JP3606986B2 - 上部構造としてトラスユニットを有するインナーバルコニーおよびその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部構造としてトラスユニットを用いたインナーバルコニーおよびその構築構築方法に関する。
【0002】
【関連技術および発明が解決しようとする課題】
従来、インナーバルコニーは、その上部構造の構築を含めて現場施工によって構築されており、また、その構造は、家屋の他の部分とは異なる部分が多いため、構築に多くの工数を要するという問題点があった。
【0003】
さらに、壁式構造法においては耐力壁を確保する必要があるため、大きな開口部が期待されるインナーバルコニーにおいて、十分な開口部の大きさが確保できないという問題点もあった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構築が容易で、現場施工の工数を削減することができるインナーバルコニーおよびその構築方法を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的は、上部構造との間に十分な大きさの開口部を容易に形成することが可能なインナーバルコニーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本欄においては、上記目的を達成するための手段を、本願の各請求項の各構成要件に対して、本願の実施の形態の符号を対応させて説明する。
【0007】
請求項1に記載の発明に係るインナーバルコニー10は、
上部構造としてトラスユニット16を有するインナーバルコニーであって、
インナーバルコニー10の上部構造であるトラスユニット16と、該トラスユニットの下方に位置しそれを支持する下部構造84とを有し、
前記トラスユニットは、斜辺部24と底辺部28とを有する外トラス20と、斜辺部58と底辺部64とを有する内トラス52と、前記外トラスおよび前記内トラスの間を連結する連結材70,74と、を有し、
前記下部構造は、柱94で前記外トラスを支持する前部と、少なくとも壁パネル114で前記内トラスを支持する後部と、を有し、
前記外トラスの底辺部は、所定の間隔離して配置された横材38と、間隔をおいて配置された縦材40とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、前記底辺部の全幅にわたる長さを持つ組立梁36と、角材からなる梁32とを接合して形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、外トラス、内トラス、および連結材を含んで構成されるトラスユニットと、それを柱および壁パネルによって支持する下部構造を含んでインナーバルコニーが構成される。したがって、予め製作されたトラスユニットを下部構造上に配置し、固定することによって、インナーバルコニーを得ることができ、現場施工の工数を削減することができる。また、下部構造には柱が用いられているため、上方のトラスユニットとの間に開口部を容易に形成することができる。さらに、下部構造の後部には、壁パネルも適宜用いられているため、家屋全体としての耐力壁線を確保することができる。
【0009】
【0010】
また、外トラスの底辺部は、所定の間隔離して配置された横材と、間隔をおいて配置された縦材とによって、全体としての外形形状が角材状に形成された組立梁を角材からなる梁の上部または下部に有している。したがって、底辺部全体の重量を大幅に増加させることなく、底辺部の高さ方向の厚さを増すことができ、意匠上好ましい壁面を形成することが可能となる。また、サッシ枠等を取り付けるためにも十分な高さ方向の厚さを確保することができる。
【0011】
請求項2は、請求項1に記載の発明に係るインナーバルコニーにおいて、
前記組立梁は、その直下に前記下部構造の柱が位置する部分には、上面から下面に貫通する縦材40を有することを特徴とするインナーバルコニーの発明を定義している。
【0012】
請求項2の発明によれば、外トラスの底辺部の一部を成す組立梁は、直下に柱が位置する部分には、その上面から下面に貫通する縦材を使用している。したがって、この組立梁は、柱からの支持力を分散させることなく、トラスユニットの他の部分に伝達することができる。また、柱からの支持力に十分に耐えることができる。
【0013】
請求項3は、請求項1または請求項2の発明に係るインナーバルコニーにおいて、
前記下部構造の柱は、4角柱を2つに縦割りにした形状の2本の角材96を貼り合わせることによって形成され、羽子板ボルト102の固定部104を挟み込んでいることを特徴とするインナーバルコニーの発明を定義している。
【0014】
請求項3の発明によれば、羽子板ボルトの固定部を柱の内部に隠し、下部構造の柱の中央から羽子板ボルトのボルト部を突出させることができる。したがって、柱の側面に羽子板ボルトの固定部が露出することがないため、美観上優れた柱となるばかりでなく、ボルト部を固定部を介して十分な取付強度を持って柱に取り付けることができる。また、ボルト部をトラスユニットの底辺部に貫通させてナット等で締め付けた際には、その緊結力が柱の真上にかかり、トラスユニットの底辺部に対して不必要な剪断力成分を生じることがない。
【0015】
請求項4は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明に係るインナーバルコニーにおいて、
