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JP3603682B2 - 電界放射型電子源 - Google Patents

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JP3603682B2
JP3603682B2 JP21145399A JP21145399A JP3603682B2 JP 3603682 B2 JP3603682 B2 JP 3603682B2 JP 21145399 A JP21145399 A JP 21145399A JP 21145399 A JP21145399 A JP 21145399A JP 3603682 B2 JP3603682 B2 JP 3603682B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放射により電子線を放射するようにした電界放射型電子源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電界放射型電子源として、例えば米国特許3665241号などに開示されているいわゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがある。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタチップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端から放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】
しかしながら、スピント型電極は、製造プロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッタチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化が難しいという問題があった。また、スピント型電極は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存在するような場合、放射された電子によって残留ガスがプラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタチップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端がダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放射される電子の電流密度や効率などが不安定になったり、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種の問題の発生を防ぐために、高真空(約10−5Pa〜約10−6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなるとともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】
この種の不具合を改善するために、MIM(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxide Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されている。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源において電子の放射効率を高めるためには(多くの電子を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、このような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合があった。
【0005】
また、近年では、特開平8−250766号公報に開示されているように、シリコン基板などの単結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽極酸化することにより多孔質半導体層(ポーラスシリコン層)を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜を形成し、半導体基板と金属薄膜との間に電圧を印加して電子を放射させるように構成した電界放射型電子源(半導体冷電子放出素子)が提案されている。
【0006】
しかしながら、上述の特開平8−250766号公報に記載の電界放射型電子源では、基板が半導体基板に限られるので、大面積化やコストダウン化が難しいという不具合がある。また、特開平8−250766号公報に記載の電界放射型電子源では電子放出時にいわゆるポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむらが起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイなどに応用すると、発光むらができてしまうという不具合がある。
【0007】
そこで、本願発明者らは、特願平10−272340号、特願平10−272342号において、多孔質多結晶半導体層(例えば、多孔質化された多結晶シリコン層)を急速熱酸化(RTO)技術によって急速熱酸化することによって、導電性基板と金属薄膜(表面電極)との間に介在し導電性基板から注入された電子がドリフトする強電界ドリフト層(強電界ドリフト部)を形成した電界放射型電子源を提案した。この電界放射型電子源では、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を放出することができ、また、導電性基板として単結晶シリコン基板などの半導体基板の他にガラス基板などに導電性膜(例えば、ITO膜)を形成した基板などを使用することもできるから、従来のように半導体基板を多孔質化した多孔質半導体層を利用する場合やスピント型電極に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0008】
