抽出液から菌体残渣をメンブレンフィルターで除去した後、残渣が除かれた抽出液に10倍量のメタノールを添加し、析出してくる共重合体をフィルターで回収した。これを減圧乾燥して約0.1gの3HB、3HV、3HHのモノマーユニットからなる3成分系共重合体を得た。乾燥菌体中の共重合体含有量は約20%であった。
【0035】
乾燥共重合体10mgをクロロホルム1mLに溶解した後、メタノール0.85mL、HSO0.15mL加えてオイルバス中で100℃、140分間処理してメチルエステル化した。冷却後、(NHSO飽和水溶液0.5mL加えて激しく攪拌して静置し、下層部をキャピラリーガスクロマトグラフィーにて分析した。カラムはDB−23(ジ エル サイエンシス(株)製)を使用し、初期温度90℃、昇温速度5℃/min、最終温度230℃(保持1分間)の設定条件で、内部標準物質としてオクタン酸メチルを採用した。これにより測定された各モノマーユニットのモル組成を表3に示す。
【0036】
【表3】
Figure 0003607746
【0037】
実施例2〜6
ポリマー誘導培地中の脂肪酸組成比を変えた以外は実施例1と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体における各モノマーユニットのモル組成についても実施例1と同様の方法で分析した。表3に、ポリマー誘導培地中の脂肪酸組成、各モノマーユニットのモル組成及び乾燥菌体中の共重合体含量を示す。なお、実施例4で得られた共重合体の分析結果を図1に示す。
【0038】
比較例1及び2
ポリマー誘導培地中の脂肪酸をラウリン酸単独(比較例1)又はトリデカン酸単独(比較例2)に変えた以外は実施例1と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体における各モノマーユニットのモル組成についても実施例1と同様の方法で分析した。表3に、ポリマー誘導培地中の脂肪酸組成、各モノマーユニットのモル組成及び乾燥菌体中の共重合体含量を示す。
【0039】
上記の結果から、ラウリン酸とトリデカン酸の組成比を変えることによって3HB、3HV、3HHの3つのユニットからなる共重合体が原料の組成比に応じた組成を構成していることが明らかとなった。従って、脂肪酸の組成比を変えることにより、所望の組成のモノマーユニットを有する共重合体を得ることが可能であることが分かった。
また、ラウリン酸単独では3HBと3HHが、トリデカン酸単独では3HVが作られているため、3成分系共重合体はラウリン酸とトリデカン酸の混合炭素源を必要とすることが分かった。
【0040】
実施例7
偶数脂肪酸源として、ラウリン酸のかわりに天然油脂であるヤシ油を用いて実施例3と同じ条件で培養して共重合体合成を行った。その結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
Figure 0003607746
【0042】
上記の結果から、微生物に与える栄養源として遊離脂肪酸のかわりに類似の脂肪酸のトリグリセリドであるヤシ油を使用しても同じ結果をもたらすものであることが明らかとなった。
【0043】
実験例1
誘導培地中の脂肪酸の炭素数を2〜18まで変えてアエロモナス キャビエの生育および共重合体合成能を調べた。ここで、脂肪酸は各サンプルについて1成分のみを用いた。その他の条件等はすべて実施例1と同様にして培養を行い、得られた共重合体についても同様にして分析を行った。得られた共重合体の分析結果を表5に示す。使用した具体的な脂肪酸について表6に示す。また、アエロモナス キャビエの生育については、培養終了後の菌体濃度を乾燥重量法で評価し、1g/リットル以上増殖したものを良好、1g/リットル未満のものを不良とした。
【0044】
【表5】
Figure 0003607746
【0045】
【表6】
Figure 0003607746
【0046】
上記の結果より、炭素数2〜11の脂肪酸に対しては生育自体が順調ではなく、特に2〜10の脂肪酸では共重合体合成も認められなかった。炭素数が12以上では菌体の生育、共重合体合成とも順調であった。
また、単一炭素源からの共重合体合成は脂肪酸の炭素数(偶数か奇数か)で異なり、偶数個の脂肪酸からは3HBと3HHの2成分系、奇数個の脂肪酸からは3HBと3HVの2成分系の共重合体が合成され、3成分系共重合体は作られないことが分かった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の3成分系共重合体の製造方法によって、上記共重合体の組成を所望の程度に調整することが可能であるので、用途に応じたポリマー物性を有する共重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例4で得られた共重合体を加水分解した後メチルエステル化したものの、キャピラリーガスクロマトグラフィーによる分析結果である。

Claims (7)

  1. アエロモナス属の微生物を培養して重合体を製造する方法において、炭素数が12以上の偶数である脂肪酸及び炭素数が13以上の奇数である脂肪酸の混合物を炭素源として用いることを特徴とする、3−ヒドロキシブチレート(3HB)、3−ヒドロキシバリレート(3HV)及び3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)の3成分からなる3成分系共重合体の製造方法。
    Figure 0003607746
    Figure 0003607746
    Figure 0003607746
  2. アエロモナス属の微生物が、炭素数12以上の脂肪酸又は天然油脂を資化して3−ヒドロキシブチレート(3HB)及び3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)からなる共重合体を生合成する能力を有するものである請求項1記載の製造方法。
  3. アエロモナス属の微生物がアエロモナス キャビエ又はアエロモナス ハイドロフィラである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 炭素数が12以上の偶数である脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 炭素数が13以上の奇数である脂肪酸がトリデカン酸、ペンタデカン酸及びヘプタデカン酸からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 炭素数が12以上の偶数である脂肪酸として天然油脂を用いる請求項1記載の製造方法。
  7. 天然油脂がパーム油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ナタネ油、オリーブ油、ヤシ油又は魚油である請求項6記載の製造方法。
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