前記トラスユニットの側面に位置する前記連結材は、所定の間隔離して配置された横材78と、間隔をおいて配置された縦材76とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、前記トラスユニットの全奥行きにわたる長さの組立梁を有することを特徴とするインナーバルコニーの発明を定義している。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、トラスユニットの側面に位置する連結材は、中空部を有する組立梁であり、トラスユニットの全奥行きにわたる長さを有している。したがって、所定の高さ方向の厚さを有する連結材を、比較的軽量で実現できる。しかも、トラスユニットから隣接する家屋構造への方向の水平方向の応力にも十分に耐えることができる。
【0017】
請求項5の発明に係るインナーバルコニーの構築方法は、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の上部構造であるトラスユニット16と下部構造84とを有するインナーバルコニー10の構築方法であって、
前記トラスユニットを支持する前記下部構造を構築する工程と、
外トラス20と、内トラス52と、前記外トラスおよび前記内トラスを連結する連結材70,74とを有する前記トラスユニットを前記下部構造の上部に固定する工程と、
を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、柱および壁パネルによってトラスユニットを支持する下部構造を構築し、トラスユニットをその上部に固定することによって、インナーバルコニーが構築される。したがって、少ない現場施工の工数でインナーバルコニーを構築することができる。
【0019】
請求項6は、請求項5の発明に係るインナーバルコニーの構築方法において、
前記トラスユニットの前記下部構造への固定工程においては、前記トラスユニットの4箇所に取り付けられた吊り治具130にクレーンの吊り部材を係合させて前記トラスユニットを前記下部構造の上部に吊り降ろすことを特徴とするインナーバルコニーの構築方法の発明を定義している。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、トラスユニットをクレーンによって吊り降ろして、下部構造上に固定することができる。したがって、少ない現場施工の工数で、しかも、安全にインナーバルコニーを構築することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0022】
図1は、本実施例のインナーバルコニー10を、屋根材、仕上げ材等が取り付けられる前の状態として示した斜視図である。この図に示すように、本実施例のインナーバルコニー10は、トラスを利用した構造を有し、インナーバルコニーの上部を形成するトラスユニット16と、トラスユニット16の下方に位置してトラスユニット16を支持する下部構造84とを含んで構成される。
【0023】
トラスユニット16は、図1に示すように、外トラス20、内トラス52、および外トラス20と内トラス52との間を連結する連結材70,74を含んで構成され、全体として3角柱の形状を有しており、その最も広い四角形の面を下にした状態で下部構造84の上に設置されている。なお、このトラスユニット16は予め工場で製作される。したがって、トラスユニット16を下部構造84の上に配置し、固定することによって、インナーバルコニー10を得ることができ、現場施工の工数を削減することができる。
【0024】
外トラス20は、全体として3角形の形状を有しており、2本の斜辺部24、底辺部、およびそれぞれの間を連結するガセット板48を含んで構成される。その底辺部28は、その一部を図2に分解斜視図として示したように、通常の角材例えば集成材でできた梁32と、組立梁36とを接合して形成される。
【0025】
この組立梁36は、底辺部28の全幅にわたる長さを有し、所定の間隔離して配置された横材38と、間隔をおいて配置された縦材40とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、底辺部28の全幅にわたる長さとなっている。梁32と組立梁36は、図3に一部の分解斜視図として示したようにして互いに固定されて一体となった底辺部28を形成する。すなわち、梁32の下面30からハンガーボルト34を所定の深さまでねじ込み、そのハンガーボルト34が組立梁36の上部の横材38に設けられた貫通孔46を貫通するまで梁32と組立梁36とを近づけ、組立梁36の内側からワッシャ42を挟んでナット44を締付けることによって互いに固定される。このような梁32と組立梁36との間の固定は複数箇所において並行して進行するように行われる。
【0026】
このように、外トラス20の底辺部28の組立梁36は、所定の間隔離して配置された横材38と、間隔をおいて配置された縦材40とによって、全体としての外形形状が角材状に形成された組立梁36をその上部または下部に有している。したがって、底辺部28全体の重量を大幅に増加させることなく、底辺部28の高さ方向の厚さを増すことができ、意匠上好ましい壁面を形成することが可能となる。また、サッシ枠等を取り付けるためにも十分な高さ方向の厚さを確保することができる。
【0027】
さらに、外トラス20の底辺部28の組立梁36は、図1および図8に示すように、直下に柱94が位置する部分には、その上面から下面に貫通する縦材40を使用している。したがって、この組立梁36は、柱94からの支持力を分散させることなく、トラスユニット16の他の部分に伝達することができる。また、柱94からの支持力に十分に耐えることができる。