しかしながら、上述の特願平10−272340号、特願平10−272342号に提案した電界放射型電子源では、導電性基板の耐熱温度以上に急速熱酸化の酸化温度を上げることができないので、基板の材料やITO膜の材料が制限され、基板の大口径化(大面積化)が制約されるという不具合があった。
【0009】
そこで、本願発明者らは、特願平11−108632号において、多孔質多結晶シリコン層を酸により酸化することによって強電界ドリフト層を形成した電界放射型電子源を提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特願平11−108632号に提案した電界放射型電子源であっても、多結晶シリコンを形成するには600℃以上のプロセスが必要なため、導電性基板として高価な石英ガラスに導電性膜を形成したものや、単結晶シリコン基板などを用いざるを得ず、導電性基板の大口径化(大面積化)が制約され、例えば大面積ディスプレイの実現が難しいという不具合があった。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、大面積化および低コストが容易な電界放射型電子源およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、導電性基板と、導電性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、該強電界ドリフト部上に形成された導電性薄膜よりなる表面電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加することにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト部をドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源であって、強電界ドリフト部は、導電性基板の厚み方向に直交する断面が網目状に形成され上記電子がドリフトするドリフト部と、網目の中に満たされたドリフト部よりも熱伝導性の良い柱状の放熱部とからなり、ドリフト部は酸化された多孔質アモルファスシリコンもしくは多孔質アモルファスシリコン化合物からなり、放熱部は酸化されたアモルファスシリコンもしくは酸化されたアモルファスシリコン化合物からなることを特徴とするものであり、強電界ドリフト部を多孔質化された多結晶シリコンにより形成する場合に比べてプロセス温度が低温になって導電性基板の制約が少なくなり、大面積化および低コスト化が容易になる。
しかも、強電界ドリフト部ではドリフト部で発生したジュール熱が放熱部を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生するのを防止することができて、安定して高効率で電子を放出でき、経時安定性が向上する。
【0015】
また、強電界ドリフト部のもとがアモルファスシリコン若しくはアモルファスシリコン化合物からなるので、例えば薄膜トランジスタや太陽電池などの製造装置を流用するとともにプロセスを利用することが可能になる。また、強電界ドリフト部の電気的特性の制御も容易となる。
【0019】
請求項の発明は、請求項1の発明において、上記ドリフト部が、ナノメータオーダの半導体微結晶を有し、半導体微結晶の表面が当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜により覆われているので、絶縁膜にかかる電界で電子を加速でき、電子放出効率が向上する。
【0020】
請求項の発明は、請求項の発明において、上記絶縁膜が、酸化膜よりなるので、上記絶縁膜を簡単に形成することができる。
【0021】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、上記強電界ドリフト部が、450℃以下の低温プロセスによって形成されているので、導電性基板として、安価なガラス基板や樹脂基板などの一表面側に導電性膜を形成したものを用いることができ、低コスト化および大面積化が可能となる。
【0022】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、上記導電性基板が、ガラス基板とガラス基板の一表面上に形成された導電性膜とからなり、上記電界ドリフト部は、該導電性膜上に形成されているので、例えば薄膜トランジスタの製造装置を流用するとともにプロセスを利用することが可能になる。
【0023】
請求項の発明は、請求項の発明において、上記ガラス基板が、無アルカリガラス基板よりなるので、より一層の低コスト化および大面積化が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(参考例1)
図1に本参考例の電界放射型電子源10の概略断面図を、図2(a)〜(d)に電界放射型電子源10の製造方法における主要工程断面図を示す。本参考例では、導電性基板1として、ガラス基板1aとガラス基板1aの一表面上に形成された導電性膜2とからなる基板を用いているので、導電性基板1として、単結晶シリコン基板を用いる場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0025】
本参考例の電界放射型電子源10は、図1に示すように、導電性基板1の一表面側に酸化された多孔質アモルファスシリコンよりなる強電界ドリフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上に導電性薄膜(例えば、金薄膜など)よりなる表面電極7が形成されている。なお、本参考例の電界放射型電子源10では、強電界ドリフト部6へ電界を印加することにより強電界ドリフト部6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、トンネル効果によって表面電極7の表面から放出される。したがって、表面電極7としては、仕事関数の小さな材料を用いれば良い。また、本参考例では、強電界ドリフト部6を酸化された多孔質アモルファスシリコンにより構成しているが、強電界ドリフト部6を酸化された多孔質アモルファスシリコン化合物により構成してもよい。