【0028】
内トラス52は、図1に示したように、外トラス20と同様な3角形の形状を有しており、2本の斜辺部58、底辺部64、およびそれぞれの間を連結するガセット板48を含んで構成される。
【0029】
連結材70,74は、複数本あり、外トラス20と内トラス52との間に配置され、それらを連結している。なお、図1に示したように、トラスユニット16の側面に位置する連結材74は、所定の間隔離して配置された横材78と、間隔をおいて配置された縦材76とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、トラスユニット16の全奥行きにわたる長さを持つ組立梁が用いられている。
【0030】
このように、連結材70,74は、中空部を有する組立梁であり、トラスユニット16の全奥行きにわたる長さを有している。したがって、所定の高さ方向の厚さを有する連結材74を、比較的軽量で実現できる。しかも、トラスユニット16から隣接する家屋構造への方向の水平方向の応力にも十分に耐えることができる。
【0031】
下部構造84は、トラスユニット16の下方に位置し、トラスユニット16を支持する。下部構造84は、図1に示すように、柱94によって主に外トラス20を支持する前部すなわち屋外に面する側と、壁パネル114および柱92によって主に内トラス52を支持する後部すなわち隣接する家屋構造の壁部114を兼ねる部分とを含んで構成される。このように、下部構造84には柱92,94が用いられているため、上方のトラスユニット16との間に開口部120を容易に形成することができる。また、下部構造84の後部には、壁パネル114も適宜用いられているため、家屋全体としての耐力壁線を確保することができる。
【0032】
この下部構造84の柱92,94は、上方に設置されるトラスユニット16を固定するために特殊な構造を有している。すなわち、図4に一部の分解斜視図として示すように、この柱92,94は、4角柱を2つに縦割りにした形状の2本の角材96を貼り合わせることによって形成され、2本の角材96の間に羽子板ボルト102を挟み込んでいる。そして、羽子板ボルト102のボルト部106の大部分が、貼り合わされた柱92,94の上端面から突出している。このボルト部106は、後述するように、トラスユニット16と下部構造84の固定において用いられる。
【0033】
このように、本実施例の下部構造84の柱92,94は、羽子板ボルト102の固定部104を柱92,94の内部に隠し、柱92,94の中央から羽子板ボルト102のボルト部106を突出させることができる。したがって、柱92,94の側面に羽子板ボルト102の固定部104が露出することがないため、美観上優れた柱となるばかりでなく、ボルト部106を固定部104を介して十分な取付強度を持って柱に取り付けることができる。また、ボルト部106をトラスユニット16に貫通させてナット等で締め付けた際には、その緊結力が柱の真上にかかり、トラスユニット16の底辺部28に対して不必要な剪断力成分を生じることがない。
【0034】
また、図1から明らかなように、下部構造84の前部の柱94は、後部の柱92よりも短くなっている。これによって、上方に位置する外トラス20の底辺部28の高さを大きくすることが可能となり、インナーバルコニー10の屋外側の開口部120の上方と下方の壁面の意匠上のバランスを良好とすることができる。
【0035】
ここで、本実施例のインナーバルコニー10の構築をその工程にしたがって、説明する。
【0036】
まず、柱92,94および壁パネル114によってトラスユニット16を支持する前述した下部構造84が構築される。このとき、図4で分解斜視図として示したように、下部構造の柱92,94の上端からは羽子板ボルト102のボルト部106が突出した状態となっている。
【0037】
次に、前述したように外トラス20と、内トラス52と、外トラス20および内トラス52を連結する連結材70,74とを有するトラスユニット16を、下部構造84の上部に固定する。図5は、本実施例のトラスユニット16を吊り降ろす際に使用される吊り治具130を示す分解斜視図である。この図に示すように吊り治具130は、ナット136が溶接された固定部132と、固定部132に螺合結合可能でクレーン等の吊り部材が係合される係合部134とを有する。この吊り治具130はトラスユニット16から突出しない固定部132のみを予めトラスユニット16に取付けておくことができるため、固定部132が取り付けられていてもトラスユニット16の外形からの突出部がない。したがって、トラスユニット16の運搬等の際に好都合である。しかも、係合部134は現場で容易にその固定部132に螺合結合させることができる。本実施例のトラスユニット16には、この固定部132が、図6に示したように、トラスユニット16の4箇所、すなわち、外トラス20の斜辺部24の内側面と内トラス52の斜辺部58の内側面とに取り付けられている。トラスユニット16は、図7に示したように、これらの固定部132に係合部134を螺合結合させた吊り治具130の係合部134にクレーン等の吊り部材142が係合されて、下部構造84の上に吊り降ろされて固定される。
【0038】
そして、トラスユニット16の下部構造84への固定は次のように行われる。
【0039】
前述したように、下部構造84のそれぞれの柱92,94からは、羽子板ボルト102のボルト部106が突出している。このボルト部106は、上述したトラスユニット16の吊り降ろしの際に、外トラス20および内トラス52の底辺部28,64に設けられた貫通孔を貫通するように、トラスユニット16が吊り降ろされる。図8は、下部構造84の前部の柱94から突出しているボルト部106が、外トラス20の底辺部28の組立梁36の貫通孔66を貫通する状態を分解斜視図として示している。このボルト部106はさらに上方に位置する図1に示した梁32の貫通孔(図示せず)も貫通し、その上部でナット締めされる。他の各柱92,94から突出しているボルト部106も同様に、外トラス20または内トラス52の底辺部28,64を貫通し、底辺部28,64の上部からナット締めされる。図9は、図1に2点鎖線で囲んだ領域付近の詳細を分解斜視図として示しており、下部構造84の後部の柱92から突出するボルト部106が、内トラス52の底辺部64を貫通する前の状態を示している。
【0040】
さらに、トラスユニット16は、隣接する家屋構造の壁部164に固定されて、屋外側への倒れ込みが防止される。図10は、図1の2点鎖線で示した部分を矢印Aの方向から見た状態を示す分解斜視図である。この図に示すように、内トラス52の底辺部64には、図11(A)にも斜視図として示したハンガーボルト150が予め所定の位置までねじ込まれている。トラスユニット16の底辺部64が、下部構造84の壁パネル114の上部に設置された後に、このハンガーボルト150と係合する取付部材158(図11(B))は、図10に2点鎖線で示すように、ハンガーボルト150がその開口部160を貫通する状態で、隣接する家屋構造の壁部164の所定の位置に釘等で取り付けられる。その後、取付部材158の開口部160から突出しているハンガーボルト150がナット154によって締め付けられる。なお、ハンガーボルト150には、図示したように、ストッパー152が設けられているため、前述したように、ハンガーボルト150が底辺部64に所定の位置までねじ込まれており、取付部材158が壁部164の所定の位置に取り付けられていれば、ナット154を締め付けて、取付部材158をストッパー152に当接させることによって、トラスユニット16を壁部164に対して所定の水平位置に固定することができる。
【0041】
上記のように、本実施例のインナーバルコニー10は、柱92,94および壁パネル114によってトラスユニット16を支持する下部構造84を構築し、トラスユニット16をその上部に固定することによって構築される。したがって、少ない現場施工の工数でインナーバルコニー10を構築することができる。また、トラスユニット16はクレーンによって吊り降ろされて下部構造84の上に設置されるため、人手のみによる場合に比し安全にインナーバルコニー10を構築することができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は前述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の均等範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0043】
例えば、吊り治具130は必ずしも上記実施例に示したように固定部132と係合部134が分離可能なものでなくともよく、固定部132と係合部134が一体に形成されたものを用いてもよい。
【0044】
また、本実施例のトラスユニット16の外トラス20の底辺部28は、内トラス52の底辺部64より上下方向の厚さが厚く、それに対応して、下部構造84の前部の柱94は下部構造84の後部の後部の柱92より短くなっているが、必ずしもこれに限らず、外トラス20の底辺部28の上下方向の厚さと内トラス52のそれとを同一にしてもよいし、また、逆に外トラス20の底辺部28の上下方向の厚さを内トラス52のそれよりも薄くしてもよい。なお、それにともなって、下部構造84の前部および後部の柱94,92等の高さの関係も対応させる必要があることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、予め製作されたトラスユニットを下部構造上に配置し、固定することによって、インナーバルコニーを得ることができ、現場施工の工数を削減することができる。また、下部構造には柱が用いられているため、上方のトラスユニットとの間に開口部を容易に形成することができる。さらに、下部構造の後部には、壁パネルも適宜用いられているため、家屋全体としての耐力壁線を確保することができる。
【0046】
また、底辺部全体の重量を大幅に増加させることなく、底辺部の高さ方向の厚さを増すことができ、意匠上好ましい壁面を形成することが可能となる。また、サッシ枠等を取り付けるためにも十分な高さ方向の厚さを確保することができる。
【0047】
請求項2の発明によれば、組立梁は、柱からの支持力を分散させることなく、トラスユニットの他の部分に伝達することができる。また、柱からの支持力に十分に耐えることができる。
【0048】
請求項3の発明によれば、柱の側面に羽子板ボルトの固定部が露出することがないため、美観上優れた柱となるばかりでなく、十分な取付強度を持ってボルト部を固定部を介して柱に取り付けることができる。また、ボルト部をトラスユニットの底辺部に貫通させてナット等で締め付けた際には、その緊結力が柱の真上にかかり、トラスユニットの底辺部に対して不必要な剪断力成分を生じることがない。
【0049】