【0026】
この電界放射型電子源10では、図3に示すように、表面電極7を真空中に配置するとともに表面電極7に対向してコレクタ電極21を配置し、表面電極7を導電性膜2に対して正極として電圧を印加するとともに、コレクタ電極21を表面電極7に対して正極として直流電圧を印加することにより、導電性基板1から注入された電子が強電界ドリフト部6をドリフトし表面電極7を通して放出される。ここにおいて、表面電極7と導電性膜2との間に流れる電流をダイオード電流と称し、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流を放出電子電流と称し、ダイオード電流に対する放出電子電流が大きいほど電子の放出効率が高くなる。なお、本参考例の電界放射型電子源10では、表面電極7と導電性膜2との間の直流電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。
【0027】
以下、製造方法について図2を参照しながら説明する。
【0028】
まず、導電性基板1の主表面上(導電性膜2上)に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープのアモルファスシリコン層3を形成(成膜)することにより図2(a)に示すような構造が得られる。ここにおいて、アモルファスシリコン層3は、プラズマCVD法により堆積しているので、450℃以下の低温プロセスで成膜することができる。
【0029】
ノンドープのアモルファスシリコン層3を形成した後、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液の入った陽極酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、導電性基板1(導電性膜2)を正極として、アモルファスシリコン層3に光照射を行いながら所定の条件で陽極酸化処理を行うことによって、多孔質アモルファスシリコン層4が形成され図2(b)に示すような構造が得られる。ここにおいて、本参考例では、陽極酸化処理の条件として、陽極酸化処理の期間、アモルファスシリコン層3の表面に照射する光パワーを一定、電流密度を一定としたが、この条件は適宜変更してもよい(例えば、電流密度を変化させてもよい)。
【0030】
上述の陽極酸化処理が終了した後、陽極酸化処理槽から電解液を除去し、該陽極酸化処理槽に新たに酸(例えば、略10%の希硝酸、略10%の希硫酸、王水など)を投入し、その後、この酸の入った陽極酸化処理槽を利用して、白金電極(図示せず)を負極、導電性基板1(導電性膜2)を正極として、定電流を流し多孔質アモルファスシリコン層4を酸化することにより図2(c)に示す構造が得られる。図2(c)における6は多孔質アモルファスシリコン層4を酸によって酸化することにより形成された強電界ドリフト部を示す。要するに、強電界ドリフト部6は、多孔質化されたアモルファス物質からなる。
【0031】
強電界ドリフト部6を形成した後は、強電界ドリフト部6上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極7を例えば蒸着により形成することによって、図2(d)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。なお、本参考例では、表面電極7の膜厚を15nmとしてあるが、この膜厚は特に限定するものではなく、強電界ドリフト層6を通ってきた電子がトンネルできる膜厚であればよい。また、本参考例では、表面電極7となる導電性薄膜を蒸着により形成しているが、導電性薄膜の形成方法は蒸着に限定されるものではなく、例えばスパッタ法を用いてもよい。
【0032】
本参考例の製造方法では、アモルファスシリコン層3をプラズマCVD法などの低温プロセスで成膜し、多孔質アモルファスシリコン層4の酸化を酸により行っており、かつ、表面電極7を蒸着法、スパッタ法などにより成膜しているので、450℃以下の低温プロセスで電界放射型電子源10を製造することができる。したがって、導電性基板1として、無アルカリガラスのような安価で大面積化可能な基板を利用することができ、また樹脂基板のような安価な基板を利用することができるので、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0033】
また、上述の製造方法で製造された電界放射型電子源は、本願発明者らが特願平10−272340号、特願平10−272342号で提案した電界放射型電子源と同様に、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を放出することができる。
【0034】
なお、本参考例では、強電界ドリフト部6が図4に示すようなナノメータオーダのシリコン微結晶63を有し、シリコン微結晶63の表面が当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜からなる絶縁膜64により覆われているので、強電界ドリフト部6に注入された電子eが絶縁膜64にかかっている強電界により加速され図4中の矢印Aの向きへドリフトし、しかも電子のドリフト長はシリコン微結晶の粒径に比べて非常に大きいから、ほとんど衝突を起こすことなく強電界ドリフト部6の表面に到達するので、電子放出効率が向上する。
【0035】
また、図1では、強電界ドリフト部6が導電性基板1の略全面にわたって形成されているが、強電界ドリフト部6を、導電性基板1の上記一表面に略直交して列設した柱状に形成すれば、放熱性が向上し、より安定して高効率で電子を放出することができる。
【0036】
(参考例2)
参考例1にて図2を参照しながら説明した電界放射型電子源10の製造方法で以下の条件により図1の電界放射型電子源10を作成した。