請求項4に記載の発明によれば、所定の高さ方向の厚さを有する連結材を、比較的軽量で実現できる。しかも、トラスユニットから隣接する家屋構造への方向の水平方向の応力にも十分に耐えることができる。
【0050】
請求項5に記載の発明によれば、少ない現場施工の工数でインナーバルコニーを構築することができる。
【0051】
請求項6に記載の発明によれば、少ない現場施工の工数で、しかも、安全にインナーバルコニーを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のインナーバルコニーを、屋根材、仕上げ材等が取り付けられる前の状態として示した斜視図である。
【図2】外トラスの底辺部の一部を示す分解斜視図である。
【図3】外トラスの底辺部の梁と組立梁との間の固定の状態を示す分解斜視図である。
【図4】下部構造の柱の分解斜視図である。
【図5】実施例のトラスユニットを吊り降ろす際に使用される吊り治具を示す分解斜視図である。
【図6】吊り治具の固定部がトラスユニットに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図7】トラスユニットを吊り降ろす状態を示す斜視図である。
【図8】柱から突出するボルトが外トラスの底辺部の組立梁を貫通する状態を示す分解斜視図である。
【図9】図1に2点鎖線で示した領域付近の詳細を示す分解斜視図である。
【図10】トラスユニットを隣接する家屋構造への固定を、図1の2点鎖線で示した部分を矢印Aの方向から見た分解斜視図として示す図である。
【図11】(A)は、トラスユニットを隣接する家屋構造への固定に用いられるハンガーボルトの斜視図である。(B)は、そのハンガーボルトと係合する取付部材の斜視図である。
【符号の説明】
10 インナーバルコニー
16 トラスユニット
20 外トラス
24,58 斜辺部
28,64 底辺部
36 組立梁
38 横材
40 縦材
52 内トラス
70,74 連結材
76 縦材
78 横材
84 下部構造
92,94 柱
96 角材
102 羽子板ボルト
104 固定部
130 吊り治具
Claims (6)
- 上部構造としてトラスユニットを有するインナーバルコニーであって、
インナーバルコニーの上部構造であるトラスユニットと、該トラスユニットの下方に位置しそれを支持する下部構造とを有し、
前記トラスユニットは、斜辺部と底辺部とを有する外トラスと、斜辺部と底辺部とを有する内トラスと、前記外トラスおよび前記内トラスの間を連結する連結材と、を有し、
前記下部構造は、柱で前記外トラスを支持する前部と、少なくとも壁パネルで前記内トラスを支持する後部と、を有し、
前記外トラスの底辺部は、所定の間隔離して配置された横材と、間隔をおいて配置された縦材とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、前記底辺部の全幅にわたる長さを持つ組立梁と、角材からなる梁とを接合して形成されることを特徴とするインナーバルコニー。 - 請求項1において、
前記組立梁は、その直下に前記下部構造の柱が位置する部分には、上面から下面に貫通する縦材を有することを特徴とするインナーバルコニー。 - 請求項1または請求項2において、
前記下部構造の柱は、4角柱を2つに縦割りにした形状の2本の角材を貼り合わせることによって形成され、羽子板ボルトの固定部を挟み込んでいることを特徴とするインナーバルコニー。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
前記トラスユニットの側面に位置する前記連結材は、所定の間隔離して配置された横材と、間隔をおいて配置された縦材とによって、全体としての外形形状が角材状に形成され、前記トラスユニットの全奥行きにわたる長さの組立梁を有することを特徴とするインナーバルコニー。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の上部構造であるトラスユニットと下部構造とを有するインナーバルコニーの構築方法であって、
前記トラスユニットを支持する前記下部構造を構築する工程と、
外トラスと、内トラスと、前記外トラスおよび前記内トラスを連結する連結材とを有する前記トラスユニットを前記下部構造の上部に固定する工程と、
を有することを特徴とするインナーバルコニーの構築方法。 - 請求項5において、
前記トラスユニットの前記下部構造への固定工程においては、前記トラスユニットの4箇所に取り付けられた吊り治具にクレーンの吊り部材を係合させて前記トラスユニットを前記下部構造の上部に吊り降ろすことを特徴とするインナーバルコニーの構築方法。
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JP04519496A JP3606986B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 上部構造としてトラスユニットを有するインナーバルコニーおよびその構築方法 |
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JP04519496A JP3606986B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 上部構造としてトラスユニットを有するインナーバルコニーおよびその構築方法 |
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