【0037】
導電性基板1としては、無アルカリガラスよりなるガラス基板1aの一表面上にITO膜よりなる導電性膜2を形成したものを用いた。アモルファスシリコン層3(図2(a)参照)の成膜は、プラズマCVD法により行い、基板温度を270℃とした。
【0038】
陽極酸化では電解液として、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した電解液を用いた。陽極酸化は、アモルファスシリコン層3のうち表面の直径10mmの領域のみが電解液に触れるようにし、他の部分は電解液に接触しないようにシールを行い、電解液中に白金電極を浸し、500Wのタングステンランプを用いてアモルファスシリコン層3に一定の光パワーで光照射を行いながら、白金電極を負極、導電性基板1(導電性膜2)を正極として、所定の電流を流した。ここに、電流密度を2.5mA/cmで一定、陽極酸化時間を約10秒とした。
【0039】
多孔質アモルファスシリコン層4を酸化する酸としては、略10%の希硝酸を用いた。また、表面電極7としては厚さが15nmの金薄膜を用い、蒸着法によって形成した。
【0040】
本参考例の電界放射型電子源10を真空チャンバ(図示せず)内に導入して、図3に示すように表面電極7と対向する位置にコレクタ電極21(放射電子収集電極)を配置し、真空チャンバ内の真空度を5×10−5Paとして、表面電極7(正極)と導電性膜2(負極)との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21と表面電極7との間に100Vの直流電圧Vcを印加することによって、表面電極7と導電性膜2との間に流れるダイオード電流Ipsと、電界放射型電子源10から表面電極7を通して放射される電子e(なお、図3中の一点鎖線は放射電子流を示す)によりコレクタ電極21と表面電極7との間に流れる放出電子電流Ieとを測定した結果を図5に示す。ここに、図5の横軸は直流電圧Vpsの値を、縦軸は電流密度を示し、同図中の○が本参考例のダイオード電流Ipsを、同図中の●が本参考例の放出電子電流Ieを示す。
【0041】
ところで、電子放出効率は、ダイオード電流Ipsに対する放出電子電流Ieの割合Ie/Ipsで表され、本参考例の電界放射型電子源10では、上記各従来例に比べて高い電子放出効率が得られている。
【0042】
なお、製造プロセス中で上述のアモルファスシリコン層3の一部あるいは全部が結晶化する場合も考えられるが、特に問題はない。
【0043】
(実施形態)
図6に本実施形態の電界放射型電子源10の概略構成図を、図7(a)〜(c)に電界放射型電子源10の製造方法における主要工程断面図を示す。なお、本実施形態では、導電性基板1として、ガラス基板1aとガラス基板1aの一表面上に形成された導電性膜2とからなる基板を用いているので、導電性基板1として、単結晶シリコン基板を用いる場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0044】
本実施形態の電界放射型電子源10は、図6に示すように、導電性基板1の主表面側に強電界ドリフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極7が形成されている。
【0045】
この電界放射型電子源10においても、参考例1と同様、表面電極7を真空中に配置するとともに表面電極7に対向してコレクタ電極(図示せず)を配置し、表面電極7を導電性膜2に対して正極として直流電圧を印加するとともに、コレクタ電極を表面電極7に対して正極として直流電圧を印加することにより、導電性基板1から強電界ドリフト部6へ注入された電子が強電界ドリフト部6をドリフトし表面電極7を通して放出される。
【0046】
本実施形態における強電界ドリフト部6は、導電性基板1の厚み方向に直交する断面が網目状に形成され上記電子がドリフトするドリフト部61と、網目の中に満たされたドリフト部61よりも熱伝導性の良い放熱部62とからなる。要するに、放熱部62は、導電性基板1の厚み方向に平行な角柱状に形成されている。ここにおいて、ドリフト部61は、酸化された多孔質アモルファスシリコンよりなり、放熱部62は、酸化されたアモルファスシリコンよりなる。なお、強電界ドリフト部6は、放熱部62を上述の網目状に形成し、ドリフト部61を上述の角柱状に形成してもよい。
【0047】
しかして、本実施形態の電界放射型電子源10では、ドリフト部61で発生した熱が放熱部62を通して放熱されるので、電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して高効率で電子を放出することができる。
【0048】
なお、ドリフト部61を酸化された多孔質アモルファスシリコン化合物により構成し、放熱部62を酸化されたアモルファスシリコン化合物により構成してもよい。
【0049】
以下、製造方法について図7を参照しながら説明する。
【0050】
まず、導電性基板1の主表面上(導電性膜2上)に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープのアモルファスシリコン層3を形成(成膜)した後、アモルファスシリコン層3上にフォトレジストを塗布し、図8に示すようなフォトマスクMを利用し上記フォトレジストをパターニングすることによってレジストマスク30を形成することにより図7(a)に示すような構造が得られる。ここに、アモルファスシリコン層3は、プラズマCVD法により堆積しているので、450℃以下の低温プロセスで成膜することができる。また、フォトマスクMは、レジストマスク30の平面形状が微小な(例えば、0.1μmオーダの)略正方形になるように構成されているが、レジストマスク30の平面形状が正方形以外の微小な多角形状、微小な円形状、微小な星形などになるように構成してもよい。
【0051】
次に、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液の入った陽極酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、導電性基板1(導電性膜2)を正極として、アモルファスシリコン層3の主表面側に光照射を行いながら所定の条件(例えば、定電流)で陽極酸化処理を行うことによって、アモルファスシリコン層3の主表面側においてレジストマスク30で覆われていない部分が多孔質化されて多孔質アモルファスシリコン層11が形成され図7(b)に示すような構造が得られる。ここに、図7(b)中の12はアモルファスシリコン層3の一部よりなるアモルファス半導体層を示す。このアモルファス半導体層12は、四角柱状に形成される。なお、本実施形態では、陽極酸化処理の条件として、電流密度を10mA/cm一定、陽極酸化時間を30秒とするとともに、陽極酸化中に500Wのタングステンランプによりアモルファスシリコン層3の主表面側に光照射を行ったが、この条件は一例であって特に限定されるものではない。
【0052】
上述の陽極酸化処理が終了した後、陽極酸化処理槽から電解液を除去し、レジストマスク30を除去した後、該陽極酸化処理槽に新たに酸(例えば、略10%の希硝酸、略10%の希硫酸、王水など)を投入し、その後、この酸の入った陽極酸化処理槽を利用して、白金電極(図示せず)を負極、導電性基板1(導電性膜2)を正極として、定電流を流し多孔質アモルファスシリコン層11およびアモルファス半導体層12を酸化することにより強電界ドリフト部6が形成され、続いて、強電界ドリフト部6上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)からなる表面電極7を例えば蒸着によって形成することにより図7(c)に示す構造が得られる。ここに、図7(c)における61は酸化された多孔質アモルファスシリコン層11であって上述のドリフト部61に対応し、62は酸化されたアモルファス半導体層12であって上述の放熱部62に対応する。つまり、図7(c)におけるドリフト部61と放熱部62とで強電界ドリフト部6を構成している。また、表面電極7の膜厚は略15nmとしたが、この膜厚は特に限定するものではなく、表面電極7となる導電性薄膜(例えば、金薄膜)の形成方法も蒸着に限定されるものではなく、例えばスパッタ法を用いてもよい。なお、電界放射型電子源10は表面電極7を正極(アノード)とし、導電性膜2を負極(カソード)とするダイオードが構成される。この正極と負極との間に直流電圧を印加したときに流れる電流がダイオード電流である。
【0053】
なお、本実施形態の電界放射型電子源10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。表面電極7を導電性基板1(導電性膜2)に対して正極として印加する直流電圧が所定値(臨界値)に達すると、導電性膜2から強電界ドリフト部6へ熱的励起により電子が注入される。一方、強電界ドリフト部6のドリフト部61には、量子閉じ込め効果が現れるナノメータオーダの微結晶シリコン層が多数存在しこの微結晶シリコン層の表面には微結晶シリコン層の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜が形成されていると考えられる。したがって、強電界ドリフト部6に印加された電界はほとんど微結晶シリコン層の表面に形成されたシリコン酸化膜にかかるから、注入された電子は当該シリコン酸化膜にかかっている強電界により加速されドリフト部61内を表面に向かってドリフトする。ここに、電子のドリフト長は微結晶シリコン層の粒径に比べて非常に大きいのでほとんど衝突を起こすことなくドリフト部61の表面に到達する。ドリフト部61の表面に到達した電子はホットエレクトロンであって、ホットエレクトロンは熱平衡状態よりも数kT以上のエネルギを有するので、強電界ドリフト部6の最表面の酸化層を介して表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0054】
ところで、本実施形態の電界放射型電子源10では、ポッピングノイズが発生せずに高効率で安定して電子を放出することができるが、これは、電圧の印加により強電界ドリフト部6のドリフト部61に発生した熱が放熱部62を伝導して外部に放出され、温度上昇が抑制されるからであると推考される。したがって、強電界ドリフト部6におけるドリフト部61と放熱部62との面積比を最適化して電子放出効率を向上することが可能になる。
【0055】
以上をまとめると、強電界ドリフト部6は、強電界が存在しうる半絶縁性を備え、また、電子散乱が少なくドリフト長が大きく、さらに、ダイオード電流の熱暴走を抑えるだけの熱伝導率を有するので、高効率で安定して電子を放出することができるのだと考えられる。
【0056】
本実施形態の製造方法では、アモルファスシリコン層3をプラズマCVD法などの低温プロセスで成膜し、多孔質アモルファスシリコン層11の酸化を酸により行っており、かつ、表面電極7を蒸着法、スパッタ法などにより成膜しているので、450℃以下の低温プロセスで電界放射型電子源10を製造することができる。したがって、導電性基板1として、無アルカリガラスのような安価で大面積化可能な基板を利用することができ、また樹脂基板のような安価な基板を利用することができるので、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明は、導電性基板と、導電性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、該強電界ドリフト部上に形成された導電性薄膜よりなる表面電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加することにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト部をドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源であって、強電界ドリフト部は、導電性基板の厚み方向に直交する断面が網目状に形成され上記電子がドリフトするドリフト部と、網目の中に満たされたドリフト部よりも熱伝導性の良い柱状の放熱部とからなり、ドリフト部は酸化された多孔質アモルファスシリコンもしくは多孔質アモルファスシリコン化合物からなり、放熱部は酸化されたアモルファスシリコンもしくは酸化されたアモルファスシリコン化合物からなるものであり、強電界ドリフト部を多孔質化された多結晶シリコンにより形成する場合に比べてプロセス温度が低温になって導電性基板の制約が少なくなり、大面積化および低コスト化が容易になるという効果がある。
しかも、強電界ドリフト部ではドリフト部で発生したジュール熱が放熱部を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生するのを防止することができて、安定して高効率で電子を放出でき、経時安定性が向上するという効果がある。
【0060】
また、強電界ドリフト部のもとがアモルファスシリコン若しくはアモルファスシリコン化合物からなるので、例えば薄膜トランジスタや太陽電池などの製造装置を流用するとともにプロセスを利用することが可能になるという効果がある。また、強電界ドリフト部の電気的特性の制御も容易となるという効果がある。
【0064】
請求項の発明は、請求項1の発明において、上記ドリフト部が、ナノメータオーダの半導体微結晶を有し、半導体微結晶の表面が当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜により覆われているので、絶縁膜にかかる電界で電子を加速でき、電子放出効率が向上するという効果がある。
【0065】
請求項の発明は、請求項の発明において、上記絶縁膜が、酸化膜よりなるので、上記絶縁膜を簡単に形成することができるという効果がある。
【0066】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、上記強電界ドリフト部が、450℃以下の低温プロセスによって形成されているので、導電性基板として、安価なガラス基板や樹脂基板などの一表面側に導電性膜を形成したものを用いることができ、低コスト化および大面積化が可能となるという効果がある。
【0067】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、上記導電性基板が、ガラス基板とガラス基板の一表面上に形成された導電性膜とからなり、上記電界ドリフト部は、該導電性膜上に形成されているので、例えば薄膜トランジスタの製造装置を流用するとともにプロセスを利用することが可能になるという効果がある。
【0068】
請求項の発明は、請求項の発明において、上記ガラス基板が、無アルカリガラス基板よりなるので、より一層の低コスト化および大面積化が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1を示す概略断面図である。
【図2】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図3】同上の特性測定原理の説明図である。
【図4】同上の電子放出機構の原理説明図である。
【図5】参考例2の電圧電流特性図である。
【図6】実施形態を示し、(a)は概略縦断面図、(b)は概略水平断面図である。
【図7】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図8】同上の製造方法を説明するためのフォトマスクの平面図である。
【符号の説明】
1 導電性基板
1a ガラス基板
2 導電性膜
6 強電界ドリフト部
7 表面電極
10 電界放射型電子源

Claims (6)

  1. 導電性基板と、導電性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、該強電界ドリフト部上に形成された導電性薄膜よりなる表面電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加することにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト部をドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源であって、強電界ドリフト部は、導電性基板の厚み方向に直交する断面が網目状に形成され上記電子がドリフトするドリフト部と、網目の中に満たされたドリフト部よりも熱伝導性の良い柱状の放熱部とからなり、ドリフト部は酸化された多孔質アモルファスシリコンもしくは多孔質アモルファスシリコン化合物からなり、放熱部は酸化されたアモルファスシリコンもしくは酸化されたアモルファスシリコン化合物からなることを特徴とする電解放射型電子源。
  2. 上記ドリフト部は、ナノメータオーダの半導体微結晶を有し、半導体微結晶の表面が当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜により覆われてなることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  3. 上記絶縁膜は、酸化膜よりなることを特徴とする請求項2記載の電界放射型電子源。
  4. 上記強電界ドリフト部は、450℃以下の低温プロセスによって形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電界放射型電子源。
  5. 上記導電性基板は、ガラス基板とガラス基板の一表面上に形成された導電性膜とからなり、上記強電界ドリフト部は、該導電性膜上に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電界放射型電子源。
  6. 上記ガラス基板は、無アルカリガラス基板よりなることを特徴とする請求項5記載の電界放射型電子源
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